JPH0312544Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は、例えば熱転写式サーマルプリンター
に使用される感熱カーボンリボンのような帯状体
の蛇行防止装置に係り、特に本出願人による出願
（実開昭59−32451号）の改良に関する。

（従来技術） 上記熱転写式サーマルプリンターは普通紙から
なる帯状の記録紙に、帯状の感熱カーボンリボン
を重合し、その上からサーマルヘツドを当接かつ
発熱させてカーボンリボンの感熱性インクを記録
紙に転移させ、所望の印字を得るものである。こ
のサーマルプリンターにおいては、一般に上記記
録紙及びカーボンリボンの各巻取軸を駆動モータ
ーに連結し、一方記録紙及びカーボンリボンの各
供給ロールは固定軸に対して回転自在な状態で保
持されている。

したがつて、記録紙及びカーボンリボンの移送
時には、上記各巻取軸が同時に回転して記録紙及
びカーボンリボンを引つ張ることにより、上記各
供給ロールからそれぞれが繰し出されるように構
成されている。

しかして、それらの各供給ロールは前記の如く
回転自在に保持されているため、記録紙及びカー
ボンリボンの繰り出し時における各供給ロールの
回転慣性により、該ロールが繰り出し方向に回転
し過ぎて記録紙及びカーボンリボンが必要以上に
繰り出され、その結果、両者が蛇行して印字部に
おいて正確に重なり合わず不良印字が発生する原
因となつていた。特にカーボンリボンは材質的に
剛性が小さいため極めて蛇行し易く、その対策が
望まれていた。

（考案の目的） 本考案は以上のような問題を解決するものであ
つて、帯状体の供給ロール或いは必要に応じて巻
取ロールの自由回転を規制することによつて帯状
体の必要以上の繰り出しを防止し、もつてその蛇
行を防止するようにし、且つ長期の使用に当つて
も一定した張力で帯状体を張つておける帯状体の
蛇行防止装置を提供することを目的とする。

（考案の概要） 即ち、本考案はロールと当接体との間にフエル
ト材等の介在部材を設けた帯状体の蛇行防止装置
である。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面と共に詳細に説
明する。

第１図は本考案の蛇行防止装置を供給ロール９
部分に設けた熱転写式サーマルプリンターを示
し、記録紙として、帯状の台紙２に多数のラベル
片３が順次仮着されてなる帯状ラベル１が使用さ
れている。該帯状ラベル１は芯管４に巻回された
ロール状ラベル５として、固定軸６に回転自在に
取付けられたコア部材７に保持されている。

一方、感熱カーボンリボン８の供給ロール９は
本考案の蛇行防止装置１０によつて固定軸１１に
取付けられている。第２図、第３図により詳しく
説明すると、一側端に供給ロール９の側面を支持
する鍔１２が形成され、かつ外周に空転止め板バ
ネ１３が取付けられているプラスチツク性のコア
部材１４が、上記固定軸１１の外周に回転可能に
取付けられている。このコア部材１４の他側端に
は弾性体、例えば押圧スプリング１５により付勢
された第２の当接体としての金属性のカラー１６
が配設されている。固定軸１１にはピンＰが植設
され、このピンＰはカラー１６の厚さ方向に刻設
された長溝（図示せず）に遊嵌している。１７は
該押圧スプリング１５の他端を支持しているカラ
ーであり、１８は押圧スプリング１５の作用力を
調節する調節ネジで、固定軸１１の先端に螺合し
ている。

前記コア部材１４とカラー１６との間、及びコ
ア部材１４の鍔１２と後述するスペーサ３２との
間には、これら鍔１２、コア部材１４及びカラー
１６より柔らかい材質からなる介在部材、例えば
フエルト材Ｆが介装されている。

カーボンリボン８は芯管１９に巻回された供給
ロール９として前記コア部材１４の外周に取付け
られるが、該コア部材１４の空転止め板バネ１３
と芯管１９の内周面との間の摩擦によつて供給ロ
ール９とコア部材１４とは一体となつて回転す
る。なお、３２は、機枠３３とコア部材１４の鍔
１２との間に配置された第１の当接体としてのス
ペーサで、例えば金属材料により形成されてい
る。

次に、前記帯状ラベル１とカーボンリボン８と
は第１図の如くガイドローラ２０及び２１，２２
等を経てプラテンローラ２３の手前で重合された
後、サーマルヘツド２４を経て、カーボンリボン
８は抑え部材２５において上方へ転向し、最終的
にはカーボン巻取軸２６に巻取られる。

一方、帯状ラベル１は転向部材２７の先端にお
いて台紙２のみが下方へ転向した後、一対の歯付
ローラ２８，２９の間を通過し、台紙巻取軸３０
に巻取られる。また、ラベル片３は上記転向部材
２７において台紙２から剥離しながらそのまま前
進し、商品等の物品に貼付可能な状態となる。

なお、３１は駆動モーターで、該モーター３１
からベルトをを介して前記カーボン巻取軸２６及
び歯付ローラ２９にそれぞれ接続され、さらに該
歯付ローラ２９から台紙巻取軸３０に接続されて
いる。

次に作用を説明する。本サーマルプリンターは
制御回路（図示省略）からの指令によりサーマル
ヘツド２４の発熱素子が発熱して感熱カーボンリ
ボン８の感熱性インクを溶融して帯状ラベル１の
ラベル片３に転移させ所望の印字を得る。また、
帯状ラベル１とカーボンリボン８の移送時には、
駆動モーター３１により台紙巻取軸３０、歯付ロ
ーラ２９及びカーボン巻取軸２６が作動し、帯状
ラベル１とカーボンリボン８とをそれぞれ同速度
で移送させて巻取る。

そして、その際、カーボンリボン８の供給ロー
ル９において本考案の蛇行防止装置１０が作用す
る。

すなわち、押圧スプリング１５の付勢力によつ
て、コア部材１４の一側端の鍔１２がフエルト材
Ｆを介してスペーサ３２に押し付けられると共
に、その他側端にフエルト材Ｆを介してカラー１
６が押し付けられるため、コア部材１４の自由な
回転が規制される。また、供給ロール９は前記の
如く空転止め板バネ１３の作用によりコア部材１
４と一体に回転するようになつている。したがつ
て、カーボンリボン８の移送時において、カーボ
ン巻取軸２６に巻取られた分が供給ロール９から
繰り出されるが、その場合、押圧スプリング１５
の作用力を受けているコア部材１４及び供給ロー
ル９は、引張られて繰り出されたカーボンリボン
８の長さ分だけ回転し、回転慣性によるそれ以上
の回転は規制される。そのため、巻取軸２６と供
給ロール９間のカーボンリボン８は常に適正な張
力が保たれ、緩むことがないのでその蛇行が防止
され、よつて印字部においては帯状ラベル１と正
確に重なり合い不良印字の発生が防止される。

更に、コア部材１４の他側端とカラー１６との
間、及びコア部材１４の鍔１２とスペーサ３２の
間には、夫々、フエルト材Ｆが介装されているの
でコア部材１４の他側端及びカラー１６、並びに
コア部材１４の鍔１２とスペーサ３２の間におけ
る摩擦によるコア部材１４の摩耗が防止され、押
圧スプリング１５の付勢力によつて供給ロール９
の回転トルクが長期の使用に当つても常に一定に
保たれる。

なお、コア部材１４に作用する弾性体としては
スプリングに限らず、ゴムその他の弾性体でもよ
く、介装部材としてもフエルト材Ｆに限らず、コ
ア部材１４及び鍔１２或いはカラー１６、スペー
サ３２などの当接体より柔らかい材質のものであ
れば布材その他のものでもよい。

また、本考案はカーボンリボンに限らず、それ
に類似する帯状体の蛇行防止に適用できることは
勿論である。

更に又、前記実施例では本考案の蛇行防止装置
を供給ロールに設けた場合を説明したが、巻取ロ
ールに或いは両方のロールに設けてもよい。

（効果） しかして、本考案は、弾性体の押圧力によりコ
ア部材の他側端を第２当接体及び介在部材を介し
て押圧すると共にその一側端を介在部材を介して
第１の当接体に大して押圧して、コア部材の自由
回転を規制する構成であるから、供給ロール又は
巻取ロールは、引張られて繰り出された帯状体の
長さ分だけ回転し、回転時の慣性によるそれ以上
の回転は確実に規制される。そのため、供給ロー
ル又は巻取ロールより延出される帯状体に常に適
性を張力が保たれ、緩むとがないのでその蛇行が
防止される。

また、コア部材の一側端と第１当接体との間、
及びコア部材の他側端と第２当接体との間には
夫々、介在部材が介装されているので、コア部材
の一側端及び第１当接体、並びにコア部材の他側
端及び第２当接体の間における摩擦によるコア部
材及び各当接体の摩耗が防止され、弾性体の付勢
力によつて供給ロール、又は巻取ロールの回転ト
ルクが長期の使用に当つても常に一定に保たれる
等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は本考案
装置を備えた熱転写式サーマルプリンターの内部
機構図、第２図は本考案装置の平面図、第３図は
同、正面図である。 図中、Ｆ……フエルト材、８……感熱カーボン
リボン、９……供給ロール、１０……蛇行防止装
置、１２……鍔、１５……押圧スプリング、１６
……カラー、２６……カーボン巻取軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機枠に固定された固定軸と、 帯状体をロール状に巻回してなる供給ロール又
   は巻取ロールが外周に取付けられて固定軸に回転
   可能なコア部材と、 コア部材の一側端に対向する如く固定軸に取付
   けられた第１の当接体と、 コア部材の他側端に対向する如く固定軸に取付
   けられた第２の当接体と、 コア部材の他側端を第２の当接体を介して押圧
   すると共にその一側端を第１の当接体に対して押
   圧してコア部材の自由回転を規制する如く固定軸
   に取付けられた弾性体と、 を有する帯状体の蛇行防止装置において、 前記コア部材の各側端と各当接体との間に、
   夫々、当接体及びコア部材より柔らかい材質の介
   在部材を介装したことを特徴とする帯状体の蛇行
   防止装置。