JPH11152361A - プロピレン系樹脂押出発泡体 - Google Patents

プロピレン系樹脂押出発泡体

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JPH11152361A
JPH11152361A JP25463798A JP25463798A JPH11152361A JP H11152361 A JPH11152361 A JP H11152361A JP 25463798 A JP25463798 A JP 25463798A JP 25463798 A JP25463798 A JP 25463798A JP H11152361 A JPH11152361 A JP H11152361A
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foam
resin
propylene
based resin
foaming
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Yoshiaki Momose
義昭 百瀬
Toru Kino
徹 木野
Kazuhiko Morita
和彦 森田
Hitoo Ito
仁雄 伊藤
Takeshi Aoki
健 青木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材樹脂として無架橋プロピレン系樹脂を用
いた従来のプロピレン系樹脂押出発泡体の欠点を解決
し、表面凹凸や実質的な連続気泡がなく、全体が均質な
優れた性状を有するシート状のプロピレン系樹脂押出発
泡体を提供する。 【構成】 本発明は、無架橋のプロピレン系樹脂を基材
とするシート状押出発泡体であって、基材樹脂であるプ
ロピレン系樹脂の230℃におけるメルトテンションが
7gf以上、結晶化温度+15℃における半結晶化時間
が800秒以上であり、且つシート状発泡体の密度が
0.10〜0.25g/cm3 、表面気泡数が26〜48
個/9mm2 のものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロピレン系樹脂押
出発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】長尺形状の発泡体や、容器等を成形する
ためのシート状発泡体を製造するための方法として、熱
可塑性樹脂を押出機内で発泡剤と溶融混練した後、低圧
下に押出して発泡せしめる押出発泡法が広く採用されて
いる。
【0003】オレフィン系樹脂の押出発泡法において
は、樹脂と発泡剤との溶融混練物を押出機内から低圧下
に押出した際に、溶融混練物中の発泡剤が膨張すること
により発泡が行われるが、樹脂の温度を高くすると粘度
が急激に低下してしまい樹脂が発泡剤を保持できず樹脂
中から逃散して連続気泡の発泡体となり、逆に樹脂の粘
度を高くするために樹脂温度を低くすると樹脂の結晶化
が進行し、その結果、充分且つ均一に発泡しなくなって
発泡体表面が凹凸となってしまうため、押出発泡は充分
に均一な発泡が行われるとともに発泡剤を樹脂中に保持
し得る粘弾性を樹脂が有する温度で行う必要がある。発
泡に適した粘弾性が得られる温度範囲は樹脂の種類によ
って異なっており、一般にこの温度範囲を発泡適性温度
範囲と称している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低密度
ポリエチレン等に比べて結晶化度が高いプロピレン系樹
脂は樹脂の粘弾性が僅かな温度変化によって大きく変化
し、発泡適性温度範囲は非常に狭い。このような狭い温
度範囲内に樹脂温度を保持して押出発泡を行うことは非
常に困難なことであり、押出発泡温度が変動して発泡適
性温度範囲から外れた時に発泡した部分は連続気泡構造
となったり表面が凹凸となったりし、全体が良好で均質
な性状の発泡体は得難かった。従来、無架橋のプロピレ
ン系樹脂の場合、比較的良好な発泡体を得ることができ
るのは、密度が0.2g/cm3 を超える低発泡倍率のもの
か、密度が0.013g/cm3 未満の高発泡倍率のものと
されている。上記のような問題は、プロピレン系樹脂の
高い結晶性に起因するものと考えられており、密度が0.
2g/cm3 を超える低発泡倍率の押出発泡体が比較的良
好に得られるのは、発泡剤の量に比べて樹脂の割合が多
いため、押出発泡時の樹脂温度をその樹脂の結晶化温度
よりもかなり高い温度に設定することができることに起
因するためと考えられる。また密度が0.013g/cm3
未満の高発泡倍率の発泡体を比較的良好に得ることがで
きるのは以下の理由による。
【0005】一般に、押出発泡途上にある発泡中のオレ
フィン系樹脂には冷却手段を用いて外部から冷却操作を
施し、それによって、気泡壁を固化させて良好な発泡体
を得ようとしている。しかし、プロピレン系樹脂は低密
度ポリエチレンに比べ結晶化度が高いため、結晶化の際
の発熱量が大きい。この熱が上記冷却ひいては気泡壁の
固化を妨げ、発泡途上にあるプロピレン系樹脂の気泡を
破壊したり変形させたりする。そこで発泡剤を多量に配
合して発泡することで、発泡剤の気化熱(膨張熱)を利
用して発泡途上のプロピレン系樹脂の温度を急激に低下
させ、これによって気泡壁の固化を促進させる。また多
量の発泡剤は押出機中での樹脂の結晶化を遅らせる働き
がある。その結果、比較的良好に発泡体が得られるので
ある。ただし、この場合、発泡剤を多量に配合する必要
性から、得られる発泡体は必然的に密度が0.013g/
cm3 未満の高発泡倍率のものとなる。また、この場合に
おいても発泡適性温度範囲はわずか0.6℃程度に過ぎな
い。
【0006】本発明は上記高発泡倍率あるいは低発泡倍
率のプロピレン系樹脂押出発泡体しか得られない実情に
鑑みなされたもので、密度が0.10〜0.25g/cm
3 、表面気泡数が26〜48個/9mm2 で優れた性状を
有するシート状のプロピレン系樹脂押出発泡体を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明のプロピレン
系樹脂押出発泡体は、無架橋のプロピレン系樹脂を基材
とするシート状押出発泡体であって、基材樹脂であるプ
ロピレン系樹脂の230℃におけるメルトテンションが
7gf以上、結晶化温度+15℃における半結晶化時間
が800秒以上であり、且つシート状発泡体の密度が
0.10〜0.25g/cm3 、表面気泡数が26〜48
個/9mm2 であることを特徴とする。
【0008】本発明において用いる、230℃における
メルトテンションが7gf以上で,且つ結晶化温度+1
5℃における半結晶化時間が800秒以上である無架橋
プロピレン系樹脂は、例えば低分子量のポリプロピレン
を含む全体としてアイソタクチック構造の線状プロピレ
ン系樹脂を低温分解型(分解温度:室温〜120℃程
度)の過酸化物と混合して120℃以下に加熱し、線状
プロピレン系樹脂に低分子量ポリプロピレンを分岐鎖と
して再結合せしめる等の方法により得ることができ、通
常、線状プロピレン系樹脂の主として端部に長鎖分岐を
有する枝別れ状構造を有すると考えられる。上記線状プ
ロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマーや、
プロピレンと他のオレフィンとの共重合体等が挙げられ
る。プロピレンと共重合可能な他のオレフィンとして
は、エチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4-ジメ
チル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘ
キセン等が挙げられる。また上記低温分解型の過酸化物
としては、ジ(s−ブチル)ペルオキシジカーボネー
ト、ビス(2−エトキシ)ペルオキシジカーボネート、
ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−n−
プロピルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペ
ルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジ
カーボネート、t−ブチルペルオキシネオデカノアー
ト、t−アミルペルオキシネオデカノアートおよびt−
ブチルペルオキシピバラート等が例示される。
【0009】本発明において用いる無架橋プロピレン系
樹脂は、上記アイソタクチック構造の線状プロピレン系
樹脂を、攪拌機を備えた反応器中で攪拌しながらアルゴ
ン等の不活性ガスで反応容器内を置換し、次いで上記過
酸化物を樹脂1kg当たり通常5〜50ミリモル添加し、
攪拌を続けながら120℃程度まで、好ましくは70〜
105℃程度に加熱して反応させ(通常30〜120分
間)、しかる後、反応を停止させて得られる。反応停止
に当たっては、メチルメルカプタンのような反応停止剤
を反応容器に導入したり、あるいは反応生成物を130
〜150℃程度に20〜40分間加熱する方法等が採用
される。
【0010】本発明においては上記の樹脂を単独で用い
るのみならず、上記の樹脂に他の樹脂を混合して用いる
こともできる。混合して用いる樹脂としては、例えば上
記以外のプロピレン系樹脂、或いは高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系
樹脂、ブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹
脂等が挙げられる。
【0011】本発明において樹脂のメルトテンションは
メルトテンションテスターによって測定することができ
る。また本発明において半結晶化時間の測定には結晶化
速度測定器を用いることができる。半結晶化速度を測定
するには、まずフィルム状の試料を保持した支持体を、
結晶化速度測定器のエアバス内に入れて試料を完全に溶
融させ、次いで溶融試料を支持体ごと試料の結晶化温度
+15℃の温度に保持されたオイルバス中に、光源と光
センサーの光路を遮るように浸漬し、溶けた試料が再度
固化するまでの間、光センサーにおいて常に一定の光量
が検出されるように光源の電圧を調整し、図1に示す如
き電圧〜時間曲線を得る。この曲線における電圧が一定
値となった時の電圧をV0 とした時、電圧が1/2V0
となるまでの時間を半結晶化時間とした。
【0012】本発明のシート状押出発泡体は、密度0.
10〜0.25g/cm3 で、表面気泡数が26〜48個
/9mm2 のものである。
【0013】本発明の発泡体において、シート状発泡体
を構成する基材樹脂中に、総重量の15〜50重量%の
無機充填剤を含有することが好ましい。無機充填剤とし
ては、例えばタルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレ
ー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム等が挙げられ
る。これらの平均粒径は1〜70μmであることが好ま
しい。このような無機物を多量に含有するシート状の発
泡体は耐熱性が向上するとともに焼却処理の際の燃焼カ
ロリーを低下させることが可能となる。
【0014】本発明は上記シート状発泡体は加熱成形し
て成形体を得ることができる。シート状発泡体の成形方
法としては、真空成形、圧空成形やこれらの応用とし
て、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ
成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレー
ト成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリ
ップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバー
スドロー成形等やこれらを組み合わせた方法等を適用す
ることができる。
【0015】本発明の押出発泡体を得る方法として、押
出機内で樹脂と発泡剤とを溶融混練した後、この溶融混
練物を押出機先端に取り付けたダイスを通して低圧下に
押出して発泡する方法が採用される。シート状の発泡体
を得るためには、環状のリップを有するサーキュラーダ
イスを用い、このダイスのリップより押出発泡してチュ
ーブ状の発泡体を得、次いでこのチューブを切り開いて
シート状とする方法が通常採用される。
【0016】発泡剤としては、無機発泡剤、揮発性発泡
剤、分解型発泡剤等を用いることができる。無機発泡剤
としては、二酸化炭素、空気、窒素等を用いることがで
きる。揮発性発泡剤としてはプロパン、n−ブタン、i
−ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シ
クロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、
トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、ジ
クロロテトラフロロエタン、メチルクロライド、エチル
クロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水
素等を用いることができる。また分解型発泡剤として
は、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナト
リウム等を用いることができる。これらの発泡剤は適宜
混合して用いることもできる。発泡剤の使用量は、発泡
剤の種類、所望する発泡倍率等によっても異なるが、例
えば密度0.2〜0.013g/cm3 程度の発泡体を得るた
めの発泡剤の使用量の目安は、樹脂100重量部当たり
揮発性発泡剤0.5〜25重量部(ブタン換算)程度であ
る。また密度0.09g/cm3 を超える発泡体を得るため
の発泡剤の使用量の目安は、樹脂100重量部当たり、
無機発泡剤の場合0.1〜10重量部程度、分解型発泡剤
の場合0.1〜5重量部程度である。
【0017】本発明において樹脂と発泡剤との溶融混練
物中に、更に気泡調整剤を添加しても良い。気泡調整剤
としてはタルク、シリカ等の無機粉末や多価カルボン酸
の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或いは重炭
酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。気泡調整
剤は樹脂100重量部当たり13重量部程度以下添加す
ることが好ましい(ただし、前記無機充填剤を樹脂に多
量に含有させる場合は除く。)。また必要に応じて、更
に熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等の添
加剤を添加することもできる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。尚、実施例、比較例において使用した樹脂の物
性を表1に示した。また実施例、比較例において発泡
剤、気泡調整剤の添加量は、これらと樹脂との総和を1
00重量部とした時の重量割合である。使用した樹脂の
メルトテンションの測定には(株)東洋精機製作所製の
メルトテンションテスターII型を用い、半結晶化時間の
測定にはコタキ商事(株)製の結晶化速度測定器MK−
801型を使用した。
【0019】尚、メルトテンションの測定は次の通り行
うものとする。メルトインデクサーのノズル(口径2.0
95mm、長さ8mm)より230℃に加熱した溶融プロピ
レン系樹脂を上方より荷重をかけて10mm/分の一定速
度で紐状に押出し、該押出物を張力検出プーリーを通過
させて送りロールに導いて巻き取る一方で巻取り速度を
徐々に増加させていって紐状物を切断させ、この切断直
前の張力を読み取り、これをメルトテンション(gf)
とする。但し、巻き取り速度78.5m/分において紐状
物が切断しない場合には、この時の張力を読み取り、こ
れをメルトテンションとする。
【0020】
【表1】
【0021】実施例1 樹脂Aの93重量部当たりに対し、イソブタン2重量
部、タルク5重量部を、上記実施例と同様の押出機内で
溶融混練した後、径75mmφ、間隙0.5mmのサーキュラ
ーダイスより押出してチューブ状の発泡体を得た。この
チューブ状の発泡体の内側及び外側に空気吹きつけ用の
リングを設置してチューブの外面側及び内面側に空気を
吹付け、更にチューブ状発泡体の内面側が冷却用マンド
レル(マンドレル径はリップ径の2.0倍)に接するよう
にして引取り、ブロー比2.0倍のチューブ得、このチュ
ーブを切り開いてシートを得た。押出発泡温度は162
℃、165℃、168℃の3種類で行い、各押出発泡温
度で得られたシートの状態を表2に示した。尚、押出発
泡温度は、樹脂中の異物等を取り除くためのメッシュ状
スクリーンを取り付けたブレーカープレートを押出機と
サーキュラーダイスとの間に設け、このブレーカープレ
ート部で測定した。
【0022】発泡シートの状態は、 ○・・・表面凹凸が小さく、連続気泡の部分が実質的に
なく、全体が略均質な性状を有する。 ×・・・表面に凹凸やコルゲートが激しかったり、連続
気泡構造の部分が多かったりし、全体が均質な性状を有
していない。 として評価した。
【0023】
【表2】
【0024】比較例1 樹脂Eの96.5重量部当たり、イソブタン2重量部、タ
ルク1.5重量部を、実施例5で用いたと同様の押出機内
で溶融混練した後、同様のサーキュラーダイスより押出
して発泡した。押出発泡温度が181℃を超えると発泡
剤ガスが樹脂中から逃散して発泡体が得られず、押出発
泡温度が181℃では独立気泡構造の発泡体は得られる
が、押出発泡して得たチューブ状の発泡体をマンドレル
に通すとチューブが裂けて良好なシートを得ることがで
きなかった。押出発泡温度を179℃とするとチューブ
状の発泡体をマンドレルに通してもチューブが裂けるこ
とはなかったが、チューブのマンドレル上での滑りが悪
く引取りが困難となった。また、押出発泡温度を178
℃まで下げると押出機の圧力が高くなり押出発泡不能と
なった。発泡適性温度範囲は180±1℃程度と非常に
狭かった。押出発泡温度が179℃の時に得られた発泡
シートは厚み0.9mm、発泡体密度0.27g/cm3 であっ
たが、表面には凹凸が激しく、部分的に裂けたりしてお
り全体が均質な発泡シートではなかった。
【0025】実施例2〜4 樹脂B、ブタン及びクエン酸モノナトリウム塩とを表3
に示す割合でタンデム押出機(第1押出機:スクリュー
径65mm、L/D=34、第2押出機:スクリュー径9
0mm、L/D=32)に配合し、溶融混練した後、押出
機先端に取り付けた65mmφ、間隙0.5mmのサーキュラ
ーダイスよりチューブ状に押出発泡する一方で、該発泡
体の内外表面に空気を吹き付けると共に、更に内表面が
冷却用マンドレル(マンドレル径200mm)に接するよ
うにして引取り、その後、このチューブ状発泡体を押出
方向の一端より切り開いてシートとした。この時の押出
条件及び得られた発泡シートの性状を併せて表3に示
す。
【0026】
【表3】
【0027】次に上記実施例2〜4で得られた各シート
を、165℃の雰囲気温度の加熱炉で、それぞれ14秒
間、11秒間及び10秒間加熱し、プラグアシスト真空
成形を行ったところ、ナキや破断のない均質度の高い容
器が得られた。この容器は図2、図3に示すように仕切
り10の両側に収納部11、12を有する皿状の容器で
あり、図2、図3中、a〜hの各寸法は、a:17.5c
m、b:11.2cm、c:6.3cm、d:11cm、e:9c
m、f:4cm、g:3.5cm、h:2.5cmである。
【0028】比較例2 樹脂Eの96.5重量部当たり、ブタン2重量部、タルク
1.5重量部を、実施例9で用いたと同様の押出機内で溶
融混練した後、同様のサーキュラーダイスより押出して
発泡した。押出発泡温度が173℃を超えると発泡剤ガ
スが樹脂中から逃散して発泡体が得られなかった。押出
発泡温度が172℃では独立気泡構造の発泡体は得られ
るが、押出発泡して得たチューブ状の発泡体をマンドレ
ルに通すとチューブが裂け、更にチューブのマンドレル
上での滑りが悪く引取りが困難であった。また、押出発
泡温度を170℃まで下げると押出機の圧力が高くなり
押出発泡不能となった。押出発泡温度が172℃の時に
得られた発泡シートは厚み0.6mm、密度0.56g/cm3
であったが、表面には凹凸が激しく、部分的に裂けたり
しており全体が均質な発泡シートではなかった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明のプロピレン
系樹脂押出発泡体の基材樹脂は、230℃におけるメル
トテンションが7gf以上、結晶化温度+15℃におけ
る半結晶化時間が800秒以上の無架橋のプロピレン系
樹脂であり、この樹脂は従来の無架橋プロピレン系樹脂
に比べて発泡適性温度範囲が広いため、押出発泡温度の
コントロールが容易であり、無架橋プロピレン系樹脂を
基材樹脂に用いて全体が均質で優れた性状のプロピレン
系樹脂押出発泡体を得ることができる。本発明のシート
状の押出発泡体は、表面凹凸が小さく、連続気泡の部分
が実質的になく、全体が略均質な性状を有する等の優れ
たものであり、容器等を成形する場合でも、得られた成
形体は収縮等のない性状良好なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶化速度測定によって得られた電圧〜時間曲
線である。
【図2】実施例2〜4で得られたシートを成形して得た
皿状容器の平面図である。
【図3】実施例2〜4で得られたシートを成形して得た
皿状容器の側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 健 栃木県日光市野口690−6

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無架橋のプロピレン系樹脂を基材とする
    シート状押出発泡体であって、基材樹脂であるプロピレ
    ン系樹脂の230℃におけるメルトテンションが7gf
    以上、結晶化温度+15℃における半結晶化時間が80
    0秒以上であり、且つシート状発泡体の密度が0.10
    〜0.25g/cm3 、表面気泡数が26〜48個/9mm
    2 であることを特徴とするプロピレン系樹脂押出発泡
    体。
JP25463798A 1991-09-11 1998-08-25 プロピレン系樹脂押出発泡体 Pending JPH11152361A (ja)

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