JPS6143607Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車等におけるウインドガラスの
取付構造に関する。

従来のウインドガラスの取付構造として、例え
ば第１図に示すようなものがある。これは自動車
１のオペラウインド２の取付側で、ウインドガラ
スとしてのオペラガラス３とモール４との関係を
第２図に詳細に示してある（実開昭55−63208号
公報参照）。５は車体のアウターパネルで、車室
内方向に段差を持つた取付面５ａ，５ｂが窓開口
６周辺に設けられ、取付面５ｂには接着剤７およ
びダムラバー８を介してオペラガラス３の周辺内
面が接着されている。４はオペラガラス３とは別
体に成形されてなるモールで、車室外にのぞむ側
は略円弧状に突出し、必要に応じ装飾的外観が付
与される。このモール４の車室内側中央には平板
状ブラケツト９がビス１０にて固着され、このブ
ラケツト９の一端には、車室内側に向つて突出す
る係止爪片１１ａを持つたクリツプ１１が一体に
嵌着されている。

ところで、かかるウインドガラスの取付構造に
あつては、オペラガラス３と別体のモール４はイ
ンジエクシヨン成形により得て、これの裏側にビ
ス１０でブラケツト９を固定し、さらにこのブラ
ケツト９にクリツプ１１を嵌合し、オペラガラス
３をアウターパネル５の取付面５ｂに接着剤７に
て固着した後に、そのクリツプ１１の係止爪片１
１ａを取付面５ａに穿設した係止孔１２に圧入保
持している。

しかしながら、かかるブラケツト９のビス１０
による固定やブラケツト９へのクリツプ１１の嵌
合などは、面倒な組付作業を要するとともに、組
付部品点数が多いことによるコストアツプが避け
られないという実用上の欠点があつた。また、ク
リツプ１１の係止孔１２がダムラバー８や接着剤
７の外側にあるため、その係止孔１２から外部の
水がアウターパネル５内に浸入するという問題が
あつた。さらに、前記クリツプ１１の係止爪片１
１ａがモール４の裏側に突出するため、このクリ
ツプ１１を収納するためのスペースを余分に確保
する必要があつた。

この考案はかかる従来の問題点に鑑みて成され
たものであり、係止爪片を有するモールとこのモ
ールにて周辺が被覆されるウインドガラスとを一
体化成形品として得て、余分な係合部材などを省
いて構成ならびに組付けの簡略化を図り、前記成
形品をパネルに簡単に仮止めして接着剤による本
止めのための位置固定を確実化できるようにした
ウインドガラスの取付構造を提供するものであ
る。

以下に、この考案の実施例を図面について具体
的に説明する。

第３図はこの考案のウインド１３を示す。この
ウインド１３はウインドガラス１４の周縁にモー
ル１５を一体に結合するとともに、そのモール１
５の外周面に複数の係止爪１６を一体に設けたも
のからなる。

第４図は第３図に示すウインド１３の取付面を
詳細に示すものである。前記モール１５はウイン
ドガラス１４周縁付近を両サイドから挾持するご
とく一体化したＵ字状の挾持部１５ａと、この挾
持部１５ａの一片に直線的に連続する緩衝材の取
付部１５ｂと、その挾持部１５ａの他片に直角に
連続する補強片１５ｃとからなり、この補強片１
５ｃの外側に複数の前記係止爪１６が一体に設け
られている。一方、前記モール１５とウインドガ
ラス１４とは後述するように一体成形によつて結
合されている。

第５図はその一体成形のための装置を示す。同
図において、１７はコア１８ａ，１８ｂ，１８
ｃ、スライドコア１９およびコア１８ａ，１８ｂ
間、１８ｂ，１８ｃ間を摺動する斜め押出しブロ
ツク２０からなる下型で、これらコア１８ａ，１
８ｂ，１８ｃ，１９およびブロツク２０の互いに
接する部位の上端に合成樹脂例えばABS樹脂用
の型溝２１が設けられ、この型溝２１に対応する
部位の上型２２にも所定形状のモールを成形する
型溝２３とランナー２４およびこれらに連通する
注入孔２５が設けられている。また、２６は前記
の押出しブロツク２０端を枢支する押出し板であ
り、この押出し板２６はその下部に配設されたダ
イプレート２７の透孔２８内を昇降する押出しロ
ツド２９によつて上下動するようになつている。

かかる装置によれば、前記型溝２１内の所定位
置にウインドガラス１４を介在し、下型の各コア
１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，１９および押出しブロ
ツク２０を図示のように接合し、その下型１７に
上型２２を介せて、注入孔２５、ランナー２４を
通じて合成樹脂を型溝２１，２３内に注入し、そ
の合成樹脂を硬化させる。続いて、上型２２を上
方に離し、下型のコア１８ａ，１８ｂ，１８ｃ，
１９および押出しブロツク２０を所定の手順で分
離し、ウインドガラス１４と合成樹脂のモール１
５とを一体成形した第３図に示すようなウインド
１３が得られる。

このようにして得られたウインド１３は車体ア
ウターパネル３０を車室内側に段差を設けて形成
した取付面３０ａに接着剤３１を介して圧接さ
れ、この圧接力により前記係止爪１６が窓開口３
２周縁を摺接しながら通過し、その窓開口３２周
辺の裏側に係止する。かかる状態において、係止
爪１６は後述の接着剤が固化するまでの仮止め及
び位置決め部材として作用し、アウターパネル３
０への結合強度は接着剤３１の結着力に依存す
る。また、前記取付部１５ｂ先端には塩化ビニー
ル等の軟質樹脂による緩衝材３３が嵌め込まれ、
取付部１５ｂのアウターパネル３０に対する傷付
を防止している。なお、この緩衝材３３はシール
材としても作用する。このようにウインドガラス
１４がモール１５を介してアウターパネルに取付
けられる。

第６図および第７図はこの考案におけるウイン
ドの各実施例を示すものである。第６図はモール
１５の補強片１５ｃを省いて、係止爪片３４を複
数設け、これによつて係止爪片３４をアウターパ
ネル３０の窓開口３２に嵌め易くしたものであ
る。第７図は係止爪片３４を補強片１５ｃとは分
離するようにスリツト３５を入れ、以つてモール
１５の強度を下げずに窓開口３２へ嵌め易くした
ものである。

第８図はこの考案のウインドの他の実施例を示
すものである。これはウインドガラス部３６およ
びモール部３７をアクリル、ポリカーボネートな
どの透明な合成樹脂にて一体成形したもので、ウ
インドガラス部３６と直線的に連続する部分は肉
厚となつて、その周縁に緩衝材３８が嵌挿されて
いる。なお、３０は第４図に示すものと略同様の
アウターパネルで、段差のある取付面３０ａと窓
開口３２を有する。また、前記肉厚部分には車室
内方向に直角に係止爪片４０が一体に設けられて
いる。

かかるウインドもこれをアウターパネル３０に
接着剤３１を介して圧接することにより、係止爪
片４０が窓開口３２周辺に係合して仮止め状態に
なるとともに、前記接着剤３１により本止めされ
る。この場合において、車室外からの取付部を見
えないようにするため、係止爪片４０を含むモー
ル部３７の内外面の一方または両方に、例えば範
囲ＸおよびＹに亘つて、着色塗装やスパツタなど
の表面処理を施してある。

このように、ウインドガラス１４とモール１５
あるいはウインドガラス部３６とモール部３７と
を係止爪１６、係止爪片３４，４０などとともに
一体成形品として得ることにより、これをアウタ
ーパネル３０の窓開口３２周辺に接着剤を介して
圧接するだけで、仮止め並びに本止めが簡単に行
え、組付作業の迅速化が図れ、従来のように多く
の組付部品を要しない。

以上説明したように、この考案によれば、ウイ
ンドガラスとモールとを一体形成するので、使用
部品数が少くなり、組付工数を大幅に削減でき
る。また、アウターパネルにモール取付けのため
に、別途取付孔を設ける必要がなくなるので、シ
ール性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車の要部の側面図、第２図
は第１図の−線における拡大断面図、第３図
はこの考案のウインドの斜視図、第４図はこのウ
インドのアウターパネルへの取付構造を示す第３
図の−線における断面図、第５図はウインド
の一体成形装置の概略断面図、第６図、第７図は
ウインドの他の実施例を示す要部の斜視図、第８
図はさらに他の実施例を示す要部の斜視図であ
る。 １３……ウインド、１４……ウインドガラス、
１５……モール、１６……係止爪、３０……車体
パネル、３２……窓開口、３４……係止爪片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体パネルに対するウインドガラスの取付構造
   において、ウインドガラス周辺に複数の係止爪を
   突設したモールを一体成形し、前記係止爪を車体
   パネルの窓開口周縁に係合させるとともに、この
   窓開口周辺に接着剤を介してモールを接着してな
   るウインドガラスの取付構造。