JPH0645377Y2 - ウインドウ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、車体の適宜開口箇所にファスナーで取り付け
るウインドゥの改良に関するものである。

従来の技術 一般に、自動車においては第８図で示すオペラウインド
ゥＯや第９図に示すテイルランプフィニッシュＴの窓部
Ｗに、無機質ガラスまたはポリカーボネイト，アクリル
樹脂等で形成した透明なウインドゥプレートが取り付け
られている。

従来、このウインドゥプレートには、第10図で示すよう
にリテーナーやアンカークリップ等のファスナーＦがウ
インドゥプレートの外周縁に貼着され或いは枠部と一体
にインサート成形することにより取り付けられている。
そのファスナーＦは、ウインドゥプレートを車体パネル
の所定箇所に止着固定するよう備え付けられている（特
開昭58-113480号，特開昭58-113482号）。

考案が解決しようとする課題 然し、枠部の形状，寸法はインジェクション成形型によ
って決定されるので所望の形状に成形され、被取付体で
ある車体パネルの取付位置と一致させられるものの、フ
ァスナーをウインドゥプレートの外周縁に別途貼着固定
するときにはウインドゥプレートの位置のバラ付きで被
取付体となる車体パネルとの位置関係を正確に合せにく
い。また、ファスナーをインサート成形する場合には、
ファスナーを取り付ける位置によってはウインドゥプレ
ートが曲面を有すると、アンダーカット部が発生するこ
とによりファスナーが型に引っ掛かって製品を取り出せ
ない場合がある。

課題を解決するための手段 本考案に係るウインドゥにおいては、透明なウインドゥ
プレートの外周縁裏面には不透明な着色層が形成され、
そのウインドゥプレートの外周縁に沿い且つ前記着色層
の内周縁との間に所定巾の着色層を残して合成樹脂また
はゴムの枠部がインジェクション成形で一体的に形成さ
れ、枠部はウインドゥプレートの裏面の外周縁に沿って
長尺状の裏面側枠体部を有し、この裏面側枠体部には当
該裏面側枠体部からウインドゥプレートの中心側に向け
て突出し且つその突出端が着色層の内周縁を越えない範
囲で位置するファスナー位置決め部が枠体部から連続し
て一体に設けられ、そのファスナー位置決め部はファス
ナー頭部を位置決め係止する係合部を有し、この係合部
はファスナー頭部の全外周縁を実質的に囲むとともに外
周縁形状と略同一の内周縁形状を有し、ファスナー頭部
の外周縁を係合部の内周縁に当接させることにより位置
決め係止させて別体のファスナーがウインドゥプレート
の裏面側に取付け固定されて構成されている。

作用 このウインドゥでは、ウインドゥプレートの外周縁に被
着成形する枠部の裏面側枠体部と一体にファスナー位置
決め部がインジェクション成形型によって枠部に対して
固定した寸法を保って所定位置に形成され、また、係合
部がファスナー頭部の全外周縁を実質的に囲むとともに
外周縁形状と略同一の内周縁形状を有するので、そのフ
ァスナー位置決め部で別体のファスナーを位置決め固定
するのにウインドゥプレートにバラ付きがあっても、フ
ァスナー位置と枠部とは常に一定の寸法を保ち、また、
ファスナー頭部はファスナー位置決め部の係合部内周縁
と当接してファスナーがウインドゥプレートの面方向へ
ズレるのを阻止されるので、車体パネルに対して枠部が
正確な位置に位置合わせされてウインドゥを取り付ける
ことができる。また、ファスナー位置決め部が裏面側枠
部からウインドゥプレートの中心側に向けて突出し、そ
の突出端がウインドゥプレートの外周縁裏面側に設けら
れた不透明な着色層の内周縁を越えない範囲内に形成さ
れているので、裏面側枠体部及びファスナーを含めてフ
ァスナー位置決め部が車外側から見えず、体裁を良好な
ものに保つことができる。実施例 以下、第１〜７図を参照して説明すれば、次の通りであ
る。

第１図で示すウインドゥプレート10は無機質ガラスまた
はポリカーボネイト，アクリル樹脂等で形成した透明な
ものであり、第８及び９図で示すと同様にオペラウイン
ドゥやテイルランプフィニッシュの窓部等を形成するの
に用いられる。

そのウインドゥプレート10の外周縁には、後述する車体
パネルの形状に応じて合成樹脂またはゴム等の枠部11が
インジェクション成形により一体的に形成されている。
この枠部11はウインドゥプレート10の表面側に位置する
表面側枠体部11aと、ウインドゥプレート10の端部に位
置する側面側枠体部11bと、ウインドゥプレート11の裏
面側に位置する裏面側枠体部11cとから一体に形成され
ている。その枠部11は、第２図で示すようなインジェク
ション金型C1,C2,C3を用いて形成されている。この金型
の内部にはウインドゥプレート10の端部を位置決めさせ
てウインドゥプレート10をインサートすると共に、枠部
11が形成される外周縁の中心側寄りに沿ってウインドゥ
プレート10をクッション材等のパッド部材P1,P2で挾持
し、枠部11を形成する合成樹脂またはゴムを射出成形す
ることにより成形される。従って、表面側枠体部11a,側
面側枠体部11b,裏面側枠体部11cは相互にインジェクシ
ョン成形型によって決定された正確な位置，寸法関係を
保つことになる。また、このインジェクション成形にあ
たっては不透明な着色層12をウインドゥプレート10の裏
面側に予め形成し、不透明な着色層12の内周縁12aとの
間に所定巾の着色層12を残して平面領域内に枠部11を形
成している。

そのウインドゥプレート10の裏面側には、ファスナー位
置決め部13が裏面側枠体部11cから連続して一体に形成
されている。これにより、位置決め部13は表面側枠体部
11aとも正確な位置，寸法関係を保つ。このファスナー
位置決め部13には、第１図で示す如くスタッドボルト，
アンカークリップ等のファスナー14のファスナー頭部14
aを取付け固定する。そのファスナー位置決め部13は、
ファスナー頭部14aの外周形状に相応するよう間隔をへ
だてて相対する二つの桟状を呈し、枠の長手方向の位置
決めをする位置決め部13a,13aと、この長手方向の位置
決め部13a,13aと直交する方向で枠部11の裏面側枠体部1
1cとの各内側面13a-1,13a-1,13a-2で区画される係合部
がファスナー頭部14aの外周縁形状と略同一の内周縁形
状を有するよう形成されている。また、そのファスナー
位置決め部13は裏面側枠体部11cからウインドゥプレー
ト10の中心側に向けて突出するように枠部11と一体にイ
ンジェクション成形され、そのファスナー位置決め部13
の突出端が不透明な着色層12の内周縁12aを越えない範
囲内に位置するよう設けられている。このファスナー位
置決め部13に対しては、各位置決め部13a,13a並びに裏
面側枠体部11cの各内側面、即ち、係合部13a-1,13a-1,1
3a-2で区画される内周縁にファスナー頭部14aの外周縁
を当接させることにより位置決め係止させ、合成樹脂で
覆ったファスナー頭部14aを接着剤等で固着することに
よりファスナー14が取付け固定されている。

このように構成するウインドゥでは、第３図で示すよう
に車体パネルＰの形状に応じてファスナー位置決め部13
が枠部11と一体にインジェクション成形で固定的な位置
関係を保って形成されることになる。そのため、ファス
ナー位置決め部13の成形位置にはファスナー頭部14aを
係合部13a-1,13a-1,13a-2で位置決め係止させて固着す
れば、第４図で示す如くウインドゥプレート10に寸法的
なバラ付きがあっても、ファスナー位置決め部13が枠部
11に対して正確な位置に形成されているので、ファスナ
ー14を車体パネルの取付孔に嵌め込むようにすれば、枠
部11は車体パネルに対して所定な位置に正確に取付け固
定できる。また、このファスナー14はウインドゥプレー
ト10に複数個取り付けて夫々を車体パネルの取付孔に係
合し、それに加えて、枠部11の裏面にひも状に塗布した
接着剤で車体パネルＰに接着することによりウインドゥ
を車体パネルＰに確りと固定できる。

なお、ファスナー位置決め部13は第１図で示すもの以外
に、第５図で示すように平面略Ｏリング状を呈する位置
決め部13aの内周縁を係合部13a-1,13a-2として形成する
ことができ、この場合にはファスナー14を回転スピン溶
着等でも固着することができる。更に、それらに代え
て、第６図で示す如く四辺形の枠状を呈する各位置決め
部13a,13a並びに裏面側枠体部11cの内側面を係合部13a-
1,13a-2として形成することもできる。

このように位置決め部13aの係合部13a-1,13a-2がファス
ナー頭部14aの全外周縁を実質的に囲むとともに外周縁
形状と略同一の内周縁形状を有するので、ファスナー頭
部14aは係合部13a-1,13a-2と係合してファスナーがウイ
ンドゥプレート10の面方向へズレるのを阻止され、車体
パネルに対して枠部及びファスナーが正確な位置に取り
付けることができる。また、ウインドゥプレート10が曲
面形を呈し、被取付体となる車体パネルＰに対して斜め
に位置するものがあるが、この場合には第７図で示すよ
うにファスナー位置決め部13の係合部で区画される内周
縁をウインドゥプレート10の面の傾斜と逆の傾斜面13a-
3で形成すれば、ファスナー14を車体パネルＰに対して
垂直に突出するよう取り付けることができる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係るウインドゥに依れば、位置決
め部の係合部がファスナー頭部の全外周縁を実質的に囲
むとともにファスナー頭部の外周縁形状と略同一の内周
縁形状を有するので、ファスナー頭部を係合部に係合さ
せると、ファスナーがウインドゥプレートの面方向へズ
レるのを阻止される。従って、ファスナーがウインドゥ
の枠部に対して正確な位置で簡単に取り付けられ、その
後にファスナーを被取付体となる車体パネルの取付孔に
嵌め込めばウインドゥを車体パネルに対して正確に位置
合せさせて簡単に取り付けできると共に、ファスナーの
取付部が不透明な着色層で車外側から見えないので体裁
上も良好なものに保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るウインドゥをファスナーの取付け
前で示す説明図、第２図は同ウインドゥに設けられる枠
部の成形工程を示す説明図、第３図及び４図は同ウイン
ドゥと被取付体との関係を示す説明図、第５及び６図は
同ウインドゥに設けられるファスナーの位置決め部の変
形例を示す部分平面図、第７図は曲面形状を有するウイ
ンドゥと被取付体との関係を示す説明図、第８及び９図
はウインドゥの取り付け箇所を示す説明図、第10図はウ
インドゥの装備品を示す説明図である。 10:ウインドゥプレート、11:枠部、11c:裏面側枠体部、
12:不透明な着色層、12a:着色層の内周縁、13:ファスナ
ー位置決め部、13a,13a:位置決め部、13a-1,13-2:係合
部、13a-3:傾斜面、14:ファスナー、14a:ファスナー頭
部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透明なウインドゥプレートの外周縁裏面に
   は不透明な着色層が形成され、そのウインドゥプレート
   の外周縁に沿い且つ前記着色層の内周縁との間に所定巾
   の着色層を残して合成樹脂またはゴムの枠部がインジェ
   クション成形で一体的に形成され、枠部はウインドゥプ
   レートの裏面の外周縁に沿って長尺状の裏面側枠体部を
   有し、この裏面側枠体部には当該裏面側枠体部からウイ
   ンドゥプレートの中心側に向けて突出し且つその突出端
   が着色層の内周縁を越えない範囲で位置するファスナー
   位置決め部が枠体部から連続して一体に設けられ、その
   ファスナー位置決め部はファスナー頭部を位置決め係止
   する係合部を有し、この係合部はファスナー頭部の全外
   周縁を実質的に囲むとともに外周縁形状と略同一の内周
   縁形状を有し、ファスナー頭部の外周縁を係合部の内周
   縁に当接させることにより位置決め係止させて別体のフ
   ァスナーがウインドゥプレートの裏面側に取付け固定さ
   れていることを特徴とするウインドゥ。
2. 【請求項２】上記ファスナー頭部が、ウインドゥプレー
   トの曲面に応じて傾斜させ且つ係合部で区画されるファ
   スナー位置決め部の内側に固着されているところの実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のウインドゥ。