JPH0340614Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は感熱転写方式のサーマルプリンタにお
けるカーボンリボンのしわ吸収装置に関する。

（従来技術） 感熱転写方式のサーマルプリンタではプラテン
ローラとサーマルヘツドとの間でテープ状ラベル
とカーボンリボンとが重ね合せて熱圧接され、所
望の印字がラベルに熱転写されるが、前記サーマ
ルヘツドに隣設して、プツシユローラをプラテン
ローラに弾性圧接し、このプツシユローラをもつ
て安定した印刷と、カーボンリボンのスムーズな
走行をはたすものである。

しかし従来、プラテンローラに弾性圧接してい
るこの種プツシユローラは上下端または左右端、
すなわちローラ軸の両端が一体的に支持されてい
る為、ローラの軸方向に平行状態で揺動する。

従つて、特にカーボンリボンの幅方向に於て、
片寄り印字或は左右不均一な印字が施された場合
その印刷部分のカーボンはラベル側に熱転写され
るが、この際ベースの方はサーマルヘツドの熱に
より、一般的には収縮され、非印刷部分との間に
伸縮度の相異が発生する。この幅方向に於ける伸
縮度のアンバランスがしわの発生原因の一つであ
る。かくして前記プツシユローラが従来構成の如
く軸方向の揺動が平行であつては上記カーボンリ
ボンの幅方向に伸縮度が相異する片寄り印字の場
合、その誤差を吸収できず、ラベルに不鮮明印字
が施されす欠陥を有する。

（考案の目的） 本考案は上記従来の欠陥に鑑み、片寄り印字で
あつてもカーボンリボンしわを自動的に吸収して
常時鮮明な印字が施し得る熱転写方式におけるカ
ーボンリボンのしわ吸収装置を提供するものであ
る。

（考案の概要） 上記目的を達成する為に、カーボンリボンのプ
ツシユローラの軸方向の両端に、それぞれアーム
を設け、該各々のアームにスプリングを配設して
この軸方向の両端がそれぞれ独立して揺動を可能
にし、カーボンリボンのしわを吸収でき得るよう
に構成したものである。

（実施例） 本考案の装置は特に片寄り印字に効果を発揮す
るもので、先ずこの片寄り印字について、第１図
乃至第３図を参照して説明する。

第１図および第２図に於て、カーボンリボン１
はベース２の上にカーボン３が積層した構成で、
その幅方向の片側のみにラベルサイズに対応し、
かつ長手方向に所定間隔をもつて列設されたバー
コードの転写跡である印字使用部分４ａが形成さ
れている。このようにカーボンリボン１の片側の
みのカーボン３が剥離された印字使用部分４ａを
形成した状態をカーボンリボン１の片寄り印字と
称する。尚、カーボンリボン１の幅方向の反対側
の長手方向は転写跡がないので、非印字部分４ｂ
である。

この第１図のカーボンリボン１の転写跡である
印字使用部分４ａのカーボン３を転写したものが
第３図に示すテープ状ラベル５であつて、該テー
プ状ラベルにはテープ状台紙６上に、その裏面に
粘着層８を有する一定サイズのラベル７を仮着
し、このラベル７上に、前記カーボン３が転写さ
れてバーコードの印字９を形成して成る。

次に第４図乃至第６図を参照して本考案の装置
を説明する。

プリンタ１０内にはステツピングモータ（図示
せず）にベルト（図示せず）を介して接続されて
間歇回転するプラテンローラ１２に弾性付勢され
たサーマルヘツド１１とプツシユローラ１３とが
設けられている。サーマルヘツド１１とプラテン
ローラ１２との間には前記カーボンリボン１とテ
ープ状ラベル５とが重ね合されて、所望の印字が
ラベル５側に熱転写される。またプツシユローラ
１３は前記カーボンリボン１およびラベル５をプ
ラテンローラ１２に弾性付勢し、この両材を移送
するもので、カーボンリボン１に対しては移送案
内としてある。

このプツシユローラ１３の支持構成は第５図お
よび第６図に詳細に示すように、その概要はフレ
ーム１４にその両端を支持された枢軸１６に、一
対のアーム１７ａおよび１７ｂを嵌装し、該アー
ムの先端にプツシユローラ１３を装着し、この
各々のアームの末端にそれぞれスプリング２０ａ
および２０ｂを張設して、プツシユローラ１３の
端において、それぞれ独立して揺動自在に構成し
たものである。

詳しくはプツシユローラ１３は前記カーボンリ
ボン１およびテープ状ラベル５の幅員以上の長さ
を有し、その中央に軸１５を嵌装または固着し、
該ローラの両端軸を一対のアーム１７ａおよび１
７ｂに回転自在に装着されている。該一対のアー
ム１７ａおよび１７ｂにはコの字型を呈する支持
部１８ａおよび１８ｂを連設し、揺動支点となる
枢軸１６に装着してある。この枢軸１６には前記
支持部１８ａおよび１８ｂとの間に中央スリーブ
２１、支持部１８ａおよび１８ｂとフレーム１４
の間にはそれぞれ端スリーブ２２，２２が遊嵌し
てある。

次に一対のアーム１７ａおよび１７ｂの端と、
フレーム１４の接続フレーム１４ａに螺着された
調整螺子１９ａおよび１９ｂとに、それぞれスプ
リング２０ａおよび２０ｂが取付けられ、一対の
アームの先端に装着したプツシユローラ１３をプ
ラテンローラ１２に圧接している構成である。

次に第４図に戻つてカーボンリボン１とテープ
状ラベル５の走行経路を説明する。リボン供給リ
ール３０に巻回されたカーボンリボン１の方は、
案内ローラ３１を経て合わせローラ３２に至り、
この部分で後述するテープ状ラベル５と重ね合せ
られサーマルヘツド１１とプラテンローラ１２と
で所望の印字をラベル側に熱転写し、次いで本考
案装置のプツシユローラ１３に至り、該ローラ部
分で、前記テープ状ラベル５と離反し、次に偏心
調整の案内ローラ３３、案内ローラ３４，３５を
経て、ステツピングモータにベルトを介して接続
されて間歇回転するリボン巻取リール３６にて巻
取られる。

ラベル供給リール３７に巻回されたテープ状ラ
ベル５の方は案内ローラ３８を経て、可動センサ
ー４０およびラベル幅調整部材４１を備えた案内
部材３９の案内面に沿つて、前記合せローラ３２
に至り、前記カーボンリボン１と重ね合せられ、
サーマルヘツド１１とプラテンローラ１２との間
で、そのラベル７部分に印字が施されて、転向ピ
ン４２にて台紙６の転向作用にて、これに仮着状
態のラベル７を剥離する。尚、このラベル剥離に
は転向ピン４２に臨んで剥離補助ピン４３を配設
すればその剥離作用は更に良好である。次にこの
ラベル７を剥離した台紙６は案内ローラ４４を介
して前記ステツピングモータにベルトを介して接
続され間歇回転するラベル（台紙）巻取リール４
５で巻取られる。

またラベル７を剥離せず、印刷ずみのラベルを
仮着状態のテープ状ラベル５を他の装置にて使用
する場合は案内ローラ４６を転向ピン４２の前方
（下流側）に配し、転向ピン４２部分で転向せず、
これを単なる案内ピンとして使用し、この案内ロ
ール４６を経て前記ラベル（台紙）巻取リール４
５に巻取収容される。

次に本考案の作用を説明すると、叙述の如く第
１図に示したようにカーボンリボン１の幅方向に
のみ印字使用される片寄り印字の場合、その長手
方向において印字使用部分４ａはサーマルヘツド
１１の加熱圧接により、そのベース２が熱により
収縮するのに対し、非印字部分４ｂは殆ど収縮し
ない為、カーボンリボンの長手方向の長さに変動
が起こり、しわが発生する。

そこでこのカーボンリボンの長手方向の長さの
変動を本考案の装置のプツシユローラ１３で自動
的に吸収するものである。

詳しくは、カーボンリボン１の印字使用部分４
ａと非印字部分４ｂとがその長手方向に連続列設
された場合、前述の如く印字使用部分４ａは収縮
し、非印字部分４ｂは収縮しないので、前記プツ
シユローラ１３の一端（カーボンの印字部分側）
は他端（カーボンの非印字使用部分側）より大な
る引張力が働く。

かくしてこのような片寄る引張力を本考案装置
のプツシユローラ１３で吸収する。即ち、このロ
ーラ軸の一端のみを偏心揺動するもので、この偏
心揺動とは例えばプツシユローラ１３の一端のア
ーム１７ａがスプリング２０ａを抗して内側に変
動し、その多端のアーム１７ｂがスプリング２０
ｂを抗して外側に変動する動きである。このよう
にプツシユローラ１３が軸方向に捩れることによ
り、前記その幅員方向で伸縮度を相違するカーボ
ンリボン１の長さの変動を自動調整することによ
り、しわの発生を事前に防止し、ラベルへ鮮明な
印刷が施されるものである。

（効果） 本考案は叙述の如く、枢軸にて揺動自在な一対
のアームの先端にプツシユローラを回転自在と
し、前記各々のアームの末端にスプリングを装着
し、プツシユローラの軸方向の両端がそれぞれ独
立して揺動する構成なので、特にカーボンリボン
の長手方向の一側のみに連続印字される片寄り印
字に発生するしわを自動的に吸収し、常時ラベル
へ鮮明な印字が施せる利点を有する。

更に、前記プツシユローラを備えた一対のアー
ムの末端に設けたスプリングはフレームに螺着さ
れた各々の調整螺子にて止着された構成なので、
このスプリング圧を調整螺子をもつて調整でき得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のカーボンリボンのしわ吸収装
置の説明に用いるカーボンリボンの片寄り印字を
示した斜視図、第２図は第１図の−線断面
図、第３図は同、テープ状ラベルの斜視図、、第
４図は本考案の装置を備えたプリンタの概略図、
第５図は本考案のサーマルプリンタにおけるカー
ボンリボンのしわ吸収装置の側面図、第６図は
同、前面図である。 図中、１…カーボンリボン、４ａ…印字使用部
分、４ｂ…非印字部分、５…テープ状ラベル、１
１…サーマルヘツド、１２…プラテンローラ、１
３…プツシユローラ、１４…フレーム、１６…枢
軸、１７ａ，１７ｂ…アーム、１９ａ，１９ｂ…
調整螺子、２０ａ，２０ｂ…スプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 枢軸に嵌送されて揺動自在な一対のアーム７
   ａ，７ｂの一端に、プラテンローラ１に対設され
   たカーボンリボンのプツシユローラ１３を回転自
   在に装着し、前記各々のアームの他端にスプリン
   グ２０ａ，２０ｂを装着して、前記プツシユロー
   ラの軸方向の両端が各々独立して揺動するように
   構成し、 更に前記一対のアーム７ａ，７ｂの他端に設け
   たスプリング２０ａ，２０ｂはフレーム１４に螺
   着された各々の調整螺子１９ａ，１９ｂにて止着
   して、前記プツシユローラのプラテンローラに対
   する圧着力の調整をして成るサーマルプリンター
   におけるカーボンリボンのしわ吸収装置。