JP3867941B2 - 架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents

架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体及びその製造方法に関し、詳しくは、成形性に優れた架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体、及び該発泡体を煩雑な作業を伴わず且つ低コストで製造することができる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
各種容器や、自動車用の天井材、ドア内装材、トランクルーム部材等を成形するために用いる成形用発泡体として、板状又はシート状に成形されたポリプロピレン系樹脂発泡体が用いられている。そのなかでも特に、成形性に優れている等の理由から架橋したポリプロピレン系樹脂からなる架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体が好ましく用いられている。
【0003】
ところで、合成樹脂発泡体の製造方法としては、基材樹脂を押出機内で発泡剤とともに溶融混練し、この発泡性の溶融物を押出機先端のダイスより低圧下に押し出して発泡体を得るという方法が知られている。このような押出発泡法によればシート成形と発泡とを一工程で行うことができるので、効率の良い発泡体の製造が可能となる。
【0004】
しかしながら、架橋したポリオレフィン系樹脂を押出発泡したり、押出発泡時に同時に架橋するのははきわめて困難であるため、上記押出発泡法では架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体を製造することができない。
【0005】
従って、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体を製造するには、1)ポリプロピレン系樹脂に多官能モノマーと分解型発泡剤とを添加して、これを分解型発泡剤が分解する温度以下で押出成形し、得られた成形体に電子線を照射してポリプロピレン系樹脂を架橋せしめた後に、分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる方法(特公昭42−26958号公報)、2)ポリプロピレン系樹脂に分解型発泡剤、ラジカル発生剤、シラン化合物及びシラノール縮合触媒を添加して、これを分解型発泡剤が分解する温度以下で押出成形し、得られた成形体を水分の存在下において加熱してポリプロピレン系樹脂を架橋せしめた後に、分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる方法(特開昭51−70263号公報)等、無発泡で成形されたポリプロピレン系樹脂成形体に架橋処理を施し、その後該成形体を発泡させるという方法が従来より採用されてきた。
【0006】
しかしながら、上記したような方法にあっては、成形工程、架橋工程及び発泡工程の3段階もの工程が必要となり、それぞれの工程における処理に要する時間も異なるため、各工程のラインスピードを合わせて連続的な製造を行うのは非常に困難である。
【0007】
このため、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体を上記方法により製造する場合には、成形工程、架橋工程及び発泡工程の各工程をそれぞれ独立して行わなければならず、各工程への移送手段や、次工程までの保管等が必要となるため、煩雑な作業が強いられるとともに、そのためのコストも多大なものとなってしまう等の不利があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、成形性に優れた新規な架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体、及び該発泡体を煩雑な作業を伴わず且つ低コストで製造することができる架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(i)メルトテンション:MT(gf)の自然対数値:lnMTと、メルトフローレイト:MFR(g/10分)の自然対数値:lnMFRとの関係が下記(1)式を満足する水と接触して架橋構造を形成し得るシリル基を導入したシリル変性ポリプロピレン系樹脂100〜20重量%と、lnMTとlnMFRとの関係が下記(1)式を満足するシリル変性していないポリプロピレン系樹脂0〜80重量%とからなる樹脂を主成分とする基材樹脂を、発泡剤とともに加熱、加圧条件下で混練して発泡性溶融物とし、該溶融物を低圧域に押し出して発泡体を得た後に、該発泡体をシラノール縮合触媒存在下で水分と接触させて架橋発泡体とすることを特徴とする架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
(数3)
lnMT > −0.83lnMFR+2.82 (1)
(ii)メルトテンション:MT(gf)の自然対数値:lnMTと、メルトフローレイト:MFR(g/10分)の自然対数値:lnMFRとの関係が下記(1)式を満足する水と接触して架橋構造を形成し得るシリル基を導入したシリル変性ポリプロピレン系樹脂100〜40重量%と、lnMTとlnMFRとの関係が下記(1)式を満足するシリル変性していないポリプロピレン系樹脂0〜60重量%とからなる樹脂を主成分とする基材樹脂を使用する上記(i)記載の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
(数4)
lnMT > −0.83lnMFR+2.82 (1)
を要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
図1(a)は、本発明架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の押出方向(以下、MD方向という)に沿う厚み方向断面、図1(b)は、本発明架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の幅方向(以下、TD方向という)に沿う厚み方向断面をそれぞれ表す、顕微鏡拡大写真に基づく模式図である。
【0012】
図中、1は本発明の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体、2は気泡を表す。また、a(a1 、a2 、a3 、・・・、an )は各々気泡2の発泡体1の厚み方向の径、b(b1 、b2 、b3 、・・・、bn )は各々気泡2の発泡体1のMD方向の径、c(c1 、c2 、c3 、・・・、cn )は各々気泡2の発泡体1のTD方向の径をそれぞれ表す。尚、気泡径a、b、cの単位はmmとする。
【0013】
尚、本発明において、MD方向とは、押出機を用いて発泡体1を得る場合の樹脂の押し出される方向をいい、TD方向とは、押出方向に対して幅なりの方向をいう。そして、発泡体1の厚み方向、MD方向、TD方向は、それぞれ互いに直交する。
【0014】
本発明架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体1は、aの平均値A〔=(a1 +a2 +a3 +・・・+an )/n〕、bの平均値B〔=(b1 +b2 +b3 +・・・+bn )/n〕、cの平均値C〔=(c1 +c2 +c3 +・・・+cn )/n〕を算術平均して得られた平均気泡径〔即ち、(A+B+C)/3〕が0.5〜2.0mmの範囲内にある。上記A、B、Cは、任意に選んだ発泡体1の厚みTの5倍の幅(T×5)にある全ての気泡、即ち図3中斜線で示す部分に存在する全ての気泡についての平均値であり、nはそこに存在する気泡の数である。尚、図3は発泡体1の縦断面を示すが、気泡の図示は省略してある。
【0015】
本発明において、各気泡2の気泡径a1 、a2 、a3 、・・・an 、b1 、b2 、b3 、・・・bn 、c1 、c2 、c3 、・・・cn は、図2に示すような、厚み方向、MD方向、又はTD方向の、各気泡2に対する接線の最大接線間隔を採用するものとする。これらの各気泡2の厚み方向、MD方向、TD方向のそれぞれの径a1 、a2 、a3 、・・・an 、b1 、b2 、b3 、・・・bn 、c1 、c2 、c3 、・・・cn は、例えば、発泡体1のMD方向に沿う厚み方向断面、及び発泡体1のTD方向に沿う厚み方向断面のそれぞれの顕微鏡拡大写真を得、得られた写真をもとに求めることができる。尚、厚み方向の径a1 、a2 、a3 、・・・an は、MD方向に沿う厚み方向断面の顕微鏡拡大写真から求めたものであっても、或いはTD方向に沿う厚み方向断面の顕微鏡拡大写真をもとに求めたものであっても実質的に同じであるが、本発明においてはMD方向に沿う厚み方向断面の顕微鏡拡大写真より求めるものとする。
【0016】
本発明では、上記のようにして求めた発泡体1の平均気泡径を0.5〜2.0mmとするが、発泡体1の平均気泡径が0.5mmに満たないと、押出発泡後に架橋する本発明の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体1の場合、該発泡体1にコルゲートと呼ばれる発泡体表面の凹凸が発生して発泡体1の厚みムラの原因となってしまう。また、平均気泡径が2.0mmを越えると、発泡体1が緩衝性に劣ったものとなってしまうばかりか、外観上も好ましくない。本発明において、発泡体の平滑性、緩衝性、外観の面で上記平均気泡径の好ましい範囲は、0.7〜1.6mmである。尚、架橋後に発泡を行って得られる従来の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体は、平均気泡径が0.1〜0.3mmのものである。従って、発泡体を特定する構造の1つである気泡径の範囲において、本発明の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体と、従来の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体とは明確に相違する。
【0017】
また、本発明発泡体1は、密度が0.025〜0.3g/cm3 であり、その厚さは1.5〜10mmである。発泡体1の密度は、発泡体1からサンプル片を切り取り、このサンプル片の重量(g)を、該サンプル片を23℃の水中に沈めて求められる体積(cm3 )で割るものとする。また、発泡体1の厚さは、発泡体1のTD方向縦断面においてTD方向に沿って片側端部から他方の片側端部まで30mmの間隔で厚みを測定し、その平均値を採用するものとする。
【0018】
本発明において、発泡体1の密度が0.025g/cm3 に満たないと、コルゲートが発生し易いため均一な厚みを維持しにくいばかりか、加熱成形時又は他の素材との複合加熱成形時に発泡体に亀裂が発生する虞がある。また、密度が0.3g/cm3 を超えると、緩衝性、断熱性、他の素材との複合成形性に劣り好ましくない。
【0019】
本発明において、発泡体1の好ましい密度は、0.028〜0.06g/cm3 である。この範囲であれば、架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体に要求される緩衝性と、該発泡体の剛性とのバランスがとれ、適度な緩衝性及び成形性等の良好な二次加工性を併せ持った発泡体とすることができる。
【0020】
また、本発明において、発泡体1の厚さが1.5mmに満たないと、該発泡体1を熱成形したときに厚みが薄くなりすぎて、得られる成形品が緩衝性に劣ったものとなってしまう。厚みが10mmを越えてしまうと、厚みの均一な成形品を得にくく、また、コルゲートも大きくなってしまうため成形性に乏しいものとなってしまう。本発明において、発泡体1の好ましい厚みは成形品の緩衝性、成形性の面で2.5〜8mmである。
【0021】
本発明の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体1は、水と接触して架橋構造を形成し得るシリル基を導入したシリル変性ポリプロピレン系樹脂、又は必要に応じて該シリル変性ポリプロピレン系樹脂にシリル変性していないポリプロピレン系樹脂を混合した混合樹脂を主成分とする基材樹脂を用い、該基材樹脂を発泡剤とともに加熱、加圧条件下で混練して発泡性溶融物とし、該溶融物を低圧域に押し出して発泡体を得た後に、該発泡体をシラノール縮合触媒存在下で水分と接触させ、シリル変性ポリプロピレン系樹脂を架橋せしめることにより得られ、そのゲル分率は15重量%以上である。
【0022】
ここで、ゲル分率は、樹脂の架橋度を示す指標となるものであり、ゲル分率が大きければ架橋度が高く、逆にゲル分率が小さければ架橋度は低いといえる。また、本発明では、次の方法によりゲル分率を測定するものとする。即ち、キシレン100g中に試料約1g(精量した試料重量をG1 (g)とする)を入れて120℃で8時間煮沸した後、200メッシュの金網で速やかに濾過し、次いで該金網上に残った沸騰キシレン不溶分を10Torrの真空中において80℃で8時間乾燥させてからその重量を精量し(精量した沸騰キシレン不溶分の重量をG2 (g)とする)、下記(2)式により求める。
【数5】
ゲル分率(%)=G2 (g)÷G1 (g)×100 (2)
【0023】
本発明発泡体1のゲル分率は、発泡体1を得るのに用いられるシリル変性ポリプロピレン系樹脂のゲル分率や、該シリル変性ポリプロピレン系樹脂に必要に応じてシリル変性していないポリプロピレン系樹脂やその他の樹脂成分等を混合したりすることによって適宜調整できるが、発泡体1のゲル分率が15重量%に満たないと、熱成形時の深絞り成形性、金型再現性が悪く、熱成形可能な成形温度範囲(加熱時間の幅)が狭い点で好ましくない。本発明発泡体1の好ましいゲル分率は20〜70重量%である。発泡体1のゲル分率が20重量%に満たないと、熱成形可能な成形温度範囲(加熱時間の幅)が狭くなってしまう傾向にあり、70重量%を越えると、発泡シートの熱成形時の伸びが不十分となり金型再現性が悪くなってしまう傾向にある。尚、熱成形において熱成形可能な成形温度範囲の広さは、発泡体を加熱軟化させるために使用する加熱ヒーター出力が一定の場合、加熱時間の幅と正の相関がある。
【0024】
次に、本発明架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法を説明する。
【0025】
本発明架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法は、メルトテンション:MT(gf)の自然対数値:lnMTと、メルトフローレイト:MFR(g/10分)の自然対数値:lnMFRとの関係が下記(1)式を満足するとともに、水と接触して架橋構造を形成し得るシリル基が導入されたシリル変性ポリプロピレン系樹脂に、必要に応じてlnMTとlnMFRとの関係が下記(1)式を満足するシリル変性されていないポリプロピレン系樹脂を混合したものを主成分とする基材樹脂を、発泡剤とともに加熱、加圧条件下で混練して発泡性溶融物とし、該溶融物を低圧域に押し出して、板状又はシート状の発泡体を得る発泡成形工程と、該発泡成形工程で得られた発泡体をシラノール縮合触媒存在下で水分と接触させて架橋発泡体とする架橋工程とからなる。
【数6】
lnMT > −0.83lnMFR+2.82 (1)
【0026】
lnMTとlnMFRとの関係が上記(1)式を満足するシリル変性ポリプロピレン系樹脂は、lnMTとlnMFRとの関係が上記(1)式を満足するポリプロピレン系樹脂(以下、特定ポリプロピレン系樹脂ともいう)に不飽和シラン化合物をグラフトさせる等して、水分と接触して架橋構造を形成し得るシリル基を導入することにより得ることができ、特定ポリプロピレン系樹脂にシリル基を導入してなるシリル変性ポリプロピレン系樹脂においても、lnMTとlnMFRとに上記(1)式の関係がほとんど変わらずに成り立つ。
【0027】
特定ポリプロピレン系樹脂は、例えば、(A)通常のポリプロピレン系樹脂(以下、特定ポリプロピレン系樹脂と区別するために、特定ポリプロピレン系樹脂を得るために用いられる通常のポリプロピレン系樹脂を、原料ポリプロピレン系樹脂という)を、上記(1)式が成り立つように微架橋することによって得ることができる。
【0028】
原料ポリプロピレン系樹脂を微架橋して特定ポリプロピレン系樹脂を得るには、例えば、原料ポリプロピレン系樹脂と、1分間半減期温度が原料ポリプロピレン系樹脂の融点よりも低い過酸化物と、主鎖切断防止剤とを水性媒体中に投入してこれらを攪拌し、過酸化物が分解してしまうのを極力抑え、少なくとも投入した過酸化物の全量の半分以上が残存するような温度と時間で、原料ポリプロピレン系樹脂に過酸化物と主鎖切断防止剤を含浸させ、次いで、80℃以上で且つ使用した過酸化物の10分間半減期温度以上(過酸化物の半減期が10分間となる温度以上)となる温度条件下で所定時間保持して過酸化物を分解せしめ、原料ポリプロピレン系樹脂を溶融させることなくゲル分率が10%未満、好ましく5%未満、更に好ましくは0%となるように微架橋させれば良い。
【0029】
上記方法(A)において、原料ポリプロピレン系樹脂には、プロピレンホモポリマーやプロピレンと他のモノマー成分との共重合体を用いることができる。他のモノマー成分としては、エチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でも良く、更に、二元系のみならず三元系共重合体であっても良い。
【0030】
共重合体を原料ポリプロピレンに用いる場合、他のモノマー成分は共重合体中に、ランダム共重合体の場合には5.0重量%以下、ブロック共重合体の場合には20.0重量%以下の割合で含有されているのが好ましい。共重合体中に含有される他のモノマー成分がこれよりも多いと、ポリプロピレン本来の透明性、剛性、表面光沢、耐熱性等の特性が損なわれてしまうことがある。
【0031】
上記したような原料ポリプロピレン系樹脂は、単独で用いるのみならず、2種以上を混合して用いても良い。更に、原料ポリプロピレン系樹脂には、前記したようなポリプロピレン本来の特性が損なわれない範囲で、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等を必要に応じて混合しても良い。
【0032】
上記方法(A)により特定ポリプロピレン系樹脂を得るにあたり、原料ポリプロピレン系樹脂は、メルトフローレイト:MFR(JIS K 7210の表1の条件14)が1〜20g/10分であるのが好ましい。また、原料ポリプロピレン系樹脂の融点は135℃以上であるのが好ましく、より好ましくは145℃以上、特に好ましくは155℃以上である。
【0033】
尚、原料ポリプロピレン系樹脂の融点は、原料ポリプロピレン系樹脂3〜5mgを、示差走査熱量測定装置により、昇温速度10℃/分で室温から220℃まで昇温して1回目のDSC曲線を得た後、直ちに降温速度10℃/分で40℃まで降温して、その後もう一度昇温速度10℃/分で220℃まで昇温したときに得られる2回目のDSC曲線上の最も高温側に現れるピークの頂点の温度をいうものとする。
【0034】
また、上記方法(A)において、原料ポリプロピレン系樹脂を微架橋するために用いる過酸化物としては、通常、1分間半減期温度、即ち過酸化物の半減期が1分となる分解温度が原料ポリプロピレン系樹脂の融点よりも低いものを用いる。原料ポリプロピレン系樹脂の融点以上のものを用いた場合には、原料ポリプロピレン系樹脂の融点未満で過酸化物の分解を行おうとすると、あまりに長時間を要するため実際的でない。過酸化物の1分間半減期温度は、使用する原料ポリプロピレン系樹脂の融点よりも10℃以上低いことが望まれる。また、過酸化物の1分間半減期温度が低すぎる場合には、過酸化物を低温で保存しなければならないといった保管上の不具合があり、このような不具合を回避するためには、過酸化物の1分間半減期温度は100℃以上であることが望まれる。従って原料ポリプロピレン系樹脂を微架橋するために用いる過酸化物は、その1分間半減期温度が100℃〜〔原料ポリプロピレン系樹脂の融点−10℃〕であるのが望ましく、1分間半減期温度が100℃〜〔原料ポリプロピレン系樹脂の融点−20℃〕であるものがより望ましい。
【0035】
このような過酸化物としては、例えば、ラウロイルパーオキサイド、m−トルオイル−ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられ、これらのなかから1分間半減期温度が使用する原料ポリプロピレン系樹脂の融点未満のものを選択することが好ましく、特に、上記した過酸化物のうち、取り扱い易さの上からラウロイルパーオキサイド、m−トルオイル−ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドが好ましい。
【0036】
また、上記方法(A)で用いる主鎖切断防止剤は、過酸化物によって原料ポリプロピレン系樹脂の主鎖が切断されるのを防止するためのものである。このような主鎖切断防止剤としては、例えば、メチルメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート等を挙げることができが、これらのなかでもビニル結合を1分子中に2つ有する反応性の高いジビニルベンゼンを用いるのが好ましい。尚、主鎖切断防止剤は、水性媒体中で原料ポリプロピレン系樹脂に含浸させるのではなく、原料ポリプロピレン系樹脂に練り込む等して予め含有させておいても良い。
【0037】
また、上記方法(A)において、水性媒体としては、通常は界面活性剤を添加した水が用いられる。このような水性媒体は熱伝導性が良く良好な加熱媒体となるので、原料ポリプロピレン系樹脂等を均一に加熱することができ、また温度制御も容易であるため、過酸化物や主鎖切断防止剤の原料ポリプロピレン系樹脂への均一な含浸が容易に行なえる。
【0038】
上記方法(A)により特定ポリプロピレン系樹脂を得るに際し、過酸化物は原料ポリプロピレン系樹脂100重量部当たり0.1〜3.0重量部程度、主鎖切断防止剤は原料ポリプロピレン系樹脂100重量部当たり、0.01〜5.0重量部程度用いることが好ましい。また、水性媒体は、原料ポリプロピレン系樹脂100重量部当たり、150〜500重量部使用することが好ましい。
【0039】
過酸化物の使用量が上記範囲を超えると、原料ポリプロピレン系樹脂が分解し易くなってしまうため好ましくなく、しかも、この場合に原料ポリプロピレン系樹脂の分解を防ぐためには主鎖切断防止剤を多量に添加しなければならず、多量の主鎖切断防止剤の添加は、樹脂のゲル分率を低く維持することが困難となり、ゲル化し易くなってしまうという不具合を招く。また、過酸化物の使用量が上記範囲に満たないと、特に3〜36倍の発泡倍率(密度でいえば0.3〜0.025g/cm3 )をもつ押出発泡体を製造するに適した溶融加工性が得られなくなってしまう虞があるため好ましくない。一方、主鎖切断防止剤の添加量が上記範囲を超えると樹脂のゲル分率を低く維持することが困難となり、ゲル化し易くなるため好ましくなく、上記範囲に満たないと原料ポリプロピレン系樹脂が分解し易くなってしまうため好ましくない。
【0040】
このような方法(A)は、原料ポリプロピレン系樹脂の融点未満の温度で原料ポリプロピレン系樹脂を溶融させることなく微架橋させることができるので、過酸化物による原料ポリプロピレン系樹脂の主鎖の切断が起こり難く、主鎖切断防止剤の使用量を比較的少なくすることができ、多量の主鎖切断防止剤の混入による物性の不均一化を引き起こす虞がないばかりか、微架橋処理を施す前に原料ポリプロピレン系樹脂に予め過酸化物を含浸させておくことによって架橋反応の均一化を図ることができるため、特定ポリプロピレン系樹脂を得る好ましい方法の1つとして例示できる。
【0041】
尚、上記方法(A)において、原料ポリプロピレン系樹脂に過酸化物や主鎖切断防止剤を含浸させる際の具体的な条件として、過酸化物の半減期が10時間となる分解温度(10時間半減期温度)で0.5〜6時間、好ましくは1.0〜4.5時間保持することが挙げられる。また、原料ポリプロピレン系樹脂に微架橋処理を施す際の具体的な条件として、好ましくは100℃〜〔原料ポリプロピレン系樹脂の融点−10℃〕であり且つ使用する過酸化物の1分間半減期温度となる温度条件下で、5〜120分、好ましくは15〜60分間保持することが挙げられる。
【0042】
本発明で用いる特定ポリプロピレン系樹脂は、上記した方法(A)の他に、次のような方法によっても得ることができる。
【0043】
即ち、(B)結晶性線状ポリプロピレン系樹脂(通常、重量平均分子量100000以上)であって、そのなかにアタクチック分又は/及びアイソタクチックではあるが結晶していない成分を含む樹脂を原料ポリプロピレン系樹脂として用い、この原料ポリプロピレン系樹脂に対し、低温分解型(分解温度:室温〜120℃程度)の過酸化物を混合して120℃以下に加熱し、原料ポリプロピレン系樹脂の主鎖にアタクチック分又は/及び結晶していないアイソタクチック成分を分岐鎖として結合せしめる等して、主として端部に長鎖分岐を有する枝分れ構造を導入することによって、前記(1)式が成り立つように原料ポリプロピレン系樹脂を改質することによって得ることもできる。
【0044】
上記方法(B)で用いる原料ポリプロピレン系樹脂は、単独重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでも良い。また、共重合体の場合、プロピレンとプロピレン以外の少量のオレフィンとの共重合体が好ましく、オレフィンとしては、エチレン或いは炭素数4〜10のα−オレフィンが挙げられ、これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。これらのオレフィンは、通常、重合体中に0.5〜30重量%、特に1〜10重量%の割合で含有されているのが好ましい。
【0045】
また、上記方法(B)で用いる低温分解型の過酸化物としては、ジ(s−ブチル)ペルオキシジカーボネート、ビス(2−エトキシ)ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオデカノアート、t−アミルペルオキシネオデカノアート、又はt−ブチルペルオキシピバラート等が挙げられる。
【0046】
このような方法(B)で特定ポリプロピレン系樹脂を得るには、原料ポリプロピレン系樹脂を攪拌機を備えた反応容器中で攪拌しながらアルゴン等の不活性ガスで反応容器内を置換し、次いで、上記過酸化物を原料ポリプロピレン系樹脂1kg当たり通常5〜50ミリモル添加し、攪拌を続けながら120℃程度まで、好ましくは70〜105℃程度に加熱して反応させ(通常30〜120分間)、しかる後、反応を停止させれば良い。尚、反応停止にあたっては、メチルメルカプタンのような反応停止剤を反応容器に導入したり、或いは反応生成物を130〜150℃程度に20〜40分間加熱する等すれば良い。
【0047】
その他、特定ポリプロピレン系樹脂を得る方法としては、原料ポリプロピレン系樹脂をスチレンモノマーにより変性する方法や、テトラフロロエチレン粉末を原料ポリプロピレン系樹脂に混合する方法等が挙げられる。
【0048】
本発明で用いる特定ポリプロピレン系樹脂は、メルトテンション:MT(gf)の自然対数値:lnMTと、メルトフローレイト:MFR(g/10分)の自然対数値:lnMFRとの間に、前記(1)式で示す関係が成り立つものであり、図1に示す直線の上側領域部分のMTとMFRとを有するものである(図1は縦軸がlnMT、横軸がlnMFRの両対数グラフであり、直線はlnMT=−0.83lnMFR+2.82を示す)。
【0049】
本発明において前記(1)式で示す関係が成り立つMTとMFRのうちでも、MT=10〜50(gf)、MFR=0.3〜12g/10分のものが好ましい。MTが10gf未満であると、3〜36倍の発泡倍率(密度でいえば0.3〜0.025g/cm3 )で良好な発泡体の製造が困難となり、50gfを超えるとゲルを含み易くなる。このような観点から、特にMT=15〜40gfのものが好ましい。また、MFRが0.3/10分未満であると低倍率の発泡体の製造が困難となり、12g/10分を超えると高倍率の発泡体の製造が困難となる。このような観点から、特にMFR=0.5〜8g/10分のものが好ましい。
【0050】
上記メルトテンション:MT(gf)は、例えば株式会社東洋精機製作所製のメルトテンションテスターII型等によって測定することができる。図5は、ノズル径2.095mm、長さ8mmのノズルを有するメルトテンションテスターを用い、上記ノズルから樹脂温度230℃、押出速度10mm/分の条件で樹脂を紐状に押し出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛けた後、5rpm/秒(紐状物の捲取り加速度:1.3×10-2m/秒2 )の割合で捲取り速度を徐々に増加させていきながら直径50mmの捲取りローラーで捲取り、張力検出用プーリーと連結する検出機により検出される紐状物の溶融張力を、縦軸に溶融張力(gf)、横軸に時間(秒)又は捲取り速度(rpm)をとってチャートに表したものである。
【0051】
本発明では、このようにして得られたチャートにおける捲取り速度15〜25(rpm)の範囲での最大張力と最小張力とを算術平均して得られた値をメルトテンション:MT(gf)とする。但し、捲取り速度が25(rpm)に満たないうちに紐状物が切れてしまった場合には、紐状物が切れたときの捲取り速度よりも5(rpm)だけ遅い捲取り速度から紐状物が切れたときの捲取り速度までの範囲、即ち、紐状物が切れたときの捲取り速度をR(rpm)としたときに、〔R−5〕〜R(rpm)となる範囲での最大張力と最小張力とを算術平均して得られた値をメルトテンション:MT(gf)とする。また、メルトフローレイト:MFR(g/10分)は、JIS K7210の表1の条件14で測定した値である。
【0052】
本発明では、上記特定ポリプロピレン系樹脂に不飽和シラン化合物を、前述の過酸化物、必要に応じて酸化防止剤、反応助剤の存在下でグラフト反応させる等して、水分と接触して架橋構造を形成し得るシリル基を導入してシリル変性ポリプロピレン系樹脂とするが、本発明で用いる不飽和シラン化合物は、一般式:R1 SiR2 m 3-m (但し、R1 はエチレン不飽和基、エポキシ基、アミノ基、R2 は脂肪族飽和ヒドロカルビル基、Yは加水分解可能な有機基、mは0、1又は2を示し、Yは全て同一とは限らない)で表されるものであり、具体的には、R1 はビニル基、アリル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基、γ−メタクリノキシプロピル基、エポキシ基、又はアミノ基等であり、R2 はメチル基、エチル基、プロピル基、デシル基、フェニル基等であり、Yはメトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオノキシ基、アルキル基、又はアリールアミノ基等を例示することができる。
【0053】
これらのうち、好ましい不飽和シラン化合物は、CH2 =CHSi(OA)3 であり(但し、Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のヒドロカルビル基である)、より具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
【0054】
また、前記酸化防止剤としては、一般にプラスチックの酸化防止剤として使用されているものが使用可能である。代表例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス−〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等のラジカル連鎖禁止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、トリスノニルフェニルホスファイト等の過酸化物分散剤等が挙げられる。また、前記反応助剤としては前述したような主鎖切断防止剤が利用できる。
【0055】
シリル変性ポリプロピレン系樹脂は、前記特定ポリプロピレン系樹脂100重量部あたり、前記過酸化物0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部、前記酸化防止剤0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部及び前記反応助剤0.01〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部用いて反応させることにより得られる。
【0056】
このような不飽和シラン化合物を用いてシリル基が導入された架橋性ポリオレフィン系樹脂は、不飽和シラン化合物単位の含量が、0.1〜15重量%であるのが好ましいが、不飽和シラン化合物単位の含量は、最終的に得られる架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体が成形性により優れたものとなるように、該発泡体のゲル分率が15重量%以上、好ましくは20〜70重量%となるように適宜調整するのが好ましい。また、不飽和シラン化合物は樹脂の各分子に均等に結合されているのが好ましく、これにより架橋成形品の架橋分布を均一化してその組織構造を均一化できる。
【0057】
上記の如くシリル基が導入されたシリル変性ポリプロピレン系樹脂は、例えば、前記一般式のYがメトキシ基である場合、これが水分と接触して加水分解して水酸基となり、異なる分子間でこの水酸基どうしが反応して、Si−O−Si結合を生じて分子どうしを架橋するものである。
【0058】
本発明では、先ず、特定ポリプロピレン系樹脂にシリル基を導入したシリル変性ポリプロピレン系樹脂及び必要に応じてシリル変性していないポリプロピレン系樹脂を押出機内で溶融して高温高圧下で発泡剤と混練し、発泡性の溶融物としてこれを押出機の先端に設けられた環状ダイスを通して押出機内よりも低圧下に押出して筒状に発泡させ、この筒状発泡体を挟圧して内面側を融着させて板状発泡体としたり、筒状発泡体を押出方向に沿って切り開いてシート状発泡体とする等して板状又はシート状の発泡体を製造する(発泡成形工程)。
【0059】
発泡剤としては、揮発性発泡剤、分解型発泡剤を用いることができる。揮発性発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、ジクロロテトラフロロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0060】
上記発泡剤は適宜混合して用いることができる。発泡剤の使用量は、発泡剤の種類や所望する発泡倍率(密度)等によっても異なるが、例えば、密度0.3〜0.025g/cm3 程度の発泡体を得るための発泡剤の使用量の目安は、樹脂1kg当たり、揮発性発泡剤0.4〜2モル程度である。また、分解型発泡剤の場合0.3〜1.8モル程度である。
【0061】
発泡体を製造するに当たり、基材樹脂中または、押出機内において発泡剤と溶融混練した発泡性溶融物中に、必要に応じて気泡調整剤を添加することができる。気泡調整剤としては、タルク、シリカ等の無機粉末や多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。気泡調整剤の添加量は樹脂100重量部当たり一般に3重量部以下が好ましい。更に必要に応じて、帯電防止剤、流動性向上剤等や、所期の目的を妨げない範囲の量の着色剤等の各種添加剤を配合することもできる。
【0062】
更に、タルク、シリカ、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム等を無機充填剤として添加することもできる。これら無機充填剤は樹脂と他の添加剤等を合計した総重量の40重量%を限度に添加することが好ましい。上記無機粉末や無機充填剤は平均粒径が1〜70μmのものが好ましい。無機充填剤を添加すると、得られた発泡体の耐熱性が向上するとともに、発泡体を焼却する際の燃焼カロリーを低下させることができる。
【0063】
また、本発明方法において押出発泡を行う基材樹脂は、シリル変性ポリプロピレン系樹脂100〜20重量%と、シリル変性していないポリプロピレン系樹脂0〜80重量%とからなる樹脂を主成分とするものであり、必要に応じて他の樹脂成分等を混合し、これによって最終的に得られる架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体のゲル分率や、伸び、曲げ等の物性を調整することもできる。
【0064】
本発明方法では、熱成形可能な成形温度範囲、若しくは成形加熱時間の幅が広くなるという点から、シリル変性ポリプロピレン系樹脂100〜40重量%と、シリル変性していないポリプロピレン系樹脂0〜60重量%とからなる樹脂を主成分とする基材樹脂を用いるのが好ましい。
【0065】
混合する他の樹脂成分としては、特定ポリプロピレン系樹脂以外のポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられるが、伸び、曲げ等の柔軟性の点で、エチレン−プロピレンラバー、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム成分を混合するのが特に好ましい。
【0066】
尚、上記の通り必要に応じて混合される他の樹脂成分、ゴム成分等は、ポリプロピレン系樹脂の本来の特性が損なわれないように35重量%以下の範囲で混合される。
【0067】
本発明では、発泡成形工程において製造された発泡体を、架橋工程に移してシラノール縮合触媒の存在下に水分と接触させて架橋反応を起こさせ、架橋発泡体とする(架橋工程)。
【0068】
シラノール縮合触媒は発泡体製造時に基材樹脂に含有させておいても良く、この場合には、発泡体を単に水分に接触させるだけで該発泡体を架橋発泡体とすることができる。また、得られた発泡体にシラノール縮合触媒を塗布して水分と接触させても良い。この際、塗布液はシラノール縮合触媒を水又は水に有機化合物や無機化合物を混ぜたものに溶解又は分散させて調製する。また、架橋反応は、温水、熱水又は水蒸気に15分〜5時間曝露して行う方法や、温度20〜60℃、相対湿度25〜85%の条件下で5時間〜90日保持することで進行させることもできる。尚、上記架橋方法は例示でありこれらに限られるものではない。
【0069】
シラノール縮合触媒としては、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸錫、オレイン酸錫、オクタン酸鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、オクタン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸鉄、酢酸第一錫、カプリル酸第一錫、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト等のカルボン酸塩、チタネートキレート化合物、チタン酸アルキル、ジルコン酸アルキル等の有機金属化合物、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン等の有機塩基、酢酸、オレイン酸、フタル酸、トルエンスルホン酸等の有機酸、硫酸、塩酸等の無機酸が挙げられる。これらのうち、カルボン酸塩が好ましい。
【0070】
シラノール縮合触媒の使用量は、樹脂の使用量に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。シラノール縮合触媒の使用量が上記範囲を超えても、架橋反応速度向上効果はさほど期待できない。また、シラノール縮合触媒の使用量が上記範囲に満たないと、架橋反応が不十分となる虞があり好ましくない。
【0071】
本発明で得られる架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体は、ポリ塩化ビニル、EPR、熱可塑性エラストマー又は不織布等の表皮材を貼り合わされ熱成形され、自動車内装材として用いるのに特に適している。
【0072】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
【0073】
実施例1〜6、比較例1〜4
以下に示すPP1〜PP6のポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、不飽和シラン化合物としてビニルトリメトキシシラン(VTMS:日本ユニカー製Y9818)4重量部、過酸化物としてベンゾイルパーオキサイド(BPO:日本油脂製ナイパーFF)2.5重量部、反応助剤としてジビニルベンゼン(DVB:新日鐵化学製DVB570)0.1重量を混合し、これらを47mmφの2軸スクリューを備えたグラフト反応用押出機に投入して120〜180℃の温度条件下で溶融混練してポリプロピレン系樹脂に不飽和シラン化合物をグラフトさせるとともに、ストランド状に押し出した後、所定の長さにカットしてペレット状に造粒されたシリル変性ポリプロピレン系樹脂を得た。
【0074】
尚、得られたシリル変性ポリプロピレン系樹脂に、80℃、相対湿度90%の条件下で6時間架橋処理を施した架橋体のゲル分率を測定し、その結果を表1に示した。ゲル分率は、キシレン100g中に試料約1g(精量した試料重量をG1 (g)とする)を入れて120℃で8時間煮沸した後、200メッシュの金網で速やかに濾過し、次いで該金網上に残った沸騰キシレン不溶分を10Torrの真空中において80℃で8時間乾燥させてからその重量を精量し(精量した沸騰キシレン不溶分の重量をG2 (g)とする)、下記(2)式により求めた。
【数7】
ゲル分率(%)=G2 (g)÷G1 (g)×100 (2)
【0075】
【表1】
Figure 0003867941
【0076】
実施例及び比較例に用いたポリプロピレン系樹脂PP1〜6は、以下の通りである。尚、PP2、3は後述する微架橋処理(※1)を施して得られたものである。
PP1・・・モンテル製SD−632〔MT:21gf、MFR:3.5g/10分〕
PP2・・・※1〔MT:20gf、MFR:2.2g/10分〕
PP3・・・※1〔MT:14gf、MFR:7.0g/10分〕
PP4・・・出光石油化学社製E−250G〔MT:4.5gf、MFR:0.9g/10分〕
PP5・・・日本ポリオレフィン製MK−311〔MT:2.0gf、MFR:7g/10分〕
PP6・・・モンテル製SD−613〔MT:16gf、MFR:0.3g/10分〕
【0077】
(※1)容積400リットルのオートクレーブに、水250重量部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01重量部を添加してなる水性媒体を入れ、これに予め2.5mg/個に造粒した表2に示す原料樹脂80kgとともに、該樹脂100重量部に対して表2に示す割合で、過酸化物(日本油脂製ナイパーBNT−K40)と、主鎖切断防止剤(ジビニルベンゼン)を投入してオートクレーブの蓋を閉じた。次いで、オートクレーブ内の上部空間に窒素ガスを流入させて、該空間の酸素濃度が0.2体積%以下となるように窒素置換を行なった。次に、オートクレーブ内を攪拌しながら室温から75℃まで約30分かけて昇温し、75℃で2時間保持した。その後、2℃/分の昇温速度で75℃から135℃まで昇温し、135℃で30分保持した後に室温まで冷却した。
【0078】
【表2】
Figure 0003867941
#1:日本ポリオレフィン社製ブロックポリプロピレンM7500〔MT:0.5gf、MFR:8.0g/10分〕と出光石油化学社製ブロックポリプロピレンE−250Gとを重量比80:20でブレンドしたもの
#2:日本ポリオレフィン社製ブロックポリプロピレンM7500
【0079】
上記ポリプロピレン系樹脂PP1〜6のMT、MFRは次のようにして測定した。
【0080】
即ち、メルトテンション:MTは、(株)東洋精機製作所製のメルトテンションテスターII型にて、ノズル径2.095mm、長さ8mmのノズルを用い、上記ノズルから樹脂温度230℃、押出速度10mm/分の条件で樹脂を紐状に押し出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛けた後、5rpm/秒(紐状物の捲取り加速度:1.3×10-2m/秒2 )の割合で捲取り速度を徐々に増加させていきながら直径50mmの捲取りローラーで捲取り、張力検出用プーリーと連結する検出機により検出される紐状物の張力をチャートに表し、得られたチャートにおける捲取り速度15〜25(rpm)の範囲での最大張力と最小張力とを算術平均して得られた値をメルトテンション:MT(gf)とした。但し、捲取り速度が25(rpm)に満たないうちに紐状物が切れてしまった場合には、紐状物が切れたときの捲取り速度よりも5(rpm)だけ遅い捲取り速度から紐状物が切れたときの捲取り速度までの範囲、即ち、紐状物が切れたときの捲取り速度をR(rpm)としたときに、〔R−5〕〜R(rpm)となる範囲での最大張力と最小張力とを算術平均して得られた値をメルトテンション:MT(gf)とした。メルトフォローレイト:MFRは、JIS K7210の表1の条件14で測定した。尚、得られた測定結果をもとに、ポリプロピレン系樹脂PP1〜6のそれぞれにおける、lnMTとlnMFRとの関係を図4に示した。
【0081】
次に、上記の如くして得られたシリル変性ポリプロピレン系樹脂に、前記ポリプロピレン系樹脂PP1〜6のいずれか一種を、表1に示す重量比で混合し、これをジオクチル錫ジラウレート5重量%、ブタン(n−ブタン70重量%とi−ブタン30重量%との混合ガス)5.0重量%、タルク1.0重量%とともに50mmφの単一スクリューを備えた押出機(L/D=42)へ配合して溶融混練した後、押出機先端に取り付けた径75mmφ、間隙0.3mmのリップを有するサーキュラーダイスを通して押出発泡してチューブ状の発泡体を得、このチューブ状の発泡体を切り開いて発泡シートとし、これを40℃、相対湿度60%の雰囲気下において3日間熟成して架橋反応を行わせた。得られた架橋発泡体(発泡シート)の発泡倍率とゲル分率とを表1に示すが、比較例2〜4では発泡シートを得ることができなかった。
【0082】
尚、実施例2ではシリル変性ポリプロピレン系樹脂への他の樹脂の混合を行わなかった。また、比較例1ではシリル変性ポリプロピレン系樹脂を用いずにPP1を基材樹脂に用いて発泡体を得、その後の架橋処理は行わなかった。
【0083】
得られた発泡シートの平均気泡径、密度、厚み、ゲル分率を表1に示す。平均気泡径、密度、厚みの測定方法は以下の通りである。尚、ゲル分率はポリプロピレン系樹脂PP1〜6をシリル変性し、その後架橋処理して得られた架橋体のゲル分率を測定したのと同様の方法で測定した。
【0084】
〔平均気泡径の測定方法〕
図1(a)に示すような発泡シートのMD方向に沿う方向の厚み方向断面の顕微鏡拡大写真から、発泡シートの厚みの5倍の幅に存在する全ての気泡について、各気泡の厚み方向における気泡径a1 、a2 、a3 、・・・、an 、MD方向における気泡径b1 、b2 、b3 、・・・、bn の値をそれぞれの気泡毎にノギスにより測定し、こうして得られたa1 、a2 、a3 、・・・an 、並びにb1 、b2 、b3 、・・・bn を算術平均し、顕微鏡拡大写真の拡大率より厚み方向の気泡径の平均値Aと、MD方向の気泡径の平均値Bを求め、次いで、図1(b)に示すような発泡シートのTD方向に沿う方向の厚み方向断面の顕微鏡拡大写真から、上記と同様にして各気泡のTD方向における気泡径c1 、c2 、c3 、・・・cn を測定して、これらを算術平均し、顕微鏡拡大写真の拡大率よりTD方向の気泡径の平均値Cを求め、このようにして得られた、厚み方向の気泡径の平均値A、MD方向の気泡径の平均値B、及びTD方向の気泡径の平均値Cを算術平均することにより求めた。
【0085】
〔密度の測定方法〕
発泡シートから長さ10cm、幅1.5cmでサンプル片を切り取り(尚、サンプル片の厚みは発泡シートの厚みと等しくなる)、このサンプル片の重量(g)を、該サンプル片を23℃の水中に沈めて求められる体積(cm3 )で割ることによって求めた。
【0086】
〔厚みの測定方法〕
発泡シートのTD方向縦断面においてTD方向に沿って片側端部から他方の片側端部まで30mmの間隔で厚みを測定し、その平均値を採用した。
【0087】
また、単発成形機(三和興業製PLAVAC−FE−36HP型)にドンブリ形状の上下1対の金型(開口部直径150mm、底面部直径115mm、深さ70mm)を取り付けて、発泡体加熱ヒーター出力を上面12kWで40%、下面4.8kWで60%に設定し、実施例及び比較例で得られたそれぞれの発泡シートについて加熱時間を変えて成形テストを行った。
【0088】
上記成形テストでは、加熱時間が短く加熱が不足すると、シートが伸びずに裂けてしまったり、金型通りの形状が得られないというような不具合が生じ、逆に、加熱時間が長く加熱が過剰になると、発泡シートの気泡の破れや発泡倍率の低下、更にはシートの薄肉化等の不具合が生じた。このような不具合が生じることがなく、良好な成形品を得ることができる加熱時間を見出し、これを表1に示した。尚、( )内の値は良好な成形品が得られる加熱時間の最長時間と最短時間との差である。
【0089】
本実施例で得られた発泡シートは、加熱時間の最長時間と最短時間との差が大きく、熱成形可能な加熱時間の範囲が広い。従って、加熱時間がその範囲内であれば成形時のラインスピードを変えても良好な成形品を得ることができ、成形品製造時の条件の調整が容易となる。また、成形時の加熱温度は金型の温度を一定に設定しても外気温等の影響により変動し易いが、熱成形可能な加熱時間の範囲が広いということは、その分だけ成形時の温度変化を許容することができるといえ、成形時に加熱の過不足があっても成形不良となり難く、加熱温度の変動によって成形不良となる虞が少ない。
【0090】
【発明の効果】
本発明の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体は、熱成形可能な加熱時間の範囲が広く、成形性に優れたものである。また、本発明の架橋ポリプロピレン系発泡体の製造方法は、メルトテンション:MT(gf)の自然対数値:lnMTと、メルトフローレイト:MFR(g/10分)の自然対数値:lnMFRとの間に特定の関係が成り立つとともに、水分と接触して架橋構造を形成し得るシリル基を導入したシリル変性ポリプロピレン系樹脂を用いて押出発泡法により発泡体を得、該発泡体をシラノール縮合触媒存在下で水分と接触させて架橋発泡体とするものであり、発泡成形工程と架橋工程の2工程だけで架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体を連続的に製造することができるので、成形性に優れた架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体を、煩雑な作業を伴わず且つ低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の縦断面を示す模式図である。
【図2】本発明における気泡径の意味を説明するための図である。
【図3】本発明における気泡径の測定対象とする気泡部分を示す説明図である。
【図4】本発明で用いる特定ポリプロピレン系樹脂のMTとMFRの関係を示すグラフである。
【図5】メルトテンションテスターのノズルから樹脂を紐状に押し出して、捲取り速度を徐々に増加させていきながらこの紐状物を捲取りローラーで捲取ったときの張力をチャートに表したものである。

Claims (2)

  1. メルトテンション:MT(gf)の自然対数値:lnMTと、メルトフローレイト:MFR(g/10分)の自然対数値:lnMFRとの関係が下記(1)式を満足する水と接触して架橋構造を形成し得るシリル基を導入したシリル変性ポリプロピレン系樹脂100〜20重量%と、lnMTとlnMFRとの関係が下記(1)式を満足するシリル変性していないポリプロピレン系樹脂0〜80重量%とからなる樹脂を主成分とする基材樹脂を、発泡剤とともに加熱、加圧条件下で混練して発泡性溶融物とし、該溶融物を低圧域に押し出して発泡体を得た後に、該発泡体をシラノール縮合触媒存在下で水分と接触させて架橋発泡体とすることを特徴とする架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
    (数1)
    lnMT > −0.83lnMFR+2.82 (1)
  2. メルトテンション:MT(gf)の自然対数値:lnMTと、メルトフローレイト:MFR(g/10分)の自然対数値:lnMFRとの関係が下記(1)式を満足する水と接触して架橋構造を形成し得るシリル基を導入したシリル変性ポリプロピレン系樹脂100〜40重量%と、lnMTとlnMFRとの関係が下記(1)式を満足するシリル変性していないポリプロピレン系樹脂0〜60重量%とからなる樹脂を主成分とする基材樹脂を使用する請求項記載の架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法。
    (数2)
    lnMT > −0.83lnMFR+2.82 (1)
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