JPH06286581A - 乗物用シートベルト装置 - Google Patents
乗物用シートベルト装置Info
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Abstract
で乗員を拘束可能とし、かつ衝突検知により確実かつ迅
速に拘束可能とする。 【構成】 シート(7)に着座した乗員に装着可能なシ
ートベルト(2)と、作動信号の入力により前記シート
ベルト(2)を初期位置から巻き取って第1の張力F1
を発生させ、乗物衝突回避の操作が可能な範囲で前記乗
員を拘束する第1のプリテンショナ機構(PT1)と、
作動信号の入力により前記第1の張力F1状態にあるシ
ートベルトを巻き取って第2の張力F2を発生させ、乗
物衝突に対して乗員を拘束する第2のプリテンショナ機
構(PT2)と、前記乗物の衝突を予測して前記第1の
プリテンショナ機構(PT1)へ作動信号を出力する第
1の指令手段(GI1)と、前記乗物の衝突を判断して
前記第2のプリテンショナ機構(PT2)へ作動信号を
出力する第2の指令手段(GI2)とを備えたことを特
徴とする。
Description
装置等の乗員拘束の向上、及びシートベルト装着時の快
適性向上の技術に関わる乗物用シートベルト装置に関す
る。
して、車両用シートベルト装置を図26、図27に示す
(実公平2−7094号公報参照)。
タ)の構成図を示しており、102はシートベルトの巻
き取り軸、103はシートベルト、104は緊急ロック
機構、109はシートベルト巻き取り用モータである。
一方、図27は、シートベルト巻き取り用モータの制御
駆動回路を示すブロック図であり、124は適当なベル
トスラック(弛み量)を設定する設定器で、この設定器
124には、ブレーキスイッチ116、車速センサ11
7、アクセルスイッチ118からの信号が入力されてい
る。これらの信号に応じた信号を制御回路127に送
り、シートベルト巻き取り用リレー128と送り出し用
リレー129とをオンオフさせてモータ109を正転あ
るいは逆転させてシートベルトの巻き取り、巻き出しを
制御する。なお、ベルトスラックにより、乗員に対しシ
ートベルトを密着させた拘束状態から、所定の余裕代を
付与することができる(テンションレス状態)。
超低速走行または停車中、ELRはテンションレス状態
を保持する。低速走行中は車速センサ117がこれを感
知し、この車速センサ117の信号とブレーキスイッチ
116からのブレーキ操作信号を必要条件として、ブレ
ーキを操作すると、ELRはシートベルトのスラックを
巻き取る構成としている。また高速走行時には、車速セ
ンサ117からの信号とアクセルスイッチ118からの
減速信号を必要条件とし、車両が減速状態になると、E
LRはシートベルトのスラックを巻き取る構成としてい
る。すなわち、ブレーキ、アクセル等の操作より衝突を
事前に検知し、シートベルトのスラックを解除した状態
でELRからのシートベルトの巻き出しをロックするた
め、乗員の拘束性能を良好にできる。また通常の運転状
態では、シートベルトのスラックを大きく設定できるた
め、拘束感が極めて少なくなる。
ク機構が作動する緊張事態の際には、直前に、通常ブレ
ーキを操作し減速していることより、このブレーキ操作
によって衝突を事前に検知するため非常に有効な手段で
ある。
運転などで運転者の覚醒度が低い場合などは、ブレーキ
をかけること無く衝突に至ることもあり、このような場
合に、従来の車両用シートベルト装置にあっては、事前
に巻き上げることができない。
検知しているが、ブレーキの操作開始時間は人為的なも
のであるためこの結果巻き取りが開始される時間も一定
でないため、モータのシートベルト巻き取り性能とアン
マッチになる事態も考えられ、人間の操作ミスによりブ
レーキの操作開始が遅い場合は、十分巻き取りが完了し
ない内に衝突してしまうこともある。
ト装置としては例えば図28、図29に示すようなもの
もある(特願平2−100218)。
ート図を示したものである。検出手段CL3によって車
両衝突に関係するデータが検出されると、挙動予測手段
CL4が衝撃入力による乗員の挙動を予測する。そして
演算手段CL5は、予測した挙動から乗員の衝撃を低下
させる車体側要素CL1の状態を演算する。制御手段C
L6は、演算結果に基づいた車体側要素CL1の特性と
なるように駆動手段CL2を制御する。
ザレーダ169により、衝突する直前に衝突物との相対
速度および衝突物を検出し、これに基づき、挙動予測手
段および演算手段により、例えば最適なシートベルト荷
重変位特性が算出される。この特性を車体側要素の特性
として発生させるために、駆動手段としてELR113
に組み込まれた荷重調整形クランプ27およびプリロー
ダ129を駆動することによって制御する。このシート
ベルトの最適特性への制御は、衝突前あるいは乗員がま
だあまり移動していない衝突直後までに終了することに
より行なう。従って、拘束性能を向上させるという基本
的考え方は完璧であり、全く問題ない。
ートベルト装置にあっては、万一誤作動すると衝突前に
最適特性とされる巻き取り量は運転者によっては運転操
作性が十分でない位置となる可能があった。
ト装置として、例えば図30に示すようなものもある。
突後の車体のG波形を検知して作動させるため、信頼性
が高く、衝突が発生したときのみ作動する。
ートベルト装置にあっては、その巻き取りストローク
は、シリンダ139内のピストン141の摺動距離で規
制されてしまうため、車両に搭載することを考えると、
巻き取りストロークを可能な限り巻き取り量が大きくな
るプリテンショナ構成にすると、装置が大型化して車両
への搭載が困難なものとなる他、重量増、コストアップ
を引き起こす。
作動させることで、運転操作性を確保し、安価でしかも
確実な拘束状態を得ることのできる乗物用シートベルト
装置の提供を目的とする。
に請求項1の発明は、シートに着座した乗員に装着可能
なシートベルトと、作動信号の入力により前記シートベ
ルトを初期位置から巻き取って第1の張力F1を発生さ
せ、乗物衝突回避の操作が可能な範囲で前記乗員を拘束
する第1のプリテンショナ機構と、作動信号の入力によ
り前記第1の張力F1状態にあるシートベルトを巻き取
って第2の張力F2を発生させ、乗物衝突に対して乗員
を拘束する第2のプリテンショナ機構と、前記乗物の衝
突を予測して前記第1のプリテンショナ機構へ作動信号
を出力する第1の指令手段と、前記乗物の衝突を判断し
て前記第2のプリテンショナ機構へ作動信号を出力する
第2の指令手段とを備えたことを特徴とする。
物用シートベルト装置であって、前記第1の指令手段
は、衝突対象物までの距離Lc及び相対速度ΔVcを計
測して衝突までの時間Δtc=Lc/ΔVcを求め、前
記第1のプリテンショナ機構の巻き取りに要する時間t
b1が前記時間Δtc内となるように前記作動信号を出
力することを特徴とする。
物用シートベルト装置であって、前記第1の指令手段
は、前記時間tb1を、前記第1のプリテンショナ機構
の巻き取り速度Vb1及び巻き取りストロークLb1に
よりtb1=Lb1/Vb1で求めることを特徴とす
る。
物用シートベルト装置であって、前記第1の指令手段
は、前記第1のプリテンショナ機構の巻き取りストロー
クLb1を、前記シートベルトの装着後に前記第1のプ
リテンショナ機構を作動させることにより第1の張力F
1を発生させて求め、再びシートベルトを初期位置に復
元させる信号を出力することを特徴とする乗物用シート
ベルト装置。
求項2、又は請求項3、若しくは請求項4記載の乗物用
シートベルト装置であって、前記第2のプリテンショナ
機構の巻き取り量Lb2は、前記第1の張力F1状態に
あるシートベルトを巻き取って第2の張力F2をかける
ことにより求めることを特徴とする乗物用シートベルト
装置。
求項2、又は請求項3、又は請求項4、若しくは請求項
5記載の乗物用シートベルト装置であって、前記第1の
プリテンショナ機構は、作動信号の入力によりシートベ
ルトを巻き取って第1の張力F1を発生し、復元信号の
入力により前記シートベルトを初期位置へ戻す構成であ
り、前記第1の指令手段は、衝突の予測により前記作動
信号を出力し、この出力に基づき、乗物が衝突に至らな
かったと判断したとき前記復元信号を出力する構成であ
り、前記第2のプリテンショナ機構は、火薬又はばねを
用いた爆発的な力でシートベルトを瞬時に巻き取る不可
逆構成であることを特徴とする乗物用シートベルト装
置。
求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、
若しくは請求項6記載の乗物用シートベルト装置であっ
て、
距離Lc及び相対速度Vcを連続的に計測して衝突まで
の時間Δtc=Lc/ΔVcを連続的に求め、衝突まで
の間に複数設定した各時点に前記時間Δtcが達するご
とに作動信号を発し、前記第1のプリテンショナ機構の
巻き取り動作を段階的に行なわせることを特徴とする乗
物用シートベルト装置。
求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、
若しくは請求項6記載の乗物用シートベルト装置であっ
て、
距離Lc及び相対速度Vcを連続的に計測して衝突まで
の時間Δtc=Lc/ΔVcを連続的に求め、第1のプ
リテンショナ機構の巻き取りに要する時間をtb1とし
たとき、シートベルトの張力Fが前記第1の張力F1に
至るまでの間、F=(1−Δtc/tb1)F1となる
ように作動信号を制御することを特徴とする乗物用シー
トベルト装置。
求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、
又は請求項6、又は請求項7、若しくは請求項8記載の
乗物用シートベルト装置であって、前記第1のプリテン
ショナ機構は、シートベルトの巻き取り速度をVb1か
らこれより速いVbxへ変更可能に構成され、前記第1
の指令手段は、衝突対象物までの距離Lc及び相対速度
ΔVcを計測して求められ衝突までの時間Δtc=Lc
/ΔVcが、相対速度ΔVcの増大により、第1のプリ
テンショナ機構の巻き取りに要する時間tb1より短く
なるとき、前記第1のプリテンショナ機構の巻き取り速
度をVb1からVb1xへ変更するようにして前記作動
信号を出力することを特徴とする乗物用シートベルト装
置。
請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項
5、又は請求項6、又は請求項7、又は請求項8、若し
くは請求項9記載の乗物用シートベルト装置であって、
前記第1のプリテンショナ機構は、モータによって駆動
する構成であり、前記第1の指令手段は、衝突対象物ま
での距離Lc及び相対速度ΔVcを計測して衝突までの
時間Δtc=Lc/ΔVcを求め、距離Lcが計測でき
る最長の距離Lcyに達したとき、相対速度ΔVcyを
計測し、これより衝突までの時間Δtcy=Lcy/Δ
Vcyを計算し、第1のプリテンショナ機構の巻き取り
ストロークLb1、同巻き取り速度Vb1yとしたと
き、Lb1/Vb1y<Δtcyの関係より、Vb1y
>Lb1/Δtcyを満たすVb1yを発生させる電流
Iyを求め、この電流Iyを前記第1のプリテンショナ
機構のモータへ負荷するように作動信号を出力すること
を特徴とする乗物用シートベルト装置。
請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項
5、又は請求項6、又は請求項7、又は請求項8、又は
請求項9、若しくは請求項10記載の乗物用シートベル
ト装置であって、前記第1のプリテンショナ機構は、前
記シートベルトを繰り出し自在に巻き取り、緊急ロック
可能なリトラクタの下部を引張ばねを介して車体に結合
し、前記リトラクタの上部にワイヤを結合し、このワイ
ヤを車体に取り付けたモータに巻き上げ自在に結合し、
当該モータの巻き上げによって前記引張ばねに所定張力
を付与したときリトラクタの位置決めをするロック機構
を設けて構成し、前記第1の指令手段は、衝突の予測に
より前記ロック機構を解除する作動信号を出力し、この
出力に基づき乗物が衝突に至らなかったと判断したとき
前記モータにワイヤ巻き上げのための復元信号を出力す
ることを特徴とする乗物用シートベルト装置。
請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項
5、又は請求項6、又は請求項7、又は請求項8、又は
請求項9、若しくは請求項10記載の乗物用シートベル
ト装置であって、前記第1のプリテンショナ機構は、前
記シートベルトに取り付けられたタングを連結するバッ
クルを、車体に取り付けたピストン・シリンダ手段に結
合し、前記ピストン・シリンダ手段に圧力流体を供給し
て前記バックルを車体側へ引くようにピストン・シリン
ダ手段を働かせる圧力源手段を設けて構成し、前記第1
の指令手段は、衝突の予測により前記圧力源手段へ作動
信号を出力することを特徴とする。
が乗物の衝突を予測して第1のプリテンショナ機構へ作
動信号を出力する。第1のプリテンショナ機構は作動信
号の入力によりシートベルト初期位置から巻き取って第
1の張力F1を発生させる。
して作動信号を出力すると第2のプリテンショナ機構が
第1の張力F1状態にあるシートベルトを巻き取って第
2の張力F2を発生させる。
力F1でシートベルトにより拘束される。この第1の張
力F1による拘束では車両衝突回避のための操作が可能
である。また、第2の張力F2は第1の張力F1よりも
大きく乗物衝突に対して乗員を確実に拘束することがで
きる。
高いことが事前に検知されたときのみシートベルトを巻
き取るため、通常の運転時は例えばテンションレス機構
等により張力を0とし、ベルトスラックを多く付与する
ことができる。ベルトスラックが多くても衝突する前に
第1の張力F1で巻き取れる分のベルトスラックは全て
吸収してしまっているので、衝突後、第2の張力F2を
発生させるための第2のプリテンショナ機構による巻き
取り量を少なくすることができる。
cを衝突対象物までの距離Lc及び相対速度ΔVcとか
らΔtc=Lc/ΔVcにより求めることができ、第1
の指令手段からの作動信号により巻き取りに要する時間
tb1を時間Δtc内とすることができる。
ショナ機構による巻き取りが終了し、第1の張力F1を
確実に発生させることができる。
間tb1を第1のプリテンショナ機構の巻き取り速度V
b1及び巻き取りストロークLb1によりtb1=Lb
1/Vb1で求めることができる。
ナ機構の巻き取りストロークLb1を、シートベルトの
装着後に第1のプリテンショナ機構を作動させて第1の
張力F1を発生させることによって求めるため、正確に
求めることができる。
ナ機構の巻き取り量Lb2を第1の張力F1状態にある
シートベルトに第2の張力F2をかけることにより求め
るから正確に求めることができる。
第1の張力F1を発生させ、乗員を確実に拘束すること
ができる。また、復元信号の入力によりシートベルトを
初期位置へ戻すことができ、衝突予測後、衝突に至らな
かったときには復元信号の入力によりシートベルトを初
期位置へ戻すことができる。また、第2のプリテンショ
ナ機構は、爆発的な力でシートベルトを瞬時に巻き取
り、衝突の際に第2の張力F2を迅速に発生させること
ができる。
設定した各時点に計測した衝突までの時間Δtcが達す
るごとに作動信号を発し、第1のプリテンショナ機構の
巻き取り動作を段階的に行なわせることができる。
対速度ΔVcが速まったとしても、最新の相対速度ΔV
cと衝突対象物までの距離Lcとにより衝突までの時間
Δtcを求めるから、衝突までの時間Δtcが二段目の
設定した時点に到達するのが速くなり、これによって二
段目の巻き取りが行なわれるため、巻き取りが遅れるこ
とはない。
突までに巻き取りがまにあわなかったとしても、衝突直
前までには複数段の巻き取りを終了させることができ
る。
cと巻き取りに要する時間tb1との関係でシートベル
トの張力Fが第1の張力F1に至るまでの間、F=(1
−Δtc/tb1)F1となるように作動信号を制御す
るため、相対速度Vcがどのように変化しても衝突前に
は第1の張力F1まで巻き取ることができる。
cが相対速度ΔVcの増大により第1のプリテンショナ
機構の巻き取りに要する時間tb1より短くなるとき、
シートベルトの巻き取り速度をVb1からVb1xへア
ップさせることができ、衝突前に第1プリテンショナ機
構による巻き取りを完了させることができる。
距離Lcが計測できる最長の距離Lcyに達したことを
起因として相対速度ΔVcyを計測し、第1のプリテン
ショナ機構を作動させることができる。
結合したワイヤをモータで巻き上げ引張ばねに所定張力
を付与してリトラクタをロック機構で位置決めることが
できる。
から作動信号が出力されるとロック機構が解除され、引
張ばねがリトラクタを移動させてシートベルトに第1の
張力F1を付与することができる。その後、乗物が衝突
に至らなかったと判断したときには、第1の指令手段か
ら復元信号が出力されモータによってワイヤが巻き上げ
られロック機構によって位置決めることができる。
第1の指令手段から圧力源手段へ作動信号が出力される
と圧力源手段からピストン・シリンダ手段に圧力流体が
供給され、バックルを車体側へ引くことができる。これ
によってバックルに連結されたタングを介してシートベ
ルトに第1の張力F1を付与することができる。
成図を示している。この実施例に係る乗物用シートベル
ト装置は、車両用シートベルト装置を示している。
(a)のように、この車両用シートベルト装置は、シー
ト7に着座した乗員に装着可能なシートベルト2と、第
1のプリテンショナ機構PT1と、第2のプリテンショ
ナ機構PT2と、第1の指令手段GI1と、第2の指令
手段GI2とからおおむね構成されている。
ラー下部等に固定されたリトラクタ1から引き出されて
いる。このシートベルト2は、センターピラー上部等に
取り付けられたショルダーアンカー3を通り、更にタン
グ4を通って、前記リトラクタ1と共に車体側に共締め
されたアウトアンカー5に結合されている。このシート
ベルト2の装着はタング4を車体側のバックル6に挿入
することによって機械的に行なわれる。
動信号の入力によりシートベルト2を初期位置から巻き
取って第1の張力F1を発生させ、車両衝突回避の操作
が可能な範囲でシート7に着座した乗員を拘束するもの
である。
1は引込み式のバックル6で構成され、このバックル6
はシート7のフレームに結合されたレール8に軸方向
(図7では左斜め上下方向)に摺動自在に結合されてい
る。更に、バックル6はレール8内から延出したワイヤ
9と結合され、ワイヤ9は電動モータ11のプーリ10
に巻き取り可能に結合されている。従って作動信号の入
力によって電動モータ11が回転するとプーリ10が連
動してワイヤ9を巻き取り、レール8に沿ってバックル
6を引き込むことができる。このバックル6の引き込み
によって前記第1の張力F1を発生させることができ
る。また、電動モータ11への復元信号の入力により電
動モータ11を逆転させてバックル6を元の位置へ戻
し、シートベルト2を初期位置へ戻すことができる。
作動信号の入力により第1の張力F1状態にあるシート
ベルト2を巻き取って第2の張力F2を発生させ、乗物
である車両の衝突に対して乗員を拘束する構成となって
いる。
2は、火薬又はばねを用いた爆発的な力でシートベルト
を瞬時に巻き取る不可逆構成となっている。第2の張力
F2は乗員拘束上最適な張力として設定したものであ
る。
リトラクタ1に設けられ作動信号の入力によって作動
し、シートベルト2をリトラクタ1に所定量巻き取る構
成となっている。14はベルトクランプ機構である。
予測して第1のプリテンショナ機構PT1へ作動信号を
出力するものである。また、第1の指令手段GI1は衝
突の予測により作動信号を出力した後、この出力に基づ
き車両が衝突に至らなかったと判断したとき復元信号を
出力する構成となっている。
を備え、この演算回路13に車体前部に設けられた超音
波センサー12、及びロードセル15からの信号が入力
されるようになっている。
へ作動信号として入力されると共に、リトラクタ1のベ
ルトクランプ機構14へも入力される構成となってい
る。
衝突対象物である前方車両(前車)M1までの距離Lc
及び相対速度ΔVcを計測して衝突までの時間Δtc=
Lc/ΔVcを求め、前記第1のプリテンショナ機構の
巻き取りに要する時間tb1が前記時間Δtc内となる
ように前記作動信号を出力する構成となっている。前記
距離Lcは超音波センサー12が発する超音波が前車M
1に衝突して戻ってくるまでの時間に基づき計測するこ
とができる。前記相対速度ΔVcは距離Lcの時間変化
によって計測することができる。
b1を第1のプリテンショナ機構PT1の巻き取り速度
Vb1及び巻き取りストロークLb1によりtb1=L
b1/Vb1で求めて記憶している。
テンショナ機構PT1の巻き取りストロークLb1を、
シートベルトの装着後に第1のプリテンショナ機構PT
1を作動させて第1の張力F1を発生させて求め、記憶
する構成となっている。また、第1の指令手段GI1は
巻き取りストロークLb1を記憶した後、シートベルト
2を再び初期位置に復元させる信号を出力する構成とな
っている。
モータ11を回転させることによって前記のようにして
行なうものである。そして、第1のプリテンショナ機構
PT1の巻き取り速度Vb1はモータ11の回転速度に
換算することができ、これを演算回路13が記憶してい
る。
ち自車M2の衝突を判断して第2のプリテンショナ機構
PT2へ作動信号を出力する構成となっている。
断回路17を有しこの診断回路17に車体に取り付けた
Gセンサー16の信号が入力される構成となっている。
診断回路17からは前記火薬式プリテンショナ18に信
号が入力される構成となっている。
り量Lb2は第1の張力F1状態にあるシートベルト2
に第2の張力F2をかけることにより求めたものであ
る。
ーチャートに基づいて説明する。
12及び演算回路13により前車M1までの距離Lc及
び相対速度ΔVc(自車速度V2−前車速度V1)を常
時計測する。なお、衝突対象物が衝害物の場合はV1=
0となる。
tcをΔtc=Lc/ΔVcにより計算する。
取りに要する時間、すなわちバックル6を最大に引き込
ませるのにかかる時間tb1maxをバックル6のフル
ストローク量Lbmax及びモータ11による引き込み
速度Vbにより予め計算する。
が第1プリテンショナ機構PT1の巻き取りに要する時
間よりも大きく、かつ衝突に至る危険性が高い時間に達
したかどうかを判断している。すなわち、時間Δtcが
バックル6の引き込みに要する最大の時間tb1max
よりも大きく、かつ衝突に至る危険性が高い時間tb1
max+tbαに達したかどうかを判断する。時間Δt
cがtb1max+tbαに達していなければ(Δtc
>tb1max+tbα)、ステップS1に戻り、tb
1max<Δtc<tb1max+tbαであればステ
ップS5へ移行する。
クランプ機構14を作動させてクランプをロックし、シ
ートベルト2の巻き出しを止める。
テンショナ機構PT1であるバックル6の引き込みをモ
ータ11の電源をオンすることにより開始する。
が第1の張力F1に達したかどうかを判断している。す
なわち、シートベルト張力Fをロードセル15により計
測し、シートベルト張力Fがドライバーの運転操作で衝
突回避操作が可能な第1の張力F1に達したときモータ
11の電源をオフとし、第1のプリテンショナ機構PT
1によるシートベルト2の引き込みを止める(ステップ
S8)。
わらず、自車M2が衝突に至り重大な衝突であることを
Gセンサ16及び診断回路17が判断した場合は、ステ
ップS10へ移行する。
薬プリテンショナ18に作動信号が送られ、その作動に
よってシートベルト2は瞬時に巻き取られ第2の張力F
2となる。
Δtcが十分経過してもGセンサー16に車体の減速度
信号が入力されないときには乗員の衝突回避操作によっ
て衝突が回避されたと判断され、ステップS11へ移行
する。ステップS11では演算回路13からモータ11
へ逆転信号が入力され、バックル6を初期位置に戻す。
13からベルトクランプ機構14へ信号が送られ、クラ
ンプ解除が行なわれる。
1のように自車M2の衝突が予測されると診断回路13
からベルトクランプ機構14へ信号が送られると共に、
モータ11へ作動信号が送られる。従って、リトラクタ
1のシートベルト繰り出しがロックされ、モータ11の
作動によってバックル6が引き込まれ、シートベルト2
が第1張力F1状態となって乗員を拘束することができ
る。このとき、乗員は自車M2の衝突回避のための運転
操作を無理なく行なうことができるのである。
リテンショナ18の作動によって第1の張力F1の状態
にあるシートベルト2がリトラクタ1に巻き取られて第
2の張力F2の状態となる。従って、乗員は最適な張力
でシートベルト2により拘束されることとなる。この場
合、第2のプリテンショナ機構PT2は第1の張力F1
の状態にあるシートベルト2を巻き取るものであるから
火薬式プリテンショナ18等を大型化せずに迅速かつ確
実に第2の張力F2まで巻き取ることができる。
ンレス機構等により張力を0とし、ベルトスラックが多
くあっても問題がなく、乗員に大きなうっとうしさや不
快感を与えることがない。また、衝突によって第2の張
力F2まで巻き取るに際しても衝突を予測した時点で予
め第1の張力F1まで巻き取っているため、衝突後、僅
かな量だけ巻き取れば拘束性能最適となるため、第2の
張力F2への巻き取り時間は短時間で済み、確実に巻き
取りを完了させることができる。
た後、第2の張力F2まで巻き取るのに必要な量は車種
ごとにほぼ一定となるため、設計段階で求めた巻き取り
特性に固定しておけばよく、第2のプリテンショナ機構
PT2の性能としても余裕を見込んだものとする必要も
なく、必要最小限のものにすることができる。
た後、自車M2が衝突に至らなかったときにはモータ1
1が逆転され、バックル6が元の位置に戻ってシートベ
ルト2が復元され初期位置にすることができる。
PT1が誤動作した場合にはシートベルト2に第1の張
力が働くが、乗員はシート7に単に拘束されるのみで運
転操作は可能であり全く問題はない。また、第2のプリ
テンショナ機構PT2のみが誤動作した場合でもその巻
き取り量は僅かなものであるため初期状態にあるシート
ベルト2を巻き取っても乗員に対しては第2の張力F2
には至らず、この場合も運転操作が可能であり問題はな
い。
第2のプリテンショナ機構PT2によるシートベルトの
巻き取り特性を時系列で示したものである。バックル6
をフルストロークさせる時間tb1maxよりも衝突す
るまでの予測時間Δtcが大きいときに衝突に至る可能
性の高いことを事前に検知し、実線で示すように第1の
プリテンショナ機構PT1の巻き取りを開始している。
至る可能性が高い領域として、tb1maxよりやや大
きい時間であるtb1max+tbαを設定し(図4参
照)、Lc/Vcで計算されるΔtcが、図中の斜線で
示すtb1maxとtb1max+tbαの間に、図中
の矢印Aで示すように入ってきた時に作動させることに
より、確実に衝突より前に第1のプリテンショナ機構P
T1による巻き取りを完了させることができる。
b1maxは、第1の張力F1で巻き取れる最大限のス
トロークに設定してあるため、実際には図3の破線で示
すように、引き込み時間がtb1maxまでかかること
はなく、実線で示すように時間tb1で第1の張力F1
まで達する。このため衝突より前に、さらに確実に張力
F1で除去可能なベルトスラックを、第1のプリテンシ
ョナ機構PT1で吸収できる。
の張力であるため、第1のプリテンショナ機構PT1が
作動後も引き続き衝突に至るまでの間、回避操作はもち
ろん可能であり、状態によっては完全な衝突の回避、あ
るいは衝突に至っても被害を最小限に抑えることができ
る。回避できた場合は、第1のプリテンショナ機構PT
1は、もとに戻る可逆式の構成であるためその後何回で
も使用可能である。
重大な衝突であることが、Gセンサ16および診断回路
17により判断された場合は、第2のプリテンショナ機
構PT2により、乗員拘束性能上最も良い第2のシート
ベルト張力F2まで巻き上げられる。この第2のシート
ベルト張力F2ではもはやドライバは運転することはで
きないが、確実に重大な衝突が始まっていることが確認
されているため運転の必要もない。また重大な衝突であ
るため、車体の変形も相当量に及ぶため、第2のプリテ
ンショナ機構PT2は再び使える可逆式である必要は特
になく、逆に不可逆式でかつ大きな第2の張力F2を発
生することのできる火薬式等のプリテンショナが適して
いる。
シートベルトの総巻き取り量の大きなばらつき要因とな
っていた衣類によるスラック分は、第1のプリテンショ
ナ機構PT1で張力F1まで巻き取った時点でほぼ吸収
されているため、張力F1を付加した後、さらに乗員拘
束上最適なシートベルト巻き取り量となるまでに必要な
残りの巻き取り量Lb2および必要張力F2は、シート
形状、ベルトレイアウト等によって車種毎に異なるもの
の、ほぼ一定値となる。このため図5に示すように、車
種毎に設計段階でバックル6を引き込ませ張力F1を付
加した状態で、さらにリトラクタ1のシャフトを回転さ
せてシートベルト2を巻き取ったときの、ポテンショメ
ータ21で測定される巻き取り量と巻き取り張力の関係
を、第2の張力がF2になるまで求めておく。この特性
に基づき、第2のプリテンショナ機構PT2の巻き取り
特性として、まず巻き取り量をLb2と設定し、かつL
b1からLb2間の巻き取り張力として図6に示す曲線
以上の張力が発生できる特性にしておく。これにより、
第2のプリテンショナ機構PT2の巻き取り性能として
は、本当に大きな巻き取り張力を必要とした時で、か
つ、必要最低限の巻き取りストロークとなり、第2のプ
リテンショナ機構PT2の構成を小型簡略化できる。な
おかつ乗員拘束性能上最も良好な巻き取りを行なうこと
ができる。
は、衝突の可能性の高いことが事前に検知されたときの
みシートベルトを巻き取るため、通常の運転時は例えば
テンションレス機構等により張力をゼロとし、スラック
が多くあっても問題はなく、乗員に大きなうっとうし
さ、不快感を与えることはない。
構PT1による巻き取りが誤動作であったとしても、こ
の時の張力を運転が可能な範囲の張力になるように制御
するため、運転操作性が悪化することはない。
る。この実施例は回転操作が可能な範囲の第1の張力F
1で巻き取れるストロークLb1を見積る手段としてシ
ートベルト2をバックル6に装着後、一度回避操作が可
能な範囲の最大のシートベルト張力(第1の張力F1)
でシートベルト2を巻き取り、そのときの衣服等の条件
に応じたスラック量を事前に測定し記憶した後、運転を
快適にするためにシートベルト2を弛ませる構成とした
ものである。
制御回路32及びモータ11に設けた回転式ポテンショ
メータ33を備えている。
説明する。
タング4をバックル6に挿入すると、バックル6内に設
けたバックルスイッチ31がONになり(ステップS8
1)、制御回路32により第1のプリテンショナ機構P
T1のバックル6のモータ11のスイッチがONになり
(ステップS802)、ロードセル15によりシートベ
ルト張力が第1の張力F1になるまで引かれる(ステッ
プS803)。この時のバックルの巻き取り量Lb1m
emoが、モータ11に設けた回転式ポテンショメータ
33により測定され、制御回路32にメモリされる(ス
テップS804、S805)。この後、モータ11の逆
回転により、バックルが初期位置に戻る(ステップS8
06)。
第1実施例と同様に、車両の相対速度ΔVcおよび車間
距離Lcを測定し(ステップS807)、これから衝突
までの時間Δtcを計算する(ステップS808)。
の必要引き込み量Lb1memoより、演算回路34
で、バックル6を引き込むのに必要な時間tb1mem
oが計算される(ステップS809)。Δtcがtb1
memoより大きく、かつ衝突する危険が高いtb1m
emo+tbα以下となったときに、リトラクタ1のク
ランプ14がロックされ(ステップS810、S81
1)、モータ11がONとなり、回転式ポテンショメー
タにより、Lb1memoとなるまでバックルを引く
(ステップS812、S813)。
なわち、ステップS814は図2のステップS8に対応
し、以下、S815はS9に、S816はS10に、S
817はS11に、S818はS12に対応している。
性を図9に示す。シートベルト装着直後に第1の張力F
1まで巻き取り、この時の巻き取り時間tb1memo
をメモリし、衝突を事前に検知したとき、tb1mem
oの間引き込むことにより、必要張力F1まで巻き取る
ことができることが分かる。
機構PT1による巻き取り量が最大であったときにも衝
突前に巻き取りが完了するように、巻き取りを開始する
時間を、tb1max=Lb1max/Vb1以上とし
ていたが、本実施例では、シートベルト装着時に必要巻
き取り量Lb1memoを計測しており、ほとんどの場
合、Lb1memo<Lb1maxであるため、巻き取
りにかかる時間tb1memoもtb1maxより小さ
くなる。このため衝突より前にシートベルトを巻き始め
る時間tb1memo+tbαを小さくできる。すなわ
ち、より衝突の可能性が高まった時に第1のプリテンシ
ョナ機構PT1の作動を開始することができるため、誤
作動の防止、および正規の作動であったとしてもその作
動頻度を低減し、より必要な状態の時のみ作動させるこ
とができ、ドライバに不必要な緊張を与えないですむ。
いる。
T1の巻き取り特性として衝突までの時間Δtcが衝突
までの間に複数設定した各時点に達するごとに第1の指
令手段GI1が作動信号を発し、第1のプリテンショナ
機構PT1の巻き取り動作を段階的に行なわせるもので
ある。そして、衝突までの最終時点までには第1の張力
F1を発生する巻き取りが終了している状態としたもの
である。
記特性を行なわせる構成となっている。
を説明する。
間ΔtcがTb1/4に達したときに開始され(ステッ
プS1101、S1102、S1103)、リトラクタ
1のクランプ14がロックされ(ステップS110
4)、第1のプリテンショナ機構PT1の巻き取りモー
タ11の電源がONとなり、ロードセル15により測定
されるシートベルト張力Fが、1/4F1になるまで巻
き取られ、電源はOFFになる(ステップS1105、
S1106、S1107)。
第2回目の巻き取りが開始され、シートベルト張力Fが
2/4F1になるまで巻き取られる(ステップS110
8、S1109、S1110、S1111、S111
2、S1113、S1114)。
5)、第4回目(ステップS1116)の巻き取りが行
われ、第4回目の巻き取りが終了するときには、シート
ベルト張力はF1に達している。この多段階の巻き取り
の制御は、演算回路41により行なわれる。
分割した巻き取りにかかる時間の合計時間(tb1/4
+tb2/4+tb3/4+tb4/4)よりも十分長
めに設定する。
なわち、ステップS1117は図2のステップS9と対
応し、同様にS1118はS10に、S1119はS1
1に、S1120はS12に対応している。
特性を図12に示す。Δtcに達した時点で、これを4
分割した各時間tb1/4(=Δtc)〜Tb4/4に
達する毎に、運転に支障の無い張力F1を4分割した張
力1/4F1、2/4F1、3/4F1、4/4F1と
順に巻き取られ、衝突時にはF1での巻き取りが完了し
ているのがわかる。
1段の巻き取りが開始され、その後も連続して衝突まで
の時間を計測し、これが短くなるのに従って、段階的に
シートベルト張力を上げているため、例えば第1段目の
巻き取り後、相対速度Δtcが速まったとしても最新の
ΔVcおよびLc情報により2段目の巻き取りの開始時
間Tb2/4に至った段階で次の巻き取りを行うため、
巻き取りが遅れることはない。
くにつれて巻き取るということは、衝突の危険度が高ま
るにつれて巻き取り量を多くしているということであ
り、万一本実施例の多段階システムにおいて、相対速度
の急激な増大により衝突までに巻き取りが間に合わなか
ったとしても、巻き取りはかなりの所まで進んでいるこ
とになり、ほぼ良好な拘束性能を得ることができる。
る。
T1の巻き取り特性を連続的なものとしている。すなわ
ち、第1の指令手段GI1は衝突までの時間Δtcを連
続的に計測、算出し、シートベルトの巻き取りに要する
時間をTbとしたとき、任意のΔtcのおけるシートベ
ルトの張力FをF=(1−Δtc/Tb)F1となるよ
うに作動信号を制御している。そして、衝突までの最終
時点までには第1の張力F1での巻き取りが終了してい
る構成とした。 従って、第1の指令手段GI1の演算
回路51は上記特性を得るような構成となっている。
に基づいて説明する。
たときに開始され(ステップS1401、S1402、
S1403)、リトラクタ1のクランプ14がロックさ
れ(ステップS1404)、第1プリテンショナの巻き
取りモータ11の電源がONとなる(ステップS140
5)。ロードセル15により測定されるシートベルト張
力Fが、F1*(1−Δtc/Tb1)より小さい場合
はシートベルトがさらに巻き取られ(ステップS140
7)、逆にシートベルト張力FがF1*(1−Δtc/
Tb)より大きい場合は、モータ11が逆回転し(ステ
ップS1408)、常にシートベルト張力F=F1*
(1−Δtc/Tb1)になるように制御される。その
後、シートベルト張力FがF1に達した時点で第1プリ
テンショナの巻き取りは完了する(ステップS140
9、S1410)。
なわち、ステップS1411が図2のステップS9に対
応し、同様にS1412がS10に、S1413がS1
1に、S1414がS12に対応している。
性を図15に示す。
巻き取りが始まり、その後F1*(1−Δtc/Tb)
の関係式に従い、シートベルト張力がF1に達するまで
連続的にシートベルト張力が上昇して行き、衝突前に第
1のプリテンショナ機構PT1の巻き取りが完了してい
るのがわかる。巻き取りが開始されてから、衝突までの
時間Δtcを逐一計測しながら、これに見合っただけの
比率分のシートベルト張力が発生する構成となっている
ため、巻き取りが開始されてから、例えば前車との相対
速度がどのように変化しても、第3実施例の多段階の場
合に比べ、さらに確実に衝突する前に運転可能な最大張
力の第1の張力F1まで巻き取ることができる。
測するのに用いる超音波センサ12等はそのセンサの能
力上、前車又は衝害物との距離Lcが所定量Lcx以下
にならないと測定できない。このためセンサにより検知
が可能になった時点、すなわち車間距離がLcxになっ
た時点で既にLcxに対して相対速度ΔVcxが過大
で、衝突までの時間Δtcx=Lcx/ΔVcxがシー
トベルトの巻き取りに必要な時間Tb=Lbmax/V
bより小さくなる場合もでてくる。この場合、モータに
定格以上の過電流を流し、シートベルト巻き取り速度を
定格値のVb1からVb1xに速めることにより巻き取
る所用時間tb1からtb1xに低減し、衝突時までに
第1の張力F1での巻き取りを完了させる構成としたも
のである。
1はシートベルトの巻き取り速度をVb1からこれより
速いVb1xへ変更可能に構成されている。
距離Lc及び相対速度ΔVcを計測して求められ衝突ま
での時間Δtc=Lc/ΔVcが相対速度ΔVcの増大
により第1のプリテンショナ機構PT1の巻き取りに要
する時間tb1より短くなるとき、第1のプリテンショ
ナ機構PT1の巻き取り速度をVb1からVb1xへ変
更するようにして作動信号を出力する構成となってい
る。
61は上記の特性を達成できる構成となっている。
ャートを用いて説明する。
なるLcx以下になったとき、相対速度、車間距離の測
定がスタートする(ステップS1701)。衝突までの
時間Δtcがtbmax以上tbmax+tbα以下と
なったときは、第1実施例と同様に第1のプリテンショ
ナ機構PT1の巻き取りがスタートする(ステップS1
702、S1703、S1704、S1705、S17
11、S1712、S1714)。
リテンショナ機構PT1で巻き取る時間tb1maxよ
りも短いtcx=Lcx/ΔVcとなっており、衝突ま
でに巻き取れないと判断した場合は、tcxよりも速く
巻き取るために、Lb1max/Vb1x<Δtcxと
なるシートベルト巻き取り速度Vbxを算出する(ステ
ップS1706)。
(ステップS1707)、シートベルト巻き取り速度V
b1xを発生させるのに必要なモータへの電流Ixを算
出し(ステップS1708)、第1のプリテンショナ機
構PT1のモータ11へ電流Ixを付加し、シートベル
ト張力FがF1になるまで巻き取る(ステップS170
9、S1710)。こうして、巻き取り速度を速めてい
るために、衝突前に第1のプリテンショナ機構PT1の
巻き取りは完了する。
わち、ステップS1715は図2のステップS9に対応
し同様にステップS1716はS10に、S1717は
S11に、S1718はS12に対応している。
速める制御を行うことにより、衝突する前に巻き取りを
完了させることができるようになった例を示したもので
ある。図中の点Aは、車間距離LcがLcxになり、超
音波センサにより計測が可能になったときであっても、
相対速度ΔVcが大きくはなく、衝突までの時間Δtc
=Lc/ΔVcの方が、シートベルトの巻き取り時間t
b1maxよりも長いことを示すラインAの上側の斜線
領域にあるため、衝突前に第1のプリテンショナ機構P
T1の巻き取りが完了できることを示している。
がLcxになり、超音波センサにより計測が可能となっ
たときに、相対速度ΔVcが既にΔVcxと速く、衝突
までの時間ΔtcがΔtcx=Lcx/ΔVcxと短く
なってしまい、シートベルト巻き取り時間tb1max
以下となった状況を示している。この状況でも間に合う
ようにするため、シートベルトの巻き込み速度Vb1を
Vb1xまで速めることにより、シートベルトの巻き取
り時間tb1をtb1x=Lb1max/Vb1xを短
縮化した時の、衝突前に巻き取り完了可能な領域をライ
ンBの上側斜線部に示す。該点Bに示す状況であっても
該ラインBの斜線部領域に入り、第1のプリテンショナ
機構PT1による巻き取りが衝突前に完了可能であるこ
とがわかる。
な車間距離になった時に、通常のシートベルト巻き取り
速度では遅い場合、シートベルトの巻き取り速度をアッ
プさせることにより、衝突前に第1のプリテンショナ機
構PT1による巻き取りを完了させることができる。こ
のようにモータに過電流を流すことにより巻き取り速度
を速めることは、モータの寿命を縮めることになるが、
車間距離がセンサで可能になるほど近づいているにもか
かわらず、ブレーキ操作を行わず、相対速度が依然とし
て大きいという状況は非常にまれであり、また衝突にま
で至る可能性が極めて高いため、モータの耐久性がやや
低下しても問題はない。
る。
象物である前車までの距離ΔLc及び相対速度ΔVcを
計測して衝突までの時間Δtc=Lc/ΔVcを求め、
距離Lcが計測できる最長の距離Lcyに達したとき相
対速度ΔVcyを計測する。これより、衝突までの時間
Δtcy=Lcy/ΔVcyを計測し、第1のプリテン
ショナ機構PT1の巻き取りストロークLb1、同巻き
取り速度Vb1yとしたとき、Lb1/Vb1y<Δt
cyの関係より、Vb1y>Lb1/Δtcyを満たす
Vb1yを発生させる電流Iyを求める。この電流Iy
を前記第1のプリテンショナ機構PT1のモータ11へ
付加するように作動信号を出力するものである。
Lcyに達したときに(点C)、相対速度ΔVcyを計
測し、これより衝突までの時間Δtcyを計算し、この
Δtcy以内の時間で巻き取れるように、Lb1/Vb
1y<Δtcyの関係式より、シートベルトの必要巻き
取り速度Vb1yをVb1y>Lb1/Δtcyを満た
すように求める。さらに図20より、該シートベルト巻
き取り速度Vb1yを発生させるために必要なモータに
入力する電流Iyを求め、モータに付加する構成とした
ものである。
が可変となるシステムであることが前提となるが、本実
施例では、車間距離が一定値となった時をトリガとし
て、一回だけ相対速度を求めれば良く、センサおよび演
算システムを簡略化できる。なお、第1実施例では、セ
ンサにて測定が可能となった時以降、常時衝突するまで
の時間Δtcを求め、これがtb1maxに近づく(t
b1max+tbα)のを検知しなければならない。
の他の例を示している。
1はシートベルト繰り出し自在に巻き取り、緊急ロック
可能なリトラクタ71の下部を引張ばね72を介して車
体に結合している。リトラクタ72の上部にワイヤ74
を結合し、このワイヤ74を車体に取り付けたモータ7
5に巻き上げ自在に結合している。モータ75の巻き上
げによって引張ばね72に所定張力を付与したときリト
ラクタ71の位置決めをするロック機構76を設けてい
る。第1の指令手段GI1(図1等)は衝突の予測によ
り前記ロック機構76を解除する作動信号を出力し、こ
の出力に基づき車両が衝突に至らなかった判断したとき
前記モータ75にワイヤ74巻き上げのための復元信号
を出力する構成となっている。
2を介して車体73に結合する一方、上方にはワイヤ7
4を取り付け、これを車体に取り付けたモータ75にて
引き上げることにより、該ばね72を伸ばしながら、リ
トラクタ71を上方を移動させ、ばねの張力がF1に達
した時に、モータの回転が止まり、ロック機構76によ
りリトラクタ71の位置が固定される。
は、図21(b)に示すように、このロック機構76を
外すことにより、ばねの張力により最大の第1の張力F
1でシートベルトをすばやく引き、衝突前にスラックを
吸収する。一方、回避操作により衝突に至らなかった場
合は、図21(c)に示すように、再度モータにより張
力F1になるまでリトラクタを引き上げロックする。こ
れにより何度でも使える構成としている。
面になるまで、ゆっくりとモータ75で巻き上げれば良
く、前記実施例のように、衝突直前に短時間で巻き上げ
るために強力かつ速い巻き取り性能を有するモータは不
要であるため、モータおよびこれに関連する部品を、簡
略化したものとすることが可能となる。
ナ機構PT1を示している。この第1のプリテンショナ
機構PT1はシートベルト2に取付けられたタング4を
連結するバックル81を車体に取付けたピストン・シリ
ンダ手段PSに結合している。すなわち、バックル81
の根元部をピストン・シリンダ手段PSのピストン82
のロッド82aに結合している。ピストン82はシリン
ダ83内に位置し、その上側に圧力室83aが設けられ
ている。ピストン83の圧力室83aには連通管86が
取付けられ、この連通管86は圧力調整バルブ85を有
した圧力源手段としてのコンプレッサ84に接続されて
いる。そして第1の指令手段GI1(図1等)は衝突の
予測により前記圧力源手段の圧力調整バルブ85へ作動
信号を出力する構成となっている。
トン82、シリンダ83構造とし、該ピストン82の上
側に、コンプレッサ84より圧縮空気を圧力調整バルブ
84および連通管86を通して送ることにより、ピスト
ン82をシリンダ83の下方に押す。これによりバック
ル81が下方に移動し、シートベルトに張力をかけスラ
ックを吸収する。
に、4段階で巻き取った時のシートベルト張力を時系列
で示したのが図23である。
整バルブ84が開かれる。この時の圧力P1/4として
は、ピストン82の面積をSとしたときに、最初の設定
シートベルト張力1/4F1との関係が、1/4F1=
P1/4*Sとなるように圧力調整バルブを開く。
動的に、シートベルトに張力1/4F1が発生する任意
の位置までバックルが引かれ、シートベルトの張力とピ
ストンに作用する力とがバランスして停止する。
に、圧力を、2/4F1=P2/4*Sの関係を満たす
ように、圧力調整バルブの設定圧をP2/4に設定する
ことにより、シートベルト張力が2/4F1となるまで
引かれる。
要な張力がでるだけの圧力を圧力調整バルブで設定する
だけで、第3実施例と同様な作用を得ることができる。
従って、シートベルト張力を測定しながら巻き取り量を
調整するといったフィードバック制御を行なう必要はな
く、自動的に各張力で引ける分だけバックルがストロー
クして任意の位置で止まるため、制御回路を大幅に簡略
化することができる。
のプリテンショナ機構PT1の作動を開始する判断情報
として車間距離、相対速度に加えブレーキング時の減速
度を情報として加えることにより、より衝突の確度が高
くなってから作動させる構成としたものである。
Gセンサ91からの信号が入力される構成となってい
る。Gセンサ91は衝突時の減速度Gとブレーキングに
より車体に発生している減速度Gcとの測定に共用する
構成となっている。
ャートを用いて説明する。
り、前車M1までの距離Lcbおよび相対速度ΔVc
(自車速度V2−前車速度V1)を常時計測する。前車
M1の時はV1=0となる(ステップS2501)。ま
た衝突時の減速度測定用Gセンサと共用になっているG
センサ91により、ブレーキングにより車体に発生して
いる減速機Gcを測定する(ステップS2501)。L
cv、ΔVcおよびGcより衝突するまでの時間Δtc
bを計算する(ステップS2502)。
間Δtcbは、
ように求められる衝突するまでにかかる時間Δtcb
が、バックル6の引き込みに要する最大の時間tb1m
axよりも大きく、かつ衝突に至る危険性が高い時間t
b1max+tbαに達したときに、リトラクタ1のク
ランプ14をロックし、シートベルト2の巻き出しを止
める(ステップS2503、S2504、S250
5)。
のバックル6の引き込みを、モータ11の電源をONに
することにより開始する(ステップS2506)。
15により計測し、シートベルト張力が、ドライバが運
転でき回避操作が可能なF1に達したときに、第1のプ
リテンショナ機構PT1の引き込みを止める(ステップ
S2507、S2508)。
わらず、衝突に至り、重大な衝突であることをGセンサ
91および診断回路17が判断した場合は、第2のプリ
テンショナ機構PT2であるリトラクタ1に設けた火薬
式プリテンショナ18により乗員拘束性能上最も良いシ
ートベルト張力F2まで巻き取る(ステップS250
9、S2510)。
も、Gセンサ91に車体の減速度信号が入力されず、衝
突が回避されたことが判断された場合は、第1のプリテ
ンショナ機構PT1の巻き取りモータ11を逆回転し、
バックル6を初期位置にもどす(ステップS2511、
S2512)。
離を測定した後、例えば居眠り運転等によりノーブレー
キであっても衝突するより前に第1のプリテンショナ機
構PT1による巻き取りを完了するようにしているが、
通常の場合はドライバが危険を感じてブレーキをかける
ため、車体に減速度が作用し相対速度が減少してゆくこ
とになる。これにより、初期の車間距離が同一の場合で
あれば、衝突までの時間が長くなる。逆に考えれば、バ
ックルの引き込みが間に合うように、引き込みを開始す
る時の前車との車間距離は短くできる。
mで、相対速度ΔVcが35mph(15.6m/se
c)あるときに巻き取りが開始する構成であるとする。
ノーブレーキの時の衝突までの時間Δtcは5m/1
5.6m/sec=0.32secとなり、これより短
い時間でバックルが引き込む構成であるとする。本実施
例では、ブレーキングが行われ車体に1G(9.8m/
sec2 )の減速度が発生しているとする。バックルの
巻き取りが間に合うように前記例と同等の時間0.32
secに巻き取りを開始したときの車間距離Lcbは、
を付加して衝突までの時間を見積もることにより、より
衝突する可能性が高まってから第1のプリテンショナ機
構PT1が作動するようになるため、第1のプリテンシ
ョナ機構PT1の作動頻度が少なくなり、ドライバによ
り不用意な緊張を感じさせなくても良くなる。もちろん
この場合であっても確実に衝突する前に第1のプリテン
ショナ機構PT1の巻き取りが完了することができる。
以外の乗物、船舶、航空機、その他にも適用することが
できる。
明によれば、衝突の予測により第1のプリテンショナ機
構で第1の張力F1を発生させることができ、衝突予測
状態で乗員を適確に拘束することができ、その状態で乗
員は衝突回避の運転操作を行なうことができる。衝突し
てからは第2のプリテンショナ機構で第2の張力F2を
発生させ、乗員を確実な状態で拘束することができる。
そして、第2のプリテンショナ機構は第1の張力F1が
発生している状態から第2の張力F2を発生させるだけ
シートベルトを巻き取ればよく、小型の機構で確実、迅
速に巻き取ることができる。更に通常の運転時はテンシ
ョンレス機構等によりシートベルト張力を0とすること
も可能であり、ベルトスラックが多くても問題はなく、
乗員に大きなうっとうしさや不快感を与えることを防止
できる。また、衝突可能性が高まったときに第1プリテ
ンショナ機構の作動を開始することができるため正規の
作動であったとしてもその作動頻度を低減し、ドライバ
に不必要な緊張を与えないようにすることができる。ま
た、誤作動を起しても運転操作は可能である。
ショナ機構の巻き取りに要する時間tb1が衝突までの
時間Δtcとなるように作動信号を出力するため、衝突
までには第1のプリテンショナ機構による巻き取りを確
実に終了させることができる。
る時間tb1を第1のプリテンショナ機構の巻き取り速
度Vb1及び巻き取りストロークLb1とにより求める
ため確実であり、衝突するまでの第1のプリテンショナ
機構の巻き取り終了の確実さを確保することができる。
ショナ機構の巻き取りストロークLb1を第1のプリテ
ンショナ機構を作動させて第1の張力F1を発生させて
求めるため、衣服などの状況にかかわらず確実に求める
ことができる。従って、衝突までの第1のプリテンショ
ナ機構による巻き取り終了の確実さを向上させることが
できる。
ショナ機構の巻き取り量Lb2を第1の張力F1状態に
あるシートベルトに第2の張力F2をかけることにより
求めるため、第2のプリテンショナ機構として余裕を見
込んだものとする必要がなく、必要最低減のものとする
ことができる。
ショナ機構は第1の張力F1の状態から復元信号の入力
によりシートベルトを初期位置へ戻すことができるた
め、乗員に不必要なシートベルト張力を要することはな
く不快感を防止することができる。しかも、第2のプリ
テンショナ機構を瞬時に巻き取る構成としたため迅速な
巻き取りを行なうことができる。
機構を衝突までの間に段階的に制御することができ、第
1プリテンショナ機構を十分速めに作動させたとしても
衝突前に遅れることなく第1の張力を発生させることが
できる。また、途中で相対速度が急に大きくなっても巻
き取りはすでに相当進んでいるため巻き取りが衝突まで
に終了しなかったとしても不都合がほとんどない。
ショナ機構を衝突までの間に連続的に制御することがで
き、衝突予測を相対速度が急激に増加し、それがどのよ
うに変化してもこれに応じて第1のプリテンショナ機構
による巻き取りを行なわせることができ、衝突までの間
に第1の張力F1を発生させる巻き取りを完了すること
ができる。
対速度が増加したときには第1のプリテンショナ機構の
巻き取り速度をVb1からVb1xへ変更することがで
き、衝突までの間に第1のプリテンショナ機構による巻
き取りを終了させることが可能とする。
定値となったときをトリガとして一回だけ相対速度を求
めればよく、センサ及び演算システムを簡略化すること
ができる。
ンショナ機構は引張ばねの力によって働かせ、この引張
ばねは予めモータでゆっくりと巻き上げればよく、強力
かつ速い巻き取り性能を有するモータは不要となる。従
って、モータ及びこれに関連する部品を簡略化すること
が可能となる。
得るための圧力を圧力源手段によって設定すればよく、
シートベルト張力を測定しながら巻き取り量を調整する
といったフィードバック制御を行なう必要はなく、自動
的に各張力でひける分だけバックルがストロークして任
意の位置で止まるため、制御回路を大幅に簡略化するこ
とができる。
図、(b)は車間距離等の説明図である。
ある。
特性図である。
域解説図である。
の事前実験解説図である。
の事前実験結果例図である。
ある。
特性図である。
である。
列特性図である。
図である。
列特性図である。
である。
機構作動開始領域解説図である。
機構作動開始領域解説図である。
機構巻き取り速度と電流との関係図である。
(b),(c)は作動図である。
列特性図である。
である。
の断面図である。
ク図である。
全体概要図、(b)は要部拡大図である。
の断面図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 シートに着座した乗員に装着可能なシー
トベルトと、 作動信号の入力により前記シートベルトを初期位置から
巻き取って第1の張力F1を発生させ、乗物衝突回避の
操作が可能な範囲で前記乗員を拘束する第1のプリテン
ショナ機構と、 作動信号の入力により前記第1の張力F1状態にあるシ
ートベルトを巻き取って第2の張力F2を発生させ、乗
物衝突に対して乗員を拘束する第2のプリテンショナ機
構と、 前記乗物の衝突を予測して前記第1のプリテンショナ機
構へ作動信号を出力する第1の指令手段と、 前記乗物の衝突を判断して前記第2のプリテンショナ機
構へ作動信号を出力する第2の指令手段とを備えたこと
を特徴とする乗物用シートベルト装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の乗物用シートベルト装置
であって、 前記第1の指令手段は、衝突対象物までの距離Lc及び
相対速度ΔVcを計測して衝突までの時間Δtc=Lc
/ΔVcを求め、前記第1のプリテンショナ機構の巻き
取りに要する時間tb1が前記時間Δtc内となるよう
に前記作動信号を出力することを特徴とする乗物用シー
トベルト装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の乗物用シートベルト装置
であって、 前記第1の指令手段は、前記時間tb1を、前記第1の
プリテンショナ機構の巻き取り速度Vb1及び巻き取り
ストロークLb1によりtb1=Lb1/Vb1で求め
ることを特徴とする乗物用シートベルト装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の乗物用シートベルト装置
であって、 前記第1の指令手段は、前記第1のプリテンショナ機構
の巻き取りストロークLb1を、前記シートベルトの装
着後に前記第1のプリテンショナ機構を作動させること
により第1の張力F1を発生させて求め、再びシートベ
ルトを初期位置に復元させる信号を出力することを特徴
とする乗物用シートベルト装置。 - 【請求項5】 請求項1、又は請求項2、又は請求項
3、若しくは請求項4記載の乗物用シートベルト装置で
あって、 前記第2のプリテンショナ機構の巻き取り量Lb2は、
前記第1の張力F1状態にあるシートベルトを巻き取っ
て第2の張力F2をかけることにより求めることを特徴
とする乗物用シートベルト装置。 - 【請求項6】 請求項1、又は請求項2、又は請求項
3、又は請求項4、若しくは請求項5記載の乗物用シー
トベルト装置であって、 前記第1のプリテンショナ機構は、作動信号の入力によ
りシートベルトを巻き取って第1の張力F1を発生し、
復元信号の入力により前記シートベルトを初期位置へ戻
す構成であり、 前記第1の指令手段は、衝突の予測により前記作動信号
を出力し、この出力に基づき、乗物が衝突に至らなかっ
たと判断したとき前記復元信号を出力する構成であり、 前記第2のプリテンショナ機構は、火薬又はばねを用い
た爆発的な力でシートベルトを瞬時に巻き取り、所定位
置に固定する不可逆構成であることを特徴とする乗物用
シートベルト装置。 - 【請求項7】 請求項1、又は請求項2、又は請求項
3、又は請求項4、又は請求項5、若しくは請求項6記
載の乗物用シートベルト装置であって、 前記第1の指令手段は、衝突対象物までの距離Lc及び
相対速度Vcを連続的に計測して衝突までの時間Δtc
=Lc/ΔVcを連続的に求め、衝突までの間に複数設
定した各時点に前記時間Δtcが達するごとに作動信号
を発し、前記第1のプリテンショナ機構の巻き取り動作
を段階的に行なわせることを特徴とする乗物用シートベ
ルト装置。 - 【請求項8】 請求項1、又は請求項2、又は請求項
3、又は請求項4、又は請求項5、若しくは請求項6記
載の乗物用シートベルト装置であって、 前記第1の指令手段は、衝突対象物までの距離Lc及び
相対速度Vcを連続的に計測して衝突までの時間Δtc
=Lc/ΔVcを連続的に求め、第1のプリテンショナ
機構の巻き取りに要する時間をtb1としたとき、シー
トベルトの張力Fが前記第1の張力F1に至るまでの
間、F=(1−Δtc/tb1)F1となるように作動
信号を制御することを特徴とする乗物用シートベルト装
置。 - 【請求項9】 請求項1、又は請求項2、又は請求項
3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は
請求項7、若しくは請求項8記載の乗物用シートベルト
装置であって、 前記第1のプリテンショナ機構は、シートベルトの巻き
取り速度をVb1からこれより速いVbxへ変更可能に
構成され、 前記第1の指令手段は、衝突対象物までの距離Lc及び
相対速度ΔVcを計測して求められ衝突までの時間Δt
c=Lc/ΔVcが、相対速度ΔVcの増大により、第
1のプリテンショナ機構の巻き取りに要する時間tb1
より短くなるとき、前記第1のプリテンショナ機構の巻
き取り速度をVb1からVb1xへ変更するようにして
前記作動信号を出力することを特徴とする乗物用シート
ベルト装置。 - 【請求項10】 請求項1、又は請求項2、又は請求項
3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は
請求項7、又は請求項8、若しくは請求項9記載の乗物
用シートベルト装置であって、 前記第1のプリテンショナ機構は、モータによって駆動
する構成であり、 前記第1の指令手段は、衝突対象物までの距離Lc及び
相対速度ΔVcを計測して衝突までの時間Δtc=Lc
/ΔVcを求め、距離Lcが計測できる最長の距離Lc
yに達したとき、相対速度ΔVcyを計測し、これより
衝突までの時間Δtcy=Lcy/ΔVcyを計算し、
第1のプリテンショナ機構の巻き取りストロークLb
1、同巻き取り速度Vb1yとしたとき、Lb1/Vb
1y<Δtcyの関係より、Vb1y>Lb1/Δtc
yを満たすVb1yを発生させる電流Iyを求め、この
電流Iyを前記第1のプリテンショナ機構のモータへ負
荷するように作動信号を出力することを特徴とする乗物
用シートベルト装置。 - 【請求項11】 請求項1、又は請求項2、又は請求項
3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は
請求項7、又は請求項8、又は請求項9、若しくは請求
項10記載の乗物用シートベルト装置であって、 前記第1のプリテンショナ機構は、前記シートベルトを
繰り出し自在に巻き取り、緊急ロック可能なリトラクタ
の下部を引張ばねを介して車体に結合し、前記リトラク
タの上部にワイヤを結合し、このワイヤを車体に取り付
けたモータに巻き上げ自在に結合し、当該モータの巻き
上げによって前記引張ばねに所定張力を付与したときリ
トラクタの位置決めをするロック機構を設けて構成し、 前記第1の指令手段は、衝突の予測により前記ロック機
構を解除する作動信号を出力し、この出力に基づき乗物
が衝突に至らなかったと判断したとき前記モータにワイ
ヤ巻き上げのための復元信号を出力することを特徴とす
る乗物用シートベルト装置。 - 【請求項12】 請求項1、又は請求項2、又は請求項
3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6、又は
請求項7、又は請求項8、又は請求項9、若しくは請求
項10記載の乗物用シートベルト装置であって、 前記第1のプリテンショナ機構は、前記シートベルトに
取り付けられたタングを連結するバックルを、車体に取
り付けたピストン・シリンダ手段に結合し、前記ピスト
ン・シリンダ手段に圧力流体を供給して前記バックルを
車体側へ引くようにピストン・シリンダ手段を働かせる
圧力源手段を設けて構成し、 前記第1の指令手段は、衝突の予測により前記圧力源手
段へ作動信号を出力することを特徴とする乗物用シート
ベルト装置。
Priority Applications (4)
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ID=13531813
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