JPH0213767Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は新規な自動車用ヘツドランプのアジヤ
ステイングナツトに関する。詳しくは、自動車用
前照灯を車体に対して傾動可能に取着する場合
に、自動車用前照灯と車体との間を間隔調整自在
に連結するアジヤステイングスクリユーを捩じ込
むためのナツトとして好適であり、車体に自動車
用前照灯を組み込む際の作業性が極めて良好とな
る等の効果を奏する新規な自動車用ヘツドランプ
のアジヤステイングナツトを提供しようとするも
のである。

背景技術とその問題点 前照灯を車体に対して傾動自在に取着する場
合、車体との間の間隔を調整自在に連結する箇所
では、アジヤステイングスクリユーの頭部を前照
灯に係着し、アジヤステイングスクリユーの先端
部を車体に取着したナツトに捩じ込むようにする
構造があり、そのような場合のナツトとして、従
来は第１図に示すようなものａが使用されてい
た。

ナツトａは稍弾性のある合成樹脂で形成され、
中央を貫通する捩じ込み孔ｂが形成されている。
また、ナツトａの外周面には環状の取付溝ｃが形
成されており、該取付溝ｃが車体に形成された取
付孔ｄに係合されることによつて、ナツトａが車
体ｅに取着される。そして、このように車体ｅに
取着されたナツトａの捩じ込み孔ｂにアジヤステ
イングスクリユーｆの先端が捩じ込まれ、かつ、
その頭部ｇに前照灯（図示を省略してある。）が
係着される。

ところが、第１図に示した従来タイプのナツト
ａを使用すると、前照灯を車体に組み付ける際
に、作業者が車体ｅに取着されたナツトａにアジ
ヤステイングスクリユーｆを捩じ込んで行き、車
体ｅとアジヤステイングスクリユーｆの頭部ｇと
の間の間隔l₁を所定の値になるように調整しなけ
ればならない。このようなスクリユーの捩じ込み
作業は結構手間のかかることであり、また、前照
灯の車体ｅへの組み付け時に間隔l₁の調整を行な
うことは作業条件等から考えてきわめて煩わしい
ことである。このため、従来にあつては、前照灯
の車体への組み付け作業性がきわめて悪かつた。

考案の目的 そこで、本考案は、自動車用前照灯を車体に対
して傾動可能に取着する場合に、自動車用前照灯
と車体との間を間隔調整自在に連結するアジヤス
テイングスクリユーを捩じ込むための自動車用ヘ
ツドランプのアジヤステイングナツトとして使わ
れ、車体に自動車用前照灯を組み込む際の作業性
が極めて良好となる等の効果を奏する新規な自動
車用ヘツドランプのアジヤステイングナツトを提
供することを目的とする。

考案の概要 上記目的を達成するため、本考案自動車用ヘツ
ドランプのアジヤステイングナツトは、取付基部
に取着されるアウターピースと、該アウターピー
スに固定されるインナーピースとから成り、イン
ナーピースにはアウターピースへの嵌着方向と同
じ方向に延びる捩じ込み孔が貫設され、該捩じ込
み孔にアジヤステイングスクリユーが所定量捩じ
込まれ、上記アウターピースにはアジヤステイン
グスクリユーが捩じ込まれたインナーピースが嵌
合される貫通孔が形成されていることを特徴とす
る。

実施例 以下に、本考案自動車用ヘツドランプのアジヤ
ステイングナツトの詳細を図示実施例に従つて説
明する。

１は本考案に係るナツトで、アウターピース２
とインナーピース３とから成る。

アウターピース２は稍弾性を有する合成樹脂に
よつて成形されている。このアウターピース２は
略角筒状をしており、その前端にはフランジ４が
一体に形成されており、かつ、フランジ４の基部
に接して環状の溝５が形成されている。該環状溝
５から後方の部分６の外面は後端に向うに従つて
縮径されるテーパーが付されており、これに伴つ
て、貫通孔７の後方部８も後端に行くに従つて縮
径するようにされている。

アウターピース２の後方部６のうち一対の相対
向する壁には後端から軸方向に沿つて中程まで延
びる切欠９，９が形成され、これによつて、該後
方部６が外方へ撓むことができるようにされてい
る。

インナーピース３も稍弾性を有する合成樹脂に
よつて形成されており、略角柱状をしており、そ
の中心を貫く断面円形の捩じ込み孔１０が形成さ
れている。そして、インナーピース３の前端部に
はフランジ１１が形成されている。更に、インナ
ーピース３の外面には軸方向に幅広の環状凹部が
形成され、これによつて、後端に環状の突条１２
が形成され、かつ、該環状突条１２の外面１３は
傾斜面とされ、これによつて縮径するようにされ
ている。

以下に、上記のように構成されたナツト１をラ
ンプボデイとリフレクタとの間の取付に使用した
例について説明する。

１４はアジヤステイングスクリユーで、頭部１
５から稍離れた箇所に鍔１６が一体に形成されて
いる。このようなアジヤステイングスクリユー１
４はナツト１のインナーピース３の捩じ込み孔１
０に予め捩じ込まれ、インナーピース３のフラン
ジ１１全面と頭部１５との間隔l₂が所定の値にな
るようにされている。また、アウターピース２は
車体１７に形成された取付孔１８に取着される。
これは、アウターピース２の後端を取付孔１８の
縁に当てがい、そのまま押し込めば、アウターピ
ース２の後方部６が縮径し、環状溝５の箇所ま
で、容易に取付孔１８の縁に係合し、これによつ
て、アウターピース２は車体１７に取着される。

１９は自動車用前照灯であり、この自動車用前
照灯１９には側方へ突出した取付片２０，２０が
形成されており、そして、該取付片２０，２０に
は係合切欠２１，２１が形成されている。

しかして、前記アジヤステイングスクリユー１
４の頭１５と鍔１６との間の部分を係合切欠２１
に係合させることによつて、アジヤステイングス
クリユー１４を自動車用前照灯１９に連結し、そ
れから、該アジヤステイングスクリユー１４と予
め結合されたインナーピース３を車体１７に取着
されたアウターピース２に押し込む。すると、イ
ンナーピース３の後端に形成された環状突条１２
はその傾斜面１３がアウターピース２の貫通孔７
前縁に案内されて容易に該貫通孔７内に導かれ
る。そして、更にインナーピース３を押し込む
と、環状突条１２はアウターピース２の後方部６
を押し拡げながら進み、最後に、環状突条１２が
貫通孔７を後端へ抜けたところで、アウターピー
ス２の後方部６が縮径し、後方部６の後端が環状
突条１２の前面２２に係合する。そして、このと
き、インナーピース３のフランジ１１の後面がア
ウターピース２のフランジ４前面と衝合する。こ
のようにして、インナーピース３はアウターピー
ス２を介して車体１７に確実に取着され、これと
同時に、アジヤステイングスクリユー１４による
車体１７と自動車用前照灯１９との連結も完了す
る。そして、インナーピース３とアジヤステイン
グスクリユー１４の頭部１５との間の間隔l₂も予
め所定の値に設定されているため、上記連結と同
時に、車体１７とアジヤステイングスクリユー頭
部１５との間の間隔l₁も自動的に決まり、あらた
めて調整を行なう必要がない。

考案の効果 以上に記載したところから明らかなように、本
考案自動車用ヘツドランプのアジヤステイングナ
ツトは、取付基部に取着されるアウターピース
と、該アウターピースに固定されるインナーピー
スとから成り、インナーピースにはアウターピー
スへの嵌着方向と同じ方向に延びる捩じ込み孔が
貫設され、該捩じ込み孔にアジヤステイングスク
リユーが所定量捩じ込まれ、上記アウターピース
にはアジヤステイングスクリユーが捩じ込まれた
インナーピースが嵌合される貫通孔が形成されて
いることを特徴とするもので、自動車用前照灯を
車体に対して傾動可能に取着する場合に、自動車
用前照灯と車体との間を間隔調整自在に連結する
アジヤステイングスクリユーを捩じ込むためのナ
ツトとして好適であり、車体に自動車用前照灯を
組み込む際の作業性が極めて良好となる。

尚、上記使用例においては、本考案自動車用ヘ
ツドランプのアジヤステイングナツトを自動車用
前照灯と車体との間の連結に使用した場合を例と
して説明したが、これに限らず、例えば、ランプ
ボデイとリフレクタとの間を連結する場合等にも
使用することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のナツトの一例を示すもので、Ａ
はアジヤステイングスクリユーを締結する前の状
態を示す側面図、Ｂはアジヤステイングスクリユ
ーを締結した状態を示す側面図、第２図乃至第４
図は本考案自動車用ヘツドランプのアジヤステイ
ングナツトの実施の一例を示すもので、第２図は
インナーピースにアジヤステイングスクリユーを
結合した状態で示す分解斜視図、第３図はインナ
ーピースにアジヤステイングスクリユーを結合し
た状態で示す側面図で、Ａはインナーピースとア
ウターピースに結合する前を示し、Ｂはインナー
ピースをアウターピースに結合した状態を示し、
第４図は本考案に係る自動車用ヘツドランプのア
ジヤステイングナツトをランプボデイとリフレク
タとの間の取付に使用した例を示す斜視図であ
る。 符号の説明、１……ナツト、２……アウターピ
ース、３……インナーピース、７……貫通孔、１
０……捩じ込み孔、１４……アジヤステイングス
クリユー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 取付基部に取着されるアウターピースと、該ア
   ウターピースに固定されるインナーピースとから
   成り、 インナーピースにはアウターピースへの嵌着方
   向と同じ方向に延びる捩じ込み孔が貫通され、 該捩じ込み孔にアジヤステイングスクリユーが
   所定量捩じ込まれ、 上記アウターピースにはアジヤステイングスク
   リユーが捩じ込まれたインナーピースが嵌合され
   る貫通孔が形成されている ことを特徴とする自動車用ヘツドランプのアジヤ
   ステイングナツト。