JP2017100682A - 車両用後席乗員保護エアバッグ装置 - Google Patents

車両用後席乗員保護エアバッグ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、後席乗員の拘束性能を向上することができる車両用後席乗員保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両用後席乗員保護エアバッグ装置は、車両12に設けられたカーテンエアバッグ用インフレータと、カーテンエアバッグ用インフレータからガスの供給を受けて、後席28側のサイドウインドガラスの車両幅方向内側で膨張展開されるカーテンエアバッグ50と、カーテンエアバッグ50の下端部50Lに設けられ、カーテンエアバッグ50からガスの供給を受けて当該カーテンエアバッグ50の下端部50Lから車両幅方向内側へ膨張展開され、後席28に着座した後席乗員PRと前席シートバックとの間に配置される前突用エアバッグ70と、前突用エアバッグ70の車両幅方向の中間部と、カーテンエアバッグ50の上部50Uとを連結する反力ストラップ80と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用後席乗員保護エアバッグ装置に関する。
車両前面衝突(以下、「前突」という)時に、カーテンエアバッグの下部から車室内側へ膨張展開され、後席乗員の胸部と前席シートバック(フロントシートバック)との間に配置される後席用エアバッグを備える車両用乗員保護装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術では、前突時に後席乗員が車両前側へ移動すると、後席用エアバッグによって後席乗員が拘束される。
なお、車両用乗員保護装置としては、特許文献1とは別に、例えば、下記特許文献2〜7がある。
特開2010−137752号公報 特開平10−166980号公報 特開2009−083718号公報 特開2008−279977号公報 特開2003−246254号公報 特開2008−221904号公報 特開2006−008105号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、後席用エアバッグが、前席シートバックに反力をとって後席乗員を拘束する。そのため、前突時における前席シートバックの車両前後方向の位置及び傾倒角度(リクライニング角度)によっては、後席用エアバッグが前席シートバックに十分な反力をとることができず、後席乗員の拘束性能が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、後席乗員の拘束性能を向上することができる車両用後席乗員保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置は、車両に設けられたカーテンエアバッグ用インフレータと、前記カーテンエアバッグ用インフレータからガスの供給を受けて、後席側のサイドウインドガラスの車両幅方向内側で膨張展開されるカーテンエアバッグと、前記カーテンエアバッグの下部に設けられ、該カーテンエアバッグからガスの供給を受けて前記下部から車両幅方向内側へ膨張展開され、前記後席に着座した後席乗員と前席の前席シートバックとの間に配置される前突用エアバッグと、前記前突用エアバッグの車両幅方向の中間部又は車両幅方向内側の内端部と、前記カーテンエアバッグの上部又は前記サイドウインドガラスの車両上側の骨格部材とを連結する反力ストラップと、を備える。
上記の構成によれば、カーテンエアバッグは、カーテンエアバッグ用インフレータからガスの供給を受けて、後席側のサイドウインドガラスの車両幅方向内側で膨張展開される。また、カーテンエアバッグの下部には、前突用エアバッグが設けられている。この前突用エアバッグは、カーテンエアバッグからガスの供給を受けて、当該カーテンエアバッグの下部から車両幅方向内側へ膨張展開され、後席に着座した後席乗員と前席の前席シートバックとの間に配置される。
ところで、車両側面衝突(以下、「側突」という)時には、後席乗員の頭部がサイドウインドガラス側(車両幅方向外側)へ慣性移動する。この際、カーテンエアバッグ用インフレータを作動させると、膨張展開されたカーテンエアバッグによって後席乗員の頭部を拘束することができる。
一方、前突時には、後席乗員の頭部が車両前側へ慣性移動する。この際、カーテンエアバッグ用インフレータを作動させると、膨張展開された前突用エアバッグによって、後席乗員が拘束される。
ここで、後席乗員が前突用エアバッグに拘束されたときに、前突用エアバッグがカーテンエアバッグに対して車両前側又は車両下側へ変形すると、前突用エアバッグによる後席乗員の拘束力が低下する可能性がある。
これに対して本発明では、前突用エアバッグの車両幅方向の中間部又は車両幅方向内側の内端部と、カーテンエアバッグの上部又はサイドウインドガラスの車両上側の骨格部材とが、反力ストラップによって連結されている。この反力ストラップによって、前突用エアバッグがカーテンエアバッグに対して車両前側又は車両下側へ変形することが抑制される。したがって、前突用エアバッグによる後席乗員の拘束性能が向上する。
請求項2に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置は、請求項1において、前記前突用エアバッグは、膨張展開状態で、前記後席乗員の大腿部上において、前記後席乗員の腹部よりも車両上側で、かつ、該後席乗員の頭部の上部よりも車両下側に配置される。
上記の構成によれば、前突用エアバッグは、膨張展開状態で、後席乗員の大腿部上において、当該後席乗員の腹部よりも車両上側で、かつ、後席乗員の頭部の上部よりも車両下側に配置される。
ここで、前突時には、シートベルトを着用した後席乗員の上半身が、当該後席乗員の腰部(腰ベルト部)を中心として車両前側へ傾倒する。これにより、後席乗員の頭部が車両前側、かつ、車両下側へ振り下げられる。この後席乗員の頭部は、車両上側から前突用エアバッグに接触する。
一方、後席乗員の腕部は、後席乗員の大腿部上へ振り上げられる。この腕部は、車両下側から前突用エアバッグに接触する。つまり、前突用エアバッグは、後席乗員の頭部と腕部との間に挟み込まれ、この状態で頭部及び腕部を拘束する。換言すると、前突用エアバッグは、振り上げられる後席乗員の腕部に反力をとって頭部を拘束する。したがって、前突用エアバッグによる後席乗員の頭部の拘束性能が向上する。
請求項3に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置は、請求項2において、前記前突用エアバッグの車両後側の後端部に設けられ、前記前突用エアバッグからガスの供給を受けて該前突用エアバッグよりも車両下側で膨張展開される下肢反力エアバッグを備える。
上記の構成によれば、前突用エアバッグの車両後側の後端部には、下肢反力エアバッグが設けられている。下肢反力エアバッグは、前突用エアバッグからガスの供給を受けて、当該前突用エアバッグよりも車両下側で膨張展開される。
これにより、前突時に、振り下げられた後席乗員の頭部が前突用エアバッグに拘束されると、下肢反力エアバッグが後席乗員の胸部と大腿部との間で挟み込まれる。そのため、前突用エアバッグは、下肢反力エアバッグを介して後席乗員の大腿部に反力をとって頭部を拘束することができる。したがって、前突用エアバッグによる後席乗員の頭部の拘束性能が向上する。
請求項4に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置は、請求項2において、前記前突用エアバッグの車両後側の後端部に設けられ、前記前突用エアバッグからガスの供給を受けて該前突用エアバッグよりも車両上側で膨張展開される頭部拘束エアバッグを備える。
上記の構成によれば、前突用エアバッグの車両後側の後端部には、頭部拘束エアバッグが設けられている。頭部拘束エアバッグは、前突用エアバッグからガスの供給を受けて、当該前突用エアバッグよりも車両上側で膨張展開される。
これにより、前突時に、後席乗員の頭部が振り下げられると、先ず、後席乗員の頭部が頭部拘束エアバッグに拘束される。次に、後席乗員の頭部がさらに振り下げられると、当該頭部が頭部拘束エアバッグを介して前突用エアバッグに拘束される。そのため、本発明では、前突用エアバッグに頭部拘束エアバッグが設けられていない場合と比較して、後席乗員の頭部を早期に拘束することができる。したがって、前突時における後席乗員の頭部の拘束性能が向上する。
請求項5に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置は、車両に設けられたカーテンエアバッグ用インフレータと、前記車両に設けられた前突用インフレータと、前記カーテンエアバッグ用インフレータからガスの供給を受けて、後席側のサイドウインドガラスの車両幅方向内側で膨張展開されるカーテンエアバッグと、前記カーテンエアバッグの下部に設けられ、前記前突用インフレータからガスの供給を受けて前記下部から車両幅方向内側へ膨張展開され、前記後席に着座した後席乗員と前席の前席シートバックとの間に配置される前突用エアバッグと、前記前突用エアバッグの車両幅方向の中間部又は車両幅方向内側の内端部と、前記カーテンエアバッグの上部又は前記サイドウインドガラスの車両上側の骨格部材とを連結する反力ストラップと、を備える。
上記の構成によれば、カーテンエアバッグは、カーテンエアバッグ用インフレータからガスの供給を受けて、後席側のサイドウインドガラスの車両幅方向内側で膨張展開される。また、カーテンエアバッグの下部には、前突用エアバッグが設けられている。この前突用エアバッグは、前突用インフレータからガスの供給を受けて、当該カーテンエアバッグの下部から車両幅方向内側へ膨張展開され、後席乗員と前席シートバックとの間に配置される。
ところで、側突時には、後席乗員の頭部がサイドウインドガラス側(車両幅方向外側)へ慣性移動する。この際、カーテンエアバッグ用インフレータを作動させると、膨張展開されたカーテンエアバッグによって後席乗員の頭部を拘束することができる。
一方、前突時には、後席乗員の頭部が車両前側へ慣性移動する。この際、カーテンエアバッグ用インフレータ及び前突用インフレータを作動させると、膨張展開された前突用エアバッグによって、後席乗員の頭部が拘束される。
ここで、後席乗員が前突用エアバッグに拘束されたときに、前突用エアバッグがカーテンエアバッグに対して車両前側又は車両下側へ変形すると、前突用エアバッグによる後席乗員の拘束力が低下する可能性がある。
これに対して本発明では、前突用エアバッグの車両幅方向の中間部又は車両幅方向内側の内端部と、カーテンエアバッグの上部又はサイドウインドガラスの車両上側の骨格部材とが、反力ストラップによって連結されている。この反力ストラップによって、前突用エアバッグがカーテンエアバッグに対して車両前側又は車両下側へ変形することが抑制される。したがって、前突用エアバッグによる後席乗員の拘束性能が向上する。
また、カーテンエアバッグは、カーテンエアバッグ用インフレータからガスの供給を受けて膨張展開される。一方、前突用エアバッグは、前突用インフレータからガスの供給を受けて膨張展開される。これにより、前突用エアバッグが、カーテンエアバッグを介してカーテンエアバッグ用インフレータからガスの供給を受けて膨張展開される場合と比較して、前突用エアバッグを早期に膨張展開させることができる。また、前突用エアバッグの展開タイミング及びバック内圧を後席単独で調整可能である。
請求項6に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項において、車両前面衝突が予測され、かつ、前記前席の一部が前記前突用エアバッグの膨張展開領域内に位置する場合に、前記前席を車両前側へ移動させ、該前席の一部を前記膨張展開領域外に配置する前席移動手段を備える。
上記の構成によれば、前席移動手段は、車両の前突が予測され、かつ、前席の一部が前突用エアバッグの膨張展開領域内に位置する場合に、前席を車両前側へ移動させ、当該前席の一部を前突用エアバッグの膨張展開領域外へ配置する。これにより、前席の一部によって、前突用エアバッグの膨張展開が阻害されることが抑制される。したがって、前突用エアバッグによって、後席乗員を拘束することができる。
請求項7に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項において、車両前面衝突が予測され、かつ、前記後席が所定領域外に位置する場合に、前記後席を車両前後方向に移動させ、該前席を前記所定領域内に配置する後席移動手段を備える。
上記の構成によれば、後席移動手段は、車両の前突が予測され、かつ、後席が所定領域外に位置する場合に、後席を車両前後方向に移動させ、当該後席を所定領域内に配置する。これにより、膨張展開された前突用エアバッグと、後席に着座した後席乗員との間の距離を所定範囲内にすることができる。したがって、前突用エアバッグによって、後席乗員を効果的に拘束することができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置によれば、後席乗員の拘束性能を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置が適用された車両の右側を車両幅方向中央側から見た断面図である。 図1に示される車両の右側後部を車両前側から見た断面図である。 図1に示されるカーテンエアバッグ及び前突用エアバッグを示す平面展開図である。 前突時における後席乗員の慣性移動状態を示す図1の要部拡大断面図である。 (A)及び(B)は、図1に示されるカーテンエアバッグ及び前突用エアバッグの展開過程を模式的に示す図2に対応する断面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置が適用された車両を示す図4に対応する要部断面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置が適用された車両を示す図2に対応する断面図である。 図6に示されるカーテンエアバッグ、前突用エアバッグ、及び下肢反力エアバッグを示す平面展開図である。 前突時における後席乗員の慣性移動状態を示す図4に対応する要部断面図である。 (A)及び(B)は、図6に示されるカーテンエアバッグ、前突用エアバッグ、及び下肢反力エアバッグの展開過程を模式的に示す図5に対応する断面図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置が適用された車両を示す図4に対応する要部断面図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置が適用された車両を示す図2に対応する断面図である。 図11に示されるカーテンエアバッグ、前突用エアバッグ、及び頭部拘束エアバッグを示す平面展開図である。 保持ストラップが切断された状態を示す図12に対応する断面図である。 (A)及び(B)は、図11に示されるカーテンエアバッグ、前突用エアバッグ、及び頭部拘束エアバッグの展開過程を模式的に示す図5(又は図10)に対応する断面図である。 本発明の第4実施形態に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置が適用された車両を示す図4に対応する要部断面図である。 図16に示されるカーテンエアバッグの一部、前突用エアバッグ、及び頭部拘束エアバッグを示す平面展開図である。 本発明の第5実施形態に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置が適用された車両を示す図1に対応する断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置について説明する。なお、各図において適宜示される矢印FRは、車両前側(車両前後方向前側)を示し、矢印UPは、車両上側(車両上下方向上側)を示している。また、矢印OUTは、車両幅方向外側を示している。また、以下の説明における前後、上下及び左右は、特に断りがない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下及び車両幅方向の左右をそれぞれ意味する。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係る車両用後席乗員保護エアバッグ装置10が適用された車両12が示されている。この車両12のキャビン14の右前側には、助手席としての前席16が配置されている。また、キャビン14の右後側、すなわち前席16の車両後側には、後席28が配置されている。なお、キャビン14の左前側には、図示しない運転席が配置されており、キャビン14の左後側には、図示しない後席が配置されている。
前席16は、前席シートクッション16Aと、前席シートクッション16Aの後端部に車両前後方向に傾倒可能に設けられた前席シートバック16Bと、前席シートバック16Bの上端部に設けられた前席ヘッドレスト16Cとを有している。前席シートクッション16Aは、車両フロア18上に設けられたスライドレール20に沿って車両前後方向に移動可能とされている。また、前席16の車両前側のインストルメントパネル22内には、図示しない助手席用エアバッグ装置が収納されている。
助手席用エアバッグ装置は、図示しない助手席用インフレータと、助手席用インフレータからガスの供給を受けて、インストルメントパネル22と後述する前席乗員PFとの間で膨張展開される助手席用エアバッグ24とを有している。なお、助手席用インフレータには、後述するエアバッグECU60が電気的に接続されている。
後席28は、後席シートクッション28Aと、後席シートクッション28Aの後端部に車両前後方向に傾倒可能に設けられた後席シートバック28Bと、後席シートバック28Bの上端部に設けられた後席ヘッドレスト28Cとを有している。後席シートクッション28Aは、車両フロア18上に設けられたスライドレール30に沿って車両前後方向に移動可能とされている。
前席16には、乗員を模擬した衝突試験用のダミー(ダミー人形)PFが着座(設置)されている。これと同様に、後席28には、乗員を模擬した衝突試験用のダミー(ダミー人形)PRが着座(設置)されている。これらのダミーPF,PRとしては、Hybrid−3 AM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)等が用いられる。
ダミーPF,PRは、衝突試験法で定められた標準的な着座姿勢で前席16及び後席28にそれぞれ着座されている。また、前席シートクッション16Aの車両前後方向の位置、及び前席シートクッション16Aに対する前席シートバック16Bの傾倒角度(傾斜角度)は、ダミーPFの上記着座姿勢に対応した基準位置に調整されている。これと同様に、後席シートクッション28Aの車両前後方向の位置、及び後席シートクッション28Aに対する後席シートバック28Bの傾倒角度は、ダミーPRの上記着座姿勢に対応した基準位置に調整されている。なお、以下では、説明の便宜上、前席16に着座したダミーPFを前席乗員PFとし、後席28に着座したダミーPRを後席乗員PRとする。
(車両用後席乗員保護エアバッグ装置の構成)
図1には、車両用後席乗員保護エアバッグ装置(以下、単に「エアバッグ装置」という)の作動状態が示されている。このエアバッグ装置10は、カーテンエアバッグ50と、カーテンエアバッグ用インフレータ(以下、「CSA用インフレータ」という)58と、前突用エアバッグ70と、反力ストラップ80と、エアバッグECU60とを備えている。
カーテンエアバッグ50は、一例として、重ね合わされた2枚の基布の外周部同士を縫製によって接合することにより、袋状に形成されている。このカーテンエアバッグ50は、長尺のロール状に巻かれた状態で、車両側部12S(図2参照)の上端部に設けられたルーフサイド部32内にCSA用インフレータ58(図1参照)と共に収納される。また、カーテンエアバッグ50は、フロントピラー34の後端部から図示しないリヤピラーの上端部に亘ってルーフサイド部32に収納される。
図2に示されるように、ルーフサイド部32は、ルーフサイドレール36と、ルーフヘッドライニング38の車両幅方向外側の外側部38Aとを有している。このルーフサイドレール36とルーフヘッドライニング38の外側部38Aとの間に、カーテンエアバッグ50(図1参照)が収納されている。なお、ルーフサイドレール36には、ルーフパネル37の車両幅方向外側の端部が接合されている。また、図2では、スライドレール30の図示が省略されている。
後席28には、腰ベルト部40Aを有する3点式のシートベルト40が設けられている。このシートベルト40は、図1等では図示が省略されている。また、後席28の車両幅方向外側には、サイドウインドガラス44を上部に有するリヤサイドドア42が設けられている。このリヤサイドドア42は、車両側部12Sを構成している。
図1に示されるように、ガス発生装置としてのCSA用インフレータ58は、円柱状に形成されている。このCSA用インフレータ58は、長手方向を車両前後方向として図示しないセンタピラーの車両上側のルーフサイド部32に収納されている。また、CSA用インフレータ58の長手方向の一端部には、カーテンエアバッグ50内にガスを噴出する図示しないガス噴出部が設けられている。また、CSA用インフレータ58の端部には、図示しない点火装置(スクイブ)が設けられている。この点火装置には、後述するエアバッグECU60が電気的に接続されている。
カーテンエアバッグ50は、CSA用インフレータ58からガスの供給を受けて、ルーフサイド部32から車両下側へカーテン状に膨張展開される。このカーテンエアバッグ50は、図示しないフロントサイドドアのサイドウインドガラス及びリヤサイドドア42のサイドウインドガラス44の車両幅方向内側で、車両上下方向及び車両前後方向に沿って膨張展開される。
カーテンエアバッグ50は、膨張部としての前側メインチャンバ52F及び後側メインチャンバ52Rと、前側メインチャンバ52Fと後側メインチャンバ52Rとを接続するガス流路54と、非膨張部56とを有している。前側メインチャンバ52Fは、前席乗員PFの頭部保護エリアに対応してカーテンエアバッグ50における車両前側に設けられている。この前側メインチャンバ52Fは、前席乗員PFの頭部Hと前席16側の図示しないサイドウインドガラスとの間で膨張展開される。
後側メインチャンバ52Rは、後席乗員PRの頭部保護エリアに対応してカーテンエアバッグ50の車両後側に設けられている。この後側メインチャンバ52Rは、後席乗員PRの頭部Hと後席28側のサイドウインドガラス44(図2参照)との間で膨張展開される。ガス流路54は、カーテンエアバッグ50の上端部に沿って前側メインチャンバ52Fと後側メインチャンバ52Rとを車両前後方向に接続している。このガス流路54の車両下側には、非膨張部56が設けられている。
図3に示されるように、非膨張部56は、その外周部に沿って2枚の基布が環状に縫製されることで、ガスが流入されない島状の非膨張領域とされている。また、非膨張部56は、カーテンエアバッグ50と後述する前突用エアバッグ70とに亘って設けられている。この非膨張部56は、カーテンエアバッグ50側の非膨張部56Aと、前突用エアバッグ70側の非膨張部56Bとを有している。
図1に示されるように、車両12には、制御装置としてのエアバッグECU60が設けられている。このエアバッグECU60には、衝突センサ62及び予防センサ64が電気的に接続されている。衝突センサ62は、車両12に対する前突、斜め衝突、微小ラップ衝突、及び側突等の各種の衝突を検知可能とされている。この衝突センサ62は、検知した衝突情報を電気信号としてエアバッグECU60に出力する。また、予防センサ64は、車両12に対する前突、斜め衝突、微小ラップ衝突、及び側突等の各種の衝突を予測(不可避の衝突を予測)可能とされている。この予防センサ64は、予測した衝突情報を電気信号としてエアバッグECU60に出力する。エアバッグECU60は、衝突センサ62及び予防センサ64から入力された衝突情報に基づいて、図示しない助手席用インフレータ及びCSA用インフレータ58を制御する。なお、エアバッグECU60による助手席用インフレータ及びCSA用インフレータ58の制御方法については、本実施形態の作業及び効果とともに後述する。
(前突用エアバッグの構成)
図1及び図2には、膨張展開状態の前突用エアバッグ70が示されている。図1に示されるように、前突用エアバッグ70は、カーテンエアバッグ50からガスの供給を受けて、当該カーテンエアバッグ50の下端部50Lから車両幅方向内側へ膨張展開され、前席シートバック16Bと後席シートバック28Bに着座した後席乗員PRとの間に配置される。この前突用エアバッグ70は、膨張展開状態で、前突時に車両前側へ移動した後席乗員PRの頭部Hを拘束可能な位置に配置される。
具体的には、前突用エアバッグ70は、膨張展開状態で、後席乗員PRの大腿部L上で、かつ、後席乗員PRの胸部Cの車両前側に配置される。換言すると、前突用エアバッグ70は、膨張展開状態で、後席シートクッション28A上で、かつ、後席シートバック28Bの上部の車両前側に配置される。
なお、前突用エアバッグ70の車両上下方向の膨張展開位置は、拘束対象としての後席乗員PRの体格等に応じて、例えば、後席乗員PRの腹部Bよりも車両上側で、かつ、後席乗員PRの頭部Hの上部(頭部Hの上半分)よりも車両下側の範囲内で設定される。
図3に示されるように、前突用エアバッグ70は、平面展開状態で矩形状を成している。なお、図3には、膨張展開状態で車両上側を向く前突用エアバッグ70の上面が示されている。この前突用エアバッグ70は、膨張部としての前側チャンバ72及び後側チャンバ74と、前側チャンバ72と後側チャンバ74とを接続するガス流路76と、前述した非膨張部56Bとを有している。
前側チャンバ72は、非膨張部56Bの前側に配置されており、カーテンエアバッグ50の下端部50Lと接続(連通)されている。一方、後側チャンバ74は、非膨張部56Bの後側に配置されており、カーテンエアバッグ50の下端部50Lと接続(連通)されている。この前側チャンバ72及び後側チャンバ74の車両幅方向内側の部位は、ガス流路76によって互いに接続(連通)されている。
図2に示されるように、カーテンエアバッグ50及び前突用エアバッグ70の膨張展開状態を車両前側から見ると、カーテンエアバッグ50及び前突用エアバッグ70は、L字状を成している。このカーテンエアバッグ50の上部50Uと前突用エアバッグ70の車両幅方向の中間部70Mとは、反力ストラップ80によって連結されている。
反力ストラップ80は、例えば、カーテンエアバッグ50と同種の基布によって帯状に形成されている。この反力ストラップ80の長手方向の一端部80Aは、前突用エアバッグ70の中間部70Mの非膨張部56Bに、縫製によって接合されている。より具体的には、図3に示されるように、反力ストラップ80の一端部80Aは、非膨張部56Bの前側チャンバ72側の縁部56B1に縫製よって接合されている。一方、反力ストラップ80の長手方向の他端部80Bは、図1に示されるように、カーテンエアバッグ50側の非膨張部56Aの車両上側、かつ、車両後側の角部56A1に縫製によって接合されている。
反力ストラップ80は、カーテンエアバッグ50及び前突用エアバッグ70の膨張展開に伴って、カーテンエアバッグ50及び前突用エアバッグ70から張力が付与される。これにより、反力ストラップ80が緊張展開され、カーテンエアバッグ50と前突用エアバッグ70との間に張り渡される。また、展開された反力ストラップ80を車両幅方向内側から見て、反力ストラップ80は、前突用エアバッグ70から車両上側、かつ、車両後側へ延出している。この反力ストラップ80によって、カーテンエアバッグ50に対する前突用エアバッグ70の車両前側、かつ、車両下側への変形が抑制される。
次に、前突用エアバッグ70の折り畳み方について説明する。図3に示されるように、前突用エアバッグ70は、カーテンエアバッグ50の下端部50Lに沿って折り畳まれ、膨張展開状態で車両幅方向内側を向くカーテンエアバッグ50の内側面に重ねられる。この際、カーテンエアバッグ50と前突用エアバッグ70との間に反力ストラップ80が折り込まれる。この状態で、カーテンエアバッグ50及び前突用エアバッグ70は、ロール状に巻かれ、ルーフサイド部32(図1参照)内に収納される。なお、図3には、前突用エアバッグ70の折り目Wが示されている。
(作用及び効果)
次に、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
(前突時の作用)
先ず、車両12に対する前突時の作用について説明する。図1に示されるように、エアバッグECU60は、衝突センサ62及び予防センサ64からの衝突情報に基づいて車両12に対する前突を検知又は予測すると、図示しない助手席用インフレータを作動させる。これにより、インストルメントパネル22と前席乗員PFとの間で、助手席用エアバッグ24が膨張展開される。これにより、前突に伴って車両前側へ慣性移動した前席乗員PFの頭部Hが、助手席用エアバッグ24によって拘束される。
また、エアバッグECU60は、CSA用インフレータ58を作動させる。これにより、CSA用インフレータ58のガス噴出部からカーテンエアバッグ50内にガスが供給される。この結果、カーテンエアバッグ50が、前席16側のサイドウインドガラス(図示省略)及び後席28側のサイドウインドガラス44の車両幅方向内側で膨張展開される。
また、カーテンエアバッグ50が膨張展開されると、カーテンエアバッグ50からガスの供給を受けて、前突用エアバッグ70がカーテンエアバッグ50の下端部50Lから車両幅方向内側へ向けて膨張展開され、前席シートバック16Bと後席乗員PRとの間に配置される。これにより、図4に実線で示されるように、前突に伴って車両前側、かつ、車両下側へ慣性移動した後席乗員PRの頭部Hが前突用エアバッグ70によって拘束される。
ここで、後席乗員PRが前突用エアバッグ70に拘束されたときに、前突用エアバッグ70がカーテンエアバッグ50に対して車両前側又は車両下側へ変形すると、前突用エアバッグ70による後席乗員PRの頭部Hの拘束力が低下する可能性がある。
これに対して本実施形態では、前突用エアバッグ70の中間部70Mと、カーテンエアバッグ50の上部50Uとが反力ストラップ80によって連結されている。この反力ストラップ80によって、前突用エアバッグ70がカーテンエアバッグ50に対して車両前側又は車両下側へ変形することが抑制される。したがって、前突用エアバッグ70による後席乗員PRの頭部Hの拘束性能が向上する。
また、展開された反力ストラップ80を車両幅方向内側から見て、反力ストラップ80は、前突用エアバッグ70から車両上側、かつ、車両後側へ延出している。これにより、カーテンエアバッグ50に対する前突用エアバッグ70の車両前側、かつ、車両下側への変形を効率的に抑制することができる。したがって、前突用エアバッグ70による後席乗員PRの頭部Hの拘束性能がさらに向上する。
さらに、前突用エアバッグ70は、膨張展開状態で、後席乗員PRの大腿部L上で、後席乗員PRの胸部Cの前側に配置される。ここで、前突時には、シートベルト40(図2参照)を着用した後席乗員PRの上半身が、後席乗員PRの腰部(図2の腰ベルト部40A)を中心として車両前側へ傾倒する。これにより、後席乗員PRの頭部Hが車両前側、かつ、車両下側へ振り下げられる。この後席乗員PRの頭部Hは、車両上側から前突用エアバッグ70に接触する。
一方、後席乗員PRの腕部Aは、後席乗員PRの大腿部L上へ振り上げられる。この腕部Aは、車両下側から前突用エアバッグ70に接触する。つまり、前突用エアバッグ70は、後席乗員PRの頭部Hと腕部Aとの間に挟み込まれ、この状態で頭部H及び腕部Aを拘束する。換言すると、前突用エアバッグ70は、振り上げられる後席乗員PRの腕部Aに反力をとって頭部Hを拘束する。したがって、前突用エアバッグ70による後席乗員PRの頭部Hの拘束性能が向上する。
さらに、図5(A)及び図5(B)には、カーテンエアバッグ50及び前突用エアバッグ70の展開過程が模式的に示されている。なお、図5(A)及び図5(B)では、後席28等の図示が省略されている。
図5(A)及び図5(B)に示されるように、前突用エアバッグ70は、カーテンエアバッグ50の車両幅方向内側の内側面に重ねられた状態から、車両幅方向内側へ矢印aのように展開される。これにより、前突用エアバッグ70の膨張展開時に、当該前突用エアバッグ70がリヤサイドドア42に干渉することが抑制される。したがって、前突用エアバッグ70を安定して展開させることができる。
(側突時の作用)
次に、車両12に対する側突時の作用について説明する。エアバッグECU60は、衝突センサ62及び予防センサ64からの衝突情報に基づいて車両12に対する側突を検知又は予測すると、CSA用インフレータ58を作動させる。この結果、前述したように、カーテンエアバッグ50が膨張展開される。これにより、側突に伴って、車両幅方向外側へ慣性移動した前席乗員PF及び後席乗員PRの頭部Hが、膨張展開されたカーテンエアバッグ50の前側メインチャンバ52F及び後側メインチャンバ52Rによってそれぞれ拘束される。
また、前述したように、カーテンエアバッグ50が膨張展開されると、前突用エアバッグ70が膨張展開される。しかし、前突用エアバッグ70は、後席乗員PRの車両前側で膨張展開される。そのため、側突時に、前突用エアバッグ70が後席乗員PRに干渉することが抑制される。さらに、反力ストラップ80の他端部80Bは、カーテンエアバッグ50における後側メインチャンバ52Rよりも車両前側に接合されている。これにより、側突時に、反力ストラップ80が後席乗員PRに干渉することも抑制される。したがって、側突時に、後側メインチャンバ52Rによって後席乗員PRの頭部Hを効果的に拘束することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成の部材には、同符号を付して説明を適宜省略する。
図6及び図7に示されるように、本実施形態に係るエアバッグ装置90は、下肢反力エアバッグ92を備えている。下肢反力エアバッグ92は、前突用エアバッグ70の車両後側の後端部70R(図6参照)に設けられている。この下肢反力エアバッグ92は、前突用エアバッグ70と接続(連通)されている。また、下肢反力エアバッグ92は、前突用エアバッグ70からガスの供給を受けて、当該前突用エアバッグ70の後端部70Rから車両後側、かつ、車両下側へ膨張展開される。この下肢反力エアバッグ92は、膨張展開状態で、後席乗員PRの胸部Cと車両前後方向に対向している。
図8に示されるように、下肢反力エアバッグ92は、平面展開状態で矩形状を成している。なお、図8には、膨張展開状態で車両上側を向く前突用エアバッグ70及び下肢反力エアバッグ92の上面が示されている。この下肢反力エアバッグ92は、膨張部94と、ガス流路96と、非膨張部98とを有している。膨張部94は、ガス流路96を介して前突用エアバッグ70の後端部70Rと接続されている。この膨張部94には、ガス流路96を介して前突用エアバッグ70からガスが供給される。非膨張部98は、下肢反力エアバッグ92の中央部に、車両幅方向に沿って設けられている。
次に、前突用エアバッグ70及び下肢反力エアバッグ92の折り畳み方について説明する。下肢反力エアバッグ92は、前突用エアバッグ70の後端部70Rに沿って折り畳まれ、膨張展開状態で車両下側を向く前突用エアバッグ70の下面に重ねられる。この状態で、下肢反力エアバッグ92及び前突用エアバッグ70は、カーテンエアバッグ50の下端部50Lに沿って折り畳まれ、膨張展開状態で車両幅方向内側を向くカーテンエアバッグ50の内側面に重ねられる。この際、カーテンエアバッグ50と前突用エアバッグ70との間に反力ストラップ80が折り込まれる。この状態で、カーテンエアバッグ50、前突用エアバッグ70、及び下肢反力エアバッグ92は、ロール状に巻かれ、ルーフサイド部32(図6参照)内に収納される。なお、図8には、下肢反力エアバッグ92の折り目W1が示されている。
(作用及び効果)
次に、第2実施形態の作用及び効果について説明する。
前突時に、エアバッグECU60(図1参照)がCSA用インフレータ58を作動させると、図9に示されるように、カーテンエアバッグ50及び前突用エアバッグ70が膨張展開される。さらに、前突用エアバッグ70からガスの供給を受けて、下肢反力エアバッグ92が前突用エアバッグ70の後端部70Rから車両後側、かつ、車両下側へ膨張展開される。
これにより、前突時に車両前側へ慣性移動した後席乗員PRの胸部Cを下肢反力エアバッグ92によって拘束することができる。また、前突時に、振り下げられた後席乗員PRの頭部Hが前突用エアバッグ70に拘束されると、下肢反力エアバッグ92が後席乗員PRの胸部Cと大腿部Lとの間で挟み込まれる。これにより、前突用エアバッグ70は、下肢反力エアバッグ92を介して後席乗員PRの大腿部Lに反力をとって頭部Hを拘束することができる。したがって、前突用エアバッグ70による後席乗員PRの頭部Hの拘束性能が向上する。
さらに、図10(A)及び図10(B)には、カーテンエアバッグ50、前突用エアバッグ70、及び下肢反力エアバッグ92の展開過程が模式的に示されている。なお、図10(A)及び図10(B)では、後席28等の図示が省略されている。
図10(A)に示されるように、前突用エアバッグ70は、カーテンエアバッグ50に車両幅方向内側の内側面に重ねられた状態から、車両幅方向内側へ矢印bのように展開される。その後、図10(B)に示されるように、前突用エアバッグ70の下面に重ねられた下肢反力エアバッグ92が車両後側へ展開される。これにより、本実施形態では、前突用エアバッグ70の上面に下肢反力エアバッグ92が重ねられた場合と比較して、下肢反力エアバッグ92によって後席乗員PRの胸部Cを早期に拘束することができる。
なお、下肢反力エアバッグ92は、前突用エアバッグ70よりも車両下側で膨張展開されれば良く、その膨張展開方向は適宜変更可能である。したがって、例えば、下肢反力エアバッグ92は、前突用エアバッグ70の後端部70Rから車両下側へ膨張展開させても良いし、当該後端部70Rから車両下側、かつ、車両前側へ膨張展開させても良い。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同じ構成の部材には、同符号を付して説明を適宜省略する。
図11及び図12に示されるように、本実施形態に係るエアバッグ装置100は、頭部拘束エアバッグ102を備えている。図11に示されるように、頭部拘束エアバッグ102は、前突用エアバッグ70の後端部70Rに設けられている。この頭部拘束エアバッグ102は、前突用エアバッグ70と接続(連通)されている。また、頭部拘束エアバッグ102は、前突用エアバッグ70からガスの供給を受けて、当該前突用エアバッグ70の後端部70Rから膨張展開される。この頭部拘束エアバッグ102は、矢印Vで示されるように、前突用エアバッグ70の後端部70Rを中心として車両上下方向に回動可能とされている。
図13に示されるように、頭部拘束エアバッグ102は、平面展開状態で矩形状を成している。なお、図13には、膨張展開状態で車両上側を向く前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ102の上面が示されている。この頭部拘束エアバッグ102は、膨張部104と、ガス流路106と、非膨張部108とを有している。膨張部104は、ガス流路106を介して前突用エアバッグ70の後端部70Rと接続されている。この膨張部104には、ガス流路106を介して前突用エアバッグ70からガスが供給される。非膨張部108は、頭部拘束エアバッグ102の中央部に、車両幅方向に沿って設けられている。
非膨張部108には、保持ストラップ110を通すスリット112が形成されている。保持ストラップ110は、例えば、前突用エアバッグ70の基布と同種の基布によって帯状に形成されている。この保持ストラップ110の長手方向の一端部110Aは、前突用エアバッグ70の中間部70Mに接合されている。
一方、保持ストラップ110の長手方向の他端部110Bは、車両前方からスリット112を通し、カーテンエアバッグ50側の非膨張部56Aの角部56A1又は図12に二点鎖線で示されるように、ルーフサイドレール36等の骨格部材に接合されている。この保持ストラップ110によって、図11及び図12に示されるように、頭部拘束エアバッグ102が、前突用エアバッグ70に対して車両上側へ回動された状態で保持されている。つまり、保持ストラップ110によって、頭部拘束エアバッグ102が前突用エアバッグ70よりも車両上側で保持される。この頭部拘束エアバッグ102は、保持ストラップ110によって保持された状態で、前突用エアバッグ70の後端部70Rから車両上側、かつ、車両前側へ延出されている。
次に、図13に示されるように、前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ102の折り畳み方について説明する。頭部拘束エアバッグ102は、折り目W2にて前突用エアバッグ70の後端部70Rに沿って折り畳まれ、膨張展開状態で車両上側を向く前突用エアバッグ70の上面に重ねられる。この状態で、前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ102は、折り目Wにてカーテンエアバッグ50の下端部50Lに沿って折り畳まれ、膨張展開状態で車両幅方向内側を向くカーテンエアバッグ50の内側面に重ねられる。この際、カーテンエアバッグ50と前突用エアバッグ70との間に、反力ストラップ80及び保持ストラップ110が折り込まれる。この状態で、カーテンエアバッグ50、前突用エアバッグ70、及び頭部拘束エアバッグ102は、ロール状に巻かれ、ルーフサイド部32(図11参照)内に収納される。
また、車両12には、保持ストラップ110による頭部拘束エアバッグ102の保持を解除し、前突用エアバッグ70に対して頭部拘束エアバッグ102を車両下側へ回動させる図示しない解除装置が設けられている。解除装置は、例えば、カッタと、カッタを移動させて保持ストラップ110を切断するアクチュエータとを有している。この解除装置は、保持ストラップ110の位置に応じて、例えば、ルーフサイド部32又は車両天井部に設けられる。また、解除装置には、エアバッグECU60が電気的に接続されている。
さらに、車両12には、後席乗員PRの頭部Hの位置を検出する図示しない頭部検出装置が設けられている。頭部検出装置は、例えば、後席乗員PRの頭部Hを撮影するカメラとされる。また、頭部検出装置には、エアバッグECU60(図1参照)が電気的に接続されている。この頭部検出装置は、後席乗員PRの頭部Hの位置を検出し、エアバッグECU60に出力する。エアバッグECU60は、頭部検出装置で検出された後席乗員PRの頭部Hの位置情報に基づいて、前述した解除装置を制御する。なお、エアバッグECU60による解除装置の制御方法については、本実施形態の作業及び効果とともに後述する。
(作用及び効果)
次に、第3実施形態の作用及び効果について説明する。
前突時に、エアバッグECU60(図1参照)がCSA用インフレータ58を作動させると、図11に示されるように、カーテンエアバッグ50及び前突用エアバッグ70が膨張展開される。また、前突用エアバッグ70からガスの供給を受けて、頭部拘束エアバッグ102が前突用エアバッグ70の後端部70Rから車両後側へ膨張展開しようとする。
ここで、エアバッグECU60は、頭部検出装置で検出された後席乗員PRの頭部Hの位置情報に基づいて、膨張展開状態の前突用エアバッグ70に対する後席乗員PRの頭部Hの車両上下方向の位置を判定する。そして、例えば、図12に示されるように、エアバッグECU60が、膨張展開状態の前突用エアバッグ70の車両上下方向の中心X1よりも車両上側に頭部Hの中心X2がある判定した場合には、エアバッグECU60は、解除装置を作動しない。この場合、保持ストラップ110によって、頭部拘束エアバッグ102が前突用エアバッグ70の車両上側で保持される。
この状態で、図11に示されるように、前突に伴って後席乗員PRの頭部Hが振り下げられると、先ず、後席乗員PRの頭部Hが頭部拘束エアバッグ102に拘束される。次に、後席乗員PRの頭部Hがさらに振り下げられると、当該頭部Hが頭部拘束エアバッグ102を介して前突用エアバッグ70に拘束される。そのため、本実施形態では、前突用エアバッグ70に頭部拘束エアバッグ102が設けられていない場合と比較して、後席乗員PRの頭部Hを早期に拘束することができる。したがって、前突用エアバッグ70による後席乗員PRの頭部Hの拘束性能が向上する。
一方、図14に二点鎖線で示されるように、例えば、後席乗員PRの体格が小さく、その頭部Hの中心X2が前突用エアバッグ70の中心X1よりも車両下側にあるとエアバッグECU60が判定した場合には、エアバッグECU60は、解除装置を作動する。これにより、カッタによって保持ストラップ110が切断され、保持ストラップ110による頭部拘束エアバッグ102の保持が解除される。この結果、頭部拘束エアバッグ102が、前突用エアバッグ70に対して自重で車両下側へ回動し、前突用エアバッグ70よりも車両下側に配置される。この場合、二点鎖線で示される後席乗員PRの頭部Hが、頭部拘束エアバッグ102によって拘束される。なお、図14では、保持ストラップ110の図示が省略されている。
また、図15(A)及び図15(B)には、カーテンエアバッグ50、前突用エアバッグ70、及び頭部拘束エアバッグ102の展開過程が模式的に示されている。なお、図15(A)及び図15(B)では、後席28等の図示が省略されている。
図15(A)に示されるように、前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ102は、カーテンエアバッグ50に車両幅方向内側の内側面に重ねられた状態から、車両幅方向内側へ矢印cのように展開される。その後、前突用エアバッグ70の上面に重ねられた頭部拘束エアバッグ102が車両後側へ展開される。これにより、本実施形態では、前突用エアバッグ70の下面に頭部拘束エアバッグ102が重ねられた場合と比較して、頭部拘束エアバッグ102によって後席乗員PRの頭部Hを早期に拘束することができる。
なお、本実施形態では、前突用エアバッグ70に対して頭部拘束エアバッグ102が回動可能とされるが、本実施形態はこれに限らない。頭部拘束エアバッグ102は、前突用エアバッグ70よりも車両上側で膨張展開されるように形成されても良い。この場合、保持ストラップ110は不要になる。また、前突用エアバッグ70に対する頭部拘束エアバッグの膨張展開方向は、適宜変更可能である。したがって、例えば、後述する頭部拘束エアバッグ122(図16参照)のように、頭部拘束エアバッグ102を前突用エアバッグ70の後端部70Rから車両後側、かつ、車両上側へ膨張展開させても良いし、当該後端部70Rから車両上側へ膨張展開させも良い。
また、解除装置としては、例えば、ロッドと、ロッドを移動させるアクチュエータとを備える解除装置を用いても良い。この解除装置は、例えば、ルーフサイドレール36(図12参照)に設けられ、保持ストラップ110の他端部110Bの貫通孔にロッドを挿入した状態で、当該他端部110Bとルーフサイドレール36とを連結する。この状態で、前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ102が膨張展開されると、保持ストラップ110によって頭部拘束エアバッグ102が前突用エアバッグ70よりも車両上側で保持される。
一方、保持ストラップ110による頭部拘束エアバッグ102の保持を解除する場合には、アクチュエータによってロッドを移動し、当該ロッドを保持ストラップ110の他端部110Bの貫通孔から抜き出す。この結果、保持ストラップ110の他端部110Bとルーフサイドレール36との連結状態が解除される。これにより、保持ストラップ110による頭部拘束エアバッグ102の保持が解除され、頭部拘束エアバッグ102が前突用エアバッグ70に対して車両下側へ回動される。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態において、第1実施形態と同じ構成の部材には、同符号を付して説明を適宜省略する。
図16に示されるように、本実施形態に係るエアバッグ装置120は、頭部拘束エアバッグ122と、前突用インフレータ126とを備えている。頭部拘束エアバッグ122は、前突用エアバッグ70の後端部70Rに設けられている。この頭部拘束エアバッグ122は、前突用エアバッグ70からガスの供給を受けて、当該前突用エアバッグ70の後端部70Rから車両後側、かつ、車両上側へ膨張展開される。
図17に示されるように、頭部拘束エアバッグ122は、前述した頭部拘束エアバッグ102(図13参照)と同様に、膨張部104、ガス流路106、及び非膨張部108を有している。この頭部拘束エアバッグ122の車両後側の後端部122Rには、筒状のガス導入部124が接続されている。このガス導入部124には、前突用インフレータ126が接続されている。
また、前突用エアバッグ70とカーテンエアバッグ50とは、当該カーテンエアバッグ50の下端部50Lに沿って延びる仕切部128によって仕切られている。仕切部128は、カーテンエアバッグ50の構成する2枚の基布を縫製により接合することで形成されている。この仕切部128によって、カーテンエアバッグ50と前突用エアバッグ70との間では、ガスが流れないようになっている。
ガス発生装置としての前突用インフレータ126(図16参照)は、例えば、図示しないリヤピラーの車両上側のルーフサイド部32に収容されている。この前突用インフレータ126からガス導入部124を介して頭部拘束エアバッグ122及び前突用エアバッグ70にガスが供給される。なお、前突用インフレータ126には、エアバッグECU60(図1参照)が電気的に接続されている。このエアバッグECU60によって、前突用インフレータ126が制御される。なお、エアバッグECU60による前突用インフレータ126の制御方法については、本実施形態の作業及び効果とともに後述する。
(作用及び効果)
次に、第4実施形態の作用及び効果について説明する。
(前突時の作用)
エアバッグECU60(図1参照)は、衝突センサ62及び予防センサ64からの衝突情報に基づいて車両12に対する前突を検知又は予測すると、図16に示されるように、CSA用インフレータ58(図1参照)及び前突用インフレータ126を作動させる。これにより、CSA用インフレータ58からガスの供給を受けてカーテンエアバッグ50が膨張展開される。また、前突用インフレータ126からガスの供給を受けて、前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ122が膨張展開される。これにより、前突に伴って車両前側、かつ、車両下側へ振り下げられた後席乗員PRの頭部Hが前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ122によって拘束される。
このように本実施形態では、前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ122が、CSA用インフレータ58とは別の前突用インフレータ126によって膨張展開される。これにより、本実施形態では、前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ122が、カーテンエアバッグ50を介してCSA用インフレータ58からガスの供給を受けて膨張展開される場合と比較して、前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ122を早期に膨張展開させることができる。また、前突用エアバッグ70の展開タイミング及びバック内圧を後席28単独で調整可能である。
(側突時の作用)
エアバッグECU60は、衝突センサ62及び予防センサ64からの衝突情報に基づいて車両12に対する側突を検知又は予測すると、前突用インフレータ126は作動させずに、CSA用インフレータ58を作動させる。これにより、CSA用インフレータ58からガスの供給を受けてカーテンエアバッグ50が膨張展開される。これにより、側突に伴って車両幅方向外側へ慣性した後席乗員PRの頭部Hがカーテンエアバッグ50の後側メインチャンバ52Rによって拘束される。
このように本実施形態では、側突時には、前突用インフレータ126が作動せず、前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ122が膨張展開されない。したがって、後席乗員PRに対する前突用エアバッグ70及び頭部拘束エアバッグ122の干渉が防止される。
なお、エアバッグECU60は、例えば、後席シートクッション28Aに設けられた荷重センサ又はシートベルト40のベルト着用センサで検出された後席乗員PRの存否に基づいて、前突用インフレータ126を制御しても良い。具体的には、エアバッグECU60は、車両衝突時に、荷重センサ又はベルト着用センサで検出された後席乗員PRの存否情報に基づいて、後席28に後席乗員PRが居ると判定した場合は、前突用インフレータ126及びCSA用インフレータ58を作動させる。一方、エアバッグECU60は、後席28に後席乗員PRが居ないと判定した場合、前突用インフレータ126は作動させずに、CSA用インフレータ58を作動させる。これにより、不要な前突用インフレータ126の作動を防止することができる。
また、本実施形態では、ガス導入部124が頭部拘束エアバッグ122に接続されるが、ガス導入部124は、前突用エアバッグ70に接続されても良い。この場合、頭部拘束エアバッグ122は、適宜省略可能である。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。なお、第5実施形態において、第1実施形態と同じ構成の部材には、同符号を付して説明を適宜省略する。
図18に示されるように、本実施形態に係るエアバッグ装置130は、前席シートクッション16Aを車両前後方向に移動させる電動スライド機構132と、前席シートクッション16Aに対する前席シートバック16Bの傾倒角度(リクライニング角度)を変更する図示しない電動リクライニング機構と備えている。前席移動手段(前席移動機構)としての電動スライド機構132及び電動リクライニング機構には、エアバッグECU60が接続されている。
電動スライド機構132は、例えば、スライドレール20に沿って前席シートクッション16Aを移動させるボールネジ機構等を含んで構成されている。この電動スライド機構132は、前席シートクッション16Aの車両前後方向の位置をエアバッグECU60に出力する。また、電動リクライニング機構は、後席シートバック28Bの傾倒角度をエアバッグECU60に出力する。
エアバッグECU60は、電動スライド機構132及び電動リクライニング機構から入力された前席シートクッション16Aの位置及び前席シートバック16Bの傾倒角度から前席16の位置を算出する。そして、エアバッグECU60は、算出された前席16の位置に基づいて、電動スライド機構132及び電動リクライニング機構を制御する。なお、エアバッグECU60による電動スライド機構132及び電動リクライニング機構の制御方法については、本実施形態の作業及び効果とともに後述する。
(作用及び効果)
次に、第5実施形態の作用及び効果について説明する。
図18に示されるように、エアバッグECU60は、予防センサ64からの衝突情報に基づいて車両12に対する前突を予測すると、先ず、前席16の位置を算出する。具体的には、エアバッグECU60は、電動スライド機構132及び電動リクライニング機構から入力された前席シートクッション16Aの位置及び前席シートバック16Bの傾倒角度に基づいて、前席16の位置を算出する。次に、エアバッグECU60は、算出した前席16の位置から前席16の一部が、前突用エアバッグ70の膨張展開領域に位置するか否かを判定する。なお、前突用エアバッグ70の膨張展開領域は、予めエアバッグECU60に記憶されている。
そして、前席16の一部(図18では二点鎖線で示す前席ヘッドレスト16C)が前突用エアバッグ70の膨張展開領域に位置するとエアバッグECU60が判定した場合は、エアバッグECU60は、電動リクライニング機構を作動して前席16を車両前側へ移動させ、前席ヘッドレスト16Cを前突用エアバッグ70の膨張展開領域外に配置する。この際、電動スライド機構132を作動して、前席16全体を車両前側へ移動させることも可能である。
その後、エアバッグECU60は、CSA用インフレータ58を作動し、カーテンエアバッグ50及び前突用エアバッグ70を膨張展開させる。これにより、前席ヘッドレスト16Cによって、前突用エアバッグ70の膨張展開が阻害されることが抑制される。したがって、前突用エアバッグ70によって、後席乗員PRを拘束することができる。
なお、エアバッグECU60は、カメラ等によって検出された前席16の位置に基づいて、電動スライド機構132及び電動リクライニング機構を制御することも可能である。また、エアバッグECU60は、電動スライド機構132及び電動リクライニング機構の少なくとも一方を制御することができる。
また、エアバッグECU60は、車両12に対する前突が予測され、かつ、後席28が所定領域外に位置すると判定した場合に、後席移動手段(後席移動機構)としての後席28の電動スライド機構134及び電動リクライニング機構(図示省略)の少なくとも一方を作動しても良い。そして、後席28を車両前後方向に移動させて、当該後席28を所定領域内に配置する。これにより、膨張展開された前突用エアバッグ70と後席乗員PRとの間の距離を所定範囲内にすることができる。したがって、前突用エアバッグ70によって、後席乗員PRを効果的に拘束することができる。なお、後席28の位置は、例えば、前席16と同様の方法によって算出又は検出することができる。
なお、ここでいう後席28が所定領域とは、例えば、前述した衝突試験法で定められた後席28の基準位置又は基準位置の周辺位置に設定される。また、この所定領域には、車両前後方向に範囲を持たせることも可能である。
次に、上記第1〜第5実施形態の変形例について説明する。なお、以下では、上記第1実施形態を例に各種の変形例について説明するが、これらの変形例は、第2〜第5実施形態にも適宜適用可能である。
上記第1実施形態では、前突用エアバッグ70がカーテンエアバッグ50の下端部50Lから車両幅方向内側へ延出されるが、前突用エアバッグ70は、カーテンエアバッグ50の下部から車両幅方向内側へ延出させることも可能である。
また、上記第1実施形態では、図2に示されるように、反力ストラップ80の一端部80Aが、前突用エアバッグ70の車両幅方向の中間部70Mに連結されるが、上記第1実施形態はこれに限らない。反力ストラップ80の一端部80Aは、前突用エアバッグ70の車両幅方向内側の内端部70Tに連結されても良い。
また、上記第1実施形態では、反力ストラップ80の他端部80Bが、カーテンエアバッグ50の上部50Uに連結されるが、上記第1実施形態はこれに限らない。反力ストラップ80の他端部80Bは、例えば、サイドウインドガラス44の車両上側にある骨格部材としてのルーフサイドレール36に連結することも可能である。これと同様に、第3実施形態における保持ストラップ110の他端部110B(図12参照)は、ルーフサイドレール36に連結することも可能である。
また、上記第1実施形態では、車両12が左ハンドル車とされるが、車両12は右ハンドル車であっても良い。また、上記第1実施形態に係るエアバッグ装置10は、車両12の左右の車両側部12Sの何れにも適用可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 車両用後席乗員保護エアバッグ装置
12 車両
16 前席
16B 前席シートバック
28 後席
32 ルーフサイド部
44 サイドウインドガラス(後席側のサイドウインドガラス)
50 カーテンエアバッグ
50L 下端部(カーテンエアバッグの下部)
58 カーテンエアバッグ用インフレータ
70 前突用エアバッグ
70M 中間部(前突用エアバッグの車両幅方向の中間部)
70T 内端部(前突用エアバッグの車両幅方向内側の内端部)
70R 後端部(前突用エアバッグの車両後側の後端部)
80 反力ストラップ
90 車両用後席乗員保護エアバッグ装置
92 下肢反力エアバッグ
100 車両用後席乗員保護エアバッグ装置
102 頭部拘束エアバッグ
120 車両用後席乗員保護エアバッグ装置
122 頭部拘束エアバッグ
126 前突用インフレータ
130 車両用後席乗員保護エアバッグ装置
132 電動スライド機構(前席移動手段)
134 電動スライド機構(後席移動手段)
B 腹部
H 頭部
L 大腿部
PR 後席乗員

Claims (7)

  1. 車両に設けられたカーテンエアバッグ用インフレータと、
    前記カーテンエアバッグ用インフレータからガスの供給を受けて、後席側のサイドウインドガラスの車両幅方向内側で膨張展開されるカーテンエアバッグと、
    前記カーテンエアバッグの下部に設けられ、該カーテンエアバッグからガスの供給を受けて前記下部から車両幅方向内側へ膨張展開され、前記後席に着座した後席乗員と前席の前席シートバックとの間に配置される前突用エアバッグと、
    前記前突用エアバッグの車両幅方向の中間部又は車両幅方向内側の内端部と、前記カーテンエアバッグの上部又は前記サイドウインドガラスの車両上側の骨格部材とを連結する反力ストラップと、
    を備える車両用後席乗員保護エアバッグ装置。
  2. 前記前突用エアバッグは、膨張展開状態で、前記後席乗員の大腿部上において、前記後席乗員の腹部よりも車両上側で、かつ、該後席乗員の頭部の上部よりも車両下側に配置される、
    請求項1に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置。
  3. 前記前突用エアバッグの車両後側の後端部に設けられ、前記前突用エアバッグからガスの供給を受けて該前突用エアバッグよりも車両下側で膨張展開される下肢反力エアバッグを備える、
    請求項2に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置。
  4. 前記前突用エアバッグの車両後側の後端部に設けられ、前記前突用エアバッグからガスの供給を受けて該前突用エアバッグよりも車両上側で膨張展開される頭部拘束エアバッグを備える、
    請求項2に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置。
  5. 車両に設けられたカーテンエアバッグ用インフレータと、
    前記車両に設けられた前突用インフレータと、
    前記カーテンエアバッグ用インフレータからガスの供給を受けて、後席側のサイドウインドガラスの車両幅方向内側で膨張展開されるカーテンエアバッグと、
    前記カーテンエアバッグの下部に設けられ、前記前突用インフレータからガスの供給を受けて前記下部から車両幅方向内側へ膨張展開され、前記後席に着座した後席乗員と前席の前席シートバックとの間に配置される前突用エアバッグと、
    前記前突用エアバッグの車両幅方向の中間部又は車両幅方向内側の内端部と、前記カーテンエアバッグの上部又は前記サイドウインドガラスの車両上側の骨格部材とを連結する反力ストラップと、
    を備える、
    車両用後席乗員保護エアバッグ装置。
  6. 車両前面衝突が予測され、かつ、前記前席の一部が前記前突用エアバッグの膨張展開領域内に位置する場合に、前記前席を車両前側へ移動させ、該前席の一部を前記膨張展開領域外に配置する前席移動手段を備える、
    請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置。
  7. 車両前面衝突が予測され、かつ、前記後席が所定領域外に位置する場合に、前記後席を車両前後方向に移動させ、該前席を前記所定領域内に配置する後席移動手段を備える、
    請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の車両用後席乗員保護エアバッグ装置。
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