JP6225297B1 - 液晶性樹脂組成物及びインサート成形品 - Google Patents

液晶性樹脂組成物及びインサート成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】気密性に優れるインサート成形品を得ることができる液晶性樹脂組成物、及びその液晶性樹脂組成物からなる樹脂部材を有するインサート成形品を提供する。【解決手段】液晶性樹脂と、ガラス転移温度Tgが230℃未満である熱可塑性樹脂と、平均粒径が15μm以上100μm以下でありアスペクト比が10以上である板状充填剤と、を含有し、液晶性樹脂の含有量が、全樹脂組成物中40質量%以上65質量%以下であり、熱可塑性樹脂の含有量が、全樹脂組成物中12質量%以上35質量%以下であり、及び、板状充填剤の含有量が、全樹脂組成物中10質量%以上35質量%以下である液晶性樹脂組成物により上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶性樹脂組成物及びインサート成形品に関する。
液晶性ポリエステル樹脂に代表される液晶性樹脂は、高流動性、低バリ性、耐リフロー性等に優れるため、小型コネクタ分野で広く用いられている。また、液晶性樹脂は、水蒸気透過性にも優れることから、半導体パッケージ分野への応用が期待されている。しかしながら、液晶性樹脂は、金属との密着性が十分には得られないため、射出成形により金属と一体的に成形されるインサート成形品では、樹脂と金属との界面の気密性が低くなる場合がある。そのため、液晶性樹脂は、防水性が求められるインサート成形品への適用が困難な状況にある。また、樹脂と金属との界面の気密性が低い場合、インサート成形品をリフロー処理する際に、はんだ中のフラックスが端子部分に上がってくる、いわゆるフラックス上がりの現象が生じやすくなるので、耐フラックス上がり性が求められるインサート成形品への適用も困難な状況にある。
液晶性樹脂を含む樹脂組成物の金属への密着性を改良する技術として、特許文献1には、液晶性樹脂100質量部に対して非液晶性樹脂0.5〜30質量部を含有してなる成形品用液晶性樹脂組成物が提案されている。特許文献2には、液晶ポリエステル樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂が混合された電気絶縁性合成樹脂で形成された防水コネクタが提案されている。特許文献3には、ポリフェニレンスルフィドを40〜90重量%、液晶性ポリエステルを5〜50重量%、及びエラストマーを1〜20重量%配合してなる熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
特開2003−268241号公報 特開2013−118174号公報 特開2013−227366号公報
本発明は、気密性に優れるインサート成形品を得ることができる液晶性樹脂組成物、及びその液晶性樹脂組成物からなる樹脂部材を有するインサート成形品を提供することを課題とする。
本発明者は、金属等で形成されたインサート部材との密着性を高め、気密性に優れるインサート成形品を得ることができる樹脂組成物について研究する過程で、その樹脂組成物とインサート部材との界面の親和性を高めること、樹脂組成物の線熱膨張係数とインサート部材の線熱膨張係数との差を小さくすること、及び、射出成形時にインサート部材の表面の微細な凹凸へ入り込んでその凹凸を再現する性能である凹凸転写性(以下、単に「凹凸転写性」ともいう。)を高めること、の3要素が重要であることを突き止めた。しかし、樹脂組成物の主成分が液晶性樹脂である場合は、凹凸転写性を高めることが難しい状況にあった。しかも、液晶性樹脂組成物は異方性を有するために、射出成形した場合に樹脂の流動方向に対して直角方向の収縮率と樹脂の流動方向の収縮率との差(以下、単に「収縮率の異方性」ともいう。)が大きく、結果としてインサート成形品の気密性が低くなる傾向にあった。本発明者は、液晶性樹脂に特有の上記問題点を解決するために、さらに研究を進め、液晶性樹脂に特定のガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂及び特定の粒径及びアスペクト比を有する板状充填剤を添加することで、樹脂組成物の凹凸転写性を向上させることができるとともに、収縮率の異方性を小さくすることができるとの知見を得て、本発明を完成させるに至った。
本発明に係る液晶性樹脂組成物は、液晶性樹脂と、ガラス転移温度Tgが230℃未満である熱可塑性樹脂と、平均粒径が15μm以上100μm以下でありアスペクト比が10以上である板状充填剤と、を含有し、液晶性樹脂の含有量が、全樹脂組成物中40質量%以上65質量%以下であり、熱可塑性樹脂の含有量が、全樹脂組成物中12質量%以上35質量%以下であり、及び、板状充填剤の含有量が、全樹脂組成物中10質量%以上35質量%以下であることを特徴とする。
本発明において、熱可塑性樹脂が、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、及び環状オレフィン系樹脂から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明において、液晶性樹脂の融点よりも10〜30℃高いシリンダー温度、金型温度150℃及び保持圧力50MPaの条件下で、80mm×80mm×2mmの成形品を射出成形した場合に、樹脂の流動方向に対して直角方向の収縮率と、樹脂の流動方向の収縮率との差が、0.51%以下であるように構成することができる。
本発明において、さらに、エポキシ基含有共重合体を、全樹脂組成物中6質量%以下含有することが好ましい。さらに、繊維状充填剤を、全樹脂組成物中12質量%以下含有することが好ましい。
本発明に係るインサート成形品は、上記いずれかに記載の液晶性樹脂組成物からなる樹脂部材と、金属、合金又は無機固体物からなるインサート部材とを有することを特徴とする。
本発明によれば、気密性に優れたインサート成形品を得ることができる液晶性樹脂組成物、及びその液晶性樹脂組成物からなる樹脂部材を有するインサート成形品を提供することができる。
収縮率試験用試験片の平面図である。 インサート成形品の一例を示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のM−M線の断面図であり、(c)は底面図である。 インサート部材の一例を示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は正面図である。 気密性試験用サンプルを作製する際の説明図である。 気密性試験用評価装置のブロック図である。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
[液晶性樹脂組成物]
液晶性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」という。)は、液晶性樹脂と、ガラス転移温度Tgが230℃未満である熱可塑性樹脂と、平均粒径が15μm以上100μm以下でありアスペクト比が10以上である板状充填剤とを含有する。樹脂組成物が、液晶性樹脂を含有するので、流動性、低バリ性、耐リフロー性及び水蒸気透過性に優れた樹脂組成物とすることができる。また、樹脂組成物が、上記所定の条件を満たす熱可塑性樹脂及び板状充填剤を含有するので、樹脂組成物の凹凸転写性を向上させることができるとともに、収縮率の異方性を小さくすることができる。その結果、液晶性樹脂の優れた性能を備えかつ気密性の高いインサート成形品を得ることができる樹脂組成物とすることができる。また、後述する実施例に示すように、この樹脂組成物を用いたインサート成形品は、リフロー処理後も気密性が低下することを防ぐことができる。
(液晶性樹脂)
液晶性樹脂とは、光学異方性溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマーのことをいう。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。液晶性樹脂は、直交偏光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であっても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
液晶性樹脂としては、特に限定されないが、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドであることが好ましい。また、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエステルを用いることもできる。
芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドとしては、特に好ましくは、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を構成成分として有する芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドである。液晶性樹脂は、上記から選ばれる2種以上の液晶性樹脂の混合物であってもよい。
より具体的には、
(1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上からなるポリエステル;
(2)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、及びそれらの誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステル;
(3)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミド;
(4)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上と、(d)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、及びそれらの誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミド等、を挙げることができる。さらに上記の構成成分に必要に応じ分子量調整剤を併用してもよい。
液晶性樹脂を構成する具体的化合物(モノマー)の好ましい具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、下記一般式(I)で表される化合物、及び下記一般式(II)で表される化合物等の芳香族ジオール;テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、及び下記一般式(III)で表される化合物等の芳香族ジカルボン酸;p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類が挙げられる。
Figure 0006225297

(X:アルキレン(C〜C)、アルキリデン、−O−、−SO−、−SO−、−S−、及び−CO−より選ばれる基である。)
Figure 0006225297

Figure 0006225297

(Y:−(CH−(n=1〜4)及び−O(CHO−(n=1〜4)より選ばれる基である。)
液晶性樹脂の調製方法は、特に限定されず、上述したモノマー化合物(又はモノマーの混合物)を用いて、直接重合法やエステル交換法を用いて、公知の方法で調整することができるが、通常は、溶融重合法やスラリー重合法等が用いられる。エステル形成能を有する化合物である場合は、そのままの形で重合に用いてもよく、また、重合の前段階で前駆体から該エステル形成能を有する誘導体に変性されたものを用いてもよい。重合に際しては、種々の触媒の使用が可能である。使用可能な触媒の代表的なものとしては、ジアルキル錫酸化物、ジアリール錫酸化物、二酸化チタン、アルコキシチタン珪酸塩類、チタンアルコラート類、カルボン酸のアルカリ及びアルカリ土類金属塩類、BFの如きルイス酸塩等を挙げることができる。触媒の使用量は、一般にはモノマーの全重量に対して、約0.001〜1質量%であり、特に、約0.01〜0.2質量%が好ましい。これらの重合方法により製造されたポリマーは、さらに必要があれば、減圧又は不活性ガス中で加熱する固相重合により分子量の増加を図ることができる。
液晶性樹脂の含有量は、全樹脂組成物中40質量%以上65質量%以下である。液晶性樹脂の含有量を40質量%以上65質量%以下とすることで、液晶性樹脂が有する高流動性、優れた低バリ性及び耐リフロー性並びに水蒸気透過性を維持した状態で、凹凸転写性を向上させることができるとともに、収縮率の異方性を小さくすることができる。その結果、液晶性樹脂の優れた性能を備え、かつ気密性の高い成形品を得ることができる樹脂組成物とすることができる。液晶性樹脂の含有量は、より好ましくは、42質量%以上62質量%以下である。液晶性樹脂の含有量の下限値は、45質量%以上とすることもでき、上限値は、60質量%以下とすることもできる。
液晶性樹脂の溶融粘度は、特に限定されず、液晶性樹脂の融点よりも10〜30℃高いシリンダー温度及びせん断速度1000sec−1で測定した溶融粘度が、5Pa・s以上100Pa・s以下であり、さらに好ましくは、10Pa・s以上50Pa・s以下である。「液晶性樹脂の融点よりも10〜30℃高いシリンダー温度」とは、液晶性樹脂が溶融粘度の測定が可能な程度まで溶融することができるシリンダー温度を意味しており、融点よりも何℃高いシリンダー温度とするかは、10〜30℃の範囲で液晶性樹脂の種類によって異なる。例えば、特開2010−3661号公報(特に第0048,0051段落を参照)には、液晶性ポリマー1として、4−ヒドロキシ安息香酸から導入される構成単位2モル%、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から導入される構成単位48モル%、テレフタル酸から導入される構成単位25モル%、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから導入される構成単位25モル%の液晶性樹脂が開示されている。この融点は352℃であり、溶融粘度はシリンダー温度380℃で測定されている。また、液晶性ポリマー2として、4−ヒドロキシ安息香酸から導入される構成単位50モル%、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から導入される構成単位2.5モル%、テレフタル酸から導入される構成単位23.9モル%、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから導入される構成単位18.6モル%、4−アセトアミドフェノールから導入される構成単位5モル%の液晶性樹脂が開示されている。この融点は367℃であり、溶融粘度はシリンダー温度380℃で測定されている。さらに、液晶性ポリマー3として、4−ヒドロキシ安息香酸から導入される構成単位60モル%、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から導入される構成単位5モル%、テレフタル酸から導入される構成単位17.7モル%、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから導入される構成単位112.3モル%、4−アセトアミドフェノールから導入される構成単位5モル%の液晶性樹脂が開示されている。この融点は335℃であり、溶融粘度はシリンダー温度350℃で測定されている。
(熱可塑性樹脂)
樹脂組成物は、ガラス転移温度Tgが230℃未満である熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」ともいう。)を含有する。本発明者の研究により、液晶性樹脂にガラス転移温度Tgが230℃未満である熱可塑性樹脂を添加した場合に、樹脂組成物の凹凸転写性を向上させることができることが分かった。その結果、後述する実施例に示すように、インサート成形品の気密性を高めることができ、かつ該成形品をリフロー処理した後も気密性が低下することを防ぐことができる。
なお、ガラス転移温度Tgは、DSC法(JIS K7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定した値のことをいう。ガラス転移温度Tgの下限値は、特に限定されず、60℃以上、又は、80℃以上とすることができる。ガラス転移温度Tgの上限値は、220℃以下とすることもできる。
ガラス転移温度Tgが230℃未満である熱可塑性樹脂としては、ポリアリーレンサルファイド樹脂(PAS);ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE);環状オレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂(PC);ポリエチレン樹脂(PE);ポリプロピレン樹脂(PP);ポリアセタール樹脂(POM);ポリアミド6、ポリアミド66又はポリアミド46等のポリアミド樹脂(PA);ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK);ポリスチレン樹脂(PS);ポリ塩化ビニル樹脂(PVC);アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS);ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS);ポリアリレート樹脂(PAR);ポリエーテルイミド樹脂(PEI);及びポリエーテルスルホン樹脂(PES)等を挙げることができる。
中でも、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、及び環状オレフィン系樹脂から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
ポリアリーレンサルファイド樹脂(PAS樹脂)は、繰り返し単位として、−(Ar−S)−(なお、「Ar」はアリーレン基を示す)を主として構成されたものであり、一般的に知られている分子構造のPAS樹脂を使用することができる。
アリーレン基としては、特に限定されないが、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p’−ジフェニレンスルフォン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンエーテル基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフタレン基等が挙げられる。このようなアリーレン基から構成されるアリーレンサルファイド基の中で、同一の繰り返し単位を用いたホモポリマーの他、用途によっては、異種のアリーレンサルファイド基の繰り返しを含んだコポリマーとすることもできる。
ホモポリマーとしては、用途にもよるが、アリーレン基としてp−フェニレンサルファイド基を繰り返し単位とするものが好ましい。p−フェニレンサルファイド基を繰り返し単位とするホモポリマーは、極めて高い耐熱性を持ち、広範な温度領域で高強度、高剛性、さらには高い寸法安定性を示す。このようなホモポリマーを用いることで、非常に優れた物性を備える成形品を得ることができる。
コポリマーとしては、上述したアリーレン基を含むアリーレンサルファイド基の中で相異なる2種以上のアリーレンサルファイド基の組み合わせを使用することができる。これらの中では、p−フェニレンサルファイド基とm−フェニレンサルファイド基とを含む組み合わせが、耐熱性、成形性、機械的特性等の高い物性を備える成形品が得られるという点から好ましい。また、p−フェニレンサルファイド基を70mol%以上の割合で含むポリマーがより好ましく、80mol%以上の割合で含むポリマーがさらに好ましい。なお、フェニレンサルファイド基を有するポリアリーレンサルファイド樹脂は、ポリフェニレンサルファイド樹脂である。
ポリアリーレンサルファイド樹脂の調整方法は、従来公知の重合方法を用いることができる。一般的な重合方法により製造されたポリアリーレンサルファイド樹脂は、通常、副生不純物等を除去するために、水あるいはアセトンを用いて数回洗浄した後、酢酸、塩化アンモニウム等で洗浄する。その結果として、ポリアリーレンサルファイド樹脂末端には、カルボキシル末端基を所定量の割合で含む。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、ポリフェニレンエーテルの他に、変性ポリフェニレンエーテルを挙げることができる。環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂の含有量は、全樹脂組成物中12質量%以上35質量%以下である。熱可塑性樹脂の含有量を、全樹脂組成物中12質量%以上35質量%以下とすることで、高流動性等の性質を維持しつつかつ収縮率の異方性を小さく保った状態で、凹凸転写性を向上させることができる。熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは、15質量%以上30質量%以下である。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されず、15000以上40000以下であることが好ましい。熱可塑性の重量平均分子量をこの範囲とすることにより、機械的物性と流動性とをより優れたバランスで有する樹脂組成物とすることができる。熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、より好ましくは、20000以上38000以下である。
(板状充填剤)
樹脂組成物は、板状充填剤を含有する。板状充填剤は、平均粒径が15μm以上100μm以下でありアスペクト比が10以上である。こうした板状充填剤を含有することで、射出成形時の収縮率の異方性を小さくすることができる。その結果、後述する実施例に示すように、インサート成形品の気密性を高めることができ、かつ該成形品をリフロー処理した後も気密性が低下することを防ぐことができる。
平均粒径は、好ましくは、20μm以上50μm以下である。アスペクト比は、好ましくは、35以上であり、より好ましくは、35以上55以下である。なお、この定義は、板状充填剤が樹脂組成物に配合される前の板状充填剤の形状に関するものである。平均粒径とは、レーザ回折/散乱式粒度分布測定法で測定した値であり、体積基準の粒度分布における積算値50%の粒子径である。平均アスペクト比とは、電子顕微鏡(SEM)観察により数十個のフィラーについて長さ及び厚さを測定してアスペクト比を算出し、その平均値を算出した値である。
板状充填剤としては、例えば、例えば、マイカ、タルク、ガラスフレーク、黒鉛、各種の金属箔(例えば、アルミ箔、鉄箔、銅箔)等をあげることができ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。中でも、樹脂の流動方向の収縮率と、樹脂の流動方向に対して直角方向の収縮率との差をより小さくしやすい観点から、マイカが好ましい。
板状充填剤の含有量は、全樹脂組成物中10質量%以上35質量%以下である。板状充填剤の含有量を全樹脂組成物中10質量%以上35質量%以下とすることで、高い凹凸転写性を有した状態で射出成形時の収縮率の異方性を小さくする効果を十分に得ることができる。
(エポキシ基含有共重合体)
樹脂組成物は、さらに、エポキシ基含有共重合体を含有することが好ましい。エポキシ基含有共重合体を含有することで、インサート部材との界面の親和性を高めることができる。
エポキシ基含有共重合体は、特に限定されないが、例えば、エポキシ基含有オレフィン系共重合体、及びエポキシ基含有スチレン系共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。エポキシ基含有共重合体は、上記から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ基含有オレフィン系共重合体としては、例えば、α−オレフィンに由来する繰り返し単位とα,β−不飽和酸のグリシジルエステルに由来する繰り返し単位とから構成される共重合体が挙げられる。
α−オレフィンは、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等が挙げられるが、中でもエチレンが好ましく用いられる。α,β−不飽和酸のグリシジルエステルは、下記一般式(IV)で示されるものである。なお、一般式(IV)において、R’は、水素又は炭素数1以上10以下のアルキル基を示す。α,β−不飽和酸のグリシジルエステルは、例えばアクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、エタクリル酸グリシジルエステル、イタコン酸グリシジルエステル等であるが、特にメタクリル酸グリシジルエステルが好ましい。
Figure 0006225297
エポキシ基含有オレフィン系共重合体において、α−オレフィンに由来する繰り返し単位の含有量は、87〜98質量%であり、α,β−不飽和酸のグリシジルエステルに由来する繰り返し単位の含有量は、13〜2質量%であることが好ましい。
エポキシ基含有オレフィン系共重合体は、本発明を損なわない範囲で、上記2成分以外に第3成分として、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、α−メチルスチレン、無水マレイン酸等のオレフィン系不飽和エステルから選ばれる1種又は2種以上に由来する繰り返し単位を、上記2成分100質量部に対し0〜48質量部含有してもよい。
エポキシ基含有オレフィン系共重合体は、各成分に対応するモノマー及びラジカル重合触媒を用いて通常のラジカル重合法により容易に調製することができる。より具体的には、通常、α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルとをラジカル発生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下又は不存在下に共重合させる方法により製造できる。また、α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステル及びラジカル発生剤とを混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても製造できる。
エポキシ基含有スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン類に由来する繰り返し単位とα,β−不飽和酸のグリシジルエステルに由来する繰り返し単位とから構成される共重合体が挙げられる。α,β−不飽和酸のグリシジルエステルについては、エポキシ基含有オレフィン系共重合体で説明したものと同様であるため説明を省略する。スチレン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、ブロム化スチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられるが、スチレンが好ましく用いられる。
エポキシ基含有スチレン系共重合体は、上記2成分以外に第3成分として他のビニルモノマーの1種又は2種以上に由来する繰り返し単位を含有する多元共重合体であってもよい。第3成分として好適なものは、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸等のオレフィン系不飽和エステルの1種又は2種以上に由来する繰り返し単位である。これらの繰り返し単位を共重合体中に40質量%以下含有するエポキシ基含有スチレン系共重合体が好ましい。
エポキシ基含有スチレン系共重合体において、α,β−不飽和酸のグリシジルエステルに由来する繰り返し単位の含有量は2〜20質量%であり、スチレン類に由来する繰り返し単位の含有量は80〜98質量%であることが好ましい。
エポキシ基含有スチレン系共重合体は、各成分に対応するモノマー及びラジカル重合触媒を用いて通常のラジカル重合法により調製することができる。より具体的には、通常、スチレン類とα,β−不飽和酸のグリシジルエステルとをラジカル発生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下又は不存在下に共重合させる方法により製造できる。また、スチレン類とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル及びラジカル発生剤とを混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても製造できる。
なお、エポキシ基含有共重合体としては、エポキシ基含有オレフィン系共重合体が耐熱性の点で好ましい。エポキシ基含有オレフィン系共重合体とエポキシ基含有スチレン系共重合体とを併用する場合、これら成分同士の割合は、適宜、要求される特性に沿って選択することができる。
エポキシ基含有共重合体の含有量は、燃焼性が悪化することから、全樹脂組成物中6質量%以下である。エポキシ基含有共重合体の含有量の下限値は、特に限定されず、例えば、全樹脂組成物中0.01質量%、0.1質量%以上、又は1質量%以上とすることができる。
(繊維状充填剤)
樹脂組成物は、さらに、繊維状充填剤を含有する。繊維状充填剤を含有することで、機械強度を向上させることができる。なお、繊維状充填剤とは、異径比の平均値が1以上4以下であり、アスペクト比が2以上1500以下であるものをいう。この定義は、繊維状充填剤が樹脂組成物に配合される前の繊維状充填剤の形状に関する。
繊維状充填剤としては、従来から種々の樹脂組成物において充填剤又は強化剤として使用されているものを特に制限なく使用することができる。繊維状充填剤の具体例としては、ガラス繊維、ミルドガラスファイバー、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、ウォラストナイトの如き珪酸塩の繊維、硫酸マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等金属の繊維状物等の無機質繊維状物質を挙げることができる。これらの繊維状充填剤は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、安価であり入手しやすいことや、所定の条件で成形して得た成形品の、樹脂の流動方向の収縮率と、樹脂の流動方向に対して直角方向との差を調整しやすいことから、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維としては、通常、断面形状が円形又は略円形であるものが使用されるが、所謂異形断面を有するガラス繊維を用いることもできる。異形断面の形状としては、これらに限定されないが、長方形やひし形等の多角形、楕円形、まゆ型等が挙げられる。
(その他の添加剤)
樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、所望の物性付与のために、他の添加剤を含有することができる。他の添加剤としては、核剤、カーボンブラック、顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤又は難燃剤等を挙げることができる。他の添加剤の含有量は、所望の物性に応じて適宜調整できる。
(樹脂組成物)
樹脂組成物は、液晶性樹脂の融点よりも10〜30℃高いシリンダー温度、金型温度150℃及び保持圧力50MPaの条件下で、80mm×80mm×2mmの成形品を射出成形した場合に、樹脂の流動方向に対して直角方向の収縮率と、樹脂の流動方向の収縮率との差が、0.51%以下であることが好ましい。樹脂の流動方向に対して直角方向の収縮率と、樹脂の流動方向の収縮率との差を0.51%以下と小さくすることで、射出成型によりインサート成形品を製造した際の、樹脂部分の固化収縮を小さくすることができる。樹脂部材の固化収縮が小さければ、インサート部材と樹脂部材との間に微小な空隙が生じにくく、気密性の高いインサート成形品を得やすい。なお、ここでいう「液晶性樹脂の融点よりも10〜30℃高いシリンダー温度」とは、上述のとおりであるからここでは記載を省略する。
ここで、収縮率について、樹脂の流動方向の収縮率と、樹脂の流動方向に対して直角方向(以下、流動直角方向ともいう。)の収縮率との差を用いる理由としては、実際の成形品において、インサート部材と樹脂部材との間に生じる収縮は、形状により異なるものの、樹脂の流動方向の収縮率と、流動直角方向の収縮率のどちらか一方のみの影響を受けることは少なく、両方の収縮率の影響を受けるため、両者をあわせて考える必要があると推定されるためである。
樹脂組成物の溶融粘度は、液晶性樹脂の融点よりも10〜30℃高いシリンダー温度で測定したせん断速度1000sec−1での溶融粘度が、5Pa・s以上100Pa・s以下であることが好ましく、10Pa・s以上50Pa・s以下であることがさらに好ましい。溶融粘度が5Pa・s以上100Pa・s以下である場合に、インサート部材と樹脂部材とがより良い密着性を得ることができる。
(樹脂組成物の製造方法)
樹脂組成物の製造方法は、この樹脂組成物中の成分を均一に混合できる方法であれば特に限定されず、従来知られる樹脂組成物の製造方法から適宜選択することができる。例えば、1軸又は2軸押出機等の溶融混練装置を用いて、各成分を溶融混練して押出した後、得られた樹脂組成物を粉末、フレーク、ペレット等の所望の形態に加工する方法が挙げられる。
[インサート成形品]
インサート成形品は、上記した液晶性樹脂組成物からなる樹脂部材と、インサート部材とを有する。インサート成形品は、上記した液晶性樹脂組成物からなる樹脂部材とインサート部材とをインサート成形により一体的に成形して得る。
インサート部材は、特に限定されないが、その特性を生かし且つ樹脂の欠点を補う目的で使用されるため、成形時に樹脂と接触したときに形が変化したり溶融したりしないものが好ましく使用される。例えば、主として、アルミニウム、マグネシウム、銅、鉄、真鍮、及びそれらの合金等の金属や、ガラス、セラミックスのような無機固体により、あらかじめ棒、ピン、ネジ等に成形されているものが使用される。本発明においては、インサート部材として金属を用いた場合に、本発明の効果が顕著に表れる。インサート部材の形状等については、限定されるものではない。
インサート部材の表面は、粗面化処理されていてもよく、未処理であってもよい。粗面化処理は、サンドブラストやレーザー照射等の物理的な方法により施されてもよく、化学的に処理されていてもよい。化学的に処理する場合、インサート部材と樹脂部材との間に、共有結合、水素結合、又は分子間力等の化学的接着効果が付与されるため、インサート部材と樹脂部材との界面における気密性が向上しやすくなる。化学的な処理としては、例えば、コロナ放電等の乾式処理、トリアジン処理(特開2000−218935号公報参照)、ケミカルエッチング(特開2001−225352号公報)等が挙げられる。また、インサート部材を構成する材料がアルミニウムである場合には、温水処理(特開平−142110号公報)も挙げられる。温水処理としては、100℃の水への3〜5分間の浸漬が挙げられる。複数の化学的な処理を組み合わせて施してもよい。
インサート成形方法は、一般的な方法とすることができる。例えば、成形用金型に金属等で形成されたインサート部材をあらかじめ装着し、その外側に樹脂組成物を充填して複合成形する。樹脂組成物を金型に充填するための成形法としては、射出成形法、押出圧縮成形法等があるが、射出成形法が一般的である。特に、射出成形法の場合には、本発明に係る樹脂組成物のような優れた流動性が求められる。
(用途)
本発明に係る樹脂組成物を用いて製造されたインサート成形品は、種々の用途に用いることができる。特に、本発明に係る樹脂組成物は、気密性に優れるインサート成形品を与えるため、高度な気密性が要求される用途に好適に用いられる。
例えば、本発明に係る樹脂組成物を用いて製造されたインサート成形品は、湿度や水分により悪影響を受けやすいコネクタ、半導体パッケージ等の電気・電子部品等を内部に備えるインサート成形品として好適である。特に、高レベルで防水が求められる分野、例えば、川、プール、スキー場、お風呂等での使用が想定される、水分や湿気の侵入が故障に繋がる電気又は電子機器用の部品として用いることが好適である。また、インサート成形品は、例えば、傾斜センサー、燃料センサー等のセンサーとしても有用である。傾斜センサーとしては、姿勢制御等の車載用途に用いられるものや、ゲームコントローラに用いられるものが例示される。燃料センサーとしては、燃料量計測等の車載用途に用いられるものが例示される。さらに、インサート成形品は、例えば、内部に樹脂製のボスや保持部材等を備えた、電気・電子機器用筐体としても有用である。ここで、電気・電子機器用筐体としては、携帯電話の他に、カメラ、ビデオ一体型カメラ、デジタルカメラ等の携帯用映像電子機器の筐体、ノート型パソコン、ポケットコンピュータ、電卓、電子手帳、PDC、PHS、携帯電話等の携帯用情報あるいは通信端末の筐体、MD、カセットヘッドホンステレオ、ラジオ等の携帯用音響電子機器の筐体、液晶TV・モニター、電話、ファクシミリ、ハンドスキャナー等の家庭用電化機器の筐体等を挙げることができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の解釈が限定されるものではない。
[実施例1〜12、比較例1〜11]
以下に示す材料を用いて、表1,2に示す組成及び含有割合で、シリンダー温度350℃の二軸押出機で溶融混練して、実施例及び比較例の樹脂組成物のペレットを作製した。なお、板状充填剤、繊維状充填剤は、サイドフィーダーを用いて押出機に導入した。なお、表1,2において、含有量の単位は「質量%」である。
[実施例13〜16]
以下に示す材料を、表3に示す組成及び含有割合で用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物のペレットを作製した。なお、表3において、含有量の単位は「質量%」である。
[実施例17,18、比較例12]
以下に示す材料を、表3に示す組成及び含有割合で用い、かつシリンダー温度380℃の二軸押出機で溶融混練した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物のペレットを作製した。
(液晶性樹脂:LCP)
液晶性ポリエステルアミド樹脂(LCP)を次のようにして調整した。重合容器に下記の原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に340℃まで4.5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、及びその他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレットを得た。得られたペレットについて、窒素気流下、300℃で2時間の熱処理を行って、目的のポリマーを得た。得られたポリマーの融点は335℃、溶融粘度は14.0Pa・sであった。なお、上記ポリマーの溶融粘度は、後述する溶融粘度の測定方法と同様にして測定した。
[原料]
(I)4−ヒドロキシ安息香酸;188.4g(60モル%)
(II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸;21.4g(5モル%)
(III)テレフタル酸;66.8g(17.7モル%)
(IV)4,4’−ジヒドロキシビフェニル;52.2g(12.3モル%)
(V)4−アセトキシアミノフェノール;17.2g(5モル%)
金属触媒(酢酸カリウム触媒);15mg
アシル化剤(無水酢酸);226.2g
(液晶性樹脂:LCP2)
液晶性ポリエステル樹脂(LCP2)を次のようにして調整した。重合容器に下記の原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させた。その後、更に360℃まで5.5時間かけて昇温し、そこから30分かけて5Torr(即ち667Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、及びその他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレットを得た。得られたペレットについて、窒素気流下、300℃で8時間の熱処理を行って、目的のポリマーを得た。得られたポリマーの融点は352℃、380℃における溶融粘度は27.0Pa・sであった。なお、上記ポリマーの溶融粘度は、後述する溶融粘度の測定方法と同様にして測定した。
[原料]
(I)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(HNA);166g(48モル%)
(II)テレフタル酸(TA);76g(25モル%)
(III)4,4’−ジヒドロキシビフェニル(BP);86g(25モル%)
(IV)4−ヒドロキシ安息香酸(HBA);5g(2モル%)
金属触媒(酢酸カリウム触媒);22.5mg
アシル化剤(無水酢酸);191g
(熱可塑性樹脂)
ポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS):株式会社クレハ製、「W203A」、ガラス転移温度Tg85℃
ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE):三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製、「PX100F」、ガラス転移温度Tg213℃
環状オレフィンコポリマー(COC):TOPAS Advanced Polymers社製、「TOPAS6017S−04」、ガラス転移温度Tg178℃
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK):ダイセル・エボニック株式会社製、「VESTAKEEP2000P」、ガラス転移温度Tg143℃
ポリイミド樹脂(PI):三井化学株式会社製、「PL450C」、ガラス転移温度Tg250℃
(板状充填剤)
マイカ:株式会社山口雲母工業所株式会社製、「AB−25S」、平均粒径23.4μm、アスペクト比40〜50
マイカ:株式会社山口雲母工業所株式会社製、「A−41S」、平均粒径48.5μm、アスペクト比40〜50
ガラスフレーク:日本板硝子株式会社製、「REF160」、平均粒径160μm、アスペクト比32
タルク:松村産業株式会社製、「クラウンタルクPP」、平均粒径12.8μm、アスペクト比8
(エポキシ基含有オレフィン系共重合体)
エチレン−グリシジルメタクリレート−アクリル酸メチル共重合体(EGMA):住友化学株式会社製、「ボンドファースト2C」(グリシジルメタクリレート単位含有量6質量%)
(繊維状充填剤)
ガラス繊維:日本電気硝子株式会社製、「ECS03T−786H」、繊維径10μm、長さ3mmのチョップドストランド
ミルドガラスファイバー:日東紡績株式会社製、「PF70E−001」、繊維径10μm、平均繊維長70μm
[評価]
(溶融粘度)
実施例及び比較例の樹脂組成物ペレットについて、キャピラリー式レオメーター(株式会社東洋精機製作所製キャピログラフ1D:ピストン径10mm)により、以下の条件で、見かけの溶融粘度をISO 11443に準拠して測定した。測定には、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いた。実施例1〜12及び比較例1〜11の結果を表1,2に示す。実施例13〜18及び比較例12の結果を表3に示す。
シリンダー温度:350℃(実施例1〜12、比較例1〜11)
350℃(実施例13〜16)
380℃(実施例17,18、比較例12)
せん断速度:1000sec−1
(収縮率)
樹脂組成物の収縮率を、以下の方法で測定した。実施例及び比較例の樹脂組成物ペレットを用いて、成形機(住友重機械工業株式会社製「SE−100DU」)で以下の成形条件で成形した。
シリンダー温度:350℃(実施例1〜12、比較例1〜11)
350℃(実施例13〜16)
380℃(実施例17,18、比較例12)
金型温度:150℃
射出速度:33mm/sec
保圧力:50MPa
図1は、得られた試験用試験片100の平面図である。試験用試験片100の大きさは、80mm×80mm×厚さ2mmである。1日静置したこの試験片の寸法を、図1に示す流動方向測定箇所a及び直角方向測定箇所bで測定した。なお、図1のcは、ゲートを示す。測定された試験片の寸法と、上記測定箇所に対応する金型上の箇所における金型の寸法とから、式(1)に従い、成形収縮率を求めた。なお、金型寸法は、流動方向で80.021mm、直角方向で79.991mmであった。
(金型寸法−試験片寸法)/金型寸法×100 ・・・(1)
上記によって求められた流動方向の収縮率と直角方向の収縮率との平均値を、「収縮率(平均)」とし、流動方向の収縮率と直角方向の収縮率との差を「収縮率(異方性)」とした。実施例1〜12及び比較例1〜11の結果を表1,2に示す。実施例13〜18及び比較例12の結果を表3に示す。なお、表1〜3において、収縮率の単位は「%」である。
(インサート成形品の製造)
図2(a)は、インサート成形品10の平面図であり、図2(b)は(a)のM−M断面図であり、図2(c)は底面図である。凹凸転写性及び気密性の評価に供するために、実施例及び比較例の樹脂組成物からなる樹脂部材1とインサート部材2とを用いて、樹脂部材1とインサート部材2とが一体的に成形された、実施例及び比較例のインサート成形品10を製造した。なお、後述する評価を行う際に用いるために、インサート成形品10の上面には、図2に示すような6個の凹部3が存在する。
図3は、インサート部材2を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図であり、インサート部材2は銅製の部材である。この部材2は、長尺方向の長さ19mm、短尺方向の幅8.5mm、及び厚さ0.2mmである。なお、インサート部材2は、表面を未処理のものと、予め以下に示す方法により化学処理を行ったものとを用いた。化学処理は、銅製のインサート部材の表面を、下記組成のエッチング液A(水溶液)に1分間浸漬して防錆皮膜除去を行い、次に下記組成のエッチング液B(水溶液)に5分間浸漬して表面をエッチングした。
エッチング液A(温度20℃):過酸化水素26g/L、硫酸90g/L
エッチング液B(温度25℃):過酸化水素80g/L、硫酸90g/L、ベンゾトリアゾール5g/L、塩化ナトリウム0.2g/L
インサート成形は、以下のように行った。インサート部材2を射出成形用の金型内に配置し、堅型射出成型機(株式会社ソディック製、TR−40VR)を用いて、実施例及び比較例の樹脂組成物のペレットを以下の条件で溶融し金型内に射出して樹脂部材1とし、インサート成形品10を作製した。
シリンダー温度:350℃(実施例1〜12、比較例1〜11)
350℃(実施例13〜16)
380℃(実施例17,18、比較例12)
金型温度:160℃
射出速度:70mm/s
保圧力:50MPa
(凹凸転写性)
インサート成形品10を塩酸(10wt%水溶液)と硝酸(60wt%水溶液)の混合溶液に浸して室温にてインサート部材2を溶解させ、残った樹脂部材1の表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「S−3000H」、倍率:1000倍)で観察した。樹脂部材1の表面の凹凸の程度を、凹凸の大きいものを1、凹凸の小さいものを5として、5段階で評価した。3以下の場合に、凹凸転写性が高いといえる。実施例1〜12及び比較例1〜11の結果を表1,2に示す。実施例13〜18及び比較例12の結果を表3に示す。
(初期気密性)
インサート成形品10の気密性を次のように評価した。気密性の評価には、株式会社コスモ計器製DPゲージMODEL DP−330BA微差圧計を使用した(精度±0.03kPa,差圧レンジ100kPa)。具体的な評価方法を、図4,5に沿って説明する。図4は、気密性試験用サンプル20を作製する際の説明図であり、図5は、気密性試験用評価装置101のブロック図である。先ず、図4に示すように、上下二つのパーツに分かれた固定治具4,4’の内部の空間に、インサート成形品10を配置してサンプル20とした。次いで、このサンプル20を、図5に概略図を示す評価装置101に接続した。サンプル20、ブランク30及び差圧計40を、図5に示す配置でチューブを用いて接続した。また、サンプル20においては上側の固定治具4にチューブが接続されている。このチューブから空気が固定治具内に送り込まれ、インサート成形品10の上面に形成された6個の凹部3に圧力がかかるようになっている。そして、凹部3の底の樹脂部材1とインサート部材2との境界から、樹脂部材1とインサート部材2との接合部が剥がれると、固定治具の下側に空気が漏れるようになっている。また、ブランク30とは、樹脂部材1とインサート部材2との接合が維持されている状態で、上記凹部にかかる圧力を確認するためのものである。樹脂部材1とインサート部材2との接合部に隙間が生じるとブランク30にかかる圧力とサンプルに係る圧力との間に圧力差ΔPが生じるため、本評価でインサート成形品の気密性を評価することができる。
空気の漏れ量Qを以下の式(2)から求め、気密性の指標とした。実施例1〜12及び比較例1〜11の結果を表1,2に示す。実施例13〜18及び比較例12の結果を表3に示す。
Q=Ve×ΔP/T ・・・(2)
Q :漏れ量(Pa・m/s)
Ve:容積(m)(=0.000005m
ΔP:差圧(Pa)
T :検出時間(s)(=60s)
漏れ量Qが、2.8×10−4Pa・m/s以下の場合に、気密性が高いインサート成形品であるといえる。
(リフロー後の気密性)
リフロー処理した後のインサート成形品10の気密性を評価した。リフロー処理は、株式会社アサヒエンジニアリング製、TPF−20Lを使用して、以下の条件で行った。
試料送り速度:0.4m/min
リフロー炉通過時間:5min
温度条件:プレヒート200℃、リフローゾーン395℃、ピーク温度258℃
気密性の測定は、上記と同じ方法で行った。実施例1〜12及び比較例1〜11の結果を表1,2に示す。実施例13〜18及び比較例12の結果を表3に示す。
Figure 0006225297

Figure 0006225297

Figure 0006225297

表1及び3から明らかなように、実施例の液晶性樹脂組成物は、いずれも、金属表面に対する凹凸転写性が高いとともに収縮率の異方性が小さい。また、この樹脂組成物を用いたインサート成形品は、初期の気密性に優れているとともに、リフロー処理後に気密性が低下することを防ぐことができる。
1 樹脂部材
2 インサート部材
3 凹部
4,4’ 固定治具
10 インサート成形品
20 気密性試験用サンプル
100 収縮率試験用試験片
101 気密性試験用評価装置
a 流動方向測定箇所
b 直角方向測定箇所
c ゲート

Claims (5)

  1. 液晶性樹脂と、ガラス転移温度Tgが230℃未満である熱可塑性樹脂と、平均粒径が20μm以上50μm以下でありアスペクト比が10以上である板状充填剤と、を含有し、
    液晶性樹脂の含有量が、全樹脂組成物中40質量%以上65質量%以下であり、
    熱可塑性樹脂の含有量が、全樹脂組成物中12質量%以上35質量%以下であり、及び、
    板状充填剤の含有量が、全樹脂組成物中10質量%以上35質量%以下であり、熱可塑性樹脂が、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、環状オレフィン系樹脂、及びポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる1種又は2種以上である、液晶性樹脂組成物。
  2. 液晶性樹脂の融点よりも10〜30℃高いシリンダー温度、金型温度150℃及び保持圧力50MPaの条件下で、80mm×80mm×2mmの成形品を射出成形した場合に、樹脂の流動方向に対して直角方向の収縮率と、樹脂の流動方向の収縮率との差が、0.51%以下である、請求項1に記載の液晶性樹脂組成物。
  3. さらに、エポキシ基含有共重合体を全樹脂組成物中6質量%以下含有する、請求項1又は2に記載の液晶性樹脂組成物。
  4. さらに、繊維状充填剤を全樹脂組成物中12質量%以下含有する、請求項1からのいずれか一項に記載の液晶性樹脂組成物。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の液晶性樹脂組成物からなる樹脂部材と、金属、合金又は無機固体物からなるインサート部材とを有する、インサート成形品。
JP2017531640A 2015-12-22 2016-12-15 液晶性樹脂組成物及びインサート成形品 Active JP6225297B1 (ja)

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