JPH1024826A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JPH1024826A
JPH1024826A JP17807096A JP17807096A JPH1024826A JP H1024826 A JPH1024826 A JP H1024826A JP 17807096 A JP17807096 A JP 17807096A JP 17807096 A JP17807096 A JP 17807096A JP H1024826 A JPH1024826 A JP H1024826A
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JP
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valve
solenoid
check
wheel
control device
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JP17807096A
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Inventor
Kazutoshi Yogo
和俊 余語
Takahiro Kiso
隆浩 木曽
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ制御装置における電磁弁に対するイ
ニシャルチェックについて、そのチェックの実施方法や
実施タイミングを工夫することにより、運転者などへの
不快感を与えないようにする。 【解決手段】 従来のイニシャルチェックと同じ実行タ
イミングでは、電磁弁の弁体が実際には駆動しないよう
な通電時間を用いた所定の通電パターンで駆動回路に通
電し、ソレノイドや駆動回路に対する電気的なチェック
を実行し(S60)、車体速度VB が50km/h以上
となった場合には(S80:YES)、固着防止駆動を
実行する(S90)。このように、電気的なチェック時
にはインレット弁の弁体及びアウトレット弁の弁体が駆
動しないような通電時間にて実行し、この電気的チェッ
クとは別タイミングで固着防止駆動を行なう。そして、
その場合は、実際に弁体を駆動させるため、作動音が気
にならない状況にて行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホイールシリンダ
の液圧を調整可能な電磁弁を備え、車輪制動状態に応じ
てその液圧調整用の電磁弁を制御することにより車輪制
動力を制御するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、例えばアンチスキッド制御(ABS)などのブレー
キ制御を行なう装置においては、駆動回路に通電してソ
レノイドに通電し、弁体の位置を切り替えることによっ
てホイールシリンダの液圧を調整可能な電磁弁を備え、
車輪制動状態に応じて前記電磁弁を制御することにより
車輪制動力を制御するようにしていた。そして、車両が
走り出す前あるいはアンチスキッド制御が許可状態とな
る車速(例えば6km/h)に達する前にアクチュエー
タのイニシャルチェックとして、電磁弁のソレノイドの
断線やショート検出、電子制御装置(ECU)側の電磁
弁駆動回路の動作チェックなどを実行している。
【0003】しかし、このとき実際に電磁弁の弁体が駆
動され、「カシャカシャ」というような動作音が発生
し、運転者などに不快感を与える原因となっていた。そ
こで本発明は、ブレーキ制御装置における電磁弁に対す
るイニシャルチェックについて、そのチェックの実施方
法や実施タイミングを工夫することにより、運転者など
への不快感を与えないようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた本発明のブレーキ制御装置は、駆動回路に
通電してソレノイドに通電し、弁体の位置を切り替える
ことによってホイールシリンダの液圧を調整可能な電磁
弁を備え、車輪制動状態に応じて電磁弁を制御すること
により車輪制動力を制御するのであるが、ホイールシリ
ンダの液圧調整前に、電磁弁の弁体が実際には駆動され
ない、すなわち弁体の移動がないような第1の所定時間
だけ駆動回路に通電し、ソレノイドや駆動回路に対する
電気的なチェックを実行する電気的チェック手段を備え
ることを特徴とする。
【0005】従来、例えば車両が走り出す前あるいはブ
レーキ制御としてのアンチスキッド制御が許可状態とな
る車速に達する前に電磁弁のイニシャルチェックを実行
していたが、本発明の場合には、このタイミングでは、
電磁弁の弁体が実際には駆動されない第1の所定時間だ
け駆動回路に通電してソレノイドや駆動回路に対する電
気的なチェックを実行するのである。この電気的チェッ
クとは、ソレノイドや駆動回路の断線やショート検出な
どである。
【0006】このように、電気的なチェックを行なう際
には電磁弁は実際には駆動されないため、運転者等に対
する不快感を防止することができるのである。なお、前
記電気的チェック手段によって電磁弁の弁体が実際には
駆動されない「第1の所定時間」として通電される時間
としては、1msec以下であることが好ましい。これ
は、駆動回路に通電を開始しても、ソレノイドに流れる
電流は数msec程度の時定数で立ち上がるため、実際
に電磁弁の弁体が駆動できるのに必要な電流値に達する
前に駆動回路への通電を終了すれば、電磁弁の弁体は実
際には駆動されないことを利用したものである。さら
に、電磁弁の弁体が駆動可能な電流値になってもすぐに
弁体が駆動開始するのではなく、弁体のイナーシャ等に
よる応答遅れもあるため、実際の弁体の駆動開始には数
msec(例えば3msec)以上の通電が必要となっ
てくるのである。したがって、1msec以下であれば
弁体が実際に駆動されることはなく、電気的チェックが
できる。
【0007】また、これらの構成に加えて、請求項3に
示すように、ホイールシリンダの液圧調整前、かつ、所
定レベル以上の騒音が発生していると判断された場合に
は、電磁弁の弁体が実際に駆動する第2の所定時間だけ
駆動回路に通電し、弁体の固着を防止するための駆動を
実行する固着防止駆動手段をさらに備えるようにしても
よい。つまり、所定レベル以上の騒音が発生していると
判断された場合、弁体が実際に駆動可能な第2の所定時
間だけ駆動回路に通電し、弁体の固着を防止するために
実際に駆動させるのである。例えば車速が上がりエンジ
ン音やロードノイズなどによって電磁弁が実際に駆動さ
れてもその作動音が気にならない状態となった場合に、
実際に弁体を駆動させ、例えば弁体の錆び付きやシルテ
ィング(→ブレーキ液中の繊維質やゴミが電磁弁の中に
沈澱して弁体を動きにくくする現象)などで起こる固着
を防止する。
【0008】このように、電気的なイニシャルチェック
と固着防止駆動を別タイミングで行い、作動音が発生す
る電磁弁の固着防止駆動については、その作動音が気に
ならない状態になってから行なうことで、運転者等に対
する不快感を防止することができる。また、固着防止チ
ェック手段は所定レベル以上の騒音が発生している場合
にのみチェックを実行することとなるが、この所定レベ
ル以上の騒音が発生していることは、上述したように車
速に基づいて判断することが考えられる。通常アンチス
キッド制御装置のようなブレーキ制御装置においては、
その本来の制御のために車速を用いているため、その車
速を利用すればよく、騒音判定用の検出機構を別個設け
なくてもよいというメリットがある。但し、騒音判定に
用いる情報としては車速に何等限定されることはなく、
例えばエンジン回転数やエアコンの作動の有無あるいは
カーステレオの作動の有無等に基づいて判断することも
考えられる。つまり、電磁弁が実際に駆動してもその作
動音が気にならないほど他の原因での騒音が発生してい
ればよく、その一例として挙げた車速は、車速が上がれ
ばそれだけエンジン音やロードノイズも大きくなると推
定されることに基づいたものである。
【0009】また、このブレーキ制御装置としては、例
えば、滑り易い路面での制動時の車輪ロックを防止して
制動安定性を確保しながら制動距離を短縮するアンチス
キッド制御(ABS)や加速スリップ時のトラクション
制御(TRC)などに用いられる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき説明する。図1は、本発明のブレーキ制御装置を
フロントエンジン・フロントドライブ方式の四輪車両に
おけるアンチスキッド制御装置として適用した場合の全
体構成を表わす概略構成図である。
【0011】図1に示す如く、車両の右前輪(FR輪)
1,左後輪(RL輪)2,左前輪(FL輪)3,及び右
後輪(RR輪)4の各々には、各車輪1〜4の回転に応
じたパルス信号(回転速度信号)を発生する、電磁式、
磁気抵抗式等の車輪速度センサ5,6,7,8が配設さ
れている。また各車輪1〜4には、夫々、油圧式のホイ
ールシリンダ11,12,13,14が配設され、これ
ら各ホイールシリンダ11〜14には、ブレーキペダル
15の踏み込みによって発生するマスタシリンダ(M/
C)16からの油圧が、インレット弁21,22,2
3,24及び油圧管路を介して送られる。尚、本実施例
では、マスタシリンダ16からの油圧を各車輪1〜4の
インレット弁21〜24に導く油圧管路が、右前輪1及
び左後輪2用の油圧管路と、左前輪3及び右後輪4用の
油圧管路との2系統に分離された、所謂X配管とされて
いる。
【0012】ここで、アンチスキッド制御が実行されて
いない場合には、上記各インレット弁21〜24は連通
状態とされており、マスタシリンダ16からの油圧は、
各インレット弁21〜24を通して、各ホイールシリン
ダ11〜14(詳しくは各ホイールシリンダ11〜14
のホイールシリンダ)に伝達される。よって、この場合
には、マスタシリンダ16からの油圧が乗員のブレーキ
ペダル15の踏み込みに応じて各ホイールシリンダ11
〜14に伝達され、各車輪1〜4に制動力が発生する。
【0013】次に、右前輪1のホイールシリンダ11と
インレット弁21とを結ぶ油圧管路、及び左後輪2のホ
イールシリンダ12とインレット弁22とを結ぶ油圧管
路からは、各々、ホイールシリンダ11,12のホイー
ルシリンダ内のブレーキ油をリザーバ25へ逃がすため
の油圧管路が伸びており、この各油圧管路には、各々、
該管路を連通・遮断するためのアウトレット弁31,3
2が配置されている。また同様に、左前輪3のホイール
シリンダ13とインレット弁23とを結ぶ油圧管路、及
び右後輪4のホイールシリンダ14とインレット弁24
とを結ぶ油圧管路からは、各々、ホイールシリンダ1
3,14のホイールシリンダ内のブレーキ油をリザーバ
26へ逃がすための油圧管路が伸びており、この各油圧
管路には、各々、該管路を連通・遮断するためのアウト
レット弁33,34が配置されている。
【0014】そして、リザーバ25は、マスタシリンダ
16とインレット弁21,22とを結ぶ油圧管路に、リ
ザーバ25からブレーキ液を汲み出してマスタシリンダ
16側へ圧送する油圧ポンプ27及び油圧脈動を抑える
ダンパ29を介して接続されている。また同様に、リザ
ーバ26は、マスタシリンダ16とインレット弁23,
24とを結ぶ油圧管路に、該リザーバ26からブレーキ
液を汲み出してマスタシリンダ16側へ圧送する油圧ポ
ンプ28及び油圧脈動を抑えるダンパ30を介して接続
されている。なお、油圧ポンプ27,28はポンプモー
タ45によって駆動される。
【0015】また、ホイールシリンダ11とインレット
弁21とを結ぶ油圧管路と、マスタシリンダ16との間
には、インレット弁21をバイパスする油圧管路が設け
られており、この油圧管路にはホイールシリンダ11側
からマスタシリンダ16側へのブレーキ油の流動のみを
許容する逆止弁41が配設されている。そして、他のホ
イールシリンダ12,13,14についても全く同様
に、各インレット弁22,23,24をバイパスする油
圧管路が各々設けられており、その各油圧管路には逆止
弁42,43,44が各々配設されている。
【0016】上記インレット弁21〜24及びアウトレ
ット弁31〜34は本発明の「電磁弁」に相当し、各
々、電磁式の2ポート2位置弁であり、電子制御装置5
0(以下ECUという)からの駆動信号に基づいてポー
トが切り換えられる。尚、アンチスキッド制御が実行さ
れていない状態、即ち非通電時おいて、インレット弁2
1〜24及びアウトレット弁31〜34のポート位置は
図1に示す位置にある。
【0017】一方、ECU50は、CPU,ROM,R
AM,及び入出力インターフェース等を備えたマイクロ
コンピュータを中心として構成されており、本発明の
「電気的チェック手段」及び「固着防止駆動手段」に相
当する。そして、ECU50は、図示しないイグニッシ
ョンスイッチがオンされることにより電源が供給され、
上述した車輪速度センサ5〜8や、ブレーキペダル15
の踏込時にオンするストップスイッチ17等からの信号
を受けて、各車輪1〜4のスリップ状態を演算推定する
と共に、ブレーキ力制御のための演算制御を行い、イン
レット弁21〜24及びアウトレット弁31〜34に対
する駆動信号を出力する。なお、上述した油圧ポンプ2
7,28を駆動するためのポンプモータ45に対する駆
動信号も出力される。
【0018】次に、上述の構成を有する本実施形態のア
ンチスキッド制御装置におけるECU50にて実行され
る処理について、図2のフローチャートなどに基づいて
説明する。図示しないイグニッションスイッチがオンさ
れるとECU50は起動され、まずステップ(以下、単
にSと記す)10にて、各種フラグやメモリ等の初期化
処理を行う。そして、続くS20では、ストップスイッ
チ17がオンされたか否か(つまりブレーキペダル15
が踏み込まれたか否か)を判断し、ストップスイッチ1
7がオンされている場合には(S20:YES)、S1
00へ移行する。S100の処理については後述する。
【0019】一方、ストップスイッチ17がオフの場合
には(S20:NO)、S30へ移行し、現在アンチス
キッド制御が実行中であるか否かを判断する。アンチス
キッド制御が実行中の場合には(S30:YES)、S
100へ移行するが、アンチスキッド制御が実行中でな
い場合(S30:NO)、S40へ移行する。
【0020】S40では、電気的チェックが済んでいる
か否かを判断し、電気的チェックが済んでいれば(S4
0:YES)、S70へ移行する。一方、電気的チェッ
クが済んでいなければ(S40:NO)、S50へ移行
して、現在の車体速度VB が6km/h以上であるか否
かを判断する。なお、車体速度VB は、各車輪速度セン
サ5〜8からの回転速度信号に基づいて得た各車輪1〜
4の車輪速度の内の例えば最大速度に基づいて演算(推
定)したものである。そして、車体速度VB が6km/
h未満であれば(S50:NO)、S70へ移行する
が、車体速度VBが6km/h以上であれば(S50:
YES)、S60へ移行して、電気的チェックを実行す
る。
【0021】ここで、S60で実行する電気的チェック
について説明する。電気的チェックは、インレット弁2
1〜24及びアウトレット弁31〜34にそれぞれ対応
する駆動回路及び電磁弁のソレノイド等において断線や
ショート等の故障が生じていないかをチェックするもの
である。この駆動回路及びソレノイド周辺の電気的構成
を図3に例示する。
【0022】図3に示すように、駆動回路aに直列に接
続されたソレノイドaは、ソレノイドリレーを介してバ
ッテリに接続されている。そして、駆動回路a及びソレ
ノイドaと並列に駆動回路b及びソレノイドbからなる
組が接続されている。以下、同様に駆動回路及びソレノ
イドからなる組が所定数並列に接続されている。図1に
示すアンチスキッド制御装置の回路構成を前提にするな
らば、4つのインレット弁21〜24及び4つのアウト
レット弁31〜34の計8つの電磁弁それぞれ対応して
駆動回路及びソレノイドの組が準備されていることとな
る。
【0023】また、ソレノイドリレーとソレノイドa,
b,…との間の電圧を検出するのが電圧検出αである。
一方、ソレノイドaと駆動回路aとの間の電圧を検出す
るのが電圧検出β1であり、同様に、ソレノイドb,…
と駆動回路b,…との間の電圧をそれぞれ検出するのが
電圧検出β2,…である。
【0024】この構成において、通常ソレノイドリレー
はONされているため、電圧検出αはバッテリ電圧を検
出している。この際、駆動回路a,b,…がONされて
いなければ、電圧検出β1,β2,…はバッテリ電圧と
なっていなければならず、まずこれをチェックしてい
る。駆動回路aをONすると、電圧検出α1のみが瞬時
に0[V]になるはずであり、もし、このときに電圧検
出α1が0[V]にならなかったり、他の電圧検出α
2,…が0[V]になった場合は、断線やショートなど
の電気回路に何等かの故障かあると判断する。駆動回路
a,b,…を順番にONしてこのような電気的チェック
を実行するのである。
【0025】図2のS60での電気的チェック処理は、
具体的には図4に示す通電パターンにしたがって行われ
る。図4は、上から順番に、FR輪に対応するインレッ
ト弁21及びアウトレット弁31、FL輪に対応するイ
ンレット弁23及びアウトレット弁33、RR輪に対応
するインレット弁24及びアウトレット弁34、RL輪
に対応するインレット弁22及びアウトレット弁32に
それぞれ対応する駆動回路への通電タイミング及び通電
時間を示すものであり、図中でONと記されている部分
が通電を行っている期間である。
【0026】図4の通電パターンは、FR用インレット
弁21へ通電を開始してから所定時間T経過後にFR用
アウトレット弁31へ通電を開始し、所定時間T経過後
(FR用インレット弁21へ通電を開始してからは2T
経過後)にFR用インレット弁21及びFR用アウトレ
ット弁31への通電を停止する。それと同時に、RL用
インレット弁22へ通電を開始してから所定時間T経過
後にRL用アウトレット弁32へ通電を開始し、所定時
間T経過後(RL用インレット弁22へ通電を開始して
からは2T経過後)にRL用インレット弁22及びRL
用アウトレット弁32への通電を停止する。その後も同
様に、RR用インレット弁24及びRL用アウトレット
弁34への通電、FL用インレット弁23及びFL用ア
ウトレット弁33への通電を順次行ってチェック処理を
終了する。
【0027】ここで、所定時間Tは、次の点を考慮して
設定されている。電気的チェック処理では、インレット
弁21〜24の弁体及びアウトレット弁31〜34の弁
体は実際には駆動しないが、上述した駆動回路やソレノ
イド部分の断線やショートなどの故障を発見するための
電気的チェックは実行できる時間に設定する必要があ
る。そして、図4の通電パターンからも判るように、ア
ウトレット弁31〜34に対しては所定時間Tだけ通電
しているが、インレット弁21〜24に対しては所定時
間Tの2倍、つまり2Tだけ通電している。そのため、
2Tだけ通電しても実際にソレノイドは駆動せず、かつ
所定時間Tで電気的チェックは実行できる時間とする必
要があり、例えば所定時間Tは500μsec〜1ms
ec程度に設定されている。なお、インレット弁21〜
24に対して2Tだけ通電しているのは、アウトレット
弁31〜34のみを駆動するとマスタシリンダ16とリ
ザーバ25,26が連通してしまう状態となるため、ア
ウトレット弁31〜34を駆動する際にはインレット弁
21〜24も駆動させるようにしたためである。
【0028】なお、上述のように通電時間が2T以下で
電磁弁の弁体が実際には駆動されないのは、次のような
理由である。図3における駆動回路a,b,…に通電を
開始しても、ソレノイドa,b,…に流れる電流は数m
sec程度の時定数で立ち上がるため、実際に弁体を駆
動できる(電磁弁の弁体が動き出す)のに必要な電流値
に達する前に駆動回路a,b,…への通電を終了すれ
ば、弁体は実際には駆動されない。さらに、弁体が駆動
可能な電流値になってもすぐに弁体が駆動開始するので
はなく、弁体のイナーシャ等による応答遅れもあるた
め、実際の弁体の駆動開始には数msec(例えば3m
sec)以上の通電が必要となってくるのである。した
がって、所定時間Tが1msec以下であれば、2Tの
最大値が2msecとなるため、弁体が実際に駆動され
ることはなく、電気的チェックができる。
【0029】図2のフローチャートに戻り、S60での
電気的チェックが終了した場合、あるいはS40で肯定
判断やS50で否定判断であった場合にはS70へ移行
することとなる。S70では、固着防止駆動が済んでい
るか否かを判断し、固着防止駆動が済んでいれば(S7
0:YES)、S100へ移行する。一方、固着防止駆
動が済んでいなければ(S70:NO)、S80へ移行
して、現在の車体速度VB が50km/h以上であるか
否かを判断する。そして、車体速度VB が50km/h
以未満であれば(80:YES)、S90の処理を実行
することなくS100へ移行するが、車体速度VB が5
0km/h以上であれば(S80:YES)、S90へ
移行して、固着防止駆動を実行する。
【0030】ここで、S90で実行する固着防止駆動の
処理について説明する。この固着防止駆動は、基本的に
は上述したS60での電気的チェックと同様、インレッ
ト弁21〜24及びアウトレット弁31〜34にそれぞ
れ対応する駆動回路に図4に示す通電パターンにしたが
って通電して行なうのであるが、この場合は所定時間T
を電気的チェックの場合と比べて長くする。これは、イ
ンレット弁21〜24及びアウトレット弁31〜34に
おいて、それぞれ対応する弁体が駆動できる時間が設定
され、具体的にはT=3msec以上である。この固着
防止駆動は、実際にソレノイド及び弁体を駆動させ、例
えば弁体の錆び付きやシルティング(→ブレーキ液中の
繊維質やゴミが電磁弁の弁体の中に沈澱して弁体を動き
にくくする現象)などで起こる固着を防止するための処
理である。
【0031】こうしてS90で固着防止駆動の処理が終
了した場合、あるいはS20,S30,S70でそれぞ
れ肯定判断の場合とS90で否定判断の場合にはS10
0へ移行する。S100では、アンチスキッド制御の開
始・終了の判定処理あるいはアンチスキッド制御の実行
処理が行われる。この内容は従来通りであり、本発明の
特徴部分ではないので説明は省略する。
【0032】次に、本アンチスキッド制御装置が奏する
効果について説明する。まず、従来との比較で本アンチ
スキッド制御装置の効果を説明するため、従来のイニシ
ャルチェック処理を、図5のフローチャートを参照して
簡単に説明しておく。図5のS110〜S130は図2
のS10〜S30と同じなので説明は省略する。図5の
S140ではイニシャルチェックが済んでいるか否かを
判断し、イニシャルチェックが済んでいなければ(S1
40:NO)、S150へ移行して、現在の車体速度V
B が6km/h以上であるか否かを判断し、車体速度V
Bが6km/h以上であれば(S150:YES)、S
160へ移行して、イニシャルチェックを実行する。こ
のS160でのイニシャルチェックは、実際に弁体を駆
動させるチェックであり、上記本実施形態における具体
例でいえば所定時間T=3msecとして通電するよう
な処理である。
【0033】これに対して、本実施形態の場合には、従
来のイニシャルチェック実行(図5のS160参照)の
タイミングにおいては、所定時間Tを500μsec〜
1msecとして、ソレノイドが実際には駆動しない図
4の通電パターンで駆動回路に通電し、ソレノイドや駆
動回路に対する電気的なチェックを実行する。そして、
車体速度VB が50km/h以上となった場合に固着防
止駆動を実行する。
【0034】このように車体速度VB が50km/h以
上となった場合に実行するのは、例えば車速が上がりエ
ンジン音やロードノイズなどによって弁体が実際に駆動
されてもその作動音が気にならない状態となった場合に
限って本固着防止駆動の処理を行なうためである。そし
て、電気的なイニシャルチェックと固着防止駆動を別タ
イミングで行い、作動音が発生するインレット弁21〜
24及びアウトレット弁31〜34の固着防止駆動につ
いては、その作動音が気にならない状態になってから行
なうことで、運転者等に対する不快感を防止することが
できる。
【0035】なお、図2のS60において実行される電
気的チェックの処理としては、チェックの結果、異常が
検出された場合には、ABS警告ランプを点灯し、AB
S処理自体を禁止するようにすることが考えられる。つ
まり、S100でのABS制御判定・実行処理におい
て、ABS警告ランプが点灯している状態ではABS処
理は実行しない。また、S90での固着防止駆動の処理
においては特にチェックを行わなくてもよいが、S60
の電気的チェックにおける場合と同様の項目をチェック
して、異常が検出された場合はやはりABS制御を禁止
するようにしてもよい。
【0036】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明はこうした実施形態に限定されることはな
く、種々の態様をとることができる。例えば、上記実施
形態においては、電気的チェックの場合と固着防止駆動
の場合とで所定時間Tの値を変更してはいるが、通電処
理自体は図4に示す通電パターンに従って両者共実行し
ていた。しかし、このような通電パターンに限定されず
別の通電パターンでもよい。また、電気的チェックの場
合と固着防止駆動の場合とで通電パターンを変更しても
よい。
【0037】また、図2のフローチャートに示すよう
に、電気的チェックは車体速度VB が6km/h以上の
場合、固着防止駆動は車体速度VB が50km/h以上
で実行するようにしたが、この数値に限定されるもので
はない。特に、固着防止駆動の場合の車体速度VB が5
0km/h以上というのは、この程度の車体速度があれ
ば、エンジン音やロードノイズがある程度大きいため、
インレット弁21〜24及びアウトレット弁31〜34
の固着防止駆動時の作動音が気にならないと考えられる
ということから設定した値であるため、エンジンの種類
や車種等によって適宜設定すればよい。
【0038】また、アンチスキッド制御装置では、その
本来の制御のために車体速度VB を用いているため、そ
れをそのまま利用すればよく、騒音判定用の検出機構を
別個設けなくてもよいというメリットがある。但し、騒
音判定に用いる情報としては車体速度VB に何等限定さ
れることはなく、例えばエンジン回転数やエアコンの作
動の有無あるいはカーステレオの作動の有無等に基づい
て判断することも考えられる。つまり、インレット弁2
1〜24及びアウトレット弁31〜34の駆動時の音が
気にならない程度に他の要因による騒音が発生していれ
ばよいからである。
【0039】また、上記実施形態では電磁弁をブレーキ
制御装置としてのアンチスキッド制御装置におけるイン
レット弁21として適用した場合を説明したが、その他
にも例えば同じようにブレーキ液圧により車輪制動力を
調整するものとしてトラクション制御装置などにも適用
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブレーキ制御装置をフロントエンジ
ン・フロントドライブ方式の四輪車両におけるアンチス
キッド制御装置として適用した場合の全体構成を表わす
概略構成図である。
【図2】 アンチスキッド制御装置におけるECUにて
実行される処理を示すフローチャートである。
【図3】 インレット弁及びアウトレット弁に対応する
駆動回路及びソレノイド周辺の電気的構成を示す説明図
である。
【図4】 電気的チェック処理における通電パターンの
説明図である。
【図5】 従来のイニシャルチェック処理を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1…右前輪(FR輪) 2…左後輪(R
L輪) 3…左前輪(FL輪) 4…右後輪(R
R輪) 5…車輪速度センサ 11〜15…ブレーキペ
ダル 16…マスタシリンダ 17…ストップ
スイッチ 21〜24…インレット弁 25,26…リザーバ 27…油圧ポンプ 29,30…ダンパ 31〜34…アウトレット弁 41,42…逆止弁 45…ポンプモータ 50…電子制御
装置(ECU)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動回路に通電してソレノイドに通電
    し、弁体の位置を切り替えることによってホイールシリ
    ンダの液圧を調整可能な電磁弁を備え、車輪制動状態に
    応じて前記電磁弁を制御することにより車輪制動力を制
    御するブレーキ制御装置において、 前記ホイールシリンダの液圧調整前に、前記電磁弁の弁
    体が実際には駆動されない第1の所定時間だけ前記駆動
    回路に通電し、前記ソレノイドや前記駆動回路に対する
    電気的なチェックを実行する電気的チェック手段を備え
    ることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の所定時間は、1msec以下
    であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記ホイールシリンダの液圧調整前、か
    つ、所定レベル以上の騒音が発生していると判断された
    場合には、前記電磁弁の弁体が実際に駆動可能な第2の
    所定時間だけ前記駆動回路に通電し、前記電磁弁の弁体
    の固着を防止するための駆動を実行する固着防止駆動手
    段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のブ
    レーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記所定レベル以上の騒音が発生してい
    ることを、車速に基づいて判断することを特徴とする請
    求項3に記載のブレーキ制御装置。
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