JP2009235590A - 芯地基布 - Google Patents

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彩 長谷山
Akira Enohara
章 榎原
Kazuyuki Obata
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Abstract

【課題】厚みがありながら軽量でかさ高度が高く、かつ強力が高いため、特に生地強力の弱い極薄の表地に好適な芯地基布を提供する。
【解決手段】総繊度が10dtex以下であるナイロン6,6フィラメント糸の仮撚り加工糸を織物の経糸及び緯糸に用い、糸長比が50〜70%であり、引裂強力が5.0以上である織物からなる芯地基布。ただし糸長比は、見かけの糸長÷実際の糸長×100とする。仮撚り加工糸に酸化チタンが0〜0.04重量%含有されていることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、かさ高で強力の高い芯地基布に関するものである。
昨今流行している極薄の表地に対応する芯地基布として、薄さや透明性を追求した様々な考案がなされている。例えば特許文献1や特許文献2では総繊度が小さい繊維を使用した芯地基布が提案されているが、細い糸を使用して密度を粗く織った芯地基布は強力も低く、極薄の表地が犠牲にしている生地強力を十分に補えるものではない。特許文献3で開示されている透明芯地用基布では仮撚り加工糸の持つトルクの制御が難しく、安定して芯地基布を得るのが困難である。また特許文献4ではモアレ欠点のない芯地基布が提案されているが、単糸を拡散させるのみではかさ高な芯地基布は得られず、また軽量化の検討が十分なされていなかった。
特開平10−219542(東レ出願) 特開2004−218184(東洋紡他) 特開2005−188003(カネボウ出願) 特許3366418(旭化成出願)
本発明の課題はかさ高で強力の高い芯地基布を提供することである。厚みがありながら軽量でかさ高度が高く、かつ強力が高いため、特に生地強力の弱い極薄の表地に好適な芯地基布となる。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(1) 総繊度が10dtex以下であるナイロン6,6フィラメント糸の仮撚り加工糸を織物の経糸及び緯糸に用い、糸長比が50〜70%であり、引裂強力が5.0以上である織物からなることを特徴とする芯地基布。
ただし糸長比は、見かけの糸長÷実際の糸長×100とする。
(2) 該織物の経糸密度と緯糸密度の積が10000本/(2.54センチ)以上であることを特徴とする上記1に記載の芯地基布。
(3) 該仮撚り加工糸に酸化チタンが含有され、その含有量が0〜0.04重量%であることを特徴とする上記1または2に記載の芯地基布。
(4) 該織物のかさ高度が8以上であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の芯地基布。
かさ高度は以下の式により示される。
かさ高度={厚さ(mm)÷単位面積当たりの質量(g/m2)}×1000
本発明の芯地基布は厚みがありながら軽量でかさ高度が高く、かつ強力が高いため、生地強力の弱い極薄の表地に好適な芯地基布となる。特にシボや楊柳、シワ加工といった凹凸の大きい極薄の表地に対して、表面感を損なわずに芯地による補強ができる。具体的には被服中の襟、前立て、カフスなどに本発明の芯地基布を接着した表地を使用すると、生地がかさ高くなったためボタンをとめ易くなり、袖とカフスの重さの違いによる違和感を感じにくくなる。また着用や洗濯によりボタンが引っ張られた時も生地の破れを防止することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の芯地基布は、総繊度が10dtex以下であるナイロン6,6の仮撚り加工糸を織物の経糸及び緯糸に用い、見かけの糸長が実際の糸長の50〜70%であり、引裂強力が5.0以上であることを特徴とする織物からなる。
本発明で用いられるナイロンフィラメント糸は、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンを重合してなる、いわゆるナイロン6,6からなり、必要に応じつや消し剤、吸湿剤、顔料などの添加剤を含んでもよい。ナイロン6,6はポリエステルと同等の耐熱性を持ち、なおかつ風合いはポリエステルよりも柔らかいため、接着剤を介して表地と芯地基布を熱接着する本発明に好適である。また、ナイロン6,6の比重はポリエステルよりも小さいため、かさ高性を追求する本発明に好適である。ナイロンフィラメントの断面形状に制限はなく、丸断面、多角断面、多葉断面、中空断面などを用いることができる。
つや消し剤としては酸化チタンを始めとする無機粒子を用いることができる。酸化チタンの使用量に制限はないが、多く使用して白度の高い糸にすると芯地をつけた表地がダル調に変わる恐れがあるため、好ましくは糸の重量に対して0〜0.04重量%含むのが好ましい。特につや消し剤を使用しない場合は透明性の高い糸が得られるため、特に淡色の表地につけた場合に見た目の変化が少なく好ましい。
総繊度は10dtex以下、より好ましくは8dtex以下がよく、1dtex以上が好ましい。総繊度が10dtexを越えると目付が重たくなり、十分なかさ高性が得られない。マルチフィラメントを構成する各単糸が開繊していると、糸の占有体積が大きくなって厚みが増しかさ高になる。特にフィラメント数が3〜5本であると、織物中でフィラメントが一本づつに開繊しやすく好ましい。フィラメント数が多いと開繊しにくくなりかさ高性が悪くなり、逆に少なすぎると仮撚り加工が行いにくくなる。総繊度が1dtexを下回ると仮撚り加工や織布時に糸切れしやすく生産性が悪くなる場合がある。
本発明のナイロンフィラメント糸は仮撚り加工により捲縮を付与する。捲縮により糸の収束が弱まってかさ高になるため織物もかさ高くなり、また接着剤の保持性も良くなる。仮撚り加工は、フリクション仮撚り、ベルトニップ仮撚り、ピン仮撚りなど既知の方法を用いることができ、熱セットする部位は加撚部のみ、加撚部および解撚部のいずれでもよいが、加撚部のみ熱セットするウーリー加工を行った方が、加撚部と解撚部を熱セットするブレリア加工よりも得られる糸のかさ高性が高く好ましい。
上記のナイロンフィラメント糸を織物の経糸および緯糸に用いると、かさ高な織物が得やすくなり好ましい。経糸と緯糸には同種の糸を用いても異種の糸を用いてもよいが、同種の糸を用いた方が織物の経方向と緯方向の物性バランスが良くなり、好ましい。織りをはじめとする経糸と緯糸が交差する交錯点が多い組織に織ると、生地の強力が増すため好ましい。交錯点の数を表す指標である経糸密度と緯糸密度の積が10000本/2.54センチ以上であると生地強力が得やすくなり、好ましい。交錯点が多いほど生地強力は増すがあまり多くするとかさ高度が下がり、また隣接する糸と重なって織物の製造が困難になるため50000本/2.54センチ以下、より好ましくは40000本/2.54センチ以下とすることが好ましい。また織布効率を上げるため、経糸密度を緯糸密度よりも多く設定することが好ましい。
交錯点の多い織り組織では経糸、緯糸の浮きが小さく生地の厚みが出にくい為、芯地基布上での見かけの糸長を実際の糸長の50〜70%にすることが重要となる。ここで見かけの糸長とは織物上での糸の長さであり、実際の糸長とは織物から糸を取り出して伸ばした時の糸の長さである。経糸および緯糸をたるませ気味に織り込むと生地がかさ高になり、生地強力も強くなる。
このような芯地基布を作成するためには、織布および染色で経緯ともに張力を極力かけないようにするとよい。織布工程ではエアージェットルームを用い、弱い張力で整経されたビームに弱い張力で緯糸を入れて生機を作成し、染色工程では経方向に張力をかけないように精練・染色を行い、中間セット、仕上げセットでは巾方向に張力をかけず経に送り込みながら仕上げると所望の芯地基布が得られる。
染色工程では染料を使用してもしなくてもよく、染料を使わないと透明感のある半透明の芯地基布が得られる。半透明の芯地基布は、白、ベージュを始めとした淡い色の表地と組み合わせても表地の色変化がほとんど見られない。従来の芯地基布は濃色、中色、淡色それぞれ表地に合わせた色に染色しているのに対し、本発明の芯地基布は淡色表地に対して半透明芯地基布の1種類で対応できるため、染色工程の省略と在庫品種の削減が可能になり商業的に好ましい。また仕上げセットにおいて撥水剤を付与して撥水仕上げとすると、次工程である接着剤付与において生産効率が上がり好ましい。
経糸および緯糸について見かけの糸長を実際の糸長の50〜70%にするためには、生機密度と仕上げ密度のバランスが重要となる。染色工程における熱および水流によるもみ作用によって糸が縮んだり織物がふくらんで織りクリンプが増したりして、仕上げ密度は生機密度より大きくなるのが一般的であるが、仕上げ密度が生機密度の1.4倍以上であると、本発明の芯地基布が得やすくなる。計算例を以下に挙げる。
(1) 織物の経糸本数は不変であるため生地巾と密度は反比例の関係にあり、仕上げ密度が生機密度の1.4倍になると生地巾は1÷1.4=0.71倍に縮む。
(2) 生機における緯糸が生地巾と同じ長さだけあったとすると、仕上げ後は見かけ上0.71倍に長さが縮み、実際の糸長の71%になる。
このような構成の芯地基布は引裂強力が5.0N以上あり、総繊度10dtex以下の糸を使用した織物としては高い値となっている。
本発明においてはかさ高度が8以上であることが、凹凸の大きい極薄の表地と張り合わせた時の表面感を損なわない点において好ましい。かさ高度は生地の厚さと単位面積当たりの質量からなる下記式により算出される。
かさ高度=厚さ(mm)÷単位面積当たりの質量(g/m2)×1000
厚さと単位面積当たりの質量は比例することが多くかさ高度を大きくするのは難しい場合が多いが、本発明では鋭意検討の結果、捲縮を持たせた経糸および緯糸をたるみ気味かつ開繊気味に織物中に配して厚さを増している。単位面積当たりの質量を少なくする方は一段と難しく、生地強力維持のため生地密度はあまり粗くできず、糸の総繊度を小さくする、比重の軽い糸を使用する、などが有効な手だてである。これらの工夫によりかさ高度が8以上である芯地基布を得ることができる。
芯地基布から接着芯地を得るには、接着剤として熱可塑性樹脂の粉末を用い芯地基布の片面にドット状に散布し熱固着する方法や、熱可塑性樹脂の水溶液を芯地基布の片面に散布して熱処理する方法が好ましく用いられる。後者の方法においては芯地基布を撥水仕上げにしておくと、熱可塑性樹脂の水溶液が芯地基布状に効率的に保持できるため生産性がよく好ましい。接着剤を付与する面は片面でも両面でもよく、両面の場合は片面に付与する工程を二度行い両面に接着剤を付与するとよい。
本発明の芯地基布の糸密度測定は、干渉縞を利用したテーパー形デンシメータによって行う。このため芯地基布を近接した織り密度をもつ表地と組み合わせると接着により干渉縞であるモアレが発生するため、表地の織り密度に近接しないような織り密度をもつ芯地基布を選定するとよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。とくに断りがない場合は染色加工後の芯地基布について測定を行った。
<糸の繊度・フィラメント数>
JIS L1096、L1013に基づいて経糸と緯糸の測定を行った。
<糸の形態観察>
織物の経方向および緯方向を鋭利な刃物で切断した小片について、電子顕微鏡で観察を行い、経糸および緯糸の断面形状を観察し、またマルチフィラメントを構成する単糸の開繊状態を観察した。
<糸の酸化チタン量>
JIS L1013に基づいて経糸と緯糸の測定を行った。
<糸のトルク>
織物から経糸を1本取り出して両手に持ちV字状の針金をぶら下げて糸を引っ張った後、両手を合わせて糸をV字状にして針金が回転するか否か観察し、糸のトルク有無を見る。針金が回転すれば糸にトルクの残ったウーリー糸、回転しなければブレリア糸もしくは非仮撚り加工糸とする。
<組織>
JIS L1096に基づいて判別した。
<織物の密度>
JIS L1096に基づいて生機および染色品の密度を測定した。
<糸長比>
織物の経糸および緯糸に沿って10cm間隔の印をつけて見かけの糸長とし、経糸および緯糸を取り出す。印の両外側を手で持ち糸がたるみなく伸びるまで引っ張り、印の距離を実際の糸長として測定する。
見かけの糸長を実際の糸長で割り、100をかけて百分率表示したものを糸長比とする。
経糸および緯糸について糸長比を算出し、その平均値を織物の糸長比とした。
<厚さ>
JIS L1096に基づいて測定した。
<単位面積当たりの質量>
JIS L1096に基づいて測定した。
<かさ高度>
以下の式で算出した。
{厚さ(mm)÷単位面積当たりの質量(g/m)}×1000=かさ高度(cm/g)
<引裂強力>
JIS L1096(ペンジュラム法)に基づいて経方向、緯方向を測定し、数字の小さい方を織物の引裂強力とした。
<表地と接着後の評価>
表地としてポリエステル100%の楊柳ジョーゼットクレープを用意した。この生地の引裂強力は5.6Nであった。
接着剤を付与した芯地基布を接着芯地として用意し、表地と接着して表面感、色調、接着剤の裏抜けといった外観変化を評価した。次に、襟、前立て、カフス部分には接着芯地をつけた表地を使用し、その他の部分には芯地なしの表地を使用して、前あき部分と両袖口にボタンを付けた長袖ブラウスを縫製した。モニターとして成人女性がこのブラウスを着用し、室内で事務作業を行い着心地を評価した。その後、ドラム式洗濯乾燥機を用いてネットを使用せずに全自動コースで洗濯、乾燥を行い、外観を評価した。
実施例1
総繊度8dtex、5フィラメントのナイロン6,6マルチフィラメントについてフリクション仮撚りを行い、ウーリー加工糸を得た。この糸を経糸および緯糸に用いてエアージェットルームにより平織物の生機を作成した。この生機の経密度は101本/2.54センチ、緯密度は70本/2.54センチであった。この生機に精練、中間セット、染色、仕上げセットを行い、経密度136本/2.54センチ、緯密度85本/2.54センチの黒い織物に仕上げ、これを芯地基布とした。この芯地基布の糸長比、厚さ、単位面積当たりの質量、かさ高度、引裂強力を測定すると表1のようになった。また電子顕微鏡で繊維表面を観察すると、マルチフィラメントが開繊して5本の単繊維に完全に開繊している部分が経糸および緯糸に見られた。
この芯地基布の片面に接着剤を点状に配して接着芯地を作成し、黒の楊柳ジョーゼットクレープと接着して外観および物性を評価した。評価の結果を表1に示す。接着芯地と貼り合わせた表地は楊柳状のシボ立ちがそのまま見られ接着による表面感の変化がなく、色調も接着前と変わらず、接着剤の裏抜けもなかった。
次に長袖ブラウスを縫製してモニターテストを行い着心地を評価した。軽快な着心地であり、着脱もとくに支障がなかった。着用後のブラウスを洗濯乾燥機で洗濯し、外観および物性を評価した。芯地使用部分の型くずれはなく、芯地の剥離や生地の傷みもなかった。
実施例2
実施例1と同じウーリー加工糸を用い、この糸を経糸および緯糸に用いてエアージェットルームにより平織物の生機を作成した。この生機の経密度は118本/2.54センチ、緯密度は70本/2.54センチであった。この生機に精練、仕上げセットを行い、経密度156本/2.54センチ、緯密度90本/2.54センチの生成の織物に仕上げ、これを芯地基布とした。この芯地基布の各種物性を測定すると表1のようになった。また電子顕微鏡で繊維表面を観察すると、マルチフィラメントが開繊して5本の単繊維に完全に開繊している部分が経糸および緯糸に見られた。
この芯地基布の片面に接着剤を点状に配して接着芯地を作成し、薄い水色の楊柳ジョーゼットクレープと接着して外観および物性を評価した。評価の結果を表1に示す。接着芯地と貼り合わせた表地は楊柳状のシボ立ちがそのまま見られ接着による表面感の変化や色の変化がなく、また接着剤の裏抜けもなかった。
次に長袖ブラウスを縫製してモニターテストを行い着心地を評価した。軽快な着心地であり、着脱もとくに支障がなかった。着用後のブラウスを洗濯乾燥機で洗濯し、外観および物性を評価した。芯地使用部分の型くずれはなく、芯地の剥離や生地の傷みもなかった。
実施例3
総繊度8dtex、5フィラメントのナイロン6,6マルチフィラメントについてフリクション仮撚りを行い、ウーリー加工糸を得た。この糸を経糸および緯糸に用いてエアージェットルームにより平織物の生機を作成した。この生機の経密度は142本/2.54センチ、緯密度は105本/2.54センチであった。この生機に精練、仕上げセットを行い、経密度191本/2.54センチ、緯密度132本/2.54センチの生成の織物に仕上げ、これを芯地基布とした。この芯地基布の糸長比、厚さ、単位面積当たりの質量、かさ高度、引裂強力を測定すると表1のようになった。また電子顕微鏡で繊維表面を観察すると、マルチフィラメントが開繊して5本の単繊維に完全に開繊している部分が経糸および緯糸に見られた。
この芯地基布の片面に接着剤を点状に配して接着芯地を作成し、薄い水色の楊柳ジョーゼットクレープと接着して外観および物性を評価した。評価の結果を表1に示す。接着芯地と貼り合わせた表地は楊柳状のシボ立ちがそのまま見られ色の変化もなく、また接着剤の裏抜けもなかった。
次に長袖ブラウスを縫製してモニターテストを行い着心地を評価した。軽快な着心地であり、着脱もとくに支障がなかった。着用後のブラウスを洗濯乾燥機で洗濯し、外観および物性を評価した。芯地使用部分の型くずれはなく、芯地の剥離や生地の傷みもなかった。
比較例1
実施例1の生機に精練、中間セット、染色、仕上げセットを行い、経密度119本/2.54センチ、緯密度84本/2.54センチの黒い織物に仕上げ、これを芯地基布とした。この芯地基布の糸長比、厚さ、単位面積当たりの質量、かさ高度、引裂強力を測定すると表1のようになった。また電子顕微鏡で繊維表面を観察すると、マルチフィラメントが開繊して5本の単繊維に開繊している部分が経糸のみに見られ、緯糸は部分的な開繊は見られるもののすべての単繊維が開繊している部分はなかった。
この芯地基布の片面に接着剤を点状に配して接着芯地を作成し、黒の楊柳ジョーゼットクレープと接着して外観および物性を評価した。評価の結果を表1に示す。接着芯地と貼り合わせた表地は楊柳状のシボ立ちは見られるが生地の光沢感が増しアタリのようになった。また接着剤の裏抜けがややあった。
次に長袖ブラウスを縫製してモニターテストを行い着心地を評価した。軽快な着心地ではあるが、袖口、前立て、襟の光沢感が他の部分と異なるため、見た目の違和感があった。着脱は特に支障なかった。着用後のブラウスを洗濯乾燥機で洗濯し、外観および物性を評価した。ボタン周辺の生地が盛り上がって型くずれを起こしている部分が二カ所あり、内一カ所は表地を構成する糸が数本切れていた。
比較例2
実施例1と同じウーリー加工糸を用い、この糸を経糸および緯糸に用いてウォータージェットルームにより平織物の生機を作成した。この生機の経密度は101本/2.54センチ、緯密度は85本/2.54センチであった。この生機に精練、仕上げセットを行い、経密度110本/2.54センチ、緯密度85本/2.54センチの生成の織物に仕上げ、これを芯地基布とした。この芯地基布の各種物性を測定すると表1のようになった。また電子顕微鏡で繊維表面を観察すると、マルチフィラメントは収束している部分が多く、部分的に開繊している箇所もあるが単繊維すべてがバラバラに開繊している部分は見られなかった。
この芯地基布の片面に接着剤を点状に配して接着芯地を作成し、白の楊柳ジョーゼットクレープと接着して外観および物性を評価した。評価の結果を表1に示す。接着芯地と貼り合わせた表地は楊柳状のシボ立ちが消失して光沢が増し、接着剤の裏抜けが大きかった。
比較例3
総繊度15dtex、5フィラメントのナイロン6,6マルチフィラメントについてフリクション仮撚りを行い、ブレリア加工糸を得た。この糸を経糸および緯糸に用いてエアージェットルームにより平織物の生機を作成した。この生機の経密度は68本/2.54センチ、緯密度は61本/2.54センチであった。この生機に精練、仕上げセットを行い、経密度98本/2.54センチ、緯密度73本/2.54センチの生成の織物に仕上げ、これを芯地基布とした。この芯地基布の糸長比、厚さ、単位面積当たりの質量、かさ高度、引裂強力を測定すると表1のようになった。また電子顕微鏡で繊維表面を観察すると、マルチフィラメントは収束している部分が多く、部分的に開繊している箇所もあるが単繊維すべてがバラバラに開繊している部分は見られなかった。
この芯地基布の片面に接着剤を点状に配して接着芯地を作成し、薄い水色の楊柳ジョーゼットクレープと接着して外観および物性を評価した。評価の結果を表1に示す。接着芯地と貼り合わせた表地は楊柳状のシボ立ちがそのまま見られ接着による表面感の変化はないが、表地の色調がやや変化し、接着剤は裏抜けがなかった。
次に長袖ブラウスを縫製してモニターテストを行い着心地を評価した。前立て部分の厚みのためシルエットに凹凸ができ、袖口がやや重たい感じがした。着脱は特に支障なかった。着用後のブラウスを洗濯乾燥機で洗濯し、外観および物性を評価した。芯地使用部分の型くずれはなく、芯地の剥離や生地の傷みもなかった。
Figure 2009235590

Claims (4)

  1. 総繊度が10dtex以下であるナイロン6,6フィラメント糸の仮撚り加工糸を織物の経糸及び緯糸に用い、糸長比が50〜70%であり、引裂強力が5.0以上である織物からなることを特徴とする芯地基布。
    ただし糸長比は、見かけの糸長÷実際の糸長×100とする。
  2. 該織物の経糸密度と緯糸密度の積が10000本/(2.54センチ)以上であることを特徴とする請求項1記載の芯地基布。
  3. 該仮撚り加工糸に酸化チタンが含有され、その含有量が0〜0.04重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の芯地基布。
  4. 該織物のかさ高度が8以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芯地基布。
    かさ高度は以下の式により示される。
    かさ高度={厚さ(mm)÷単位面積当たりの質量(g/m2)}×1000
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