JPH0333113B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、熱転写記録装置に係り、特に、記
録面濃度の均一性向上を計つたサーマルヘツドの
支持機構に関する。

［従来の技術］ 近年、熱転写記録装置が広く用いられている。
これは、サーマルヘツドとプラテンローラとの間
に、熱転写リボンと用紙とを重ねて通し、熱転写
リボンに塗布された熱溶融性のインクをサーマル
ヘツドによつて溶かして用紙に転写するものであ
り、多色印刷が比較的容易にできる上に、小形、
軽量かつ騒音が少ない等の特徴を持つている。

このような熱転写記録装置にあつて、記録面の
濃度を均一にするためには、記録紙の幅方向にお
ける（すなわち、プラテンローラの軸方向におけ
る）、サーマルヘツドとプラテンローラの圧接力
を均一にするとともに、プラテンローラの軸線と
サーマルヘツドの発熱素子との位置合わせを完全
に行うことが、極めて重要な条件である。このた
めに従来は、記録紙の幅方向の圧接力を調整ネジ
によつて均一に調節する一方、プラテンローラの
軸線とサーマルヘツドの発熱素子の位置合わせは
部品の精度によつていた。この点について、さら
に説明する。

第４図は、従来の熱転写記録装置のサーマルヘ
ツド支持機構の構成を示す側面図である。この図
において、プラテンローラ１には、ヘツドホルダ
２に保持されたサーマルヘツド３が圧接され、こ
れらの間には、熱転写リボン４と用紙５とが重な
つた状態で通され、プラテンローラ１によつて図
の上方に搬送されている。上記ヘツドホルダ２
は、プラテンローラ１と同一のフレームに回転自
在に支持されたヘツドホルダ軸２ａに取り付けら
れ、スプリング６によつて図の右方に引かれ、こ
れによつて、サーマルヘツド３がプラテンローラ
１に圧接されている。ここで、上記圧接力は、ヘ
ツドホルダ２の両側に設けられた調節ネジ７によ
つて調整され、用紙５の幅方向に均一となるよう
にされる。なお、図中、８は転写リボン４の位置
検出用のセンサ、９はセンサ８を保持するセンサ
ホルダ、１０は調節ネジ７を固定する固定ネジ、
１１はサーマルヘツド３からの熱を放熱するヒー
トシンクである。

［発明が解決しようとする問題点］ ところで、上述した従来のサーマルヘツド支持
機構にあつては、次のような問題があつた。

(1) サーマルヘツドとプラテンローラとの圧接力
を均一にするための調整が必要である。

(2) 調整ネジ７等の調整手段を設けるため構造が
複雑である。

この発明は、このような背景の下になされたも
ので、サーマルヘツドとプラテンローラとの均一
な圧接力が無調整で得られるサーマルヘツドの支
持機構を提供することを目的とする。

［問題点を解解決するための手段］ 上記問題点を解決するためにこの発明は、プラ
テンローラと平行に熱転写記録装置のフレームに
取り付けられたヒンジシヤフトと、前記プラテン
ローラと前記ヒンジシヤフトとの間に位置し、前
記プラテンローラと対向する面にサーマルヘツド
を保持するヘツドホルダと、前記ヒンジシヤフト
の中央部に内輪が固定されるとともに、前記ヘツ
ドホルダの中央部に外輪が固定された単一のボー
ルベアリングと、前記ヘツドホルダの両側部を前
記プラテンローラの方向に押圧する弾性部材とを
具備することを特徴とする。

［作用］ 上記構成によれば、ヘツドホルダはボールベア
リングをを支点としてヒンジシヤフトに支持され
た（吊り下げられた）形となる。従つて、ヘツド
ホルダはヒンジシヤフトを軸として回動自在であ
り、かつボールベアリングを支点として、揺り動
くようになる。これは、ボールベアリングの内輪
と外輪との間にクリアランスが存在するからであ
る。

このような状態で、ヘツドホルダの両側部が弾
性部材によつてプラテンローラの方向に押圧され
ると、プラテンローラとサーマルヘツドとの圧接
力は記録紙幅方向において均一となる。なぜなら
ば、ヘツドホルダの中央部はボールベアリングを
支点とし、かつヘツドホルダの両側部は弾性部材
で押圧されているため、ヘツドホルダの両側部に
作用するモーメントは自動的に等しくなり、これ
によつて、ヘツドホルダ両側部の押圧力も等しく
なるからである。

［実施例］ 以下、図面を参照し、この発明に一実施例を説
明する。

第２図において、プラテンローラ２１の外周に
は、ロール２２から引き出された用紙２３がロー
ラ２４を介して送られ、プラテンローラ２１の外
周をＵ字状に折り返す形で図の左方に搬送され
る。また、熱転写インクが塗布されたインクリボ
ン２５がロール２６から引き出され、プラテンロ
ーラ２１の外周上面で用紙２３と重ね合わされた
後、巻き取り機２７に巻き取られるようになつて
いる。

次に、サーマルヘツド５０の支持機構について
説明する。なお、サーマルヘツド５０そのものに
ついては後述する。

第１図〜第３図において、３０ａ，３０ｂは
各々、熱転写記録装置の左右のフレームであり、
フレーム３０ａ，３０ｂの間には、フレーム幅よ
り僅かに狭い幅のヘツドホルダ３１が配設されて
いる。このヘツドホルダ３１は、平面形状がほぼ
コ字状の枠体３２とボールベアリング３５を支持
部材３３とから構成されている。

上記枠体３２は、フレーム３０ａ，３０ｂと対
向する側壁３２ａ，３２ｂと、これらの一端を連
結する連結部３２ｃとを一体形成したものであ
り、枠体３２の他端側には平面視略矩形状の支持
部材３３が固定されている。こうして、ヘツドホ
ルダ３１の中央部は開口した形になつている。

上記支持部材３３の中央部は、第１図の右方に
進むに従つて、上方になだらかに***し、この部
分にプラテンローラ２１と平行する段付き貫通孔
３４が形成されている。この貫通孔３４は、大径
部３４ａ、中径部３４ｂ、小径部３４ｃを有し、
中径部３４ｂにはボールベアリング３５の外輪３
５ａが固定されている。また、貫通孔３４の両端
外方には、スプリング押圧部３６ａ，３６ｂが貫
通孔３４と直交方向に形成されている。（第３図
ｂ参照）。更に、側壁３２ａ，３２ｂの左下端に
は、外方に突出するピン３７ａ，３７ｂが固定さ
れている。

上記ヘツドホルダ３１は、ヒンジシヤフト４０
によつて、フレーム３０ａ，３０ｂに取り付けら
れている。すなわち、ヒンジシヤフト４０は、ヘ
ツドホルダ３１の貫通孔３４に緩やかに挿通さ
れ、ヒンジシヤフト４０の両端がネジ４１ａ，４
１ｂによつてフレーム３０ａ，３０ｂに固定され
ている。この場合、ヒンジシヤフト４０の中央部
はボールベアリング３５の内輪３５ｂに挿入固定
されることとなり、この結果、ヘツドホルダ３１
はボールベアリング３５を支点としてヒンジシヤ
フト４０に支持（吊り下げ）られている。

また、ヒンジシヤフト４０の両端部には、一対
のスプリング４２ａ，４２ｂが被嵌され、これら
の一端がフレーム３０ａ，３０ｂに固定されると
ともに、他端がスプリング押圧部３６ａ，３６ｂ
に当接されている。

更に、ピン３７ａ，３７ｂはフレーム３１ａ，
３１ｂに設けられた長孔４３ａ，４３ｂに移動可
能に嵌合され、ヒンジシヤフト４０を軸としてヘ
ツドホルダ３１が回動できるようになつている。
すなわち、長孔４３ａ，４３ｂは、ヒンジシヤフ
ト４０を中心とする円弧状に形成されている。

上記ヘツドホルダ３１の下部にはサーマルヘツ
ド５０が固定されている。第２図を中心として、
この取り付け構造について説明する。サーマルヘ
ツド５０は、セラミツクス等からなる基板５１
と、この基板５１の一端部に形成されプラテンロ
ーラ２１の軸方向に延びる発熱素子５２と、発熱
素子５２を支持するとともに、発熱素子５２から
放出された熱を外部に放散する板状部材５３と、
発熱素子５２を保護するステンレス製のカバー５
４と、基板５１の他端側中央部に取り付けられた
コネクタ５５とからなり、板状部材５３が支持部
材３３の下面に固定されている。そして、コネク
タ５５を介して発熱素子５２に電流が供給される
ようになつている。

このような構成によれば、スプリング４２ａ，
４２ｂの押圧力によつて、ヘツドホルダ３１が下
方に付勢され、これによつて、サーマルヘツド５
０がプラテンローラ２１に圧接される。この場
合、サーマルヘツド５０とプラテンローラ２１と
の圧接力は、プラテンローラ２１の軸方向に均一
となる。以下、この理由につき説明する。すでに
述べたように、ヘツドホルダ３１は、ボールベア
リング３５を介してヒンジシヤフト４０に支持さ
れているから、ヒンジシヤフト４０を軸として回
動自在であり、かつボールベアリング３５を支点
として、ある範囲で揺れ動くことができる。この
ため、ヘツドホルダ３１はボールベアリング３５
を支点として左右のモーメントがつり合つた所で
自動的に停止し、ヘツドホルダ３１がサーマルヘ
ツド５０をプラテンローラ２１に圧接する力はプ
ラテンローラ２１の軸方向に均一となる。

また、ピン３７，３７ｂと長孔４３ａ，４３ｂ
とのはめあいによつて、プラテンローラ２１の軸
線とサーマルヘツド５０の発熱素子５２との位置
合わせが行なわれる。この場合、ピン３７，３７
ｂや長孔４３ａ，４３ｂの精度は比較的容易に上
げることができるので、上記位置合わせを簡単化
することができる。

なお、上記実施例では、スプリング４２ａ，４
２ｂにねじりスプリングを使用したがこれに限定
されることなく、任意の弾性体を使用することが
可能である。

［発明の効果］ 以上説明したように、この発明は、ヒンジシヤ
フトに固定したボールベアリングにヘツドホルダ
を取り付けたので、サーマルヘツドとプラテンロ
ーラの圧接力を、プラテンローラの軸方向に均一
にすることができる。この結果、記録面濃度の均
一性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の構成を示す平面
図、第２図は同実施例の構成を示す側面図、第３
図はヘツドホルダの断面を示すもので、同図ａは
第１図のＡ−Ａ線断面図、同図ｂは第１図のＢ−
Ｂ線断面図、同図ｃは第１図のＣ−Ｃ線断面図で
ある。第４図は従来の熱転写記録装置のサーマル
ヘツド支持機構の構成を示す側面図である。 ２１……プラテンローラ、３０ａ，３０ｂ……
フレーム、３１……ヘツドホルダ、３５……ボー
ルベアリング、３５ａ……外輪、３５ｂ……内
輪、４０……ヒンジシヤフト、４２ａ，４２ｂ…
…スプリング（弾性部材）、５０……サーマルヘ
ツド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 熱転写記録装置のサーマルヘツドとプラテン
   ローラとを対向させて位置合わせするサーマルヘ
   ツドの支持機構において、前記プラテンローラと
   平行に前記熱転写記録装置のフレームに取り付け
   られたヒンジシヤフトと、前記プラテンローラと
   前記ヒンジシヤフトとの間に位置し、前記プラテ
   ンローラと対向する面に前記サーマルヘツドを保
   持するヘツドホルダと、前記ヒンジシヤフトの中
   央部に内輪が固定されるとともに、前記ヘツドホ
   ルダの中央部に外輪が固定された単一のボールベ
   アリングと、前記ヘツドホルダの両側部を前記プ
   ラテンローラの方向に押圧する弾性部材とを具備
   することを特徴とするサーマルヘツドの支持機
   構。