JPH0257962B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、板閉枠時、隣接する板間及び
板と圧搾板間に夫々挟み込んだ一対の布間の
室内に原液を供給したのち、圧搾板の圧搾膜
を膨張させて圧搾過を行うフイルタプレスに関
する。

従来の技術 従来より、一般に、この種のフイルタプレスと
しては種々の構造のものが知られている。代表的
な例としては、板を枠体に一体的に過床を固
定して構成するとともに、圧搾板を上記板の
過床を圧搾膜で夫々被覆するように構成してな
り、前後スタンド間に、上記板と上記圧搾板
とを交互に配列するとともに、上記板と上記圧
搾板間に一対の布を配置し、最後部の板の
後側に配置した可動板で前スタンド側に上記板
及び上記圧搾板を締め付けたのち、原液を上記
一対の板間の室内に供給し、上記圧搾板の
圧搾膜を膨張させて圧搾膜と板の過床との間
で上記室内のケーキを圧搾するようにしたもの
がある。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記構造のものでは、板と圧
搾板を交互に配列して圧搾膜を板の過床に
対して押圧することにより、圧搾膜と過床との
間に挟み込んだケーキを圧搾するようにしている
ので、板と圧搾板とを交互に配列する必要が
あり、圧搾板の個数が多くなるといつた問題が
あつた。従つて、一般に、圧搾板は圧搾膜等を
備える分だけ上記板よりも高価なものとなつて
いるため、圧搾板の個数が増加することはフイ
ルタプレス全体としてコストアツプを招くことに
なつていた。

従つて、本発明の目的は、上記問題を解決する
ことにあつて、圧搾板の個数を減少させ、装置
全体としてコストダウンを図ることができるフイ
ルタプレスを提供することにある。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、各板
を枠体から構成するとともに、圧搾板と受圧板
との間に複数の板を配列するように構成した。
すなわち、前後スタンド間に少なくとも１個の圧
搾板と受圧板を配列し、該圧搾板と受圧板間
に、枠体から構成した板を複数個配列するとと
もに、各板間、板と圧搾板との間及び板
と受圧板との間に夫々一対の布を配置してな
り、最後部の板の後側に配列された可動板の前
進により上記板及び圧搾板を前スタンド側に
締め付けて上記圧搾板と上記受圧板との間に上
記複数の板を挟み込み、原液を上記各一対の
布間の室内に供給し、上記圧搾板の圧搾膜を
上記受圧板に向けて膨張させて上記圧搾板と受
圧板との間に配置された複数の室内のケーキを
圧搾するように構成した。

発明の作用 上記構成においては、圧搾板及び板を前ス
タンド側に可動板で締め付けたのち、各一対の
布間の室内に原液を供給し、圧搾板の圧搾膜
を受圧板側に向けて膨張させて圧搾板の圧搾膜
と受圧板との間で各室内のケーキを圧搾する。

実施例 以下に、本発明にかかる実施例を第１〜５図に
基づいて詳細に説明する。

本実施例にかかる板は、第１，２図に示すよ
うに、前後スタンド１，２間に受圧板としての機
能をも夫々有する一対の圧搾板７，７を配列
し、該圧搾板７，７間に枠体のみからなる板
６を多数挟み込むように配列し、かつ上記前後ス
タンド１，２間の両側に配置されたサイドビーム
４，４に上記各圧搾板７及び各板６を夫々前
後動自在に吊り支持するとともに、隣接する板
６，６間及び板６と圧搾板７との間に一対の
布５，５を挟み込むように配置し、最後部の
板６の後方に配列した可動板３を前進させて上記
板６及び圧搾板７を総て前スタンド側に締め
付け、上記各一対の布５，５間に形成した室
１１内に原液を供給したのち、圧搾板７の圧搾
膜９を膨張させて一対の圧搾板７，７の両圧搾
膜９，９間で各室１１内のケーキを圧搾して
液を回収する一方、上記可動板３を後退させて
板６及び圧搾板７を開枠して、各一対の布
５，５間に挟み込まれたケーキを回収するように
構成する。なお、第１図中、１ａは前スタンド１
の上部中央に形成した原液供給管、１ｂは前スタ
ンド１の下部各側部に夫々形成した液回収管で
ある。

上記各圧搾板７は、枠体８の前後両面に圧搾
膜９，９を配置して構成する。

上記枠体８は、水平断面及び垂直断面が五角形
状である部材であつて、その内面には厚み方向中
央部より両側に夫々傾斜した傾斜面８ｊを有す
る。各枠体８の各外側面の中央部付近には把手８
ｇを設け、フイルタプレスの前後スタンド１，２
間の各側方に架設されたサイドビーム４に上記把
手８ｇを夫々摺動可能に載置して枠体８を吊り支
持し、各枠体８の前後動を案内する。上記枠体８
の各側面の各上下角部には夫々側方に突出した耳
部８ｂ，…，８ｂを形成し、上部一方の耳部８ｂ
及び下部の一対の耳部８ｂ，８ｂに夫々厚み方向
に貫通した液回収口８ｆを形成し、かつ該液
回収口８ｆと布裏面と圧搾膜表面間の間〓とを
圧搾膜９に明けた液口（図示せず）に通ずる連
通孔８ｅで夫々連通させるとともに、枠体８の上
部他方の耳部８ｂには厚み方向に貫通した圧搾流
体供給口８ｄを形成し、該圧搾流体供給口８ｄと
枠体８の内部空間８ａ従つて両圧搾膜９，９間の
空間８ａとを連結孔８ｃで連結する。各圧搾板
７の枠体８の上部中央には上方に逆Ｕ字状に突出
した突出部８ｈを一体的に形成し、該突出部８ｈ
に厚み方向に貫通しかつ上記枠体８の内部空間８
ａと連通した原液供給用切欠部８ｉを形成する。

上記枠体８の前後両面には弾性を有する従来公
知の圧搾膜９，９を配置して上部及び下部を夫々
ボルト１０，…，１０等により固定する。上記各
圧搾膜９は、その上部中央には上記枠体８の突出
部８ｈに対応して突出部９ａを形成し、かつ該突
出部９ａの上記枠体８の切欠部８ｉに対応する部
分に円形の原液供給口９ｂを形成し、かつ枠体８
を挟んで対向する一対の原液供給口９ｂ，９ｂの
周囲を互いに密着させて原液供給９ｂ口内を通過
する原液が圧搾膜９，９間の空間８ａ内に入り込
まないようにするとともに、圧搾流体が原液供給
口９ｂ付近から漏れないようにして、枠体８内で
かつ両圧搾膜９，９で挟み込まれた圧搾流体供給
用空間８ａを密閉しうるようにする。

また、上記板６は、上記圧搾板７の枠体８
と大略同一構造をなすものであるため、同一部分
に同一番号を付してその説明を省略する。ただ
し、上記枠体８の上部の他方の耳部８ｂには圧搾
流体供給口８ｄと枠体８の内部空間８ａとを連通
する連結孔８ｃがなく板６の枠体８内に圧搾流
体が供給されない点のみ、上記圧搾板７の枠体
８と板６とが異なる。

上記各布５は従来公知の種々の材質から適宜
選択して形成したものである。各板６に対して
各布５は、該各板６の前後に配置した一対の
布５，５で枠体８の内部空間８ａを挟み込むよ
うに配置される。そして、各布５の上部中央で
かつ上記板６の切欠部８ｈに対応する部分には
円形の原液供給口５ａを形成し、かつ板６を挟
んで対向する一対の布５，５の両原液供給口５
ａ，５ａの周囲を縫着等により互いに連結して各
板６の枠体８の内部空間８ａでかつ両布５，
５間の空間内に直接原液が入り込まないようにす
る。また、各圧搾板７に対して各布５は、各
圧搾板７の圧搾膜９の表面を各布５で被覆す
るように配置される。そして、各布５の上部中
央でかつ上記各圧搾板７の原液供給用切欠部８
ｉに対応する部分には円形の原液供給口５ａを形
成し、かつ圧搾板７を挟んで対向する一対の
布５，５の両原液供給口５ａ，５ａの周囲を縫着
等により互いに連結して各布５と各圧搾膜９と
の間に直接原液が入り込まないようにする。

上記構成によれば、以下のように作動する。

すなわち、可動板３を前進させて全板６，
…，６及び全圧搾板７，…，７を前部スタンド
側に締め付けて閉枠したのち前スタンド１の原液
供給管１ａから原液を各板６の切欠部８ｉ内の
布５，５の原液供給口５ａ，５ａ及び圧搾板
７の圧搾膜９の原液供給口９ｂ内の布５，５の
原液供給口５ａ，５ａに通して、各隣接板６，
６間及び板６と圧搾板７との間に挟み込まれ
た一対の布５，５間に形成された室１１内に
原液を供給して過を行う。原液が総ての室１
１内に供給されて原液供給工程を終了すると、各
板６及び各圧搾板７の圧搾流体供給口８ｄ，
…，８ｄに圧搾流体を供給し、各圧搾板７にお
いて上記圧搾流体供給口８ｄから連通孔８ｃを介
して圧搾流体が一対の圧搾膜９，９間の圧搾流体
供給用空間８ａ内に供給され、第３図に示すよう
に各圧搾膜９を夫々膨張させる。一対の圧搾板
７，７間に挟み込まれた多数の板６，…，６す
なわち第３図では５枚の板６，…，６の間及び
板６と圧搾板７との間に形成された６個の
室１１，…，１１内のケーキを両圧搾膜９，９間
で圧搾して圧搾過を行う。上記過及び圧搾
過において、液は板６及び圧搾板７の各
液回収口８ｆから回収される一方、ケーキは各
布５，５間に保持される。

一回の圧搾過工程を終了すると、可動板３を
後退させて全圧搾板７及び全板６を夫々相互
に一定の間隔を保持した状態で一斉にまたは各
板６または各圧搾板７毎に順に開枠する。各
板６及び各圧搾板７が開枠されると、各一対の
布５，５間に挟み込まれて保持されていたケー
キを回収して、次の圧搾過工程に備える。

上記実施例によれば、各板６を枠体８のみか
ら構成して、室１１を形成する一対の布５，
５が隣接する板６の枠体８内の内部空間８ａ内
に自由に入り込むことができるようにしたので、
一対の圧搾板７，７間に多数の板６，…，６
を挟み込んで両圧搾膜９，９を膨張させれば、圧
搾膜９，９間に挟み込れた布５，５が各板６
の枠体８内で自由に移動でき、両圧搾膜９，９の
膨張による圧力が上記各一対の布５，５の前後
両面から作用して、各隣接板６及び圧搾板７
と板６間の各室１１内のケーキを確実に圧搾
することができる。従つて、圧搾板７と板と
を交互に配置する必要がなくなり、圧搾板７の
個数をフイルタプレス全体としては大幅に減少さ
せることができ、コストダウンを図ることができ
る。また、各板６の枠体８の内部空間８ａ内で
布５，５が自由に移動できるので、圧搾膜９，
９間で挟まれた複数の室１１，…，１１に夫々
ほぼ同等の圧力を作用させて圧搾を行うことがで
き、上記室１１内でのケーキの圧搾を大略均等
に行うことができる。また、板６の枠体８内に
過床を全く形成せず板６を枠体８のみから形
成したので、枠体８内に過床を形成していた従
来のものよりも板全体として極めて軽いものと
なる。

なお、本発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、その他種々の態様で実施できる。

例えば、上記圧搾板７，７間に挟み込まれる
各板６の枠体８の厚み方向寸法を小さくすれば
するほど多数の板６，…，６を両圧搾板７，
７間に配置することができ、各板６間に形成さ
れる室１１の個数が増加しかつ室１１の過
面積が増加するので、過効率が向上し、より均
等に圧搾過を行うことができる。また、第４図
に示すように、一対の圧搾板７，７の圧搾膜
９，９を第３図のように大略同時に膨張させるこ
となく、１つおきの圧搾板７（第４図では両端
部に配置した圧搾板７，７）の圧搾流体供給用
空間８ａに圧搾流体を供給して圧搾膜９を膨張さ
せたのち、これらの圧搾流体供給用空間８ａから
圧搾流体を抜く一方、残りの圧搾板７（第４図
では中央に配置した圧搾板７）の圧搾流体供給
空間８ａ内に圧搾流体を供給して、圧搾膜９を膨
張させるようにして、膨張せず受圧板の受圧面と
して機能する圧搾膜９と膨張した圧搾膜９との間
に挟み込まれた各室１１内のケーキを圧搾する
ようにしてもよい。また、圧搾板７としては、
上記枠体８のみからなるものに圧搾膜９，９を被
覆させたものに限らず、第５図に示すように、枠
体１２ａに過床１２ｂを一体的に固定してなる
従来の板１２に圧搾膜９，９を備えた従来の圧
搾板７′を使用するようにしてもよい。また、
上記圧搾板７は板６の枚数及び厚さによつて
は前後スタンド間の中間部または前スタンド側か
可動板側のいずれか一方の端部に１個配列して、
上記圧搾板７の圧搾膜９を受圧板としての可動
板３または前スタンド１に固定された受圧板とし
ての親板１３に向けて膨張させ、圧搾膜９と可動
板３または親板１３との間で室１１，…，１１
内のケーキを圧搾するようにしてもよい。また、
各布５，５の支持方法としては、板枠体８に
吊り支持する方法や前後スタンド１，２間上方に
配置した吊り支持装置で吊り支持する方法、また
は板に固定する方法など従来公知の種々の方法
が適用できる。また、各布５の原液供給口５ａ
の位置は枠体８の内部の過面や過面外の枠体
８の下方に配置したいわゆるボトムフイード型と
してもよい。また、上記各板６及び圧搾板７
の形状としては四角形状のものに限らず円形等任
意の形状でもよい。

発明の効果 上記構成によれば、各板を枠体のみから構成
したので、室を形成する一対の布が隣接する
板の枠体内に自由に入り込むことができ、圧搾
板と受圧板との間に複数の板を挟み込んで圧
搾膜を膨張させれば、圧搾膜と受圧板との間に挟
み込れた各布の前後両面に各板の枠体内で圧
搾膜の膨張による押圧力を作用させることがで
き、各隣接板間、圧搾板と板間及び受圧板
と板間の室内のケーキを確実に圧搾すること
ができる。従つて、圧搾板と受圧板との間に複
数の板を配列すればよく、圧搾板と板とを
交互に配置する必要がないので、フイルタプレス
全体としては圧搾板の個数を大幅に減少させる
ことができ、コストダウンを確実に図ることがで
きる。また、各板の枠体の内部空間内で布が
自由に移動できるので、圧搾膜と受圧板とで挟ま
れた複数の室に夫々ほぼ同時の圧力を作用させ
て圧搾を行うことができ、上記室内でのケーキ
の圧搾を圧搾むらが生じることなく大略均等に行
うことができる。また、板を布と枠体とから
構成し、枠体内に過床を形成しないので、板
の軽量化を図ることができるとともに、過時、
枠体の前後面間の過圧に大きな差が生ずること
もなく、板が破損することもない。すなわち、
従来の過床を有する板では、過時、過床
の両面間に作用する過圧に大きな差が生ずる
と、過床が枠体に対して変形しようとして過
床が破損するおそれがあつたのである。従つて、
本発明は所期の目的を十分に達成しえるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例にかかるフイルタプ
レスの一部破断側面図、第２，３図は夫々上記フ
イルタプレスの布を一部かけた状態での圧搾
板の正面図及び第２図の−線沿いにおける上
記フイルタプレスの要部拡大断面側面図、第４図
は上記第３図とは異なる方法で圧搾過を行う場
合のフイルタプレスの要部拡大断面側面図、第５
図は他の実施例にかかる圧搾板を配置した上記
フイルタプレスの要部拡大断面側面図である。 １……前スタンド、１ａ……原液供給管、１ｂ
……液回収管、２……後スタンド、３……可動
板、４……サイドビーム、５……布、５ａ……
原液供給口、６……板、７……圧搾板、８…
…枠体、８ａ……空間、８ｂ……耳部、８ｃ，８
ｅ……連通孔、８ｄ……圧搾流体供給口、８ｆ…
…液回収口、８ｇ……把手、８ｈ……突出部、
８ｉ……切欠部、８ｊ……傾斜面、９……圧搾
膜、９ａ……突出部、９ｂ……原液供給口、１０
……ボルト、１１……室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前後スタンド１，２間に少なくとも１個の圧
   搾板７と受圧板１３，３，７を配列し、該圧搾
   板７と受圧板１３，３，７間に、枠体から構成
   した板６を複数個配列するとともに、各板
   ６，６間、板６と圧搾板７との間及び板６
   と受圧板１３，３，７との間に夫々一対の布
   ５，５を配置してなり、最後部の板６の後側に
   配列された可動板３の前進により上記板６及び
   圧搾板７を前スタンド側に締め付けて上記圧搾
   板７と上記受圧板１３，３，７との間に上記複
   数の板６を挟み込み、原液を上記各一対の布
   ５，５間の室１１内に供給し、上記圧搾板７
   の圧搾膜９を上記受圧板１３，３，７に向けて膨
   張させて上記圧搾板７と受圧板１３，３，７と
   の間に配置された複数の室１１内のケーキを圧
   搾するようにしたことを特徴とするフイルタプレ
   ス。 ２ 上記圧搾板７は、枠体８の前後両面を圧搾
   膜９，９で被覆して構成した特許請求の範囲第１
   項に記載のフイルタプレス。 ３ 上記受圧板は圧搾板７である特許請求の範
   囲第１項または第２項のいずれかに記載のフイル
   タプレス。 ４ 上記受圧板は可動板３である特許請求の範囲
   第１項または第２項のいずれかに記載のフイルタ
   プレス。 ５ 上記受圧板は前スタンド１に固定された親板
   １３である特許請求の範囲第１項または第２項の
   いずれかに記載のフイルタプレス。