JP2009137168A - 被熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高濃度で均一な画像を形成し、優れた耐傷性、光沢性に有する。
【解決手段】基材6の少なくとも一方の面6aに、少なくとも1層以上の中間層7と、中間層7上に染料を受容する染料受容層8とを形成し、中間層7に、少なくとも無機微粒子で形成された球状のクラスター構造体10を含有させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、基材上に中間層を介して染料受容層が形成された被熱転写シートに関し、特に熱昇華性染料を利用した熱転写記録用の被熱転写シートの改良に関するものであり、記録感度及び記録画質が著しく改善された被熱転写シートに関する。
コンピュータによるデジタル画像処理技術の発達により、記録画像の画質等は格段に向上してきている。このような中、染料を紙等の被熱転写シートに熱転写して画像を形成する昇華型熱転写方式は、高い解像度が得られることから銀塩写真の代替として期待されており、その市場が拡大している。また、昇華型プリンタ装置に設けられたサーマルヘッドの温度制御技術の向上に伴い、プリントシステムの高速、高感度化への要求が高まっている。そのため、昇華型熱転写方式では、サーマルヘッド等の加熱デバイスの発熱量を、如何に効率よく画像形成に利用するかが重要な技術課題となっている。
被熱転写シートは、一般に支持体(基材)と、この支持体上にインクリボンから熱転写された染料を受容する染料受容層とから構成されている。支持体としては、ホワイトペット等の樹脂フィルムや紙類がある。
樹脂フィルムは、平滑性に優れているため、サーマルヘッドとの接触性が良くなり、良好な濃度均一性が得られるものの、断熱性が低いためサーマルヘッドの熱量を十分生かしきれずに、濃度が不足するという問題がある。
紙類は、樹脂フィルムよりも断熱性があるが、紙の繊維の疎密ムラに起因するインクリボンと染料受容層の密着ムラによって、画像の濃淡ムラいわゆる地合いムラが生じ、高品位な画像を得ることができないという問題がある。
そこで、転写濃度やサーマルヘッドとの接触性を改善するため、下記の特許文献1のように、支持体と染料受容層の間に、比較的柔らかい中空粒子を含有する中間層を設けた被熱転写シートがある。この被熱転写シートでは、支持体と染料受容層との間に設けられた中間層による断熱、クッション性効果により、サーマルヘッドとの接触性が良くなり、高濃度が得られ、かつある程度の画像濃度均一性が得られる。
しかしながら、中間層に含有されている中空粒子は、ガラス転移温度の低い高分子材料からなるため、応力に対して弱く、耐傷性に劣り、光沢の低下や外観を損ないやすいといった問題がある。
一方、下記の特許文献2には、中空粒子を比較的硬く、ガラス転移点の高い樹脂を用いて形成した被熱転写シートが記載されている。この被熱転写シートでは、中空粒子を硬くしたことにより、耐傷性は改善されるが、クッション性が損なわれるため、画像濃度均一性が劣ってしまう。
また、下記の特許文献3には、発泡させた無機微粒子からなる比較的固い無機中空粒子を中間層(断熱層)として設けた被熱転写シートが記載されている。この被熱転写シートでは、発泡させた無機粒子中の空気により、十分な断熱性が得られるため、サーマルヘッドの熱が基材側に逃げず、高濃度が得られるが、無機微粒子により層表面が固くなるためクッション性が劣り画像濃度均一性が劣ってしまう。
このように、被熱転写シートでは、画像の濃度が高濃度で、均一性を有することと、耐傷性、高光沢性を有することとを両立することは困難である。また、被熱転写シートでは、高速記録の要求が高まっているため、サーマルヘッドの熱を基材側により逃がさないようして、十分な断熱性を有し、サーマルヘッドとの密着性を更に向上させて、染料の転写の際に、サーマルヘッドの熱を効率良く利用して、高速記録が行えるようにすることが求められている。
特開平1−27996号公報 特開2006−96024号公報 特開2006−159812公報
そこで、本発明は、十分な断熱性を有し、サーマルヘッドとの密着性が高く、高濃度で均一な画像を形成することができ、耐傷性、高光沢性も有する被熱転写シートを提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明に係る被熱転写シートは、基材と、基材の少なくとも一方の面に、少なくとも1層以上の中間層と、中間層上に染料を受容する染料受容層とを有し、中間層は、少なくとも無機微粒子からなる球状のクラスター構造体を含有することを特徴とする。
本発明では、基材と染料受容層との間に設けた中間層に、無機微粒子で形成された球状のクラスター構造体が含有することによって、このクラスター構造体が中空構造となっているため、クッション性が得られ、サーマルヘッドとの密着性を向上させることができ、断熱性も得られ、画像の濃度が高濃度で均一となり、クラスター構造体を形成する無機微粒子によって、応力に対して強くなり、耐傷性、耐光性が得られる。
以下、本発明を適用した被熱転写シートについて図面を参照して詳細に説明する。
染料を熱転写して記録を行う熱転写プリンタ装置では、図1に示す熱転写シート1が備え付けられている。この熱転写シート1は、基材2の一方の面に、例えばイエロー、マゼンタ、シアンの3色の昇華性分散染料、熱溶融性染料又は熱拡散性染料からなる染料層3Y、3M、3Cが順次並設され、基材2の他方の面に、熱転写プリンタ装置内での走行性を良好にするための耐熱滑性層4が設けられている。熱転写プリンタ装置では、この熱転写シート1を用いて、図2に示すような、被熱転写シート5にカラー画像を形成する場合、熱転写シート1と対向する位置に被熱転写シート5を搬送し、熱転写シート1の染料層3Y、3M、3Cと被熱転写シート5とを重ね合わせてサーマルヘッドとプラテンとの間に配置し、サーマルヘッドをプラテンに押圧することで、染料層3Y、3M、3Cを被熱転写シート5に押し付ける。そして、熱転写プリンタ装置では、記録指令情報に基づき、サーマルヘッドを発熱させ、先ずイエローの染料層3Yを選択的に加熱し、イエローの染料を昇華、溶融又は熱拡散させ、被熱転写シート5に熱転写させる。続いて、熱転写プリンタ装置では、イエローと同様に、マゼンタ、シアンの各色の染料を順々に熱転写し、被熱転写シート5にフルカラー画像を形成する。
このように染料が熱転写され、画像を形成する被熱転写シート5は、図2に示すように、基材6の一方の面6aに、中間層7と、この中間層7上に染料を受容する染料受容層8とが積層されている。
基材6は、例えばシート状のものであり、一方の面6aに積層される中間層7及び染料受容層8を保持する。具体的に、基材6としては、セルロースパルプを主成分とする紙類や合成樹脂フィルム等を使用することができる。セルロースパルプを主成分とする紙類としては、例えば、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等が挙げることができる。合成樹脂フィルム支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等を主成分とした延伸フィルムが挙げることができる。その他、ポリオレフィンやポリエステル樹脂を主成分とし、更にこれらの樹脂に非相溶性の樹脂や無機顔料を配合した溶融混合物を押出し機から押出し、更に延伸して空隙を発生させた単層構造または多層構造を有する多孔質延伸フィルム(例えば合成紙、多孔質ポリエステルフィルム)等の各種のフィルムと紙類等とを積層貼着させた複合シート等も、シート状支持体として適宜用いることができる。
これらの中でも、セルロースパルプを主成分とする紙類は、熱収縮性が低く、断熱性が良好であり、被熱転写シート5としての風合いが良好であり、更に価格も安価であることから好ましい。
紙類の中でも、例えば、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針葉樹混合パルプ等の木材パルプ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ等通常使用されているパルプを抄造した紙、又は抄造後にカレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどして表面平滑性を改善した紙が好ましい。また、必要に応じて、基材6には、顔料を塗工することで形成された塗工層を有してもよい。
特に好適な紙類の例としては、上質紙、中質紙等の非塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の塗工紙、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙、合成樹脂含浸紙、板紙等が挙げることができる。高平滑化の為に、基材6には、カレンダー処理を施してもよい。
基材6の厚さは、50〜300μm程度であることが好ましい。基材6の厚さを50μm以上とすることによって、その機械的強度が十分であり、十分な剛度と寸法安定性が得られ、記録の際に生じる被熱転写シート5のカールを十分に防止することができる。基材6の厚さを300μm以下とすることによって、熱転写プリンタ装置内にロール状にして収容する際に、ロールの巻回回数を少なくする必要がないため、被熱転写シート5の収容量が低下せず、熱転写プリンタ装置内で搬送異常等が起こることも防止できる。
なお、基材6としては、染料受容層8が形成される第1の基材層、粘着剤層、離型剤層、第2の基材層が順次積層された、いわゆるステッカーやシールタイプの構造のものであってもよい。
このような基材6上に積層される中間層7は、基材6と染料受容層8との間に設けられ、記録の際に、サーマルヘッドからの熱を基材6に逃がさず、サーマルヘッドと被熱転写シート5との接触性を良好にし、高い応力に対する耐傷性及び光沢を向上させることができる。この中間層7は、サーマルヘッドと被熱転写シートとの接触性を良好にするため、クッション性を有しつつ、耐傷性を得るため、硬くなっている。
中間層7は、少なくとも、図3に示す無機微粒子9で形成された球状のクラスター構造体10を含有し、このクラスター構造体10の他に、高分子化合物、各種添加剤を含有することが好ましい。
中間層7を形成する高分子化合物としては、特に制限はないが、柔軟性のある親水性樹脂が好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスチレンアクリル酸共重合体中和物や、SBRラテックス、アクリルラテックス、ウレタンラテックス等が好ましい。各種添加剤については、後述する。
中間層7に含有される無機微粒子9で形成された球状のクラスター構造体10は、複数の無機微粒子9が球状に配位して、球状に形成されたクラスター構造を形成している集合体である。このクラスター構造体10は、中心部は中空となっており、外壁は複数の無機微粒子9が並んでいるため、多孔質状態となっている。
クラスター構造体10の外壁を形成する無機微粒子9は、疎水性気相法シリカやアルミナであり、疎水性気相法シリカが好ましい。疎水性気相法シリカとは、気相法シリカに疎水性の処理を施し、疎水性を付与したものである。疎水性気相法シリカとしては、例えば気相法シリカ表面のシラノール基に対しアルキルシラン類、芳香族シラン類、アミノ基含有有機化合物を反応させ変性したものであり、日本アエロジル(株)社製の商品名RX972、RX974、日本シリカ工業(株)社製の商品名SS−10、SS−170X等が挙げられる。
この疎水性気相法シリカの一次粒径は、3nm以上50nm以下が好ましい。この一次粒径分布における変動係数は、多孔質状になっている外壁の空隙層の断面や外壁の表面を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の一次粒子の粒径を求めて、その粒径分布の標準偏差を数平均粒径値で割った値として求めることができ、3nm以上50nm以下が好ましく用いることができる。ここで、疎水性気相法シリカの個々の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
一次粒径が3nm以上であれば、充分な断熱性を持つクラスター構造をとることができるため好ましく、一次粒径が50nm以下であれば中間層7の中間層用塗工液を基材6上に塗工する塗工時に十分な平滑性が得られ好ましい。
気相法シリカに疎水性の処理を施した疎水性気相法シリカは、その一部が疎水的となるが、疎水性にするための処理方法や処理量により、一部に親水基を保持したままにでき、界面活性剤(乳化剤)のように振る舞うことができる。例えば、疎水性気相法シリカは、油剤と水の共存下において、界面活性剤(乳化剤)のように働くため、界面活性剤を含有させなくてもo/w又はw/oエマルションを形成することができる。
このような疎水性気相法シリカは、界面活性剤のように働くことができるため、クラスター構造体10の中心側を疎水性にすることで、クラスター構造体10の内側に油剤を保持することができる。
ここで、第1の例として、中間層7では、疎水性気相法シリカのクラスター構造体10を揮発性の油剤に溶解させた状態で乳化し、中間層形成層塗工液を形成し、基材6上にその中間層形成用塗工液を塗布後、油剤を揮発させることにより、クラスター構造体10の内側の油剤がなくなり、図3に示すような中空構造のクラスター構造体10を中間層7内に含有することができる。
第2の例として、中間層7では、図4に示すように、クラスター構造体10を、不揮発性油剤11又は不揮発性油剤11に各種添加剤に溶解させた状態で乳化させれば、内側に不揮発性油剤11又は各種添加剤を含有した不揮発性油剤11を保持し、外壁が無機微粒子9によって多孔質となったクラスター構造体10を含有することができる。
クラスター構造体10の内側に保持される不揮発性油剤11としては、例えば、沸点が120℃以上の不揮発性溶剤が好ましい。沸点が120℃以上の不揮発性溶剤を用いた場合には、クラスター構造体10を作製する際に、疎水性気相法シリカが分散しやすくなる。
沸点が120℃以上の不揮発性溶剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルへキシル)フタレート、ジノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジトリデシルフタレート、ジアリルフタレート、N,N−ジエチルラウリルアミド、エチレングリコールジステアレート、グリセロールトリブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸へキシル、セバチン酸ビス(2−エチルヘキシル)、流動パラフィン、塩素化パラフィン、シリコンオイル、ジイソデシルエーテル、ジベンジルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、室温で液状の紫外線吸収剤や酸化防止剤、或いは天然の油脂等を挙げることができる。
沸点120℃以上の不揮発性溶剤は、単独で使用しても、2種以上を併用することもできる。又、2種以上の不揮発性溶剤を併用する場合には、それらを混合した状態で液状であれば使用することができる。すなわち、少なくとも1種類の有機化合物が液状であり、もう1種類の有機化合物が固体であっても混合された状態で液状である場合、更には各々が室温で単独では固体であっても混合した状態で液状になるものも含まれる。後者の例としては、長鎖の脂肪族基を有する化合物であり、脂肪族基の炭素原子数が異なる化合物の混合物、或いは異性体の混合物などの場合に、各々が単独で固体であるが混合した状態で液状になる場合がある。高沸点の不揮発性溶剤としては、このような2種以上の不揮発性溶剤からなる混合物も含むものである。
高沸点の不揮発性溶剤で処理する場合、高沸点の不揮発性溶剤を単独で処理しても、或いは退色防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、防黴剤、増粘剤、硬膜剤などを溶解又は分散した溶液で処理することもできる。
また、蒸発性の高い低沸点有機溶媒を一部併用することができるが、この場合使用する低沸点有機溶媒は質量比で高沸点有機溶媒に対して、概ね50%以下が好ましい。そのような低沸点有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。
沸点が120℃以上の不揮発性溶剤等の不揮発性油剤11に、紫外線吸収剤等の各種添加剤を添加した場合には、クラスター構造体10中に、不揮発性油剤11と、各種添加剤とが含有されるようになり、中間層7に各種添加剤による効果を付与することができる。
また、揮発性の油剤に各種添加剤を添加して、中間層7を形成する際に、溶媒を揮発させることで、クラスター構造体10の内側に各種添加剤のみを含有させるようにしてもよい。
クラスター構造体10の内側に含有させる紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤を挙げることができる。具体的には、Tinuvin P、Tinuvin 234、Tinuvin 320、Tinuvin 326、Tinuvin 327、Tinuvin 328、Tinuvin 312、Tinuvin 315(チバガイギー社製)、Sumisorb−110、Sumisorb−130、Sumisorb−140、Sumisorb−200、Sumisorb−250、Sumisorb−300、Sumisorb−320、Sumisorb−340、Sumisorb−350、Sumisorb−400(住友化学工業(株)製)、Mark LA−32、Mark LA−36、Mark 1413(アデカアーガス化学(株)製)等の商品名で市場から入手でき、何れも使用することができる。
また、クラスター構造体10の内側には、反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとがランダム共重合したガラス転移温度(Tg)60℃以上、好ましくは80℃以上のランダム共重合体を含有させるようにしてもよい。
反応性紫外線吸収剤としては、公知のサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系等の非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、又は、アルコール系水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入したものも使用することができる。具体的には、UVA635L、UVA633L(BASFジャパン(株)製)、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等の商品名で市場から入手でき、何れも使用することができる。
以上のような反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体における反応性紫外線吸収剤の量は、10〜90質量%、好ましくは30〜70質量%の範囲である。また、このようなランダム共重合体の分子量は、5000〜250000程度、好ましくは9000〜30000程度である。上述した紫外線吸収剤、及び、反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体は、各々単独でクラスター構造体10に含有させても良いし、両方を含有させても良い。反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体の添加量は、含有させる中間層7に対して5〜50質量%の範囲で含有させることが好ましい。
また、クラスター構造体10には、紫外線吸収剤の他に、他の耐光化剤を含有させてもよい。他の耐光化剤としては、光エネルギ、熱エネルギ、酸化作用など、染料を変質又は分解する作用を吸収又は遮断して染料の変質や分解を防止する薬剤があり、具体的に、合成樹脂の添加剤等として知られている酸化防止剤、光安定剤等を挙げることができる。
クラスター構造体10の内側に含有させる酸化防止剤としては、フェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、アミン系等の一次酸化防止剤、或いは硫黄系、リン系等の二次酸化防止剤を用いることができる。また、光安定剤としては、ヒンダードアミン系等を用いることができる。
上記紫外線吸収剤等の各種添加剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは固形分量100質量部当たり、0.05〜10質量部、好ましくは3〜10質量部の割合で含有させる。含有量を0.05質量部以上とすることによって、各種添加剤のそれぞれの効果が得られ、10質量部以下とすることによって、不具合が生じたり、不経済となることを防止できる。
また、クラスター構造体10には、上記添加剤の他にも、例えば、蛍光増白剤、充填剤、色調調整剤、高分子化合物等を適当な量で添加することができる。
以上のような無機微粒子9で形成された球状のクラスター構造体10では、高温気流中に分散投入して高温で熱処理して発泡させた中空粒子と比べて、ある応力値を降伏点として構造を変化させて形態を変えることができるため、クッション性と応力に対しての追従性が高くなる。例えば、サーマルヘッドによって押されて潰れても、元に戻り、サーマルヘッドに対する追従性が高くすることができる。これにより、被熱転写シート5は、サーマルヘッドに対する接触性が良好となり、画像の濃度が均一とすることができる。また、クラスター構造体10では、無機微粒子9で形成されているため、クラスター構造体10の外壁が硬くなり、中間層7に対して、耐傷性、光沢を付与することができる。
また、無機微粒子9で形成された球状のクラスター構造体10内に、各種油剤や添加剤を保持させた場合には、被熱転写シート5の保存時に、添加剤が染料受容層8や基材6へ拡散することを防止でき、画像記録時に初めて染料受容層8への拡散が起こり、各種添加剤を効率的に作用させることができる。また、クラスター構造体10内に各種油剤や添加剤を保持させた場合には、親水性の樹脂からなる中間層7に油性である添加剤を効率的に、全体的に分散させることができる。
中間層7では、紫外線吸収剤や酸化防止剤の他に、隠蔽性や白色性の付与、被熱転写シート5の質感を改良するために、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、珪藻土、サチンホワイト等の白色無機顔料や蛍光染料等を含有させてもよい。
以上のような構成からなる中間層7は、基材6と染料受容層8との間に、少なくとも一層以上設ける。この中間層7は、基材6上に、固形分塗工量4g/m以上42g/m以下が好ましい。固形分塗工量を4g/m以上とすることによって、十分な断熱性とクッション性が得られ、固形分塗工量を42g/m以下とすることによって、十分な平滑性を得ることができる。
中間層7では、少なくとも無機微粒子9で形成された球状のクラスター構造体10が含有されていることによって、断熱性、クッション性が向上し、記録の際に、被熱転写シート5とサーマルヘッドとの接触性が良好にすることができる。また、中間層7は、クラスター構造体10が含有されていることによって、耐傷性、高光沢性が得られ、被熱転写シート5の外観が損なわれることを防止できる。
この中間層7上に形成される染料受容層8は、一般に、被熱転写シート5に形成されている染料受容層と同様であってもよい。具体的に、染料受容層8は、主に、染料に対する親和性が高い樹脂で形成され、樹脂中に各種添加剤が含有されている。
染料受容層8を形成する樹脂としては、熱転写シート1から移行した染料に対する親和性が高い、即ち染料染着性の良好な樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有していることが好ましい。
各種添加剤としては、記録の際に、サーマルヘッドによる加熱によって、染料受容層8と被熱転写シート1とが融着することを防止するため、架橋剤、離型剤、滑り剤等の1種以上が添加剤として配合されていることが好ましい。染料受容層8には、更に必要に応じて、蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等を1種以上添加してもよい。これらの添加剤は、染料受容層用塗工液を中間層7上に塗工する前に、染料受容層用塗工液に混合してもよいし、染料受容層8とは別に、染料受容層8の上及び/又は下に塗被層を形成して、この塗被層に添加してもよい。
染料受容層8は、中間層7上に、固形分塗工量が1〜12g/m、より好ましくは3〜10g/mの範囲である。染料受容層8の固形分塗工量を1g/m以上とすることによって、中間層7の表面を染料受容層8で完全に覆うことができ、画質の低下を防止でき、サーマルヘッドによる加熱によって、染料受容層8と熱転写シート1とが融着することを防止できる。固形分塗工量を12g/m以下とすることによって、染料受容層8の高い塗膜強度が得られ、中間層7の断熱効果が十分に発揮され、画像濃度の低下を防止でき、また塗工効果が飽和して不経済となることを防止できる。
被熱転写シート1では、基材6の一方の面6aに、中間層7と染料受容層8の他に、中間層7と染料受容層8との間に、図示しないが、バリア層を設けることが好ましい。このバリア層は、一般に、染料受容層8の染料受容層用塗工液の溶剤として、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を使用するため、染料受容層8を所定の厚さで形成するための障壁、又は画像のニジミ防止のための障壁として有効である。
バリア層に使用する樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂を使用する。具体的には、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等の水溶性高分子樹脂を水溶液にして使用することができる。
また、バリア層の樹脂としては、これらの樹脂の他に、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル樹脂系ラテックス、メタアクリル酸エステル系共重合樹脂ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス、ポリエステルポリウレタンアイオノマー、ポリエーテルポリウレタンアイオノマー等の水分散性樹脂も使用することができる。
これらの樹脂の中でも、水溶性高分子樹脂が好ましく使用することができる。また、上記の樹脂は、単独で使用しても、又は2種以上を併用して使用してもよい。
更に、バリア層には、各種の顔料が含有されていてもよく、好ましくは膨潤性無機層状化合物であり、染料受容層用塗工液の溶剤の浸透を防止するばかりでなく、染料が熱転写されて形成された染着画像のニジミ防止等においても優れた効果を得ることができる。
膨潤性無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、窒化ホウ素、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物(例えば合成マイカ、合成スメクタイト、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等)等を挙げることができる。
これら膨潤性無機層状化合物は、天然品(粘土系鉱物)以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)のいずれであってもよく、合成膨潤性無機層状化合物として、例えば、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどの合成マイカ、又はナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイトなどの合成スメクタイトをより好ましく使用することができる。これらの中でも、ナトリウム四珪素雲母は、特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものを得ることができる。
膨潤性無機層状化合物としては、そのアスペクト比が5〜5000のものが好ましく、より好ましくは、アスペクト比が100〜5000の範囲である。アスペクト比を5以上とすることによって、画像のニジミを防止でき、アスペクト比を5000以下とすることによって、画像の均一性を得ることができる。
ここで、アスペクト比(Z)とは、Z=L/aなる関係で示されるものであり、Lは、膨潤性無機層状化合物の水中での粒子平均長径(例えば、レーザー回折式粒度分布測定機、商品名:SALD2000、島津製作所製で測定。体積分布50%のメジアン径)であり、aは、膨潤性無機層状化合物の厚みである。膨潤性無機層状化合物の厚みaは、バリア層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である。膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径は、0.1〜100μmが好ましく、更に好ましくは0.3〜50μmの範囲である。粒子平均長径を0.1以上にすることによって、アスペクト比が小さくなりすぎず、中間層7上に平行に敷き詰めることができ、画像のニジミを完全に防止することができる。粒子平均長径を100μm以下とすることによって、バリア層から膨潤性無機層状化合物が突出せず、バリア層の表面に凹凸が発生せず、染料受容層8表面の平滑度が高くなり、高画質の画像を形成することができる。
また、バリア層中には、隠蔽性や白色性の付与、被熱転写シート5の質感を改良するために、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、珪藻土、サチンホワイト等の白色無機顔料や蛍光染料等を含有させてもよい。
バリア層は、中間層7上に、固形分塗工量が0.5〜8g/mの範囲が好ましく、より好ましくは1〜7g/mである。バリア層の固形分塗工量を0.5g/m以上とすることによって、中間層7表面をバリア層で完全に覆うことができ、染料受容層用塗工液の媒体である有機溶剤の浸透防止効果を十分に得ることができる。バリア層の固形分塗工量を8g/m以下とすることによって、バリア層の厚さが過大とならず、中間層7の断熱効果やクッション性が十分に発揮され、画像濃度が低下せず、また塗工効果が飽和して不経済となることも防止できる。
また、被熱転写シート5では、基材6と中間層7との間に、図示しない高分子樹脂を主成分とする下塗層を設けてもよい。被熱転写シート5では、基材6と中間層7との間に下塗層を設けることによって、中間層用塗工液を基材6上に塗工しても、中間層用塗工液が基材6中に浸透することなく、中間層7を所望の厚さに形成することができる。この下塗層を形成する高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びその変性樹脂等を挙げることができる。
下塗層用塗工液としては、水系のものではなく、有機溶剤を用いた方が好ましい。水系の下塗層用塗工液では、基材6に紙類を使用した場合、下塗層用塗工液を塗工すると、基材6表面の吸水性のムラにより、基材6にしわやうねりが発生して、質感や印画適性に悪影響が出る場合がある。下塗層用塗工液に有機溶媒を用いた場合には、有機溶剤に高分子樹脂を溶解又は分散させた塗工液を作製する。使用可能な有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、酢酸エチル等の一般的な有機溶剤を用いることができる。また、下塗層には、下塗層用塗工液自体の塗工性改善、基材6と中間層7との密着性向上、被熱転写シート5の白色度向上のため、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料を添加してもよい。
下塗層は、固形分塗工量が1〜20g/mの範囲が好ましい。固形分塗工量を1g/m以上とすることによって、下塗層の効果が得られ、固形分塗工量を20g/m以下とすることによって、効果が飽和して不経済となることを防止でき、また被熱転写シート5の紙としての質感が失われることがない。
基材6の中間層7や染料受容層8等が形成されている面とは反対側の裏面には、高分子樹脂と有機及び/又は無機フィラーとを主成分とする裏面層12を設けてもよい。裏面層12を形成する高分子樹脂は、基材6と裏面層12との接着強度の向上、被熱転写シート5のプリント搬送性、染料受容層8面への傷付き防止、被熱転写シート5を巻回して保存した際に、染料受容層8と接触する裏面層12への染料の移行を防止するのに有効なものである。このような樹脂としては、具体的に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等、及びこれらの樹脂の反応硬化物を用いることができる。また、裏面層12には、基材6との接着性を向上させるため、適宜、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物等の架橋剤を含有してもよい。
また、裏面層12には、有機又は無機フィラを摩擦係数調整剤として配合することが好ましい。有機フィラとしては、ナイロンフィラ、セルロースフィラ、尿素樹脂フィラ、スチレン樹脂フィラ、アクリル樹脂フィラ等を使用することができる。無機フィラとしては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を用いることができる。
裏面層12には、プリント搬送性の向上、静電気防止のために、導電性高分子や導電性無機顔料等の導電剤が添加されていてもよい。導電性高分子としては、カチオン型導電性高分子化合物(例えばポリエチレンイミン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド重合体、及びカチオン澱粉等)等が好ましく用いることができる。
また、裏面層12には、必要に応じて離型剤、滑剤等の融着防止剤を含有してもよい。例えば、離型剤としては、非変性及び変性シリコーンオイル、シリコーンブロック共重合体及びシリコーンゴム等のシリコーン系化合物、滑剤としてはリン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、フッ素化合物等が挙げられる。また、従来公知の消泡剤、分散剤、有色顔料、蛍光染料、蛍光顔料、紫外線吸収剤等を適宜選択して使用してもよい。
裏面層12は、固形分塗工量が0.3〜10g/mの範囲内にあることが好ましく、更に好ましくは1〜8g/mである。固形分塗工量を0.3g/m以上とすることによって、被熱転写シート5が擦れた時の傷付き防止性が十分に発揮され、また被熱転写シート5の走行性不良が発生を防止できる。固形分塗工量を10g/m以下とすることによって、効果が飽和して不経済となることを防止できる。
以上のような構成からなる被熱転写シート5は、基材6の表面に形成する中間層7、染料受容層8及び必要に応じて設ける下塗層、バリア層の各層の成分を含む塗工液、裏面に形成する裏面層12の塗工液をそれぞれ調整し、バーコータ、グラビアコータ、コンマコータ、ブレードコータ、エアーナイフコータ、ゲートロールコータ、ダイコータ、カーテンコータ、リップコータ及びスライドビードコータなど公知のコータを使用して、基材6上又は所定の塗工層上に塗工し、乾燥して形成することができる。このように、各層は、常法に従って形成することができる。
また、被熱転写シート5を作製する際には、必要により、中間層7や染料受容層8の他に、下塗層、バリア層、裏面層12等、各層の塗工後にカレンダー処理を施してもよく、被熱転写シート5表面の凹凸を更に減少させ、平滑化する事が可能である。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置やニップ圧、ニップ数、金属ロールの表面温度等については、特に限定されるものではないが、カレンダー処理を施す際の圧力条件は、0.5〜150MPaであることが好ましく、更に好ましくは1〜100MPaである。温度条件としては、20〜150℃が好ましく、更に好ましくは30〜120℃である。カレンダ装置としては、例えばスーパーカレンダ、ソフトカレンダ、グロスカレンダ等の一般に製紙業界で使用されているカレンダ装置を適宜使用できる。
以上のようにして得られた被熱転写シート5は、基材6と染料受容層8との間に設けた中間層7に、無機微粒子9で形成された球状のクラスター構造体10が含有されていることによって、記録の際に、サーマルヘッドによって押し潰されても、元に戻り、クッション性が高く、応力に対しての追従性も高くなっている。また、被熱転写シート5では、無機微粒子9で形成された球状のクラスター構造体10が含有されている中間層7によって、十分な断熱性が得られる。これらのことから、この被熱転写シート5では、印画の際に、サーマルヘッドからの熱が基材6側に逃げず、サーマルヘッドとの接触性も良好となることにより、画像が高濃度で均一となる。また、この被熱転写シート5では、中間層7に含有されている球状のクラスター構造体10が無機微粒子9で形成されているため、クラスター構造体10の外壁が硬くなり、中間層7に耐傷性、光沢性が付与され、外観を損なわれることを防止できる。
また、この被熱転写シート5では、断熱性を有し、サーマルヘッドとの接触性も良好であるため、記録速度が速くなっても、高濃度で、均一な画像を形成することができる。
以下、本発明を適用した被熱転写シートの実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」及び「部」は、溶剤に関するものを除き、固形分の「質量%」及び「質量部」を示す。
先ず、評価に用いる熱転写シートを作製した。
〈熱転写シート〉
先ず、厚さ6μmの片面に易接着処理が施されたPETフィルム(ダイアホイルヘキスト(株)製、K−203E−6F)の易接着処理面とは反対側の面に、下記の組成の耐熱滑性層(裏面層)塗布用組成物をグラビア塗布方式で塗布、乾燥した後、加熱硬化処理を行い、乾燥膜厚1μmの耐熱滑性層(裏面層)を有する熱転写シート用支持体Aを作製した。
(耐熱滑性層塗布用組成物)
ポリビニルブチラール樹脂 3.5質量部
(積水化学工業社製 エスレックBX−1)
リン酸エステル系界面活性剤 3.0質量部
(第一工業製薬社製 プライサーフA208S)
リン酸エステル系界面活性剤 0.3質量部
(東邦化学社製 フォスファノールRD720)
ポリイソシアネート 19.0質量部
(大日本インキ化学工業社製バーノックD750−45)
タルク(日本タルク社製 Y/X=0.03) 0.2質量部
メチルエチルケトン 35.0質量部
トルエン 35.0質量部
次に、熱転写シート用支持体A上に、下記組成のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)各インク層をグラビア塗布方式で面順次に塗布し、乾燥させて、図1に示すような熱転写シートを作製した。なお、乾燥後の各インク層の塗布量は、0.7g/m2とした。
(イエローのインク層)
染料(Y−1) 4.0質量部
ポリビニルブチラール 5.5質量部
(電気化学工業(株)製、#6000−AS)
ウレタン変性シリコーン樹脂 1.5質量部
(大日精化(株)製、ダイアロマーSP−2105)
エポキシ変性アクリル樹脂 5.0質量部
(東亞合成(株)製、レゼダGP−301)
メチルエチルケトン 80.0質量部
トルエン 10.0質量部
イエローのインク層に含有させる染料は、下記の染料(Y−1)に示すものである。
Figure 2009137168
マゼンタのインク層は、染料を下記の染料(M−1)を用い、他の組成物はイエローのインク層と同様である。
Figure 2009137168
シアンのインク層は、染料を下記の染料(C−1)を用い、他の組成物はイエローのインク層と同様である。
Figure 2009137168
次に、実施例及び比較例の被熱転写シートを作製するために、先ず、実施例及び比較例で使用する無機クラスター粒子分散液S−1〜S−3及び中間層用塗工液1〜3を作製した。
(無機クラスター粒子分散液S−1)
無機クラスター粒子分散液S−1は、メチル基により疎水処理された一次粒子径12nmのフュームドシリカ(日本アエロジル(株)製:R−974)5kgを酢酸エチル22kgへ撹拌分散した。さらに、下記に示すカチオン性ポリマー(P−1)0.5kgと純水33kgを合わせた溶液の中に、上記酢酸エチル分散シリカを加え、三和工業(株)製の高圧ホモジナイザーを用いて、30MPaで均一に分散し、図3に示すような中空の疎水性気相法シリカのクラスター構造体を形成し、全量を純水で60Lに仕上げ、無機クラスター粒子分散液S−1を調製した。
Figure 2009137168
(無機クラスター粒子分散液S−2)
メチル基により疎水処理された一次粒子径12nmのフュームドシリカ(日本アエロジル(株)製:R−974)5kgを酢酸エチル18kgと高沸点溶剤のジイソデシルフタレート3kgへ撹拌分散した。さらに、カチオン性ポリマー(P−1)0.5kgと純水33kgを合わせた溶液の中に、上記酢酸エチル分散シリカを加え、三和工業(株)製の高圧ホモジナイザーを用いて、30MPaで均一に分散し、図4に示すような内側に高沸点溶剤のジイソデシルフタレートを保持した疎水性気相法シリカのクラスター構造体を形成し、全量を純水で60Lに仕上げ、無機クラスター粒子分散液S−2を調製した。
(無機クラスター粒子分散液S−3)
メチル基により疎水処理された一次粒子径12nmのフュームドシリカ(日本アエロジル(株)製:R−974)5kgを油溶性酸化防止剤0.5kgと(太陽化学株式会社製:サンカトール)と油溶性紫外線吸収剤0.5kg(住友化学社製:Sumisorb 130)を溶解させた酢酸エチル18kgとジイソデシルフタレート3kgへ撹拌分散した。さらに、カチオン性ポリマー(P−1)0.5kgと純水33kgを合わせた溶液の中に、上記酢酸エチル分散シリカを加え、三和工業(株)製の高圧ホモジナイザーを用いて、30MPaで均一に分散し、図4に示すような内側に油溶性酸化防止剤及び油溶性紫外線吸収剤を保持した疎水性気相法シリカのクラスター構造体を形成し、全量を純水で60Lに仕上げ、無機クラスター粒子分散液S−3を調製した。
(中間層用塗工液1)
無機クラスター粒子分散液S−1 50.0質量部
ポリビニルアルコール 10.0質量部
(商品名:PVA217、クラレ製)
アクリルウレタンラテックス 20.0質量部
(商品名:WEM−202U、大成ファインケミカル社製)
水 250.0質量部
(中間層用塗工液2)
中間層用塗工液2は、無機クラスター粒子分散液S−1を無機クラスター粒子分散液S−2にしたこと以外は、中間層用塗工液1と同様にして作製した。
(中間層用塗工液3)
中間層用塗工液3は、無機クラスター粒子分散液S−1を無機クラスター粒子分散液S−3にしたこと以外は、中間層用塗工液1と同様にして作製した。
(中間層用塗工液4)
無機発泡中空粒子 50.0質量部
(商品名:ゴッドボールB−6C、壁材主成分:二酸化珪素、
平均粒子径2.3μm、体積中空率91%、鈴木油脂工業製)
ポリビニルアルコール 10.0質量部
(商品名:PVA205、クラレ製)
スチレン−ブタジエンラテックス 45.0質量部
(商品名:PT1004、日本ゼオン製)
水 250.0質量部
(中間層用塗工液5)
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%、中空率加熱変化3%、隔壁樹脂Tg152℃、軟化点105℃) 45.0質量部
ポリビニルアルコール 10.0質量部
(商品名:PVA205、クラレ製)
スチレン−ブタジエンラテックス 45.0質量部
(商品名:PT1004、日本ゼオン製)
水 250.0質量部
〈実施例1〉
シート状支持体(基材)として、厚さ150μmのアート紙(商品名:特菱アートN、三菱製紙製)を使用し、その片面に上記中間層用塗工液1を乾燥後の膜厚が20g/mとなるように、塗工、乾燥して中間層を形成した。
次に、中間層上に下記に示す組成のバリア層用塗工液を固形分塗工量が2g/mになるように塗工、乾燥してバリア層を形成した。
(バリア層用塗工液)
膨潤性無機層状化合物 30質量部
(コープケミカル社製:スメクタイト)
ポリビニルアルコール 50質量部
(商品名:PVA−117、クラレ製)
スチレン−ブタジエンラテックス
(商品名:L−1537、旭化成製) 20質量部
水 1100質量部
次に、形成したバリア層上に、下記に示す組成の染料受容層用塗工液を固形分塗工量が5g/mになるように塗工、乾燥し、その後50℃で48時間キュアして染料受容層を形成した。
(染料受容層用塗工液)
ポリビニルブチラール 100質量部
(積水化学工業社製、エスレックBX-1)
ポリエステル変性シリコーン 3質量部
(信越化学工業社製、X−24−8300)
ポリイソシアネート 5質量部
(商品名:コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400質量部
次に、シート状支持体の染料受容層塗工面とは反対側に、下記に示す組成の裏面層用塗工液を固形分塗工量が3g/mになるように塗工、乾燥して裏面層を形成して、被熱転写シートを得た。
(裏面層用塗工液)
ポリビニルアセタール樹脂 40質量部
(商品名:エスレックKW−10、積水化学工業製)
ポリアクリル酸エステル樹脂 20質量部
(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製)
ナイロン樹脂粒子 10質量部
(商品名:MW330、シントーファイン製)
ステアリン酸亜鉛 10質量部
(商品名:Z−7−30、中京油脂製)
カチオン型導電性樹脂 20質量部
(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製)
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400質量部
実施例2〜実施例6及び比較例1〜比較例2については、以下の表1に示す、中間層用塗工液を用い、乾燥後の膜厚が表1に示すように中間層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして被熱転写シートを作製した。比較例2は、中間層を設けず、支持体上に直接染料受容層を形成し、被熱転写シートを作製した。
Figure 2009137168
以上のようにして作製した実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例3について、印画濃度、画像均一性、耐傷性、光沢の評価を行った。
先ず、抵抗体の形状がスクエア(主走査方向長80μm×副走査方向長120μm)、300dpi(以下、dpiは2.54cm当りのドット数を表す)のラインヘッドのサーマルヘッドを搭載した熱転写プリンタ装置に、被熱転写シートの染料受容層部と熱転写シートのインク層を重ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、5〜100mJ/mm2の印加エネルギ範囲で順次増加させるイエロー、マゼンタ、シアン(前記3色重ね)のステップパターンを、送り速度2.5msec/line、1ライン当たりの送り長さを85μmで、インク層の背面側から加熱して、染料受容層上に染料を転写させ、各色の中間調の単色及び色重ねの画像を記録した。
印画濃度については、被熱転写シートに転写された印加エネルギ別の記録画像について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、Kollmorgen社製)を用いて、その反射濃度を測定した。最大印加エネルギ部の反射濃度を印画濃度として表2に表示した。印画濃度が2.0以上であれば、実用に十分適する。
画像均一性については、光学濃度(黒)が0.3に相当する階調部分の記録画像の均一性を、濃淡むら及び白抜けの有無により目視で評価した。表2に示す評価結果において、画像が一様でありムラなどが認められない、優秀なものを◎、若干のムラ等が認められるが、画像としては問題のない良好なものを○、濃淡むら及び白抜けがかなりあるものを△、濃淡むら及び白抜けの欠陥の著しいものを×と表示した。評価が○以上であれば、実用に十分適する。
耐傷性については、最高濃度2.1付近のサーマルヘッドによる記録画像部の凹みを目視評価した。表2に示す評価結果において、記録画像部に凹みが認められない、優秀なものを◎、若干の凹みが認められるが、問題のない良好なものを○、記録画像部の凹みが若干あるものを△、記録画像部の凹みが目立つものを×と表示した。評価が△以上であれば、実用可能である。
光沢については、光学濃度(黒)が2.0に相当する階調部分の記録画像の60度光沢度を測定した。60℃光沢度が80以上であれば、実用可能である。
Figure 2009137168
表2に示す結果から、実施例1〜実施例6は、無機発泡中空粒子を用いて中間層を形成した比較例1、重合体で形成された発泡中空粒子を用いて中間層を形成した比較例2及び中間層を有していない比較例3と比べて、印画濃度、画像均一性、耐傷性、光沢のすべての評価が良好であった。
比較例1は、中間層に含有されている無機発泡中空粒子が硬いため、中間層のクッション性が低下し、サーマルヘッドに追従して接触せず、均一な濃度が得られなかった。
比較例2は、中間層に含有されている重合体で形成された発泡中空粒子が応力に対して弱く、耐傷性が劣り、光沢の低下した。
比較例3は、支持体上に中間層を介さずに、直接染料受容層を形成したため、断熱性及びクッション性が劣り、高濃度で均一な画像を形成することができなかった。
これらの比較例に対して、実施例1〜実施例6では、中間層に疎水性気相法シリカのクラスター構造体が含有されていることによって、断熱性及びクッション性に優れ、サーマルヘッドとの接触性が良好となり、高濃度で均一な画像を形成することができた。また、実施例1〜実施例6では、中間層に疎水性気相法シリカのクラスター構造体が含有されていることによって、クラスター構造体を形成してシリカが硬いため、耐傷性及び光沢性が得られた。
以上、実施例及び比較例から、被熱転写シートにおいて、支持体と染料受容層との間に中間層を設け、この中間層に疎水性気相法シリカのクラスター構造体を含有させることによって、高濃度で均一な画像が得られ、耐傷性や高光沢が優れたものとなる。
熱転写シートの断面図である。 本発明を適用した被熱転写シートの断面図である。 中空構造の疎水性気相法シリカのクラスター構造体の断面図である。 油剤が含有された疎水性気相法シリカのクラスター構造体の断面図である。
符号の説明
1 熱転写シート、2 基材、3Y イエロー染料層、3M マゼンタ染料層、3C シアン染料層、4 耐熱滑性層、5 被熱転写シート、6 基材、7 中間層、8 染料受容層、9 無機微粒子、10 クラスター構造体、11 油剤、12 裏面層

Claims (5)

  1. 基材と、
    上記基材の少なくとも一方の面に、少なくとも1層以上の中間層と、上記中間層上に染料を受容する染料受容層とを有し、
    上記中間層は、少なくとも無機微粒子で形成された球状のクラスター構造体を含有することを特徴とする被熱転写シート。
  2. 上記無機微粒子は、気相法シリカに疎水性の処理を行ったものであることを特徴とする請求項1記載の被熱転写シート。
  3. 上記球状のクラスター構造体の内側に、沸点が120℃以上の溶剤が入っていることを特徴とする請求項1記載の被熱転写シート。
  4. 上記中間層は、固形分塗工量が4g/m以上、42g/m以下であることを特徴とする請求項1記載の被熱転写シート。
  5. 上記基材は、セルロースパルプであることを特徴とする請求項1記載の被熱転写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017056657A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 凸版印刷株式会社 熱転写受像シート用ベース基材及びその製造方法

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