JP2003268241A - 成形品用液晶性樹脂組成物および成形回路基板 - Google Patents

成形品用液晶性樹脂組成物および成形回路基板

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JP2003268241A
JP2003268241A JP2002068533A JP2002068533A JP2003268241A JP 2003268241 A JP2003268241 A JP 2003268241A JP 2002068533 A JP2002068533 A JP 2002068533A JP 2002068533 A JP2002068533 A JP 2002068533A JP 2003268241 A JP2003268241 A JP 2003268241A
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liquid crystalline
crystalline resin
molded
metal film
resin composition
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Application number
JP2002068533A
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English (en)
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Yoshiki Makabe
芳樹 真壁
Masaru Okamoto
勝 岡本
Naoto Ikegawa
直人 池川
Masahiro Sato
正博 佐藤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶性樹脂の金属との密着性を改良し、さらに
液晶性樹脂の優れた流動性と耐熱性、機械的物性を活か
して、薄肉成形性、精密成形性と寸法安定性に優れた成
形品用液晶性樹脂組成物、および小型精密電子回路機器
に好適な回路密着性、耐熱性、寸法安定性を有する成形
回路基板を得る。 【解決手段】液晶性樹脂(A)100重量部に対して少
なくとも1個の芳香環を有する反復単位を含む非液晶性
樹脂(B)0.5〜30重量部を含有してなる成形品用
液晶性樹脂組成物であって、該成形品は成形品表面に金
属膜形成処理されるものであることを特徴とする成形品
用液晶性樹脂組成物、およびこれを用いて射出成形した
成形品の表面にプラズマ処理した後、スパッタリングな
どで金属膜を形成し、次いでレーザ光照射による回路パ
ターニングなどを行い、立体的な成形回路基板を作製す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属膜密着性が改
良された流動性と耐熱性、機械的物性に優れた成形品用
液晶性樹脂組成物およびこれを用いた成形回路基板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂はその優れた諸特性を生か
し、射出成形材料として機械機構部品、電気電子部品、
自動車部品などの幅広い分野に利用されている。近年こ
のように利用されている熱可塑性樹脂の高性能化に対す
る要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリ
マが数多く開発されている。中でも分子鎖の平行な配列
を特徴とする溶融時に光学異方性を示す液晶性樹脂が優
れた流動性と寸法安定性、機械的物性を有する点で注目
されている。
【0003】そして、液晶性樹脂は、耐熱性や耐薬品
性、低線膨張率、難燃性、機械的強度・弾性率、更には
電気的特性などにも優れているために,電子部品や機械
部品等の広い分野で利用されている。
【0004】また、液晶性樹脂は、薄肉流動性に優れる
ことから電気電子部品の小型化に寄与してきた。
【0005】特に、エレクトロニクス分野で関連の深い
はんだ耐熱性については、液晶性樹脂はプラスチックの
中で最高の部類に位置する。その特徴は、ポリエチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートとは異な
って、溶融状態でも分子の配向がみられ、その配向した
分子の絡み合いが少なく、僅かなせん断を受けるだけで
一方向に配向し、液状でも結晶性を示すいわゆる液晶性
を示すところにあり、温度を下げても溶融状態における
分子の配向がそのまま固定され、これによって、例えば
薄肉流動性などの成形加工性や強度、弾性率などの機械
的特性、あるいは寸法安定性、耐熱性などの種々の優れ
た特性が発現されるものである。また、成形加工性にも
優れることも相まって、液晶性樹脂を成形して得られた
成形体をMID(Molded Interconnect Device)等の樹
脂成形回路基板として用いることが行われている。
【0006】しかし、液晶性樹脂が耐熱性や耐薬品性に
優れていることからもわかるように、分子鎖が極めて剛
直で直線的であるため化学的に極めて不活性であり、プ
ラズマ処理等による表面改質が為されにくい。そのた
め,プラズマ処理を行った後に、真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法(P
VD法)で金属膜を形成した場合、0.2〜0.25N/
mm程度の低い密着強度しか得られず、実用に供すること
ができないものであった。
【0007】そこで、液晶性樹脂を成形して作製した成
形体を回路基板として用いる場合、回路を構成する金属
膜との密着強度を高くするために、成形体の表面を化学
的あるいは物理的に粗面化することが行われている。
【0008】例えば、特公平7−24328号公報に
は、液晶性樹脂を成形した成形体をエッチング処理した
後、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着
のいずれかの方法で表面金属被覆処理するようにした技
術が開示されている。
【0009】また、特許2714440号公報には、液
晶性樹脂を成形した成形体を、真空槽内で表面温度60
℃以上となるように加熱しながらスパッタリング、イオ
ンプレーティング、真空蒸着のいずれかの方法で表面金
属被覆処理するようにした技術が開示されている。
【0010】なお、特開平1−252657号公報に
は、液晶ポリエステルと熱可塑性樹脂とからなる耐熱性
と流動性および機械的性質に優れた樹脂組成物およびそ
の成形品等が開示されており、また、特開平1−292
058公報には、液晶ポリエステルとポリフェニレンス
ルフィドとからなる耐熱性、成形性、流動性、耐加水分
解性、機械的性質に優れた熱可塑性樹脂組成物が開示さ
れているが、成形品表面に金属膜形成処理をする点につ
いては全く開示されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記前者の特公平7−
24328号公報のものは、エッチング処理を行うこと
によって成形体の表面を粗面化し、粗面の凹凸に対する
金属膜の機械的投錨効果に基づいて密着力を得ようとす
るものである。しかし、成形体の表面を粗面化すると成
形体の表面に形成する回路の精密細線化が困難になり、
例えば回路のライン幅0.25mm、隣り合う回路間の
スペース幅0.25mm程度が限界になって、ライン幅
0.1mm以下、スペース幅0.1mm以下のような精
密細線の回路を形成することはできないという問題があ
った。
【0012】また、後者の特許2714440号公報の
ものでは、成形体を表面温度60℃以上に加熱しながら
表面金属被覆処理をしても、液晶性樹脂と金属膜の間に
は化学的結合が介在しないので、金属膜の高い密着性を
得ることは困難であり、特に熱負荷を受けた後の密着性
に問題があった。
【0013】本発明は上記のような問題を解決し、液晶
性樹脂の金属との密着性を改良し、さらに液晶性樹脂の
優れた流動性と耐熱性、機械的物性を活かした薄肉で精
密な寸法安定性に優れた、その表面に金属膜形成処理し
て用いられる成形品用の液晶性樹脂組成物を得ること、
および、特に小型精密電子回路機器などに好適な回路密
着性と耐熱性、寸法安定性の優れた成形回路基板を得る
ことを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は、(1)液晶性樹脂(A)100重量部
に対して少なくとも1個の芳香環を有する反復単位を含
む非液晶性樹脂(B)0.5〜30重量部を含有してな
る成形品用液晶性樹脂組成物であって、該成形品は成形
品表面に金属膜形成処理することを特徴とする成形品用
液晶性樹脂組成物を提供するものである。
【0015】さらに、本発明は、次の成形品用液晶性樹
脂組成物および成形回路基板を提供するものである。 (2) 非液晶性樹脂(B)がポリフェニレンスルフイ
ド、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン
から選ばれた1種以上の非液晶性樹脂であることを特徴
とする(1)記載の成形品用液晶性樹脂組成物、 (3)非液晶性樹脂(B)がポリフェニレンスルフイド
であることを特徴とする(1)記載の成形品用液晶性樹
脂組成物、 (4)液晶性樹脂(A)が下記構造単位(I)、(I
I)、(III)および(IV)からなる液晶性ポリエステル
であることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載の
成形品用液晶性樹脂組成物、
【0016】
【化5】 (ただし式中R1
【0017】
【化6】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【0018】
【化7】 から選ばれた1種以上の基を示し、R3
【0019】
【化8】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。) (5)液晶性樹脂(A)が上記構造単位(I)、(I
I)、(III)、(IV)からなる液晶性ポリエステルであ
って、上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単
位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜
95モル%、構造単位(III)は構造単位(I)、(I
I)および(III)の合計に対して70〜5モル%であ
り、構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/
(II)]は75/25〜95/5であることを特徴とす
る(4)記載の成形品用液晶性樹脂組成物、 (6)液晶性樹脂(A)100重量部に対して充填材
(C)5〜200重量部を含有してなることを特徴とす
る(1)〜(5)いずれか記載の成形品用液晶性樹脂組
成物、 (7)充填材(C)が、繊維径3〜15μm、重量平均
繊維長0.01〜0.6mmであるガラス繊維であり、
その含有量が液晶性樹脂(A)100重量部に対して1
0〜150重量部であることを特徴とする(6)記載の
成形品用液晶性樹脂組成物。 (8)充填材(C)が、繊維径0.05〜5μm、重量
平均繊維長1〜100μmであるウィスカであり、その
含有量が液晶性樹脂(A)100重量部に対して10〜
150重量部であることを特徴とする(6)記載の成形
品用液晶性樹脂組成物。 (9)成形品が、成形品表面にプラズマ処理を施した
後、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング
のいずれかの方法により成形品表面に金属膜形成処理
し、この金属膜上に回路形成されるものであることを特
徴とする(1)〜(8)いずれか記載の成形品用液晶性
樹脂組成物、 (10)成形品が、成形品表面に形成された金属膜に、
レーザ光照射による回路パターニングが行われ、回路形
成されるものであることを特徴とする(1)〜(9)い
ずれか記載の成形品用液晶性樹脂組成物、 (11)(1)〜(10)のいずれかの成形品用液晶性
樹脂組成物を用いて成形した成形品の表面に金属膜が形
成され、この金属膜に回路が形成されてなることを特徴
とする成形回路基板、 (12)成形品の表面に、スパッタリング、真空蒸着、
イオンプレーティングのいずれかの方法により金属膜が
形成されてなることを特徴とする(11)記載の成形回
路基板、 (13)成形品の表面に、プラズマ処理を施した後、ス
パッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングのいず
れかの方法により金属膜が形成されてなることを特徴と
する(12)記載の成形回路基板、 (14)成形品の表面に形成された金属膜に、レーザ光
照射による回路パターニングが行われ、回路形成されて
なることを特徴とする(11)〜(13)のいずれかに
記載の成形回路基板。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の液晶性樹脂(A)とは、
溶融時に異方性溶融相を形成し得るポリマであり、液晶
性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミド、液晶性ポ
リカーボネート、液晶性ポリエステルエラストマなどが
挙げられ、なかでも分子鎖中にエステル結合を有するも
のが好ましく、特に液晶性ポリエステル、液晶性ポリエ
ステルアミドなどが好ましく用いられる。
【0021】本発明に好ましく使用できる液晶性樹脂
(A)は芳香族オキシカルボニル単位としてp−ヒドロ
キシ安息香酸からなる構造単位を含む液晶性ポリエステ
ルであり、また、エチレンジオキシ単位を必須成分とす
る液晶性ポリエステルも好ましく使用できる。さらに好
ましくは下記構造単位(I) 、(III)および(IV)か
らなるポリエステルあるいは(I)、(II)、(III)
および(IV)の構造単位からなるポリエステルであり、
最も好ましいのは(I)、(II)、(III)および(I
V)の構造単位からなるポリエステルである。
【0022】
【化9】 (ただし式中のR1
【0023】
【化10】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【0024】
【化11】 から選ばれた1種以上の基を示し、R3
【0025】
【化12】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。) なお、構造単位(II)および(III)の合計と構造単位
(IV)は実質的に等モルであることが望ましい。
【0026】上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息
香酸および/または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸か
ら生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4´
−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テト
ラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイド
ロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイド
ロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキ
シナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび
4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれ
た一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構
造単位を、構造単位(III) はエチレングリコールから
生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、
イソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェ
ノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビ
ス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカル
ボン酸および4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン
酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した一種以
上の構造単位を各々示す。これらのうちR2
【0027】
【化13】 であり、R3
【0028】
【化14】 であるものが特に好ましい。
【0029】上記構造単位(I)、(II)、(III)お
よび(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の
特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好
ましい。
【0030】すなわち、上記構造単位(I)、(II)、
(III)および(IV)からなる共重合体の場合は、上記
構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、
(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%
が好ましく、40〜93モル%がより好ましい。また、
構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(II
I)の合計に対して70〜5モル%が好ましく、60〜
7モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の(I
I)に対するモル比[(I)/(II)]は好ましくは7
5/25〜95/5であり、より好ましくは78/22
〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位
(II)および(III)の合計と実質的に等モルであるこ
とが好ましい。
【0031】一方、上記構造単位(II)を含まない場合
は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)
および(III)の合計に対して40〜90モル%である
ことが好ましく、60〜88モル%であることが特に好
ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に
等モルであることが好ましい。
【0032】また、液晶性ポリエステルアミドとして
は、上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェ
ノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有し
た異方性溶融相を形成するポリエステルアミドが好まし
い。
【0033】なお、上記好ましく用いることができる液
晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記
構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3´
−ジフェニルジカルボン酸、2,2´−ジフェニルジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族
ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式
ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル、4,4´−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4
´−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−
シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロ
キシ安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸および
p−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範
囲でさらに共重合せしめることができる。
【0034】本発明で使用する液晶性樹脂(A)は、ペ
ンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが
可能なものもある。その際、0.1g/dlの濃度で6
0℃で測定した値で0.5〜15.0dl/gが好まし
く、1.0〜3.0dl/gが特に好ましい。
【0035】また、本発明における液晶性樹脂(A)の
溶融粘度は0.5〜500Pa・sが好ましく、特に1〜
250Pa・sがより好ましい。また、流動性により優れ
た組成物を得ようとする場合には、溶融粘度を50Pa・
s以下とすることが好ましい。なお、この溶融粘度は融
点(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000se
-1の条件下で高化式フローテスターによって測定した
値である。
【0036】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
m1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2)を指す。
【0037】本発明の特性をより発現するために特に限
定されないが、液晶性樹脂(A)の融点が、好ましくは
180〜380℃、より好ましくは210〜360℃で
ある。
【0038】本発明において使用する上記液晶性ポリエ
ステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
【0039】例えば、上記液晶性ポリエステルの製造に
おいて、次の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4´−ジアセ
トキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性
ポリエステルを製造する方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4´−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無
水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化し
た後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを
製造する方法。 (3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール
重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを
反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、
4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重
縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β
−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または
(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方
法。
【0040】液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒
でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネー
ト、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチ
モン、金属マグネシウムなどの金属化合物を触媒として
使用することもできる。
【0041】本発明で用いる非液晶性樹脂(B)は、少
なくとも1個の芳香環を有する反復単位を含むものであ
り、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもかまわない。反
復単位に含まれる少なくとも1個の芳香環は非液晶性樹
脂を構成するポリマの主鎖中に含まれていても側鎖にあ
ってもよい。また、2種以上の原料から製造される熱可
塑性樹脂または熱硬化性樹脂である場合、少なくともそ
の1種以上の原料から生成する反復単位が少なくとも1
個の芳香環を有するものであればよく、ブロックコポリ
マの場合、少なくともいずれか一方のブロックの反復単
位に少なくとも1個の芳香環を有していればよい。少な
くとも1個の芳香環を有する反復単位は、非液晶性樹脂
を構成する全反復単位中、10モル%以上含むものであ
ることが好ましく、30モル%以上含むものであること
がより好ましい。芳香環は、ベンゼン核を有するものを
いうが、具体的にはベンゼン環、ベンゼン環が2個以
上、好ましくは2〜4個縮合した縮合環であってもよ
い。縮合環としてはナフタレン、アントラセン等が好ま
しく挙げられる。なお、かかる芳香環は置換基を有する
ものであってもよい。
【0042】少なくとも1個の芳香環を有する反復単位
を含む非液晶性樹脂(B)の具体的例を示すとポリスチ
レン、シンジオタクチックポリスチレンなどのスチレン
系樹脂、9T、6T/66、6T/6、6T/12、6
T/610、6I/66、6T/6I、6T/6I/6
6などの6T系あるいは6I系共重合体(6Tはヘキサ
メチレンテレフタレート単位を、6Iはヘキサメチレン
イソフタレート単位を、/は共重合を表す)等の芳香族
ナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート、ポリブチレン−2,6−ナフタレート、ポリエ
チレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレートな
どの非液晶芳香族ポリエステル系樹脂およびこれらの共
重合体、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレ
ンスルフィドに代表されるポリアリーレンスルフィド、
芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリスルホン、芳香族
ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエーテルイミド、芳
香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテルケトン、芳
香族ポリエーテルエーテルケトン、フェノール樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。なかで
もポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエーテルエー
テルケトン、ポリスチレンが、プラズマ処理による改質
効果が高く、より高い密着力を発現することから好まし
く、特にポリフェニレンスルフィドが好ましい。
【0043】本発明で用いるポリフェニレンスルフィド
系樹脂(PPS樹脂)(B)は、下記構造式で示される
繰り返し単位を有する重合体であり、
【0044】
【化15】 耐熱性の観点から上記構造式で示される繰り返し単位を
含む重合体を70モル%以上、更には90モル%以上含
む重合体が好ましい。また、PPS樹脂はその繰り返し
単位の30モル%以下が下記の構造を有する繰り返し単
位等で構成されていてもよい。
【0045】
【化16】 かかるPPS樹脂は通常公知の方法、即ち特公昭45−
3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合
体を得る方法、あるいは特公昭52−12240号公報
や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子
量の大きな重合体を得る方法などによって製造できる。
【0046】本発明において上記の様に得られたPPS
樹脂を空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの
不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶
媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミ
ン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物な
どの官能基含有化合物による活性化など種々の処理を施
した上で使用することももちろん可能である。
【0047】PPS樹脂の加熱による架橋/高分子量化
する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化
性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴ
ンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器
中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるま
で加熱を行う方法が例示できる。
【0048】加熱処理温度は通常、170〜280℃が
選択され、好ましくは200〜270℃である。また、
加熱処理時間は通常0.5〜100時間が選択され、好
ましくは2〜50時間であるが、この両者をコントロー
ルすることにより目標とする粘度レベルを得ることがで
きる。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転
式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率
よくしかもより均一に処理するためには回転式あるいは
撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
【0049】PPS樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気
下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法とし
て、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で、
加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜2
70℃、加熱時間は0.5〜100時間、好ましくは2
〜50時間加熱処理する方法が例示できる。
【0050】加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもま
た回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよい
が、効率よくしかもより均一に処理するためには回転式
あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好まし
い。
【0051】本発明に用いるPPS樹脂は、脱イオン処
理を施されたPPS樹脂であることが好ましい。かかる
脱イオン処理の具体的方法としては酸水溶液洗浄処理、
熱水洗浄処理および有機溶媒洗浄処理などが例示でき、
これらの処理は2種以上の方法を組み合わせて用いても
良い。
【0052】PPS樹脂を有機溶媒で洗浄する場合の具
体的方法として以下の方法が例示できる。洗浄に用いる
有機溶媒として、PPS樹脂を分解する作用などを有し
ないものであれば特に制限はないが、例えばN−メチル
ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルスルホンなどのスルホキシド、スルホン系溶媒、
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセ
トフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジ
プロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル
系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチ
レン、2塩化エチレン、ジクロルエタン、テトラクロル
エタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタ
ノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコールなど
のアルコール、フェノール系溶媒、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などがあげら
れる。これらの有機溶媒のなかでN−メチルピロリド
ン、アセトン、ジメチルホルムアミド、クロロホルムな
どが好ましい。また、これらの有機溶媒は、1種類また
は2種類以上を混合して使用される。有機溶媒による洗
浄の方法としては、有機溶媒中にPPS樹脂を浸漬せし
めるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱
することも可能である。有機溶媒でPPS樹脂を洗浄す
る際の洗浄温度は特に制限はなく、常温〜300℃程度
の任意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなるほど洗
浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃
の洗浄温度で十分効果が得られる。また有機溶媒洗浄を
施されたPPS樹脂は残留している有機溶媒を除去する
ため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。
【0053】PPS樹脂を熱水で洗浄処理する場合の具
体的方法として以下の方法が例示できる。熱水洗浄によ
るPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するた
め、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であること
が好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の水に所
定量のPPS樹脂を投入し、常圧であるいは圧力容器内
で加熱、撹拌することにより行われる。PPS樹脂と水
との割合は、水の多い方が好ましいが、通常、水1リッ
トルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選択され
る。
【0054】PPS樹脂を酸処理する場合の具体的方法
として以下の方法が例示できる。酸処理方法として酸ま
たは酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法
があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能
である。用いられる酸はPPS樹脂を分解する作用を有
しないものであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロ
ロ酢酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボ
ン酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノ
カルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボ
ン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマ
ル酸などのジカルボン酸、硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、
珪酸などの無機酸性化合物などがあげられる。中でも酢
酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施された
PPS樹脂は残留している酸または塩などを除去するた
めに、水または温水で数回洗浄することが好ましい。ま
た洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好まし
い化学的変性の効果を損なわない意味で蒸留水あるいは
脱イオン水であることが好ましい。
【0055】本発明で用いられるPPS樹脂の溶融粘度
は特に制限はないが、通常5〜1000Pa・s(300
℃、剪断速度1000sec-1)のものが好ましく使用
され、10〜600Pa・sの範囲がより好ましい。
【0056】本発明で用いる芳香族ポリエーテルエーテ
ルケトン系樹脂(PEEK樹脂)(B)は、下記構造式
で示される繰り返し単位を有する重合体などが挙げられ
る。
【0057】
【化17】 本発明で用いるポリスチレン系樹脂(B)は、スチレン
及び/またはその誘導体から生成した単位を含有するも
のである。スチレン、その誘導体(これらを総称して芳
香族ビニル系単量体と称する場合がある)から生成した
単位の具体例として、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、p−メチルスチレン、p−t−ブチル
スチレンなどが挙げられるが、特にスチレン、α−メチ
ルスチレンが好ましい。また、これらを併用することも
できる。
【0058】本発明において好ましいポリスチレン系樹
脂として、PS(ポリスチレン)等のスチレン系重合
体、HIPS(高衝撃ポリスチレン)等のゴム強化スチ
レン系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン共重
合体)等のスチレン系共重合体、AES(アクリロニト
リル/エチレン・プロピレン・非共役ジエンゴム/スチ
レン共重合体)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエ
ン/スチレン共重合体)、MBS(メタクリル酸メチル
/ブタジエン/スチレン共重合体)などのゴム強化
(共)重合体等が挙げられ、なかでもポリスチレンが好
ましい。
【0059】本発明で用いる非液晶性樹脂(B)の配合
量は、流動性、耐熱性、機械的物性などの液晶性樹脂
(A)の特長を損なわずに金属膜密着性を改良する効果
を同時に発揮する観点から、液晶性樹脂(A)100重
量部に対し、0.5〜30重量部、好ましくは3〜25
重量部、より好ましくは5〜15重量部である。
【0060】本発明において表面に金属膜形成処理する
ことを特徴とする成形品用液晶性樹脂組成物は、充填材
(C)を使用することが可能であり、特に限定されるも
のではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状など非繊維
状の充填材を使用することができる。具体的には例え
ば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステ
ンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊
維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、
セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、ア
ルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素
繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカ、チタ
ン酸バリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ、
窒化ケイ素ウィスカなどの繊維状、ウィスカ状充填材、
マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、
ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルー
ン、クレー、二硫化モリブデン、ワラストナイト、酸化
チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイ
トなどの粉状、粒状あるいは板状の充填材が挙げられ
る。
【0061】本発明に使用する上記の充填材はその表面
を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリン
グ剤、チタネート系カップリング剤など)や、その他の
表面処理剤で処理して用いることもできる。
【0062】上記の充填材(C)の含有量は液晶性樹脂
(A)100重量部に対し、通常、5〜200重量部が
好ましく、より好ましくは30〜100重量部、特に好
ましくは35〜80重量部である。
【0063】本発明において上記充填材中、ガラス繊維
が特に好ましく使用される。ガラス繊維の種類は、一般
に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例え
ば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストラン
ド、ミルドファイバなどから選択して用いることができ
る。また、これらのうち2種以上を併用して使用するこ
ともできる。本発明で使用されるガラス繊維としては、
弱アルカリ性のものが機械的強度の点で優れており、好
ましく使用できる。また、ガラス繊維はエポキシ系、ウ
レタン系、アクリル系などの被覆あるいは収束剤で処理
されていることが好ましく、エポキシ系が特に好まし
い。またシラン系、チタネート系などのカップリング
剤、その他表面処理剤で処理されていることが好まし
く、エポキシシラン、アミノシラン系のカップリング剤
が特に好ましい。
【0064】本発明の成形品用液晶性樹脂組成物の製造
に用いるガラス繊維の繊維径は、補強効果、成形時の流
動性および金属膜密着性の点から3〜15μmが好まし
く、より好ましくは5〜15μmである。
【0065】本発明の成形品用液晶性樹脂組成物におい
て、ガラス繊維の繊維長分布が本発明の効果に影響を与
える可能性がある。即ち、成形品用液晶性樹脂組成物中
のガラス繊維の重量平均繊維長は、補強効果、成形時の
流動性および金属膜密着性の点から、0.01〜0.6
mmが好ましく、0.1〜0.4mmがより好ましい。
【0066】なお、ガラス繊維の繊維長分布の測定方法
は成形品用液晶性樹脂組成物のペレット約5gをるつぼ
中で灰化した後、残存したガラス繊維のうちから約10
0mgを採取し、100ccの石鹸水中に分散させる。
ついで、分散液をスポイドを用いて1〜2滴スライドガ
ラス上におき、顕微鏡下に観察して、写真撮影する。写
真に撮影されたガラス繊維の繊維長を測定する。測定は
500本行い、繊維長0.010mm間隔で繊維長の分
布図を作製する。この分布図をもとに下式より重量平均
繊維長を計算することができる。
【0067】Lw=(ΣLi 2i)/(ΣLii) (Lw:重量平均繊維長、Li:0.10mm間隔の繊維
長、Ni:Liの本数) 本発明の成形品用液晶性樹脂組成物におけるガラス繊維
の含有率は、液晶性樹脂(A)100重量部に対して1
0〜150重量部が好ましく、より好ましくは25〜1
00重量部、特に好ましくは35〜80重量部である。
上記下限以上であると優れた補強効果や耐熱性が得ら
れ、上記上限以下であると、より優れた流動性や金属膜
密着性が得られる。
【0068】上記ガラス繊維は、特に後述の小型精密電
子回路機器用の精密電子回路基板などの小型精密化を図
る成形基板の充填材(C)として好適である。
【0069】また、本発明において、充填材(C)とし
てウィスカも特に好ましく使用できる。ウィスカとし
て、前記チタン酸カリウムウィスカなど例示した以外
に、酸化亜鉛、アルミナ、チタン酸カルシウム、珪酸ア
ルミニウム、珪酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、炭
酸カルシウム、マグネシウムオキサルフェートなどのウ
ィスカもあり、特にホウ酸アルミニウムウィスカが成形
性および液晶性樹脂組成物との親和性や補強効果および
表面平滑性の点で優れ、好ましい。また、これらより2
種以上を混合して使用してもよく、それぞれの材料が特
徴とする液晶性樹脂組成物との親和性や補強効果あるい
は表面平滑性を併せた効果が期待できる。
【0070】また、成形時の流動性、金属膜密着性およ
び成形品の表面平滑性の点から、これらのウィスカの径
は、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜3μmがよ
り好ましい。そして、ウィスカの重量平均繊維長は、1
〜100μmが好ましく、5〜70μmがより好まし
い。
【0071】また、ウィスカの含有量は、液晶性樹脂
(A)100重量部に対して10〜150重量部が好ま
しく、より好ましくは25〜100重量部、特に好まし
くは35〜80重量部である。上記下限以上であると優
れた補強効果や耐熱性が得られ、上記上限以下である
と、より優れた流動性や金属膜密着性および成形品の表
面平滑性が得られる。
【0072】上記ウィスカは、特に後述の小型精密電子
回路機器用の精密電子回路基板などの小型精密化は勿論
のこと、さらに回路をライン幅0.1mm以下、スペー
ス幅0.1mm以下に微細化して超小型超精密化を図る
成形基板の充填材(C)として好適である。
【0073】さらに、本発明の表面に金属膜形成処理す
ることを特徴とする成形品用液晶性樹脂組成物には、酸
化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノー
ル、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換
体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サ
リシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンな
ど)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑
剤、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料(たと
えば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色
剤、離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、
そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラ
ミドおよびポリエチレンワックスなど)、導電剤あるい
は着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、
難燃剤(例えばブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェ
ニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグ
ネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩、
赤燐など)、難燃助剤、摺動性改良剤(グラファイト、
フッ素樹脂)、帯電防止剤などの通常の添加剤、他の重
合体(ポリアミド、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリ
エーテルスルホン、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、アイオノマ樹脂等)を添加して、所定の特
性をさらに付与することができる。
【0074】本発明の成形品用液晶性樹脂組成物は通常
公知の方法で製造される。
【0075】例えば、液晶性樹脂(A)成分及び非液晶
性樹脂(B)成分に必要な添加剤および充填材(C)を
予備混合した後、押出機などに供給して十分溶融混練す
ることにより調製される。また、充填材(C)を添加す
る場合、充填材の繊維長をコントロールするために好ま
しくは、液晶性樹脂(A)、非液晶性樹脂(B)および
添加剤を押出機の元から投入し、充填材(C)をサイド
フィーダを用いて押出機へ供給することにより調整され
る。
【0076】かくして得られる成形品用液晶性樹脂組成
物は、流動性と耐熱性、機械的物性に優れ、かつ、金属
膜密着性に優れていることから、成形品表面に金属膜形
成処理される成形品に特に適している。
【0077】なお、成形品を成形するにあたっての成形
方法は通常の成形方法(射出成形、押出成形、ブロー成
形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)に
より三次元成形品に加工することができ、特にその優れ
た流動性を生かし、1.0mm以下の薄肉部を有する成
形品に好ましく適用できる。なかでも射出成形用途に特
に好適であり、各種機械機構部品、自動車部品、特に電
気電子部品に好適である。
【0078】次に、このようにして得られた本発明の成
形品を用いた成形回路基板の作製方法を図1に示す。
【0079】図1(a)はガラス繊維またはウィスカが
充填された液晶性樹脂組成物が多様な立体形状に射出成
形された成形品1を示す。
【0080】成形品1の補強効果、成形時の流動性およ
び金属膜密着性の点から、この表面にライン幅0.25
mm以下、スペース幅0.25mm以下の回路を形成す
る場合には、ガラス繊維の繊維径は、3〜15μmが好
ましく、また3〜10μmがより好ましく、重量平均繊
維長は0.01〜0.6mmが好ましく、また0.1〜
0.4mmがより好ましく、ガラス繊維の含有量は、液
晶性樹脂(A)100重量部に対して10〜150重量
部が好ましく、また25〜100重量部がより好まし
い。
【0081】また、ウィスカであれば、ウィスカの径は
0.05〜5μmが好ましく、平均繊維長は1〜100
μmが好ましく、ウィスカの含有量は、液晶性樹脂
(A)100重量部に対して10〜150重量部が好ま
しく、また25〜100重量部がより好ましい。
【0082】また、特にライン幅0.1mm以下、スペ
ース幅0.1mm以下の微細回路を形成する場合には、
ウィスカの方が、ガラス繊維より表面平滑性に優れ、後
述のレーザ光照射による回路パターンエッジ部の金属膜
の除去性が良好で回路パターン寸法精度が向上するため
好ましい。このときのウィスカの径は0.05〜3μm
が好ましく、平均繊維長は5〜70μmが好ましく、ウ
ィスカの含有率は、液晶性樹脂(A)100重量部に対
して25〜100重量部が好ましく、また35〜80重
量部がより好ましい。
【0083】また、ライン幅0.05mm以下、スペー
ス幅0.05mm以下の微細回路を形成する場合には、
ウィスカの径は0.05〜2μmが好ましく、平均繊維
長は3〜50μmが好ましく、ウィスカの含有率は、液
晶性樹脂(A)100重量部に対して25〜100重量
部が好ましく、また35〜80重量部がより好ましい。
【0084】このようにして得られた本発明の成形品の
表面に金属膜を形成するにあたっては、まず成形品の表
面をプラズマ処理し、成形品の表面を活性化させる。図
1(b)に、表面がプラズマ処理されて活性化した状態
(目視では見えない)の成形品2を示す。プラズマ処理
は、チャンバー内に一対の電極を対向配置し、一方の電
極に高周波電源を接続すると共に他方の電極を接地して
構成したプラズマ処理装置を用いて行うことができる。
そして、成形品の表面をプラズマ処理するにあたって
は、成形品を電極間において一方の電極の上にセット
し、チャンバー内を真空引きして10-4Pa程度に減圧
した後、チャンバー内にN2やO2等の化学的に活性なガ
スを導入して流通させると共に、チャンバー内のガス圧
を8〜15Paに制御し、次に高周波電源によって電極
間に高周波電圧(RF:13.56MHz)を10〜1
00秒程度印加する。この時、電極間の高周波グロー放
電による気体放電現象によって、チャンバー内の活性ガ
スが励起され、陽イオンやラジカル等のプラズマが発生
し、陽イオンやラジカル等がチャンバー内に形成され
る。そしてこれらの陽イオンやラジカルが成形品の表面
に衝突することによって、成形品の表面を活性化するこ
とができるものである。特に陽イオンが成形品に誘引衝
突すると、成形品の表面に金属と結合し易い窒素極性基
や酸素極性基が導入されるので、金属膜との密着性がよ
り向上するものである。尚、プラズマ処理条件は上記の
ものに限定されるものではなく、成形品の表面がプラズ
マ処理で過度に粗面化されない範囲で、任意に設定して
行うことができるものである。また、プラズマ処理は中
間処理であるため、プラズマ処理と同様な表面活性化が
できるものであれば、プラズマ処理に代わる表面処理方
法を用いてもよい。
【0085】上記のようにプラズマ処理をした後、スパ
ッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどから
選ばれる物理蒸着法(PVD法)で回路形成用基板の表
面に金属膜を形成する。
【0086】図1(c)に、このように金属膜が形成さ
れた成形品3を示す。ここで、成形品1をチャンバー内
でプラズマ処理した後、チャンバー内を大気開放するこ
となく、プラズマ処理された成形品2を上記の物理蒸着
法で行うようにして、連続プロセス化するのがよい。金
属膜を形成する金属としては、銅、ニッケル、金、アル
ミニウム、チタン、モリブデン、クロム、タングステ
ン、スズ、鉛、黄銅、ニクロムなどの単体、あるいは合
金を用いることができる。
【0087】ここで、スパッタリングとしては例えばD
Cスパッタ方式を適用することができる。まずチャンバ
ー内に成形品を配置した後、真空ポンプによりチャンバ
ー内の圧力が10-4Pa以下になるまで真空引きし、こ
の状態でチャンバー内にアルゴン等の不活性ガスを0.
1Paのガス圧になるように導入する。さらに500V
の直流電圧を印加することによって、銅などのターゲッ
トをボンバードし、通常0.3〜0.5μm厚みの銅な
どの金属膜を成形品の表面に形成することができる。
【0088】また、真空蒸着としては電子線加熱式真空
蒸着方式を適用することができる。まず真空ポンプによ
りチャンバー内の圧力が10-3Pa以下になるまで真空
引きした後、400〜800mAの電子流を発生させ、
この電子流をるつぼの中の銅などの蒸着材料に衝突させ
て加熱すると蒸着材料が蒸発し、通常0.3〜0.5μ
m厚みの銅などの金属膜を成形品の表面に形成すること
ができる。
【0089】また、イオンプレーティングで金属膜を形
成するにあたっては、まず真空ポンプによりチャンバー
内の圧力が10-4Pa以下になるまで真空引きした後、
400〜800mAの電子流を発生させ、この電子流を
るつぼの中の銅などの蒸着材料に衝突させて加熱すると
蒸着材料が蒸発し、成形品とるつぼの間にある誘導アン
テナ部にアルゴン等の不活性ガスを導入し、ガス圧を
0.05〜0.1Paにして、プラズマを発生させ、そ
して誘導アンテナに13.56MHzの高周波で500
Wのパワーを印加すると共に、100〜500Vの直流
電圧のバイアス電圧を印加することによって、通常0.
3〜0.5μm厚みの銅などの金属膜を成形品の表面に
形成することができる。
【0090】上記のようにして物理蒸着法で成形品の表
面に金属膜を形成するにあたって、成形品の表面は上記
のようにプラズマ処理によって化学的に活性化されてい
るものであり、成形品の表面に対する金属膜の密着性を
高く得ることができるものである。
【0091】以下、さらにMID等の回路形成について
説明すると、上記のように成形回路基板の基板となる多
様な立体形状を有する成形品1の表面に通常0.3〜
0.5μm厚みの銅などの金属膜が形成された成形品3
の金属膜上に回路を形成することによって、MID等の
成形回路基板として仕上げることができるものである。
【0092】次に、回路パターン形成は例えばレーザ法
によって行うことができる。
【0093】図1(d)に、回路形成部分4と回路非形
成部分5との境界に沿ってレーザ光が照射され、回路形
成部分4の金属膜密着性を低下させずに、この境界部分
6の金属膜が除去されることによって、回路形成部分4
の金属膜が回路パターンとして分離された状態を示す。
ここで一般に、レーザ光照射による金属膜除去は、成形
品表面の凹凸の影響を受け、パターンエッジ部の金属膜
除去の過不足が発生し易く、パターンエッジラインに凹
凸が発生しパターンエッジ部の寸法がばらつく問題があ
るが、本発明では、成形品の表面平滑性が優れるため、
パターンエッジ部の金属膜除去の過不足が発生し難く、
パターンエッジ部の寸法精度が良く、回路パターンの精
密細線化や回路パターン間隙の最小化による高密度化が
図り易い。特に、充填材として前述の特定したウィスカ
を使用する場合は表面平滑性がさらに優れ、パターン幅
およびパターン間隙を0.1mm以下、さらには0.0
5mm以下に形成することが容易となる。
【0094】次に、回路形成部分4の金属膜のみに銅な
どの電解メッキを施し、通常5〜20μm厚みの導電層
にする。
【0095】図1(e)に、このように電解メッキが施
された回路形成部分7を示す。
【0096】次に、図1(e)の金属膜全体にソフトエ
ッチング処理を加えて、通常0.3〜0.5μm厚みの
回路非形成部分5に残る金属膜を除去すると共に、電解
メッキを施した回路形成部分7は大部分を残存させるこ
とによって、図1(f)に示すような、所望の形状の回
路パターン8を形成した成形回路基板9を得ることがで
きるものである。なお、この回路パターン8の表面に、
さらにニッケルメッキや金メッキ等の処理を行い、必要
に応じて他の導電層を通常数μm厚みで設けるようにし
てもよい。
【0097】この回路形成において、本発明の成形品用
液晶性樹脂組成物を用い、回路基板として好ましい組成
にて成形品を作製し、上記のプラズマ処理による成形品
表面の活性化、上記の物理蒸着法による金属膜形成、レ
ーザ光照射の金属膜除去による回路パターン形成、電解
メッキ処理、ソフトエッチング処理などの種々なプロセ
スを組合せると非常に相性が良く、所望の特性を低下さ
せずに各プロセスの処理品質が向上する。この結果、従
来に比べ、回路パターンの密着性および機械強度、耐熱
性や寸法安定性が優れ、多様な立体形状により小型化や
超小型化された成形回路基板を得ることができる。ま
た、この成形回路基板は、特に小型精密電子回路機器な
どに好適に用いることができる。
【0098】勿論、こうして得られる金属膜形成された
成形品は、MIDのような成形回路基板の他に、表面に
金属膜形成処理するものであればいかなる用途に使用す
ることも可能であり、センサ、LEDランプ、コネク
タ、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイ
ルボビン、コンデンサ、バリコンケース、DVD、CD
等の光ピックアップ部品(レンズホルダ、スライドベー
ス等)、水晶等の発振子、各種端子板、変成器、プラ
グ、プリント配線板、チューナ、小型モータ、磁気ヘッ
ドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液
晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャー
シ、HDD部品、モーターブラッシュホルダ、内蔵アン
テナ、パラボラアンテナ、コンピュータ関連部品、携帯
電話などの携帯情報端末機器用部品などに代表される電
気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘ
アードライヤ、炊飯器部品、電子レンジ部品、マイクロ
ホン、ヘッドホン、スピーカ、オーディオ・レーザーデ
ィスク(登録商標)・コンパクトディスク・ミニディス
クなどの音響・音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、
エアコン部品、感光ドラム、用紙用分離爪などのコピー
部品、プリンタ部品、タイプライタ部品、ワードプロセ
ッサ部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、フ
ァックス関連部品、複写機関連部品、オフィスコンピュ
ータ関連部品、電話機関連部品、洗浄用治具、オイルレ
ス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、各種ギ
ア、モータ部品などが挙げられる。また、機械関連部
品、光学機器、精密機械関連部品、自動車・車両関連部
品、その他各種用途でも金属膜形成処理する成形品用途
に有用である。
【0099】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 参考例1 LCP1:p−ヒドロキシ安息香酸11.05kg、
4,4´−ジヒドロキシビフェニル1.40kg、テレ
フタル酸1.25kg、固有粘度が約0.6dl/gのポリ
エチレンテレフタレート2.40kgおよび無水酢酸1
0.67kgを圧力容器に仕込み、窒素雰囲気下130
〜150℃で4時間反応させた後、2.5時間かけて2
50℃まで昇温し、250℃で2.5時間反応させ、さ
らに2時間かけて320℃まで昇温させた後、1.5時
間で系内を1mmHgまで減圧させることにより脱酢酸
重縮合反応を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位
80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エ
チレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボ
ン酸単位20モル当量からなる融点314℃、溶融粘度
25Pa・s(324℃、オリフィス0.5mm直径×1
0mm、剪断速度1,000(1/秒))のペレットを得
た。 参考例2 PPS(リニアタイプ):M2588(東レ社製)を使
用した。 参考例3 PEEK:450PF(ビクトレックス社製)を使用し
た。 参考例4 PS:G690K(日本ポリスチレン社製)を使用し
た。
【0100】各評価については、次に述べる方法にした
がって測定した。 (1)流動性:下記成形機を用いて、射出速度99%、
射出圧力500kgf/cm2の条件で0.5mm厚×
12.7mm巾の試験片を成形し、流動長(棒流動長)
を測定した。 (2)耐熱性:下記成形機を用いて、3.2mm厚×1
2.7mm巾×127mm長のテストピースを成形し、
ASTM D648に従って測定し、荷重たわみ温度
(DTUL)を求めた(1.82MPa)。 (3)曲げ特性:下記成形機を用いて、3.2mm厚×
12.7mm巾×127mm長のテストピースを成形
し、ASTM D790に従って測定し、曲げ強度、曲
げ弾性率を求めた。 (4)金属膜密着性:下記成形機を用いて、1mm厚×
40mm巾×30mm長のテストピースを成形した。
【0101】この樹脂成形体の表面をプラズマ処理し,
さらにDCマグネトロンスパッタリング装置を使って金
属層を形成した。すなわち、まず樹脂成形体をプラズマ
処理装置のチャンバー内にセットし、チャンバー内を真
空引きして10-4Pa程度に減圧した後、チャンバー内
に活性ガスとしてN2を導入して流通させると共に、チ
ャンバー内のガス圧を10Paに制御し、この後、電極
間にパワー300Wの高周波電圧(RF:13.56M
Hz)を30秒間印加することによって、プラズマ処理
を行った。
【0102】次に、チャンバー内の圧力が10-4Pa以
下になるまで真空引きし、この状態でチャンバー内にア
ルゴンガスを0.1Paのガス圧になるように導入した
後、更に500Vの直流電圧を印加することによって、
銅ターゲットをボンバードし、樹脂成形体の表面に40
0nmの膜厚の銅の金属層を形成した。次に、レーザに
より剥離強度試験用パターン(幅5mm)を施した後、
銅の金属層の表面に電解メッキで銅メッキを施し、厚み
15μmの金属膜を形成した。
【0103】そして、万能試験機(島津製作所製EG
TEST)を用いて,単位幅あたりの銅膜引き剥がし強
度(90度ピール強度)を求めた。 実施例1〜5、比較例1 表1に示した割合で日本製鋼所製TEX30型2軸押出
機を用いて、LCP1を液晶性樹脂(A)として、非液
晶性樹脂(B)をドライブレンドし、元から供給し、ガ
ラス繊維(6μm径、3mm長、日本電気硝子製ECS
03T−790DE)を液晶性樹脂(A)100重量部
に対し表1で示した量をサイドフィーダから供給し、シ
リンダ温度315℃設定で溶融混練してペレットとし
た。このペレット中のガラス繊維の重量平均繊維長を測
定した。このペレットを射出成形機(ファナック(株)
製ロボショット30α−C)に供し、シリンダ温度32
0℃、金型温度90℃の条件で各評価項目ごとの方法で
試験片を成形した。 比較例2 PPSのかわりにナイロン6(東レ製アミランCM10
10)を使用した以外は実施例1と同様の方法で評価し
た。
【0104】表1からも明らかなように本発明の組成物
は、比較例の組成物に比べ、金属膜との密着性に優れ、
かつ、流動性、耐熱性、機械的物性に優れていることが
わかる。
【0105】
【表1】
【0106】実施例6,7、比較例3 表2に示した割合で日本製鋼所製TEX30型2軸押出
機を用いて、LCP1を液晶性樹脂(A)として、非液
晶性樹脂(B)をドライブレンドし、元から供給し、ホ
ウ酸アルミニウムウィスカ(0.5〜1μm径、10〜
30μm長、四国化成工業製アルボレックスYS3A)
を液晶性樹脂(A)100重量部に対し表2で示した量
をサイドフィーダから供給し、シリンダ温度315℃設
定で溶融混練してペレットとした。このペレット中のホ
ウ酸アルミニウムウィスカの重量平均繊維長を測定し
た。このペレットを射出成形機(ファナック(株)製ロ
ボショット30α−C)に供し、シリンダ温度320
℃、金型温度90℃の条件で各評価項目ごとの方法で試
験片を成形した。
【0107】表2からも明らかなように本発明の組成物
は比較例の組成物に比べ、金属膜との密着性に優れ、か
つ、流動性、耐熱性、機械的物性に優れていることがわ
かる。
【0108】
【表2】
【0109】
【発明の効果】本発明の成形品用液晶性樹脂組成物は、
金属膜密着性、流動性、耐熱性、機械的物性に優れてい
ることから、成形回路基板のような金属膜を形成する成
形品に好適な材料である。また、本発明の成形回路基板
は、この成形品用液晶性樹脂組成物に、MIDの上記の
回路形成プロセスを組合せることで、小型化やさらに超
小型化された多様な立体形状にて、回路パターンの密着
性および機械強度、耐熱性や寸法安定性が優れた精密電
子回路基板を実現できる。
【0110】本発明の請求項1乃至8に係る成形品用液
晶性樹脂組成物は、液晶性樹脂(A)100重量部に対
して少なくとも1個の芳香環を有する反復単位を含む非
液晶性樹脂(B)0.5〜30重量部を含有してなる成
形品用液晶性樹脂組成物であって、前記成形品は成形品
の表面に金属膜が形成されるものであり、金属膜密着
性、流動性、耐熱性、機械的物性に優れた成形品が得ら
れるものである。
【0111】本発明の請求項2乃至3に係る成形品用液
晶性樹脂組成物は、請求項1の構成のなかでも特定の非
液晶性樹脂(B)を選択することによって、さらに金属
膜密着性に優れた成形品が得られるものである。
【0112】本発明の請求項4乃至5に係る成形品用液
晶性樹脂組成物は、請求項1乃至3のいずれかの構成の
なかでも特定の液晶性樹脂(A)を選択することによっ
て、さらに金属膜密着性に優れた成形品が得られるもの
である。
【0113】本発明の請求項6に係る成形品用液晶性樹
脂組成物は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加え
て、液晶性樹脂(A)100重量部に対して充填材
(C)5〜200重量部を含有してなることによって、
さらに金属膜密着性、耐熱性、機械的物性に優れた成形
品が得られるものである。
【0114】本発明の請求項7に係る成形品用液晶性樹
脂組成物は、請求項6の構成のなかでも充填材(C)と
して特定量の特定のガラス繊維を選択することによっ
て、さらに金属膜密着性、流動性、耐熱性、機械的物性
に優れた成形品が得られるものである。
【0115】本発明の請求項8に係る成形品用液晶性樹
脂組成物は、請求項6の構成のなかでも充填材(C)と
して特定量の特定のウィスカを選択することによって、
さらに金属膜密着性、流動性、耐熱性、機械的物性に優
れるだけでなく、表面平滑性にも優れた成形品が得られ
るものであり、回路をより微細化した超小型超精密化を
図る成形基板が得られるものである。
【0116】本発明の請求項9に係る成形品用液晶性樹
脂組成物は、請求項1乃至8いずれかの構成に加えて、
成形品の表面にプラズマ処理を施した後、スパッタリン
グ、真空蒸着、イオンプレーティングのいずれかの方法
により金属膜が形成されることにより、さらに金属膜密
着性に優れた成形品が得られるものである。
【0117】本発明の請求項10に係る成形品用液晶性
樹脂組成物は、請求項1乃至9いずれかの構成に加え
て、成形品の表面に形成された金属膜に、レーザ光照射
による回路パターニングが行われることにより、さらに
金属膜密着性に優れた回路が形成された成形品が得られ
るものである。
【0118】本発明の請求項11に係る成形回路基板
は、請求項1乃至10いずれかの成形品用液晶性樹脂組
成物を用いて成形した成形品の表面に金属膜が形成さ
れ、この金属膜に回路が形成されてなることを特徴とす
る成形回路基板であり、従来に比べ、回路パターンの密
着性および機械強度、耐熱性や寸法安定性が優れた成形
回路基板を得ることができ、特に小型精密電子回路機器
に好適な、多様な立体形状により小型化や超小型化され
た良質の精密電子回路基板が得られるものである。
【0119】本発明の請求項12に係る成形回路基板
は、請求項11の構成に加えて、成形品の表面に、スパ
ッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングのいずれ
かの方法により金属膜が形成されることにより、さらに
金属膜密着性に優れた成形回路基板が得られるものであ
る。
【0120】本発明の請求項13に係る成形回路基板
は、請求項12の構成に加えて、成形品の表面に、プラ
ズマ処理を施した後、スパッタリング、真空蒸着、イオ
ンプレーティングのいずれかの方法により金属膜が形成
されることにより、さらに金属膜密着性に優れた成形品
が得られるものである。
【0121】本発明の請求項14に係る成形品用液晶性
樹脂組成物は、請求項11乃至13いずれかの構成に加
えて、成形品の表面に形成された金属膜にレーザ光が照
射され回路パターニングが行われる時に、回路部の金属
膜密着性を低下させずにレーザ照射部の金属膜が除去さ
れ、また成形品の表面平滑性が優れるため、精密細線化
の寸法精度に優れた回路が形成された成形回路基板が得
られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形回路基板を作製する過程の一実施
例を説明し、(a)及至(f)は、それぞれ斜視図であ
る。
【符号の説明】
1.表面がプラズマ処理される前の成形品 2.表面がプラズマ処理されて活性化した状態の成形品 3.金属膜が形成された成形品 4.回路形成部分 5.回路非形成部分 6.回路形成部分と回路非形成部分との境界部分 7.電解メッキが施された回路形成部分 8.回路パターン 9.成形回路基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/08 H05K 3/08 D 3/14 3/14 A 3/16 3/16 3/38 3/38 A //(C08L 101/00 C08L 81:02 81:02) 71:10 (C08L 101/00 C08L 25:06 71:10) (C08L 101/00 25:06) (72)発明者 岡本 勝 大阪府大阪市北区堂島1丁目6番20号 東 レ株式会社大阪本社内 (72)発明者 池川 直人 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 佐藤 正博 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BC032 BC062 BN072 BN142 BN152 BN162 CC032 CF031 CF041 CF051 CF062 CF072 CF081 CF091 CF101 CF181 CF212 CG012 CH072 CH092 CL032 CM042 CN012 CN032 DA016 DA086 DA096 DC006 DE107 DE136 DE146 DE147 DE187 DE237 DJ006 DJ007 DJ016 DK007 DL006 FA046 FA067 5E339 AB02 AD01 BD11 BE05 DD03 5E343 AA16 AA36 BB23 BB24 BB34 BB35 BB39 BB40 BB55 DD23 DD24 DD25 DD43 EE36 GG02 GG08 GG16

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶性樹脂(A)100重量部に対して少
    なくとも1個の芳香環を有する反復単位を含む非液晶性
    樹脂(B)0.5〜30重量部を含有してなる成形品用
    液晶性樹脂組成物であって、前記成形品は成形品の表面
    に金属膜が形成されるものであることを特徴とする成形
    品用液晶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】非液晶性樹脂(B)が、ポリフェニレンス
    ルフィド、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリス
    チレンから選ばれた1種以上の非液晶性樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の成形品用液晶性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】非液晶性樹脂(B)が、ポリフェニレンス
    ルフィドであることを特徴とする請求項1記載の成形品
    用液晶性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】液晶性樹脂(A)が、下記構造単位
    (I)、(II)、(III)および(IV)からなる液晶性
    ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜3いず
    れか記載の成形品用液晶性樹脂組成物。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示し、R3は 【化4】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。)
  5. 【請求項5】液晶性樹脂(A)が上記構造単位(I)、
    (II)、(III)および(IV)からなる液晶性ポリエス
    テルであって、上記構造単位(I)および(II)の合計
    は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し
    て30〜95モル%、構造単位(III)は構造単位
    (I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5
    モル%であり、構造単位(I)の(II)に対するモル比
    [(I)/(II)]は75/25〜95/5であること
    を特徴とする請求項4記載の成形品用液晶性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】液晶性樹脂(A)100重量部に対して充
    填材(C)5〜200重量部を含有してなることを特徴
    とする請求項1〜5いずれか記載の成形品用液晶性樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】充填材(C)が、繊維径3〜15μm、重
    量平均繊維長0.01〜0.6mmであるガラス繊維で
    あり、その含有量が液晶性樹脂(A)100重量部に対
    して10〜150重量部であることを特徴とする請求項
    6記載の成形品用液晶性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】充填材(C)が、繊維径0.05〜5μ
    m、重量平均繊維長1〜100μmであるウィスカであ
    り、その含有量が液晶性樹脂(A)100重量部に対し
    て10〜150重量部であることを特徴とする請求項6
    記載の成形品用液晶性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記成形品が、成形品の表面にプラズマ処
    理を施した後、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレ
    ーティングのいずれかの方法により金属膜が形成される
    ことを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の成形品用
    液晶性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】前記成形品の表面に形成された金属膜
    に、レーザ光照射による回路パターニングが行われ、回
    路形成されることを特徴とする請求項1〜9いずれか記
    載の成形品用液晶性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかの成形品用液
    晶性樹脂組成物を用いて成形した成形品の表面に金属膜
    が形成され、この金属膜に回路が形成されてなることを
    特徴とする成形回路基板。
  12. 【請求項12】前記成形品の表面に、スパッタリング、
    真空蒸着、イオンプレーティングのいずれかの方法によ
    り金属膜が形成されてなることを特徴とする請求項11
    記載の成形回路基板。
  13. 【請求項13】前記成形品の表面に、プラズマ処理を施
    した後、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティ
    ングのいずれかの方法により金属膜が形成されてなるこ
    とを特徴とする請求項12記載の成形回路基板。
  14. 【請求項14】前記成形品の表面に形成された金属膜
    に、レーザ光照射による回路パターニングが行われ、回
    路形成されてなることを特徴とする請求項11〜13の
    いずれかに記載の成形回路基板。
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