JP7420124B2

JP7420124B2 - エアバッグ

Info

Publication number: JP7420124B2
Application number: JP2021152590A
Authority: JP
Inventors: 祐也本地; 賢之介苅谷; 崇史小笠原; 正大浦郷; 誠大村
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 2021-09-17
Filing date: 2021-09-17
Publication date: 2024-01-23
Anticipated expiration: 2041-09-17
Also published as: US11807185B2; CN115817402A; US20230087296A1; JP2023044524A

Description

本発明は、展開時にガスの導入によって膨張するチャンバと、展開時に膨張しない非膨張エリアと、を含み、前記チャンバへガスを導入することによって展開するエアバッグに関する。

従来、衝突時の乗員保護のために、各種のエアバッグが提案され、車両に搭載されている。ここで、エアバッグは、その目的、機能によって、収納場所や展開場所が異なる。特許文献１は、後席乗員の側部保護のためのカーテンエアバッグについてのものであり、カーテンエアバッグから車両内側、乗員方向にチャンバを展開し側方だけでなく正面（顔面）を受けることのできるエアバッグを開示する。

特許第６６１３８５５号公報

このようなカーテンエアバッグなどでは、顔面保護用の部分を設けるために保護範囲の広い大きなエアバッグが必要となる。また、顔面保護用でなくても、上述のようなカーテンエアバッグにおいて、後席の乗員が小柄な女性であった場合には、カーテンエアバッグの上下方向の幅を広くして、乗員の頭部がカーテンエアバッグの下側を潜り抜けないようにする必要がある。特に、車両のオフセット前突（車両の前部の一部のみが前突）の場合には、車両が回転するため、乗員が回転によって振られ、カーテンエアバッグの下側を潜り抜ける可能性がある。

従って、エアバッグが大きく展開するために、より多くのガスが必要になるため、インフレータの高出力化が求められる。

本発明に係るエアバッグは、展開時にガスの導入によって膨張するチャンバと、展開時に膨張しない非膨張エリアと、を含み、前記チャンバへガスを導入することによって展開するエアバッグであって、前記非膨張エリアの周辺に位置する前記チャンバの内の第１部分は閉じられた先端部を含み、展開時において、前記先端部が前記非膨張エリアの周辺に位置し前記先端部に対向する前記チャンバの第２部分に対し、荷重を掛けて接触するとともに、前記第１部分は全体としてＵ字形状となっており、中間部分が下方に向けて突出している。

前記第２部分の前記対向する部分には、凹部が形成され、前記先端部が前記凹部内に入り込むようにして接触するとよい。

展開時において、前記非膨張エリアには、その周辺の前記チャンバが膨張することで、周辺に向けて広がる方向の張力が印加されるとよい。

前記第１部分は、展開時において、一端が前記先端部となるＵ字形状であり、前記第２部分は、前記第１部分のＵ字の開口を閉じるように位置し、両者に囲まれた内部が前記非膨張エリアとなっているとよい。

車室内側部に配置され、車両前後方向に展開するカーテンシールドエアバッグであるとよい。

本発明に係るエアバッグによれば、チャンバの体積をあまり大きくすることなく、乗員の頭部をカバーする範囲を広げることができる。

実施形態に係るエアバッグの展開状態の形状を示す側面図である。図１のエアバッグにおけるＡ－Ａ断面を示す拡大図である。非膨張エリアを設けない比較例のエアバッグのＡ－Ａ断面に対応する断面図である。図２Ａに示す実施形態において、車両前面の一部のみが衝突するオフセット衝突（非対称衝突）などの際に後席の乗員の頭部が窓側に振られた場合の状態を模式的に示す側面図とＡ－Ａ断面図である。図２Ｂに示す比較例において、車両前面の一部のみが衝突するオフセット衝突（非対称衝突）などの際に後席の乗員の頭部が窓側に振られた場合の状態を模式的に示す側面図とＡ－Ａ断面図である。実施形態に係るエアバッグの非膨張エリアがピンと張って頭部を支える状態を示す断面図である。非膨張エリアが、皺のよったピンと張った状態でない場合の頭部が衝突する状態を示す断面図である。

以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、ここに記載される実施形態に限定されるものではない。

「全体構成」
図１は、実施形態に係るエアバッグの展開状態の形状を示す側面図である。このエアバッグは、車両の車室内側部の窓を覆うように展開するカーテンエアバッグ（カーテンシールドエアバッグ：ＣＳＡともいわれる）である。なお、展開状態において、エアバッグ１０は、厚み方向にも膨張している。

エアバッグ１０は、全体として、車両前後方向に長い長方形状であり、車両の前席および後席側方の窓に上から垂れ下がるように展開する。すなわち、エアバッグ１０の上辺が、天井の側端部（窓の上の部分）に固定される。

エアバッグ１０は、気密な基布（通常合成繊維）を袋状として、チャンバ２０を形成し、チャンバ２０内にインフレータ１２からのガスを導入して膨張する。また、チャンバ２０は複数の部屋に分けられており、かつ複数の部屋の間に適宜基布から構成されガスが導入されない非膨張エリア４０が設けられる。

導入口１４は、インフレータ１２からのガスを受け入れる部分で、インフレータ１２からの導管が接続される。導入口１４には、チャンバ２０の入口室２２に接続される。入口室２２は、横長の部屋で、その中央上部に導入口１４が接続される。入口室２２の後方側には、後室２４が接続されている。後室２４は、全体として正方形に近く、チャンバ２０の上部後方端に位置し、入口室２２との連通部から後方および下方に向けて広がる。

後室２４は、その前方側の辺の中間部分に連通部があり、ここに後端室２６が接続される。この後端室２６は、前方側に伸び終端する長方形で後室２４との連通部以外は閉じている（先端が閉じている）部屋である。

入口室２２の前方側は、前室２８の上部後端に接続される。この前室２８は後室２４と同様に正方形に近い形状を有している。内部に設けられた非膨張エリア４０（４０－６）によって、その上側の小部屋２８（２８－１）と下側の大部屋２８（２８－２）に分割されている。小部屋２８－１と、大部屋２８－２は、後方端と前方端の両側で連通している。

前室２８の小部屋２８－１の前方側には、前端室３０が接続されている。この前端室３０は、前方および下方に広がる縦長の長方形状であって、その下部後方端が大部屋２８（２８－２）と連通している。前端室３０は、非膨張エリア４０－５によって、大部屋２８－２から分割されている。

前室２８の後辺の中間部には、中間端室３２が接続されている。この中間端室３２は、前室２８との連通部から両側（図における上下）に広がった基部３２（３２－１）の後、細くなり、下方、次に後方に伸びた後上方に伸びて終端する下方に向けて突出するＵ字形状の伸長部３２（３２－２）を有する。

そして、中間端室３２の伸長部３２－２の先端部３２ａは、後端室２６の根元（後室２４との連通部）の下側に突き当たるようになっている。後端室２６の根元の下側には、上に向けて凹む凹部２６ａが形成されており、中間端室３２の先端部３２ａが凹部２６ａに嵌り込むようになっている。特に、展開状態では、チャンバ２０は圧力がかかった状態のガス（圧縮されたガス）が充満されており、膨張状態になっている。なお、中間端室３２が非膨張エリア４０の周辺のチャンバ２０の第１部分、後端室２６が非膨張エリア４０の周辺のチャンバ２０の第２部分に該当し、さらに具体的には先端部３２ａが第１部分、凹部２６ａが第２部分に該当する。

そして、先端部３２ａが凹部２６ａに嵌り込むことで、両者の間隙は小さく、先端部３２ａと凹部２６ａを取り囲む後端室２６は荷重が掛かった状態で接触（圧接）する。特に、後端室２６が先端部３２ａを取り囲んでいるため、中間端室３２が押圧された場合に先端部３２ａが膨張しようとする力を後端室２６は十分に受け止める。そこで、中間端室３２に乗員の頭部などが衝突した場合にこれを十分に受け止めることができる。

また、後端室２６の前方の先端部（前辺）２６ｂは、中間端室３２の基部３２－１の後辺に突き当たっており、膨張状態で両者は圧力が掛かった状態で当接する。

中間端室３２は、全体として下方に向けて突出するＵ字状であり、このＵ字の開いている部分を後端室２６が閉じる構成になっている。また、Ｕ字状の中間端室３２と、後端室２６とで囲まれた空間は、ガスが導入されない１枚または複数枚の基布が重畳されたガス導入のない非膨張エリア４０（４０－１）になっている。

中間端室３２に圧縮されたガスが入った場合、中間端室３２（特に、伸長部３２－２）は、その体積が大きくなろうとして、Ｕ字の外側に向けて広がろうとする。このため、非膨張エリア４０－１には外側に引っ張られる力が掛かる。また、中間端室３２の先端部３２ａ、後端室２６の先端部２６ｂは対向する部分に当接しており、非膨張エリア４０－１の張力を十分なものに維持する。そこで、非膨張エリア４０－１に対し乗員の頭部などが車外側に向けて衝突した場合に、非膨張エリア４０－１の張力によってこれに対抗することができる。

中間端室３２は、比較的狭い連通部によって前室２８と接続されており、その後一旦広がっている。これによって、中間端室３２は、その体積が小さいが、乗員の頭部の衝突に対しカバーするエリアが大きくなっている。なお、中間端室３２の根元の部分である基部３２－１の上下方向両側には前室２８の後辺との間に円形状で比較的小さな非膨張エリア４０（４０－２）、４０（４０－３）が設けられている。

後端室２６と、入口室２２との間には、横長長方形状の非膨張エリア４０（４０－４）が設けられており、これによって後端室２６が独立して変形しやすくなっている。また、この非膨張エリア４０－４は、前方端が中間端室３２の根元の広がった部分（基部３２－１）を介し非膨張エリア４０－３とつながっている。

このように、多くの部屋に分けることによって、部屋ごとの動きをある程度規制することができ、乗員の動きに対し適切な対応が可能となっている。

また、前室２８と、前端室３０との仕切り、前室２８の小部屋２８－１と大部屋２８－２との仕切り部分には、非膨張エリア４０（４０－５），４０（４０－６）が設けられ、それぞれの部屋の膨張、衝突に対する応答が適切なものになるように設定している。

「Ｕ字状の中間端室」
ここで、上述したように、中間端室３２が全体としてＵ字形状となっており、伸長部３２－２が下方に向けて突出している（図１におけるｄで示す距離）。そして、この距離ｄに対応した面積は、非膨張エリア４０（４０－１）により充当している。従って、チャンバ２０の体積をあまり大きくすることなく、下側にはみ出したチャンバ２０の一部分である中間端室３２の伸長部３２－２を得ることができる。

図２Ａは、図１におけるＡ－Ａ断面を示す図である。このように、入口室２２と後端室２６の間に非膨張エリア４０－４、後端室２６と伸長部３２－２との間に非膨張エリア４０－１が配置されている。これによって、エアバッグ１０が乗員の頭部をカバーする範囲を下方に広げることができる。図２Ｂは、非膨張エリア４０－４，４０－１を設けない比較例の断面図であり、本実施形態のエアバッグ１０に比べ、図においてＬで示した距離だけ乗員の頭部をカバーするエリアが小さい。

図３Ａ、図３Ｂは、車両前面の一部のみが衝突するオフセット衝突（非対称衝突）などの際に後席の乗員の頭部が窓側に振られた場合の状態を示す図であり、図３Ａは本実施形態、図３Ｂは比較例の場合を示す。

車両がオフセット衝突すると、衝突が検知されて、インフレータ１２が着火する。これによって、ガスが発生し、これがエアバッグ１０のチャンバ２０内に流入する。これによって、チャンバ２０が膨張することで、エアバッグ１０が展開し、チャンバ２０の各部屋が膨張する。

ここで、オフセット衝突の場合、衝突によって車両が回転する。このため、衝突の当初に後部座席の乗員の頭部は、例えばエアバッグ１０の後室２４に衝突し、車内側にバウンドするが、この際に車両が横方向に回転しているため、図３Ｂに示すように、乗員の頭部がリバウンドして車両前下方に振込み、エアバッグ１０の下方を潜り抜け、車外に向けて移動する可能性があり、窓に直接衝突する可能性がある。

本実施形態では、伸長部３２－２によって、エアバッグ１０が下方に向けて延長されている。従って、図３Ａに示すように、リバウンドした乗員の頭が伸長部３２－２によって受け止められ、乗員の頭部がエアバッグ１０を潜り抜けることを防止することができる。

図４Ａは、実施形態に係るエアバッグ１０の非膨張エリア４０－１の状態を示す。この例では、上述したように、伸長部３２－２の先端部３２ａが後端室２６の凹部２６ａに荷重が掛かって当接しており、また伸長部３２－２は体積が大きくなるために広がろうとするため非膨張エリア４０－１は、ピンと張った状態、すなわちトランポリン（商標）のように張った状態にある。

従って、図４Ａに示すように、乗員の頭部が衝突した場合に非膨張エリア４０－１によって乗員の頭部を支えることが可能になる。すなわち、エアバッグ１０のチャンバ２０の後端室２６および中間端室３２の伸長部３２－２が窓ガラス等と接触し、エアバッグ１０の移動が止まり、さらに非膨張エリア４０－１の反力によって乗員の頭部の移動を止めることができる。

なお、後端室２６の上側にも非膨張エリア４０－４を設けている。この非膨張エリア４０－４についても、展開時に入口室２２、後室２４などが広がろうとすることで、張力が加わっており、この部分にガスがなくても乗員の頭部を受け止めることができる。従って、チャンバ２０の体積を増加することなく、後席横のエアバッグ１０の上下方向で乗員の頭部をカバーする範囲を広げることができる。

図４Ｂは、非膨張エリア４０－１が、皺のよった、ピンと張った状態でない場合の例（比較例）を示す図である。このように、非膨張エリア４０－１が、ピンと張った状態でないと、非膨張エリア４０－１により乗員の頭部を受け止めることができず、頭部が窓ガラスなどに衝突しやすい。

１０エアバッグ、１２インフレータ、１４導入口、２０チャンバ、２２入口室、２４後室、２６後端室（第２部分）、２６ａ凹部、２６ｂ先端部、２８前室、２８－１小部屋、２８－２大部屋、３０前端室、３２中間端室（第１部分）、３２－１基部、３２－２伸長部、３２ａ先端部、４０（４０－１～４０－６）非膨張エリア。

Claims

展開時にガスの導入によって膨張するチャンバと、展開時に膨張しない非膨張エリアと、を含み、前記チャンバへガスを導入することによって展開するエアバッグであって、
前記非膨張エリアの周辺に位置する前記チャンバの内の第１部分は閉じられた先端部を含み、
展開時において、前記先端部が前記非膨張エリアの周辺に位置し前記先端部に対向する前記チャンバの第２部分に対し、荷重を掛けて接触するとともに、前記第１部分は全体としてＵ字形状となっており、中間部分が下方に向けて突出している、
エアバッグ。
請求項１に記載のエアバッグであって、
前記第２部分の前記対向する部分には、凹部が形成され、前記先端部が前記凹部内に入り込むようにして接触する、
エアバッグ。
請求項１または２に記載のエアバッグであって、
展開時において、前記非膨張エリアには、その周辺の前記チャンバが膨張することで、周辺に向けて広がる方向の張力が印加される、
エアバッグ。
請求項１～３のいずれか１つに記載のエアバッグであって、
前記第１部分は、展開時において、一端が前記先端部となるＵ字形状であり、前記第２部分は、前記第１部分のＵ字の開口を閉じるように位置し、両者に囲まれた内部が前記非膨張エリアとなっている、
エアバッグ。
請求項１～４のいずれか１つに記載のエアバッグであって、
車室内側部に配置され、車両前後方向に展開するカーテンシールドエアバッグである、
エアバッグ。