JPH0880685A - 熱転写用受像シート - Google Patents

熱転写用受像シート

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JPH0880685A
JPH0880685A JP6219716A JP21971694A JPH0880685A JP H0880685 A JPH0880685 A JP H0880685A JP 6219716 A JP6219716 A JP 6219716A JP 21971694 A JP21971694 A JP 21971694A JP H0880685 A JPH0880685 A JP H0880685A
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JP6219716A
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Kazuhiko Sunada
和彦 砂田
Hideki Sekiguchi
英樹 関口
Yukio Tokunaga
幸雄 徳永
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 白抜け及び濃度ムラがなく、高感度の熱転写
用受像シートを提供する。 【構成】 加熱時に熱転写媒体から熱溶融又は昇華によ
り移行する染料を受容する受像層を設けた熱転写用受像
シートにおいて、パルプ紙からなる支持体と受像層との
間に、主成分が球状中空粒子とゴム弾性体微粒子であ
り、密度が0.8未満である中間層を設けたことを特徴
とする熱転写用受像シート。好ましくは、球状中空粒子
とゴム弾性体微粒子の粒子径の比が1:0.5〜1:2
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写用受像シートに
関するものであり、更に詳しくは、画像の白抜け及び濃
度ムラが無く、高感度の熱転写用受像シートに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーハードコピーの一手段とし
て、熱転写記録方式を利用する装置が軽量且つコンパク
トで騒音が無く、操作性、保守性にも優れている等の利
点から広く普及している。この熱転写記録方式は、大き
く分けて熱溶融型と熱移行型又は昇華型と呼ばれる2種
類の方式がある。特に、後者は多色階調性画像の再現性
に優れており、昇華型感熱転写方式のプリンターを用い
て印字される。このような昇華型感熱転写方式のプリン
ターの原理は、画像を電気信号に変換し、さらにこの電
気信号をサーマルヘッドにより熱信号に変換して、熱移
行性色素が塗工された熱転写媒体(以下、インクドナー
シートという)を加熱し、昇華又は媒体中での拡散によ
り、インクドナーシートから熱転写用受像シートの受像
層へ色素が転写する事で情報を記録するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来より、パルプ紙か
らなる支持体の上に受像層を設けた熱転写用受像シート
は、支持体の厚みムラ、又は、表面凹凸のため、白抜け
及び濃度ムラを生じ、中間調にザラツキ感を与えること
が知られている。又、支持体の断熱性不足により、高い
転写濃度を得ることが不可能であった。
【0004】特に、近年、プリント速度の高速化の観点
から、感度、即ち転写濃度の向上が要求されており、そ
の様な高感度化には、例えば、特開昭62−87390
号公報、特開平3−266691号公報等が挙げられ
る。同公報では、二軸延伸法によって作製されたボイド
構造を有するポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチ
レンテレフタレート等の合成樹脂フィルムや合成紙が、
クッション性や断熱性に優れることから有効であると記
載されている。
【0005】しかしながら、この様な合成フィルムや合
成紙は、耐熱性に劣るため、例えば、支持体を多層構造
とする場合の貼合わせにおける乾燥工程や印字における
印加エネルギー熱により、熱収縮を起こしたり、表面の
凹凸が発生する等の問題点があった。又、この様な合成
樹脂フィルムや合成紙のボイドは、一般に厚みが数〜十
数μm、長さが数〜数十μmの大きさであるが、印字の
際、熱転写用受像シートにプラテン圧が掛かり圧縮され
た場合には、このボイド構造の密度ムラに起因する微小
な濃度ムラが発生した。更に、カール適性、プリンター
における給紙性やハンドリング性を考慮して、紙、樹脂
被覆紙やPETフィルム等と貼合わせを行った様な支持
体では、安価な熱転写用受像シートを提供することは困
難であった。
【0006】従って、特開昭62−151393号公
報、同63−98494号公報等では、支持体と受像層
の間に弾性体層を設けることによりクッション性を付与
し、濃度ムラや白抜けがなく、高感度な受像シートが得
られることを示している。又、特開平2−248289
号公報、同2−286290号公報等では、支持体の上
に中空粒子を含有する中間層を設けることにより、受像
シートの断熱性を向上させ、高感度化を図っている。
【0007】しかし、単に弾性を有する中間層を設けた
だけでは、断熱性に欠け、近年に要求されている様な高
感度化を達成するには至らなかった。又、単に中空粒子
を含有する中間層を設けただけでは、濃度ムラや白抜け
を完全に抑制するに至らなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、木材パル
プ、合成パルプを主体としたパルプ紙を支持体として用
い、白抜け及び濃度ムラがない高感度な熱転写用受像シ
ートを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点について鋭意研究した結果、支持体と受像層の間
に、球状中空粒子とゴム弾性体微粒子を主成分として含
有するもので、密度が特定値未満である中間層を設ける
ことにより、支持体に安価なパルプ紙を用いても白抜け
及び濃度ムラがなく、高感度な熱転写用受像シートを提
供できることを見い出し、発明するに至った。
【0010】即ち、本発明の熱転写用受像シートは、木
材パルプ、合成パルプを主体としたパルプ紙からなる支
持体の上に、加熱時に熱転写媒体から熱溶融又は昇華に
より移行する染料を受容する受像層を設けた熱転写用受
像シートにおいて、該支持体と該受像層との間に中間層
を設けてなり、該中間層が球状中空粒子とゴム弾性体微
粒子を主成分とするもので、且つJIS P8118に
準ずる下記数2(数式1)で規定される密度が0.8g
/cm3未満であることを特徴とするものである。
【数2】D=W/T (数式1) D:中間層の密度(g/cm3) W:中間層の乾燥塗工量(g/m2) T:中間層の厚さ(μm)
【0011】又、本発明の熱転写用受像シートにおい
て、中間層に含有される球状中空粒子とゴム弾性体微粒
子の粒子径の比は、1:0.5〜1:2であることが好
ましい。
【0012】本発明において、中間層の密度(D)は、
上記数式1によって規定される。数式1において、Dは
中間層の密度(g/cm3)、Wは中間層の乾燥塗工量(g/
m2)、Tは中間層の厚さ(μm)である。この密度
(D)は、JIS P8118に準じて規定される。中
間層の乾燥塗工量(W)は、中間層塗工後の質量(g/
m2)から支持体の坪量(g/m2)を引くことによって求め
る。同様に、中間層の厚さ(T)は、中間層塗工後の厚
さ(μm)から支持体の厚さ(μm)を引くことによっ
て求める。又、逆に、受像層、中間層を順に剥離するこ
とにより、乾燥塗工量(W)、厚さ(T)を求めること
もできる。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる球状中空粒子としては、スチレン系樹脂、ア
クリル系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、又はスチ
レン−アクリル系共重合体樹脂等からなるカプセル状の
中空ポリマーが挙げられる。カプセル状の中空ポリマー
は、例えば、樹脂を壁材とし、内部に水が入っており、
乾燥時に水が蒸発し球状中空粒子となるポリマーであ
る。
【0014】本発明において用いられる球状中空粒子の
粒子径は、0.3〜5μmが好ましく、より好ましくは
0.5〜2μmである。0.3μm未満では、中空粒子
として十分な断熱効果が得られず、5μmを超えると平
滑性の低下が著しくなる。又、中空率としては30%以
上が好ましく、30%未満の中空率では空孔が小さいた
め断熱効果が十分に得られない。
【0015】本発明におけるゴム弾性体微粒子とは、部
分的に三次元網状に低架橋された、応力の付加により変
形或いは限定的な流動性を示すものである。ゴム弾性体
微粒子として好適なものは、例えば、シリコーンゴム、
ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ハイスチ
レン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ニト
リルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ウレタン
ゴム、イソプレンゴム、ゴム樹の樹皮を傷つけて得られ
る乳液を凝固、乾燥して得られる天然ゴム、クロロスル
フォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ブ
チルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、プロ
ピレンオキサイドゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム等を
成分とする微粒子であり、該微粒子を単独、あるいは2
種以上使用しても良い。
【0016】ゴム弾性体微粒子として好適な粒子径は、
0.1〜5μmの範囲であり、より好ましくは0.2〜
2μmの範囲である。粒子径が小さ過ぎると充分なクッ
ション性が得られず、又、大き過ぎると著しく表面平滑
性が悪化するため、ゴム弾性体微粒子の弾性を持ってし
ても、サーマルヘッドと受像シートの密着性を補えなく
なることから濃度ムラや白抜けが発生してしまう。
【0017】本発明における中間層に含有される球状中
空粒子とゴム弾性体微粒子の重量比は、1:9〜9:1
が好ましく、更に好ましくは2:8〜8:2である。ゴ
ム弾性体微粒子の含有量が少な過ぎると、熱転写用受像
シートに付与するクッション性が足りず、白抜け及び濃
度ムラの抑制が達成できない。又、球状中空粒子の含有
量が少な過ぎると、熱転写用受像シートに付与する断熱
性が足りず、高感度化が達成できない。
【0018】中間層に含有される球状中空粒子とゴム弾
性体微粒子の粒子径の比は、1:0.5〜1:2であ
る。球状中空粒子の粒子径に比して、ゴム弾性体微粒子
の粒子径が小さ過ぎると、ゴム弾性体微粒子が球状中空
粒子の間に埋没してしまうためゴム弾性体微粒子本来の
弾性を発揮することができず、白抜け及び濃度ムラを完
全に抑制することができない。又、球状中空粒子の粒子
径に比して、ゴム弾性体微粒子の粒子径が大き過ぎる
と、球状中空粒子とゴム弾性体微粒子の局所的なバラン
スが崩れてしまうため、微小な濃度ムラの原因となって
しまう。
【0019】本発明における中間層を形成するには、上
記の球状中空粒子とゴム弾性体微粒子を、皮膜強度を保
つ目的で必要に応じて、以下に挙げるバインダー樹脂に
混合して用いる。バインダー樹脂としては、例えば、ス
チレン・ブタジエン・アクリル共重合体、ポリウレタ
ン、アクリル、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルブチラール、アルキド、ポリエステル、デンプン等の
樹脂を単独又は2種以上を混合して用いることができ
る。
【0020】本発明において、上記数式1により規定さ
れる中間層の密度は0.8g/cm3未満である。0.8g
/cm3以上の場合は、空孔量が不足しているため断熱性
が不十分であり、高感度化を達成することができない。
中間層の密度は上記の球状中空粒子とゴム弾性体微粒
子、及びバインダー樹脂の配合比によって制御すること
ができる。なお、中間層の密度の下限値については、特
に限定しないが、中間層の主な構成要素である球状中空
粒子、ゴム弾性体微粒子の密度によって自ずから制限さ
れる。
【0021】中間層には、白色度や不透明度を向上させ
る目的で、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カオリン、
クレー、タルク、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の無機顔料
や澱粉粒、セルロースパウダー、メラミン系樹脂微粒
子、グアナミン系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、
エポキシ系樹脂微粒子、シリコーン系樹脂微粒子、ビニ
ル系樹脂微粒子等の有機顔料を添加することができる。
【0022】又、中間層には、必要に応じて、色調制御
のために染料、顔料、蛍光増白剤等を、保存性改良のた
めに紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等を、液性改良
にために分散剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤等を、皮
膜強度を向上させるために架橋剤等を、帯電防止のため
に導電剤等を、適宜添加することができる。
【0023】本発明の中間層を設ける方法としては、エ
アーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコータ
ー、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコ
ーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレー
ドコーター、ショートドエルブレードコーター等が使用
できる。
【0024】本発明の中間層の塗工量としては、乾燥塗
工量で1〜70g/m2が好ましく、より好ましくは5〜5
0g/m2の範囲である。
【0025】本発明における支持体としては、木材パル
プ、合成パルプを主体としたパルプ紙が使用される。パ
ルプ紙としては、各種の紙、例えば、上質紙、アート
紙、コート紙、キャストコート紙、熱転写用紙、写真用
紙、ケント紙等を挙げることができる。例えば、NBK
P、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMP、C
GP、DIP等の木材パルプやビニロン、ポリエステ
ル、ポリエチレン等の合成パルプに、従来公知の填料、
サイズ剤、染料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、定
着剤、歩留り向上剤等の薬品を必要に応じて添加し、長
網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ハイブリッド抄紙
機、丸網抄紙機等で抄造したものが使用できる。
【0026】填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケ
イソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シ
リカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオ
ライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのよう
な白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、
アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マ
イクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機
顔料等が挙げられる。
【0027】サイズ剤としては、例えば、酸性抄紙用ロ
ジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジンサイズ剤、AK
D、ASA、カチオンポリマー型サイズ剤等を挙げるこ
とができる。
【0028】更に、表面に、シリカ、アルミナ、酸化チ
タン、カオリン、クレー、タルク、酸化亜鉛、硫酸バリ
ウム等の無機顔料、澱粉粒、セルロースパウダー、メラ
ミン系樹脂微粒子、グアナミン系樹脂微粒子、ウレタン
系樹脂微粒子、エポキシ系樹脂微粒子、シリコーン系樹
脂微粒子、ビニル系樹脂微粒子等の有機顔料、ビニル系
樹脂中空微粒子、メラミン系樹脂中空微粒子等の中空顔
料、澱粉、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等の水溶性樹脂、スチレンブタジエン系、アク
リル系、酢酸ビニル系等の樹脂エマルション、分散剤、
架橋剤、染料、蛍光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防
腐剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、導電剤等を含む顔
料塗工層をグラビアコーター、ロールコーター、ロッド
コーター、ダイコーター、カーテンコーター、ブレード
コーター等により塗工したものが使用できる。
【0029】本発明の中間層上に熱により溶融又は昇華
して移行する染料に対して染着性を有する受像層を設け
て、熱転写用受像シートを構成するが、その受像層を構
成する染料染着性の結着剤樹脂としては、染料との相互
作用が強く、染料が安定して樹脂中へ拡散し得るもので
あればいづれも好適に使用できる。
【0030】例えば、エステル結合を有するものとして
は、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン
アクリレート樹脂等;又、ウレタン結合を有するものと
しては、ポリウレタン樹脂;アミド結合を有するものと
しては、ポリアミド樹脂(ナイロン);尿素結合を有す
るものとしては、尿素樹脂;更に、その他の極性の高い
結合を有するものとしては、ポリカプロラクトン樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニト
リル樹脂等が使用でき、又は、上記樹脂の構成単位の内
の1種以上を主成分とする共重合体、例えば、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体等として使用することもでき、更に、上記樹脂を単独
又は2種以上混合して使用することができる。
【0031】又、上記の樹脂は、有機溶剤或は水に溶解
又は乳化分散しエマルションとして、グラビアコータ
ー、ロールコーター、ロッドコーター、ダイコーター、
カーテンコーター、ブレードコーター、エアーナイフコ
ーター、スライドホッパー等を使用して中間層上に塗工
することができる。受像層の乾燥塗工量は0.5〜15
g/m2の範囲であることが好ましい。又、必要に応じて中
間層上に易接着性処理を施して受像層との接着性を向上
させる事もできる。
【0032】中間層を易接着性にする方法としては、コ
ロナ処理、プラズマ処理等により中間層を改質するも
の、又は中間層と受像層の両者に接着性の良い樹脂を塗
工するもの等がある。かかる樹脂としては両層に対して
接着性の良好な樹脂がいづれも好適に使用し得るが、例
えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル
系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレンブタジエン系樹脂、
又はその共重合体等を例示することができる。
【0033】又、本発明において、ブロッキング防止の
目的で受像層中に離型剤を添加しても良い。かかる離型
剤の具体的な例としては、高級脂肪酸又はそのエステ
ル、アミド又はその金属塩、セラックワックス、モンタ
ンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス
等のワックス類やテフロンパウダー;フッ素系、燐酸エ
ステル系の界面活性剤;シリコーンオイル等が挙げられ
る。又、シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコ
ーン、エポキシ変性シリコーン、アルキッド変性シリコ
ーン、ポリエステル変性シリコーン等の変性シリコーン
オイル等も使用される。又、シリコーン化合物として、
硬化型のシリコーン化合物も必要により用いることが出
来る。硬化型のシリコーン化合物としては、反応硬化
型、電離放射線硬化型、触媒硬化型等が挙げられる。
【0034】更に、必要に応じて、染料、顔料、湿潤
剤、消泡剤、分散剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、紫外線
吸収剤、光安定化剤等の添加剤を受像層中に含有するこ
ともできる。特に、顔料に関しては、シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、
酸化亜鉛、硫酸バリウム等に代表される無機質粒子を添
加することもできる。
【0035】又、支持体の受像層と反対側に転写時のロ
ール滑り性や裏面の筆記性を付与する為に、無機微粉末
を添加した裏塗層を設けたり、又、帯電防止の目的で該
裏塗層中に帯電防止剤を添加することも出来る。裏塗層
に接着剤樹脂が混入されている場合は、該接着剤樹脂と
帯電防止剤を混入し、樹脂表面にブリーディングさせ、
結果的に樹脂層上に設けることも可能である。帯電防止
剤としては、界面活性剤、例えば、陽イオン型界面活性
剤(第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等)、陰
イオン型界面活性剤(アルキルホスフェート等)、両性
イオン型界面活性剤又はノニオン型界面活性剤等が挙げ
られる。
【0036】
【作用】本発明は、加熱時に熱転写媒体から熱溶融又は
昇華により移行する染料を受容する受像層をパルプ紙か
らなる支持体の上に設けた熱転写用受像シートにおい
て、該支持体と該受像層との間に、球状中空粒子とゴム
弾性体微粒子とを主成分として含有する中間層で、密度
が0.8未満の中間層を設けることにより、熱転写用受
像シートに断熱性とクッション性を付与し、濃度ムラ及
び白抜けがない高感度の熱転写用受像シートが得られ
る。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例によって、さらに詳細
に説明するが、本発明の内容はこれらに限定されるもの
ではない。又、実施例に於いて示す「部」は、いづれも
重量部を示す。
【0038】評価用のインクドナーシートは、以下のよ
うにして作製した。フィルム膜厚5μmの耐熱処理を施
した2軸延伸ポリエステルフィルム上に、下記の耐熱滑
性層塗液を調製し、ワイヤバーで、乾燥塗工量が0.5
g/m2となるよう塗工し、140W/cm2の高圧水銀灯で紫
外線照射を行い、硬化せしめた。
【0039】 [耐熱滑性層塗液の調製] TMPTA(第一工業製薬) 10部 リポキシSP1509(昭和高分子) 20部 トレフィルE500(東レ、シリコーン微粒子) 9部 KF−393(信越シリコーン、アミノ変性シリコーンオイル) 0.3部 コロネートL(日本ポリウレタン、イソシアネート) 0.3部 Darocur1173(メルク、開始剤) 0.4部 酢酸エチル 40部 イソプロピルアルコール 20部
【0040】更に、耐熱滑性層の他方の面に、下記の配
合の昇華性染料液を調製し、ボールミルで2日間粉砕
後、ワイヤーバーで、乾燥塗工量が1.5g/m2となるよ
う塗工し、ドナーシートとした。 [昇華性染料液の調製] カヤセットブルー906(日本化薬製、昇華性染料) 10部 エチルセメロース 10部 サイリシア350(富士シリシア化学製シリカ) 10部 イソプロピルアルコール 30部
【0041】実施例1 坪量100g/m2の上質紙上に、下記配合の中間層塗液を
調製し、乾燥塗工量で20g/m2となるようにエアーナイ
フコーターで塗工した後、以下の組成の受像層塗液を調
製し、乾燥塗工量が7g/m2となるようにエアーナイフコ
ーターで塗工した。このようにして得られた熱転写用受
像シートを実施例1の熱転写用受像シートとした。上記
数式1に従って、中間層の厚みと塗工量より密度を計算
すると0.58g/cm3であった。
【0042】 [中間層塗液の調製] 球状中空粒子(HP−91:ローム&ハース、平均粒子径1μm) 79部 ゴム弾性体微粒子(0561:JSR、平均粒子径0.6μm) 21部 ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 2部 水 20部 [受像層塗液の調製] ポリエステルエマルジョン(バイロナールMD−1220:東洋紡) 60部 ポリエリレンエマルジョン(ハイドリンG−314:中京油脂) 15部 無機微粒子としてコロイダルシリカ(スノーテックスO:日産化学) 25部 界面活性剤 5部
【0043】実施例2〜4 球状中空粒子とゴム弾性体微粒子の配合を表1に記載の
配合とした以外は、実施例1と同様にして熱転写用受像
シートを作製し、実施例2〜4の熱転写用受像シートと
した。中間層の厚みと塗工量より密度を求め、表1に記
載した。
【0044】実施例5 中間層塗液の配合を下記の配合とした以外は、実施例1
と同様にして実施例5の熱転写用受像シートを得た。中
間層の密度は、0.72g/cm3であった。 [中間層塗液の調製] 球状中空粒子(OP-62:ローム&ハース、平均粒子径0.4μm) 80部 ゴム弾性体微粒子(0561:JSR、平均粒子径0.6μm) 20部
【0045】実施例6 中間層塗液の配合を下記の配合とした以外は、実施例1
と同様にして実施例6の熱転写用受像シートを得た。中
間層の密度は、0.60g/cm3であった。 [中間層塗液の調製] 球状中空粒子(HP−91:ローム&ハース、平均粒子径1.0μm)79部 ゴム弾性体微粒子(DX33-411:東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン、粒子径1〜2μm)21部
【0046】実施例7 中間層塗液の配合を下記の配合とした以外は、実施例1
と同様にして実施例6の熱転写用受像シートを得た。中
間層の密度は、0.58g/cm3であった。 [中間層塗液の調製] 球状中空粒子(HP−91:ローム&ハース、平均粒子径1.0μm)79部 ゴム弾性体微粒子(DX33-412:東レ・タ゛ウコーニンク゛・シリコーン、粒子径2〜5μm)21部
【0047】実施例8 中間層塗液の配合を下記の配合とした以外は、実施例1
と同様にして実施例8の熱転写用受像シートを得た。中
間層の密度は、0.71g/cm3であった。 [中間層塗液の調製] 球状中空粒子(HP−91:ローム&ハース、平均粒子径1.0μm)80部 ゴム弾性体微粒子(L-1876:旭化成工業、平均粒子径0.2μm) 20部
【0048】実施例9 坪量110g/m2のコート紙上に中間層乾燥塗工量が30
g/m2となるように、ロールコーターを使用して設けた以
外は、実施例1と同様にして、実施例9の熱転写用受像
シートを得た。中間層の密度は、0.61g/cm3であっ
た。
【0049】比較例1〜2 球状中空粒子とゴム弾性体微粒子の配合を表1に記載の
配合とした以外は、実施例1と同様にして熱転写用受像
シートを作製し、比較例1〜2の熱転写用受像シートと
した。
【0050】比較例3 中間層塗液の配合を下記の配合とした以外は、実施例1
と同様にして比較例3の熱転写用受像シートを得た。中
間層の密度は、0.90g/cm3であった。 [中間層塗液の調製] 球状中空粒子(OP-62:ローム&ハース、平均粒子径0.4μm) 20部 ゴム弾性体微粒子(0561:JSR、平均粒子径0.6μm) 80部
【0051】比較例4 中間層塗液の配合を下記の配合とした以外は、実施例1
と同様にして比較例4の熱転写用受像シートを得た。中
間層の密度は、0.56g/cm3であった。 [中間層塗液の調製] 球状中空粒子(HP-91:ローム&ハース、平均粒子径1.0μm)100部 ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 2部 水 20部
【0052】比較例5 中間層塗液の配合を下記の配合とした以外は、実施例1
と同様にして比較例5の熱転写用受像シートを得た。中
間層の密度は、1.1g/cm3であった。 [中間層塗液の調製] ゴム弾性体微粒子(L-1876:旭化成工業、平均粒子径0.2μm) 100部 ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ) 2部 水 20部
【0053】比較例6 支持体の上に直接受像層を塗工した以外は、実施例1と
同様にして比較例6の熱転写用受像シートを得た。
【0054】下記表1に実施例1〜9及び比較例1〜6
の球状中空粒子、ゴム弾性体微粒子の配合、それぞれの
粒子径の比、中間層の密度をまとめて示した。
【0055】
【表1】
【0056】[評価方法]かくして得た熱転写用受像シ
ートを45℃で3日間放置した後、インクドナーシート
を重ね、三菱電機製昇華型熱転写プリンターS3600
−30でステップウェッジを印字し、感度、白抜け及び
濃度ムラを評価した。
【0057】(感度)印画したステップウェッジの最高
反射濃度をマクベスRD−919型光学濃度計にて測定
した。
【0058】(白抜け)印画したステップウェッジの低
濃度部を目視で評価し、白抜けが全く見られないものを
◎、白抜けがほとんど認められないものを○、白抜けが
認められるものを△、著しく白抜けが認められるものを
×として評価した。
【0059】(濃度ムラ)印画したステップウェッジの
低濃度部を目視で評価し、濃度ムラが全く見られないも
のを◎、濃度ムラがほとんど認められないものを○、濃
度ムラが認められるものを△、著しく濃度ムラが認めら
れるものを×として評価した。
【0060】実施例及び比較例で作製した熱転写用受像
シートについて、上記評価方法に従って評価し、その結
果を下記表2に示した。
【0061】
【表2】
【0062】[評価]実施例1〜9の熱転写用受像シー
トは、比較例1〜3、5、6の熱転写用受像シートと比
べて、転写濃度が高かった。比較例4の熱転写用受像シ
ートは、転写濃度においては高かったが、中間層に弾性
体微粒子を含有していないためクッション性に劣り、白
抜け、濃度ムラが著しく発生した。又、支持体の上に受
像層を直接設けた比較例6の熱転写用受像シートは、断
熱性、クッション性に劣るため、濃度が低く、白抜け、
濃度ムラの発生が著しかった。比較例1〜3の熱転写用
受像シートは、中間層中に球状中空粒子と弾性体微粒子
を含有しているため、白抜け、濃度ムラは若干改良され
たが、球状中空粒子の配合比が少ないため、密度が0.
8g/m2以上となり、従って断熱性が不十分であり、転写
濃度が低い結果となった。これに対して、実施例1〜9
の熱転写用受像シートは、中間層中に球状中空粒子と弾
性体微粒子をバランス良く含有しているため、密度が
0.8g/m2未満であり断熱性とクッション性に優れ、従
って転写濃度が高く、白抜け、濃度ムラが改良されてい
た。
【0063】又、実施例7の熱転写用受像シートは、球
状中空粒子に対する弾性体微粒子の粒子径が大きいた
め、白抜け、濃度ムラが実施例1〜6、9の熱転写用受
像シートに比べて、若干劣っていた。逆に、実施例8の
熱転写用受像シートは、球状中空粒子に対する弾性体微
粒子の粒子径が小さいため、同様に実施例1〜6、9の
熱転写用受像シートに比べて、白抜け、濃度ムラが若干
劣っていた。実施例1〜6、9の熱転写用受像シート
は、球状中空粒子と弾性体微粒子の粒子径の比が適当で
あるため、白抜け、濃度ムラが全くなかった。
【0064】
【発明の効果】本発明は、支持体と受像層との間に、球
状中空粒子とゴム弾性体微粒子を主成分として含有し、
密度0.8未満の中間層を設けることで、熱転写用受像
シートに断熱性とクッション性を付与することができ、
安価なパルプ紙を支持体として用いても白抜け及び濃度
ムラが無く、高感度な熱転写用受像シートが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプ、合成パルプを主体としたパ
    ルプ紙からなる支持体の上に、加熱時に熱転写媒体から
    熱溶融又は昇華により移行する染料を受容する受像層を
    設けた熱転写用受像シートにおいて、該支持体と該受像
    層との間に中間層を設けてなり、該中間層が球状中空粒
    子とゴム弾性体微粒子を主成分とするもので、且つJI
    S P8118に準ずる下記数1(数式1)で規定され
    る密度が0.8g/cm3未満であることを特徴とする熱転
    写用受像シート。 【数1】D=W/T (数式1) D:中間層の密度(g/cm3) W:中間層の乾燥塗工量(g/m2) T:中間層の厚さ(μm)
  2. 【請求項2】 球状中空粒子とゴム弾性体微粒子の粒子
    径の比が、1:0.5〜1:2であることを特徴とする
    請求項1記載の熱転写用受像シート。
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