JPH0215004Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のラツクピニオン式ステアリ
ングリンケージに用いられるインナーボールジヨ
イントの取付け構造に関する。

（従来技術） 従来、ラツクピニオン式ステアリングリンケー
ジにおけるラツク軸の軸端に対するインナーボー
ルジヨイントの取付け構造は、間にワツシヤを介
在してラツク軸の軸端に形成したねじ穴に、イン
ナーボールジヨイントソケツトの後端に一体に形
成したねじ軸部を螺合して締付け固定するように
なつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来のインナーボー
ルジヨイントの取付け構造にあつては、車軸側か
らの走行振動等を継続的に受けているうちにラツ
ク軸に対するインナーボールジヨイントの締付け
が緩んでしまうという問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたもので、振動等による緩みを確実に防止す
るインナーボールジヨイントの取付け構造を提供
することを目的とし、この目的を達成するために
ラツク軸の軸端部にインナーボールジヨイントソ
ケツトの後端に突設した軸を螺合すると共にラツ
ク軸の軸端部とインナーボールジヨイントソケツ
トの軸に連通して形成された貫通孔に回り止めピ
ンを嵌め込むことによつてその軸端部と軸とを固
着し、しかもラツク軸に対向するテーパ面と係着
突起とをインナーボールジヨイントソケツトに一
体に形成し、ラツク軸の外側壁に予め螺合したロ
ツクナツトのテーパ面でインナーボールジヨイン
トソケツトの前記テーパ面を強く面着し、ロツク
ナツトに形成した係着溝に前記インナーボールジ
ヨイントソケツトの係着突起を折り曲げて係着溝
に係着することによつてラツク軸の軸端に対して
インナーボールジヨイントを取り付けたことを特
徴とする。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を示した説明図であ
る。まず構成を説明すると、１はラツクピニオン
装置のラツク軸であり、ラツク軸１の軸端にイン
ナーボールジヨイント２が取り付けられる。

この取付け構造において、ラツク軸１の軸端に
は、内部に軸方向に沿つて形成された雌ねじ部３
と、外周に形成された雄ねじ部４と、外側雄ねじ
部４の所定位置から軸に直交する方向に穿設され
た貫通孔５が設けられている。一方、インナーボ
ールジヨイント２のソケツト６の後端には雄ねじ
部７が形成されると共に、雄ねじ部７の外周から
軸に直交する貫通孔８が穿設された軸部９が突設
している。更に、ソケツト６には軸部９を中心に
して環状に形成されたテーパ部１０と、所定位置
に係着突起１１とを延在した周状突部１２が形成
されている。ここで、ラツク軸１の雌ねじ部３に
軸部９の雄ねじ部７が螺合し、図示のような位置
合せにより連通した貫通孔５，８に回り止めピン
１３が嵌め込まれ、軸部９が相対的にラツク軸１
に対して回動したり抜けたりすることが防止され
ている。また、ラツク軸１の雄ねじ部４にはソケ
ツト６における周状突部１２のテーパ部１０に対
向するテーパ部１４と、外周に形成された係着溝
１５とを有するロツクナツト１６が螺合してい
る。そして、ロツクナツト１６を周状突部１２側
へ回動することによつて移動してテーパ部１０，
１４とを強く面着すると共に、係着突起１１を折
り曲げて係着溝１５に係着してロツクナツト１６
をソケツト６に対して回り止め固定している。

次に、第１図の実施例の作用を説明すると、ま
ずラツク軸１の雄ねじ部４に予めロツクナツト１
６を螺合しておき、ラツク軸１の雌ねじ部３にソ
ケツト６側の雄ねじ部７を螺合した後、貫通孔
５，８が連通した所で回り止めピン１３を嵌め込
む。次に、ロツクナツト１６を周状突部１２側へ
戻してロツクナツト１６のテーパ部１４を周状突
部１２のテーパ部１４を強く押圧した後、係着突
起１１を折り曲げてロツクナツト１６の係着溝１
５に係着させることによりラツク軸１とインナー
ボールジヨイント２を固着する。

このような取付け構造によれば、テーパ部１
０，１４の面着をもつて充分な接触抵抗が得ら
れ、しかも回り止めピン１３による嵌着効果によ
り回転外力や外部振動が加わつてもラツク軸１と
インナーボールジヨイント２との取付けが緩まな
いようになつている。

第２図は本考案の他の実施例を示す説明図であ
る。

この実施例は、ロツクナツト１６のテーパ部１
４が外側に向けて形成され、そのテーパ部１４に
相対向するように周状突部１２にもテーパ部１０
が形成されており、ロツクナツト１６がテーパ部
１０，１４を介して周状突部１２に強く圧接して
いる。従つて、貫通孔５，８に回り止めピン１３
が嵌め込まれ、テーパ部１０，１４が強く面着す
ると共に係着突起１１がロツクナツト１６の係着
溝１５に係着することによつてラツク軸１とイン
ナーボールジヨイント２が緩まないように固着さ
れる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、ラツク軸
の軸端にインナーボールジヨイントの軸を螺合し
て回り止めピンにて固定すると共に、ラツク軸側
に設けたロツクナツトをインナーボールジヨイン
トソケツトに押圧し、ロツクナツトのテーパ部と
インナーボールジヨイントソケツトのテーパ部と
を強く面着して大きな接触抵抗を得るようにして
いるので、外部からの振動や回転力が加わつても
緩むことのない信頼性の高いインナーボールジヨ
イントの取付け構造を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を要部断面図にて示
した説明図、第２図は本考案の他の実施例を要部
断面図にて示した説明図である。 １……ラツク軸、２……インナーボールジヨイ
ント、３……雌ねじ部、４，７……雄ねじ部、
５，８……貫通孔、６……ソケツト、９……軸
部、１０，１４……テーパ部、１１……係着部、
１２……周状突部、１３……回り止めピン、１５
……係着溝、１６……ロツクナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動車のラツクピニオンステアリング装置のラ
   ツク軸軸端部にインナーボールジヨイントを取り
   付けるインナーボールジヨイント取付け構造にお
   いて、 軸端外周に雄ねじ部を、該軸端から内部に軸方
   向に沿つて雌ねじ部を形成すると共に、前記外周
   雄ねじ部の所定位置に軸に直交する方向から貫通
   孔を穿設したラツク軸と、 インナーボールジヨイントソケツト側に面した
   端部にテーパ部を形成すると共に外周の所定位置
   に係着溝を形成して前記ラツク軸の雄ねじ部に螺
   合するロツクナツトと、 前記インナーボールジヨイントソケツトの一端
   に前記ラツク軸の雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を
   形成すると共に該雄ねじ部の所定位置に軸に直交
   する方向から貫通孔を穿設し、更に前記ラツク軸
   の雌ねじ部に前記ソケツトの雄ねじ部が螺合した
   ときの前記ロツクナツトのテーパ部に相対向する
   位置にテーパ部を形成すると共に該ロツクナツト
   の係着溝に相対向する係着突起を形成したインナ
   ーボールジヨイントとを備え、 前記ラツク軸の雌ねじ部に前記インナーボール
   ジヨイントソケツトの雄ねじ部を螺合し、この螺
   合により連通した前記ラツク軸の貫通孔及び前記
   雄ねじ部の貫通孔に回り止めピンを嵌め込み、前
   記ロツクナツトのテーパ部を前記インナーボール
   ジヨイントソケツトのテーパ部に強く面着するよ
   うに該ロツクナツトを該インナーボールジヨイン
   ト側へ螺合し、更に、インナーボールジヨイント
   ソケツトの前記係着突起を折り曲げてロツクナツ
   トの前記係着部に係着してなることを特徴とする
   インナーボールジヨイント取付け構造。