JPH07109237B2

JPH07109237B2 - デイフアレンシヤル装置

Info

Publication number: JPH07109237B2
Application number: JP8522487A
Authority: JP
Inventors: 和久尾崎; 高春深谷
Original assignee: Aisin AW Co Ltd
Current assignee: Aisin AW Co Ltd
Priority date: 1987-04-06
Filing date: 1987-04-06
Publication date: 1995-11-22
Anticipated expiration: 2010-11-22
Also published as: JPS63251648A

Description

【発明の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野本発明は、自動車等の車輌に用いられるディファレンシ
ャル装置、特に、常時４輪駆動車におけるセンターディ
ファレンシャル装置に用いて好適なディファレンシャル
装置に係り、詳しくはそのデフケースの構造に関する。

（ロ）従来の技術一般に、ディファレンシャル装置は、ベベルギヤを組合
わせたディファレンシャルギヤを有しており、かつ該デ
ィファレンシャルギヤを収納するデフケースは合せフラ
ンジを有する２つ割ケースからなり、ボルト締めにより
連結・固定されている。

従来のディファレンシャル装置をセンターディファレン
シャル装置にて示すと、第４図に示すように、センター
ディファレンシャル装置１は、左右の２つ割ケース片
2₁,2₂からなるデフケース２を有している。また、該ケ
ース２はベアリングにてトランスファーケース３に回転
自在に支持されており、かつその合せフランジ部2a,2a
にてボルト５により連結・固定されていると共にトラン
スファードライブギヤ６が固定されている。また、ケー
ス２内にはそれぞれベベルギヤからなるピニオンギヤ7
a、左サイドギヤ7b及び右サイドギヤ7cにて構成される
ディファレンシャルギヤ７が収納されており、一方、ト
ランスファーケースにはフロントアクスル軸８、フロン
トディファレンシャル装置に連結している内側中空軸９
及びトランスミッションを介してエンジンに連結してい
る外側中空軸10が同軸状にそれぞれ回転自在に支持され
ている。そして、外側中空軸10がピニオンギヤ7aを支持
しているキャリヤ7dに連結しており、また内側中空軸９
が左サイドギヤ7bに連結しており、更にデフケース２が
右サイドギヤ7cに連結している。

従って、エンジンからの回転はランスミッションを介し
て外側中空軸10に伝達され、更にキャリヤ7dを介してデ
ィファレンシャルギヤ７のピニオンギヤ7aに伝達され
る。そして、該ディファレンシャルギヤ７にて、トルク
が左右のサイドギヤ7b,7cに分配され、左サイドギヤ7b
へ伝達されたトルクは内側中空軸９を介してフロントデ
ィファレンシャル装置に伝達され、左右前輪を回転す
る。一方、右サイドギヤ7cへ伝達されたトルクはデフケ
ース２の右ケース片2₂及びボルト５を介してトランスフ
ァードライブギヤ６に伝達され、更にリヤディファレン
シャル装置を介して左右後輪を回転する。この際、ディ
ファレンシャルギヤがベベルギヤからなることに起因し
て、左右デフケース片2₁,2₂には分解するような大きな
スラスト力が作用すると共に、一方のケース片2₂及びボ
ルト５を介して他方のケース片2₂に固定されているギヤ
６にトルク伝達するため、デフケース２は合せフランジ
部2a,2aをボルト締めすることにより、しっかりと固定
する必要がある。

（ハ）発明が解決しようとする問題点従って、従来のデフケース２は、合せフランジ部2a用と
して半径方向に大きなスペースを必要とし、半径方向ス
ペースが限られた中で設置するには、ケース２内に収納
されるディファレンシャルギヤが小型なものしか用いる
ことができず、トルク伝達容量も小さくなってしまう。
特に、ディファレンシャルギヤとしてプラネタリギヤを
用いる場合、該プラネタリギヤが半径方向にスペースを
必要とするため小容量のものしか用いることができな
い。

また、横置きエンジンの４輪駆動車輌であって、トラン
スファー部がフロントアクスル軸と同軸状に構成したも
のにおいては、エンジン出力軸とフロントアクスル軸の
軸間距離を、車輌の運動性能、車輌サイズ及び室内スペ
ース等に基づく車輌構成上の規制から大きく取ることは
できず、ディファレンシャル装置のスペース及び容量が
大きな問題となっており、また、既存の２輪駆動による
FF（フロントエンジン・フロントドライブ）車、RR（リ
ヤエンジン・リヤドライブ）車、MR（ミッドシップエン
ジン・リヤドライブ）車を基準にして同じ軸間距離で４
輪駆動車を構成する場合も、同様に大きな問題となって
いる。

そこで、本発明は、デフケースの結合部にトルクが作用
しないように構成し、もって両デフケース片を合せフラ
ンジ部を必要としない結合方法にて結合することによ
り、その内部にディファレンシャルギヤ用の大きな収納
スペースを形成することを目的とするものである。

（ニ）問題を解決するための手段本発明は上述事情に鑑みなされたものであって、例えば
第１図を参照して示すと、デフケース12が２つ割ケース
片12a,12bからなり、該デフケース12内にディファレン
シャルギヤ17を収納すると共に該デフケース外側にギヤ
16を設けてなるディファレンシャル装置11において、デ
フケース12を構成する一方のケース片12aに前記ギヤ16
を設けると共に、該一方のケース片12aを前記ディファ
レンシャルギヤ17とトルク伝達するように連結する。そ
して、前記２つ割の両ケース片12a,12bにそれぞれネジ3
0を形成して、該ネジ30を螺合することにより前記両ケ
ース片12a,12bを結合することを特徴とする。

一例として、ディファレンシャルギヤ17がキャリヤ17d
に支持されているピニオン17a、サンギヤ17b及びリング
ギヤ17cを有するプラネタリギヤからなり、サンギヤ17b
がデフケース12の一方のケース片12aに連結し、またリ
ングギヤ17cが内側中空軸19に連結し、そしてキャリヤ1
7dが外側中空軸20に連結している。

なお、ネジ30なる語句は、雄ネジ及び雌ネジからなる通
常のネジ結合に限定するものではなく、バヨネット等の
回転により斜面を係合する結合を含むものである。

（ホ）作用以上構成に基づき、エンジンからトランスミッションを
介して伝達されたトルクは外側中空軸20を介してキャリ
ヤ17dに伝達され、更にピニオン17aからサンギヤ17b及
びリングギヤ17cに分配される。そして、リングギヤ17c
に伝達されたトルクは内側中空軸19を介してフロントデ
ィファレンシャル装置等の一方の駆動輪に伝達され、ま
たサンギヤ17bに伝達されたトルクはデフケース12の一
方のケース片12a及び該ケース片12aに設けたギヤ16介し
てリヤディファレンシャル装置等の他方の駆動輪に伝達
される。

この際、デフケース12の他方のケース片12bには何等ト
ルクが作用せず、かつディファレンシャルギヤ17がプラ
ネタリギヤからなることに起因して、両ケース片12a,12
bには引離すような大きなスラスト力が作用せず、従っ
て両ケース片12a,12bを結合する手段は、ネジ30で足り
る。

（ヘ）実施例以下、図面に沿って、本発明の実施例について説明す
る。

常時４輪駆動車に用いられる駆動系Ｄは、第２図に示す
ように、エンジン31、トランスミッション32及びトラン
スファー部33を有しており、エンジン31の出力は矢印A,
B及びＣに示すようにトランスミッション出力ギヤ35に
伝達される。トランスファー部33は、エンジン出力軸と
平行に配置された（右）フロントアクスル軸18rに同軸
状に配置されており、内側中空軸19、外側中空軸20及び
センターディファレンシャル装置11を備えている。ま
た、センターディファレンシャル装置11はトランスファ
ードライブギヤ16を有するデフケース12及びプラネタリ
ギヤからなるディファレンシャルギヤ17を有しており、
更に該ディファレンシャルギヤ17はピニオン17aを支持
しているキャリヤ17d、サンギヤ17b及びリングギヤ17c
からなる。そして、外側中空軸20はその一端が前記トラ
ンスミッション出力ギヤ35に噛合しているリングギヤ36
に連結していると共に、他端が前記ディファレンシャル
ギヤ17のキャリヤ17dに連結しており、また内側中空軸1
9はその一端がフロントディファレンシャル装置37のキ
ャリヤ37aに連結していると共に、他端が前記ディファ
レンシャルギヤ17のリングギヤ17cに連結している。ま
た、フロントディファレンシャル装置37はベベルギヤか
らなるピニオンギヤ37b、左サイドギヤ37c及び右サイド
ギヤ37dからなり、左サイドギヤ37cは左フロントアクス
ル軸18lにまた右サイドギヤ37dは前記右フロントアクス
ル軸18rに連結している。また、デフケース12に形成さ
れたトランスファードライブギヤ16はプロペラシャフト
39に固定されているドリブンギヤ40に噛合しており、該
シャフト39はリヤディファレンシャル装置を介して左右
リヤアクスル軸に連結している。

そして、センターディファレンシャル装置11は、第３図
に詳示するように、トランスファーケース41の膨径部41
aに収納されており、かつ該ケース41は該膨径部41a部分
にてボルト42により結合されている割りケースからな
る。また、該ケース41にはテーパードローラベアリング
43,43にてデフケース12が回転自在に支持されており、
かつ該デフケース12は２つ割のケース片12a,12bからな
る。一方のケース片12aはその一側外周面にハイポイド
ギヤ16が歯切形成されていると共にその開口端内周面に
雌ネジ30aが形成されており、かつ一側内周面にサンギ
ヤ17bのボス部45が固定されており、更に該ボス部45の
先端部分がトランスファーケース41に前記ベアリング43
及びオイルシール46を介して支持されている。また、他
方のケース12bは一端部が段付き状になって、前記ベア
リング43及びオイルシール46にて支持されており、かつ
その開口端外周面に雄ネジ30bが形成されている。そし
て、両ケース片12a,12bはディファレンシャルギヤ17を
収納した状態で雄ネジ30b及び雌ネジ30aが互いに螺合し
て結合し、大きな収納スペースを有するデフケース12を
形成している。また、リングギヤ17cに連結されている
フランジ47のボス部47aがニードルベアリング49により
他方のケース片12bの内周面に回転自在に支持されてい
ると共に、スラストリング50を介してスラスト力を担持
されており、かつ該フランジ47が内側中空軸19にスプラ
イン結合されている。また、シャフト51にてピニオン17
aを回転自在に支持しているキャリヤ17dはそのボス部17
d′がサンギヤ17bのボス部45内周面にニードルベアリン
グ52,52を介して支持されている。一方、トランスファ
ーケース41にはプロペラシャフトケース55が連結・固定
されており、該ケース55にはテーパードローラベアリン
グ56,56によりプロペラシャフト39が支持されており、
該シャフト39の先端には前記ドライブギヤ16に噛合する
ドリブンギヤ40が形成されている。

本実施例は以上のような構成からなるので、エンジン31
の回転は、トランスミッションの出力ギヤ35及びリング
ギヤ36を介してトランスファー部33の外側中空軸20に伝
達される。更に、該外側中空軸20の回転はディファレン
シャルギヤ17のキャリヤ17dに伝達され、そしてピニオ
ン17aからリングギヤ17c及びサンギヤ17bに分配され
る。リングギヤ17cに伝達されたトルクは内側中空軸19
を介してフロントディファレンシャル装置37のキャリヤ
37aに伝達され、更にピニオンギヤ37bから左右サイドギ
ヤ37c,37dに分配されて左右フロントアクスル軸18l,18r
に伝達される。一方、サンギヤ17bに伝達されたトルク
は該ギヤのボス部45を介してデフケース12の一方のケー
ス片12aに伝達され、更に該ケース片に一体形成されて
いるドライブギヤ16を介してプロペラシャフト39のドリ
ブンギヤ40に伝達され、そしてリヤディファレンシャル
装置を介して左右リヤアクスル軸に伝達される。

なお、センターディファレンシャル装置11において、デ
ィファレンシャルギヤ17がプラネタリギヤからなること
に基づき、大きな軸方向力が作用せず、該ギヤ17は簡単
なスラストリング50,50′にて所定位置に位置決め・保
持されると共に、デフケース12に大きなスラスト力を作
用せず、かつデフケース12もテーパードローラベアリン
グ43,43にて所定位置に位置決め・保持される。また、
サンギヤ17bのトルクはドライブギヤ16を一体形成した
一方のケース片12aに伝達され、かつ他方のケース片12b
には何等トルクが作用しないので、両ケース片12a,12b
のネジ結合部分には何等相対トルクが作用せず、簡単な
ネジ30であっても外れることはない。

（ト）発明の効果以上説明したように、本発明によると、デフケース12が
２つ割ケースからなり、かつ一方のケース片12aに、ギ
ヤを設けると共にディファレンシャルギヤ17とトルクを
伝達するように連結し、かつ２つ割りの両ケース片12a,
12bにそれぞれネジ30a,30bを形成して、該ネジ30を螺合
することにより両ケース片を連結して構成したので、デ
フケース12は合せフランジ部を必要とせず、その分半径
方向に膨出して内部に大きなスペースを確保することが
でき、これによりトルク容量の大きなディファレンシャ
ルギヤ17を用いることができ、更にエンジン出力軸及び
アクスル軸の軸間間隔等の車輌構成を変更することな
く、ディファレンシャルギヤにプラネタリギヤを採用す
ることが可能となり、伝動効率を向上することができ
る。また、従来の合せフランジ部を有するものと同一ト
ルク容量のディファレンシャルギヤ17を用いる場合に比
し、デフケース12及びトランスファーケース41等をコン
パクトに構成でき、更に、部品点数を減少すると共に組
付け数も低減でき、大幅なコストダウンを図ることがで
きる。また、横置きエンジン・前輪駆動型のものを基準
にして常時４輪駆動車とする場合、エンジン出力軸及び
フロントアクスル軸の軸間間隔を変更しなくともよく、
車輌の運動性能及び室内スペース等を損うことがなく、
かつ同じトランスミッションを用いることができ、車輌
のワイドバリエーションが容易に可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るディファレンシャル装置を示す概
略図、第２図は本発明を適用した駆動系を示す概略図、
第３図は本発明の実施例を示す断面図である。そして、
第４図は従来例を示す断面図である。 11……ディファレンシャル装置、12……デフケース、12
a……一方のケース片、12b……他方のケース片、16……
（ドライブ）ギヤ、17……ディファレンシャルギヤ、30
……ネジ結合手段、30a……雌ネジ、30b……雄ネジ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】２つ割ケースからなるデフケースを有し、
該デフケース内にディファレンシャルギヤを収納すると
共に該デフケース外側にギヤを設けてなるディファレン
シャル装置において、前記デフケースを構成する一方のケース片に前記ギヤを
設け、かつ該一方のケース片を前記ディファレンシャルギヤと
トルク伝達するように連結し、そして、前記２つ割の両ケース片にそれぞれネジを形成
して、該ネジを螺合することにより前記両ケース片を結
合することを特徴とする、ディファレンシャル装置。
【請求項２】前記ディファレンシャルギヤが、プラネタ
リギヤからなる特許請求の範囲第１項記載のディファレ
ンシャル装置。
【請求項３】前記ディファレンシャル装置が、４輪駆動
車用のセンターディファレンシャル装置である特許請求
の範囲第１項記載のディファレンシャル装置。