JPH0624654A - 多品種ボビンの搬送システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定マークが施されたトレイと特定色のカラ
ーボビンと組合せ違いを確実且つ簡単に判別できる多品
種ボビンの搬送システムを提供する。 【構成】 特定色のカラーボビンに巻かれた給糸ボビン
１を特定マークが施されたトレイ３に挿立し、このトレ
イ３の２種以上を混流させるメイン搬送路Ｆ１から、ト
レイセレクタ４１により特定マークのトレイ３を選別し
て特定巻取ユニット群ＳＣ１，ＳＣ２の配送路ｆ１，ｆ
２に分流させる多品種ボビンの搬送システムにおいて、
前記配送路ｆ１，ｆ２に特定色のカラーボビンを判別す
るカラーセンサ１０を配設したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、特定品種の糸が巻かれ
た給糸ボビンを生産する精紡機の２台以上と、この精紡
機に対応して２以上の巻取ユニット群に区分した自動ワ
インダとの間を結ぶ多品種ボビンの搬送システムに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】このような搬送システムでは、２以上の
精紡機からの多品種ボビンが混流しており、各巻取ユニ
ット群の手前で、特定品種の給糸ボビンを選別して、各
巻取ユニット群の配送路に分流させる必要がある。その
ため、図２に示されるように、特定色のカラーボビン２
に特定品種の糸が巻かれた給糸ボビン１を特定マークが
施されたトレイ３に挿立するようにして、特定品種であ
ることが区別できるようにしている。具体的には、特定
マークが施されたトレイ３として円盤状基体５の周囲に
上下位置が異なる３つのスリット６Ａ，６Ｂ，６Ｃのう
ちいずれかが設けられ、更にスリット６Ａ，６Ｂ，６Ｃ
の位置に対応してトレイ３全体が例えば白・黒・青に着
色されているのが通常である。また、特定色のカラーボ
ビン２として、その全体が赤、青、緑に着色されてお
り、特定品種は特定色のカラーボビンに巻かれた給糸ボ
ビンとなっている。

【０００３】各巻取ユニット群の手前では、トレイ３０
の特定マークにより特定品種の給糸ボビンを選別して分
流させるようになっている。そのためのトレイセレクタ
４１を図３で説明する。トレイセレクタ４１は、上下配
置の３枚のフラッパ４２と、このフラッパ４２に基づい
て作動する駆動装置４３と、駆動装置４３で切り替わる
ゲート４４とから成っている。トレイ３の所定位置にあ
るスリットにより３枚のフラッパ４２のうちいずれかが
図示のように揺動し、特定マークのトレイ３であると、
駆動装置４３がゲート４４を破線４９位置に切り替え、
トレイ３を分流させるようになっている。

【０００４】つぎに、上述したトレイセレクタ４１を有
する多品種ボビンの搬送路の従来例を図４〜図６により
説明する。図４は多品種ボビンの搬送システムの一例を
示すレイアウト図、図５はこの搬送システムの要部の平
面図、図６は巻取ユニットの斜視図である。

【０００５】図４において、精紡機ＳＰ１〜ＳＰ３で異
種の糸が生産され、精紡機ＳＰ１の糸は巻取ユニット群
ＳＣ１で巻き返され、紡績機ＳＰ２の糸は巻取ユニット
群ＳＣ２で巻き返され、精紡機ＳＰ３の糸は巻取ユニッ
ト群ＳＣ３で巻き返されるというように、各精紡機に対
して一つの巻取ユニット群が対応する。Ｆ１は各精紡機
からのメイン供給路であり、各巻取ユニット群ＳＣ１〜
ＳＣ３はメイン供給路Ｆ１から分岐した配送路ｆ１〜ｆ
３を有する。空ボビン或いは残糸付ボビンは巻取ユニッ
ト群ＳＣ１〜ＳＣ３からの共通の帰還路Ｒと各精紡機へ
の分岐帰還路ｒ１〜ｒ３を経て各精紡機ＳＰ１〜ＳＰ３
に戻る。

【０００６】メイン供給路Ｆ１の一箇所には、給糸ボビ
ン１の糸端を出すための口出し装置ＡＣＦが配置され、
メイン供給路Ｆ１の各巻取ユニット群の配送路ｆ１〜ｆ
２の入口１１〜１２位置には、トレイセレクター４１が
配置されている。一方、帰還路Ｒには残糸付ボビンを口
出し装置ＡＣＦへ供給する通路Ｒ１がセレクター４５を
介して接続され、また、別に極少残糸付ボビンの残糸を
除去する極少残糸除去装置ＳＴが配置されている。４６
は残糸付ボビン検出用センサ、４７は極少残糸付ボビン
検出用センサである。更に、帰還路Ｒの各精紡機位置に
はそれぞれトレイセレクタ４１が配置されている。各精
紡機から得られる給糸ボビン１は、糸の番手の相違によ
って異なる色のカラーボビン２に巻かれており、糸種毎
にマークの異なるトレイ３に装着されて、メイン供給路
Ｆ１へ糸種毎にグループ化、または糸種に関係なくラン
ダムに移送される。

【０００７】矢印４０方向へ移送された給糸ボビンは、
口出し装置ＡＣＦにより順次口出しされ、図２の如く糸
端をカラーボビン２の中心孔へ垂下した状態で、メイン
供給路Ｆ１上を移送される。口出しが失敗した給糸ボビ
ンは、フィードバック通路３９により再度口出し装置Ａ
ＣＦへ供給される。口出しされた給糸ボビンは、メイン
供給路Ｆ１上を自動ワインダＷに向かって移送される。
図５に示されるように、トレイセレクタ４１で特定マー
クのトレイ３を選別して、精紡機ＳＰ１の給糸ボビンで
あれば、ゲート４４を実線位置から破線位置４９へと旋
回させ、給糸ボビン１を配送路ｆ１上へ供給する。同様
にして、精紡機ＳＰ２の給糸ボビンについても、対応す
る巻取ユニット群ＳＣ２のトレイセレクタ４１により、
精紡機ＳＰ２の給糸ボビン１が配送路ｆ２へ供給され
る。このようにして、各精紡機に該当する巻取ユニット
群へ給糸ボビンの供給が行われ、各巻取ユニット群内に
おいては、図６に示す各巻取ユニット５１の取り込み口
５２より円盤５３上の待機溝５４へ取り込まれ、トレイ
３に装着された状態で巻取位置へ所定の給糸ボビンが供
給されて、巻き返しが行われる。

【０００８】しかしながら、上述した多品種ボビンの搬
送路においては、特定マークのトレイ３を選別している
だけであり、給糸ボビン１自体を選別しているわけでは
ないので、トレイ３と給糸ボビン１の組合せが間違って
いる可能性がある。一般に糸番手の違いは目視では判別
できず、自動ワインダのロット全体が不良品となるた
め、品種違いは絶対あってはならない。

【０００９】そこで、この種の多品種ボビンの搬送シス
テムでは、トレイ３と給糸ボビン１の組合せまで検査す
る必要性が生じる。そのため、従来図４及び図５に示さ
れるように、各巻取ユニット群の手前に位置するメイン
供給路Ｆ１に、カラーセンサ１０Ａ，１０Ｂを配設し、
特定マークのトレイ３に特定のカラーボビンに巻かれた
給糸ボビン１が挿立されているかを確認するものが提案
されている。図７に示されるように、カラーセンサ１０
Ａ，１０Ｂは、光を照射する投光器８と、その反射光を
受光する受光器９と、受光器からの信号を受けて色を検
出する図外の電気的回路部分とからなっており、カラー
センサ１０Ａはカラーボビン２の上端周面を狙って配置
され、カラーセンサ１０Ｂはトレイ３の中央突起部周面
を狙って配置されている。例えば、白色のトレイ３には
赤色のカラーボビン２が挿立され、黒色のトレイ３には
青色のカラーボビン２が挿立され、青色のトレイ３には
緑色のカラーボビン２が挿立されているはずであり、も
しトレイ３とカラーボビン２の色との組合せが誤ってと
きは、機械全体を停止させその原因が追求される。な
お、このカラーセンサ１０Ａ，１０Ｂの測定はトレイ３
の搬送中又は一時停止時に行われる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上述した多品種ボビン
の搬送システムでは、カラーセンサ１０Ａがカラーボビ
ン２の赤、青、緑を判別して始めて、組合せ間違いが検
査できる。ところが、例えば青と緑は共通の色成分を有
しており、またトレイに挿立された給糸ボビンは揺動し
ながら搬送されているか、又は斜めに停止したりするた
め、カラーセンサ１０Ａで赤、青、緑を区別することは
簡単なことではない。そのため、特開平１−１８５４２
１のように各色の色相成分をその和である輝度成分で除
し、揺動に起因するうねりを除去したり、特開平１−１
９２６７８のように一方の色には含まれるが他方の色に
は含まれない色相成分に着目して判別する方法が提案さ
れている。しかしながら、これらの方法も完全とは言え
ず、上述した従来の多品種ボビンの搬送システムでは、
カラーボビンの特定色の判別を誤り、不必要に機械全体
を停止させ、その点検に手間取るという問題点を有して
いた。

【００１１】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、特定マークが施されたトレイと特定色のカラー
ボビンと組合せ違いを確実且つ簡単に判別できる多品種
ボビンの搬送システムを提供するところにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における多品種ボビンの搬送システムは、特
定色のカラーボビンに巻かれた給糸ボビンを特定マーク
が施されたトレイに挿立し、このトレイの２種以上を混
流させるメイン搬送路から、特定マークのトレイを選別
して特定巻取ユニット群の配送路に分流させる多品種ボ
ビンの搬送システムにおいて、前記配送路に特定色のカ
ラーボビンを判別するカラーセンサを配設したものであ
る。

【００１３】

【作用】多品種ボビンの判別は各巻取ユニット群に至る
までに判別されなければならないとう従来の常識を打ち
破り、まず各巻取ユニット群へ特定マークが施されたト
レイを分流した後に、カラーボビンセンサで組合せ違い
を検査するようにしたものであり、先に特定マークが施
されたトレイを分流させると、特定色のカラーボビンと
なるはずであり、カラーセンサは特定色であるかどうか
だけを判別すればよい。例えば、赤であるかどうかの判
別ですみ、赤、青、緑を区別して判別する必要がなく、
判別精度が格段に向上する。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１は本発明の搬送システムの要部を示す
平面図である。図５の従来例と異なる部分はカラーボビ
ンの色を確認するカラーセンサ１０が各巻取ユニットの
搬送路に設けられて点であり、その他の点は図５と同様
であるので、同じ作動をする部分については同じ符号を
付してその説明を省略する。

【００１５】図１において、トレイセレクタ４１がメイ
ン供給路Ｆ１の各巻取ユニット群ＳＣ１，ＳＣ２に対応
する位置に設けられ、特定マークが施されたトレイを選
別して配送路ｆ１，ｆ２に分流するのは従来と同じであ
る。しかし、カラーセンサ１０は配送路ｆ１，ｆ２の入
口１１，１２に配設されており、特定マークが施された
トレイに挿立されたカラーボビンの色を検出するように
なっている。なお、このカラーセンサ１０は入口１１，
１２から本流に入った例えばＡ点を狙って配置すること
もできる。要は、トレイセレクタ４１から各巻取ユニッ
ト５１に取り込まれるまでの通路にカラーボビンセンサ
１０を配置する。

【００１６】図２に示されるように、このカラーセンサ
１０は、光を照射する投光器８と、その反射光を受光す
る受光器９と、受光器からの信号を受けて色を検出する
図外の電気的回路部分とからなっており、カラーボビン
２の上端周面を狙って配置されている。特定マークが施
されたトレイを分流させた後では、カラーボビンは特定
色のはずであり、このカラーセンサ１０は、例えば、赤
であるかどうかの判別ですみ、赤以外の色相があれば、
組合せ違いと判別でき、それが青、緑かを区別して判別
する必要がない。したがって、カラーボビンセンサ１０
の判別精度は格段に向上し、正常な組合せを誤って異常
と判別する場合が激減し、機械の稼働効率を低下させる
ことがなくなる。そして、カラーセンサ１０が特定色の
カラーボビンでないと判断した場合、特定マークが施さ
れたトレイと特定色のカラーボビンと組合せ違いという
重大はトラブルが発生していることを意味し、少なくと
もその巻取ユニット群ＳＣ１，ＳＣ２の巻取を停止して
点検を行う。また、配送路ｆ１，ｆ２からその組合せ違
いのトレイを排出したり、帰還路Ｒへのバイパス通路を
介して戻すこともできることは勿論である。

【００１７】

【発明の効果】本発明における多品種ボビンの搬送シス
テムは、配送路に特定色のカラーボビンを判別するカラ
ーセンサを配設したものであり、先に特定マークが施さ
れたトレイを分流させると、特定色のカラーボビンとな
るはずであり、カラーセンサは特定色であるかどうかだ
けを判別すればよく、例えば、赤であるかどうかの判別
ですみ、赤、青、緑、黄を区別して判別する必要がない
ので、トレイとカラーボビンの組合せ違いを確実且つ簡
単に判別できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の搬送システムの要部を示す平面図であ
る。

【図２】トレイの特定マークとカラーセンサの配置を示
す断面図である。

【図３】トレイセレクタを示す図である。

【図４】従来の多品種ボビンの搬送システムの一例を示
すレイアウト図である。

【図５】従来の搬送システムの要部の平面図である。

【図６】巻取ユニットの斜視図である。

【図７】従来のカラーセンサの配置を示す図である。

【符号の説明】

１ 給糸ボビン ２ カラーボビン ３ トレイ １０ カラーセンサ ＳＣ１〜ＳＣ４ 巻取ユニット群 Ｆ１ メイン搬送路 ｆ１〜ｆ４ 配送路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 特定色のカラーボビンに巻かれた給糸ボ
   ビンを特定マークが施されたトレイに挿立し、このトレ
   イの２種以上を混流させるメイン搬送路から、特定マー
   クのトレイを選別して特定巻取ユニット群の配送路に分
   流させる多品種ボビンの搬送システムにおいて、前記配
   送路に特定色のカラーボビンを判別するカラーセンサを
   配設したことを特徴とする多品種ボビンの搬送システ
   ム。