JPH0348409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は機械的遠隔操作手段として一般に用い
られるケーブルの固定装置に関するものである。

〔従来の技術〕

例えば自動車におけるアクセルペダルとエンジ
ンの燃料制御部材とに連結され、アクセルペダル
の操作による軸方向の変位を燃料制御部材へ伝達
する手段としてコントロールケーブルが広く使用
されている。このようなコントロールケーブルの
端部は例えば実開昭59−108815号公報に開示され
るような手段により固定される。すなわち、第４
図に示すように、コントロールケーブルはアウタ
チユーブ８にインナケーブル２を挿通して構成さ
れ、アウタチユーブ８の各端部がアクセルペダル
および燃料制御部材の近傍部に配設したブラケツ
ト１２に固定され、インナケーブル２がアクセル
ペダルにより軸方向に移動されると、この変位が
燃料制御部材へ伝達されるようになつている。ア
ウタチユーブ８の端部はねじ軸部５を一体に備え
た固定部材２０の円筒部に嵌合され、かつかしめ
部７を外周側から絞るようにかしめて結合され
る。そして、ねじ軸部５がブラケツト１２に貫通
され、かつ１対のナツト９を締め付けて固定され
る。ねじ軸部５から外部へ突出するインナケーブ
ル２との間にはゴムなどからなるブーツ３が装着
され、かつリング４により外れないように押えら
れる。

ねじ軸部５をブラケツト１２に貫通支持するた
めに、第５図に示すように、ブラケツト１２にＵ
字形の切欠２４が設けられ、この相対向する縁部
にブラケツト１２の板面から突出する１対の突部
２４ａがプレス成形される。そして、切欠２４へ
ねじ軸部５を挿入し、１対のナツト９を締め付け
れば、ねじ軸部の５の径方向の移動は一方のナツ
ト９の周面に突部２４ａが当つて抑えられる。

しかしながら、この従来技術において、突部２
４ａとナツト９との係合だけでは、長期使用に内
には車体の振動などによりナツト９が緩む恐れが
あり、一旦ナツト９が緩むとねじ軸部５が切欠２
４から外れてしまう恐れがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案の目的は、ブラケツトの穴への装着が簡
単でありながら、ナツトが緩んでもブラケツトか
ら固定部材が外れることのないコントロールケー
ブルの端部固定装置を提供することにある。

〔問題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の構成はブ
ラケツトに設けた穴の周縁にブラケツトの縁部へ
開口しかつ穴径よりも幅の狭い切欠を設ける一
方、ケーブルのねじ軸部に互いに平行で軸線に対
して傾斜しかつ前記切欠を通過し得る溝を設け、
ねじ軸部に螺合した１対のナツトによりブラケツ
トの穴を貫通するねじ軸部をブラケツトに固定す
るようにしたものである。

〔作 用〕

ブラケツト１２の板面に対して固定部材２０の
ねじ軸部５を傾斜させて１対の溝６を縁部１３ａ
へ係合すれば、固定部材２０は穴１４の内部へ挿
通することができ、ここでねじ軸部５の姿勢をブ
ラケツト１２の板面に対して垂直に固定すれば、
ナツト９が緩んでも切欠１３から抜け出ることが
ない。

〔考案の実施例〕

本考案を実施例に基づいて説明する。第１図に
示すように、コントロールケーブルはアウタチユ
ーブ８とこれに挿通したインナケーブル２とから
構成され、アウタチユーブ８の端部が中空の固定
部材２０の端部に設けた薄肉円筒部へ嵌合され、
外周側からかしめ部７をかしめて結合される。イ
ンナケーブル２は固定部材２０を貫通して環状溝
１０を有する端部から突出され、この環状溝１０
にブーツ３を係合し、リング４をもつて外れない
ように保持される。このブーツ３に設けたリツプ
がインナケーブル２の外周面に接し、固定部材２
０の中空部へ埃などが侵入するのを防ぐようにな
つている。固定部材２０にはねじ軸部５が形成さ
れ、これに１対のナツト９が螺合される。このよ
うな構成は従来例と同様である。

本考案によれば、ねじ軸部５の外周面に互いに
平行で軸線に対して傾斜した１対の溝６が形成さ
れる。この溝６によりねじ軸部５は肉厚ｔとされ
る。一方、第３図に示すように、ブラケツト１２
はねじ軸部５の外径よりも僅かに大きな内径の穴
１４が設けられ、この穴１４からブラケツト１２
の縁部１２ａへ向つて切欠１３が設けられる。こ
の切欠１３の縁部１３ａの間隔はねじ軸部５の肉
厚ｔよりも僅かに大きくされる。

本考案は上述のように構成することにより、次
のようにしてブラケツト１２に固定部材２０を取
り付けることができる。すなわち、固定部材２０
をブラケツト１２の板面に対して傾斜させ、溝６
が切欠１３の縁部１３ａに係合するようにして固
定部材２０を穴１４へ挿入し、その後に固定部材
２０の姿勢をブラケツト１２の板面と直角にし、
１対のナツト９をブラケツト１２の両面に締結す
れば、固定部材２０がブラケツト１２に固定され
る。ブラケツト１２に対する固定部材２０の軸方
向の位置は１対のナツト９を螺動させて調節する
ことができる。

本考案は上述のように、固定部材２０をブラケ
ツト１２の切欠１３を経て穴１４へ挿入する場合
に、ブラケツト１２の板面に対して傾斜させなけ
れば挿入することはできず、ねじ軸部５がブラケ
ツト１２の板面と直角な向きにあるときは、ねじ
軸部５が穴１４から外方へ外れる恐れは全くな
い。したがつて、ナツト９が緩んだ場合でも、固
定部材２０がブラケツト１２の板面に対して大き
く傾くことがないから、ブラケツト１２から外れ
る恐れがない。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように、ブラケツトに設けた穴
の周縁にブラケツトの縁部へ開口しかつ穴径より
も幅の狭い切欠を設ける一方、ケーブルのねじ軸
部に互いに平行で軸線に対して傾斜しかつ前記切
欠を通過し得る溝を設け、ねじ軸部に螺合した１
対のナツトによりブラケツトの穴を貫通するねじ
軸部をブラケツトに固定するようにしたものであ
り、穴へねじ軸を挿通するに当り、ねじ軸の傾斜
した１対の溝を切欠に係合して行うものであるか
ら、ねじ軸部に螺合した１対のナツトによりブラ
ケツトが挟持されるようにすれば、ナツトが多少
緩んでも振動などによりねじ軸が穴から脱落する
ことがない。

本考案によれば、従来例に比べて、ねじ軸部に
１対の傾斜した溝を設けるだけであり、加工が簡
単であり、ブラケツトに対する装着も簡単であ
り、より信頼性の高い固定装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るケーブルの固定装置の側
面図、第２図は同装置の固定部材の正面断面図、
第３図は同固定部材を支持するブラケツトの正面
図、第４図は従来のケーブルの固定装置の側面
図、第５図は同正面断面図である。 ２……インナケーブル、５……ねじ軸部、６…
…溝、８……アウタチユーブ、９……ナツト、１
２……ブラケツト、１３……切欠、１４……穴、
２０……固定部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブラケツトに設けた穴の周縁にブラケツトの縁
   部へ開口しかつ穴径よりも幅の狭い切欠を設ける
   一方、ケーブルのねじ軸部に互いに平行で軸線に
   対して傾斜しかつ前記切欠を通過し得る溝を設
   け、ねじ軸部に螺合した１対のナツトによりブラ
   ケツトの穴を貫通するねじ軸部をブラケツトに固
   定することを特徴とするケーブルの固定装置。