JP7084694B2 - 衣料製品 - Google Patents

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Description

本発明は、衣料製品に関する。
ドレスシャツ、ブラウス等のシャツ製品には、適度な張りやコシが求められる。また、近年は、さらに、防しわ性、防縮性等を有することや、洗濯および乾燥によるしわが少なく、アイロン掛けをせずに着用可能な特性(「ウォッシュアンドウェアー性(W&W性)」ともいう)に優れることも求められている。
これに対し、セルロース繊維を含む織地は、一般に、洗濯によって生じたしわが残りやすく、W&W性が低い。そこで、セルロース架橋剤を用いてセルロース分子相互を化学架橋することによってW&W性を向上する方法が用いられている。さらに、接着芯地等を用いて縫合部を固定することで、着用および/または洗濯に起因する縫合部の変形が抑制された防しわ性の高いシャツ製品が提供されている。しかしながら、このようなシャツ製品は、持ち運びの為にかばん等に収納する際に、しわが付き難い状態でコンパクトに収納することが困難である。
衣料製品の収納に関しては、包装用容器に収納することが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。しかしながら、特許文献1の方法では、製品にしわがつきやすく、また、コンパクトに収納することが困難である。また、特許文献2の方法は、しわが付き難い編地製品を対象とするものであり、織地製品をしわが付き難い状態でコンパクトに収納することは困難である。
実用新案登録第3096778号 特開2001-303301号公報
本発明の目的は、セルロース繊維を含む織地を用いた衣料製品であって、しわが付き難い状態でコンパクトに収納することができる衣料製品を提供することにある。
本発明によれば、前身頃部、後身頃部、上前立て部、下前立て部、袖部および襟部を有する衣料製品が提供される。該衣料製品は、英式綿番手が20~80番手であるセルロース系繊維を用いて製織された、経糸密度が50~250本/2.54cmであり、緯糸密度が50~200本/2.54cmであり、セルロース繊維を20質量%以上含む織地を身生地として含み、該身生地の厚みが、0.15mm~0.31mmであり、該上前立て部の厚みが、0.35mm~0.80mmである。
1つの実施形態において、上記後身頃部の裾が、上記前身頃部の裾よりも5mm~80mm長い。
1つの実施形態において、上記上前立て部と上記下前立て部とがともに、裏前立てである。
1つの実施形態において、上記身生地の厚みと上記上前立て部の厚みとの差が、0.60mm以下である。
1つの実施形態において、上記セルロース系繊維が、綿を20質量%以上含む。
1つの実施形態において、上記セルロース系繊維が、架橋剤によって架橋されている。
1つの実施形態において、上記衣料製品は、ドレスシャツ、ブラウス、パジャマまたはユニフォームである。
本発明の別の局面によれば、包装済衣料製品が提供される。該包装済衣料製品は、収納容器と、該収納容器内に折り巻かれた状態で収納されている上記衣料製品と、を含む。
1つの実施形態において、上記収納容器が、円形状または内接円を有する多角形状の底面部と開口していてもよい上面部と側面部とを有する収納袋であり、該円または内接円の直径が、60mm~90mmであり、該収納袋の高さが、190mm~250mmである。
1つの実施形態において、上記収納容器が、円形状または内接円を有する多角形状の底面部と開口していてもよい上面部と側面部とを有する収納箱であり、該円または内接円の直径が、60mm~75mmであり、該収納箱の高さが、190mm~220mmである
本発明のさらに別の局面によれば、衣料製品の製造方法が提供される。該製造方法は、英式綿番手が20~80番手であるセルロース系繊維を用いて製織された、経糸密度が50~250本/2.54cmであり、緯糸密度が50~200本/2.54cmであり、セルロース繊維を20質量%以上含む織地を縫製して、前身頃部、後身頃部、上前立て部、下前立て部、袖部および襟部を有する衣料製品を製造する方法であって、該織地の厚みが、0.15mm~0.31mmであり、該上前立て部の厚みを、0.35mm~0.80mmにすることを含む。
本発明によれば、特定の織地を用い、かつ、身頃部および前立て部の厚みを所定の範囲とすることにより、セルロース繊維を含む織地を用いた衣料製品であって、しわ付きを抑えつつコンパクトに収納することができる衣料製品が提供される。すなわち、本発明の衣料製品によれば、コンパクトな収納性と収納後の着用における審美性とを両立することができる。
本発明の1つの実施形態による衣料製品の概略正面図である。 図1に示す衣料製品の概略背面図である。 本発明の別の実施形態による衣料製品の概略正面図である。 図3に示す衣料製品の概略背面図である。 収納容器の底面部の形状の一例を示す概略図である。 収納袋の一例の概略図である。 図6に示す収納袋の閉状態を示す概略図である。 収納容器に収納される衣料製品の折り巻き方法の一例を説明する概略図である。 収納容器に収納される衣料製品の折り巻き方法の別の例を説明する概略図である。 従来の方法で折り畳まれたシャツ製品の概略上面図である。 前身頃部の長さと後前身頃部の長さとの差を説明する図である。 カフス部の長さを説明する図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、本明細書では、衣料製品の正面側を前部、背面側を後部と称する。
A.衣料製品
A-1.衣料製品の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による衣料製品の概略正面図であり、図2は、その概略背面図である。図1および図2に示される衣料製品100aは、前身頃部10、後身頃部20、上前立て部30、下前立て部40、袖部50、襟部60およびポケット部70を有する。また、図3は、本発明の別の実施形態による衣料製品の概略正面図であり、図4は、その概略背面図である。図3および図4に示される衣料製品100bは、前身頃部10、後身頃部20、上前立て部30、下前立て部40、袖部50、襟部60およびポケット部70に加えて、ヨーク部80をさらに有する。なお、上前立て部とは、衣料製品を着用し、ボタンをつけた状態で表側になる部分をいい、下前立て部とは、裏側(以下、「肌側」と称する)になる部分をいう。
上記衣料製品100aおよび100bの構成部分はそれぞれ、所定の形状に型取りされた生地片同士を縫い合わせることによって形成され得る。また、上前立て部および下前立て部はそれぞれ、前身頃部用の生地の前端を折り返して縫うことによって前身頃部と連続して形成されてもよい。審美性、保形性等の観点から、必要に応じて芯地を用いてもよい。
本発明の衣料製品は、0.15mm~0.31mmの厚みを有する所定の織地を身生地として含む。該身生地の厚みは、好ましくは0.18mm~0.31mm、より好ましくは0.18mm~0.28mmである。身生地の厚みが0.15mm以上であることにより、実用上十分な強度を維持しつつ、体へのまとわりつきやシルエットを気にすることなく着用することができる。一方、厚みが0.31mm以下であることにより、衣料製品をコンパクトに収納でき、広げて着用した際も織地のしわや反り返り等が抑制される。なお、身生地とは、衣料製品を主として構成する生地を意味し、例えば、衣料製品を構成する生地全体の50質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上または100質量%を占める。本発明の衣料製品においては、例えば前身頃部および後身頃部を構成する生地を身生地とすることができ、好ましくは前身頃部、後身頃部および袖部を構成する生地が身生地である。身生地として使用される織地については、A-2項で詳述する。
前身頃部および後身頃部は、裾が半円形状のいわゆるラウンドテイルであってもよく、直角状のいわゆるスクエアテイルであってもよい(図示例は、ラウンドテイルである)。後身頃部の裾は、前身頃部の裾よりも長いことが好ましい。後身頃部の裾が前身頃部の裾よりも長いことにより、身頃部の裾をボトムス(パンツ、スカート等)の中に納めて着用した際に、シルエット等の審美性を損なうことなく、特に背中側からの裾のずり上がりを好適に抑制し得る。さらに、本発明においては、後身頃部の裾を前身頃部の裾よりも好ましくは5mm~80mm、より好ましくは10mm~65mm、さらに好ましくは15mm~45mm長くすることで、収納容器への収納性も向上し得る。該裾の長さの差は、左右の袖山の中心が折り筋上に位置するように衣料製品を平面状に広げた状態で測定される値である。
衣料製品100aにおいては、前身頃部10と後身頃部20とが直接縫い合わされて肩縫合部Aを形成している。前身頃部と後身頃部とを直接縫い合わせることにより、ヨーク部を設ける場合よりも、生地の使用量や縫合部の数が少なくなるので、衣料製品をよりコンパクトに折り巻くことができる。また、縫合部の縫い目方向の伸長率および伸長回復率が高くなり、着用した際の肩と肩の回りの動きが滑らかになるので、優れた着用感を実現することができる。
肩縫合部は、代表的には衣料製品の前部に形成される。肩縫合部は、任意の適切な方向に延びるように形成され得る。肩縫合部は、例えば、肩稜線に沿って延びるように形成されても良いし、衣料製品の横方向に延びるように形成されてもよい(図示例では、肩縫合部Aは肩稜線に沿って延びるように形成されている。)。肩縫合部がこれらの方向に延びるように形成されることにより、衣料製品の審美性が向上する。
衣料製品100bにおいては、前身頃部10とヨーク部80とが縫い合わされて肩縫合部Aを形成している。さらに、ヨーク部80と後身頃部20とが縫い合わされてヨーク後部縫合部Bを形成している。ヨーク後部縫合部Bは衣料製品のヨコ方向に延びるように形成されている。ヨーク部を設けることにより、着用時や洗濯時の衣料製品の傷みを抑制し得る。
上前立て部および下前立て部はそれぞれ、用途等に応じて任意の適切な構成とされる。代表的な構成としては、表前立て、裏前立て、比翼前立て等が挙げられる。衣料製品100aにおいては、上前立て部30および下前立て部40がともに、裏前立てである。裏前立ては、前身頃部用の生地の前端を肌側に折り返して形成されることから、上前立て部30と前身頃部10とが表側において面一になる。よって、小さく折り巻かれた衣料製品100aを着用に供しても、上前立て部30の凹凸が目立ち難く、審美性の点から好ましい。一方、衣料製品100bにおいては、上前立て部30が表前立てであり、下前立て部40が裏前立てである。
上前立て部の厚みは、0.35mm~0.80mmであり、好ましくは0.40mm~0.80mm、より好ましくは0.40mm~0.78mmである。該厚みが0.35mm以上であることにより、適度な保形性が得られる。その結果、小さく折り巻かれた衣料製品を着用に供しても上前立て部に凹凸が生じ難いので審美性が向上し得る。一方、該厚みが0.80mm以下であることにより、衣料製品を小さく折り巻いて収納することができる。また、保形性が強くなり過ぎて折り痕や巻き痕が残ることを防止し得る。なお、上前立て部は、芯地の使用範囲に応じて異なる厚みを有し得る。よって、上前立て部の一部にのみ芯地が用いられている場合、上前立て部の厚みは、後述の実施例に記載するように、芯地の使用範囲の割合に応じた重み付けがなされた加重平均として求めるものとする。
上前立て部が表前立てである場合、上前立て部の厚みと身生地の厚みとの差は0.55mm以下であることが好ましく、0.50mm以下であることがより好ましい。また、上前立て部が裏前立てである場合、上前立て部の厚みと身生地の厚みとの差は0.60mm以下であることが好ましく、0.53mm以下であることがより好ましい。身生地の厚みと上前立て部の厚みとの差を所定の値以下とすることで、収納容器から衣料製品を取り出した際に、上前立て部近傍の身生地の折り痕や巻き痕が目立ち難くなり、審美性が保たれる。上前立て部が裏前立てである場合、上前立て部の厚みと身生地の厚みとの差が大きくても比較的審美性が保ち易い。これは、例えば、裏前立ての上前立て部と前身頃部とが、面一で連続して形成されていることから、折り痕や巻き痕が目立ち難くなるためと考えられる。
上前立て部の厚みは、身生地の厚み、表前立て、裏前立て等の構成の選択、芯地の厚み、芯地の使用範囲、縫製箇所の生地の折り込み程度(例えば、前立て部と前身頃部を縫合する際に前立ての生地を織り込む回数)等を適切に選択することによって調整することができる。例えば、上前立て部の一部または全長に渡って芯地を用いることで、上前立て部の厚みを増大させ得る。衣料製品がシャツの場合、上前立て部の最上位部(すなわち、上前立て部と襟台部との縫合部)から、第3ボタン穴かがり下部または第4ボタン穴かがり上部までに芯地を使用すると、上前立て部の厚みの増大を抑えつつ、胸元の保形性を高めることができる。
袖部は、長袖であってもよく、半袖であってもよい。図示例では、袖部50は長袖であり、カフス部52を有している。カフスの長さは、例えば20mm~80mmであり、好ましくは30mm~70mm、より好ましくは50mm~70mmである。カフスの長さが該範囲内であれば、コンパクトに収納することができる。また、ボタンおよびボタンホール等を容易に配置し得る。
襟部60は、襟羽根61と襟台62とから構成されている。衣料製品100aでは、襟部60がボタンダウン仕様である。襟部をボタンダウン仕様とすることにより、折り巻かれた衣料製品を収納容器から取り出した際に、襟羽羽先の反り返りを防ぐことができ、着用時の審美性を向上できる。
ポケット部は、任意の構成部分であり、用途等に応じて省略され得る。
芯地は、通常、上前立て部、カフス部、襟部(衿羽および衿台)等に使用され得る。芯地を用いることにより、張りやコシを与え、保形性を高める効果がある。芯地としては、例えば、フラシ芯、仮接着芯、および永久接着芯が挙げられる。芯地の厚みは、収納性と着用時の審美性との観点から、例えば0.30mm以下、好ましくは0.27mm以下、より好ましくは0.05mm~0.25mmであり得る。
本発明の衣料製品は、シャツ、パジャマ、ユニフォーム等の前開きまたは半前開きの衣料製品である。シャツとしては、例えば、ドレスシャツ、ブラウス、カジュアルシャツが挙げられる。ドレスシャツとしては、例えば、ワイシャツ、カッターシャツが挙げられる。
A-2.織地
上記身生地は、英式綿番手が20~80番手であるセルロース系繊維を織糸として用いて製織された織地である。該織地は、必要に応じて、該セルロース系繊維以外の繊維を織糸(代表的には、緯糸)として含み得る。
上記織地の厚みは、上記のとおり、0.15mm~0.31mmであり、好ましくは0.18mm~0.31mm、より好ましくは0.18mm~0.28mmである。織地の厚みは、織糸の繊度や撚り数、織密度、織組織等を調整することにより、所望の値にすることができる。
上記織地の引裂強力は、例えば200cN以上であり、好ましくは500cNより高く、より好ましくは600cNより高い。引裂強力が上記範囲であることにより、使用時または洗濯時に衣料製品に破れや裂けが発生しにくくなる。
上記セルロース系繊維としては、セルロース繊維を含む任意の適切な繊維(織糸)が用いられ得る。セルロース系繊維は、セルロース繊維のみを含む繊維であってもよいし、セルロース繊維と他の繊維とを混用した繊維であってもよい。この場合、セルロース系繊維におけるセルロース繊維の含有割合は、例えば20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。該セルロース繊維の含有量は、JISL1030-2に準拠して求められる値である。
上記セルロース系繊維がセルロース繊維のみを含む場合、着用感および風合いに優れた衣料製品が得られ得る。また、架橋処理による防しわ効果をより好適に得ることができる。セルロース系繊維がセルロース繊維と他の繊維とを混用した繊維である場合、織地の速乾性や伸長率および伸長回復率を好ましい範囲に容易に調整し得、その結果、W&W性等の防しわ性、フィット性および着用感に優れた衣料製品が容易に得られ得る。
上記セルロース繊維としては、任意の適切なセルロース繊維を採用し得る。セルロース繊維としては、例えば、天然セルロース繊維、再生セルロース繊維、半再生セルロース繊維およびこれらの組み合わせが挙げられる。天然セルロース繊維は、植物性のセルロース繊維であってもよく、動物性のセルロース繊維であってもよい。天然セルロース繊維としては、例えば、綿、麻、竹、こうぞ、みつまた、バナナおよび被嚢類に由来する繊維が挙げられる。綿としては、例えば、短繊維綿、中繊維綿、長繊維綿、超長綿および超・超長綿が挙げられる。再生セルロース繊維としては、例えば、レーヨン繊維(例えば、ビスコースレーヨンおよび銅アンモニアレーヨン)が挙げられる。半再生セルロース繊維としては、例えば、アセテート繊維(例えば、ビスアセテートおよびトリアセテート)が挙げられる。セルロース繊維は、好ましくは、綿、麻、レーヨン繊維およびこれらの組み合わせである。セルロース繊維として、綿、麻、レーヨン繊維およびこれらの組み合わせを用いることにより、吸水性、風合いおよび物性に優れた織地が得られ得る。
上記セルロース繊維と混用され得る他の繊維としては、目的に応じて任意の適切な繊維を採用し得る。具体例としては、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維またはポリアミド繊維が挙げられ、ポリエステル繊維またはポリウレタン繊維が好ましい。
上記ポリエステル繊維としては、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンテレフタレートおよびこれらの組み合わせが好ましく用いられ得る。ポリエステル繊維を用いることにより、速乾性等の着心地やW&W性等の防しわ性に優れた衣料製品が容易に得られ得る。セルロース系繊維中におけるポリエステル繊維の含有量は、例えば10質量%~70質量%である。
上記ポリウレタン繊維としては、ポリウレタン弾性繊維が好ましく用いられ得る。ポリウレタン繊維を用いることにより、織地の伸長率および伸長回復率を好ましい範囲に容易に調整し得る結果、より優れた防しわ性とより優れた着用感とを両立することができる。セルロース系繊維中におけるポリウレタン繊維の含有量は、例えば0.1質量%~40質量%である。
上記セルロース系繊維は、目的に応じて任意の適切な形態であり得る。具体的には、原糸(未加工糸)、仮撚糸、染色糸等の形態が挙げられる。また、単糸、合撚糸、カバリングヤーン等の形態が挙げられる。また、セルロース系繊維が2種以上の繊維を含む場合、該2種以上の繊維は、例えば、混紡糸、混撚糸等の形態であり得る。これらの形態は、単独でまたは2種以上組み合わせて採用され得る。
上記セルロース系繊維の繊度は、英式綿番手で20~80番手である。例えば、衣料製品がドレスシャツである場合、該繊度は、好ましくは20~70番手である。また例えば、衣料製品がブラウスである場合、該繊度は、好ましくは30~70番手である。なお、繊度が40番手である糸としては、例えば、40番手の単糸および80番手の単糸からなる双糸等を用いることができる。繊度が20番手以上であることにより、柔らかい織地を得ることが容易になる。繊度が80番手以下であることにより、十分な引張強力、引裂強力等を有する織地を得ることが容易になり、製造コストが抑えられる。
上記織地が織糸として含み得る上記セルロース系繊維以外の繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維またはポリアミド繊維が挙げられ、好ましくは上記セルロース系繊維において、セルロース繊維と混用され得るポリエステル繊維およびポリウレタン繊維と同様の繊維が挙げられる。これらの繊維は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられ得る。該繊維の形態としては、上記セルロース系繊維についての説明と同様の説明が適用され得る。
上記ポリエステル繊維は、織糸として使用可能な任意の適切な繊度を有する。該繊度は、例えば33dtex~330dtexである。繊度が330dtex以下であることにより、織地の厚みが適度な範囲になるので、着用感が向上する。一方、繊度が33dtex以上であることにより、加工時および使用中に該繊維が断糸する等の問題を回避することができる。
上記ポリウレタン繊維は、織糸として使用可能な任意の適切な繊度を有する。該繊度は、例えば22dtex~154dtexである。繊度が154dtex以下であることにより、織地の厚みが適度な範囲になり、また、ゴムライクになりにくくなるので、着用感が向上する。一方、繊度が22dtex以上であることにより、加工時および使用中に該繊維が断糸する等の問題を回避することができる。
上記織地のセルロース繊維の含有割合は、20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%、さらに好ましくは50質量%~100質量%である。セルロース繊維を20質量%以上含むことにより、優れた吸湿性、肌触り、および風合いを有する衣料製品が得られ得る。
上記織地がセルロース繊維に加えて上記ポリエステル繊維を含む場合、織地中のポリエステル繊維の含有割合は、例えば5質量%~80質量%である。含有割合が80質量%以下であることにより、吸湿性および着用感が向上する。一方、含有量が5質量%以上であることにより、例えば、速乾性が向上し得るとともに、優れた防しわ性を実現することができる。
上記織地がセルロース繊維に加えて上記ポリウレタン繊維を含む場合、織地中のポリウレタン繊維の含有割合は、例えば0.1質量~40質量%である。含有割合が40質量%以下であることにより、ゴムライクになりにくくなるので、着用感が向上する。含有量が0.1質量%以上であることにより、例えば、伸長率および伸長回復率の低下が抑制されて、より優れた防しわ性とより優れた着用感とを両立することができる。
上記織地の織密度は、経糸密度が50本~250本/2.54cm(インチ)であり、緯糸密度が50本~200本/2.54cmである。経糸密度は、好ましくは50本~195本/2.54cmである。緯糸密度は、好ましくは50本~150本/2.54cmである。経糸密度と緯糸密度とは、互いに同じであっても、異なっていてもよい。織密度が所定値以上であることにより、織地の強度が向上し得る。また、得られる衣料製品が透けにくくなる。一方、織密度が所定値以下であることにより、好適な風合いが得られ、過度の張りを解消し得る。また、衣料製品をコンパクトに収納できるとともに、所定の収納容器から取り出し着用した際の畳みしわを抑えて審美性を維持し得る。なお、該織地の織密度は、縫製等を経て得られる衣料製品における織地の織密度であり、製織時の織密度とは異なる場合がある。
上記織地の織組織としては、任意の適切な織組織を採用し得る。織組織としては、例えば、平織、朱子織(サテン)、綾織、ドビー織およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの織組織によれば、多様なデザインを有する衣料製品が得られ得る。
平織組織としては、例えば、ブロード、およびローンが挙げられる。ブロードは、地合いが密で光沢を持つ点で好ましい。ローンは、ソフトな手触りを持つ点で好ましい。
朱子織(サテン) によれば、光沢に富み、滑りの良い滑らかな感触が得られる。織密度を粗くすることにより、軽量で柔らかく様々なデザインの衣料製品が得られる。
綾織によれば、光沢に富み、良好な伸長率および伸長回復率を実現することができる。
上記織地は、任意の適切な織機を用いて製織され得る。
上記織地は、架橋処理が施されていてもよい。架橋処理によってセルロース系繊維が架橋されるのでW&W性等の防しわ性がより向上した衣料製品を実現することができる。架橋処理は、架橋剤等を含む架橋処理液を処理対象の織地に付着させ、次いで、熱処理することによって行われ得る。熱処理は上記所定の織密度になる範囲において織地に張力を付与しながら行ってもよい。架橋剤は、セルロースの水酸基と反応し、セルロース系繊維間に架橋結合を形成させる任意の適切な化合物であり得る。架橋処理の詳細については、例えば、特開2016-169457号公報の記載を参照することができる。
上記織地は、必要に応じて、他の処理(例えば、糊抜き、精錬、漂白、洗浄、および柔軟化)が施されていてもよい。
A-3.衣料製品の製造方法
本発明の衣料製品は、例えば、上記織地を型紙に基づいて型取りおよび裁断し、これにより得られた各部材(例えば、前身頃部、後身頃部、袖部、襟部、上前立て部、下前立て部ならびに任意にヨーク部およびポケット部)を任意の適切な方法で縫い合わせる工程(縫合工程)を含む製造方法によって得られる。該縫合工程において、着用感の向上の観点から、好ましくは、上記織地を、その緯方向が前身頃部、後身頃部、袖部、ポケット部、上前立て部、下前立て部、および必要に応じてヨーク部の横方向となるように縫い合わせる。上記製造方法は、代表的には、上前立て部の所定の位置にボタン穴を設ける工程および下前立て部の所定の位置にボタンを固定する工程をさらに含む。
上記縫合工程における縫合は、ミシンによる機械縫いまたは手縫いで行われ得、好ましくはミシンを用いて行われる。また、縫合における縫い目としては、目的に応じて任意の適切な縫い目が選択され得る。好ましい縫い目としては、本縫い、環縫い(例えば、チェーンステッチ)、割縫い、オーバーロック縫い、インターロック縫い、巻き縫い、平縫い、伏せ縫い等が挙げられる。これらの縫い目は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられ得る。例えば、生地の重なりが多い部分(袖部、袖下の脇部分、アームホール等)をインターロック縫いにすることで厚みを抑えることができる。その結果、衣料製品を無理なくコンパクトに収納することができる。
上記縫合工程において、上前立て部の厚みが0.35mm~0.80mmの範囲内となるようにする。上前立て部の厚みは、例えば、身生地の厚み、表前立て、裏前立て等の構成の選択、芯地の厚み、芯地の使用範囲、縫製箇所の生地の折り込み程度(例えば、前立て部と前身頃部を縫合する際に前立ての生地を織り込む回数)等を適切に選択することによって所望の値に調整することができる
B.包装済衣料製品
本発明の包装済衣料製品は、収納容器と、該収納容器内に折り巻かれた状態で収納されているA項に記載の衣料製品と、を含む。
B-1.収納容器
収納容器としては、上記衣料製品を折り巻いた状態で収納可能な袋または箱が用いられ得る。ここで、袋とは、比較的柔軟な材料で形成され、それ自身で形状を保持できない容器を意味する。また、箱とは、比較的硬質な材料で形成され、それ自身で形状を保持し得る容器を意味する。
1つの実施形態において、上記収納容器は、円形状の底面部と開口していてもよい上面部と側面部とを有する円柱形状または内接円を有する多角形状の底面部と開口していてもよい上面部と側面部とを有する多角柱形状である。収納容器がこのような形状を有することにより、衣料製品を収納した際に、収納容器と衣料製品との間に隙間が少なくなるので、コンパクトに収納し得る。当該実施形態において、衣料製品を収納した収納容器を運搬、積載、展示等する際の安定性向上の観点からは、全ての側面部が底面部から垂直に立ち上がっていることが好ましい。しかしながら、本発明の効果が得られる限りにおいて、収納容器は、一部または全ての側面部が底面部から斜めに立ち上がっていてもよい。この場合、上記安定性の観点から、側面部と底面部とのなす角度は、好ましくは80°~100°である。なお、収納容器が収納袋である場合、展開図または型紙に基づく立体形状が、上記形状であればよい。
上記多角形状としては、例えば三角形から十角形の多角形状が挙げられる。内接円を基にした円柱の充填率(内接円柱の体積/容器体積×100)が高い方が収納性に優れると考えられる。収納性および運搬、積み重ね時の安定性の観点から、四角形から八角形の多角形状が好ましく、四角形、六角形または八角形の形状がより好ましい。多角形状は、本発明の効果が得られる限りにおいて、正多角形でもよく、図5に示すような非正多角形でもよい。
上記収納容器が収納箱であり、底面部が円形状または内接円を有する多角形状である場合、該円または内接円の直径は、代表的には60mm~75mmであり、好ましくは62mm~75mmである。また、該収納箱の高さは、代表的には190mm~220mmであり、好ましくは200mm~210mmである。
上記収納箱の形成材料としては、樹脂、金属、ガラス、厚紙等が挙げられる。なかでも、加工性、取扱い性、透明性等の観点から、樹脂が好ましく、表面の光沢、艶が優れており、印刷適性が高いことから、ポリ塩化ビニルが特に好ましく用いられる。また、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール等も好ましく用いられ得る。これらの樹脂は、無色透明であることから、収納された衣料製品の色柄を外部から認識することが可能である。
上記収納箱の厚みは、例えば0.20mm~0.60mm、好ましくは0.25mm~0.45mm、より好ましくは0.30mm~0.40mmである。厚みが該範囲内であると、箱を組み立てる際の作業性に優れ、また、実用上十分な耐衝撃性が得られ得る。
上記収納容器が収納袋であり、底面部が円形状または内接円を有する多角形状である場合、該円または内接円の直径は、代表的には60mm~90mmであり、好ましくは60mm~80mmであり、より好ましくは60mm~75mmである。また、該収納袋の高さは、代表的には190mm~250mmであり、好ましくは210mm~245mmであり、より好ましくは225mm~240mmである。直径または高さが該範囲より大きいと、収納袋内で衣料製品が広がってしまうおそれがある。
上記収納袋の形成材料としては、布、紙、樹脂シート等が挙げられる。1つの実施形態において、収納袋は、その中に収納される衣料製品の身生地と同じ織地で構成される。当該実施形態によれば、衣料製品を収納袋から取り出すことなく、色柄や肌触りを確認することができる。
図6および図7は、収納袋の一例を示す概略図である(図6は開状態、図7は閉状態を示す)。収納袋200は、上面が開口した円柱形状を有している。収納袋200の側面には、衣料製品を容易に出し入れするための切れ込み210が設けられている。切れ込み210は、上面から底面に向かって所定の長さを有し、向かい合う端部が所定の幅で重なり合うように設けられている。該端部には係合部材(図示例では複数の面ファスナー210a、210a’)が設けられており、該係合部材によって切れ込み210の開閉が制御される。図示例とは異なり、係合部材は、線ファスナー、ボタン等であってもよい。
B-2.衣料製品の折り巻き方法
上記衣料製品は、折り巻かれた状態で上記収納容器内に収納される。衣料製品の折り巻き方法としては、衣料製品を容器内に収納可能な大きさにすることができ、かつ、容器内から取り出して着用に供した際にしわや上前立て部の凹凸が目立たない方法が好ましい。
図8を参照しながら好ましい折り巻き方法の一例(以下、「折り巻き方法A」と称する場合がある)を以下に説明する。最初に、ボタンを掛けた状態の衣料製品(図示例では、ドレスシャツ)を平らな台の上に、左右の袖山の中心が折り筋上に位置するように平面に広げる(a)。次いで、一方の(図示例では、右腕側)の前身頃部と後身頃部の袖下縫合部の縫い目が、上前立て部の上、好ましくはボタンの上になるように折り畳み(b)、生じた折り目に対して、袖の上部の折り目(袖中心線)を合わせるように折り畳む(c)。続いて、他方(図示例では、左腕側)の身頃部および袖部を同様に折り畳む(d)。次いで、襟部および身頃部の裾を手前側に倒して折り畳む(e)。この時、襟部と身頃部の裾とが相対するように、かつ、相対した位置がシャツの上下方向の中央になるように折り込むことが好ましい。しわ付きを抑えつつ小さく折り畳むことができるからである。次いで、該相対した箇所を折り目として、再度手前側に折り込んで四角形状とし、その短辺が縦方向になるように配置する(f)。次いで、一方の端部(図示例では、左端)から中央まで巻き取っていき(g)、その後、残り半分を他方の端部(図示例では、右端)から中央まで巻き取る(h)。巻き取り終わった状態を(i)に示す。
また、図9を参照しながら好ましい折り巻き方法の別の例(以下、「折り巻き方法B」と称する場合がある)を以下に説明する。図9中、(a)~(d)は、図8の(a)~(d)と同様である。続いて、衣料製品を、襟部から身頃部の裾に向かって襟台を巻き芯として回転させながら巻き取る(e、f)。巻き終わった状態を(g)に示す。
上記折り巻き方法AまたはBによれば、しわ付きを抑えつつ略円柱状に折り巻かれた衣料製品が得られる(図8(i)および図9(g))。折り巻き方法Aは、衣料製品のヨコ方向の凹凸を生じ難くし着用時の審美性の低下を抑制するなどの点において有利である。なお、折り巻いた状態の衣料製品の寸法に言及する場合、該衣料製品を円柱に見立て、底面部および上面部の最大径を円柱の直径とし、底面部と上面部との距離を円柱の高さとする。
上記のようにして折り巻かれた衣料製品を収納容器に収納することにより、本発明の包装済衣料製品が得られ得る。必要に応じて、折り巻かれた衣料製品を収納袋に収納し、次いで、該収納袋を収納箱に収納してもよい。
本発明の包装済衣料製品によれば、衣料製品がしわ付き等を抑えた状態で収納容器内にコンパクトに収納されている。よって、図10に示すような従来の平面的な畳み方に比べて、収納後の着用における審美性を維持しつつ、収納スペースを大幅に節約することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
実施例で用いられる測定方法および評価方法は以下の通りである。
(1)身生地および上前立て部の厚み
JIS L-1096 厚さ A法に準じて身生地および上前立て部の厚みを測定した。具体的には、厚み測定器(新潟精機株式会社製、ダイヤルシクネスゲージDS-1211)を用いて、一定時間(10秒間)、一定圧力(23.5kPa)の下で、試料の異なる5か所について厚みを測定し、その平均値を用いた。
上前立て部の厚みについては、上前立て部の全長に渡って芯地を用いた場合は、異なる5か所の厚みを測定し、その平均値を採用する。上前立て部の一部に芯地を用いた場合は、芯地を用いた場所の異なる5か所の厚みの平均値(Amm)と芯地を用いていない場所の異なる5か所の厚みの平均値(Bmm)を求め、また、上前立て部の全長(Ccm)および芯地を使用している部分の長さ(Dcm)を測定して、式(1)より、算出する。
上前立て部の平均厚み(mm)={A×D+B×(C-D)}/C …式(1)
上前立て部の全長や芯地を使用している部分の長さの測定には、JIS B 7522に規定する繊維製巻尺またはこれらと同等以上の精度がある繊維製巻尺(例えば、ムラテックKDS株式会社製 カクロング10)を用いた。また、上前立て部の測定箇所は、ボタンホール部とボタンホール部の間に直線を引き、その線上の厚みを測定する。
(2)後身頃部と前身頃部の長さの差
JIS L-1096 長さ A法に準じて、後身頃部と前身頃部の長さの差を測定した。具体的には、シャツを平らな台の上にしわや張力を取った状態で広げ、シャツの前身頃部(前立て部)の裾から後身頃裾の最下位点までの距離を後身頃と前身頃の長さの差(図11中の「L」で表わされる長さ)として測定した。測定治具は、上記(1)で使用したものを用いた。
(3)カフスの長さ
JIS L-1096 長さ A法に準じて、カフスの長さを測定した。具体的には、シャツを平らな台の上に置き、しわや張力を取った状態で広げ、図12に示すように袖生地とカフス部とを縫合しているミシン目に垂直方向となる直線上でカフス部の両端の距離を測定した。測定治具は、上記(1)で使用したものを用いた。
(4)織地の引裂強力の測定
JIS L-1096 D法(ペンジュラム法)に準拠して測定した。具体的には、経10cm×緯6.3cmの試験片をそれぞれ3枚以上採取した。エレメンドルフ形引裂強さ試験機を用い、両つかみの中央で該試験片の長辺のほぼ中央に該辺と直角に鋭利な刃によって2cmの切れ目を入れ、残りの4.3cm分の経糸が引裂かれたときに示す荷重(cN)を測定した。平均値を生地の緯方向の引裂強力とした。上記測定方法は緯方向の引裂強力の測定方法であるが、経方向の引裂強力は、試験片の長辺を緯方向とすること以外は同様にして測定できる。
(5)伸長率の測定
JIS L-1096 伸長率 定荷重法に準じて実施した。具体的には、試料の寸法を幅2.5cm、把握長を10cmとし、試料の長さ方向の伸びを定量するために、長さ方向に8cmの直線(印間8cmの意味)を引いた後、定荷重14.7N(伸長速度30cm/分で試料を伸長させ14.7Nの荷重がかかった段階で伸長状態を保持)で60秒間伸長させ、その時の直線の長さを計測し、計算より伸長率(%)(直線の長さの増分(cm)/8cm×100)を求めた。伸長率測定時の温湿度は、温度23℃、湿度70RH%とした。
(6)織地のW&W性評価試験
JIS L-1096 洗濯後のしわ A法に準じて、洗濯を実施した。脱水後はタンブル乾燥を実施した。試験点数は1点とした。W&W性は、3名の判定者の平均値として、レプリカ(AATCC TEST METHOD 124にて規定)と比較して判定した。判定標準間は0.1級刻みで評価した。例えば、等級3.0から等級3.5の場合、3.1級と3.2級、3.3級、3.4級、3.5級とした。なお、一般に、W&W性が2.0級以上であれば、衣料製品のしわが少なくなり、3.0級以上であればさらにしわが目立ちにくくなり、さらに3.2級以上とすると、アイロン掛けをしなくてもしわが目立ちにくいレベルになり得る。
(7)使用感の評価
被験者10名が各自の体型にあったシャツ(成人男子Sサイズ2枚、Mサイズ3枚、Lサイズ3枚、LLサイズ2枚。S、M、サイズは、それぞれJIS L4107 附属書1表1Y型のえり回り37cm、39cmとした。L、LLサイズは、それぞれJIS L4107 附属書1表2A型のえり回り41cm、43cmに準拠し、Lサイズの胴回りは100cm、胸回りは110cm、LLサイズの胴回りは108cm、胸回りは116cmとした)を折り巻いて収納容器に入れ、1日後に該収納容器から取り出して着用した。着用した状態におけるシャツのしわ、上前立て部の凹凸および襟のカールを以下の基準に基づいて目視により評価した。各被験者の評価点の平均値を小数点一位で四捨五入して評価結果とした。なお、上記成人男子Sサイズのシャツは成人女子Lサイズと、成人男子Mサイズのシャツは成人女子のブラウスのLLサイズと、それぞれ同等の評価ができる。
(しわの評価基準)
5点:しわが認められない
4点:少ししわが認められるが気にならない
3点:しわがあるがそのまま着用可能と判断できる
2点:着用すると気になるしわが多い
1点:しわがかなり多く、そのまま着用困難である
(上前立て部の凹凸の評価基準)
5点:凹凸が認められない
4点:少し凹凸が認められるが気にならない
3点:凹凸があるがそのまま着用可能と判断できる
2点:着用すると上前立て部の凹凸が気になる
1点:凹凸が激しく、そのまま着用困難である
(襟のカールの評価基準)
5点:カールが認められない
4点:少しカールが認められるが気にならない
3点:カールがあるがそのまま着用可能と判断できる
2点:着用すると襟のカールが気になる
1点:襟のカールが激しく、そのまま着用困難である
実施例で用いられる収納容器は以下の通りである。
(収納箱A)
上面部および底面部が一辺の長さが3.75cmの正6角形であり、高さが21.0cmである、正六角柱形状の箱(ポリ塩化ビニル製、厚み0.29mm、内容積741.6cm)を用いた。該上面部および底面部は、差し込み式の蓋として開閉可能である。該正六角柱の内接円柱の寸法は、直径が6.49cm、高さ21.0cmである(体積694.3cm)。該正六角柱に対する該内接円柱の充填率は93.6%であった。
(収納箱B)
上面部および底面部が直径7.12cmの円形であり、高さが21.0cmである円柱形状の箱(ポリエチレンテレフタレート製、厚み0.56mm、内容積805.3cm)を用いた。
(収納箱C)
上面部および底面部が一辺の長さが6.45cmの正方形であり、高さが21.0cmである正四角柱形状の箱(ポリエチレンテレフタレート製、厚み0.39mm、内容積849.5cm)を用いた。該上面部および底面部は、差し込み式の蓋として開閉可能である。該正四角柱の内接円柱の寸法は、直径が6.45cm、高さ21.0cmである(体積685.8cm)。該正四角柱に対する該内接円柱の充填率は80.7%であった。
(収納袋D)
図5および図6に示すような3組の面ファスナーで開閉可能な切れ込みを有する円柱形状の袋(生地厚み0.22mmの布製、底面部直径6.5cm、高さ23.7cm、体積786cm)を用いた。
[実施例1]
織機((株)豊田自動織機製エアージェット織機、型式JAT-710)に、英国式綿番手綿50番手(50番単糸、綿100%、サックス(日本工業規格群青色近似)先染め柄糸)を経糸として準備し、英国式綿番手綿40番手(40番単糸、綿100%、先晒糸)を緯糸として、回転数500rpm、経糸135本/2.54cm、緯糸80本/2.54cmの織密度で、ドビー織の織地を製織した。
得られた織地を、糊抜き、精練(90℃×1分の湯洗いで糊抜きを行った後、1.5質量%の過硫酸ナトリウム、2.0重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、マングルで絞った後、庫内90℃の飽和蒸気の条件下で30分間滞留)、漂白(1.2質量%の亜塩素酸ナトリウム液に浸漬し、マングルで絞った後、庫内90℃の飽和蒸気の条件下で30分間滞留)、水洗(60℃の水で1分間処理して残留薬剤を除去)の順で処理して乾燥した。
次に、織地を液体アンモニアに約2秒間浸漬した後、製織密度に対して経方向が107.4%、緯方向が97.5%の織密度(経糸145本/2.54cm、緯糸78本/2.54cmの織密度)で水洗乾燥した。
次に、織地を架橋処理液(水76質量部、架橋剤としてジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(固形分濃度60質量%)10質量部、触媒として固形分濃度20質量%の塩化マグネシウムの水溶液3質量部、ホルマリンキャッチャー剤としてDIC(株)製、製品名「ファインテックスFC-KP」3質量部、柔軟剤としてDIC(株)製、製品名「ファインテックスPE-140-E」3質量部、および日華化学(株)製、製品名「AMC-800E」5質量部)を付与したパッダーに浸漬し、マングルでパッドオン率(織地中に含まれる架橋処理液重量/架橋処理液付与前の織地の重量×100)65%として絞った後、架橋反応させた。条件は、155℃設定のピンテンターで4分間処理として、製織密度に対して経方向が106.7%、緯方向が97.5%の密度になるように(経糸密度が144本/2.54cm、緯糸密度が78本/2.54cmとなるように)織地の幅を固定した。これにより、ドレスシャツ用の仕上がり生地を得た。
得られた仕上がり生地(織地)の仕上がり幅は149cm、目付け量が122g/mであり、セルロース繊維の含有率は100%、緯方向の引裂強力は800cNであり、経方向の引裂強力は850cNであった。W&W性は3.5級であった。
上記仕上がり生地を所定の寸法に型取りし、糸で縫い合わせることによって図3および図4に示すようなドレスシャツを作製した。このとき、袖部、袖下の脇部分、アームホールは、生地の重なりが多いことから、インターロック縫いにすることで縫合部の厚みを抑えた。また、身頃裾部は、巻縫いを採用し、その他の部分は本縫いを採用した。また、上前立て部の全長に渡って芯地を使用した。
得られたドレスシャツを折り巻き方法Aで円柱状(底面直径69mm、高さ200cm)に折り巻き、図6および図7に示すような円柱状の収納袋D(底面直径65mm、高さ237cm、生地厚み0.22mm)に入れた。次いで、収納袋Dを、側面部の切れ込みが閉じた状態で収納箱Aに入れて蓋をした。
[実施例2]
織機((株)豊田自動織機製エアージェット織機、型式JAT-710)に、英国式綿番手綿50番手(50番単糸、綿100%、イエロー(日本工業規格黄色近似色))と同先晒糸の2色を経糸として準備し、英国式綿番手綿40番手(40番単糸、綿100%、先晒糸)を緯糸として、回転数500rpm、経糸130本/2.54cm、緯糸70本/2.54cmの織密度で、ドビー織の織地を製織した。
得られた織地を、液体アンモニア浸漬後の水洗乾燥を、製織密度に対して経方向が100.0%、緯方向が100.0%の織密度(経糸130本/2.54cm、緯糸70本/2.54cmの織密度)で実施したこと、架橋反応時のピンテンター処理として、製織密度に対して経方向が98.5%、緯方向が100.0%の密度になるように(経糸密度が128本/2.54cm、緯糸密度が70本/2.54cmとなるように)織地の幅を固定したこと以外は実施例1と同様にしてドレスシャツ用の仕上がり生地を得た。
得られた仕上がり生地(織地)の仕上がり幅は150cm、目付け量が98g/mであり、セルロース繊維の含有率は100%、緯方向の引裂強力は710cNであり、経方向の引裂強力は800cNであり、横方向の伸長率は1.5%であった。W&W性は3.2級であった。
上記仕上がり生地を所定の寸法に型取りし、糸で縫い合わせることによって図1および図2に示すようなドレスシャツを作製した。縫製条件は実施例1と同様であるが、上前立て部における芯地の厚みおよび芯地の使用範囲を変更した。具体的には、上前立て部の最上位部(前立て部と襟台部の縫合部)から第3ボタン穴かがり下部までの範囲(上前立て部全長の18%)に芯地を適用した。
得られたドレスシャツを折り巻き方法Aで円柱状(底面直径69mm、高さ191cm)に折り巻き、収納袋Dに入れた。次いで、収納袋Dを、側面部の切れ込みが閉じた状態で収納箱Aに入れて蓋をした。
[実施例3]
英国式綿番手綿40番手(40番単糸、綿100%)を経糸とし、英国式綿番手綿30番手(60番双糸、綿100%)を緯糸として、経糸120本/2.54cm、緯糸65本/2.54cmの織密度で平織地を製織したこと、液体アンモニアに浸漬する直前にシルケット加工処理を、製織密度に対して経方向が101.7%、緯方向が100%の織密度(経糸122本/2.54cm、緯糸65本/2.54cmの織密度)として、20質量%の水酸化ナトリウム水溶液に20℃で10秒浸漬し、マングルで絞った後に湯洗いし、酸による中和と水洗および乾燥を実施したこと、さらに続いて、液体アンモニアに約2秒間浸漬した後、製織密度に対して経方向が105.8%、緯方向が100.0%の織密度(経糸127本/2.54cm、緯糸65本/2.54cmの織密度)で水洗乾燥したこと、架橋処理液において、水60質量部、架橋剤としてジメチロールジヒドロキシエチレン尿素20質量部、触媒として固形分濃度20質量%の塩化マグネシウムの水溶液6質量部、ホルマリンキャッチャー剤としてファインテックスFC-KPを6質量部に変更したこと、架橋反応の際に、ピンテンターで、製織密度に対して経方向が105.8%、緯方向が100.0%の密度になるように(経糸密度が127本/2.54cm、緯糸密度が65本/2.54cmとなるように)織地の幅を固定したこと以外は実施例1と同様に、ドレスシャツ用の仕上がり生地を得た。
得られた仕上がり生地(織地)の仕上がり幅は152cm、目付け量が113.6g/mであり、セルロース繊維の含有率は100%、緯方向の引裂強力は913cNであり、経方向の引裂強力は981cNであった。W&W性は4.0級であった。
上記仕上がり生地を用いて、縫製方法を身頃裾部は巻縫い、その他の部分は本縫いを採用したこと、および、芯地の厚みを変更したこと以外は実施例1と同様にして図3および図4に示すようなドレスシャツを作製した。
得られたドレスシャツを折り巻き方法Bで円柱状(円の直径73mm、高さ202cm)に折り巻き、収納ボトルBへ収納した。
[実施例4]
英国式綿番手綿60番手(60番単糸、綿100%、ネイビー(日本工業規格瑠璃色近似色))を経糸とし、英国式綿番手綿60番手(60番単双糸、綿100%)を緯糸として、経糸83本/2.54cm、緯糸80本/2.54cmの織密度で平織地を製織したこと、シルケット加工で、製織密度に対して経方向が106.0%、緯方向が100.0%の織密度(経糸88本/2.54cm、緯糸80本/2.54cmの織密度)としたこと、織地を液体アンモニアに約2秒間浸漬した後、製織密度に対して経方向が130.1%、緯方向が100.0%の織密度(経糸108本/2.54cm、緯糸80本/2.54cmの織密度)で水洗乾燥したこと、架橋処理液において、水70質量部、架橋剤としてジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(固形分濃度60 質量%)12質量部に変更したこと、架橋反応の際に、ピンテンターで、製織密度に対して経方向が127.7%、緯方向が100.0%の密度になるように(経糸密度が106本/2.54cm、緯糸密度が80本/2.54cmとなるように)織地の幅を固定したこと以外は実施例1と同様にして、ドレスシャツ用の仕上がり生地を得た。
得られた仕上がり生地(織地)の仕上がり幅は112cm、目付け量が88g/mであり、セルロース繊維の含有率は100%、緯方向の引裂強力は1200cNであり、経方向の引裂強力は1900cNであった。W&W性は3.5級であった。
上記仕上がり生地を用いて、芯地を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして図3および図4に示すようなドレスシャツを作製した。
得られたドレスシャツを折り巻き方法Bで円柱状(円の直径67mm、高さ198cm)に折り巻き、円柱状の収納袋D入れた。次いで、収納袋Dを、側面部の切れ込みが閉じた状態で収納箱Cへ収納した。
[比較例1]
英国式綿番手綿20番手(20番単糸、綿100%)を経糸とし、PTT繊維150デニール(帝人フロンティア(株)、商標SOLOTEX)と英国式綿番手綿20番手(20番単糸、綿100%)の2種類の糸を緯糸として、該PTT繊維150デニールを1本と該綿20番糸を1本の頻度で繰り返し準備し、経糸67本/2.54cm、緯糸48本/2.54cmの織密度で平織地を製織したこと、液体アンモニアに約2秒間浸漬した後、製織密度に対して経方向が122.4%、緯方向が100.0%の織密度(経糸82本/2.54cm、緯糸48本/2.54cmの織密度)で水洗乾燥したこと、架橋処理液のうち、水76質量部、架橋剤としてジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(固形分濃度60質量%)12質量部、触媒として固形分濃度20質量%の塩化マグネシウムの水溶液3質量部、ホルマリンキャッチャー剤としてDIC(株)製、製品名「ファインテックスFC-KP」0.5質量部、柔軟剤としてDIC(株)製、製品名「ファインテックスPE-140-E」1質量部、および日華化学(株)製、製品名「AMC-800E」1質量部)に変更したこと、架橋反応の際に、ピンテンターで、製織密度に対して経方向が119.4%、緯方向が100.0%の密度になるように(経糸密度が80本/2.54cm、緯糸密度が48本/2.54cmとなるように)織地の幅を固定したこと以外は実施例1と同様にして、ドレスシャツ用の仕上がり生地を得た。
得られた仕上がり生地(織地)の仕上がり幅は123.9cm、目付け量が170g/mであり、セルロース繊維の含有率は90%、緯方向の引裂強力は2575cNであり、経方向の引裂強力は2933cNであった。W&W性は2.8級であった。
上記仕上がり生地を用いて、芯地の厚みを変更したこと以外は実施例3と同様にして図3および図4に示すようなドレスシャツを作製した。
得られたドレスシャツを折り巻き方法Bで円柱状(円の直径85mm、高さ200cm)に折り巻き、収納箱Bへ収納しようとしたが、収納箱Bが小さすぎて収納不可能であった。
[比較例2]
英国式綿番手綿50番手(50番単糸、綿100%、先晒糸)を経糸とし、英国式綿番手綿40番手(40番単糸、綿100%、先晒糸)を緯糸として、経糸110本/2.54cm、緯糸60本/2.54cmの織密度で平織地を製織したこと、シルケット加工で、製織密度に対して経方向が103.6%、緯方向が100.0%の織密度(経糸114本/2.54cm、緯糸60本/2.54cmの織密度)としたこと、架橋反応の際に、ピンテンターで、製織密度に対して経方向が103.6%、緯方向が100.0%の密度になるように(経糸密度が114本/2.54cm、緯糸密度が60本/2.54cmとなるように)織地の幅を固定したこと以外は実施例1と同様にして、ドレスシャツ用の仕上がり生地を得た。
得られた仕上がり生地(織地)の仕上がり幅は148.5cm、目付け量が135g/mであり、セルロース繊維の含有率は100%、緯方向の引裂強力は790cNであり、経方向の引裂強力は820cNであった。W&W性は3.2級であった。
上記仕上がり生地を用いて、芯地の厚みを変更したこと、および、襟をボタンダウン仕様としたこと以外は実施例1と同様にして図3および図4に示すようなドレスシャツを作製した。
得られたドレスシャツを折り巻き方法Bで円柱状(円の直径72mm、高さ200cm)に折り巻き、収納箱Bへ収納した。
[比較例3]
英国式綿番手綿50番手(50番単糸、綿100%、先晒糸)を経糸とし、英国式綿番手綿40番手(40番単糸、綿100%、先晒糸)を緯糸として、経糸120本/2.54cm、緯糸85本/2.54cmの織密度でドビー織地を製織したこと、シルケット加工で、製織密度に対して経方向が104.2%、緯方向が100.0%の織密度(経糸125本/2.54cm、緯糸85本/2.54cmの織密度)としたこと、架橋反応の際に、ピンテンターで、製織密度に対して経方向が103.3%、緯方向が100.0%の密度になるように(経糸密度が124本/2.54cm、緯糸密度が85本/2.54cmとなるように)織地の幅を固定したこと以外は実施例1と同様にして、ドレスシャツ用の仕上がり生地を得た。
得られた仕上がり生地(織地)の仕上がり幅は146.5cm、目付け量が129g/mであり、セルロース繊維の含有率は100%、緯方向の引裂強力は830cNであり、経方向の引裂強力は875cNであった。W&W性は3.2級であった。
上記仕上がり生地を用いて、芯地の厚みを変更したこと以外は実施例1と同様にして図3および図4に示すようなドレスシャツを作製した。
得られたドレスシャツを折り巻き方法Aで円柱状(円の直径81mm、高さ206cm)に折り巻き、収納箱Aへ収納した。
実施例および比較例で得られたドレスシャツの構成を表1および表2にまとめて示す。また、収納容器から取り出して着用した際のドレスシャツの評価結果を表3に示す。
Figure 0007084694000001
Figure 0007084694000002
Figure 0007084694000003
表1~3に示されるとおり、実施例のドレスシャツは、所定のコンパクトな収納容器に収納することができるとともに、収納容器から取り出して着用した際の身生地のしわ、上前立て部の凹凸、襟部のカールの評価が良好であり、持ち運びの利便性と着用時の審美性とを両立できた。なお、実施例2は襟元にボタンダウンを施しており、着用時にシャツの襟台の反りがなく、審美性が特に良好であった。また、後身頃部の長さが前身頃部よりも19mm長いだけなので、折り巻いた際にかさ高さが低下しており、収納容器への収納性が優れていた。さらに、シャツの裾をボトムスの外に出して着用した際の審美性も良好であった。
一方、比較例1のドレスシャツは、小さく折り巻くことができなかった結果、所定の収納容器に収納することができなかった。また、比較例2のドレスシャツは、収納性および襟部のカールについては問題なかったが、上前立て部の凹凸が激しく、そのまま着用することは困難であった。これは、上前立て部の厚みが厚く、また、身生地の厚みと上前立て部との厚みとの差が大きかったためと推測される。比較例3のドレスシャツは、着用時の外観がいずれも低い評価に留まった。これは、身生地の厚み、上前立て部の厚みおよびこれらの差がいずれも大きかったために、収納容器内で織地や芯地にしわや歪みが生じたものと考えられる。
また、本発明の包装済衣料製品の収納性に関して、ドレスシャツを、内寸が巾75cm、高さ25cm、奥行き35cmの抽斗の付いたタンスに収納することを想定すると、図10に示す状態のシャツを平積みで収納する場合、1つの抽斗に収納可能なシャツの枚数は15枚から18枚程度である。これに対し、実施例1の収納容器に収納されたシャツは114枚収納可能である(ただし、正六角形の底面部を下にして収納容器を立てた状態で算出した枚数)。このように本発明の包装済衣料製品によれば、収納スペースを節約でき、さらには、抽斗を開いてすべてのシャツを目視で確認できる。また例えば、収納容器に衣料製品の名称、サイズ、長半袖別、色柄、材質等を記載しておくと、多大な労力を要することなく目的のものを直ちに取り出すことが可能となる。
本発明の衣料製品は、ビジネスシャツ、ブラウス等として利用され得る。
10 前身頃部
20 後身頃部
30 上前立て部
40 下前立て部
50 袖部
60 襟部
70 ポケット部
80 ヨーク部
100 衣料製品(ドレスシャツ)
200 収納袋

Claims (4)

  1. 収納容器と、該収納容器内に折り巻かれた状態で収納されている衣料製品と、を含む包装済衣料製品であって、
    該衣料製品が、前身頃部、後身頃部、上前立て部、下前立て部、袖部および襟部を有し、かつ、英式綿番手が20~80番手であるセルロース系繊維を用いて製織された、経糸密度が50~250本/2.54cmであり、緯糸密度が50~200本/2.54cmであり、セルロース繊維を100質量%含む織地を身生地として含み、
    該身生地の厚みが、0.15mm~0.28mmであり、
    該上前立て部の厚みが、0.40mm~0.80mmであり、
    該身生地の厚みと該上前立て部の厚みとの差が、0.60mm以下であり、
    該セルロース系繊維が、架橋剤によって架橋されており、
    該収納容器が、円形状または内接円を有する多角形状の底面部と開口であってもよい上面部と側面部とを有する収納袋であって、該円または内接円の直径が、60mm~90mmであり、該収納袋の高さが、190mm~250mmであるか、または、円形状または内接円を有する多角形状の底面部と開口であってもよい上面部と側面部とを有する収納箱であって、該円または内接円の直径が、60mm~75mmであり、該収納箱の高さが、190mm~220mmである、包装済衣料製品。
  2. 前記後身頃部の裾が、前記前身頃部の裾よりも5mm~80mm長い、請求項1記載の包装済衣料製品。
  3. 前記上前立て部と前記下前立て部とがともに、裏前立てである、請求項1または2記載の包装済衣料製品。
  4. 前記衣料製品が、ドレスシャツ、ブラウス、パジャマまたはユニフォームである、請求項1から3のいずれかに記載の包装済衣料製品。
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