JPH10237312A - 抗菌性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

抗菌性樹脂組成物及び成形品

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JPH10237312A
JPH10237312A JP4044197A JP4044197A JPH10237312A JP H10237312 A JPH10237312 A JP H10237312A JP 4044197 A JP4044197 A JP 4044197A JP 4044197 A JP4044197 A JP 4044197A JP H10237312 A JPH10237312 A JP H10237312A
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antibacterial
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resin
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JP4044197A
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Yae Oohigata
野枝 大日方
Shinya Ochiai
信哉 落合
Yoshihiro Nakagawa
善博 中川
Tomoaki Takasaki
智明 高崎
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂製品に対する光照射や高温環境下での保
存、また成形時の加熱等によっても抗菌能が低下せず、
長期間に亘って安定して抗菌性が維持され、しかも樹脂
の変色、強度の低下のない抗菌性樹脂組成物の提供を目
的とする。 【解決手段】樹脂に有機系抗菌剤、紫外線吸収剤及び光
/熱安定剤を含有したことを特徴とする抗菌性樹脂組成
物及び少なくとも最外層がその抗菌性樹脂組成物から成
る層であることを特徴とする成形品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は黴、酵母、細菌等の
微生物に起因する樹脂製品表面上に発生する黒ずみ、ぬ
めり等を防止するために、抗菌性を付与した樹脂組成物
及びその樹脂から成形される、浴室や台所、洗面所等の
微生物が増殖し易い水周りや病院等の衛生性が求められ
る場所で使用される樹脂製品、製品そのものに衛生性を
要求される樹脂製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、樹脂に添加可能な抗菌剤が開発さ
れ、すでに広く使用されているが、大別すると、銀、亜
鉛等をゼオライト等に担持させた無機系抗菌剤と、抗菌
性を有する有機物質から成る有機系抗菌剤の二種に分類
される。
【0003】無機系抗菌剤は主に銀が広く使用され、光
による変色が問題となる場合には亜鉛が使用されてい
る。これらは既に俎板、ボール等の調理用具や浴室用の
椅子、洗面器等の水周り製品およびシャンプー、リンス
等のプラスチック容器、洗濯機の洗濯槽、加湿器等のフ
ィルターや貯水槽、また、ボールペン等の文具等に広く
使用されている。
【0004】有機系抗菌剤はイミダゾール系抗菌剤やチ
アゾリン系抗菌剤が洗濯機の洗濯槽等に使用されてい
る。これら無機系抗菌剤、有機系抗菌剤は何れも成形時
に樹脂に直接、又は高濃度のマスターバッチとして添加
され、成形されている。
【0005】これらの抗菌剤を最終製品の表面上に発生
する、微生物によるぬめりや黒ずみを防止する目的で使
用する際には、単一の樹脂層から成る製品の場合には、
抗菌剤を製品全体に添加し、最終製品がいくつもの樹脂
層(多層)から成る場合には、表面を形成する樹脂層に
添加して使用されている。しかし、無機系抗菌剤は微生
物によるぬめりの発生防止に対しては機能するが、黴に
よる黒ずみの発生防止に対しては機能しないという問題
があり、一方、有機系抗菌剤は微生物によるぬめりの発
生防止、黴による黒ずみの発生防止の双方に対して機能
するが、熱に弱く、樹脂に練り込んで成形するときの高
温(160℃〜170℃)に耐えられず、抗菌剤そのも
のが樹脂から分解してしまい、抗菌機能が低下、又はな
くなってしまう場合もあるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】また、最終製品の表面
上に発生する微生物によるぬめりや黒ずみを防止した
り、衛生性を保つ目的で抗菌剤を使用する場合、抗菌剤
は製品表面、又は表面付近に存在しなければ効果を得る
ことができない。このため、抗菌剤は光を受けやすくな
り、分解や変質が起こり、抗菌能が低下する。
【0007】抗菌能の低下に関しては、より多くの抗菌
剤を添加することで解決可能であるが、抗菌剤は価格が
高く、この方法は経済的ではない。本発明者らはこれを
解決するために、樹脂に有機系抗菌剤とともに耐光性付
与剤を配合した抗菌性樹脂組成物を提案した(特願平7
ー47247号)。
【0008】しかし、抗菌剤、特に有機系抗菌剤は上記
したように光照射だけでなく、成形時の加熱等によって
も分解、変質を起こすため、耐光性付与剤だけでは添加
された抗菌剤が有効に利用できない、すなわち、抗菌剤
を多量に加えなければならず、経済的ではない。樹脂製
品は成形から輸送、店頭販売、家庭での使用に至るま
で、常に悪条件に曝される危険性がある。
【0009】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであり、例えば、樹脂製品に対する
光照射や高温環境下での保存、また、成形時の加熱等に
よっても抗菌能が低下せず、長期間に亘って安定して抗
菌性が維持され、しかも樹脂の変色、強度の低下のない
有機系抗菌剤を含む抗菌性樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために考えられたものであり、請求項1の発明は、
樹脂に有機系抗菌剤、紫外線吸収剤及び光/熱安定剤を
含有して成る抗菌性樹脂組成物である。請求項2の発明
は、有機系抗菌剤がチアゾリン系化合物であり、紫外線
吸収剤がベンゾトリアゾール系化合物、光/熱安定剤が
ヒンダードアミン系化合物である請求項1記載の抗菌性
樹脂組成物である。請求項3の発明は、チアゾリン系化
合物が2−オクチル−4−イソチアゾリン−3 −オンで
あり、その含有濃度が0. 005〜0.5重量%であり、
紫外線吸収剤が2−(3−t−ブチル−5−メチル−2
−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ルであり、その含有濃度が0. 005〜1. 0重量%で
あり、光/熱安定剤がコハク酸ジメチル・1−(2−ヒ
ドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン重縮合物であり、その含有濃度
が0. 005〜1. 0重量%であることを特徴とする請
求項1記載の抗菌性樹脂組成物である。請求項4の発明
は、少なくとも最外層が、請求項1乃至3に記載の何れ
かの抗菌性樹脂組成物から成る層であることを特徴とす
る成形品である。請求項5の発明は、少なくとも最外層
が、請求項1乃至3に記載の何れかの抗菌性樹脂組成物
から成る層であることを特徴とするブロー成形容器であ
る。請求項6の発明は、少なくとも最外層が、請求項1
乃至3に記載の何れかの抗菌性樹脂組成物から成る層で
あることを特徴とする射出成形容器である。請求項7の
発明は、少なくとも最外層が、請求項1乃至3に記載の
何れかの抗菌性樹脂組成物から成る層であることを特徴
とするチューブ容器である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
具体的に説明する。まず、有機系抗菌剤としてはチアゾ
リン系化合物の他に、ニトリル系、アニリド系、エステ
ル系、フェノール系、エーテル系、界面活性剤系、ピリ
ジン系、トリアゾン系化合物等が使用でき、また、紫外
線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系化合物、光/熱
安定剤にはヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物
等が使用できる。紫外線吸収剤及び安定剤を有機系抗菌
剤とともに樹脂に添加する方法としては最終製品の表
面、または表面付近に、耐光性付与剤と光/熱安定剤、
抗菌剤が分散性良く配置可能な方法であればよく、例え
ば、高濃度の抗菌剤マスターバッチと高濃度の耐光性付
与剤、光/熱安定剤のマスターバッチを別々に用意し、
製品を成形する際に目的の濃度となるようにバージン樹
脂に同時に混合し、成形する方法や抗菌剤と耐光性付与
剤、熱/光安定剤を予め、同一のマスターバッチに添加
して製品の成形時にバージン樹脂に混合して成形する方
法等がある。この際、マスターバッチの添加量はバージ
ン樹脂に対して5%以上となるように設計し、成形を行
なうと薬剤の分散性が良好となる。
【0012】本発明における抗菌剤、紫外線吸収剤及び
光/熱安定剤を添加する樹脂としてはポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリプロピレン、等の熱可塑性樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂等の合成
樹脂の他、アラビアゴム、セラックス、硝化綿等の天然
樹脂及び溶剤に樹脂を溶融し、塗布後、溶剤を気化さ
せ、樹脂層を形成するインキ等を含む物である。さら
に、本発明における樹脂組成物に対して酸化防止剤、紫
外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、可塑剤等、通常樹脂
中に添加する物質は制限されない。また、抗菌剤、紫外
線吸収剤、光/熱安定剤の含有濃度はそれぞれ、0. 0
05重量%未満であると抗菌効果が充分に発揮されず、
また、抗菌剤の含有濃度が0. 5重量%、紫外線吸収
剤、光/熱安定剤の含有濃度はそれぞれ、0. 5重量%
より多くなると抗菌性能は飽和状態となり、経済的では
ない。なお、含有濃度は何れもシート一枚あたりの濃度
である。
【0013】本発明による樹脂組成物は紫外線吸収剤、
光/熱安定剤が光エネルギーを熱エネルギーに変換し、
さらにその熱エネルギーを吸収することによって有機系
抗菌剤が紫外線や光、熱の作用を受けなくしたり、光を
遮断し、また、光や熱によって活性化された分子を安定
化させて抗菌性能の低下や樹脂製品の変色、さらには機
械的強度の劣化を防止する。それによって抗菌性が長期
間にわたり、安定して保持される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
する。 <実施例1>有機系抗菌剤として2−オクチル−4−イ
ソチアゾリン−3 −オンを0. 02重量%、紫外線吸収
剤として2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールを
0. 05重量%、光/熱安定剤としてコハク酸ジメチル
・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物を
0. 06重量%、それぞれTダイより押出成形加工時に
添加し、所望の薬剤濃度となるように厚み500μm,
幅140mmのポリエチレンシートを巻き取り状に作成
した。抗菌剤、紫外線吸収剤、光/ 熱安定剤の含有濃度
は何れもシート1枚当たりの濃度である。
【0015】<比較例1>厚み約500μm、幅140
mmのポリエチレンシートを巻き取り状に作製した。 <比較例2>実施例1と同様にして、チアゾリン系化合
物として2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
を0. 02重量%含有したポリエチレンシート(厚み約
500μm,幅140mm)を巻き取り状に作製した。 <比較例3 >実施例1と同様にして、チアゾリン系化合
物として2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
を0. 02重量%、紫外線吸収剤として2−(3−t−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾールを0. 05重量%含有したポ
リエチレンシート(厚み約500μm,幅140mm)
を巻き取り状に作製した。 <比較例4>実施例1と同様にして、チアゾリン系化合
物として2−オクチル−4−イソチアゾリン−3 −オン
を0. 02重量%、光/熱安定剤としてコハク酸ジメチ
ル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物を
0. 06重量%含有したポリエチレンシート(厚み約5
00μm,幅140mm)を巻き取り状に作製した。
【0016】以上のシートを使用して実験を行った。
【0017】〔実験1〕黴指標菌として、Penicillium
citrinum IFO 6352 胞子を、ポテトデキストロース寒天
培地上に塗抹し、実施例及び比較例の試料(巻き取り状
の幅140mmのポリエチレンシート)を直径8mmの
円形に打ち抜いて培地上に密着させ、培養した。培養温
度は25℃とした。1週間培養後、ハロー(阻止円、図
1)の有無を観察した(表1)。抗菌性を有する場合は
ハロー(阻止円)(3)を形成する。
【0018】
【表1】
【0019】〔実験2〕実施例1および比較例1〜4の
試料について、抗菌効果に対する耐光性、耐熱性試験を
行なった。耐光性試験はスガ試験機製キセノンウエザー
メーターを用いて上記ボトルに0、24、48、72時
間の光暴露を実施し、実験1と同様に抗菌性を測定した
(表2)。耐熱性試験はボトルを0、24、48、72
時間、55℃の高温下に放置して抗菌性を測定した(表
3)。以下にハローの大きさを示す。
【0020】
【表2】
【0021】<実施例2>通常の多層ブロー成形法によ
り、容器外側より本発明による樹脂組成物層(21)/
未添加層(22)の構成の容量800mlのポリエチレ
ンボトル(23)を作製した(図2)。ボトル層の構成
比は厚みで容器外側より1:9となるように設定し、目
付け量は55g設定とした。本発明による樹脂組成物層
は実施例1と同様にして、チアゾリン系化合物として2
−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを0. 02
重量%となるように添加し、紫外線吸収剤として2−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾールを0. 05重量
%、光/熱安定剤としてコハク酸ジメチル・1ー(2ー
ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン重縮合物を0. 06重量%添
加した。上記の抗菌剤、紫外線吸収剤、光/熱安定剤の
添加濃度は何れもボトルの最外層に含有される濃度であ
る。ボトルに抗菌剤を添加する場合、ボトルを単層にし
てボトル全体に添加する場合と、ボトルを多層にして最
外層にのみ添加する場合がある。本実施例に係るボトル
は後者であり、前者に比べて抗菌剤の添加量が十分の一
でよく、すなわち、コストが十分の一となり、経済面で
非常に優れている。
【0022】<比較例5>通常のブロー成形法により、
目付け量55g、容量800mlのポリエチレン製ボト
ル(33)を作製した(図3)。 <比較例6>実施例2と同様にして、チアゾリン系化合
物として2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
を0. 02重量%含有したポリエチレン製ボトルを作製
した。 <比較例7>実施例2と同様にして、チアゾリン系化合
物として2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
を0. 02重量%、紫外線吸収剤として2−(3−t−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾールを0. 05重量%含有したポ
リエチレン製ボトルを作製した。 <比較例8>実施例2と同様にして、チアゾリン系化合
物として2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
を0. 02重量%、光/熱安定剤としてコハク酸ジメチ
ル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物を
0. 06重量%含有するポリエチレン製ボトルを作製し
た。
【0023】〔実験3〕実施例2および比較例5〜8の
容器を一般家庭の浴室内に6カ月間放置し、黒ずみ及び
ぬめりの発生状況を観察した(表3)。
【0024】
【表3】
【0025】実験1の結果より、本発明による樹脂組成
物を含めて、抗菌剤の添加により、抗菌作用を有する樹
脂組成物を得ることが可能であることが示された。しか
しながら、実験2により、単に抗菌剤と、紫外線吸収剤
または光/熱安定剤のどちらか一方を添加しただけでは
光や熱による劣化を受け、変色、抗菌性の劣化を招くこ
とが示され、本発明による樹脂組成物が優れていること
が示された。耐光性試験において、抗菌剤に紫外線吸収
剤、または光/熱安定剤の一方を加えただけではキセノ
ン照射後48時間でハローが形成されなくなっているの
に対し、両者の併用により72時間後でもハローが形成
されるようになった。また、耐熱性試験では抗菌効果が
大きくなっただけでなく、72時間後でもその効果が安
定して持続されていることが確認された。このことは抗
菌剤に紫外線吸収剤と光/熱安定剤を併用して加えるこ
とによって樹脂の抗菌効果が高まり、かつ、その効果が
より長期間に亘って持続されることを示している。実験
3の結果より、本発明による樹脂組成物を実際に応用
し、使用した場合でもぬめり防止、黒ずみ防止効果を示
すことがわかった。
【0026】また、上記実施例ではシート、またはブロ
ー成形ボトルについて説明したが、本発明はこれに限ら
れるものではなく、チューブ容器等でも良く、また、浴
室、台所、洗面所等で使用される石鹸入れ、椅子、簀の
子、水切りかご等の水周り製品にも応用できることはも
ちろんである。
【0027】
【発明の効果】本発明による樹脂組成物を使用すること
により、微生物に起因する黒ずみやぬめりをより経済的
に防止することが可能になった。さらには光や熱による
変色、抗菌性の劣化等の影響を受けない樹脂製品を作製
することが可能となった。
【0028】特に有機系抗菌剤であるチアゾリン系化合
物が微生物の増殖を抑制し、紫外線吸収剤、光/熱安定
剤が光エネルギーを熱エネルギーに変換したり、光を遮
断したり、また、光や熱によって活性化された分子を安
定化したり、さらに熱エネルギーを吸収したりすること
によって有機系抗菌剤が紫外線や光、熱の作用を受けな
くなり、抗菌性能の低下や樹脂製品の変色、さらには機
械的強度の劣化が防がれるようになった。
【0029】光/熱安定剤の単独使用では効果が小さい
が、紫外線吸収剤を併用することによって少量の抗菌剤
でも抗菌性が長期間にわたり、安定して保持されるよう
になる。しかもチアゾリン系化合物の含有濃度が0. 0
05〜0.5重量%であり、紫外線吸収剤が2−(3−
t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾールであり、その含有濃度が
0. 005〜1. 0重量%であり、光/熱安定剤がコハ
ク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重
縮合物であり、その含有濃度が0. 005〜1. 0重量
%であると経済的でかつ成形品の表面状態が良好である
ため、その効果は顕著なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗菌性の検定方法の一つであるハロー(阻止
円)法におけるハローを示す説明図である。
【図2】本発明による樹脂組成物を使用した容器の一例
を示す説明図である。(実施例2)
【図3】本発明による樹脂組成物を使用しない容器の一
例を示す説明図である。(比較例5)
【図4】本発明による樹脂組成物を使用しない容器の別
の例を示す説明図である。(比較例6)
【図5】本発明による樹脂組成物を使用しない容器の別
の例を示す説明図である。(比較例7、8)
【符号の説明】
1:シャーレ 41:抗菌剤添
加樹脂層 2:菌の生育区 42:抗菌剤未
添加樹脂層 3:ハロー(阻止円) 43:ボトル 4:樹脂(試験片) 51:抗菌剤添
加樹脂層 21:抗菌剤添加樹脂層 52:抗菌剤未
添加樹脂層 22:抗菌剤未添加樹脂層 53:ボトル 23:ボトル 33:ボトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高崎 智明 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂に有機系抗菌剤、紫外線吸収剤及び光
    /熱安定剤を含有して成る抗菌性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】有機系抗菌剤がチアゾリン系化合物であ
    り、紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系化合物、光/
    熱安定剤がヒンダードアミン系化合物である請求項1記
    載の抗菌性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】チアゾリン系化合物が2−オクチル−4−
    イソチアゾリン−3−オンであり、その含有濃度が0.
    005〜0.5重量%であり、紫外線吸収剤が2−(3−
    t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−
    5−クロロベンゾトリアゾールであり、その含有濃度が
    0. 005〜1. 0重量%であり、光/熱安定剤がコハ
    ク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒ
    ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重
    縮合物であり、その含有濃度が0.05〜1.0重量%
    であることを特徴とする請求項2記載の抗菌性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】少なくとも最外層が、請求項1乃至3に記
    載の何れかの抗菌性樹脂組成物から成る層であることを
    特徴とする成形品。
  5. 【請求項5】少なくとも最外層が、請求項1乃至3に記
    載の何れかの抗菌性樹脂組成物から成る層であることを
    特徴とするブロー成形容器。
  6. 【請求項6】少なくとも最外層が、請求項1乃至3に記
    載の何れかの抗菌性樹脂組成物から成る層であることを
    特徴とする射出成形容器。
  7. 【請求項7】少なくとも最外層が、請求項1乃至3に記
    載の何れかの抗菌性樹脂組成物から成る層であることを
    特徴とするチューブ容器。
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