JPH0323850Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、可動ルーフ体（いわゆるサンルー
フ）により開閉される開口を有する自動車のルー
フ構造に関する。

［従来技術］ 従来、可動ルーフ体により開閉される開口を有
し、該開口の内部に可動ルーフ体を支持するフレ
ームが設けられ、該フレームの側面部と車体のル
ーフパネル部とをシール部材でシールするように
した自動車のルーフ構造は提案されている。（特
開昭56−34521号公報参照）。

ところで、車体前方のルーフパネル部において
コーナ部分の近くにフロントヘツダーのインナパ
ネルが位置している場合、インナプレートとシー
ル部材との干渉を回避するため、開口の前部を車
体後方にずらせる必要があり、そのため、充分な
開口面積を確保することができないという問題が
あつた。

［考案の目的］ 本考案は、上記のような自動車のルーフ構造に
おいて、開口の前部を前方へ延長して充分な開口
面積を確保し、開放感を向上させることを目的と
するものである。

［考案の構成］ このため、本考案は、可動ルーフ体により開閉
される開口を有するルーフパネルを備え、該開口
の内部に可動ルーフ体を支持するフレームが設け
られたルーフ構造において、上記フレームは、上
記開口周縁より車体外方に位置し、車体前後方向
へ延びる支持部材で支持されており、該フレーム
の外周縁にはフランジ部が形成され、該フランジ
部の車体前方のコーナ部分には、コーナ部分に隣
接するフランジ部のフランジ面と連続して該フラ
ンジ面より車体内方に位置するコーナシール面が
形成されたコーナプレートが設けられ、該コーナ
プレートのコーナシール面には、上記フレームの
フランジ面から連続して延びるシール部材が設け
られる一方、上記ルーフパネルの下面側には、上
記開口および車体前方のコーナ部分にあつてはコ
ーナプレートに沿つたルーフパネル側シールプレ
ートが設けられ、シール部材により車体前方のコ
ーナ部分以外の部分ではフレームのフランジ面と
ルーフパネル側シールプレートとの間がシールさ
れ、車体前方のコーナ部分では、コーナプレート
のコーナシール面とルーフパネル側シールプレー
トとの間がシールされるようになつていることを
特徴とする自動車のルーフ構造を提供するもので
ある。

［考案の効果］ 本考案によれば、フレームの車体前方のコーナ
部分に、該コーナ部分に隣接するフランジ面から
連続して車体内方に位置するコーナシール面が形
成されたコーナプレートを設け、コーナ部分では
コーナプレートのコーナシール面とルーフパネル
側コーナプレートとの間でシール部材によりシー
ルするようにしたので、開口の前縁部を従来より
前方に位置させてもコーナ部分においてフロント
ヘツダーのインナプレートにシール部材が干渉し
なくなる。従つて、開口の前縁部をより前方へ設
定することにより充分な開口面積を確保すること
が可能となり前席の開放感の向上を図ることがで
きる。

［実施例］ 次に添付図面を参照しながら、本考案の一実施
例を説明する。

第３図に示す如く、自動車１のルーフパネル２
には、矩形状の開口３が明けられ、この開口３の
周囲のルーフパネル２の下部には、矩形状の可動
ルーフ体４をルーフパネル２の上方又は下方で車
体前後方向にスライド可能に支持するフレーム５
（第４図参照）が配置され、該フレーム５は開口
３の周縁より車体外方に位置し車体前後方向に伸
びるサイドレール（図示せず）で支持されてい
る。

上記可動ルーフ体４は、アウタパネル６と、左
右１対のブラケツト７を支持した前後２対の支持
金具８，８が取付けられたロアパネル（不図示）
とで構成され、該支持金具８，８にはトリム１１
の支持金具１０，１０が取付けられる。

上記フレーム５には、ルーフパネル２の開口３
に対応する矩形状の開口１２が設けられ、この開
口１２とルーフパネル２の開口３とは可動ルーフ
体４によつて開閉されるようになつている。

又、フレーム５には、車体前後方向に延びる左
右一対のガイドレール１３が固定され、各ガイド
レール１３上にスライド部材１４が前後方向スラ
イド可能に配置される。該スライド部材１４には
可動ルーフ体４のブラケツト７が連結され、ドラ
イブブラケツト１５を介してフレーム５後部に支
持されるモータ１６により、可動ルーフ体４がス
ライド部材１４によつて車体前後方向にスライド
されるように構成されている。

また、ウインドデイフレクタ１７は、デイフレ
クタリンク１８を介してフレーム５に揺動自在に
取着され、通常は可動ルーフ体４の下方に格納さ
れると共に、可動ルーフ体４を開状態とした際
に、ウインドデイフレクタ１７を揺動して開口３
の上方へ突出させることにより風よけが形成され
る。第１図及び第２図に示すように、フレーム５
の外周縁には、フランジ部１９が設けられ、該フ
ランジ部１９の上面にフランジ面２０が形成され
ている。

そして、フレーム５のコーナ部Ｃのフランジ面
２０上にはコーナプレート２１が溶接等により取
り付けられている。該コーナプレート２１は、フ
ランジ面２０への取付け部２２と該取付け部２２
の内方に位置し、車体前方側から側方側へ向かう
につれて次第に面積が増す傾斜部２３と該傾斜部
２３の内方に位置し、車体前方側のフランジ面２
０に連続して、車体前方側から側方側へ向かうに
つれて次第に高くなり、フランジ面２０に連結す
る側方向では再び低くなるように湾曲したコーナ
シール部２４とからなり、コーナシール部２４の
上面はフランジ面２０と略同じ幅を有するコーナ
シール面２４ａをなしている。第１図から明らか
なように、上記コーナシール面２４ａはフレーム
５のコーナ部Ｃのフランジ面２０より車体内方寄
りに位置している。

一方、ルーフパネル２の開口３の周縁部には下
向きフランジ２５が形成され、この下向きフラン
ジ２５の外面にはルーフパネル２の裏面側に配置
される屈曲したフイキシングプレート２６の内方
端の垂直部２６ａが溶接等により固着されてい
る。このフイキシングプレート２６は、本願考案
にいうルーフパネル側シールプレートを構成し、
車体前方のコーナ部Ｃ以外ではその中央の水平部
２６ｂの下面がフランジ面２０に対向すると共
に、車体前方のコーナ部Ｃでは水平部２６ｂの下
面が上記コーナシール面２４ａに対向し、車体前
方から側方に連続して延びている。

そして、コーナ部Ｃ以外の部分では、上記フラ
ンジ面２０とフイキシングプレート２６の水平部
２６ｂの下面間にシールラバー２７が介装されて
フレーム５とルーフパネル２とがシールされると
共に、コーナ部Ｃにおいては上記シールラバー２
７がコーナ部Ｃ近傍のフランジ面２０からコーナ
シール面２４ａに延長され、コーナシール面２４
ａとフイキシングプレート２６の水平部２６ｂ下
面間に介装されてフレーム５とルーフパネル２と
がシールされる。

ルーフパネル２の裏面側の上記フイキシングプ
レート２６の外方には、フイキシングプレート２
６と所定の間隔を置いて屈曲したフロントヘツダ
ーのインナプレート２８が配置されている。該イ
ンナプレート２８は、フイキシングプレート２６
と大略平行に車体前方から側方に連続して延び、
第２図に示す如く、内方寄りの水平部２８ａがコ
ーナ部Ｃでコーナプレート２１の上方を通過す
る。従つて、コーナ部Ｃにおけるフレーム５とル
ーフパネル２とのシール部を、フランジ面２０よ
り内方に位置させることにより、フレーム５の前
部を車体前方へ延長してインナプレート２８に接
近させることができる。

このように、フレーム５の前部をインナプレー
ト２８との干渉を回避しつつ車体前方へ延長する
ことができるので、ルーフパネル２及びフレーム
５の開口３，１２の前部を車体前方へ延長するこ
とが可能になり、それにより充分な開口面積を得
てこの為自動車の開放感を向上させることができ
るようになる。

なお、本考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、実用新案登録請求の範囲に記載された内
容から逸脱しない範囲内で種々の設計変更が可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のルーフ部の車体前方のコーナ
部を一部を破断して示す斜視図、第２図は第１図
のＡ−Ａ線に沿う断面図、第３図は自動車のルー
フ部の斜視図、第４図は可動ルーフ体及びフレー
ムの分解斜視図である。 ２……ルーフパネル、３……開口、４……可動
ルーフ体、５……フレーム、２０……フランジ
面、２１……コーナプレート、２４ａ……コーナ
シール面、２６……フイキシングプレート（ルー
フパネル側シールプレート）、２７……シールラ
バー（シール部材）、２８……インナプレート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 可動ルーフ体により開閉される開口を有するル
   ーフパネルを備え、該開口の内部に可動ルーフ体
   を支持するフレームが設けられたルーフ構造にお
   いて、 上記フレームは、上記開口周縁より車体外方に
   位置し、車体前後方向へ延びる支持部材で支持さ
   れており、該フレームの外周縁にはフランジ部が
   形成され、該フランジ部の車体前方のコーナ部分
   には、コーナ部分に隣接するフランジ部のフラン
   ジ面と連続して該フランジ面より車体内方に位置
   するコーナシール面が形成されたコーナプレート
   が設けられ、該コーナプレートのコーナシール面
   には、上記フレームのフランジ面から連続して延
   びるシール部材が設けられる一方、上記ルーフパ
   ネルの下面側には、上記開口および車体前方のコ
   ーナ部分にあつてはコーナプレートに沿つたルー
   フパネル側シールプレートが設けられ、シール部
   材により車体前方のコーナ部分以外の部分ではフ
   レームのフランジ面とルーフパネル側シールプレ
   ートとの間がシールされ、車体前方のコーナ部分
   では、コーナプレートのコーナシール面とルーフ
   パネル側シールプレートとの間がシールされるよ
   うになつていることを特徴とする自動車のルーフ
   構造。