JPS6339452Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、ダストカバーを有するロツドエンド
軸受装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来、ロツドエンド軸受装置は、たとえば、第
１図に示すように、ハウジング１にボールスタツ
ド２の球頭部３を回動自在に支持するとともに、
ハウジング１とボールスタツド２の軸部４との間
にゴム製のダストカバー５を取付けている。この
場合、ハウジング１の一端の外周部に環状の凹溝
６を形成し、この凹溝６にダストカバー５の一端
を係合するとともに、セツトリングや針金などの
止具７で締付け、ハウジング１にダストカバー５
を固定している。

しかし、このようなものでは、ダストカバー５
の取付けのためにハウジング１に環状の凹溝６を
加工する必要があるとともに、止具７を必要と
し、かつ、ハウジング１にも十分な肉厚が必要と
なり、大形化するとともに高価となる。

また、従来、第２図に示すように、ハウジング
１の外周からボールスタツド２の軸部４全体をダ
ストカバー８で包囲するようにしたものもある
が、ダストカバー８が大きくなるとともにその製
作にも手数を要し、好ましくない。

〔考案の目的〕

本考案は、上述のような点を改良しようとする
もので、ハウジングの開口部をかしめることによ
りボールシートとダストカバーとで同時に固定す
るようにして、シール性が良好で、しかも、小形
にできて、量産性にもすぐれたロツドエンド軸受
装置を提供することを目的とするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案のロツドエンド軸受装置は、一端に開口
部１３を有する内室１２を形成したハウジング１
１と、このハウジング１１の内室１２に配設され
た球頭部１７およびこの球頭部１７に連設されハ
ウジング１１の一端の開口部１３から延出された
軸部１８を有するボールスタツド１６と、上記ハ
ウジング１１の内室１２の壁面とボールスタツド
１６の球頭部１７の外表面との間に介在され一端
を開口した筒状のボールシート２１と、上記ハウ
ジング１１とボールスタツド１６の軸部１８の外
側との間に設けられたダストカバー２７とを備
え、上記ボールシート２１の一端開口の外周部に
環状の凹部２６を形成し、この凹部２６に上記ダ
ストカバー２７の一端内周部に形成した環状の突
部２８を嵌合し、かつ、上記ハウジング１１の開
口部１３の変形により上記ボールシート２１の一
端開口の全周およびダストカバー２７の突部２８
の外側全周を押圧固定したものである。

（作用） 本考案では、ハウジング１１の開口部１３をか
しめることにより、ボールシート２１の一端開口
の全周を圧接してボールシート２１を固定し、さ
らに、ダストカバー２７の突部２８をハウジング
１１とボールシート２１の凹部２６との間に挾持
固定し、ボールシート２１とダストカバー２７と
を同時に固定するものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を第３図および第４図
を参照して説明する。

１１は金属製のハウジングで、このハウジング
１１は、内部にほぼ有底円筒状の内室１２が形成
され、この内室１２の一端に開口部１３が形成さ
れ、この開口部１３の外周部に肉薄のかしめ部１
４が形成されている。また、ハウジング１１の一
側部にねじ軸１５が一体に設けられている。

１６は金属製のボールスタツドで、このボール
スタツド１６は、一端に球頭部１７を有し、この
球頭部１７から軸部１８が一体に連設され、この
軸部１８の先端にフランジ部１９を介してねじ部
２０が設けられている。そして、球頭部１７が上
記ハウジング１１の内室１２内に配設されている
とともに、軸部１８が上記ハウジング１１の一端
の開口部１３から延出されている。

２１は上記ハウジング１１の内室１２の壁面と
ボールスタツド１６の球頭部１７の外表面との間
に介在された軟質合成樹脂からなるボールシート
で、このボールシート２１は、外周に上記ハウジ
ング１１の内室１２の壁面と接する円筒状の外壁
面２２を有し、かつ、内周に上記ボールスタツド
１６の球頭部１７の直径より小さい径で一端に開
口部２３を設けた円筒状の内壁面２４を有すると
ともに、この内壁面２４の中間に上記球頭部１７
の外表面と接する球面状の支持面２５を有してい
る。また、ボールシート２１の開口部２３の外周
部に円環状の凹部２６が形成されている。

２７はゴムなどの弾性体からなるほぼ円筒状の
ダストカバーで、このダストカバー２７の一端内
周部に上記ボールシート２１の凹部２６に嵌合す
る円環状の突部２８が形成されているとともに、
他端内周部に上記ボールスタツド１６の軸部１８
の外周面に当接するリツプ部２９が形成されてい
る。

そうして、組立にあたつては、ボールシート２
１内にボールスタツド１６の球頭部１７を圧入
し、ボールシート２１の球面状の支持面２５に球
頭部１７を回動自在に当接する。また、ダストカ
バー２７の突部２８をボールシート２１の凹部２
６に嵌合するとともに、ダストカバー２７のリツ
プ部２９をボールスタツド１６の軸部１８の外周
に嵌合する。

この状態で、その組付部品をハウジング１１の
内室１２内に圧入し、さらに、ハウジング１１の
一端のかしめ部１４を円錐ヘツド３０により変形
して内側にかしめ、ボールシート２１の開口部２
３の片部全周とダストカバー２７の突部２８の全
周を同時にかしめ固定する。

なお、このかしめ時にハウジング１１の寸法の
誤差によるかしめ部１４の過大な変形に対して
は、ボールシート２１の凹部２６の外径と開口部
２３の内径との間の肉厚を適当に、たとえば約
1.5mmに保つことにより中心軸方向にボールシー
ト２１が変形し、ダストカバー２７の保持予圧を
緩和し、これによつて、ボールシート２１におけ
るダストカバー２７の保持部の損傷を防止するこ
とができる。

なお、ボールシート２１のダストカバー２７の
突部２８を嵌合する凹部２６は、溝状に形成する
ほか、溝径と同径で一端に開放する円筒状に形成
してもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ハウジングの開口部を変形す
ることによりボールシートとダストカバーとを同
時に固定することができ、シール性を良好に保持
することができるとともに、ハウジングの肉厚を
とくに厚くするような必要もなく、小形に形成で
き、しかも、ハウジングの変形によりボールシー
トとダストカバーとを同時に固定するため作業性
がよく、量産性も向上して安価にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の装置の断面図、第
３図は本考案の装置の一実施例を示す断面図、第
４図はその組立状態を示す断面図である。 １１……ハウジング、１２……内室、１３……
開口部、１６……ボールスタツド、１７……球頭
部、１８…軸部、２１……ボールシート、２６…
…凹部、２７……ダストカバー、２８……突部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一端に開口部を有する内室を形成したハウジン
   グと、 このハウジングの内室に配設された球頭部およ
   びこの球頭部に連設されハウジングの一端の開口
   部から延出された軸部を有するボールスタツド
   と、 上記ハウジングの内室の壁面とボールスタツド
   の球頭部の外表面との間に介在され一端を開口し
   た筒状のボールシートと、 上記ハウジングとボールスタツドの軸部の外側
   との間に設けられたダストカバーとを備え、 上記ボールシートの一端開口の外周部に環状の
   凹部を形成し、この凹部に上記ダストカバーの一
   端内周部に形成した環状の突部を嵌合し、かつ、
   上記ハウジングの開口部の変形により上記ボール
   シートの一端開口の全周およびダストカバーの突
   部の外側全周を押圧固定したことを特徴とするロ
   ツドエンド軸受装置。