JP2007131113A - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員の状態(乗員の姿勢、着衣の種類や厚み等の状態)やシートベルトの緩みにかかわらず、車両緊急状態の予知段階でシートベルトの振動によって、乗員に、より確実に報知できるとともに、報知の煩わしさを抑制できること。
【解決手段】車両用シートベルト装置30は、車両10のシート20に着座した乗員Maを拘束するシートベルト31と、このシートベルトの緩み部分を緊急時に巻き取るプリテンショナ36の電動モータ37と、この電動モータを制御する制御部41とを備える。制御部は、車両の緊急状態を予知したときには、電動モータをベルト巻き取り方向へ断続的に駆動するように制御するとともに、この断続的な駆動制御のうち、停止の制御状態へ移行したときには、電動モータが完全に停止する前に、巻き取り駆動の制御を再開するように構成したものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のシートに着座した乗員をシートベルトで拘束する、車両用シートベルト装置の改良技術に関する。
近年、車両の乗員を保護するために、シートベルトを装備した車両の開発が進められている。車両用シートベルト装置としては、緊急時において、シートベルトの緩み部分をプリテンショナで迅速に巻き取る構成のものが多用されている。さらに、このような車両用シートベルト装置の中には、乗員の保護性を高める観点から、車両の緊急状態を予知したときに、シートベルトを振動させて乗員の注意を促すようにした技術が知られている(例えば、特許文献1−2参照。)。
特開2000−6759公報 特開2004−276896公報
特許文献1及び特許文献2に示す従来の車両用シートベルト装置は、車両の緊急時にシートベルトの緩み部分を巻き取る電動モータを備え、車両の緊急状態を予知したときには、電動モータの作動を正転と逆転とで断続的に反復させるというものである。この結果、シートベルトの巻き取り作動によるベルト張力の増大と、シートベルトの巻き戻し作動によるベルト張力の減少とを断続的に繰り返すことにより、シートベルトは一定の力で振動する。すなわち、シートベルトによる乗員の拘束力を、断続的にきつくしたり緩くすることにより報知して、乗員の注意を促すことができる。
ところで、着座している乗員自身が体感するシートベルトの拘束力は、乗員の状態(乗員の姿勢、着衣の種類や厚み等の状態)やシートベルトの緩みの影響によって異なるので、「ばらつき」がでる。このため、乗員は予知された時点の拘束力が過大又は過小であると、体感することがあり得る。体感する拘束力が過大であると、緊急状態が予知される度にシートベルトの締め付けが急激にきつくなるので、乗員にとって煩わしい。一方、体感する拘束力が過小であると、シートベルトが振動していることに乗員は気付きにくい。緊急状態が予知された時点でシートベルトに緩みがあった場合にも、同様である。予知段階において乗員が体感する拘束力は、常に最適な値であることが、より好ましい。
さらには、乗員の体感する拘束力が適切であっても、ベルト振動に伴う拘束力の瞬間的な変化が急激であると、乗員はシートベルトによる打撃を受けていると体感する。このような打撃感は、乗員にとって刺激となるので、より小さいことが好ましい。
また、拘束力の瞬間的な変化に「ばらつき」があった場合には、乗員が体感する刺激の大きさも変化する。刺激の変化も小さいことが好ましい。
従って、乗員に対し、より好適なベルト振動を与えることによって、乗員の注意を促すようにするには、更なる改良の余地がある。
本発明は、乗員の状態(乗員の姿勢、着衣の種類や厚み等の状態)やシートベルトの緩みにかかわらず、車両緊急状態の予知段階でシートベルトの振動によって、乗員に、より確実に報知できるとともに、報知の煩わしさを解消できる技術を、提供することを課題とする。
さらに本発明は、乗員に、より好適なベルト振動を与えることによって、乗員の注意を促すことができる技術を、提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、車両のシートに着座した乗員を拘束するシートベルトと、このシートベルトの緩み部分を緊急時に巻き取るプリテンショナの電動モータと、この電動モータを制御する制御部とを備えた車両用シートベルト装置において、制御部は、車両の緊急状態を予知したときには、電動モータをベルト巻き取り方向へ断続的に駆動するように制御するとともに、この断続的な駆動制御のうち、停止の制御状態へ移行したときには、電動モータが完全に停止する前に、巻き取り駆動の制御を再開するように構成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明では、請求項1において、制御部は、予知した緊急状態の緊急度合いが大きいほど、電動モータが発生する駆動トルクを増大させるように、電動モータを駆動制御する構成であることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、請求項1又は請求項2において、制御部は、電動モータの断続的な駆動制御を開始した時点から時間が経過するにつれて、電動モータが発生する駆動トルクを減少させるように、電動モータを駆動制御する構成であることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、車両のシートに着座した乗員を拘束するシートベルトと、このシートベルトの緩み部分を緊急時に巻き取るプリテンショナの電動モータと、この電動モータを制御する制御部とを備えた車両用シートベルト装置において、
制御部は、車両の緊急状態を予知したときには、車両の緊急状態の内容に対応する複数の駆動制御モードの中から、現在の緊急状態の内容に応じた1つのモードを選択し、この選択された駆動制御モードに基づいて電動モータを駆動制御するように構成したものであり、
複数の駆動制御モードは、シートベルトを巻き取る方向にのみ電動モータを断続的に駆動制御する制御特性の基本駆動制御モードと、この基本駆動制御モードの制御特性に対して電動モータの断続時間特性、駆動トルク特性、回転方向特性のうち少なくとも1つが異なる、他の駆動制御モードとからなることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、車両の緊急状態を予知したときに、電動モータをベルト巻取り方向にのみ、断続的に駆動させることができる。この結果、シートベルトの巻き取り作動によるベルト張力の増大と、シートベルトの巻き取り停止によるベルト張力の維持とが、交互に繰り返されることにより、シートベルトは振動する。この振動によって乗員に報知して、注意を促すことができる。
しかも、電動モータが巻き取り駆動をする毎にシートベルトが巻き取られるので、ベルト張力は漸次増大する。ベルト張力の増大に伴い、乗員自身が体感するシートベルトの拘束力も漸次増大する。緊急状態が予知された時点において、体感する拘束力が過小であった場合や、シートベルトに緩みがあった場合でも、拘束力が漸次増大するので、乗員はシートベルトが振動していることに、速やかに気付くことができる。従って、より確実に報知することができる。
また、予知の時点で電動モータが発生する駆動トルクを、予め小さく設定しておくことによって、予知された初期のベルト振動を弱くし、その後に漸次増大させることができる。このようにすることで、ベルト振動による報知に伴う乗員の煩わしさを解消することができる。
このように、乗員の状態(乗員の姿勢、着衣の種類や厚み等の状態)やシートベルトの緩みにかかわらず、車両緊急状態の予知段階でシートベルトの振動によって、乗員に、より一層確実に報知できるとともに、報知の煩わしさを解消して乗員の快適性を確保できる。
さらには、ベルト張力を漸次増大させるようにしたので、緊急状態の予知段階から発生段階へ移行した場合に、緊急時でのシートベルトによる最適な拘束状態に、より迅速に移行させることができる。
さらに請求項1に係る発明では、断続的な駆動制御のうち、巻き取り駆動の制御状態から停止の制御状態へ移行したとき、電動モータが完全に停止する前に、巻き取り駆動の制御を再開させるようにしたので、電動モータを完全に停止させることなく、シートベルトを振動させて乗員に報知することができる。
一般に、電動モータは完全に停止した状態から始動するときに、大きい始動トルクを発生する。これに対して請求項1に係る発明では、電動モータを完全に停止させることなく、微速状態から高速状態に移行させるものである。電動モータは、大きい始動トルクを発生することなく、微速状態において始動トルクよりも小さい駆動トルクを発生するに過ぎない。このため、シートベルトの巻き取り作動によるベルト張力の初期的な増大を抑制することができる。この結果、ベルト振動に伴う拘束力の瞬間的な変化は緩やかになる。従って、乗員が体感するシートベルトによる打撃感を抑制することができる。
また、電動モータを完全に停止させることなく、微速状態から高速状態に移行させるので、巻き取り駆動の制御を再開させたときの駆動トルクを、より均一にすることができる。この結果、拘束力の瞬間的な変化の「ばらつき」を抑制することができる。従って、乗員が体感するシートベルトによる打撃感の変化をも抑制することができる。
このように請求項1に係る発明では、乗員に対し、より好適なベルト振動を与えることによって、乗員の快適性を確保しつつ乗員に確実に注意を促すことができる。しかも、乗員が体感するシートベルトによる打撃感を抑制するのに、従来のプリテンショナの構造を変更することなく、そのまま採用することができる。
請求項2に係る発明では、予知した緊急状態の緊急度合いが大きいほど、電動モータが発生する駆動トルクを増大させるように、電動モータを駆動制御するので、シートベルトの振動に強弱を付けることができる。この結果、予知された緊急度合いに応じてシートベルトによる乗員の拘束力を大きくすることによって、乗員に対して緊急度合いを明確に報知することができる。従って、乗員は緊急度合いをより適切に認識して、対応することができる。
請求項3に係る発明では、電動モータの断続的な駆動制御を開始した時点から時間が経過するにつれて、電動モータが発生する駆動トルクを減少させるように、電動モータを駆動制御することにした。
一般に、シートベルトの巻き取り作動が進むにつれて、ベルト張力は増大する。ベルト張力が増大した結果、巻き取り抵抗は増大する。最終的に、ベルト張力は電動モータの駆動トルクと釣り合う大きさに達する。このベルト張力は、電動モータが巻き取り駆動を繰り返す度に、段階的に増加するものであり、その段階的な増加度合いは比較的大きい。この結果、乗員はシートベルトの拘束力の増加度合いが過大であると、体感することがあり得る。
これに対して請求項3に係る発明では、時間の経過とともに電動モータの駆動トルクが減少するので、電動モータが巻き取り駆動を繰り返す度に増加する、ベルト張力の増加度合いも、徐々に減少する。この結果、乗員自身が体感するシートベルトの拘束力の増加度合いも、徐々に減少する。このようにして、拘束力の増加度合いを漸次減少させることにより、乗員に対し、より好適なベルト振動を与えることができるので、乗員の快適性をより一層確保しつつ、乗員に確実に注意を促すことができる。
請求項4に係る発明では、車両の緊急状態を予知したときに、基本駆動制御モードと他の駆動制御モードとの中から、現在の緊急状態の内容に応じた1つを選択し、この選択された駆動制御モードに基づいて電動モータを駆動制御するものである。
基本駆動制御モードは、シートベルトを巻き取る方向にのみ電動モータを断続的に駆動制御する制御特性を有する。他の駆動制御モードは、基本駆動制御モードの制御特性に対して電動モータの断続時間特性、駆動トルク特性、回転方向特性のうち少なくとも1つが異なる制御特性を有する。
基本駆動制御モードを選択した場合には、電動モータの作動を正転(ベルト巻取り方向の回転)と停止とで交互に反復させることができる。この結果、シートベルトの巻き取り作動によるベルト張力の増大と、シートベルトの巻き取り停止によるベルト張力の維持とが、交互に繰り返されることにより、シートベルトは振動する。この振動によって乗員に報知して、注意を促すことができる。
しかも、電動モータが正転する毎にシートベルトが巻き取られるので、ベルト張力は漸次増大する。ベルト張力の増大に伴い、乗員自身が体感するシートベルトの拘束力も漸次増大する。緊急状態が予知された時点において、体感する拘束力が過小であった場合や、シートベルトに緩みがあった場合でも、拘束力が漸次増大するので、乗員はシートベルトが振動していることに、速やかに気付くことができる。従って、より確実に報知することができる。
また、予知の時点で電動モータが発生する駆動トルクを、予め小さく設定しておくことによって、予知された初期のベルト振動を弱くし、その後に漸次増大させることができる。このようにすることで、ベルト振動による報知に伴う乗員の煩わしさを解消することができる。
このように、乗員の状態(乗員の姿勢、着衣の種類や厚み等の状態)やシートベルトの緩みにかかわらず、車両緊急状態の予知段階でシートベルトの振動によって、乗員に、より一層確実に報知できるとともに、報知の煩わしさを解消できる。
さらには、ベルト張力を漸次増大させるようにしたので、緊急状態の予知段階から発生段階へ移行した場合に、緊急時でのシートベルトによる最適な拘束状態に、より迅速に移行させることができる。
一方、他の駆動制御モードを選択した場合には、基本駆動制御モードの制御特性に対して電動モータの断続時間特性、駆動トルク特性、回転方向特性のうち少なくとも1つが異なる作動特性で、電動モータを作動させることができる。電動モータの作動特性が異なるので、シートベルトの振動の形態や、乗員自身が体感するシートベルトの拘束力が異なる。予知される緊急状態の内容に応じて、電動モータの作動特性を異ならせることができるので、予知される緊急状態の内容を乗員に速やか且つ確実に報知することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る車両及びシートベルト装置の模式図であり、車両10の室内に設置されたシート20及び車両用シートベルト装置30を正面から見て表したものである。シート20は、シートクッション21と、シートクッション21に起倒可能に設けたシートバック22とからなる。
車両用シートベルト装置30は、シート20に着座した乗員Ma(例えば、運転席20に着座した運転者Ma)をシートベルト31で拘束するものである。乗員Maの一方の肩部及び腰部を同時に拘束するシートベルト31を、車体11の側部下部に固定されたリトラクタ32(ベルト巻取り器32)にて巻き取ることができる。
このような車両用シートベルト装置30は、例えば、シートベルト31を車体11の側部上部のアッパアンカ33、シート20に対しアッパアンカ33とは反対側の下部のセンタアンカ34、アッパアンカ33側の下部のロアアンカ35の、3点で支持するようにした3点式の構成である。センタアンカ34は、車体側のバックル34aに対してタング34bを取外し可能にワンタッチで装着する、掛け止め機構からなる。
リトラクタ32は、車両10の緊急時、例えば衝突時等に、シートベルト31の緩み部分(弛み部分)を巻き取るプリテンショナ36を備える。プリテンショナ36は、車両10の運転状態に応じて電動モータ37が発生した駆動トルクにより、シートベルト31に拘束力を付加することによって、シートベルト31の緩み部分を巻き取る、電動式プリテンショナである。電動モータ37は制御部41によって制御される駆動源であり、例えば直流モータからなる。
このように、車両用シートベルト装置30は、シート20に着座した乗員Maを拘束するシートベルト31と、このシートベルト31の緩み部分を緊急時に巻き取るプリテンショナ36の電動モータ37と、この電動モータ37を制御する制御部41とを備える。
図2は本発明に係る車両用シートベルト装置の回路図である。図2に示すように、車両用シートベルト装置30の回路は、電動モータ37をドライバ回路42を介して制御する制御部41と、制御部41に各種の検出信号を発する検出部群50とを、主要な構成要素とする。
検出部群50は加速度センサ51、車速センサ52、操舵角センサ53、アクセルセンサ54、ブレーキセンサ55、障害物検出センサ56、ヨーレイトセンサ57、ロール角センサ58、走行路情報検出部59、ベルト張力センサ61等の各種検出手段からなる。
加速度センサ51は、車両10(図1参照)に加わる加速度を検出する検出手段である。車速センサ52は、車両10の走行速度(車速)を検出する検出手段である。操舵角センサ53は、ステアリングハンドルの操舵角(操舵方向を含む)を検出する検出手段である。アクセルセンサ54は、アクセルペダルの踏込み量を検出する検出手段である。ブレーキセンサ55は、ブレーキペダルの踏込み量を検出する検出手段である。
障害物検出センサ56は、自分の車両10(自車10)の周囲に存在する物体、すなわち障害物を検出する検出手段であって、例えば超音波センサ、赤外線センサ、紫外線センサ、可視光線センサ、レーザセンサ、レーダ式センサ、CCD等の撮像システム(カメラシステム)からなる。
このような障害物検出センサ56は、例えば車体11(図1参照)の前部に設置することにより、車両10の前方に存在する障害物(前方を走行している車両等の移動物体や、立木等の静止物体)を検出することができる。
ヨーレイトセンサ57は、車両10に発生するヨーレイトを検出する検出手段である。ヨーレイトとは、車体がヨー運動(ヨーイング。車体に対して重心を通る鉛直な軸のまわりの回転運動。)をしたときのヨー角速度である。
ロール角センサ58は、車両10に発生するロール角を検出する検出手段である。ロール角とは、車体がロール運動(ローリング。重心を通る車体の前後方向軸まわりの回転運動。)をしたときの回転角である。
走行路情報検出部59は、地図情報や走行路の情報を検出する検出手段であり、例えばカーナビゲーションシステムからなる。
ベルト張力センサ61は、シートベルト31(図1参照)に加わるベルト張力を検出する検出手段であって、例えばシートベルト31に埋め込まれた歪みセンサからなる。
制御部41は、検出部群50の各検出信号を受けて車両10の緊急状態を判断し、車両10の緊急時にはシートベルト31の緩み部分を巻き取るように電動モータ37を駆動制御するとともに、車両10の緊急状態を予知したときには、シートベルト31に振動を付加するように電動モータ37を駆動制御する構成である。例えば、パルス幅変調信号(PWM信号)によって電動モータ37の駆動を制御する。
ここで、「車両10の緊急時」とは、例えば次のような緊急状態に達したことを言う。すなわち、加速度センサ51で検出された検出信号が予め設定された基準加速度を超えたときに、車両10が障害物に衝突したと判断する。これが車両10の緊急時である。
「制御部41が車両10の緊急状態を予知したとき」とは、例えば次の(1)〜(5)のような状態に達したことを言う。
(1)車速センサ52で検出された車速が一定速度以上の場合に、制御部41は速度超過であると判断する(後述する「第2の緊急状態の予知」に相当する。)。
(2)一定時間内において、操舵角センサ53で検出された操舵角の変動幅及びアクセルセンサ54やブレーキセンサ55で検出された操作頻度が小さい場合に、制御部41は居眠り運転であると判断する(後述する「第3の緊急状態の予知」に相当する。)。
(3)車速センサ52で検出された車速において、障害物検出センサ56で検出された障害物までの距離が一定以下の場合に、接近し過ぎなので、制御部41は衝突の可能性ありと判断する(後述する「第3の緊急状態の予知」に相当する。)。
(4)ヨーレイトセンサ57及びロール角センサ58で検出された検出値が過大である場合に、制御部41は車両10の急激な姿勢変化を伴う過激な運転による横転の可能性ありと判断する(後述する「第2の緊急状態の予知」に相当する。)。
(5)走行路情報検出部59で検出された地図情報や走行路の情報により、車両10が急カーブ路や悪路等に差し掛かった場合に、制御部41は運転注意と判断する(後述する「第1の緊急状態の予知」に相当する。)。
図3は本発明に係る車両用シートベルト装置を搭載した車両の走行例を示す模式図であり、走行路Raを走行中における車両10の挙動を平面的に表した。
先ず、図3において(a)は、車両10が走行路Raにおけるカーブ(コーナー)の入口に差し掛かったことを示す。このときに、制御部41(図2参照)は運転注意と判断する。このときにおける、予知された緊急状態の内容のことを「第1の緊急状態」と言うことにする。
次に、図3において(b)は、車両10の過大な姿勢変化や速度超過の走行状態に至ったことを示す。このときに、制御部41は横転の可能性あり又は速度超過と判断する。このときにおける、予知された緊急状態の内容のことを「第2の緊急状態」と言うことにする。
次に、図3において(c)は、車両10の前方を走行している他の車両100までの車間距離Diが過小であって、接近し過ぎの走行状態に至ったことを示す。このときに、制御部41は衝突の可能性ありと判断する。このときにおける、予知された緊急状態の内容のことを「第3の緊急状態」と言うことにする。
次に、上記図2に示す制御部41をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図4に基づき説明する。この制御フローは、例えばイグニッションスイッチ(図示せず)をオンにしたときに制御を開始し、イグニッションスイッチをオフにしたときに制御を終了する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。以下、図1〜図3を参照しつつ説明する。
図4は本発明に係る制御部の制御フローチャートである。
ST01;各種検出部51〜61の検出信号を読み込んだ後に、ST02に進む。
ST02;検出信号に基づき、車両10の運転状況や車両10の周囲の状況(走行路の状況や周囲の障害物の状況など)を判断した後に、ST03に進む。
ST03;上記ST02で判断された運転状況や周囲の状況に基づいて、車両10の緊急状態を判断する。すなわち、通常の走行状態である(緊急状態又は予知される状態ではない)と判断した場合には、ST04に進む。車両10が障害物に衝突したなど、車両10の緊急時であると判断した場合には、ST05に進む。車両10の緊急状態を予知したと判断した場合には、ST06に進む。
ST04;通常状態であるから、シートベルト31の緩み部分を巻き取る必要がないので、電動モータ37を停止させ又は停止状態を維持させた後に、ST01に戻る。
ST05;車両10が緊急状態に達したので、電動モータ37を正回転させるように駆動制御した後に、この制御フローに基づく制御を終了する。この結果、電動モータ37はシートベルト31の緩み部分を緊急に巻き取る。シート20に着座している乗員Maを保護することができる。
ST06;緊急状態を予知したので、上記ST02で判断された運転状況や周囲の状況に基づいて、予知された緊急状態の内容を調べる。予知された緊急状態が「第1の緊急状態」(例えば図3に示す(a)の状態)であると判断した場合には、ST07に進む。予知された緊急状態が「第2の緊急状態」(例えば図3に示す(b)の状態)であると判断した場合には、ST08に進む。予知された緊急状態が「第3の緊急状態」(例えば図3に示す(c)の状態)であると判断した場合には、ST09に進む。
ST07;車両の緊急状態の内容に対応する複数のモータ制御マップの中から、第1の緊急状態に対応する第1モータ制御マップを選択した後に、ST10に進む。第1モータ制御マップ(図6参照)については後述する。
ST08;車両の緊急状態の内容に対応する複数のモータ制御マップの中から、第2の緊急状態に対応する第2モータ制御マップを選択した後に、ST10に進む。第2モータ制御マップ(図8参照)については後述する。
ST09;車両の緊急状態の内容に対応する複数のモータ制御マップの中から、第3の緊急状態に対応する第3モータ制御マップを選択した後に、ST10に進む。第3モータ制御マップ(図9参照)については後述する。
ST10;予知された緊急状態の緊急度合いを判断する。緊急度合いが小さいと判断した場合にはST11に進み、緊急度合いが中であると判断した場合にはST12に進み、緊急度合いが大きいと判断した場合にはST13に進む。
ST11;緊急度合いが小なので、電動モータ37に供給する駆動電流(目標電流)を小の値に設定した後に、ST14に進む。
ST12;緊急度合いが中なので、電動モータ37に供給する駆動電流(目標電流)を中の値に設定した後に、ST14に進む。
ST13;緊急度合いが大なので、電動モータ37に供給する駆動電流(目標電流)を大の値に設定した後に、ST14に進む。
ST14;シートベルト31に加わるベルト張力Btrをベルト張力センサ61で計測した後に、ST15に進む。
ST15;実際のベルト張力Btrが、予め設定された基準最大張力Btoを下回っているか否かを調べ、YESならST16に進み、NOなら基準最大張力Btoに達したと判断してST17に進む。
ST16;上記ST07〜ST09において選択されたモータ制御マップ、及び、上記ST11〜ST13において設定された目標電流に基づいて、電動モータ37を駆動制御した後に、ST01に戻る。この結果、シートベルト31を振動させることができる。
ST17;実際のベルト張力Btrが基準最大張力Btoに達したので、電動モータ37を停止させ又は停止状態を維持させた後に、ST01に戻る。
以上の説明から明らかなように、ST02〜ST03の集合体は、車両10の緊急状態を判断する緊急状態判断手段をなすとともに、緊急状態を予知する予知手段をなす。
ST02及びST06〜ST09の集合体は、車両10の緊急状態の内容に対応する複数の駆動制御モードの中から、現在の緊急状態の内容に応じた1つのモードを選択する、駆動制御モード選択手段をなす。
ST02及びST10〜ST13の集合体は、予知した緊急度合いが高まるにつれて、電動モータ37が発生する駆動トルクを増大させる、モータ駆動トルク調整手段をなす。
ST16は、予知手段、駆動制御モード選択手段及びモータ駆動トルク調整手段の内容に基づいて、電動モータ37の駆動制御を実行するモータ駆動手段をなす。
次に、上記ST07〜ST09で述べた第1、第2、第3モータ制御マップについて詳しく説明する。以下、図1を参照しつつ説明する。
先ず、第1モータ制御マップについて図5〜図7に基づいて説明する。
図5は本発明に係る電動モータの特性図であり、横軸を時間(msec)とし縦軸を電動モータの回転速度として、電動モータの回転特性曲線を示す。
図5の回転特性曲線によれば、電動モータ37(図1参照)の回転速度Nmoは、始動した時点から急速に増大する(加速する)とともに、始動してから時間trが経過したときに定常の速度Nrに達し、その回転速度Nrを維持する特性を有していることが判る。時間trは数百msecである。
この回転特性曲線のうち、始動した時点から一定の始動立上がり時間tsまでの、急激に増大する領域のことを、始動立上がり加速領域Msと言うことにする。始動立上がり時間tsにおける電動モータ37の回転速度NmoはNuである。本発明では、電動モータ37をベルト巻き取り方向へ断続的に駆動制御する際に、巻き取り駆動時に始動立上がり特性部分Msを利用することにした。
図6(a)〜(c)は本発明に係る第1モータ制御マップ説明図である。図6(a)は、横軸を時間(msec)とし縦軸をモータ駆動信号とした、モータ駆動信号特性を示す。図6(b)は、横軸を時間とし縦軸を電動モータの回転速度Nmoとして、図6(a)のモータ駆動信号特性に対応する回転速度Nmoの変化を表した、回転速度特性曲線Miを示す。図6(c)は、横軸を時間とし縦軸をベルト張力Btrとして、図6(b)の回転速度特性曲線Miに対応するベルト張力Btrの変化を表した、ベルト張力特性曲線Ts1を示す。
図6(a)に示すモータ駆動信号は、信号発生開始時点t1から、電動モータ37に一定ピッチの正転パルス(駆動電流パルス)を断続的に発する制御特性の信号である。各正転パルスは方形状を呈する。これらの正転パルスは、シートベルト31を巻き取る方向にのみ電動モータ37を回転(正転)させる、パルスである。各正転パルス間のピッチ(周期)はt11、パルス幅はt12、パルス停止時間はt13である。
信号発生開始時点t1に最初の正転パルスPu1が発生することにより、電動モータ37に通電すると、図6(b)に示すように、若干遅延したモータ始動時点t2で電動モータ37は正転方向に回転を開始する。なお、t1からt2までの遅延時間tdiは、応答遅れ相当時間に相当する。
電動モータ37が完全に停止した状態から上限の回転速度Nu(上限値Nu)まで増速するのに、一定の始動立上がり時間tsを要する。モータ始動時点t2から始動立上がり時間tsを経過した時点を上限到達時点t3とする。
ここで、本発明は、電動モータ37が完全に停止した状態から上限値Nuまで増速する回転速度特性として、上記図5で述べた始動立上がり加速領域Msの特性を採用したことを特徴とする。
始動立上がり加速領域Msの特性を採用したので、電動モータ37に供給する電圧レベルに対して、上限値Nuまで増速する回転速度特性の依存度は、小さくてすむ。すなわち、電圧を大きくしても、電動モータ37の応答特性そのものは大きく変化しない。
パルス停止時間t13の間だけ、電動モータ37への通電を停止することによって、電動モータ37は慣性があるので徐々に減速し、下限値Ndまで減少する。電動モータ37の回転速度Nmoは、最初の正転パルスPu1の発生が停止してから若干遅延した後に、上限値Nuに達し、その後に減少する。
パルス停止時間t13については、電動モータ37が完全に停止する前に、次の正転パルスPu2が発生するように設定している。このため、最初の正転パルスPu1に続く、次の正転パルスPu2の発生が開始した時点t4では、電動モータ37の回転速度Nmoは下限の回転速度Nd(下限値Nd)までしか低下しない。つまり、パルス停止時間t13は、回転速度Nmoが上限値Nuから下限値Ndまで減少するのに要する時間tdrを勘案して設定されている。この結果、電動モータ37は一定の微速Nd(下限値Nd)よりも低下することはない。
なお、次の正転パルスPu2の発生開始時点から回転速度Nmoが再び増大し始めるまでの応答遅れ相当時間は数msecであり、極めて小さいので無視することができる。
同様に、次の正転パルスPu2の発生・停止に応じて、電動モータ37の回転速度Nmoは上限値Nuまで増大した後に下限値Ndまで減少する。以下、複数の正転パルスの発生・停止に応じて、回転速度Nmoが変化することになる。
以上の説明から明らかなように、電動モータ37は、高速の正転(ベルト巻取り方向の回転)と微速の正転(停止側)とを交互に反復することになる。電動モータ37がベルト巻取り方向に高速回転する度に、シートベルト31のベルト張力Btrは増大する。このことを図6(c)に示す。つまり、回転速度Nmoの変化に応じて、図6(c)に示すようにベルト張力Btrは変化する。
すなわち、ベルト張力Btrは、時点t2で電動モータ37が回転を開始することに伴い増大し始め、上限値Nuに達するまで大きく増大し、その後に下限値Ndに達するまで緩やかに増大し、下限値Ndに達した時点t4でシートベルト31のほぼ巻き取り停止により、維持する。
次に、時点t4で回転速度Nmoが再び増大するので、ベルト張力Btrは、上限値Nuに達するまで大きく増大し、その後に下限値Ndに達するまで緩やかに増大し、下限値Ndに達した時点でシートベルト31のほぼ巻き取り停止により、維持する。
以上の説明から明らかなように、ベルト張力Btrは、図6(a)において正転パルスが発せられる度に増大し、正転パルスが無いときには概ね現状の値で維持される。このように、シートベルト31の巻き取り作動によるベルト張力Btrの増大と、シートベルト31のほぼ巻き取り停止によるベルト張力Btrの維持とが、交互に繰り返される。この結果、シートベルト31は振動する。この振動によって、緊急状態が予知されたことを乗員Maに報知して、注意を促すことができる。
回転速度Nmoが下限値Ndから上限値Nuまで増大する時間tur(増大時間tur)や、上限値Nuから下限値Ndまで減少する時間tdr(減少時間tdr)については、乗員Maがシートベルト31の振動を容易に体感できるとともに、乗員Maが体感するシートベルト31による打撃感を抑制できるように、設定することが好ましい。
増大時間turや減少時間tdrが過大であると、シートベルト31の振動を乗員Maが体感し難くなる。例えば増大時間turは、50msecを越えない値に設定することが好ましく、20〜40msecに設定することがより好ましい。減少時間tdrについては、回転速度Nmoが上限値Nuから0(零)まで減少するのに要する電動モータ37の特性や、正転パルスに対する応答遅れ特性等によって決まる。例えば、減少時間tdrは、25msecを越えない値に設定することが好ましく、1〜5msecに設定することがより好ましい。
以上の説明から明らかなように、図6(a)のモータ駆動信号特性の形態は、電動モータ37を正転側と停止側とに交互に反復する制御特性を有しており、制御部41において実行する「第1モータ制御マップ」として採用することができる。この第1モータ制御マップは、シートベルト31を巻き取る方向にのみ電動モータ37を断続的に駆動制御する制御特性の、基本駆動制御モードとなる。
ところで、一般に、電動モータ37の回転速度Nmoを下限値Ndまで減少させる方法として、電動モータ37への通電を維持しつつ、電流や電圧を制御することが考えられる。しかし、電動モータ37には固有の慣性や保持力等があるので、極く短時間で下限値Ndに精度良く制御するには、制御部41やドライバ回路42の制御構成が複雑になり、コストも増すので、得策ではない。
これに対して本発明では、上述のようにパルス停止時間t13を設定することによって、電動モータ37への通電を停止することにした。従って、制御部41やドライバ回路42の制御構成を簡略化して、コストを低減することができる。
図7(a)〜(c)は比較例の第1モータ制御マップ説明図であり、上記図6に対応させて表したものである。
図7(a)は、横軸を時間(msec)とし縦軸をモータ駆動信号とした、比較例のモータ駆動信号特性を示す。図7(b)は、横軸を時間とし縦軸を電動モータの回転速度Nmoとして、図7(a)のモータ駆動信号特性に対応する回転速度Nmoの変化を表した、回転速度特性曲線MiAを示す。図7(c)は、横軸を時間とし縦軸をベルト張力Btrとして、図7(b)の回転速度特性曲線MiAに対応するベルト張力Btrの変化を表した、ベルト張力特性曲線Ts1Aを示す。
図7(a)に示す比較例の正転パルスは、上記図6(a)に示す正転パルスと基本的に同じ波形であり、パルス間のピッチ(周期)はt11A、パルス幅はt12A、パルス停止時間はt13Aである。図6(a)の正転パルスに対して、ピッチt11Aはピッチt11よりも大きく、パルス幅t12Aはパルス幅t12と同一であり、パルス停止時間t13Aはパルス停止時間t13よりも大きい。つまりt11A>t11、t12A=t12、t13A>t13の関係である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、パルス停止時間t13Aは、電動モータ37が完全に停止した後に、次の正転パルスPu2を発生させるように設定されている。つまり、パルス停止時間t13Aは、回転速度Nmoが上限値Nuから0まで減少するのに要する時間tdrAよりも、大きい。言い換えると、パルス停止時間t13Aは、最初の正転パルスPu1の発生が停止してから電動モータ37が完全に停止するまでの時間t13Bよりも、大きい。
このため、次の正転パルスPu2の発生が開始した時点t4Aよりも前に、電動モータ37の回転速度Nmoは0(零)まで低下してしまう。この結果、電動モータ37は完全に停止する。
さらには、図7(b)及び図7(c)に示すように、電動モータ37が完全に停止することによって、プリテンショナ36におけるギヤのバックラッシ等の隙間が無くなるまでに、シートベルト31は若干巻き戻される。この結果、シートベルト31のベルト張力Btrは若干の張力減少量dBtrだけ減少する。その後、停止状態の電動モータ37が再び回転し始めることにより、シートベルト31は巻き取られるので、ベルト張力Btrは再び増大する。
しかしながら、この比較例では、電動モータ37が完全に停止したときのベルト張力Btr(つまり、ベルト保持力)は、プリテンショナ36におけるギヤの噛み合い状態によって、変動し得る。
また比較例では、電動モータ37は常に完全に停止した状態から始動するので、正転パルスが発生してから電動モータ37が始動し始めるまでに、常に比較的大きい遅延時間tdiが発生することになる。この遅延時間tdiは必ずしも一定ではない。従って、乗員Maが体感するベルト振動の振動リズムは、不規則にならざるを得ない。乗員Maにとって、振動リズムは規則的で滑らかであることが好ましい。
遅延時間tdiを一定にするためには、(1)プリテンショナ36におけるギヤの歯数を、1パルスの正転パルスが発生することによって変位するギヤの変位量に対し、整数倍に設定する、又は(2)ギヤ同士の噛み合い精度を極めて高くする等が、考えられる。このような機械的な構成に配慮するのでは、プリテンショナ36の設計の自由度が下がるとともに、プリテンショナ36のコストアップの要因となるので得策ではない。
これに対して本発明では、上記図6に示すように、プリテンショナ36において、ベルト引き出し方向への回転を規制するギヤとスプールとが当たる前の、時点t4で下限値Ndとなるようにした。この結果、時点t4は、ベルト張力Btrが増大状態と維持状態とに変化する、変化分岐点となる。このようにして、ベルト振動を発生させることにした。従って、プリテンショナ36の構成を変更することなく、乗員Maにとって規則的で滑らかな振動リズムを得ることができる。しかも、プリテンショナ36の設計の自由度を確保することができるとともに、プリテンショナ36のコストアップを抑制することができる。
ところで、一般に、電動モータ37は完全に停止した状態から始動するときに、大きい始動トルクを発生する。このため、シートベルト31の巻き取り作動によるベルト張力Btrの初期的な増大が、比較的大きい。つまり、ベルト張力Btrの瞬間的な変化量が大きい。
ここで、図7(c)に示す比較例のベルト張力特性曲線Ts1Aを、上記図6(c)に示す本発明のベルト張力特性曲線Ts1と対比して考える。
図6(c)において、想像線にて示す曲線Ts1Aは、図7(c)に示す比較例のベルト張力特性曲線を転記して表したものである。上述のように、比較例のベルト張力特性曲線Ts1Aによれば、ベルト張力Btrの瞬間的な変化量が大きい(立ち上がり勾配が大きい特性である)。
これに対して本発明は、電動モータ37を完全に停止させることなく、下限値Ndの微速状態から上限値Nuの高速状態に移行させるものである。電動モータ37は、大きい始動トルクを発生することなく、微速状態において始動トルクよりも小さい駆動トルクを発生するに過ぎない。このため、シートベルト31の巻き取り作動によるベルト張力Btrの初期的な増大を抑制することができる。つまり、実線にて示す本発明のベルト張力特性曲線Ts1によれば、ベルト張力Btrの瞬間的な変化量が小さくてすむ。この結果、ベルト振動に伴う拘束力の瞬間的な変化は緩やかになる。従って、乗員が体感するシートベルトによる打撃感を抑制することができる。
次に、第2モータ制御マップについて図8に基づいて説明する。
図8(a),(b)は本発明に係る第2モータ制御マップ説明図である。図8(a)は、横軸を時間(msec)とし縦軸をモータ駆動信号とした、モータ駆動信号特性を示す。図8(b)は、横軸を時間とし縦軸をベルト張力Btrとして、図8(a)のモータ駆動信号特性に対応するベルト張力Btrの変化を表した、ベルト張力特性曲線Ts2を示す。
図8(a)に示すモータ駆動信号は、信号発生開始時点t1から、電動モータ37に一定ピッチの正転パルス(駆動電流パルス)を発する制御特性の信号である。個々の正転パルスは、上記図6(a)に示す正転パルスと実質的に同一の波形であって、パルス間のピッチ(周期)がt11、パルス幅がt12、パルス停止時間がt13である。
但し、図8(a)に示すモータ駆動信号は、ピッチt11で複数の正転パルスを発生する時間帯t14(駆動時間帯t14)と、これらの正転パルスの発生を全く停止する時間帯t15(休止時間帯t15)とを、交互に反復する、いわゆる間欠的な制御特性を有していることを特徴とする。なお、駆動時間帯t14の大きさは任意である。休止時間帯t15は、上記図7(a)に示す比較例のパルス停止時間t13Aよりも大きい。
従って、図8(b)に示すように、シートベルト31のベルト張力Btrは、図8(a)において正転パルスが発せられる度に増大し、正転パルスが無いときには現状の値で維持される。
このように、シートベルト31の巻き取り作動によるベルト張力Btrの増大と、シートベルト31の巻き取り停止によるベルト張力Btrの維持とが、交互に繰り返される。この結果、シートベルト31は上記図6の振動特性とは異なる振動形態で振動する。つまり、休止時間帯t15を有した振動特性で振動する。この振動によって乗員Maに報知して、注意を促すことができる。
以上の説明から明らかなように、図8(a)のモータ駆動信号特性の形態は、電動モータ37を正転側と停止側とに交互に反復する制御特性を有しており、制御部41において実行する「第2モータ制御マップ」として採用することができる。
第2モータ制御マップは、シートベルト31を巻き取る方向にのみ電動モータ37を断続的に駆動制御する制御特性ではあるが、上記図6(a)の基本駆動制御モードの制御特性に対して、電動モータ37の断続時間特性が異なる制御特性を有する、他の駆動制御モードからなる。
次に、第3モータ制御マップについて図9に基づいて説明する。
図9(a),(b)は本発明に係る第3モータ制御マップ説明図である。図9(a)は、横軸を時間(msec)とし縦軸をモータ駆動信号とした、モータ駆動信号特性を示す。図9(b)は、横軸を時間とし縦軸をベルト張力Btrとして、図9(a)のモータ駆動信号特性に対応するベルト張力Btrの変化を表した、ベルト張力特性曲線Ts3を示す。
図9(a)に示すモータ駆動信号は、信号発生開始時点t1から、電動モータ37に正転パルス(駆動電流パルス)と逆転パルス(駆動電流パルス)とを交互に発する制御特性の信号である。正転パルスは、シートベルト31を巻き取る方向にのみ電動モータ37を回転(正転)させる、パルスである。逆転パルスは、シートベルト31を巻き戻す方向にのみ電動モータ37を回転(逆転)させる、パルスである。正転パルス及び逆転パルスの波形は、概ね方形状を呈する。
より具体的に説明すると、モータ駆動信号は、パルス幅t21の正転パルスを発した後に、微小な停止時間t22だけ停止し、その後にパルス幅t23の逆転パルスを発するという駆動サイクルを、1サイクルとする。この駆動サイクルの時間はt24である。さらにモータ駆動信号は、駆動サイクルの次に、パルスの発生を全く停止する休止サイクルを有する。休止サイクルの時間はt25である。
例えば、正転パルスのパルス幅t21は100msec、停止時間t22は10msec、逆転パルスのパルス幅t23は50msec、駆動サイクルの時間t24は160msec、休止サイクルの時間t25は150msecである。
このようにモータ駆動信号は、駆動サイクルと休止サイクルとを交互に反復する、いわゆる間欠的な制御特性を有していることを特徴とする。
電動モータ37は、正転(ベルト巻取り方向の回転)と逆転(ベルト巻き戻し方向の回転)と休止とを、この順に作動するとともに、これらの作動を反復することになる。電動モータ37がベルト巻取り方向に回転する度に、シートベルト31のベルト張力Btrは増大するとともに、電動モータ37がベルト巻き戻し方向に回転する度に、シートベルト31のベルト張力Btrは減少する。このことを図9(b)に示す。
図9(b)に示すように、シートベルト31のベルト張力Btrは、図9(a)において正転パルスが発せられる度に増大し、正・逆転パルスが無いときには現状の値で維持され、逆転パルスが発せられる度にベルト張力Btrが減少する。このように、シートベルト31の巻き取り作動によるベルト張力Btrの増大と、シートベルト31の巻き取り停止によるベルト張力Btrの維持と、シートベルト31の巻き戻し作動によるベルト張力Btrの減少とが、交互に繰り返される。この結果、シートベルト31は振動する。この振動によって乗員Maに報知して、注意を促すことができる。
以上の説明から明らかなように、図9(a)のモータ駆動信号特性の形態は、電動モータ37を正転側と停止側とに交互に反復する制御特性を有しており、制御部41において実行する「第3モータ制御マップ」として採用することができる。
図9(c)は、上記図6(a)に示す第1モータ制御マップを転記して表したものである。図9(d)は、上記図6(c)に示すベルト張力特性曲線Ts1を転記して表したものである。なお、図9(c)及び図9(d)は図9(a)及び図9(b)に対応する。
図9(a)の第3モータ制御マップは、図9(c)の基本駆動制御モードの制御特性に対して、電動モータ37の断続時間特性及び回転方向特性が異なる制御特性を有する、他の駆動制御モードからなる。従って、図9(b)のベルト張力特性曲線Ts3は、図9(d)のベルト張力特性曲線Ts1に対してベルト張力特性が異なる。
上述のように、上記図4に示すST16では、第1モータ制御マップ、第2モータ制御マップ、第3モータ制御マップのうちの1つのマップにおける制御特性で、且つ、緊急度合いに応じた目標電流に基づいて、電動モータ37を駆動制御する。目標電流が大きければ電動モータ37が発生する駆動トルクは大きい。
なお、第2・第3モータ制御マップは、第1モータ制御マップの制御特性に対して電動モータ37の断続時間特性、駆動トルク特性、回転方向特性のうち少なくとも1つが異なる制御特性を有するものであればよい。
以上の説明をまとめると、次の通りである。
制御部41は、車両10の緊急状態を予知したとき(図4のST03)に、基本駆動制御モード(図6の第1モータ制御マップ)と他の駆動制御モード(図8、図9の第2・第3モータ制御マップ)との中から、現在の緊急状態の内容に応じた1つを選択し(図4のST06〜ST09)、この選択された駆動制御モードに基づいて電動モータ37を駆動制御する(図4のST16)構成である。
基本駆動制御モードは、シートベルト31を巻き取る方向にのみ電動モータ37を断続的に駆動制御する制御特性を有する。他の駆動制御モードは、基本駆動制御モードの制御特性に対して電動モータ37の断続時間特性、駆動トルク特性、回転方向特性のうち少なくとも1つが異なる制御特性を有する。
基本駆動制御モードを選択した場合には、電動モータ37の作動を正転(ベルト巻取り方向の回転)と停止とで交互に反復させることができる。つまり、電動モータ37をベルト巻取り方向にのみ、断続的に駆動させることができる。
詳しく述べると、基本駆動制御モードを選択した場合に、制御部41は、電動モータ37をベルト巻き取り方向へ断続的に駆動するように制御するとともに、この断続的な駆動制御のうち、停止の制御状態へ移行したときには、電動モータ37が完全に停止する前に、巻き取り駆動の制御を再開するように構成したものである。
この結果、シートベルト31の巻き取り作動によるベルト張力Btrの増大と、シートベルト31の巻き取り停止によるベルト張力Btrの維持とが、交互に繰り返されることにより、シートベルト31は振動する。この振動によって乗員に報知して、注意を促すことができる。
しかも、電動モータ37が正転する毎にシートベルト31が巻き取られるので、ベルト張力Btrは漸次増大する。ベルト張力Btrの増大に伴い、乗員Ma自身が体感するシートベルト31の拘束力も漸次増大する。緊急状態が予知された時点において、体感する拘束力が過小であった場合や、シートベルト31に緩みがあった場合でも、拘束力が漸次増大するので、乗員Maはシートベルト31が振動していることに、速やかに気付くことができる。従って、より確実に報知することができる。
また、予知の時点で電動モータ37が発生する駆動トルクを、予め小さく設定しておくことによって、予知された初期のベルト振動を弱くし、その後に漸次増大させることができる。このようにすることで、ベルト振動による報知に伴う乗員の煩わしさを解消することができる。
このように、乗員Maの状態(乗員Maの姿勢、着衣の種類や厚み等の状態)やシートベルト31の緩みにかかわらず、車両10の緊急状態の予知段階でシートベルト31の振動によって、乗員Maに、より一層確実に報知できるとともに、報知の煩わしさを解消できる。
さらには、ベルト張力Btrを漸次増大させるようにしたので、緊急状態の予知段階から発生段階へ移行した場合に、緊急時でのシートベルト31による最適な拘束状態に、より迅速に移行させることができる。
さらには、断続的な駆動制御のうち、巻き取り駆動の制御状態から停止の制御状態へ移行したとき、電動モータ37が完全に停止する前に、巻き取り駆動の制御を再開させるようにしたので、電動モータ37を完全に停止させることなく、シートベルト31を振動させて乗員に報知することができる。
一般に、電動モータ37は完全に停止した状態から始動するときに、大きい始動トルクを発生する。これに対して基本駆動制御モードを選択した場合には、電動モータ37を完全に停止させることなく、微速状態から高速状態に移行させるものである。電動モータ37は、大きい始動トルクを発生することなく、微速状態において始動トルクよりも小さい駆動トルクを発生するに過ぎない。このため、シートベルト31の巻き取り作動によるベルト張力Btrの初期的な増大を抑制することができる。この結果、ベルト振動に伴う拘束力の瞬間的な変化は緩やかになる。従って、乗員Maが体感するシートベルト31による打撃感を抑制することができる。
また、電動モータ37を完全に停止させることなく、微速状態から高速状態に移行させるので、巻き取り駆動の制御を再開させたときの駆動トルクを、より均一にすることができる。この結果、拘束力の瞬間的な変化の「ばらつき」を抑制することができる。従って、乗員Maが体感するシートベルト31による打撃感の変化をも抑制することができる。
基本駆動制御モードを選択した場合には、乗員Maに対し、より好適なベルト振動を与えることによって、乗員Maの快適性を確保しつつ乗員Maに確実に注意を促すことができる。しかも、乗員Maが体感するシートベルト31による打撃感を抑制するのに、従来のプリテンショナの構造を変更することなく、そのまま採用することができる。
一方、他の駆動制御モードを選択した場合には、基本駆動制御モードの制御特性に対して電動モータ37の断続時間特性、駆動トルク特性、回転方向特性のうち少なくとも1つが異なる作動特性で、電動モータ37を作動させることができる。電動モータ37の作動特性が異なるので、シートベルト31の振動の形態や、乗員Ma自身が体感するシートベルト31の拘束力が異なる。予知される緊急状態の内容に応じて、電動モータ37の作動特性を異ならせることができるので、予知される緊急状態の内容を乗員Maに速やか且つ確実に報知することができる。
また、制御部41は、予知した緊急度合いが大きいほど、電動モータ37が発生する駆動トルクを増大させるように、電動モータ37を駆動制御するので(図4に示すST10〜ST13の集合)、シートベルト31の振動に強弱を付けることができる。この結果、予知された緊急度合いに応じてシートベルト31による乗員Maの拘束力を大きくすることによって、乗員Maに対して緊急度合いを明確に報知することができる。従って、乗員Maは緊急度合いをより適切に認識して、対応することができる。
なお、上記図6に示す第1モータ制御マップについては、次の図10に示す制御特性であってもよい。
図10(a),(b)は本発明に係る変形例の第1モータ制御マップ説明図である。図10(a)は、横軸を時間(msec)とし縦軸をモータ駆動信号とした、変形例のモータ駆動信号特性を示す。図10(b)は、横軸を時間とし縦軸をベルト張力Btrとして、図10(a)のモータ駆動信号特性に対応するベルト張力Btrの変化を表した、変形例のベルト張力特性曲線Ts1Bを示す。
図10(a)に示すように、変形例の正転パルスは、上記図6(a)に示す正転パルスと基本的に同じ波形である。つまり、図10(a)のモータ駆動信号特性の形態は、電動モータ37を正転側と停止側とに交互に反復する制御特性を有しており、制御部41において実行する変形例の「第1モータ制御マップ」として採用することができる。
但し、図10(a)のモータ駆動信号特性の形態は、信号発生開始時点t1から時間が経過するにつれて各正転パルスの大きさ、つまり電動モータ37を駆動するための駆動電流を、減少させたことを特徴とする。
一般に、シートベルト31の巻き取り作動が進むにつれて、図10(b)の想像線で示すように、ベルト張力Btrは増大する。ベルト張力Btrが増大した結果、巻き取り抵抗は増大する。最終的に、ベルト張力Btrは電動モータ37の駆動トルクと釣り合う大きさに達する。このベルト張力Btrは、電動モータ37が巻き取り駆動を繰り返す度に、段階的に増加するものであり、その段階的な増加度合いは比較的大きい。この結果、乗員Maはシートベルト31の拘束力の増加度合いが過大であると、体感することがあり得る。
これに対して、変形例の制御部41は、図10(a)に示す変形例の「第1モータ制御マップ」を採用することにより、電動モータ37の断続的な駆動制御を開始した時点t1から時間が経過するにつれて、電動モータ37が発生する駆動トルクを減少させるように、電動モータ37を駆動制御する構成である。
従って、時間の経過とともに電動モータ37の駆動トルクが減少するので、電動モータ37が巻き取り駆動を繰り返す度に増加する、ベルト張力Btrの増加度合いも、徐々に減少する。この結果、乗員Ma自身が体感するシートベルト31の拘束力の増加度合いも、徐々に減少する。このようにして、拘束力の増加度合いを漸次減少させることにより、乗員Maに対し、より好適なベルト振動を与えることができるので、乗員Maの快適性をより一層確保しつつ、乗員Maに確実に注意を促すことができる。
なお、本発明の実施の形態において、車両用シートベルト装置30は、複数個のシートのうち、1個又は複数個に着座した乗員を拘束するシートベルト31及びその関連部材を備えた構成であればよい。例えば、運転席と助手席のみに備える、又は更に後部席にも備えることができる。
また、制御部41は、車両10の緊急状態を予知したときには、基本駆動制御モード(図6又は図10の第1モータ制御マップ)だけを実行する構成であってもよい。その場合には、図4に示すST06〜ST09の集合体のうち、ST07だけを残せばよい。
本発明の車両用シートベルト装置30は、シートベルト31の緩み部分を緊急時に巻き取るプリテンショナ36の電動モータ37を備えた装置に好適である。
本発明に係る車両及びシートベルト装置の模式図である。 本発明に係る車両用シートベルト装置の回路図である。 本発明に係る車両用シートベルト装置を搭載した車両の走行例を示す模式図である。 本発明に係る制御部の制御フローチャートである。 本発明に係る電動モータの特性図である。 本発明に係る第1モータ制御マップ説明図である。 比較例の第1モータ制御マップ説明図である。 本発明に係る第2モータ制御マップ説明図である。 本発明に係る第3モータ制御マップ説明図である。 本発明に係る変形例の第1モータ制御マップ説明図である。
符号の説明
10…車両、20…シート、30…車両用シートベルト装置、31…シートベルト、36…プリテンショナ、37…電動モータ、41…制御部、42…ドライバ回路、Btr…ベルト張力、Ma…乗員、Ra…走行路。

Claims (4)

  1. 車両のシートに着座した乗員を拘束するシートベルトと、このシートベルトの緩み部分を緊急時に巻き取るプリテンショナの電動モータと、この電動モータを駆動制御する制御部とを備えた車両用シートベルト装置において、
    前記制御部は、前記車両の緊急状態を予知したときには、前記電動モータをベルト巻き取り方向へ断続的に駆動するように制御するとともに、この断続的な駆動制御のうち、停止の制御状態へ移行したときには、前記電動モータが完全に停止する前に、巻き取り駆動の制御を再開するように構成したことを特徴とする車両用シートベルト装置。
  2. 前記制御部は、前記予知した緊急状態の緊急度合いが大きいほど、前記電動モータが発生する駆動トルクを増大させるように、電動モータを駆動制御する構成であることを特徴とした請求項1記載の車両用シートベルト装置。
  3. 前記制御部は、前記電動モータの断続的な駆動制御を開始した時点から時間が経過するにつれて、前記電動モータが発生する駆動トルクを減少させるように、電動モータを駆動制御する構成であることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の車両用シートベルト装置。
  4. 車両のシートに着座した乗員を拘束するシートベルトと、このシートベルトの緩み部分を緊急時に巻き取るプリテンショナの電動モータと、この電動モータを制御する制御部とを備えた車両用シートベルト装置において、
    前記制御部は、前記車両の緊急状態を予知したときには、前記車両の緊急状態の内容に対応する複数の駆動制御モードの中から、現在の緊急状態の内容に応じた1つのモードを選択し、この選択された駆動制御モードに基づいて前記電動モータを駆動制御するように構成したものであり、
    前記複数の駆動制御モードは、前記シートベルトを巻き取る方向にのみ前記電動モータを断続的に駆動制御する制御特性の基本駆動制御モードと、この基本駆動制御モードの制御特性に対して前記電動モータの断続時間特性、駆動トルク特性、回転方向特性のうち少なくとも1つが異なる、他の駆動制御モードとからなることを特徴とした車両用シートベルト装置。
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