JP6632653B2 - 微細構造を有する光学的に透明な接着剤 - Google Patents

微細構造を有する光学的に透明な接着剤 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年の10月24日に出願された、米国仮特許出願第61/550,725号の利益を主張し、その開示が本明細書において全体を組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、光学的に透明な接着剤、及び光学的に透明な接着剤を使用した積層方法の分野に関する。特に、本発明は、微細構造を有する光学的に透明な接着剤、及び真空を伴わない積層方法に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)、又は有機ELディスプレイなどの、画像置のディスプレイ表面は一般的に、ガラスプレート又はプラスチックフィルムなどの、半透明のシートで一般的に保護されている。半透明のシートは、例えば、半透明のシートの縁部に沿ってテープを積層するか、又は接着剤をコーティングすることによって、画像表示装置のハウジングに固定される。この手順は、典型的には空気によって満たされる、半透明のシートとハウジングとの間の空隙を形成する。したがって、半透明シートと、画像表示装置のディスプレイ表面との間に空気の層が存在する。例えば、液晶画像装置の場合において、空気層と半透明シートとの間の屈折率の差、及び空気層と液晶モジュール材料との間の屈折率の差のために、光の反射又は散乱が生じ、これが潜在的には画像表示装置に表示される画像の輝度又はコントラストを減少させ、ひいては、画像の可視性を低下させる可能性がある。
したがって、最近では、空気に比べ、半透明シート及び液晶モジュール材料の屈折率に近い屈折率を有する透明基材が、画像表示装置のディスプレイ表面と半透明シートとの間の空隙に満たされ、よって画像表示装置に表示される画像の視認性が向上する。1つのこのような透明基材は、光学的に透明な接着剤(OCA)である。
現在、積層体内において空気が捕捉されるのを防ぐため、シート状OCAを備える2つの基材の積層は、典型的には真空条件において行われる。これは、両方の基材が剛性であるときに、特に典型的である(「剛性−剛性積層」)。OCAの使用は、OCAが適用される基材の大きさが大きくなっている(すなわち、10インチ(25.4−cm)を超える対角線)ために、ますます重宝されている。積層の大きさが増加すると、真空プロセスはますます資源集約的になり、高価な装置、及びより長いTACT(合計組み立て周期時間)を必要とする。
また顧客の利益のため、ディスプレイはまたより薄くなり、重量が軽くなっており、よって場合により過酷な積層条件に対して脆弱になる。これは、組み立てられたモジュールにおける、機械的損傷、又は光学的歪み(Mura)に繋がることがある。
一実施形態において、本発明は、第1主要表面及び第2主要表面を含む、微細構造を有する光学的に透明な接着剤である。第1主要表面及び第2主要表面の少なくとも一方が、平面寸法の少なくとも1つ(x−y)において相互接続した微細構造の微細構造化表面を含む。微細構造を有する光学的に透明な接着剤は、積層温度において、少なくとも約0.3のタンデルタ値を有し、架橋していないか、又は軽く架橋している。微細構造化表面は、約5〜約80μmの深さを有する、くぼみを含み得る。
別の実施形態において、本発明は、真空を使用せずに、第1基材及び第2基材を積層する方法である。方法は、第1主要表面及び第2主要表面を含む、微細構造を有する光学的に透明な接着剤を準備する工程であって、少なくとも1つの主要表面は微細構造化表面を含む、工程と、微細構造を有しても、有さなくてもよい剥離ライナーを、微細構造を有する光学的に透明な接着剤の第1主要表面から取り除く工程であって、第1主要表面は微細構造を有しても、有さなくてもよい工程と、微細構造を有する光学的に透明な接着剤の第1主要表面を第1基材の表面と接触させる工程と、微細構造を有する光学的に透明な接着剤の第2主要表面から、微細構造化剥離ライナーを除去して、微細構造化表面を露出させる工程と、微細構造化表面を第2基材の表面と接触させる工程とを含む。微細構造化表面は、少なくとも1つの平面的寸法内に相互接続した微細構造を含む。微細構造を有する光学的に透明な接着剤は、積層温度において、少なくとも約0.3のタンデルタ値を有する。
更に別の実施形態において、本発明は、第1基材及び第2基材の真空を伴わない積層方法である。方法は、第1主要表面及び第2主要表面を含む、微細構造を有する光学的に透明な接着剤を準備する工程であって、少なくとも1つの主要表面は微細構造化表面を含む工程と、微細構造を有する光学的に透明な接着剤の表面を第1基材の表面と接触させる工程と、光学的に透明な接着剤の微細構造化表面を、第2基材の表面と接触させて結合線を形成する工程と、微細構造化表面と、第2基材の表面との間の点間接触を可能にし、第2基材の表面に沿って光学的に透明な接着剤を均一に広げる工程と、連続的な開いた空間を満たし、結合線から実質的に空気を除き、積層体を形成する工程とを含む。微細構造化表面は、少なくとも1つの平面的寸法内に相互接続した微細構造を含む。微細構造を有する光学的に透明な接着剤は、約20℃〜約60℃の温度において、少なくとも約0.3のタンデルタ値を有する。
本発明の微細構造化感圧接着剤の第1実施形態を形成するために使用される、微細構造を有する非常に浅いライナーの断面図である。 本発明の微細構造化感圧接着剤の第2実施形態を形成するために使用される、微細構造化二重機構ライナーの断面図である。 図2aの微細構造化二重機構ライナーの突起部の拡大断面図である。 本発明の微細構造化感圧接着剤の第3実施形態を形成するために使用される格子パターンを有する微細構造化ライナーの断面図である。 微細構造化接着剤表面を基材の表面に接触させた直後に、微細構造化感圧接着剤を使用して形成された積層体の断面図である。 基材の表面に沿って光学的に透明な接着剤を均一に伸ばし、連続的な開いた空間を充填して、結合線から空気を除去したあとの、図4aの積層体の断面図である。 時間及び追加的な紫外線暴露に応じて変化する、本発明の微細構造化感圧接着剤、及び比較のための微細構造化感圧接着剤の、湿潤挙動を示す図である。 時間及び追加的な紫外線暴露に応じて変化する、本発明の微細構造化感圧接着剤、及び比較のための微細構造化感圧接着剤の、湿潤挙動を示す図である。 本発明の微細構造化感圧接着剤の湿潤挙動を示す。
本願において、全ての数字は用語「約」で修飾されているとみなす。終点による数字範囲の詳細説明には、その範囲内に含まれる全ての数が包含される(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が包含される)。特に指示しない限り、本明細書で引用された全ての部は重量による。
本発明の感圧接着剤(PSA)及び積層方法は、例えば、ディスプレイ及び/又はタッチパネル、及び特により大きなディスプレイ及び/又はタッチパネルなどの基材の積層のために有用である。いくつかの実施形態において、本発明は、第1基材及び第2基材の積層に特に適しており、第1基材及び第2基材の少なくとも一方が、積層される基材の間に空間又は空隙を生じ得る、トポグラフィー特徴を含む。この例は、インクステップ(すなわち、カバーガラスなどの結合させる際に空隙を生じるトポグラフィー特徴)を有するディスプレイ基材の結合である。一般的に、積層方法は、2つの表面、及び特に、透明(例えば、ガラス同士)又は不透明(例えば、コンピュータタッチパッドとバックパネルアセンブリ)の剛性表面など、2つの表面の気泡のない積層のために有用である。位置実施形態において、PSAは、流動性の微細構造を有する(MS)光学的に透明な接着剤(OCA)である。MS OCAは、微細構造化表面を有し、これは、コーティングプロセス、又は積層プロセス中において、OCAと微細構造化ライナーとを接触させることによって調製される。MS OCAを使用する、本発明の積層方法は、積層のために、真空によらないプロセスを使用して、欠陥のないアセンブリを製造することを可能にする。MS OCAは、真空結合装置及び処理を使用せずに、欠陥の無い積層を準備することができるため、大きな寸法の積層、及び剛性−剛性積層において特に好適である。本発明の方法は、積層プロセス中において真空を必要としないものとして説明されるが、真空は、意図される本発明の内容から逸脱することなく、任意により使用されてもよい。
本発明の積層方法を使用して生成される積層体は、第1基材と第2基材との間に位置づけられた、MS OCA層を含む。本発明の目的のため、積層体は、少なくとも第1基材、第2基材、及び第1基材と第2基材との間に配置されたMS OCAを含むものとして定義される。実質的に欠陥の無い、応力を受けず、寸法的な歪みのない積層体、及び生じる光学アセンブリは、所望によりMS OCAが架橋される前に熱及び/又は圧力を適用することによって達成される。
任意の好適な、透明な光学基材は、本発明の真空を伴わない積層を使用して、結合され得る。光学基板は、ガラス、ポリマー、複合体等で形成され得る。光学基板に使用される材料の種類は一般的に、アセンブリが使用される用途によって決まる。一実施形態では、光学基板はディスプレイパネル、及び実質的に光透過性の基板を含む。
好適な光学基板は、任意のヤング率であってもよく、例えば剛性(例えば光学基板は、厚さ6mmシートのガラスプレートであってもよく)、又は可撓性(例えば光学基板は厚さ37μmのフィルムであってもよい)であってもよい。方法はしたがって、剛性−剛性積層、剛性−可撓性積層、又は可撓性−可撓性積層について使用され得る。
材料の種類によって、光学基板の寸法及び表面トポグラフィーは一般的に、光学アセンブリが使用される用途によって決まる。光学基板の表面トポグラフィーはまた、粗面化されてもよい。粗い表面トポグラフィーを有する光学基板はまた、本発明によって効果的に積層されてもよい。
微細構造を有する光学的に透明な接着剤
上記のように、大きな寸法、すなわち面積を有する光学アセンブリは、効率及び厳しい光学品質が望まれるならば、製造するのが難しい場合がある。加えて、いくつかの光学アセンブリは、光学的構成要素の間にトポグラフィー機構(例えば、インクステップ、又は結合される2つの基材の間における平坦性の欠如による基材の間の単なる非平坦部又は波形部)を有する。このトポグラフィーは、アセンブリを結合するために使用される接着剤(典型的には転移接着剤)がトポグラフィーにより生じる空間又は空隙を十分に満たさない場合に、欠陥の増加を生じる。トポグラフィー機構を有する光学アセンブリと関連する欠陥の問題を改善するための1つの手法は、液状の硬化性接着剤組成物を使用することであり、これは、その後適用された後に硬化される場合がある。液状、硬化性接着剤組成物の使用は、トポグラフィー機構によって形成される光学構成要素の間の空間又は空隙が、空間又は空隙に液体硬化性組成物を注ぎ、又は注入し、その後組成物を硬化して構成要素を結合することによって充填されることを可能にする。しかしながら、これらの一般的に使用される組成物は長い流出時間を有し、これは大きな光学アセンブリには非効率的な製造方法の一因となる。これらの液状硬化性組成物はまた、硬化中に縮む傾向があり、アセンブリに大きな応力を生じる。
本発明において、有用な接着剤には、積層される基材の間の空間又は空隙を充填する能力を有する、流動性、かつ任意により硬化性の接着剤が挙げられる。流動性、かつ任意により硬化性の空隙充填組成物は、ホットメルトOCA、溶媒コーティングしたOCA、ウェブ上で重合したOCA又は熱活性化接着剤であり得る。熱活性化接着剤は感圧性接着剤ではない一方で、これらは、オートクレーブなどで、加熱される際に流動する場合(すなわち、少なくとも約0.3のタンデルタ)は使用されてもよい。
MS OCAは、基材の間に空間又は空隙を形成する、1つ以上のトポグラフィー機構を有するものを含む、光学アセンブリ(例えば、ディスプレイ基材)を結合するために有用である、転写テープの形式で製造されてもよい。この転写テープ製造プロセスにおいて、液状硬化性組成物は、2つの剥離ライナーの間に適用されてもよく、その少なくとも一方が紫外線に対して透過性であり、硬化のために有用である。次いで、液状硬化性組成物は、その中に含有される光開始剤によって少なくとも部分的に吸収される波長の化学線への曝露によって、硬化(重合)され得る。あるいは、熱活性化フリーラジカル開始剤が使用されてもよく、その場合液体接着剤組成物を2つの剥離ライナーの間にコーティングし、熱に曝して、組成物の重合を完成させることができる。剥離ライナーの少なくとも一方は、微細構造を有する。いずれのライナーも微細構造を有さない場合、ライナーの少なくとも一方が、重合が完了した後に、微細構造化ライナーと交換される。
更に異なる方法において、流動性、及び任意により硬化性の組成物は、溶媒コーティングされ、微細構造を有しても、有さなくてもよい、ライナー上で乾燥させられてもよい。一度、流動性及び任意により硬化性の組成物が乾燥すると、第2剥離ライナーは、OCAを被覆するように適用されてもよい。第1及び第2剥離ライナーの少なくとも一方は微細構造を有する。
したがって、感圧接着剤を含む転写テープを形成することができる。転写テープの形成は、流動性の、かつ任意により硬化性の組成物を積層の前に弛緩させることによって、MS OCA内の応力を低減させることができる。例えば、典型的なアセンブリプロセスでは、転写テープの剥離ライナーの1つをはがして、流動性、かつ任意により硬化性の組成物をディスプレイアセンブリに適用することができる。次いで、2つ目の剥離ライナーをはがして、基材への積層を完了させることができる。最後に、組み立てられたディスプレイ構成要素は、オートクレーブ工程に送って結合を終了し、積層欠陥のない光学アセンブリを作製することができる。
MS OCAは、実質的に気泡を有さない積層体、及び短いTACT(合計組み立て周期時間)に繋がる、望ましい流動特性を有する。MS OCAは、積層中に形成される捕捉された気泡が、接着剤/基材境界面から容易に逃げられるようにし、時間経過後、又はオートクレーブなどで、熱及び/又は圧力を適用した後に、気泡の無い積層体を生じる。結果として、積層及び任意のオートクレーブ処理後に、最小限の積層不具合しか見られない。良好な基材湿潤及び簡単な気泡除去の併せた効用により、大幅に短縮された周期時間の効率的な積層プロセスが可能となる。更に、接着剤からの良好な応力緩和及び基材接着により、積層体の耐久性のある結合が可能となる(例えば、加速劣化試験後に気泡/層間剥離がない)。積層中に、真空が必要とされないため、積層及び積層装置の費用も実質的に低減する。この効果を達成するため、MS OCAは、加工条件(すなわち、積層、及び使用される場合はオートクレーブ)における高いタンデルタなどの、一定のレオロジー特性を擁する。いくつかの場合において、低い貯蔵弾性係数(G’)はまた、初期積層段階において有益である。
MS OCA転写テープは、迅速に変形し、外形に適合できることにより、良好な湿潤を可能にするため、十分な適合性を有し得る(例えば、1Hz周波数によって測定する際に、典型的には、25℃などの積層温度において、1×10パスカル(Pa)などの、低剪断貯蔵弾性係数G’)を有し得る。接着剤の流量は、広範囲の温度にわたって材料の高い破損係数値に反映され得る(すなわち、接着剤のガラス転移温度(Tg)(DMAにより測定)と約50℃又はそれよりわずかに高い温度との間でタンデルタ>0.5)。位置実施形態において、ホットメルト又は流動性OCAが使用されるとき、MS OCAは、積層温度において、少なくとも約0.3、具体的には少なくとも約0.5、及びより具体的には少なくとも約0.7のタンデルタを有する。熱活性化接着剤において、MS OCAは、熱活性化温度において、少なくとも約0.3、具体的には少なくとも約0.5、及びより具体的には少なくとも約0.7のタンデルタを有する。
MS OCAは、室温(約20℃)、及び約60℃において、より高いタンデルタ値を呈し、多くの場合において、より高い温度によって増加し、ローラー積層などの一般的な技術によって容易な積層を生じる。タンデルタ値は、MS OCAの粘性−弾性バランスを示すものである。高いタンデルタ値は、より粘性の性質に相当し、したがって流動性を反映する。一般に、タンデルタ値がより高いと、流動性もより高い。適用/積層プロセス中の接着剤組成物の流動性は、湿潤及び積層の容易さの点で、接着剤の性能における重要な要素である。
MS OCAは、架橋されていないか、又は軽く架橋されている。組成物が架橋される度合いは、接着剤組成物のゲル含有量の比率により決定され得る。%ゲル含有量は、軽く架橋された接着剤ネットワークと接続していない、モノマー、オリゴマー、及びポリマーを抽出するために好適な溶媒を使用した抽出法によって決定される。ゲル含有量は、ゲル含有量(%)=(不溶性構成成分の質量/初期接着剤の質量)×100として定義される。所与の量の架橋剤において、この割合は、架橋されるポリマー鎖の分子量、及び分子量分布によって変化し得る。MS OCAが過度の架橋を有する場合、これは過度に弾性となり、前の微細構造化パターンの領域における構造の不完全な回復、気泡の遅れを生じる場合がある。一実施形態において、MS OCAは、約50%以下、特に約30%以下のゲル含有量を有する。別の実施形態において、MS OCAは、積層前に、実質的にゲル含有量を有さず、すなわち、約2%ゲル含有量である。更に別の実施形態において、MS OCAは抽出溶媒中において完全に可溶性であり、すなわち、ゲルは存在しない。
本発明の接着剤は、厚さ25μmの試料で測定した場合に、少なくとも約80%の光学的透過率、及び約10%未満のヘーズ値を呈するという条件において光学的に透明であると見なされる。いくつかの実施形態において、光学的透過性は、約85%、90%、95%以上であるが、ヘーズ値は、約8%、5%、2%以下であり得る。%透過率、及びヘーズ値は典型的には、微細構造化が完全に回復した後に測定される。MS OCA層は、意図された用途に適した光学特性を有する。例えば、MS OCA層は約400〜約720nmの範囲にわたって少なくとも約85%の透過率を有してもよい。MS OCA層は、厚さ1mm当たり、460nmで約85%超の透過率、530nmで約90%超の透過率、及び670nmで約90%超の透過率を有することができる。一実施形態では、室温及び制御された湿度条件(CTH)において約30日後、MS OCA層は、少なくとも約80%、具体的には約85%、及びより具体的には約88%の透過率%を有する。他の実施形態ではMS OCA層は、30日の、65℃及び相対湿度90%での熱エージング後に、少なくとも約75%、具体的には約77.5%、及びより具体的には約80%の透過率%を有する。更に他の実施形態ではMS OCA層は、30日の70℃での熱エージング後に、少なくとも約75%、具体的には約77.5%、及びより具体的には約80%の透過率を有する。これらの透過特性により、電磁スペクトルの可視領域にわたって均一な光透過率がもたらされ、これは、光学アセンブリがフルカラーディスプレイで使用される場合、色点を維持するのに重要である。MS OCA層は特に、第1及び/又は第2の光学基板のものに適合するか、又は密接に適合する屈折率を有する。一実施形態では、MS OCA層は約1.4〜約1.6の屈折率を有する。
好適な光学的に透明な接着剤の例としては、ホットメルトOCA、溶媒キャストOCA、及びウェブで重合されたOCAが挙げられる。これらのMS OCAは、真空を伴わない条件下において、剛性−剛性積層に関して効率的に機能する。ホットメルトMS OCAは、積層の間、及び後の両方において、ホットメルト特性を有し、かつ例えば、紫外線源などからの照射において、後架橋特性を有してもよい。室温において、ホットメルトMS OCAは、完全に硬化した光学的に透明な感圧性接着剤フィルムの形状及び寸法安定性を有し、ドライフィルムとして打抜き及び積層できる。ごく僅かの加熱及び/又は加圧で、ホットメルトMS OCAは、基板上に寸法変形をもたらし得る過剰な力を生じさせることなく基板を完全に湿潤させるように流動し、接着剤内のどんな残留応力も、その部分が仕上げられるのに先立って緩和され得る。そのように望まれる場合、ホットメルトMS OCAは、基板を湿潤させる機会を得ると、更なる共有結合性の架橋工程が接着剤を「固化させる」ために用いられ得る。そのような架橋工程の例には、限定するものではないが、放射線誘導架橋(紫外線、電子ビーム、ガンマ線照射など)、熱硬化及び湿分硬化が挙げられる。それに代わって、接着剤は、アイオノマー性の架橋、又はグラフト共重合体若しくはブロック共重合体に見られるものなどのガラス転移(T)がより高いセグメントの相分離に起因する物理的な架橋などの熱可逆性の架橋機構を用いる、冷却によって自己架橋するものであってもよい。
異なるホットメルトMS OCAの数が、本発明において使用されてもよい。いくつかの実施形態において、それらは感圧性接着剤の特性を有する。また、真の熱活性化接着剤(すなわち、非常に低い室温粘着性を有するかあるいは室温粘着性を有さないもの)も、それらが光学的に透明であり、かつディスプレイ用途に耐え得るように十分に高い融点又はガラス転移温度を有するという条件で、使用できる。大多数のディスプレイ組立体は熱に弱いため、典型的な熱活性化温度(すなわち、ディスプレイを互いに上首尾に接合するように十分な流動性、適合性、及び粘着性が達成される温度)は120℃未満、具体的には100℃未満、より具体的には80℃未満である。典型的には、ディスプレイ製造プロセスは、約40℃超、場合により60℃超で実行される。
紫外線(紫外線)架橋前のホットメルトMS OCAの1Hzの周波数で測定した剪断貯蔵弾性率(G’)は、30℃における1.0×10Pa以上と、80℃における5.0×10Pa以下との間にある。30℃、1Hzでの剪断貯蔵弾性率が約1.0×10Pa以上である場合、ホットメルトMS OCAは、加工、取扱い、形状保存などに必要な凝集力を維持することができる。加えて、30℃、1Hzにおける剪断貯蔵弾性率が約3×10Pa以下である場合、ホットメルトMS OCAの適用に必要な初期の接着性(粘着性)が、感圧性接着剤に付与され得る。80℃、1Hzにおける剪断貯蔵弾性率が約5.0×10Pa以下である場合、ホットメルトMS OCAは所定の時間(例えば、数秒間〜数分間)内に特徴部に共形し、その近傍での空隙の形成を最小限にするかあるいは空隙の形成がないように流動することができる。加えて、過剰な積層力又はオートクレーブ圧力が回避できるが、これらは共に、敏感な基板の寸法の狂いを引き起こし得るものである。
紫外線架橋後の、ホットメルトMS OCAの剪断貯蔵弾性率は、130℃及び1Hzにおいて、約1.0×10である。130℃、1Hzにおける貯蔵弾性率が約1.0×10Pa以上である場合、紫外線架橋後のホットメルトMS OCAは、流動しないように保たれることができ、長期の信頼性を伴った接着性が実現され得る。
本発明のホットメルトMS OCAは、共有結合性の架橋の前の段階で、上述した粘弾性特性を有しており、そのためホットメルトMS OCAは、通常の使用温度でホットメルトMS OCAと被着体とを互いに積層した後に熱及び/又は圧力を加えることによって、表面保護層などの被着体の表面上の特徴部に共形するように作製できる。その後、共有結合性の架橋が実施されると、ホットメルトMS OCAの凝集力が上昇し、その結果、ホットメルトMS OCAの粘弾性特性の変化により、ディスプレイアセンブリの高信頼性の接着性及び耐久性が実現され得る。
好適なホットメルトMS OCAの例には、限定するものではないが、ポリ(メタ)アクリレート及び誘導接着剤、シリコーンのような熱可塑性重合体(例えばシリコーンポリウレア)、ポリイソブチレン、ポリエステル、ポリウレタン、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。用語(メタ)アクリレートは、アクリル酸、及びメタアクリレートを含む。(メタ)アクリレートは、配合が容易であると共に費用においても適度となる傾向があり、そのレオロジーは本開示の要件を満たすように調整できるため、特に好適である。一実施形態において、ホットメルトMS OCAは、紫外線架橋性の部位を有する(メタ)アクリル酸エステルを含んだ単量体の(メタ)アクリル共重合体である。(メタ)アクリルという用語は、アクリルとメタクリルとが含まれる。
(メタ)アクリレート接着剤は、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びブロック共重合体から選択できる。また、アイオノマー的に架橋された接着剤、金属イオンを使用するもの、又は重合体を使用するものが使用されてもよい。重合体のイオン架橋の例が、米国特許第6,720,387号及び同第6,800,680号(Starkら)に見出され得る。好適なブロック共重合体の例には、米国特許番号第7,255,920号(Everaertsら)、同第7,494,708号(Everaertsら)、及び同第8,039,104(Everaertsら)に開示されるものが挙げられる。
ホットメルトMS OCAに含まれる(メタ)アクリルコポリマーは、自ら紫外線架橋を行うことができる。したがって、多官能性の単量体又はオリゴマーなどの、低分子量を有する架橋性成分を、ホットメルトMS OCAに一般的に添加する必要はない。加えて、多官能モノマー又はオリゴマーを備えるポリマー化合物、及びフリーラジカル開始剤もまた、本発明において使用され得る。
紫外線架橋性の部位を有する(メタ)アクリル酸エステルに関して言えば、上記のように、紫外線照射によって活性化が可能であり、同じ又は異なる(メタ)アクリル共重合体鎖中の別の部分との共有結合の形成が可能である部位を有する(メタ)アクリル酸エステルが使用できる。紫外線架橋性の部位として働く様々な構造が存在する。例えば、紫外線照射による励起が可能であり、(メタ)アクリル共重合体分子中の別の部分から、又は別の(メタ)アクリル共重合体分子から水素ラジカルを引き抜くことが可能である構造が、紫外線架橋性の部位として採用できる。そのような構造の例には、限定するものではないが、ベンゾフェノン構造、ベンジル構造、o−ベンゾイル安息香酸エステル構造、チオキサントン構造、3−ケトクマリン構造、アントラキノン構造、及びカンファキノン構造が挙げられる。これらの構造の各々は、紫外線照射によって励起され得るものであり、その励起状態において、(メタ)アクリル共重合体分子から水素ラジカルを引き抜くことができる。このようにして、(メタ)アクリル共重合体上にラジカルが生成されて、生成したラジカルが互いに結合することによる架橋構造の形成、酸素分子との反応による過酸化物ラジカルの生成、生成した過酸化物ラジカルを介する架橋構造の形成、及び生成したラジカルによる別の水素ラジカルの引き抜きなど、系内に様々な反応が引き起こされ、(メタ)アクリル共重合体が最終的に架橋されることになる。
上記の構造の中でも、ベンゾフェノン構造が、透明性及び反応性などの様々な特性により有利である。そのようなベンゾフェノン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルの例には、限定するものではないが、4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシエトキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシエトキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、及びそれらの混合物が挙げられる。
紫外線架橋性の部位を有する(メタ)アクリル酸エステルの量は、単量体の総質量に基づく。一実施形態において、0.1質量%以上、0.2質量%以上又は0.3質量%以上で、かつ2質量%以下、1質量%以下、又は0.5質量%以下が用いられる。単量体の総質量に基づいて、紫外線架橋性の部位を有する(メタ)アクリル酸エステルの量を0.1質量%以上に定めることにより、紫外線架橋後のホットメルトMS OCAの接着強さが向上され得ると共に高信頼性の接着性及び耐久性が達成され得る。この量を2質量%以下に定めることにより、紫外線架橋後のホットメルトMS OCAの弾性率は、適切な範囲内に保たれ得る(すなわち、架橋した接着剤における過剰な弾性を回避するように、剪断損失弾性率と貯蔵弾性率との釣り合いが取られ得る)。
一般に、好適な粘弾性をホットメルトMS OCAに付与し、かつ被着体に対して良好な湿潤性を確保する目的で、(メタ)アクリル共重合体を構成する単量体は、2〜26の炭素数を有するアルキル基を含む(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む。そのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの例には、限定するものではないが、2〜26の炭素数を有するアルキル基を持つ非第3級アルキルアルコールの(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物が挙げられる。具体的な例には、限定するものではないが、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソアミルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、テトラデシルアクリレート、テトラデシルメタクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルアクリレート、イソステアリルメタクリレート、エイコサニルアクリレート、エイコサニルメタクリレート、ヘキサコサニルアクリレート、ヘキサコサニルメタクリレート、2−メチルブチルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、及びそれらの混合物が挙げられる。とりわけ、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、又はそれらの混合物が好適に使用される。
2〜26の炭素数を有するアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量は、単量体の総質量に基づいている。一実施形態において、60質量%以上、70質量%以上、又は80質量%以上で、かつ95質量%以下、92質量%以下、又は90質量%以下が用いられる。2〜26の炭素数を有するアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量を、単量体の総質量に基づいて95質量%以下に定めることにより、MS OCAの接着強さが十分に確保され得るが、その一方で、その量を60質量%以上に定めることにより、感圧性接着剤シートの弾性率は、適切な範囲内に保たれることができ、ホットメルトMS OCAは、良好な湿潤性を被着体に対して有することができる。
親水性単量体が、(メタ)アクリル共重合体を構成する単量体に含まれてもよい。親水性モノマーを使用することにより、ホットメルトMS OCAの接着剤強度は向上する場合があり、及び/又は親水性がホットメルトMS OCAに付与される場合がある。親水性を付与されたホットメルトMS OCAが、例えば画像表示装置において使用される場合、感圧性接着剤シートが、画像表示装置の内側の水蒸気を吸収し得るため、そのような水蒸気の結露に起因する白化を抑制できる。このことは、表面保護層がガラス板若しくは無機蒸着フィルムなどの低透湿性材料である場合、及び/又は、感圧性接着剤シートを使用する画像表示装置などが高温多湿の環境で使用される場合、特に有利となる。
好適な親水性単量体の例には、限定するものではないが、カルボン酸及びスルホン酸などの酸性基を有するエチレン性不飽和単量体、ビニルアミド、N−ビニルラクタム、(メタ)アクリルアミド、並びにそれらの混合物が挙げられる。具体的な例には、限定するものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−モルホリノアクリレート、アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、及びそれらの混合物が挙げられる。
(メタ)アクリル共重合体の弾性率を調節し、被着体に対する湿潤性を確保する観点から、4以下の炭素数を有するアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、又は複数のこれらの基の組み合わせを連結することによって形成された基を含む(メタ)アクリレート、アルコール残基中にカルボニル基を有する(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物もまた親水性単量体として使用され得る。それらの具体的な例には、限定するものではないが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、及び次式で表される(メタ)アクリレートが挙げられる。
CH=C(R)COO−(AO)−(BO)−R’ (1)
(上式において、各Aは独立に、(CHCO、CHCH、CHCH(CH)及びCHCHCHCHからなる群から選択された基であり、各Bは独立に、(CHCO、CO(CH、CHCH、CHCH(CH)及びCHCHCHCHからなる群から選択された基であり、Rは水素又はCHであり、R’は水素又は置換若しくは未置換のアルキル基若しくはアリル基であり、p、q及びrの各々は1以上の整数である)。
式(1)において、Aは、業界での入手が容易であること、そして得られる感圧性接着剤シートの透湿性を制御することを考慮すると、具体的にはCHCH又はCHCH(CH)である。Bは、Aと同様に、業界での入手が容易であること、そして得られる感圧性接着剤シートの透湿性を制御することを考慮すると、具体的にはCHCH又はCHCH(CH)である。R’がアルキル基である場合、そのアルキル基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれであってもよい。一実施形態において、1〜12又は1〜8の炭素数を有し(特に、メチル基、エチル基、ブチル基又はオクチル基)、2〜12の炭素数を有するアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの優れた相溶性を示すアルキル基がR’として使用される。p、q及びrの数は上限においては特に限定されないが、pが10以下であり、qが10以下であり、rが5以下であるとき、2〜12の炭素数を有するアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの相溶性が更に向上され得る。
また、アミノ基などの塩基性基を有する親水性単量体が使用されてもよい。塩基性基を有する親水性単量体を含んだ単量体から得られた(メタ)アクリル共重合体と、酸性基を有する親水性単量体を含んだ単量体から得られた(メタ)アクリル共重合体とを混ぜ合わせることにより、コーティング溶液の粘性を増加させ、それによってコーティングの厚さを増加させ、接着強さを制御することなどができる。更に、塩基性基を有する親水性単量体を含んだ単量体から得られた(メタ)アクリル共重合体に紫外線架橋性の部位が含まれていないときでも、上記の混ぜ合わせの効果が得られ、そのような(メタ)アクリル共重合体は、別の(メタ)アクリル共重合体の紫外線架橋性の部位によって架橋され得る。具体的な例には、限定するものではないが、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ビニルピリジン及びビニルイミダゾールが挙げられる。
親水性単量体に関して言えば、1種類が使用されてもよく、あるいは複数の種類が組み合わせて使用されてもよい。用語「親水性モノマー」は、水に対して親和性を有するモノマー、特に、20℃の水100gに対して5g以上の量で溶解するモノマーである。親水性モノマーを使用する場合、親水性モノマーの量は、モノマーの総重量を基準にして、一般的に約5〜40質量%、及び特に約10〜約30質量%である。後者の場合、上述の白化がより効果的に抑制され得るが、それと同時に、高度な柔軟性と高度な接着強さが得られる。
他の単量体が、感圧性接着剤シートの特徴を損なわない範囲内で(メタ)アクリル共重合体中に使用される単量体として含まれ得る。例としては、限定するものではないが、上述のものとは異なる(メタ)アクリル単量体、並びに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びスチレンなどのビニル単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル共重合体は、重合開始剤の存在下で上述の単量体を重合することによって形成され得る。重合方法は特に限定されるものではなく、単量体は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合及び塊状重合などの通常のラジカル重合によって重合できる。一般に、紫外線架橋性の部位を反応させないようにするために、熱重合開始剤を使用したラジカル重合が採用される。熱重合開始剤の例には、限定するものではないが、過酸化ベンゾイル、tーブチルパーベンゾエート、クミルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)ペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、過酸化ジプロピオニル及び過酸化ジアセチルなどの有機過酸化物;並びに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)及び2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]などのアゾ系化合物が挙げられる。得られる(メタ)アクリル共重合体の平均分子量は一般に、30,000以上、50,000以上、又は100,000以上でかつ1,000,000以下、500,000以下、又は300,000以下である。ガラス転移温度が高い場合、その接着剤は室温では粘着性でなくなるが、上記の温度範囲内で基板に接合するように活性化され得るという条件で、依然として熱活性化可能な接着剤として使用され得る。
別の紫外線架橋性の部位として、(メタ)アクリロイル構造もまた、採用可能である。側鎖に(メタ)アクリロイル構造を有する(メタ)アクリル共重合体は、紫外線照射によって架橋される。この系では、可視光線、並びに紫外線によって励起可能な光開始剤を添加することによって、(メタ)アクリル共重合体は、紫外線照射だけでなく、可視光線照射によってもまた、架橋することができる。
側鎖に(メタ)アクリロイル構造を有する(メタ)アクリル共重合体は、側鎖に反応基を有する(メタ)アクリル共重合体を、反応性(メタ)アクリレートと反応させることによって得られる。側鎖に(メタ)アクリロイル構造を有する(メタ)アクリル共重合体は、2工程反応によって得られる。第1の工程において、側鎖に反応基を有する(メタ)アクリル共重合体を合成する。次の工程において、調製された共重合体を、反応性(メタ)アクリレートと反応させる。
側鎖に反応基を有する(メタ)アクリル共重合体と反応性(メタ)アクリレートとの様々な組み合わせが、可能である。代表的な組み合わせは、側鎖にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル共重合体とびイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとである。側鎖にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル共重合体を、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートとの共重合により調製する。イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートの具体例には、限定するものではないが、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートが挙げられる。
ホットメルトMS OCAは、充填剤及び酸化防止剤など、上述の(メタ)アクリル共重合体以外の追加の成分を含有してもよい。しかしながら、(メタ)アクリルコポリマー自体は、ホットメルトMS OCAとして使用するために必要な特性を有し、よって追加的な構成要素は任意である。
感圧性接着剤シートの貯蔵弾性率は、感圧性接着剤シートに含まれる(メタ)アクリル共重合体を構成する単量体の種類、分子量及び配合比、並びに(メタ)アクリル共重合体の重合度を適切に変化させることによって調節できる。例えば、酸性基を有するエチレン性不飽和単量体が使用される場合に貯蔵弾性率は上昇し、2〜26の炭素数を有するアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、4以下の炭素数を有するアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、若しくは複数のこれらの基の組み合わせを連結することによって形成される基を含んだ(メタ)アクリレート、又はアルコール残基中のカルボニル基を有する(メタ)アクリレートの量が増加される場合に、貯蔵弾性率は低下する。(メタ)アクリル共重合体の重合度が増加されるとき、貯蔵弾性率は高温にて上昇する傾向がある(すなわち、ゴム状平坦域弾性率(rubbery plateau modulus)が、高温側に向けて拡張される)。
また、例えば、ブロック共重合体とランダム共重合体、又はアイオノマー的に架橋された重合体とグラフト共重合体、のようなこれらの共重合体の配合物が使用されてもよい。同様に、重合体は、重合体中にアイオノマー的架橋とグラフト物又はブロック物の高温Tgに起因する物理的架橋とのように架橋方法を組み合わせてもよい。所望により、これらの重合体は、光学的に透明な組成物を生じる光学的に透明な粘着剤及び可塑剤を用いて配合してもよい。物理的に架橋されるグラフト及びブロック共重合体の場合架橋剤の追加は必要でないこともある。しかしながら、物理的に架橋されないランダム共重合体に対してのように、追加の架橋剤が接着剤配合に組み込みできる。これらの例には、限定するものではないが、紫外光で活性化される水素引き抜き型架橋剤(例えばベンゾフェノン及びその誘導体)、湿分硬化し得るシラン、及び多官能アクリレートと光開始剤との組み合わせが挙げられる。
接着剤の熱活性化は多くの場合、ディスプレイ構成要素に対する損傷を回避するために、中温を必要とする。同様に、熱活性化接着剤の用途の大部分は、材料の少なくとも一部をディスプレイの表示領域に露出させるものであり、このことは光学的透明性を不可欠とさせる。加えて、接着剤の過剰な剛性又は組立プロセスの温度での流れ抵抗が、過剰に応力を蓄積させ、構成要素の機械的損傷若しくは寸法の狂い又はディスプレイ内の光学的歪みをもたらすこともある。したがって、プロセス温度における接着剤のゴム状平坦域の剪断貯蔵弾性率(G’)は10パスカル未満、特に10パスカル未満であることが望ましい。加えて、溶融弾性の低い接着剤が好ましく、分子量のより低い重合体が好都合である。典型的な重合体は、700,000以下、特に500,000以下の重量平均分子量を有することになる。このため、米国特許第5,637,646号(Ellis)、同第6,806,320号(Everaertsら)及び同第7,255,920号(Everaertsら)に記載されているものなど、より分子量の低いアクリルホットメルト接着剤が望ましい。
ホットメルトMS OCAは、溶液流延及び押出加工などの通常の方法を用いることによって、(メタ)アクリル共重合体のみから、あるいは、(メタ)アクリル共重合体と任意選択の構成成分との混合物から形成できる。感圧性接着剤シートは、一方又は両方の表面に、シリコーン処理済みのポリエステルフィルム又はポリエチレンフィルムのような離型ライナーを有してもよい。これらのライナーの少なくとも1つが、このMS OCAにおいては、典型的には微細構造を有する。
ウェブ上で重合されたMS OCAもまた、本発明において使用され得る。ウェブ上で重合可能なMS OCAは、一般的にアルキル(メタ)アクリレートを含み、アルキル基は4〜18の炭素原子、親水性共重合可能モノマー、フリーラジカル生成開始剤、及び任意により分子量制御剤を有する。接着剤組成物はまた、任意により、架橋剤及び結合剤を含んでもよい。
好適なアルキル(メタ)アクリレートエステルの例には、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、イソボルニルアクリレート(IBA)、イソオクチルアクリレート(IOA)、及びブチルアクリレート(BA)が挙げられるが、これらに限定されない。IOA、2−EHA、及びBAなどの低Tg生成アルキル(メタ)アクリレートエステルは、接着剤に粘着性を準備する一方、IBAなどの高Tg生成モノマーは、極性モノマーを導入せずに接着剤組成物のTgの調整を可能にする。好適な親水性共重合性モノマーの例としては、アクリル酸(AA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、及び2ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、エトキシエトキシエチルアクリレート、アクリルアミド(Acm)、及びN−モルホリノアクリレート(MoA)を含む。これらのモノマーは更に、多くの場合、ディスプレイアセンブリにおいて遭遇する基材への接着を促進する。一実施形態では、接着剤組成物は、約60〜約95部のアルキル(メタ)アクリレートエステルであって、アルキル基が4〜26個の炭素原子を有する、アルキル(メタ)アクリレートと、約5〜約40部の親水性共重合性モノマーと、を含む。厳密には、接着剤組成物は、約65〜約95部のアルキル(メタ)アクリレートエステルであって、アルキル基が4〜26個の炭素原子を有する、アルキル(メタ)アクリレートと、約5〜約35部の親水性共重合性モノマーと、を含む。
一実施形態において、接着剤組成物は、アクリルオリゴマー、1つ以上の一官能性(メタ)アクリレートモノマーの混合を含む反応性希釈剤(任意により多官能アクリレート、又はビニル架橋剤)、及びフリーラジカル生成開始剤を含む。アクリル系オリゴマーは、(メタクリレートモノマー)由来の実質的に非水溶性のアクリル系オリゴマーであり得る。概して、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタアクリレート官能基の両方を指す。
アクリル系オリゴマーを使用して、本発明の硬化組成物の弾性均衡に対して粘度を制御することができ、オリゴマーは、主にレオロジーの粘度成分に寄与する。アクリル系オリゴマーが硬化組成物の粘性レオロジー成分に寄与するために、オリゴマーのガラス転移が25℃未満、典型的には0℃未満であるように、アクリル系オリゴマーで使用される(メタ)アクリルモノマーを選択することができる。オリゴマーは、(メタ)アクリル系モノマーから作製することができ、少なくとも1,000、通常2,000の重量平均分子量(Mw)を有することができる。これは、オリゴマー組成物の絡み合い分子量(Me)を超えてはならない。分子量が過度に低い場合、組成物の脱気及び移行が問題となり得る。オリゴマーの分子量がMeを超える場合、得られるもつれは、接着剤組成物のレオロジーに対する望ましくない弾性寄与の原因の1つになり得る。Mwは、GPCによって決定され得る。Meは、分子量の関数として、純粋な材料の粘度を測定することによって決定され得る。ログ/ログプロットにおいてゼロ剪断粘度対分子量をプロットすることによって、勾配の変化をもつれ分子量として定義することができる。Meを超えて、勾配は、絡み合い相互作用に起因して著しく増加する。あるいは所与のモノマー組成物の場合、Meは、ポリマー密度が既知であれば、動的機械分析において、ポリマーのゴム状平坦部の弾性率値から決定することもできる。一般的なFerry等式G=rRT/Meは、Meと弾性率Gとの間の関係を提供する。(メタ)アクリル系ポリマーの典型的なもつれ分子量は、約30,000〜60,000である。
(メタ)アクリル系モノマー及びアクリル系オリゴマーにおいて使用されるそれらの比率は、アクリル系オリゴマー、1官能性(メタ)アクリレートモノマー、任意の多官能性アクリレート又はビニル架橋剤、及び接着剤層を形成するために使用される相溶性ブレンドの他の成分が、硬化時にも適合可能なままであって、本発明の光学的に透明な接着剤組成物を生成するように選択され得る。光学的に透明な接着剤は、25μm厚さのサンプルにおいて測定した際に、少なくとも約80%の可視光透過率、及び約10%未満のヘーズ値を有するものとして定義される。一般に、これは、アクリル系オリゴマー若しくはオリゴマー、及び相溶性ブレンド中の他の成分の溶解度パラメータが、比較的近いか、又は同一であることも意味する。溶解度パラメータの理論値は、文献から既知の異なる等式及び理論を使用して計算することができる。これらの溶解度パラメータを使用して、アクリル系オリゴマーの選択を狭めることができるが、実験的検定(すなわち、硬化及び曇り測定)は、理論的予測を確認する必要がある。
一般に、アクリル系オリゴマーは、複数のフリーラジカル共重合性基(例えば、ペンダント若しくは末端メタクリル系、アクリル系、フマル、ビニル、アリル、又はスチレン基)を概して含まない場合がある。フリーラジカル共重合性基は、一般に不在であって、硬化組成物の過剰な架橋を避ける。しかしながら、本発明の硬化組成物の弾性レオロジー的成分が、この共反応性に起因して著しく増加しないのであれば、限られた量の共反応性が許容され得る。したがって、アクリル系オリゴマーは、1つのフリーラジカル反応性の共重合性基(例えば、ペンダント、若しくは末端メタクリル系、アクリル系、フマル、ビニル、アリル、又はスチレン基)を含有してよい。
アクリル系オリゴマーは、(メタ)アクリレートモノマー由来の実質的に非水溶性のアクリル系オリゴマーを含み得る。(メタ)アクリレートモノマー由来の実質的に非水溶性のアクリル系オリゴマーは、既知であり、典型的にウレタンコーティング技法において使用される。それらの使いやすさに起因して、好ましいアクリル系オリゴマーには、(メタ)アクリレートモノマー由来の液体アクリル系オリゴマーが挙げられる。(メタ)アクリレートモノマー由来の液体アクリル系オリゴマーは、約500〜約10,000の範囲内の数平均分子量(Mn)を有し得る。市販の液体アクリル系オリゴマーも、約20mg KOH/g〜約500mg KOH/gのヒドロキシル数を有し、ガラス転移温度(Tg)は約−70℃である。(メタ)アクリレートモノマー由来のこれらの液体アクリル系オリゴマーは、典型的に、ヒドロキシル官能基モノマーの繰り返し単位を含む。ヒドロキシル官能基モノマーは、アクリル系オリゴマーに所望のヒドロキシル数及び溶解度パラメータを付与するのに十分な量で使用される。通常、ヒドロキシル官能基モノマーは、液体アクリル系オリゴマーの約2重量%〜約60重量%(wt%)の範囲内の量で使用される。ヒドロキシル官能性モノマーの代わりに、他の極性モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキル及びN,N−ジアルキル置換アクリルアミド及びメタクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルラクトン、及び同様物を使用して、アクリル系オリゴマーの溶解度パラメータを制御することもできる。これらの極性モノマーの組み合わせを使用してもよい。アクリレート及び(メタ)アクリレートモノマー由来の液体アクリル系オリゴマーは、典型的に、1つ以上のC1〜C20アルキル(メタ)アクリレートの繰り返し単位も含み、そのホモポリマーは、25℃未満のTgを有する。ホモポリマーTgの低い(メタ)アクリレートを選択することが重要であり、そうでなければ液体アクリル系オリゴマーは、高いTgを有する可能性があり、室温で液体状態を継続しない場合がある。しかしながら、アクリル系オリゴマーは、本発明において使用される接着剤ブレンドが均衡した状態で容易に溶解され得るならば、常に液体である必要はない。好適な市販の(メタ)アクリレートの例には、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。アクリレート及びメタクリレートモノマー由来のアクリル系オリゴマー中のC1〜C20アルキルアクリレート又はメタクリレートの繰り返し単位の割合は、多くの要因に依存するが、その中で最も重要なのは、得られる接着剤組成物の所望の溶解度パラメータ及びTgである。アクリレート及びメタクリレートモノマー由来の典型的な液体アクリル系オリゴマーは、約40%〜約98%アルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来し得る。
必要に応じて、(メタ)アクリレートモノマー由来のアクリル系オリゴマーは、追加のモノマーを組み込むことができる。追加のモノマーは、ビニル芳香族、ビニルハロゲン化物、ビニルエーテル、ビニルエステル、不飽和ニトリル、共役ジエン、及びこれらの混合物から選択され得る。追加のモノマーを組み込むことは、原材料コストを低減するか、又はアクリル系オリゴマーの特性を変更する場合がある。例えば、スチレン又はビニルアセテートをアクリル系オリゴマーに組み込むことで、アクリル系オリゴマーのコストを低減することができる。
液体アクリル系オリゴマーは、典型的に、好適なフリーラジカル重合プロセスによって調製される。米国特許第5,475,073号(Guo)は、アリルアルコール又はアルコキシル化アリルアルコールを使用することによって、ヒドロキシ官能基アクリル樹脂を作製するためのプロセスについて説明している。一般に、アリル系モノマーは、重合が開始する前にリアクターに添加される。通常、(メタ)アクリレートは、重合中に徐々に供給される。典型的に、(メタ)アクリレートの少なくとも約50重量%、又は少なくとも約70重量%が徐々に反応混合物に添加される。(メタ)アクリレートは、反応混合物中でその安定性、低濃度を維持するような比率で添加される。アリル系モノマー対(メタ)アクリレートの比率は、本質的に一定に保たれる。これは、比較的均一の組成物を有するアクリル系オリゴマーの産生を助ける。(メタ)アクリレートを徐々に添加することによって、十分に低い分子量及び十分に高いアリルアルコール又はアルコキシル化アリルアルコール含有量を有する、アクリル系オリゴマーの調製を可能にし得る。一般に、フリーラジカル開始剤は、重合の経過中に徐々にリアクターに添加される。典型的に、フリーラジカル開始剤の添加率は、アクリレート又はメタクリレートモノマーの添加率に一致する。
溶液重合は、典型的に、ヒドロキシアルキルメタクリレート含有オリゴマーと共に使用される。米国特許第4,276,212号(Khannaら)、同第4,510,284号(Gempelら)、及び同第4,501,868号(Bouboulisら)に教示される重合は、一般に、溶剤の還流温度で行われる。溶剤は、約90℃〜約180℃の範囲内に沸点を有し得る。好適な溶剤の例は、キシレン、n−ブチルアセテート、メチルアミルケトン(MAK)、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMAc)である。溶剤をリアクターに投入し、還流温度に加熱した後、モノマー及び開始剤を徐々にリアクターに添加する。
好適な液体アクリル系オリゴマーには、n−ブチルアクリレート及びアリルモノプロポキシレート、n−ブチルアクリレート及びアリルアルコール、n−ブチルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ブチルアクリレート及び2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びアリルプロポキシレート、2−エチルヘキシルアクリレート及び2−ヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー、及び同様物、並びにそれらの混合物が挙げられる。提供される光学アセンブリにおいて有用な例示的アクリル系オリゴマーは、例えば、米国特許第6,294,607号(Guoら)及び同第7,465,493号(Lu)に開示され、アクリレート及びメタクリレートモノマー由来のアクリル系オリゴマーは、JONCRYL(BASF(Mount Olive,NJ)から入手可能)及びARUFON(Toagosei Co.,Ltd.Tokyo,Japanから入手可能)という商品名を有する。
提供されるアクリル系オリゴマーを原位置で作製することも可能である。例えば、オンウェブ重合が使用される場合、モノマー組成物は、紫外線又は熱誘導反応によって予重合されてよい。反応は、メルカプタンなどの連鎖移動剤、又は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレン二量体などの遅延剤のような分子量制御剤の存在下で、重合材料の鎖長及び分子量を制御するように行うことができる。制御剤が消費されると、反応は、より高い分子量及び真に高い分子量ポリマー形成を伴って進行し得る。同様に、反応の第1工程の重合条件は、オリゴマー化のみが起こるように選択することができ、続いて重合条件の変化によって高分子量ポリマーが産出される。例えば、高い光強度の下で紫外線重合することによって、より低い鎖長成長をもたらすことができ、より低い光強度の下での重合は、より高い分子量をもたらし得る。一実施形態では、分子量制御剤は、組成物の約0.025%〜約1%、特に約0.05%〜約0.5%で存在する。
相溶性ブレンドは、1官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む反応性希釈剤も含む。反応性希釈剤は、1つ以上のモノマー、例えば、2〜5の異なるモノマーを含んでもよい。これらのモノマーの例には、アルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、アルキル基が直鎖である場合、アルキル基は1〜12個の炭素を含有し、アルキル基が分枝状である場合は最大30個の炭素を含有する(例えば、Guerbet反応に由来するアクリレート、又はβ−アルキル化二量体アルコール)。これらのアルキルアクリレートの例としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、2−オクチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、及び同様物が挙げられる。他の(メタ)アクリレートには、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アルコキシレート化テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。例えば、反応性希釈剤は、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートを含み得る。別の実施形態では、反応性希釈剤は、アルコキシル化テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートを含み得る。
広くは、反応性希釈剤は、接着剤層を形成するのに使用される他の成分、並びに接着剤層の望ましい特性によって、任意の量で使用され得る。接着剤層は、接着剤層の総重量に対して、約40〜約90重量%、又は約40〜約60重量%の反応性希釈剤を含み得る。使用される具体的な反応性希釈剤、及び使用されるモノマーの量は、様々な要因による場合がある。例えば、特定のモノマー及びその量は、接着剤組成物が約100〜約2000cpsの粘度を有する液体組成物であるように選択され得る。
光反応によって接着剤層を形成する相溶性ブレンドは、アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーを更に含み得る。アルキレンオキシド官能基を有するこの1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、複数のモノマーを含み得る。アルキレン官能基は、エチレングリコール及びプロピレングリコールを含む。グリコール官能基は単位から構成され、モノマーは、1〜10のアルキレンオキシド単位、1〜8のアルキレンオキシド単位、又は4〜6のアルキレンオキシド単位の範囲を有し得る。アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、Cognis Ltd.,Munich,GermanyからBisomer PPA6として入手可能なプロピレングリコールモノアクリレートを含み得る。このモノマーは、6つのプロピレングリコール単位を有する。アルキレンオキシド官能基を有する1官能性(メタ)アクリレートモノマーは、Cognis Ltd.からBisomer MPEG350MAとして入手可能なエチレングリコールものメタクリレートを含み得る。このモノマーは平均で7.5のエチレングリコール単位を有する。
必要に応じて、相溶性光反応性ブレンドは、フリーラジカル共重合性の多官能性(メタ)アクリレート又はビニル架橋剤を含んでもよい。これらの架橋剤の例には、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、及び同様物が挙げられる。低分子量架橋剤は、典型的に、総光反応性ブレンドの1重量%以下のレベルで使用される。より一般的に、総光反応性ブレンドの0.5重量%以下で使用される。共重合架橋剤は、(メタ)アクリレート官能オリゴマーを含んでもよい。これらのオリゴマーは、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、多官能性ポリエステル(メタ)アクリレートロゴマー、及び多官能性ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーのうちのいずれか1つ以上を含み得る。多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、硬化中に重合に関与する少なくとも2つの(メタ)アクリレート基、例えば2〜4の(メタ)アクリレート基を含み得る。接着剤層は、約5〜約60重量%、又は約10〜約45重量%の1つ以上の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。使用される具体的な多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、並びに使用される量は、様々な要因による場合がある。別の例の場合、特定のモノマー及び/又はその量は、接着剤組成物が約100〜約2000cpsの粘度を有する液体組成物であるように選択され得る。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、硬化中に重合に関与する少なくとも2つの(メタ)アクリレート基、例えば2〜4の(メタ)アクリレート基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。概して、これらのオリゴマーは、ポリオールと多官能性イソシアネートとの反応生成物を含み、その後、この反応はヒドロキシ−官能性(メタ)アクリレートで停止する。例えば、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ジカルボン酸、例えばアジピン酸又はマレイン酸の凝縮、及び脂肪族ジオール、例えばジエチレングリコール又は1,6−ヘキサンジオールから調製された脂肪族ポリエステル又はポリエーテルポリオールから形成され得る。一実施形態では、ポリエステルポリオールは、アジピン酸及びジエチレングリコールを含む。多官能性イソシアネートは、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、又は1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを含み得る。ヒドロキシ−官能化(メタ)アクリレートは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、又は4−ヒドロキシブチルアクリレートを含み得る。一実施形態では、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエステルジオール、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、及び2ヒドロキシエチルアクリレートの反応生成物を含む。
有用な多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーには、市販されている製品が挙げられる。例えば、多官能性脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、Sartomer Co.,Exton,PAから入手可能なウレタンジアクリレートCN9018、CN3108、及びCN3211、Rahn USA Corp.,Aurora ILから入手可能なGenomer 4188/EHA(Genomer 4188の2−エチルヘキシルアクリレートとのブレンド)、Genomer 4188/M22(Genomer 4188のGenomer 1122モノマーとのブレンド)、Genomer 4256、及びGenomer 4269/M22(Genomer 4269とGenomer 1122モノマーのブレンド)、及びBomar Specialties Co.,Torrington,CTから入手可能なポリエーテルウレタンジアクリレートBR−3042、BR−3641AA、BR−3741AB及びBR−344を含み得る。追加の例示的多官能性脂肪族ウレタンジ(メタ)アクリレートは、U−pica,Tokyo,Japanから入手可能なU−PICA 8967A及びU−PICA 8966Aウレタンジアクリレートを含む。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは多官能ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。有用な多官能ポリエステルアクリレートオリゴマーには、市販されている製品が挙げられる。例えば、多官能性ポリエステルアクリレートは、Bomar Specialties Co.,Torrington,CTから入手可能BE−211及びSartomer Co.,Exton,PAから入手可能CN2255を含み得る。
多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーは、疎水性の多官能性ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーを含み得る。有用な多官能ポリエーテルアクリレートオリゴマーには、市販されている製品が挙げられる。例えば、多官能性ポリエーテルアクリレートオリゴマーは、Rahn USA Corp.,Aurora,ILから入手可能なGenomer 3414を含み得る。
多官能性アクリレート又はビニル架橋剤を使用する代わりに、化学架橋剤、例えば、多官能性イソシアネート、過酸化物、多官能性エポキシド、多官能性アジリジン、メラミン、及び同様物を利用して、光反応ブレンドの硬化中に限られた架橋を導入することも可能である。
混和性ブレンドは、フリーラジカル生成開始剤、及び特に、フリーラジカル生成光開始剤を含む。フリーラジカル生成光開始剤は、当業者に既知であり、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンである、BASF Chemicals,Tarrytown,NYから入手可能なIRGACURE 651などの開始剤が挙げられる。BASF,Mount Olive,NJから入手可能な、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンであるDAROCUR 1173、又は50% Darocur 1173と50% 2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシドのブレンドである、DAROCUR 4265も有用である。光開始剤はまた、ベンゾイル、ベンゾインアルキルエーテル、ケトン、フェノンなどが挙げられる。例えば、接着剤組成物は、BASF Corp.からLUCIRIN TPO−Lとして入手可能なエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、又はBASFからIRGACURE 184として入手可能な1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含み得る。光開始剤は、多くの場合、重合可能な組成物(相溶性ブレンド)中100部のアクリル系オリゴマー及び(メタ)アクリレートモノマーに基づいて、約0.05部〜約2部又は約0.05部〜1部の濃度で使用される。熱活性化開始剤はまた、単独、又は他の開始剤と組み合わせて使用され得る。熱開始剤の例としては、有機過酸化物、例えば、ベンゾイル過酸化物、及びアゾ化合物、例えば、アゾ−ビス−イソブチロニトリルが挙げられる。これらの熱開始剤は、光開始剤と同様の濃度範囲で使用される。
光学的に透明な接着剤の接着性能を更に最適化するために、シラン及びチタン酸塩などの接着促進添加剤を、本開示の光学的に透明な接着剤に組み込んでもよい。このような接着剤は、シラノール、ヒドロキシル又は基材の他の反応性基にカップリングすることにより、接着剤と、ガラス及びLCDの三酢酸セルロースのような基材と、の間の接着を促進することができる。シラン及びチタン酸塩は、接着剤の共重合性又は双方向性基に結合しているSi又はTi原子上にアルコキシ置換のみを有することができる。あるいは、シラン及びチタン酸塩は、接着剤の共重合性又は双方向性基に結合しているSi又はTi原子上にアルキル及びアルコキシ置換の両方を有し得る。接着剤の共重合性基は、一般的に、アクリレート基又はメタクリレート基であるが、ビニル基及びアリル基を用いてもよい。あるいは、シラン又はチタン酸塩は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの、接着剤中の官能基と反応することができる。加えて、シラン又はチタン酸塩は、接着剤マトリックスと強く相互作用する1つ以上の基を有することができる。この強い相互作用の例としては、水素結合、イオン相互作用、及び酸−塩基相互作用が挙げられる。好適なシランの例としては、(3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシランが挙げられるが、これに限定されない。
別の実施形態において、接着剤組成物は、高温/高湿加速熟成試験後でさえも曇りのないままである、曇りのない光学積層体を得るために、親水性部分をOCAに組み込む。一態様では、提供される接着剤組成物は、アルキル基中に1〜14個の炭素を有する約75〜約95重量部のアルキルアクリレートを含む前駆体から誘導される。アルキルアクリレートは、脂肪族、脂環式、又は芳香族アルキル基を含むことができる。有用なアルキルアクリレート(すなわち、アクリル酸アルキルエステルモノマー)として、そのアルキル基が1〜14個まで、とりわけ1〜12個までの炭素原子を有する、非三級アルキルアルコールの直鎖若しくは分枝状一官能性アクリレート又はメタクリレートが挙げられる。有用なモノマーとして、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニルメタ(アクリレート)、ベンジルメタ(アクリレート)、及び2−メチルブチル(メタ)アクリレート、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
提供される接着剤組成物前駆体は、カルボン酸、アミド、ウレタン、又は尿素官能基を含有するアクリル系モノマーなどの、約0〜約5部の共重合可能な極性モノマーも含む。N−ビニルラクタムのような弱極性モノマーも含まれ得る。有用なN−ビニルラクタムは、N−ビニルカプロラクタムである。広くは、接着剤中の極性モノマー含有量として、約5重量部未満又は約3重量部未満の1つ以上の極性モノマーを挙げることができる。弱い極性しかない極性モノマーを、例えば10重量部以下の、より高いレベルで組み込んでよい。有用なカルボン酸として、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。有用なアミドとしては、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタ(アクリルアミド)、N−モルホリノアクリレート、及びN−オクチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
接着剤組成物は、100部のアルキルアクリレート及び共重合可能な極性モノマーを基に、約1〜約25部の親水性ポリマー化合物も含む。親水性ポリマー化合物は、通常、約500を超える、又は約1000を超える、又はそれより高い平均分子量(Mn)を有する。好適な親水性ポリマー化合物として、ポリ(エチレンオキシド)セグメント、ヒドロキシル官能基、又はそれらの組み合わせが挙げられる。ポリマー中のポリ(エチレンオキシド)及びヒドロキシル官能基の組み合わせは、得られるポリマーを親水性にするのに十分に高い必要がある。「親水性の」により、ポリマー化合物が、少なくとも25重量%の水を、相分離なしに組み込むことができることを意味する。通常、好適な親水性ポリマー化合物は、少なくとも10、少なくとも20、又は更に少なくとも30のエチレンオキシド単位を含む、ポリ(エチレンオキシド)セグメントを含有してよい。あるいは、好適な親水性ポリマー化合物は、ポリマーの炭化水素含有量に対し、少なくとも25重量%の酸素を、ポリ(エチレンオキシド)又はヒドロキシル官能基からのエチレングリコール基の形態で含む。有用な親水性ポリマー化合物は、接着剤と相溶性のままで、光学的に透明な接着剤組成物を産出する限り、接着剤組成物と共重合可能であってもよいし又は非共重合可能であってもよい。共重合可能な親水性ポリマー化合物として、例えば、Sartomer Co.、Exton、PAより入手可能な、一官能性のメトキシル化ポリエチレングリコール(550)メタクリレートであるCD552、又は同じくSartomer Co.より入手可能な、ビスフェノールA部分と各メタクリレート基との間に30の重合したエチレンオキシド基を有するエトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートであるSR9036が挙げられる。他の例として、Jarchem Industries Inc.、Newwark、New Jerseyより入手可能なフェノキシポリエチレングリコールアクリレートが挙げられる。ポリマー親水性化合物の他の例として、ポリアクリルアミド、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、及びポリ−N−ビニルピロリドンが挙げられる。
別の態様では、提供される積層体は、アルキル基中に1〜14個の炭素を有する約50重量部〜約95重量部のアルキルアクリレートと、約0重量部〜約5重量部の共重合可能な極性モノマーと、を含む前駆体から誘導される接着剤組成物を含む。アルキルアクリレート及び共重合可能な極性モノマーは上記の通りである。前駆体は、100重量部のアルキルアクリレート及び共重合可能な極性モノマー又はモノマー類を基に、約5重量部〜約50重量部の親水性ヒドロキシル官能性モノマー化合物も含む。親水性ヒドロキシル官能性モノマー化合物は、通常、400未満のヒドロキシル等量を有する。ヒドロキシル等量分子量は、モノマー化合物中のヒドロキシル基の数で割ったモノマー化合物の分子量として定義される。このタイプの有用なモノマーとして、2−ヒドロキシエチルアクリレート及びメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート及びメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート及びメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、並びにN−ヒドロキシプロピルアクリルアミドが挙げられる。更に、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドから誘導されるグリコールをベースとするヒドロキシ官能性モノマーも使用することができる。このタイプのモノマーの一例として、Bisomer PPA6として、Cognis、Germanyより入手可能な、ヒドロキシルを末端基とするポリプロピレングリコールアクリレートが挙げられる。また、400未満のヒドロキシル等量を有するジオール及びトリオールも、親水性モノマー化合物のために想到される。これらの親水性のヒドロキシル官能性モノマーに加えて、エーテルの多いモノマー、例えば、エトキシエトキシエチルアクリレート、及びメトキシエトキシエチルアクリレート、又はこれらのメタクリレートが使用され得る。使用されると、これらは、もたらされる親水性ヒドロキシル基モノマーの全部又は一部を置換することがあり、生じる接着剤は高湿度に暴露されたときでも、光学的に透明なままである。
感圧性接着剤は、本質的に粘着性であってよい。所望であれば、粘着付与剤を、感圧性接着剤の形成前に前駆体混合物に加えることができる。有用な粘着付与剤として、例えば、ロジンエステル樹脂類、芳香族炭化水素樹脂類、脂肪族炭化水素樹脂類、及びテルペン樹脂類が挙げられる。広くは、水素化ロジンエステル、テルペン、又は芳香族炭化水素樹脂類から選択される淡色系粘着付与剤を使用することができる。
感圧性接着剤の光学的透明性を著しく低下させない限り、例えば、油、可塑剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、顔料、硬化剤、ポリマー添加剤、及び他の添加物などの、他の材料を、特別な目的のために加えることができる。
MS OCA組成物は、前駆体混合物に加えられた追加の構成要素を有してよい。例えば、混合物は、多官能架橋剤を含んでよい。このような架橋剤として、溶剤をコーティングした接着剤を調製する乾燥工程中に活性化される熱架橋剤、及び重合工程中に共重合する架橋剤が挙げられる。このような熱架橋剤として、多官能イソシアネート、アジリジン、多官能(メタ)アクリレート、及びエポキシ化合物を挙げることができる。代表的な架橋剤として、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの二官能性アクリレート又は当業者に既知の多官能アクリレートが挙げられる。有用なイソシアネート架橋剤として、例えば、DESMODUR L−75として、Bayer、Cologne、Germanyより入手可能な芳香族ジイソシアネートが挙げられる。紫外線、つまり「紫外線」活性型架橋剤も、感圧性接着剤を架橋するのに使用することができる。このような紫外線架橋剤として、ベンゾフェノン及び4−アクリロキシベンゾフェノンを挙げることができる。
更に、提供されるMS OCA組成物用の前駆体混合物は、熱反応開始剤又は光開始剤を含んでもよい。熱反応開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル等の過酸化物及びその誘導体、又は2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)である、E.I.du Pont de Nemours and Co.,Wilmington,DEから入手可能なVAZO 67、若しくはジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートである、Wako Specialty Chemicals,Richmond,VAから入手可能なV−601等のアゾ化合物が挙げられる。広い範囲の温度にて熱重合を開始するのに使用することができる、様々な過酸化物又はアゾ化合物が入手可能である。前駆体混合物は、光開始剤を含み得る。とりわけ有用なのは、BASF,Tarrytown,NYから入手可能な、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンであるIRGACURE 651等の反応開始剤である。通常、架橋剤が存在すれば、混合物中の他の構成成分を基に、約0.05重量部〜約5.00重量部の量で前駆体混合物に加える。反応開始剤は、通常、前駆体混合物に約0.05重量部〜約2重量部の量で加える。
感圧性接着剤前駆体をブレンドして光学的に透明な混合物を形成することができる。混合物を、熱又は化学線にさらすことで、重合させることができる。(混合物中の反応開始剤を分解する)これを架橋剤の添加前に実施してコーティング可能なシロップを形成することができ、続いてこれに1つ以上の架橋剤、及び追加の反応開始剤を加えることができ、このシロップをライナーにコーティングし、加えた反応開始剤の反応開始条件に更にさらすことで硬化(すなわち、架橋)させることができる。あるいは、架橋剤及び反応開始剤は、モノマー混合物に加えることができ、モノマー混合物は、一工程で重合及び硬化の両方を行うことができる。所望のコーティング粘度により、どの手順を使用するかを決定することができる。開示される接着剤組成物又は前駆体は、ロールコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング、ダイコーティング、及び同様のものなど任意の様々な既知のコーティング技術によりコーティングされてよい。あるいは、接着剤前駆体組成物を液体として送達させて、2つの基材間の隙間を満たし、続いて熱又は紫外線にさらして組成物を重合及び硬化させてもよい。
プロセス
本発明のMS OCA及び積層方法は、MS OCAと基材との二点間接触をもたらし、積層体内での空気の捕捉を避ける。時間とともに、MS OCA内の微細構造により形成される開いた空気チャネルは、基材の重量を超える追加的な圧力又は重量なしに、個別の気泡を形成する。更に時間が経つと、又は熱又は圧力の適用により、個別の気泡はまた、基材の重量以外の追加的な圧力又は重量なしに消える。
点間積層を生じるため、MS OCAは、その主要表面の少なくとも1つのx、y平面の一寸法、及び好ましくは少なくとも2つの寸法において、相互連結した突起部及び/又は窪みなどの機構を含む。これらの突起部及び/又は窪みの形状及び寸法は、MS OCAの表面にわたって規則的又は不規則的であり得る。同様に、MS OCAの主要表面の少なくとも1つのx,y平面における少なくとも1つの寸法において、規則的又は不規則的なパターンに従うことがある。MS OCAは、MS OCAと基材との間に積層中に形成される捕捉された気泡が、容易に逃げられるようにし、これによって、特にオートクレーブ処理の後に、気泡の無い積層体が生じる。結果として、積層後、時間の経過と共に(オートクレーブ処理により加速されるプロセス)、最小の積層の欠陥が観察される。これは、室温における感圧MS OCA、及び活性温度以上における熱活性化MS OCAについて妥当する。
微細構造は、様々な方法によりMS OCA上に形成され得る。一実施形態において、微細構造は、微細構造ライナー上にキャスティングすることによってOCA上に付与される。別の実施形態において、滑らかなライナーは、圧力が適用される際に、微細構造をエンボス加工するように、微細構造化ライナーと交換され得る。別の実施形態において、積層の直前、又はOCAが第2基材に対して結合される際に、OCAの露出面に微細構造をエンボス加工するために、微細構造化ツールが使用され得る。
MS OCAの微細構造は、図1に示される非常に浅いライナー、図2a及び図2bに示される二重機構ライナー、又は図3の格子ライナーなどの、微細構造化ライナーから形成され得る。図1は、非常に浅いライナーの接触表面の断面図である。図1の微細構造化ライナーの接触表面は、相互接続された正方形の、四辺形角錐機構を含む。一実施形態において、角錐機構のそれぞれは、約5〜15μmの高さ、約150〜約250μmの幅を有する。別の実施形態において、角錐の機構のそれぞれは、約15〜100μmの高さを有する。
図2a及び2bは、二重機構ライナーの接触表面の断面図、及び二重機構ライナーの接触表面の拡大断面図をそれぞれ示す。図2a及び図2bの微細構造化ライナーの接触表面は、正方形の四辺形角錐チャネルを含む。一実施形態において、角錐機構のそれぞれは、約5〜15μmの高さ、約15〜約50μmの幅を有する。一実施形態において、角錐は、対応するMS OCAにおいて約100〜150°の角度を形成する。一実施形態において、四辺形角錐チャネルはそれぞれ、約10〜30μmの深さ、並びに第1幅及び第2幅を有する。一実施形態において、第1幅は約10〜40μmであり、第2幅は、約1μm〜10μmである。各突起部又は各窪みの間の距離は約150〜約250μmである。
図3は、格子パターンライナーの接触表面の断面図を示し、格子パターンは2次元(x−y)にある。図3の格子パターンは、約60μmの高さ、及び約200μmのピッチを有する、三角形の断面形状を有する、垂直の壁部から構成される。壁部は、垂直である(すなわち、格子パターンの相互連結壁部が90°を形成する)ものとして示されるが、格子パターンの相互連結壁部は0〜90°の範囲であり得る。0°の角度において、壁部はもはや格子パターンを形成せず、(x)寸法においてのみ、一連の平行な列を形成する。図3の壁部は、三角形の断面図を有するものとして示されるが、形状は限定されず、例えば、正方形、矩形、球形、台形などの他の形状が使用され得る。図3において、壁部の基部と反対側の角度は40°として示される。角度は特に限定されず、約5°〜約150°の範囲であってもよく、対応する所望のピッチで選択される。ピッチは、約10μm、20μm、50μm、又は更に約100μm〜約500μm、1000μm、又は更に5000μmの範囲であり得る。壁部の高さは、約5μm〜約200μmの範囲であり得る。
微細構造化ライナーの微細構造化特徴の、高さ、幅、形状、及び間隔などの重要な寸法は全て、微細構造を有する光学的に透明な接着剤の表面において所望される最終的なトポグラフィーに基いて選択される。微細構造を有する光学的に透明な接着剤の表面のトポグラフィーは、微細構造化ライナーと反対のトポグラフィーを有する。
図1、2a及び2bは、角錐の形状を示し、図3は格子状のパターンを示すが、微細構造化ライナーの接触表面ライナーは、本発明の意図される範囲から逸脱することなく、当業者にとって既知の任意の形状機構を含むことができる。加えて、微細構造は、直線又は交差パターンなど、規則的又は反復的なパターンで構成される必要はない。
微細構造はまた、無作為なパターンであってもよい。実際、MS OCAは最初にPSAポリマー又はホットメルトを調製し、その後微細構造ライナーへとコーティングすることによって形成され得る。一実施形態において、溶液はナイフコーターを使用してコーティングされる。ライナーにコーティングされた溶液はその後、炉で乾燥させられる。一実施形態において、溶液は100℃で、10分間にわたって乾燥させられる。生じるPSAはその後、剥離ライナーによって積層されて、接着剤転写テープを形成してもよい。第2実施形態において、接着剤は、微細構造化ライナー上にコーティングされたホットメルトである。第3実施形態において、MS OCA前駆体がライナー上にコーティングされ、その表面上で塊として重合される。
剛性材料同士(例えば、電話又はタブレット型デバイスで使用する、カバーガラスとタッチセンサーガラスとの積層)の積層のためのMS OCA組成物の典型的な適用では、積層はまず、室温又は高温のいずれかで行われる。一実施形態において、積層は、約20℃〜約60℃で実行される。積層温度において、少なくとも0.3、具体的には少なくとも0.5、及びより具体的には少なくとも0.7のタンデルタ値を有する。タンデルタ値が低すぎると(すなわち、0.3未満)、接着剤の初期湿潤は困難となり得、良好に湿潤させるためには、より高い積層圧力及び/又はより長い押圧時間を必要とし得る。これは、周期時間をより長くし、場合によってはディスプレイ基材の1つ以上を変形させる場合がある。タンデルタが遅すぎると、接着剤はまた顕著な弾性特性を保持し、初期積層において存在した微細構造を完全に排除するのがより困難であり得る。より高いタンデルタの値は、MS OCAのより粘稠な特性を可能にし、接着剤の完全な架橋の前に、微細構造をより完全に満たす可能性をもたらし、積層後に微細構造を排除するために、弾性記憶に依存する必要がない。
図4a及び4bに示されるように、積層体100は、MS OCA 30の非微細構造化表面である、第1主要表面32から剥離ライナー(図示されない)を除去することによって調製される。MS OCAの第1主要表面はその後、第1基材10に適用される。一実施形態において、MS OCAは、ゴムローラーを使用して第1基材に適用される。微細構造化ライナー(図示されない)はその後、MS OCAの第2主要表面34から取り除かれ、微細構造化表面を露出し、MS OCAの第2主要表面は、第2基材20に適用される。適用の際、微細構造化表面の反復する微細構造ユニット36と、第2基材との間に点間接触が形成され、第1基材と第2基材との間に伸びる、結合線50を形成する。結合線は、開いた空間40の区域を含む。
非架橋の、又は軽く架橋したMS OCAの、第2主要表面は、第2基材が、MS OCAの微細構造化表面と接触する際に、第2基材を徐々に湿潤させる。MS OCAの均一な拡張は、続いて、接触面積を増加させ、開いた空間を減少させる。連続的な開いた空間はその後閉じて、個別の気泡を形成し始める。時間の経過と共に、いずれかの空間が結合線から実質的に除去されるまで、個別の気泡の大きさも減少する(図4b)。微細構造によって生じるパターンがもはや裸眼により可視ではなく、ディスプレイにモワレが存在しなくなる点まで浸潤が進んだ時点で積層は完了したものとみなされ得る。MS OCAの更なる架橋は(所望される場合)、この時点で完了し得る。一実施形態において、積層は72時間以内、48時間以内、24時間以内、20時間以内、18時間以内、及び3時間以内で完了する。欠陥のない積層はしたがって、真空を伴わない積層において、第2基材の重量以外の圧力無しに、生じ得る。
所望により、積層はまた、剛性−剛性積層プロセスの間、いずれかの捕捉された気泡を除去するために、圧力及び/又は熱に供される場合がある。一実施形態において、積層は、オートクレーブにおいて処理され、いずれかの残った捕捉気泡を除去するために、圧力及び温度(例えば、5大気圧、及び60〜100℃)が適用される。良好な接着剤の流動により、積層工程で閉じ込められた気泡が接着剤マトリックスから簡単に出ることができ、その結果、オートクレーブ処理後に気泡のない積層体がもたらされる。高圧及び/又は光熱に供されるとき、積層を完了するための時間は、実質的に減少し得る。一実施形態において、高圧及び/又は光熱に供される際、積層は、1時間未満、具体的には30分未満、及びより具体的には20分未満で完了する。
オートクレーブ温度下では、MS OCAは、一般的用途における温度範囲(すなわち、40℃〜70℃)においてと同じタンデルタを有する。典型的なオートクレーブ温度でのタンデルタ値が0.3未満に下がると、接着剤は、基材を更に濡らし、かつ積層段階で閉じ込められた気泡を逃すのに十分なほど速くは軟化しない可能性がある。過剰な流れは好ましくない場合がある。例えば、タンデルタ値が約1.5を超える場合、接着剤の粘稠特性が高すぎることがあり、特に高い温度において、接着剤のはみ出し、及び滲出が生じることがある。温度を下げることにより、タンデルタが減少することがあり、はみ出し又は滲出を伴わない、良好な積層が得られることがある。したがって、良好な基材湿潤及び簡単な気泡除去の併せた効用により、大幅に短縮されたサイクル時間の効率的な積層ディスプレイアセンプリプロセスが可能となる。
応用例
ある例示的な用途において、本開示で説明する物品及びその物品を作製する方法は、限定するものではないが、TV LCDパネル、アクティブ電子標識ディスプレイ、携帯電話、携帯ゲーム機、ナビゲーションシステム、タブレット型PC、及びラップトップコンピュータなどの電子装置に組み込まれ得る。物品、及び物品作成方法はまた、気泡の無い積層を必要とするが、光学的に透明である必要のない、非光学的用途において使用され得る。例えば、記載される物品及び方法は、例えば、トラックパッド及びラップトップが挙げられるがこれらに限定されない、装置において使用され得る。
一部の実施形態において、光学アセンブリは、液晶ディスプレイアセンブリを含み、ディスプレイパネルは液晶ディスプレイパネルを含む。液晶ディスプレイパネルは周知であり、通常、ガラス又はポリマー基材などの、2つの実質的に透明な基材間に配置された液晶材料を含む。本明細書において、実質的に透明とは、厚さ1mm当たり、400nmで約85%超の透過率、530nmで約90%超の透過率、及び670nmで約90%超の透過率を有する基材を指す。実質的に透明な基材の内側面には、電極として機能する透明な導電材料がある。場合によっては、実質的に透明な基材の外側面には、基本的に、ただ1つの偏光状態の光だけを通す偏光フィルムがある。電圧が電極に対して選択的に印加されると、液晶材料は再配向して光の偏光状態を変え、それにより、画像が形成される。液晶ディスプレイパネルはまた、マトリクスパターンで配置された複数の薄膜トランジスタ(TFT)を有するTFTアレイパネルと、共通電極を有する共通電極パネルとの間に配置される液晶材料を含んでもよい。
一部の実施形態では、光学アセンブリはプラズマディスプレイアセンブリを含み、ディスプレイパネルはプラズマディスプレイパネルを含む。プラズマディスプレイパネルは周知であり、通常、2つのガラスパネル間に位置する多数の小セル内に配置されたネオン及びキセノンなどの希ガスからなる不活性混合物を含む。制御回路は、パネル内の電極を帯電させて、ガスがイオン化され、プラズマを形成するようにし、次いで、プラズマが蛍光体を励起して発光させる。
一部の実施形態において、光学アセンブリは有機電界発光アセンブリを含み、ディスプレイパネルは、2つのガラスパネル間に配置される有機発光ダイオード又は発光ポリマーを含む。
例えば、電子ペーパーディスプレイで使用されるものなど、タッチパネルを有する電気泳動ディスプレイなどの他の種類のディスプレイパネルも、ディスプレイ接着から恩恵を受けることができる。
光学アセンブリはまた、厚さ1mm当たり、400nmで約85%超の透過率、530nmで約90%超の透過率、及び670nmで約90%超の透過率を有する実質的に透明な基材を含む。典型的な液晶ディスプレイアセンブリでは、実質的に透明な基材を前部又は後部カバープレートと称することがある。実質的に透明な基材は、ガラス又はポリマーを含むことができる。有用なガラスには、ホウケイ酸、ソーダ石灰、及び保護カバーとしてディスプレイ用途での使用に適した他のガラスを挙げることができる。有用なポリマーとしては、PET、ポリカーボネートフィルム又はプレート、アクリルプレート、及びシクロオレフィンポリマー、例えば、Zeonox及びZeonor(Zeon Chemicals L.Pから入手可能)など、ポリエステルフィルムが挙げられるがこれらに限定されない。実質的に透明な基材は特に、ディスプレイパネル、及び/又は光重合可能な層のものと近い屈折率を有する。例えば、約1.45〜約1.55である。実質的に透明な基材は通常、約0.5mm〜約5mmの厚さを有する。
いくつかの実施形態では、実質的に透明な基板はタッチスクリーンを含む。タッチスクリーンは当該技術分野において周知であり、通常、2つの実質的に透明な基材間に配置される透明な導電層を含む。例えば、タッチスクリーンは、ガラス基材とポリマー基材との間に配置される酸化インジウムスズを含むことができる。
本発明について以下の実施例でより具体的に説明するが、本発明の範囲内での多数の修正及び変形が当業者には明らかとなるため、以下の実施例は例示のみを目的としたものである。別段の指定がない限り、以下の実施例で報告される全ての部、百分率、及び比率は、重量を基準としたものである。
試験方法
分子量測定
PSAそれぞれの重量平均は、溶媒としてのテトラヒドロフラン、及びポリエチレン標準を使用して、従来的なゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を使用して決定された。2 x PLgel MIXED−Bカラム(Agilent Technologies,California,USA)、及びOptilab rEX検出器(Wyatt Technology Corporation,Santa Barbara,California)を有する、1200シリーズHPLCシステムを使用して、測定が行われた。サンプル濃度は、THFにおいてはおよそ0.1%(重量/重量)であり、100μlの注入体積で、1.0ml/分の流速で供給された。
動的機械分析(DMA)測定
DMA測定は、TA Instruments,Delaware,USAによって製造される、ARESレオメーター上で行われた。試験は、平行プレート形状を使用行われた。接着剤サンプル厚さは約3mmであり、適切な数の層の非微細構造化接着剤転写テープを積み重ねることによって達成された。温度勾配は−40℃〜200℃であった。摂動の周波数は1Hzであった。Tgは、タンデルタピークの温度として取られた。この試験はまた、剪断貯蔵弾性率(G’)、剪断損失弾性率(G”)、及びタンデルタ(すなわち、G”/G’)の値ももたらす。
ゲル含有量
重量にもとづき、ゲル比率は、溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)を使用して、従来的な抽出技術を仕様して決定された。1gのPSAは、40gのMEKに溶解し、室温で20時間振盪された。Whatman Plc,Kent,UKから、商標名「WHATMAN Grade 40」において入手可能な、濾紙を通じて濾過された。フィルター上の不溶性成分は、100℃で60分間乾燥させられた。乾燥した不溶性成分の質量が計量され、ゲル成分は、以下の式から算出された。
ゲル含有量(%)=(不溶性成分の質量/初期接着剤の質量)×100
湿潤挙動
ガラス上の様々な微細構造を有する光学的に透明な接着剤転写テープ(MS−OCA−TT)の湿潤挙動は、光学顕微鏡を使用して観察された。2つのガラス基材が、以下のようにMS−OCA−TTを使用して一緒に積層された。約40mm×85mmのMS−OCA−TTの断片が切断されて、ゴムローラーを使用して、フロートガラスプレート約55mm×85mm×0.55mmの中心に積層され、MS−OCA−TT及びフロートガラスプレートの最も長い寸法が位置合わせされるようにした。この積層工程において、非微細構造化ライナーは除去され、日々最構造化接着剤表面はフロートガラスプレートに積層された。MS−OCA−TTの微細構造化ライナーが取り除かれ、顕微鏡カバーガラス(24mm×32mm×0.15mm)が、露出された微細構造化接着剤表面に静かに配置された。カバーガラスは、これがフロートガラスプレートの中心と位置合わせされるようにして位置づけられた。積層体が顕微鏡ステージに配置され、湿潤挙動が、カバーガラスの中心において、時間に応じてモニタリングされた。
180°剥離強度
Shimadzu Corporation,Kyoto,Japanから利用可能なAutograph AG−X引張試験機において180°剥離力が測定された。剥離速度は300mm/分である。剥離強度測定のサンプルは以下のように調製された。RL1は、光学的に透明な接着剤転写テープ(OCA−TT)から取り除かれた。露出した接着剤は、ゴムローラーを使用してT60フィルムの断片に手で積層された。T−60フィルム/接着剤積層体は、約100mm×25mm幅のストリップへと切断された。どのOCA−TTが使用されたかにより、微細構造化ライナー1(MS−L1)又はRL2が、T−60フィルム/接着剤積層体から取り除かれた。露出された接着剤表面は、Corning Incorporated,Corning,New Yorkから、商標名「EAGLE2000」により入手可能な、50mm×80mm×0.7mmガラスプレートの表面に積層された。約100gの質量を有するゴムローラーが、ガラスプレートにT−60フィルム/接着剤ストリップを積層するために、300mm/分の速度でT60フィルム/接着剤ストリップにわたって転がされた。180°剥離強度試験が、積層の後に3分間行われた。180°剥離強度試験が、積層の一時間後に、別の調製されたサンプルにおいて行われた。いくつかの場合において、追加的な剥離強度試験が、積層の24時間後にサンプルにおいて行われた。
Figure 0006632653
微細構造化ライナー1(MS−L1)
MS−L1は、互いに垂直な、一連のV字型チャネルにより構成され、約197μmのピッチ、及び約13μmの深さを有する、x−y格子状パターンを形成する。MS−L1の断面図が図1に示される。生じるチャネルは、約197μmの基部及び約13μmの高さを有する、一連の正方形による4面体の角錐を含むトポグラフィーを形成した。ライナーは、当該技術分野において既知の、微細エンボス加工技術によって調製された(米国特許番号第6,524,675号(Mikamiら)、及び同第5,897,930号(Calhounら)参照)。
微細構造化ライナー2(MS−L2)
MS−L2の断面図は、図2a及び2bに示される。これは、その基部においてV字型の窪み、又は約38μmの中空を含み、約10μmの深さを有する、二重機構ライナーである。3寸法において、窪みは実際に、約38μmの基部、及び約10μmの深さを有する、四面体の角錐である。窪みは正方形の配列で反復し、これは、約194μmの基部、及び約3μmの角錐間のチャネル幅を有する、やはり正方形の配列である、切頭の四面体角錐の頂部にある。ライナーは、当該技術分野において既知の、微細エンボス加工技術によって調製された(米国特許番号第6,524,675号(Mikamiら)、及び同第5,897,930号(Calhounら)参照)。
微細構造化ライナー3(MS−L3)
MS−L3はMS−L1と同一であるが、ただしチャネルの深さは、約60μmであり、チャネルの幅は約120μmであった。生じるチャネルは、約120μmの基部及び約60μmの高さを有する、一連の正方形による4面体の角錐を含むトポグラフィーを形成した。ライナーは、当該技術分野において既知の、微細エンボス加工技術によって調製された(米国特許番号第6,524,675号(Mikamiら)、及び同第5,897,930号(Calhounら)参照)。
微細構造化ライナー4(MS−L4)
MS−L4は互いに垂直な一連の壁部からなり、格子パターンを形成する。壁部は、約60μmの高さを有する三角形の断面図を有し、基部と反対側の夾角は40°であった(図3)。ピッチ(すなわち、壁部の間の距離)は、約200μmであった。ライナーは、当該技術分野において既知の、微細エンボス加工技術によって調製された(米国特許番号第6,524,675号(Mikamiら)、及び同第5,897,930号(Calhounら)参照)。
感圧接着剤ポリマー溶液の調製
感圧接着剤溶液1(PSA−S1)
PSA−S1(紫外線架橋部位を有するアクリル酸エステルを含むアクリルコポリマー)は、重量ベースで、37.5部の2−EHA、50.0部のISTA、12.5部のAA、及び0.95部のAEBPを混合することによって調製された。AEBPは、紫外線架橋部位を有するアクリル酸エステルである。混合物はエチルアセテートの混合溶媒で希釈され(EtOAc)/MEK、45重量%のモノマー濃度を生じる。EtOAc/MEKの重量比は20/80であった。V−65開始剤は、モノマー成分の重量に基いて0.2重量部で溶液に添加された。溶液は、10分間、窒素パージされた。50℃の恒温槽内で24時間重合反応を進行させた。透明な粘稠な溶液が得られた(PSA−S1)。溶媒の除去後、回収されたPSA、PSA−1の重量平均分子量Mは約210,000g/モルであり、Tgは約38℃であった。室温において、PSA−1は、「硬質」、「高弾性」、「遅い流れ」の、光学的に透明なPSAとみなされる。
感圧接着剤溶液2(PSA−S2)
PSA−S2は、重量ベースで、80.55部のNOA、10.0部LMA、7.5部AA、1.6部4−HBA、及び0.35部AEBPを混合することによって調製された。混合物はEtOAc/トルエンの混合溶媒で希釈され、45重量%のモノマー濃度を生じる。EtOAc/トルエンの重量比は50/50であった。50℃の恒温槽内で24時間重合反応を進行させた。透明な粘稠な溶液が得られた(PSA−S2)。溶媒の除去後、回収されたPSA、PSA−2のMは約400,000g/モルであり、Tgは約−15℃であった。室温において、PSA−2は、「柔軟な」「低弾性係数の」、「流動性の」、光学的に透明なPSAとみなされる。
感圧接着剤溶液3(PSA−S3)
PSA−3は、紫外線架橋可能部位を有する、アクリルコポリマーであった。PSA−S3は、重量ベースで、80.9部のNOA、10.0部LMA、7.5部AA、1.6部4−HBAを混合することによって調製された。混合物はエチルアセテートの混合溶媒で希釈され(EtOAc)/MEK、35重%のモノマー濃度を生じる。EtOAc/MEKの重量比は50/50であった。V−65は、モノマーの重量にもとづき、0.2重量%でモノマー/溶媒混合物に加えられ、システムは10分間窒素パージされた。重合反応は、50℃の恒温槽内で24時間反応を進行させた。透明な粘稠な溶液が得られた。小さなサンプルが得られた。サンプルの溶媒を除去した後、回収されたpsaのMは400,000g/モルであった。溶液中のpsaの重量に基づき、0.15重量%のK−AOI、及び溶液中のpsaに基づき0.3重量%のTPOが、残ったpsa溶液に添加された。溶液は室温で24時刊混合され、PSA−S3を生じた。
感圧接着剤溶液4(PSA−S4)
PSA−S4は、90.0重量部のNOA、10.0重量部のLMA、10.0重量部のAA、及び0.2重量部のIrg651をガラス容器内で混合することによって調製された。モノマー混合物は窒素パージされた。混合物はその後、数分にわあり、低圧水銀ランプを介して紫外線照射に混合物を暴露することによって部分的に重合し、約1,100mPa−sの粘度を有する粘稠性液体を生じる。この液体に、粘稠な液体の重量に基づき、0.2重量%のAEBP、及び0.1重量%のIrg651が添加された。混合物が十分に撹拌されて、プレポリマーシロップである、PSA−S4を生成する。
接着剤転写テープの調製
微細構造を有する(MS)、光学的に透明な接着剤(OCA)転写テープ(TT)1
従来的なナイフコーターを使用して、PSA−S1をMS−L1にコーティングすることによって、MS−OCA−TT−1が調製された。コーティング後、接着剤は炉内で100℃で、10分にわたって乾燥させられた。乾燥後、PSAの厚さは約75μmであった。その後、暴露された接着剤表面は、剥離ライナーRL1に積層され、MS−OCA−TT−1を形成した。
MS−OCA−TT−2
MS−OCA−TT−2は、MS−OCA−TT−1と同様に調製されたが、ただしPSA−S1は、MS−L2にコーティングされた。接着剤溶液は、MS−L2の突出部が、接着剤溶液へと突出するように、コーティングされた。乾燥後、露出された接着剤表面は、RL1へと積層され、MS−OCA−TT−2を形成した。乾燥後、PSAの厚さは約75μmであった。
MS−OCA−TT−3
MS−OCA−TT−3は、MS−OCA−TT−1と同様に調製されたが、ただしPSA−S1の代わりにPSA−S2が使用された。乾燥後、露出された接着剤表面は、RL1へと積層され、MS−OCA−TT−3を形成した。乾燥後、PSAの厚さは約75μmであった。
MS−OCA−TT−4
MS−OCA−TT−4は、MS−OCA−TT−1と同様に調製されたが、ただし、PSA−S1の代わりにPSA−S3が使用され、MS−L1の代わりにMS−L4が使用された。乾燥後、露出された接着剤表面は、RL1へと積層され、MS−OCA−TT−4を形成した。乾燥後、PSAの厚さは約100μmであった。
MS−OCA−TT−5
MS−OCA−TT−5は、ウェブ上の重合により調製された。PSA−S4(プレポリマーシロップ)は、MS−L3上にコーティングされ、RL1に積層された。その後、プレポリマーは、約2mW/cmの強度で、45秒にわたり、低圧水銀ランプで照射し、その後、約6mW/cmの強度で更に45秒間にわたって、ライナー間の接着剤の両側を照射することによって重合され、MS−OCA−TT−5が生成された。PSAの厚さは約150μmであった。
MS−OCA−TT−6
MS−OCA−TT−6は、MS−OCA−TT−1と同様に調製されたが、ただしPSA−S1の代わりにPSA−S3が使用された。乾燥後、露出された接着剤表面は、RL1へと積層され、MS−OCA−TT−6を形成した。乾燥後、PSAの厚さは約100μmであった。
非微細構造(NMS)の光学的に透明な接着剤(OCA)転写テープ(TT)A
NMS−OCA−TT−A、すなわち、平坦な接着剤表面(すなわち、非微細構造化接着剤表面)を有する、従来的な転写テープが、MS−OCA−TT−1と同様に調製されたが、ただしPSA−S1は、RL2の重い剥離側面にコーティングされた。乾燥後、暴露された接着剤表面がRL1に積層され、NMS−OCA−TT−Aが形成された。乾燥後のPSAの厚さは約75μmであった。
NMS−OCA−TT−B
NMS−OCA−TT−BはNMS−OCA−TT−Aと同様に調製されたが、PSA−S1の代わりにPSA−S2が使用された。乾燥後、暴露された接着剤表面がRL1に積層され、NMS−OCA−TT−Bが形成された。乾燥後のPSAの厚さは約75μmであった。
NMS−OCA−TT−C
NMS−OCA−TT−CはNMS−OCA−TT−Aと同様に調製されたが、PSA−S1の代わりにPSA−S3が使用された。乾燥後、露出された接着剤表面は、RL1へと積層され、MS−OCA−TT−Cを形成した。乾燥後、PSAの厚さは約100μmであった。
NMS−OCA−TT−D
NMS−OCA−TT−DがMS−OCA−TT−5と同様に調製されたが、ただしMS−L3がRL2と交換され、プレポリマーシロップであるPSA−4はRL2の重い剥離側面にコーティングされた。硬化後のPSAの厚さは約150μmであった。
架橋したMS−OCA−TT
架橋の度合が変化するMS−OCA−TTは、NMS−OCA−TT−1及びMS−OCA−TT−2を選び、紫外線硬化により接着剤を架橋することによって調製された。架橋は、Fusion紫外線Systems,Japanから入手可能な120W/cmのランプ電力を有するHバルブを有する、モデルF−300紫外線硬化システムを使用して、紫外線照射により行われた。異なる架橋密度を有する、MS−OCA−TT−1及びMS−OCA−TT−2の各3つのサンプルが、照射時間を変えて調製された。所定のMS−OCA−TTにおいて、3つのサンプルが、400、1000、3000mJ/cmの面積当たりの合計エネルギーにそれぞれ暴露された。EIT,Inc.,Sterling,Virginiaから利用可能な紫外線POWER PUCK(登録商標)IIによって合計紫外線エネルギーが測定された。
架橋度における比較の測定として、紫外線照射の前及び後に、MS−OCA−TT−1のゲル含有量が測定された。結果を表1に示す。
Figure 0006632653
上記の湿潤挙動試験方法を使用して、製造の際の、及び紫外線照射による追加的な架橋によるMS−OCA−TT−1の湿潤挙動が試験された。図5は、時間及び追加的な紫外線暴露に応じた湿潤挙動を示す。
図5に示されるように、非架橋MS−OCA−TT−1及び軽く架橋したMS−OCA−TT−1サンプル、(それぞれ、400及び1000mJ/cmの追加的な紫外線照射による)が、MS OCAの微細構造化表面と接触することによって、カバーガラスを徐々に湿潤させた。各微細構造化反復ユニットにおける点間接触が最初に形成される。続いて均一に拡散された。次に、微細構造によって形成される、連続的な開いたチャネルが、個別の気泡となった。最終的に個別の気泡は小さくなり、消えた。このプロセスを通じ、カバーガラスの重量を除き、追加的な圧力の補助なしに、真空を伴わない積層プロセスを使用して、欠陥の無い積層が行われた。一方で、3,000mJ/cmの追加的な紫外線照射により、高度に架橋されたMS OCAは、カバーガラスを湿潤させなかった。元の表面構造は、カバーガラスが最初に微細構造化接着剤表面と接触してから6日間、残っていた。
図6に示されるように、MS−OCA−TT−2の湿潤挙動は、MS−OCA−TT−1のものと同様であり、同様の湿潤メカニズムに従った。
図7に示されるように、時間に応じた、MS−OCA−TT−3(追加的な紫外線照射を伴わない)の湿潤挙動は、MS−OCA−TT−1のものと同様のメカニズムに従う。しかしながら、MS−OCA−TT−3がカバーガラスを完全に湿潤させるために必要な時間は、MS−OCA−TT−1が約5〜約18時間であるのに対し、3時間であった。MS−OCA−TT−3は、MS−OCA−TT−1に比べて、より柔軟で、低弾性率で、より低いTg(室温以下)である接着剤であり、これらの要因はより早い湿潤挙動に寄与するものと考えられる。
実施例1、実施例2、比較例3及び比較例4は、2つのガラスプレートの「剛性−剛性」積層における接着剤湿潤特性に対する、微細構造化表面、及び接着剤の種類の効果を試験する。真空を伴わない積層プロセス、及び続く最終的なオートクレーブ工程を使用して、作製された。
(実施例1)
MS−OCA−TT−1は、真空を伴わない積層手順を使用して、2つのガラスパネルの間で積層された。200mm×120mmのMS−OCA−TT−1の断片が、Corning Incorporated,Corning,New Yorkから、商標名「EAGLE2000」から入手可能な、220mm×125mm×0.70mmガラスプレートに積層された。RL1は、MS−OCA−TT−1から取り除かれ、ゴムローラーを使用して、平坦な接着剤表面がガラスプレートへと、テープ及びプレートの長さ及び幅寸法が一致するようにして、手で積層された。次に、MS−L1がテープから取り除かれ、Corning Incorporatedから、商標名「EAGLE2000」で利用可能な、50mm×80mm×0.7mmガラスプレートが、露出された微細構造化接着剤表面に静かに配置された。積層体は、周囲条件において、1日放置された。湿潤挙動は、視覚的に観察され、表2に記された。積層体は、Kurihara Manufactory,Tokyo,Japanから入手可能なオートクレーブ、モデル番号29381内に配置された。積層体は、室温、かつ250kPaの圧力で、30分にわたりオートクレーブされた。サンプルはオートクレーブから除去され、湿潤特性は視覚的に観察された。結果を表2に示した。
比較実施例A
NMS−OCA−TT−Aは、実施例1に記載される手順に従って、2つのガラスプレートの間で積層され、MS−OCA−TT−1をNMS−OCA−TT−Aと交換した。第1ガラスプレートへの積層のためにRL1が除去され、第2ガラスプレートへの積層のためにRL2が除去された。オートクレーブ処理の前、及び後の湿潤挙動が、視覚的に観察され、観察結果が表2に記された。
(実施例2)
NMS−OCA−TT−2は、実施例1に記載される手順に従って、2つのガラスプレートの間で積層され、NMS−OCA−TT3−1をMS−OCA−TT−3と交換した。第1ガラスプレートへの積層のためにRL1が除去され、第2ガラスプレートへの積層のためにMS−L2が除去された。オートクレーブ処理の前、及び後の湿潤挙動が、視覚的に観察され、観察結果が表2に記された。
比較実施例B
NMS−OCA−TT−Bは、実施例1に記載される手順に従って、2つのガラスプレートの間で積層され、MS−OCA−TT−1をNMS−OCA−TT−Bと交換した。第1ガラスプレートへの積層のためにRL1が除去され、第2ガラスプレートへの積層のためにRL2が除去された。オートクレーブ処理の前、及び後の湿潤挙動が、視覚的に観察され、観察結果が表2に記された。
表2に見られるように、NMS−OCAは、より大きな気泡を捕捉する傾向があり、これは一般的にオートクレーブ処理を介して取り除くのがより難しい。対照的に、MS OCA湿潤挙動は、ほぼあらゆる微細構造化機構において、ガラスと接着剤との点間接触から、始まった。先に記載されたように、ガラスの湿潤領域は均一に拡散した。したがって、より小さい大きさの気泡は、積層体全体を通じて均一に形成された。これらのより小さく、より均一に位置する気泡は一般的に、オートクレーブ処理により除去するのがより容易である。
Figure 0006632653
実施例3、実施例4、比較例C、及び比較例Dは、接着剤微細構造表面、及び接着剤種類の、接着剤のガラスプレートへの接着への効果を、接着剤とガラスプレートとの間の接触時間に応じて試験する。
(実施例3)
180°剥離強度試験方法において記載される、積層手順を使用して、MS−OCA−TT−1から積層体が作製されて、実施例3を形成した。180°剥離強度試験の結果が表3に示される。
比較実施例C
180°剥離強度試験方法に記載された積層手順を使用して、NMS−OCA−TT−Aから積層体が作製されて、比較例Cを形成する。180°剥離強度試験の結果が表3に示される。
(実施例4)
180°剥離強度試験方法において記載される、積層手順を使用して、MS−OCA−TT−3から積層体が作製されて、実施例4を形成した。180°剥離強度試験の結果が表3に示される。
比較実施例D
180°剥離強度試験方法において記載される積層手順を使用し、NMS−OCA−TT−Bから積層体が作製されて、比較例Dを形成する。180°剥離強度試験の結果が表3に示される。
Figure 0006632653
固定部破損とは、接着剤とT60フィルム裏材との間の破損を示す。
表3のデータは、MS−OCA−TT−1(実施例3)から調製される積層体が、NMS−OCA−TT−Aから調製される積層体(比較例C)と比較してより低い初期剥離強度(3分で示される強度)を示す。実施例3の低い剥離強度は、初期積層の後に、これを使用可能な接着剤にすることがあるものと考えられる。加えて、これは、最終的なオートクレーブ工程と共に、真空を伴わない積層プロセスを使用して、気泡の無い積層体を形成することができる。比較例Cは比較的低い初期剥離強度を有するが、その剥離強度は、実施例3のものより少なくとも5倍大きな係数であり、再使用可能ではないものと考えられる。
表3のデータはまた、MS−OCA−TT−3(実施例4)から調製される積層体が、NMS−OCA−TT−Bから調製される積層体(比較例D)と比較して同様の初期剥離強度(3分で示される強度)を示す。双方の接着剤が高い剥離強度を示すが、MS−OCA−TT−3は、最終的なオートクレーブ工程共に、真空を伴わない積層プロセスを使用して、気泡の無い積層体を形成することができ(表2、実施例2参照)、一方でNMS−OCA−TT−Bは、気泡の無い積層体を形成しなかった(表2、比較例B参照)。より高いTGの接着剤PSA−1(実施例3及び比較例C)と、より低いTg接着剤PSA−2(実施例4及び比較例D)との接着剤間剥離強度の差は、積層後の早い時間において実質的であり、より低いTg接着剤は遥かに高い接着を呈する。
(実施例5)
MS−OCA−TT−4は、2つのガラスパネルの間に積層された。ガラスパネルの一方がインクステップ(すなわち、トポグラフィー)を有した。インクステップを備えるガラスパネルは、その周囲の全長の周囲に印刷された20μm厚さ×6mm幅のインクステップを有する、フロートガラスの80mm×55mm×0.7mm断片であった。積層手順は次の通りである。MS−OCA−TT−4(100mm×70mm)の断片が、最初に72mm×47mm×0.70mmガラスプレートに積層された。RL1は、MS−OCA−TT−4から取り除かれ、ゴムローラーを使用して、平坦な接着剤表面がガラスプレートへと、テープ及びプレートの長さ及び幅寸法が一致するようにして、手で積層された。次に、MS−L4は、MS−OCA−TT−4から取り除かれ、インクステップを備えるガラスプレートは、露出した微細構造化接着剤表面へと静かに配置された。数分後、積層体は、2kgのローラーで、3周期圧迫された。インクステップの内側のMS−OCA−TT−4の微細構造化表面の接触及び湿潤は、インクステップ区域内の微細構造化接着剤の連続的な(開いた)空間が個別の気泡に変わる前に、MS−OCA−TT−4の流れによって始まった。積層体はその後、Kurihara Manufactory,Tokyo,Japanから入手可能なオートクレーブ(モデル番号29381)内に配置された。積層体は、60℃で、500kP圧力において、30分間、オートクレーブされた。サンプルはオートクレーブから除去され、積層性能は、視覚的に観察された。結果を表4に示した。
視覚的観察の後、実施例5で作製された積層体は、高温及び高湿で、確実性試験に使用された。最初に、OCAの紫外線架橋が以下ように行われた:Fusion Systems Japan KK,Tokyo,Japanから入手可能な融合紫外線モデルF−300(H−バルブ、120W/cm)を使用して、インクステップを備えるガラスプレートを通じて積層体に紫外線が照射された。EIT,Inc.,Sterling,Virginiaから入手可能な「紫外線POWER PUCK II」によって測定される合計紫外線エネルギーは、紫外線−A(320〜390nm)において、2261mJ/cm、紫外線−B(280〜320nm)において、1615mJ/cm、紫外線−C(250〜260nm)において、222mJ/cmであった。次に、積層体は、一定の温度及び湿度のチャンバ内に配置された。時効条件は、65℃、及び90%相対湿度で、3日間であった。時効処理の後、積層体の視角検査は、欠陥が無く、気泡が観察されなかったことを示した。
(実施例6)
MS−OCA−TT−5は、2つのガラスパネルの間で積層され、ガラスパネルの一方が、実施例5に記載されるように、インクステップ(すなわち、トポグラフィー)を有した。MS−OCA−TT−5は実施例5の手順に従って積層され、MS−OCA−TT−4を、MS−OCA−TT−5と交換した。RL1は、平坦なガラスプレートへの積層のために除去され、MS−L3は、インクステップを有するガラスプレートへの積層のために除去された。インクステップの内側のMS−OCA−TT−5の微細構造化表面の接触及び湿潤は、インクステップ区域内の微細構造化接着剤の連続的な(開いた)空間が個別の気泡に変わる前に、MS−OCA−TT−5の流れによって始まった。積層体はその後、Kurihara Manufactory,Tokyo,Japanから入手可能なオートクレーブ(モデル番号4)内に配置された。オートクレーブ処理の後の積層体性能は、視覚的に観察され、観察結果は表4に示された。
視覚的観察の後、実施例6で作製された積層体をは、高温及び高湿で、確実性試験に使用された。実施例5に記載されるような、高温及び高湿における架橋及び時効の後に、積層体の視角検査は、積層体に欠陥がなく、気泡が観察されなかったことを示した。
比較実施例E
MS−OCA−TT−6は、2つのガラスパネルの間で積層され、ガラスパネルの一方が、実施例5に記載されるように、インクステップ(すなわち、トポグラフィー)を有した。MS−OCA−TT−6は実施例5の手順に従って積層され、MS−OCA−TT−4を、MS−OCA−TT−6と交換した。RL1は、平坦なガラスプレートへの積層のために除去され、MS−L1は、インクステップを有するガラスプレートへの積層のために除去された。この比較例において、インクステップの内側のMS−OCA−TT−6の微細構造化表面の接触及び湿潤は、インクステップ区域内の微細構造化接着剤の連続的な(開いた)空間が個別の気泡に変わる前に、MS−OCA−TT−6の流れによって始まった。この場合、ステップ区域内のOCAによって生じる封止により、オートクレーブ手順の前に、インクステップ区域の内側に、大きな気泡が存在した。オートクレーブ処理の後の積層性能が、視覚的に観察され、観察結果が表4に示された。
比較実施例F
NMS−OCA−TT−5は、2つのガラスパネルの間で積層され、ガラスパネルの一方が、実施例5に記載されるように、インクステップ(すなわち、トポグラフィー)を有した。NMS−OCA−TT−Cは実施例5の手順に従って積層され、MS−OCA−TT−4を、NMS−OCA−TT−Cと交換した。RL1は、平坦なガラスプレートへの積層のために除去され、RL2は、インクステップを備えるガラスプレートへの積層のために除去された。この比較例において、インクステップの内側のNMS−OCA−TT−C接着剤の接触及び湿潤は、インクステップ区域内のNMS−OCA−TT−C接着剤がインクステップ区域を完全に湿潤させた後にも生じず、この場合、インクステップ区域内のOCAによって生じる封止により、オートクレーブ手順の前に、インクステップ区域の内側に、大きな気泡が存在した。オートクレーブ処理の後の積層性能が、視覚的に観察され、観察結果が表4に示された。
比較実施例G
NMS−OCA−TT−Dは、2つのガラスパネルの間で積層され、ガラスパネルの一方が、実施例5に記載されるように、インクステップ(すなわち、トポグラフィー)を有した。NMS−OCA−TT−Dは実施例5の手順に従って積層され、MS−OCA−TT−4を、NMS−OCA−TT−Dと交換した。RL1は、平坦なガラスプレートへの積層のために除去され、RL2は、インクステップを備えるガラスプレートへの積層のめたの除去された。この比較例において、インクステップの内側のNMS−OCA−TT−Dの接触及び湿潤は、インクステップ区域内のNMS−OCA−TT−D接着剤がインクステップ区域を完全に湿潤させた後にも生じず、この場合、インクステップ区域内のOCAによって生じる封止により、オートクレーブ手順の前に、インクステップ区域の内側に、大きな気泡が存在した。オートクレーブ処理の後の積層性能が、視覚的に観察され、観察結果が表4に示された。
Figure 0006632653
好ましい実施形態を参照しながら本発明を記載してきたが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の変更を行えることを認識するであろう。

Claims (7)

  1. 基材と積層するための光学的に透明な接着剤であって、
    第1主要表面及び第2主要表面を含み、前記第1主要表面及び前記第2主要表面の少なくとも一方が、少なくとも1つの平面寸法(x−y)における相互接続した微細構造を有する微細構造化表面を含み、前記微細構造化表面は、窪み及び突起部を含み、
    前記光学的に透明な接着剤は、積層温度において、少なくとも0.3のタンデルタ値を有し、
    前記光学的に透明な接着剤は、非架橋であるか、又は軽く架橋されており、かつ後架橋特性を有し、
    30℃かつ1Hzの周波数で測定した剪断貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、且つ
    基材との積層時、熱又は圧力の少なくとも一方に供した際に、前記基材を湿潤させるように流動する、光学的に透明な接着剤。
  2. 前記微細構造化表面が、5μm〜80μmの深さを有する窪みを含む、請求項1記載の光学的に透明な接着剤。
  3. 前記微細構造が、角錐機構又は格子状パターンを有する、請求項1又は2に記載の光学的に透明な接着剤。
  4. 前記接着剤のゲル含有量が2%以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の光学的に透明な接着剤。
  5. 80℃かつ1Hzの周波数で測定した剪断貯蔵弾性率が5.0×10Pa以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の光学的に透明な接着剤。
  6. 前記微細構造化表面上に、接触表面に微細構造を有する微細構造化剥離ライナーが接触している、請求項1〜のいずれか一項に記載の光学的に透明な接着剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着剤を基材と積層する方法であって、前記基材がトポグラフィーを含み、前記接着剤の前記微細構造化表面が有する窪みの深さが、前記基材の前記トポグラフィーの高さよりも大きい、方法
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