JP5632395B2 - ポリマー組成物、及び審美性の向上したtpo物品 - Google Patents

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Description

本出願は、2009年1月30日出願の米国仮出願番号No.61/148,549の利益を享受する。
本発明は、充填材入り熱可塑性ポリオレフィン(以後、TPOとする)組成物、及び配合操作の少ない、審美性に優れた充填材入りTPO組成物の製造方法に関する。
充填材入りポリプロピレン組成物の使用は、自動車内装及び外装品、電気装置筐体及びカバー、並びに他の消費者製品用途の分野において拡大している。この材料は心地よい触感を与えるため、人気がある。
充填材入りポリプロピレン組成物は一般に、ポリプロピレン、充填材、及び所望の他の成分を溶融配合することにより製造される。これは通常1以上の事前圧縮配合操作を含む。充填材入りポリプロピレン組成物は、高濃度の充填材を含むマスターバッチ組成物の粒子とポリプロピレンの粒子を部品加工装置(例えば成形機)にいれ、そこで粒子を溶融させ、混合し、次いで部品に成形することを含む「アトプレス」配合と呼ばれる方法によっても製造される。充填材入り熱可塑性樹脂のアトプレス配合の詳細は、例えば2008年3月14日出願の米国特許出願公開No.61/036,692(2009年9月17日公開WO2009/114761)、米国特許出願公開No. US2007/0246862A1(2007年4月17日出願)、及びUS2008/0058455A1(2007年6月25日出願)に開示されている。
充填材入りポリプロピレン組成物より成形された物品は、フローマーク及び銀線のような表面欠陥を示す傾向がある。
フローマークは、光沢の異なる交互の縞模様として射出成形製品の表面に現れ、ときには「虎の縞模様」を生じさせる。この縞模様の各帯の方向は射出の間の溶融流れの方向にほぼ垂直である。このマークは成形製品の機械特性に明確な影響を与えるわけではなく、触っても識別できない。しかしながら、その存在は美的の点で受け入れられず、成形部品内の異質な外観のため、高品質基準では許容されないことになる。このことは、自動車部品(例えばインパネ及びバンパー)のようなアスペクト比の高い大きな成形品において顕著である。
プロピレンポリマー樹脂の粘度を低下させることにより成形品の表面外観を向上させる試みがなされた。この手法はフローマークを減少させたが、粘度の低下は耐衝撃性のような他の物性に悪影響を及ぼすことがある。フローマークは成形工程後に製品をアニールすることによっても低下させることができる。しかしながらこのアニール工程は、製品のアニールに多くのエネルギーを必要とし、またアニールに更なる時間を必要とし、射出成形装置にアニール媒体を供給するために装置の改良を必要とする。得られる射出成形製品の外観を向上させるために、ポリプロピレンに低粘性のゴム成分を加えることが提案されている(例えば、米国特許第5,468,808号参照)。2007年3月1日公開のWO2007/024541A2には、充填材入りTPO組成物の外観を向上させるためにフルオロポリマーのような高価な添加剤も用いられている。
今日までの多くの努力にもかかわらず、耐衝撃性のような他の物性に影響を与えることなくプロピレンポリマー組成物から製造される製品中のフローマークを低下させる方法が必要である。
また、優れた外観を有する成形品を必要とする用途(例えば自動車内装)において用いることのできる充填材入りTPO組成物に対する要求もある。例えば、虎縞模様のないもしくは少ない、高延性、高耐衝撃性、及び/又は低剛性の有利なバランスを示し、優れた外観を示し(例えば、成形した場合)、そしてフルオロポリマーを含まないもしくは実質的に含まない部品を与える組成物に対する要求がある。
本発明は、様々な態様において、改良されたTPO組成物及びアトプレス加工法を提供することにより、上記要求の一部もしくはすべてを満たす。本発明の一態様は、ポリマー組成物の総重量を基準として約5重量パーセント以上の無機充填材;高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーであって、i)この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約20〜約90重量パーセント存在する高結晶性部分、及びii)この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約10〜約80重量パーセント存在し、約1,500,000Da以上のz平均分子量、約100,000Da以下の数平均分子量、及び約5以上(好ましくは約7以上、より好ましくは約9以上)の多分散指数を有するキシレン可溶性部分を有する高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー;及び190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約40g/10分以上の溶融流量、及び約3.5以下の多分散指数を有する、比較的低粘度の実質的に線状のエチレンポリマー(LV−SLEP)を含むポリマー組成物に関する。
本発明の他の態様は、ポリマー組成物の総重量を基準として約35重量パーセント以上の無機充填材;高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーであって、i)この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約20〜約90重量パーセント存在する高結晶性部分、及びii)この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約10〜約80重量パーセント存在し、約1,500,000Da以上のz平均分子量、約100,000Daより小さい数平均分子量、及び約5以上(好ましくは約7以上、より好ましくは約9以上)の多分散指数を有するキシレン可溶性部分を有する高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー;及び190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約40g/10分以上の溶融流量、及び約3.5以下の多分散指数を有する、比較的低粘度の実質的に線状のエチレンポリマー(LV−SLEP)を含み、ポリオレフィン希釈剤とアトプレス混合して表面欠陥の低い成形表面を達成するに適したポリマーマスターバッチ(例えばポリマー濃厚物)に関する。
本発明の他の態様は、10重量パーセント以上の上記ポリマーマスターバッチと約40重量パーセント以上の、230℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約2.5g/10分以上の溶融流量を有する希釈剤ポリプロピレンとを溶融混合してマスターバッチ含有ポリマー組成物の溶融混合物を形成すること、及びこのマスターバッチ含有ポリマー組成物を成形することの工程を含む、マスターバッチ含有ポリマー組成物を有する少なくとも1つの部品を含む成形品の製造方法に関する。
本発明の他の態様において、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の総重量を基準として約5重量パーセント〜約30重量パーセントの無機充填材;高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーであって、i)この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約20〜約90重量パーセント存在する高結晶性部分、及びii)この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約10〜約80重量パーセント存在し、約1,500,000Da以上のz平均分子量、約100,000Da以下の数平均分子量、及び約5以上(好ましくは約7以上、より好ましくは約9以上)の多分散指数を有するキシレン可溶性部分を有する高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー;190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約40g/10分以上の溶融流量、及び約3.5以下の多分散指数を有する、比較的低粘度の実質的に線状のエチレンポリマー(LV−SLEP);及び230℃においてASTM D-1238により測定し、約4g/10分以上(好ましくは約5〜約100g/10分)の溶融流量および約130℃以上の溶融温度を有する低粘度ポリプロピレンを含む、自動車内装成形用途に用いる充填材入り熱可塑性ポリオレフィン組成物(すなわち充填材入りTPO組成物)である。好ましくは、前記低粘度ポリプロピレンは、ポリプロピレンホモポリマー、耐衝撃性ポリプロピレンコポリマー、約7重量パーセント以下のエチレン濃度を有するポリプロピレンランダムコポリマー、及びこれらの組み合わせの1種以上より選ばれる。
マスターバッチのキシレン可溶性画分のz分子量と高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの濃度の間の関係を示すグラフである。
ポリプロピレンと10%の、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含まないタルクMBをアトプレスすることにより製造される射出成形した板の例を示す。
ポリプロピレンと10%の、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含むタルクMBをアトプレスすることにより製造される射出成形した板の例を示す。
ポリプロピレンと20%の、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含まないタルクMBをアトプレスすることにより製造される射出成形した板の例を示す。
ポリプロピレンと20%の、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含むタルクMBをアトプレスすることにより製造される射出成形した板の例を示す。
約23℃、約0℃、約−20℃、及び約−30℃において行った、アイゾット耐衝撃性試験により測定した耐衝撃性と、高粘度ポリプロピレンコポリマーを用いて及び用いずに製造した充填材入りTPO組成物の曲げ弾性率の間の関係を示すグラフである。 約23℃、約0℃、約−20℃、及び約−30℃において行った、アイゾット耐衝撃性試験により測定した耐衝撃性と、高粘度ポリプロピレンコポリマーを用いて及び用いずに製造した充填材入りTPO組成物の曲げ弾性率の間の関係を示すグラフである。 約23℃、約0℃、約−20℃、及び約−30℃において行った、アイゾット耐衝撃性試験により測定した耐衝撃性と、高粘度ポリプロピレンコポリマーを用いて及び用いずに製造した充填材入りTPO組成物の曲げ弾性率の間の関係を示すグラフである。 約23℃、約0℃、約−20℃、及び約−30℃において行った、アイゾット耐衝撃性試験により測定した耐衝撃性と、高粘度ポリプロピレンコポリマーを用いて及び用いずに製造した充填材入りTPO組成物の曲げ弾性率の間の関係を示すグラフである。
約−30℃及び約−40℃において行った、落槍衝撃試験により測定した延性破壊と、高粘度ポリプロピレンコポリマーを用いて及び用いずに製造した充填材入りTPO組成物の曲げ弾性率の間の関係を示すグラフである。 約−30℃及び約−40℃において行った、落槍衝撃試験により測定した延性破壊と、高粘度ポリプロピレンコポリマーを用いて及び用いずに製造した充填材入りTPO組成物の曲げ弾性率の間の関係を示すグラフである。
約−30℃及び約−40℃において行った、落槍衝撃試験により測定した総衝撃エネルギーと、高粘度ポリプロピレンコポリマーを用いて及び用いずに製造した充填材入りTPO組成物の曲げ弾性率の間の関係を示すグラフである。 約−30℃及び約−40℃において行った、落槍衝撃試験により測定した総衝撃エネルギーと、高粘度ポリプロピレンコポリマーを用いて及び用いずに製造した充填材入りTPO組成物の曲げ弾性率の間の関係を示すグラフである。
本発明は、a)ポリマー組成物の総重量を基準として約5重量パーセント以上の無機充填材、b)高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーであって、i)この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約20〜約90重量パーセント存在する高結晶性部分、及びii)この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約10〜約80重量パーセント存在し、約1,500,000Da以上のz平均分子量を有するキシレン可溶性部分を有する高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー、及びc)190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約40g/10分以上の溶融流量、及び約3.5以下の多分散指数を有する、比較的低粘度の実質的に線状のエチレンポリマー(LV−SLEP)を含む、驚くべきほど向上した審美性及び剛性、耐衝撃強度及び成形性の望ましいバランスを示し、そのような驚くべき特徴を有するTPO組成物の製造用のマスターバッチ(例えば濃厚物)として用いることができるポリマー組成物である。好ましくは、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分は約100,000Da以下の数平均分子量、及び約7以上(より好ましくは約9以上)の多分散指数を有する。
一例として、このポリマー組成物は、無機充填材濃度がTPO組成物の総重量を基準として約5〜約30重量パーセントである充填材入りTPO組成物であり、このTPO組成物はさらに、約130℃以上の融点及び230℃においてASTM D-1238により測定して約4g/10分以上(例えば約5〜約100g/10分)の溶融流量を有する低粘度ポリプロピレンを含み、このTPO組成物は向上した審美性、及び剛性、耐衝撃強度及び成形性の望ましいバランスを有する。好ましくは、この低粘度ポリプロピレンは、ポリプロピレンホモポリマー、耐衝撃性ポリプロピレンコポリマー、約7重量パーセント以下のエチレン濃度を有するポリプロピレンランダムコポリマー、及びこれらの組み合わせの1種以上より選ばれる。
他の例として、このポリマー組成物は、無機充填材濃度が少なくとも30重量パーセントであるポリマーマスターバッチ(例えば濃厚物)である。好ましくは、このポリマーマスターバッチは、約30〜約75重量パーセントの充填材を含む。このポリマーマスターバッチは、向上した審美性、及び剛性、耐衝撃強度及び成形性の望ましいバランスを有する充填材入りTPO組成物の製造に用いることを可能にする新規な特徴を有する。予想外なことに、このポリマーマスターバッチは、スクリュー及びバレル装置に材料を入れる前に、追加ポリマー材料の少なくとも1つとポリマーマスターバッチを溶融配合する工程を行うことなく、スクリュー及びバレル装置を含む装置の使用を含む、ポリマー部品成形工程(例えば成形加工)において1以上の追加ポリマー材料と混合することができる。好ましくは、この1以上の追加ポリマー材料は、1以上のポリオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等である。例えば、このマスターバッチ及び1以上の追加ポリマー材料は別の粒子(例えばペレット)としてスクリュー及びバレル装置に入れ、溶融混合してもよい。このスクリュー及びバレル装置は剪断応力、熱、又は好ましくは両者を、マスターバッチ及び追加ポリマー材料に与えることは明らかである。
充填材入りTPO組成物
充填材入りTPO組成物は1種以上の無機充填材を含む。この充填材入りTPOは、低い直線熱膨張係数、低収縮率、もしくはこの両者を有することができるように十分な濃度の無機充填材を含むべきである。好ましい充填材入りTPO組成物は、このTPO組成物の総重量を基準として、約3重量パーセント以上、好ましくは5重量パーセント以上、より好ましくは約7重量パーセント以上、最も好ましくは約9重量パーセント以上の濃度の無機充填材(例えば粒状無機充填材)を有する。この充填材濃度は、このTPO組成物が押出し、成形もしくはこの両者を行うことができるほど低い粘度を有するほど十分低いべきである。この充填材濃度は、このTPO組成物の総重量を基準として、約40重量パーセント以下、好ましくは約30重量パーセント以下、より好ましくは約24重量パーセント以下、最も好ましくは約18重量パーセント以下である。
充填材入りTPO組成物は、この充填材入りTPO組成物より製造した製品が良好な美的外観を有することができるように十分な量の高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含むことが好ましい。充填材入りTPO組成物中のこの高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの濃度は、充填材入りTPO組成物が容易に成形できる程度である。充填材入りTPO組成物中のこの高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの濃度は、好ましくは約15重量パーセント以下、より好ましくは約10重量パーセント以下、さらにより好ましくは約8重量パーセント以下、最も好ましくは約6重量パーセント以下である。この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの濃度は、好ましくは約0.5重量パーセント以上、より好ましくは約1重量パーセント以上、さらにより好ましくは約2重量パーセント以上、最も好ましくは約3重量パーセント以上である。
充填材入りTPO組成物は、有利には耐衝撃性改良剤をさらに含む。当該分野において公知のあらゆる耐衝撃性改良剤を用いることができる。好ましい耐衝撃性改良剤は、アイソタクチックポリプロピレンホモポリマーの耐衝撃性を向上させることができるものである。限定するものではないが、耐衝撃性改良剤の例は、直鎖もしくは実質的に直鎖のエチレンポリマー(以後「SLEP」とよぶ)、ポリプロピレンエラストマー、オレフィンブロックコポリマー、又はこれらのあらゆる組み合わせを含む。充填材入りTPO組成物は強靭であるように十分な量の耐衝撃性改良剤を含むべきである。耐衝撃性改良剤、SLEPもしくはこの両者の濃度は、充填材入りTPO組成物の総重量を基準として、好ましくは約0.5重量パーセント以上、より好ましくは約1.0重量パーセント以上、さらにより好ましくは約1.5重量パーセント以上、さらにより好ましくは約2重量パーセント以上、最も好ましくは約2.5重量パーセント以上である。充填材入りTPO組成物中の耐衝撃性改良剤の濃度は、この耐衝撃性改良剤が分離相又は相互連続相、好ましくは分離相となるよう十分低いべきである。耐衝撃性改良剤、SLEPもしくはこの両者の濃度は、充填材入りTPO組成物の総重量を基準として、好ましくは約15重量パーセント以下、より好ましくは約9重量パーセント以下、さらにより好ましくは約7重量パーセント以下、最も好ましくは約5重量パーセント以下である。例えば、耐衝撃性改良剤、SLEPもしくはこの両者は約0.5重量パーセント〜約15重量パーセント、あるいは約0.5重量パーセント〜約5重量パーセントの濃度で存在してよい。
充填材入りTPO組成物は、比較的高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの粘度よりも(同一試験条件において)粘度の低い、1種以上の低粘度熱可塑性ポリマーを通常含む。この1種以上の低粘度熱可塑性ポリマーは、押出し、射出成形、もしくはこの両者を行うことができるポリマーであってよい。好ましくは、この1種以上の低粘度熱可塑性ポリマーは、1種以上のポリプロピレンポリマーより選ばれる。この1種以上の低粘度ポリプロピレンポリマーは、ポリプロピレン(例えばアイソタクチックポリプロピレン)が組成物中に連続もしくは共連続相となるように十分な濃度で存在すべきである。この1種以上の低粘度ポリプロピレンポリマーの総濃度は、充填材入りTPO組成物の総重量を基準として、好ましくは約25重量パーセント以上、より好ましくは約40重量パーセント以上、さらにより好ましくは約50重量パーセント以上、さらにより好ましくは約60重量パーセント以上、最も好ましくは約65重量パーセント以上である。この1種以上の低粘度ポリプロピレンポリマーの総濃度は、充填材入りTPO組成物の総重量を基準として、好ましくは約85重量パーセント以下、より好ましくは約80重量パーセント以下、さらにより好ましくは約75重量パーセント以下、さらにより好ましくは約72重量パーセント以下、最も好ましくは約70重量パーセント以下である。限定するものではないが、この1種以上の低粘度ポリプロピレンポリマーは、約40重量パーセント〜約80重量パーセント、あるいは約50重量パーセント〜約75重量パーセントの総濃度で存在する。
充填材入りTPO組成物は、所望により1種以上の添加剤を含み、この添加剤は、限定するものではないが、カップリング剤、難燃剤、発火防止剤、安定剤、着色剤、酸化防止剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ助剤(すなわちスリップ防止剤)、流れ増強剤、核生成剤、清澄剤、又はこれらの組み合わせを含む。
ポリマーマスターバッチ
本発明の一態様は、高濃度の無機充填材を含むポリマーマスターバッチである。ポリマーマスターバッチ中のこの高濃度の無機充填材は、充填剤入りTPO組成物への充填材の有効な混入を可能にする。
このポリマーマスターバッチは、充填材入りTPO組成物において少量のマスターバッチを用いることができるように十分な量の無機充填材を含むべきである。ポリマーマスターバッチ中の無機充填材の濃度は、ポリマーマスターバッチの総重量を基準として、好ましくは約30重量パーセント以上、より好ましくは約35重量パーセント以上、さらにより好ましくは約50重量パーセント以上、最も好ましくは約60重量パーセント以上である。無機充填材の量の上限は、マスターバッチを容易に押出し、ペレット化もしくはこの両者を行うことができる充填材の最大濃度である。ポリマーマスターバッチ中の無機充填材の濃度は、ポリマーマスターバッチの総重量を基準として、好ましくは約85重量パーセント以下、より好ましくは約80重量パーセント以下、さらにより好ましくは約75重量パーセント以下、さらにより好ましくは約70重量パーセント以下、最も好ましくは約65重量パーセント以下である。例えば、ポリマーマスターバッチはその総重量を基準として、約30重量パーセント〜約75重量パーセント、あるいは約60重量パーセント〜約70重量パーセントの無機充填材を含む。
このポリマーマスターバッチは、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含む。この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、ポリマーマスターバッチを含む充填材入りTPO組成物より製造された射出成形部品の審美性を向上させる(例えば虎縞模様を減少させる)ことができるあらゆるプロピレン耐衝撃性コポリマーであってよい。この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、マスターバッチを射出成形される充填材入りTPO組成物に用いた場合に、射出成形された部品が、この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーにかえて他のポリマー(例えば耐衝撃性改良剤)を含むことを除き同じ充填材入りTPO組成物から製造した射出成形部品と比較して、審美性が向上するように十分な量で存在している。ポリマーマスターバッチ中の高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの濃度は、ポリマーマスターバッチの総重量を基準として、好ましくは約60重量パーセント以下、より好ましくは約45重量パーセント以下、さらにより好ましくは約35重量パーセント以下、最も好ましくは約30重量パーセント以下である。高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの濃度は、ポリマーマスターバッチの総重量を基準として、好ましくは約10重量パーセント以上、より好ましくは約15重量パーセント以上、さらにより好ましくは約18重量パーセント以上、最も好ましくは約20重量パーセント以上である。
このポリマーマスターバッチは有利には、耐衝撃性改良剤をさらに含む。アイソタクチックポリプロピレンの耐衝撃性を向上させることができる耐衝撃性改良剤を用いることができる。好ましい耐衝撃性改良剤は、SLEP、ポリプロピレンエラストマー、オレフィンブロックコポリマー、又はこれらのあらゆる組み合わせを含む。耐衝撃性改良剤(例えばSLEP)の濃度は、TPO組成物の衝撃強さを向上させることができるに十分な濃度である。耐衝撃性改良剤の濃度は、ポリマーマスターバッチの総重量を基準として、好ましくは約3重量パーセント以上、より好ましくは約5重量パーセント以上、さらにより好ましくは約7重量パーセント以上、最も好ましくは約10重量パーセント以上である。耐衝撃性改良剤(例えばSLEP)の濃度は、ポリマーマスターバッチの総重量を基準として、好ましくは約50重量パーセント以下、より好ましくは約35重量パーセント以下、さらにより好ましくは約30重量パーセント以下、最も好ましくは約25重量パーセント以下である。例えば、耐衝撃性改良剤、SLEPもしくはこの両者は、ポリマーマスターバッチの総重量を基準として、約5重量パーセント〜約50重量パーセント、あるいは約5重量パーセント〜約20重量パーセント、さらには約10重量パーセント〜約20重量パーセントの濃度で存在してよい。
ポリマーマスターバッチ中の高粘度ポリプロピレン耐衝撃性ポリマーに対する耐衝撃性改良剤(例えばSLEP)の重量比は、耐衝撃性改良剤が分離相もしくは共連続相のいずれかとなるように選択される。ポリマーマスターバッチ中の高粘度ポリプロピレン耐衝撃性ポリマーに対する耐衝撃性改良剤(例えばSLEP)の重量比は、約10:90以上、より好ましくは約10:50以上、さらにより好ましくは約10:30以上、最も好ましくは約10:20以上である。ポリマーマスターバッチ中の高粘度ポリプロピレン耐衝撃性ポリマーに対する耐衝撃性改良剤(例えばSLEP)の重量比は、約10:5以下、より好ましくは約10:8以下、さらにより好ましくは約10:10以下、最も好ましくは約10:12以下である。例えば、ポリマーマスターバッチ中の高粘度ポリプロピレン耐衝撃性ポリマーに対する耐衝撃性改良剤(例えばSLEP)の重量比は、約10:90〜役10:5である。
ポリマーマスターバッチは、好ましくは1種以上の比較的低粘度ポリプロピレンポリマーを実質的にあるいはまったく含まない。ポリマーマスターバッチに用いる場合、この1種以上の低粘度ポリプロピレンポリマーの総濃度は、ポリマーマスターバッチ中のポリマーの総重量を基準として、好ましくは約50重量パーセント以下、より好ましくは約30重量パーセント以下、さらにより好ましくは約20重量パーセント以下、さらにより好ましくは約5重量パーセント以下、さらにより好ましくは約1重量パーセント以下、最も好ましくは約0.2重量パーセント以下である。ポリマーマスターバッチ中のポリマーの総重量は、充填材及び他の非ポリマー成分の重量を差し引いたポリマーマスターバッチの重量である。同様に、ポリマーマスターバッチに用いる場合、1種以上の低粘度ポリプロピレンポリマーの総濃度は、ポリマーマスターバッチ中のポリマーの総重量を基準として、好ましくは約20重量パーセント以下、より好ましくは約10重量パーセント以下、さらにより好ましくは約5重量パーセント以下、さらにより好ましくは約2重量パーセント以下、さらにより好ましくは約0.5重量パーセント以下、最も好ましくは約0.1重量パーセント以下である。
このマスターバッチは従来の溶融配合方法によって製造してよい。好ましい配合方法は、二軸押出機、ニーダー、分散及び/又は分配混合能を有する一軸押出機、内部ミキサー(例えばバンバリーミキサー)等の1つもしくはこれらの組み合わせを用いる方法を含む。有利には、この溶融配合法及び耐衝撃性改良剤は、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの高分子量キシレン可溶性部分の分解を最小にするように選ばれる。例えば、マスターバッチのキシレン可溶性部分は約700,000Da以上、好ましくは約900,000Da以上、より好ましくは約1,000,000Da以上、さらにより好ましくは約1,100,000Da以上、最も好ましくは約1,200,000Da以上のz平均分子量(100%ポリエチレンのユニットで表す)を有する。このz平均分子量は、以下に記載のゲル透過クロマトグラフィーにより測定される。
このマスターバッチは好ましくは押出し等によって粒子もしくはペレットにされ、好ましくは約50mm以下、より好ましくは約25mm以下、もっとも好ましくは焼く10mm以下の最大寸法を有する。
高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー(HVPIC)
高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、高結晶性部分及びキシレン可溶性部分を含み、好ましくはi)このポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約20重量パーセント〜約90重量パーセント存在する高結晶性部分、及びii)このポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約10重量パーセント〜約80重量パーセント存在するキシレン可溶性部分を含む。キシレン可溶性部分の濃度は、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの総重量を基準として、好ましくは約10重量パーセント以上、より好ましくは約15重量パーセント以上、さらにより好ましくは約20重量パーセント以上、最も好ましくは約22重量パーセント以上である。キシレン可溶性部分の濃度は、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの総重量を基準として、好ましくは約80重量パーセント以下、より好ましくは約60重量パーセント以下、最も好ましくは約55重量パーセント以下である。高結晶性部分及びキシレン可溶性部分の総重量は、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの総重量を基準として、好ましくは約50重量パーセント以上、より好ましくは約75重量パーセント以上、さらにより好ましくは約90重量パーセント以上、さらにより好ましくは約95重量パーセント以上、さらにより好ましくは約98重量パーセント以上、最も好ましくは約99重量パーセント以上である。特に好ましい高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、i)高結晶性部分及びキシレン可溶性部分を含むもしくはからなるポリマー成分、及びii)1種以上の添加剤を含む非ポリマー成分からなる。存在する場合、非ポリマー成分の濃度は、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの総重量を基準として、好ましくは約17重量パーセント以下、より好ましくは約6重量パーセント以下、最も好ましくは約3重量パーセント以下である。
高結晶性部分は好ましくはアイソタクチックポリプロピレン、を含み、本質的になり、又は実質的にのみからなる。高結晶性部分中のアイソタクチックポリプロピレンの量は、高結晶性部分の総重量を基準として、好ましくは約80重量パーセント以上、より好ましくは約95重量パーセント以上、最も好ましくは約99重量パーセント以上である。好ましいアイソタクチックポリプロピレンは、アイソタクチックポリプロピレンの総重量を基準として、94重量パーセント以上のプロピレンユニットを含むアイソタクチックポリプロピレンを含む。例えば、アイソタクチックポリプロピレンは、高結晶性部分の総重量を基準として、98重量パーセント以上、好ましくは99重量パーセント以上のプロピレンユニットを有するポリプロピレンコポリマー又はポリプロピレンホモポリマーである。高結晶性部分は、例えば以下の「試験法」において記載する示差走査熱量測定により測定し、この高結晶性部分の総重量を基準として、約30重量パーセント以上、好ましくは約40重量パーセント以上、より好ましくは約50重量パーセント以上、最も好ましくは約60重量パーセント以上の結晶化度を特徴とする。
高結晶性部分は、好ましくはキシレンに不溶である。例えば、熱いキシレン中に入れた場合、この高結晶性部分はこの熱いキシレンに溶解しないか又はこの熱いキシレンを約20℃に冷却すると沈殿する。
高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーもキシレン可溶性部分を含む。このキシレン可溶性部分は、約20℃においてキシレンに可溶である(約1重量パーセントポリマー及び99重量パーセントキシレンの濃度において)。このキシレン可溶性部分は好ましくはポリオレフィンであり、エチレン、プロピレン、又は両者を含むコポリマーであってよい。キシレン可溶性部分に用いるコポリマーの例は、エチレンコポリマー(好ましくは約20〜約80モル%のエチレンを含む)、プロピレンコポリマー(好ましくは約20〜約80モル%のプロピレンを含む)、又はこれらの組み合わせを含む。キシレン可溶性部分に用いるに特に好ましいコポリマーは、少なくとも20モル%エチレンと少なくとも20モル%のプロピレンを含み、このコポリマーの総重量を基準として、エチレンとプロピレンの総濃度が約80重量パーセント、好ましくは約95重量パーセントも最も好ましくは約99重量パーセントであるコポリマーである。
キシレン可溶性部分は好ましくは、高結晶性部分の結晶化度よりも低い結晶化度を有する。キシレン可溶性部分は、示差走査熱量計により測定し、好ましくは約25パーセント以下、より好ましくは約15パーセント以下、最も好ましくは約10パーセント以下の結晶化度を有する。特に好ましいキシレン可溶性部分は室温において非晶質である。
キシレン可溶性部分は好ましくは、比較的高いz平均分子量、比較的広い分子量分布(例えば比較的高い多分散指数)、又はこの両者を有する。キシレン可溶性部分のz平均分子量は、好ましくは約1,500,000Da以上、より好ましくは約1,800,000Da以上、さらにより好ましくは約2,000,000Da以上、最も好ましくは約2,400,000Da以上である。キシレン可溶性部分のz平均分子量は、好ましくは約8,000,000Da以下、より好ましくは約5,000,000Da以下、さらにより好ましくは約3,500,000Da以下、最も好ましくは約3,200,000Da以下である。キシレン可溶性部分の多分散指数(すなわち、重量平均分子量と数平均分子量の比)は、好ましくは約5以上、より好ましくは約7以上、さらにより好ましくは約8以上、最も好ましくは約9以上である。好ましくは、キシレン可溶性部分は比較的低い数平均分子量を有する。キシレン可溶性部分の数平均分子量は、好ましくは約120,000Da以下、より好ましくは約100,000Da以下、さらにより好ましくは約80,000Da以下、最も好ましくは約60,000Da以下である。
高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを充填材及び1種以上のポリマーと配合した後、このブレンドは比較的高いz平均分子量を特徴とするキシレン可溶性部分を有するが、配合前の高粘度耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分のz平均分子量から低下しない。充填材及び1種以上のポリマーと配合後のキシレン可溶性部分のz平均分子量は、好ましくは約1,000,000Da以上、より好ましくは約1,100,000Da以上、さらにより好ましくは約1,200,000Da以上、最も好ましくは約1,500,000Da以上である。
高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、以下の「試験法」に記載の示差走査熱量計により測定し、約140℃以上、好ましくは約150℃以上、より好ましくは約155℃以上、最も好ましくは約160℃以上のピーク融点を特徴とする。
高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、好ましくは約3g/10min以下、より好ましくは約2.5g/10min以下、さらにより好ましくは約2g/10min以下、最も好ましくは約1.5g/10min以下の低溶融流量を有する。高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、好ましくは約0.1g/10min以上、より好ましくは約0.5g/10min以上、さらにより好ましくは約0.8g/10min以上、最も好ましくは約1.0g/10min以上の低溶融流量を有する。この溶融流量は以下に記載の2.16kgの負荷においてISO1133により測定したものである。
高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは反応器内で1以上の配合工程により製造される。この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、1つの、好ましくは多くの重合工程を用いて、最も好ましくは多くの重合工程を用いて反応器内で製造される。
好ましい高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、高破断点引張伸び、高降伏点引張応力、又はこの両者を含む優れた機械特性を有する。好ましい高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、ISO 527-1, -2により測定し、約100%以上、より好ましくは約250%以上、より好ましくは約350%以上、最も好ましくは約400%以上の高破断点引張伸びを特徴とする。好ましい高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、ISO 527-1, -2により測定し、約5MPa以上、より好ましくは約10MPa以上、さらにより好ましくは約15MPa以上、最も好ましくは約20MPa以上の高降伏点引張応力を特徴とする。好ましい高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、ISO 527-1, -2により測定し、約35MPa以下、より好ましくは約30MPa以下、さらにより好ましくは約27MPa以下、最も好ましくは約25MPa以下の高降伏点引張応力を特徴とする。好ましい高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、ISO 178により測定し、約200MPa以上、好ましくは約400MPa以上、より好ましくは約600MPa以上、最も好ましくは約75MPa以上の曲げ弾性率を特徴とする。好ましい高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーは、ISO 178により測定し、約1500MPa以下、好ましくは約1300MPa以下、より好ましくは約1100MPa以下、最も好ましくは約950MPa以下の曲げ弾性率を特徴とする。
耐衝撃性改良剤
充填材入りTPO組成物、ポリマーマスターバッチ、又はこの両者に用いることができる耐衝撃性改良剤は、有利には、低温において変形した際に容易に破壊しないように十分に低いガラス転移温度Tgを有するゴム状材料を含む又は本質的になる。好ましい耐衝撃性改良剤は、0℃以下、より好ましくは−20℃以下、さらにより好ましくは−40℃以下、最も好ましくは−46℃以下のTgを有する。Tgは、ポリマー材料が、例えば機械特性を含む物性が突然の変化を示す際の温度もしくは温度範囲である。耐衝撃性改良剤のTgは、示差走査熱量計によって測定される。
耐衝撃性改良剤は、室温(約20℃)において結晶質又は半結晶質であってよい。好ましくは、この耐衝撃性改良剤は、半結晶質熱可塑性物質である。好ましい耐衝撃性改良剤は、30℃以下、さらには40℃以下の温度においても互いに貼り付かないペレット(例えば粉末充填材もしくはポリマーコーティングのような表面コーティングを用いることなく)に形成してよい。好ましい耐衝撃性改良剤は、その総重量を基準として、約5重量パーセント以上、好ましくは約8重量パーセント以上、より好ましくは約11重量パーセント以上、最も好ましくは約13重量パーセント以上の結晶化度を有する。好ましい耐衝撃性改良剤は、その総重量を基準として、約35重量パーセント以下、好ましくは約30重量パーセント以下、より好ましくは約25重量パーセント以下、最も好ましくは約22重量パーセント以下の結晶化度を有する。耐衝撃性改良剤の結晶化度は、示差走査熱量計により測定される。
耐衝撃性改良剤は、高い溶融流量を特徴とする低粘度を有することが好ましい。例えば、この耐衝撃性改良剤は、約35g/10min以上、好ましくは約50g/10min以上、より好ましくは約100g/10min以上、さらにより好ましくは約300g/10min以上、最も好ましくは約450g/10min以上の溶融流量を有する。高い溶融流量の測定には実用的な課題があり、推定あるいは近似が必要なことがある。この耐衝撃性改良剤は、約177℃において測定し、好ましくは約150,000cps以下、より好ましくは約80,000cps以下、さらにより好ましくは約40,000cps以下、最も好ましくは約25,000cps以下のブルックフィールド粘度を有する。限定するものではないが、耐衝撃性改良剤は約6,000〜約10,000cps(例えば約8,200cps)又は約14,000〜約20,000cps(例えば約17,000cps)のブルックフィールド粘度を有する。
本発明の一態様において、耐衝撃性改良剤は約90℃以下、好ましくは約80℃以下の融点を有する。そのような耐衝撃性改良剤は、高温に過熱すると互いに貼り付くペレットとして入手可能であろう。例えば、耐衝撃性改良剤のペレットは、オーブン中で乾燥しようとする場合のような、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、あるいは約90℃以上の温度に加熱すると互いに貼り付くであろう。有利には、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの特性(例えば結晶化度及び/又は融点)及び濃度は、ポリマーマスターバッチのペレットが上記の乾燥温度において互いに貼り付かないようなものである(例えば約2時間、約4時間、約8時間、あるいは約24時間乾燥後も)。
実質的に線状のもしくは線状エチレンポリマー(SLEP)
この成分(例えば耐衝撃性改良剤)は、1種以上のα−オレフィンエラストマー、例えば、1種以上の線状エチレンコポリマー(LEPとしても知られている)、1種以上の実質的に線状のエチレンコポリマー(SLEPとしても知られている)、又はこの両者を含む、実質的にからなる、又はからなる。ここでSLEPは通常LEPを包含し、エチレンと線状主鎖、特定のかつ限られた量の長鎖分枝を有するもしくは長鎖分枝を有さない、分子量分布の狭い、組成分布の狭い、1種以上のα−オレフィンコポリマーを意味あうる。実質的に線状のエチレンコポリマー及び線状エチレンコポリマー並びにその製造方法は、米国特許第5,272,236号及び5,278,272号に記載されている。
故意に加えたC3〜C20α−オレフィンコモノマーの重合により得られるアルキル側基から線状コポリマー中に短鎖分枝が生ずる。狭い組成分布はときには、均質短鎖分枝ともよばれる。狭い組成分布及び均質短鎖分枝は、α−オレフィンコポリマーがエチレンとα−オレフィンコモノマーのコポリマー内にランダムに分布し、実質的にすべてのコポリマー分子が同じエチレン−コモノマー比を有することを意味している。組成分布の狭さは、組成分布分枝指数(CDBI)の値により示され、ときには短鎖分枝分布指数ともよばれる。CDBIは50パーセントの中央モルコモノマー含量以内のコモノマー含量を有するポリマー分子の重量パーセントと規定される。CDBIは、例えばWild, Journal of Polymer Science, Polymer Physics Eddition, Vol.20, p.441 (1982)又は米国特許第4,798,081号に記載されているように、温度上昇流出分画を用いることにより容易に計算される。本発明におけるSLEPのCDBIは約30パーセントより高く、好ましくは約50パーセントより高く、より好ましくは約90パーセントより高い。
SLEP中の長鎖分枝は短鎖分枝以外のポリマー分枝である。通常、長鎖分枝は、成長するポリマー鎖におけるβ−水素化物除去によるオリゴマーα−オレフィンの現場における発生によって形成される。得られる物質は、比較的高分子量のビニル末端炭化水素であり、重合すると大きなアルキル側基を生ずる。長鎖分枝はnマイナス2(nは反応器に故意に加えた最も大きなα−オレフィンコモノマーの炭素数である)より大きな鎖長を有するポリマー主鎖への炭化水素分枝と規定される。エチレンホモポリマー又はエチレンと1種以上のC3-C20α−オレフィンコモノマー中の好ましい長鎖分枝は、少なくとも20個〜分枝が派生するポリマー主鎖中の炭素の数を有する。長鎖分枝は13C核磁気共鳴スペクトルのみによって、又はゲル透過クロマトグラフィー光散乱(GPC−LALLS)等により識別される。実質的に線状のエチレンポリマーは、好ましくは少なくとも0.01の長鎖分枝/1000炭素、より好ましくは0.05以上の長鎖分枝/1000炭素を含む。通常、実質的に線状のエチレンポリマーは、好ましくは3以下の長鎖分枝/1000炭素、より好ましくは1以下の長鎖分枝/1000炭素を含む。
好適なSLEPについては、米国特許第5,278,272号の第2欄31〜64行、第3欄4行〜第5欄55行、米国特許第5,272,236号の第2欄22〜51行に記載されている。このSLEPを特徴化する方法は、米国特許第5,278,272号(例えば第5欄57行〜第7欄15行)に記載されている。
好ましいSLEPは、例えば幾何拘束型触媒もしくはメタロセン触媒を用いて製造される。この触媒は担持された触媒であってもよい。好適なSLEPを製造するために、米国特許第5,278,272号、第7欄16行〜第14欄48行に記載の触媒及び米国特許第5,282,272号第14欄50行〜第16欄19行に記載の重合方法を用いることができる。用いることのできる他の触媒は、欧州特許出願公開No.0260999A1、3頁29行〜5頁48行(1987年9月21日出願)、欧州特許出願公開No.0129368A1、5頁4行〜8頁29行(1987年6月5日出願)、米国特許第5,055,438号、第4欄18行〜第10欄28行、米国特許第4,935,397号、第2欄35行〜第8欄3行、米国特許第4,937,301号、第3欄20〜47行、米国特許第4,701,432号、第2欄2行〜第4欄17行及び第5欄61行〜第8欄18行に記載されているものを含む。好ましいSLEPは、プロセス条件において高分子量α−オレフィンコポリマーを容易に重合することができるメタロセンベース触媒を用いることにより製造される。SLEPは、反応器に故意に加えたもの以外のモノマーの重合を行わない条件において、メタロセンもしくはバナジウムベース触媒を用いることにより製造される。こうして製造されるSLEPは、低残留物含有量(すなわち、ポリマーの製造に用いた触媒、未反応コモノマー及び重合の間に形成された低分子量オリゴマーの低濃度)、従来のオレフィンポリマーに比較して分子量分布が狭いにもかかわらず優れた加工性を与える制御された分子構造を特徴とする。
SLEPに関して用いたように、コポリマーは2種以上の添加したコモノマーのポリマーを意味し、例えばエチレンと少なくとも1種の他のC3-C20コモノマー(例えばα−オレフィンコモノマー)とを重合することにより得られるものである。好適なSLEP用のα−オレフィンの例は、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサドデセン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、ジエチル−1−ブテン、トリメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジメチル−1−ペンテン、メチルエチル−1−ペンテン、ジエチル−1−ヘキセン、トリメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ヘプテン、ジメチルオクテン、エチル−1−オクテン、メチル−1−ノネン、エチレン−オクテン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン、及びビニルノルボルネン(アルキル分枝位置は特定されていないが、通常アルケン及びスチレンの3位以上である)を含む。α−オレフィンは望ましくは、C3-C20α−オレフィンであり、より望ましくはC3-C10α−オレフィンである。好ましいα−オレフィンは、モノ不飽和α−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、及びこれらの組み合わせ(例えば1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンの組み合わせ)を含む。好ましいコポリマーは、エチレン−プロピレン(EP)、エチレン−ブテン(EB)、エチレン−1−ヘキセン(EH)、及びエチレン−1−オクテン(EO)ポリマーを含む。SLEPは2、3もしくはそれ以上のモノマーを含む。ターポリマーの例は、エチレン/プロピレン/オクテンターポリマー、並びにエチレン、C3-C20α−オレフィン及びジエン(例えばジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ピペリエンもしくは5−エチリデン−2−ノルボルネン)のターポリマーを含む。典型的なSLEPは、ジエンモノマーを実質的に含まず、例えばジエンモノマーの濃度は、SLEPの総重量を基準として、5重量パーセント未満、好ましくは1重量パーセント未満、より好ましくは0.1重量パーセント未満、最も好ましくは0.05重量パーセント未満であり、さらにはジエンモノマー(すなわち、2以上の二重結合を有するモノマー)をまったく含まない。
SLEPは、少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、より好ましくは少なくとも6個、最も好ましくは少なくとも8個の炭素原子を含む1種以上の高級α−オレフィンを含んでもよい。例えば、好適な高級α−オレフィンは、4〜約20個の炭素原子を含む1種以上のα−オレフィン、より好ましくは約4〜約12個の炭素原子を含む1種以上のα−オレフィン、最も好ましくは約4〜約12個の炭素原子を含む1種以上のα−オレフィンを含む。この高級α−オレフィンは1−ブテン、1−ヘキセンもしくは1−オクテンを含む又はこれらから本質的になる。好ましいSLEPは、SLEPの総重量を基準として、約50重量パーセント以上、より好ましくは約55重量パーセント以上の濃度のエチレンモノマーを含む。好ましいSLEPは、SLEPの総重量を基準として、約85重量パーセント以下、より好ましくは約80重量パーセント以下、さらにより好ましくは役70重量パーセント以下、最も好ましくは約65重量パーセント以下の濃度のエチレンモノマーを含む。SLEP中の高級α−オレフィンの濃度は、SLEPの総重量を基準として、好ましくは約12重量パーセント以上、より好ましくは約20重量パーセント以上、さらにより好ましくは約30重量パーセント以上、最も好ましくは約35重量パーセント以上である。例えば、SLEPは、SLEPの総重量を基準として、約50重量パーセント以上の濃度のエチレンモノマー及び約12重量パーセント以上(例えば約30重量パーセント以上)の濃度の1−オクテンモノマーを含むコポリマーであってよい。好ましいSLEPは、約65パーセント以上、より好ましくは約70パーセント以上、さらにより好ましくは約75パーセント以上、さらにより好ましくは約80パーセント以上、最も好ましくは約85パーセント以上のエチレンのモル濃度を特徴とする。そのようなSLEPは、約5パーセント以上、好ましくは約8パーセント以上、より好ましくは約10パーセント以上、さらにより好ましくは約12パーセント以上、最も好ましくは約15パーセント以上の高級α−オレフィンのモル濃度を特徴とする。SLEP中のコモノマー含量は、通常、重合反応の間に消費されたモノマーの量を基準として計算される。あるいは、コモノマー含量は、ASTM D-2238、方法Bにより赤外分光分析を用いて測定される。好適なSLEPは、商品名ENGAGEとしてTHE DOW CHEMICAL COMPANYより、そして商品名EXACTとしてEXXONMOBIL CHEMICAL COMPANYより市販入手可能である。
好ましいSLEPは、約0.855g/cm3以上、好ましくは約0.860g/cm3以上、より好ましくは約0.865g/cm3以上、最も好ましくは約0.867g/cm3以上の密度を有する。SLEPの密度は、好ましくは約0.908g/cm3以下、より好ましくは約0.895g/cm3以下、さらにより好ましくは約0.890g/cm3以下、最も好ましくは約0.880g/cm3以下である。耐衝撃性改良剤に用いるに好ましいSLEPは、約0.860g/cm3〜約0.885g/cm3(例えば、約0.868g/cm3〜約0.878g/cm3)の密度を特徴とする。
耐衝撃性改良剤として用いることのできる好ましいSLEPは、示差走査熱量計により測定し、約100℃以下、好ましくは約85℃以下、より好ましくは約80℃以下、さらにより好ましくは約65℃以下のピーク融点を有する。好ましいSLEPは、約35℃以上、好ましくは約40℃以上、より好ましくは約45℃以上、最も好ましくは約50℃以上のピーク融点を特徴とする。耐衝撃性改良剤に用いる好ましいSLEPは、約45℃〜70℃、より好ましくは約53℃〜約62℃のピーク融点を特徴とする。
好ましいSLEPは、アイソタクチックポリプロピレンの硬度よりも低く、高オイル含有エラストマー(例えば、少なくとも60wt%のオイルを含む)の硬度よりも高い硬度を有する。SLEPの硬度は、以下に記載のように、ショアーA単位においてSLEPより製造した小板におけるデュロメーターとして測定する。耐衝撃性改良剤用の好ましいSLEPは、約45以上、より好ましくは約55以上、さらにより好ましくは約60以上、最も好ましくは約65以上のショアーA単位のデュロメーターを示す。好ましいSLEPのデュロメーターは、約95以下、より好ましくは約90以下、さらにより好ましくは約85以下、最も好ましくは約80以下のショアーAである。例えば、このSLEPは好ましくは約65〜約95のショアーA、より好ましくは約65〜約85ショアーA、最も好ましくは約65〜約80ショアーAを有する。1つの好ましいSLEPは約68〜約75ショアーAのデュロメーターを特徴とする。
好ましいSLEPは、約−46℃以下、より好ましくは約−50℃以下のTgを有する。好ましいSLEPは、約−60℃以上、より好ましくは約−55℃以上のTgを有する。特に好ましいSLEPは、約−47℃〜約−57℃、より好ましくは約−51℃〜約−54℃のTgを有する。
SLEPの多分散指数(Mw/Mn)は、数平均分子量で割った重量平均分子量である。Mw及びMnはゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定される。SLEPについて、I10/I2比は長鎖分枝の程度を示し、I10/I2比が大きいほど、ポリマー中に存在する長鎖分枝が多いことを示している。好ましいSLEPにおいて、Mw/Mnは、式Mx/Mn≦(I10/I2)−4.63により、I10/I2と関連付けられる。好適なSLEPのMw/Mnは少なくとも約1.5、好ましくは少なくとも約2.0であり、約3.5以下、より好ましくは約3.0以下である。
好ましいSLEPは、I10/I2として測定し、約5.63以上、より好ましくは約6.5以上、最も好ましくは約7以上の溶融流量を有する。好ましいSLEPの溶融流量は、約20以下、より好ましくは約15以下、最も好ましくは約10以下である。限定するものではないが、SLEPの溶融流量は、約5.63以上、約6.5〜約15、又は約7〜約10である。このSLEPの溶融流量は、190℃において測定したものである。
限定するものではないが、耐衝撃性改良剤に用いることができるSLEPの例は、以下の特性を有する実質的に線状のオレフィンポリマーとして米国特許第5,272,236号(例えば第2欄41〜51行及び第3欄25〜30行)に記載されているものを含む。
a)溶融流量、I10/I2≦5.63
b)下式で規定される分子量分布、Mw/Mn
Mx/Mn≦(I10/I2)−4.63
c)約4×106ダイン/cm2よりも高いグロスメルトフラクチャーの開始時における臨界剪断応力
グロスメルトフラクチャーの開始時における臨界剪断応力は、米国特許第5,272,236号(例えば第4欄10〜45行)に記載のようなガス押出し流量計(GER)により測定される。このガス押出し流量計は、M.Shida, R.N.Shroff及びL.V.CancioのPolymer Engineering Science, Vol.17, No.11, p.770 (1977)、及び"Rheometers for Molten Plastics" by John Dealy, Van Nostrand Reinhold Co. 編(1982), p.97に記載されている。GER測定はすべて約190℃の温度及び約20:1のダイの直径に対する長さの比で行われる。明白な剪断応力対明白な剪断速度プロットを用いてこのメルトフラクチャー現象を同定する。RamamurthyのJournal of Rheology, 30(2), 337-357, 1986によれば、ある臨界流速において、観察される押出物不規則性が大きく2つのタイプ、すなわち表面メルトフラクチャーとグロスメルトフラクチャーとに分類される。表面メルトフラクチャーはほぼ一定の流れ条件において生じ、鏡面光沢の損失から「鮫肌」を形成する範囲に及ぶ。グロスメルトフラクチャーは、一定でない流れ条件において生じ、規則的(あるいは粗面及び滑面)からランダムなひずみに及ぶ。産業上許容される(例えがブローンフィルム製品において)表面欠陥は最小であるべきである。表面メルトフラクチャーの開始時(OSMF)及びにグロスメルトフラクチャーの開始時(OGMF)おける臨界剪断応力は、表面粗さ及びGERにより押出された押出物の形状の変化に基づいて用いられる。好ましくは、実質的に線状のエチレンポリマーのOGMFにおける臨界剪断応力及びOSMFにおける剪断応力は、約4×106ダイン/cm2より大きく、とりわけ約2.8×106ダイン/cm2より大きい。
限定するものではないが、耐衝撃性改良剤に適した他のSLEPは、1989年12月12日出願の欧州特許第0495099号に記載のものを含む。例えば、欧州特許第0495099号には、(a)エチレン由来の構造ユニット及び(b)炭素数3−20個のα−オレフィン由来の構造ユニットを有するSLEPが記載されており、これは
(i)0.85-0.92g/cm3の密度、
(ii)135℃において測定し、0.1〜10 dl/gの固有粘度[η]、
(iii)GPCにより測定し、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)、及び
(iv)190℃において測定し、8〜50の溶融流量I10/I2
を特徴とする。
ポリプロピレンエラストマー
充填材入りTPO組成物及び/又はポリマーマスターバッチにおいて単独で又は他の耐衝撃性改良剤と組み合わせて用いることのできる他の耐衝撃性改良剤は、ポリプロピレンエラストマーを含む。ポリプロピレンエラストマーの総重量を基準として、約50重量パーセント以上のプロピレンモノマーを含むあらゆるポリプロピレンエラストマーを用いることができる。好ましいポリプロピレンエラストマーは、ポリプロピレンエラストマーの総重量を基準として、プロピレンモノマーを約70重量パーセント以上、より好ましくは約80重量パーセント以上、最も好ましくは約85重量パーセント以上含む。このポリプロピレンエラストマーは、1種以上の他のC2-12α−オレフィンコモノマーも含んでよい。好ましいポリプロピレンエラストマーは、ポリプロピレンエラストマーの総重量を基準として、1種以上の他のC2-12α−オレフィンコモノマーを約5重量パーセント以上、より好ましくは約7重量パーセント以上、さらにより好ましくは約9重量パーセント以上、最も好ましくは約12重量パーセント以上の濃度で含む。例えば、このコモノマー含量は、ポリプロピレンエラストマー組成物の約5〜約40重量パーセント、より好ましくは約7〜約30重量パーセント、最も好ましくは約9〜約15重量パーセントである。この1種以上の他のC2-12α−オレフィンコモノマーは、好ましくはエチレン、ブタジエン、もしくはこの両者を含み、最も好ましくはエチレン、ブタジエン、又はこの両者からなる。ポリプロピレンエラストマーはいくらか結晶性であってよく、又は完全に非晶質でなければ実質的に結晶性であってもよい(例えば約25℃において)。好ましいポリプロピレンエラストマーは、示差走査熱量計により測定し、約130℃以下、より好ましくは約115℃以下、最も好ましくは約100℃以下のピーク融点を有する。
プロピレンエラストマーは、好ましくはエチレン、ブテン、ヘキセン、及びオクテンより選ばれるα−オレフィンを含む。より好ましくは、このプロピレンエラストマーは、エチレン、ブテン、及びオクテンより選ばれるα−オレフィンを含む。最も好ましくは、このプロピレンエラストマーは、エチレン及びブテンより選ばれるα−オレフィンを含む。
好ましいポリプロピレンエラストマーは、ASTM D 2240-05により測定し、約40以上、より好ましくは約50以上、最も好ましくは約65以上のショアーA硬度(すなわちデュロメーター)を示す。好ましいポリプロピレンエラストマーは、約97以下、好ましくは約95以下、より好ましくは約92以下、さらにより好ましくは約85以下、最も好ましくは約80以下のショアーA硬度を有する。例えば、このポリプロピレンエラストマーは約40〜役97、より好ましくは約50〜約95、さらにより好ましくは約65〜約95のショアーA硬度を有する。
好ましいポリプロピレンエラストマーは、230℃/2.16kgにおいてASTM D1238により測定し、約1g/10分以上、より好ましくは約4g/10分以上、さらにより好ましくは約7g/10分以上、最も好ましくは約10g/10分以上の溶融流量を有する。ポリマー組成物に適した好ましいプロピレンエラストマーは、約1500g/10分以下、より好ましくは約150g/10分以下、さらにより好ましくは約100g/10分以下、最も好ましくは約60g/10分以下の溶融流量を有する。
ポリプロピレンエラストマーは少なくとも一部結晶化度を示すことが好ましい。結晶化度(材料の重量パーセント)は、ポリプロピレンエラストマー材料の約2重量パーセント以上、より好ましくは約5重量パーセント以上、最も好ましくは約7重量パーセント以上である。好ましいポリプロピレンエラストマーは、ポリプロピレンエラストマー材料の総重量を基準として、約50重量パーセント以下、より好ましくは約40重量パーセント以下、さらにより好ましくは約35重量パーセント以下、さらにより好ましくは約28重量パーセント以下、さらにより好ましくは約20重量パーセント以下、最も好ましくは約14重量パーセント以下の結晶化度を有する。例えば、好ましいプロピレンエラストマーは、ポリプロピレンエラストマー材料の総重量を基準として、約2〜役40重量パーセント、さらに好ましくは約5〜約35重量パーセント、最も好ましくは約7〜約20重量パーセントの結晶化度を有する。
用いることのできるプロピレンエラストマーの他の例は、約50重量パーセントより多い(例えば60重量パーセントより多い)プロピレンモノマー及び約5重量パーセントより多いエチレンモノマーを含み、示差走査熱量計により測定し、約35℃〜約130℃(例えば約40℃〜約110℃)のピーク融点を有するエラストマーポリマーを含む。そのようなエラストマーはTHE DOW CHEMICAL COMPANYより商品名VERSIFY(例えば2400、3000、3200、3300、3401及び4301を含む)として及びEXXONMOBIL CHEMICAL COMPANYより商品名VISTAMAXXとして市販入手可能である。
用いることのできるプロピレンエラストマーの他の例は、2002年5月6日出願のWO03/040201A1、2002年5月5日出願の米国出願公開第2003-0204017号、及び2003年2月25日発行の米国特許第6,525,157号に記載されているものを含む。
例えば、このプロピレンエラストマーは、米国特許第6,525,157号に記載されている低弾性エチレンプロピレンコポリマー(LEEPコポリマー)を含む。好適なLEEPコポリマーは、5もしくは6もしくは8もしくは10重量%の低限〜20もしくは25重量%の上限のエチレン由来ユニット及び75もしくは80重量%の下限〜95もしくは94もしくは92もしくは90重量%の上限のプロピレン由来ユニット(この重量%はプロピレン由来ユニット及びエチレン由来ユニットの総重量を基準とする)を含む。このコポリマーはジエン由来ユニットを実質的に含まない。
様々な態様において、LEEPコポリマーの特徴は、以下の特徴のあらゆる組み合わせを含む。
(i)110℃未満、もしくは90℃未満、もしくは80℃未満、もしくは70℃未満の下限、25℃超、もしくは35℃超、もしくは40℃超、もしくは45℃超の上限の範囲の融点;
(ii)弾性≦0.935M+12、もしくは弾性≦0.935M+6、もしくは弾性≦0.935M(式中、弾性はパーセントであり、Mは500%引張弾性率(MPa)である)の、500%引張弾性率に対する弾性の関係;
(iii)曲げ弾性率≦4.2e0.27M+50、もしくは曲げ弾性率≦4.2e0.27M+30、もしくは曲げ弾性率≦4.2e0.27M+10、もしくは曲げ弾性率≦4.2e0.27M+2(式中、曲げ弾性率はMPaであり、Mは500%引張弾性率(MPa)である)の、500%引張弾性率に対する曲げ弾性率の関係;
(iv)1.0ジュール/g(J/g)超、もしくは1.5J/g超、もしくは4.0J/g超、もしくは6.0J/g超、もしくは7.0J/g超の下限、125J/g未満、もしくは100J/g未満、もしくは75J/g未満、もしくは60J/g未満、もしくは50J/g未満、もしくは40J/g未満、もしくは30J/g未満の範囲の溶融熱;
(v)13C核磁気共鳴(13CNMR)により測定し、75%超、もしくは80%超、もしくは85%超、もしくは90%超のトライアッド立体規則性;
(vi)4もしくは6の下限、8もしくは10もしくは12の上限の範囲の立体規則度指数;
(vii)13CNMRにより測定し、0.5%超もしくは0.6%超の、すべてのプロピレンインサーション中のプロピレンモノマーの2,1インサーションに基づく逆に挿入されたプロピレンユニットの比;
(viii)13CNMRにより測定し、0.05%超、もしくは0.06%超、もしくは0.07%超、もしくは0.08%超、もしくは0.085%超の、すべてのプロピレンインサーション中のプロピレンモノマーの1,3インサーションに基づく逆に挿入されたプロピレンユニットの比;
(ix)ヘキサン中において8℃増加で行われる熱分画の2つの隣接する温度分画に少なくともX重量パーセントのコポリマーが可溶であるような分子間立体規則性(Xは75、もしくは80、もしくは85、もしくは90、もしくは95、もしくは97、もしくは99である);
(x)1.5未満、もしくは1.3未満、もしくは1.0未満、もしくは0.8未満の反応性比積r12
(xi)1.5もしくは1.8の下限、40もしくは20もしくは10もしくは5もしくは3の上限の範囲の分子量分布Mw/Mn;
(xii)15,000〜5,000,000の分子量;
(xiii)18ミリ秒(ms)未満、もしくは16ms未満、もしくは12ms未満、もしくは10ms未満の固体プロトン核磁気共鳴(1HNMR)緩和時間;
(xiv)30%未満、もしくは20%未満、もしくは10%未満、もしくは8%未満、もしくは5%未満の弾性率;
(xv)0.5MPa超、もしくは0.8MPa超、もしくは1.0MPa超、もしくは2.0MPa超の500%引張弾性率。
このLEEPコポリマーは、1つの定常状態反応器内で、架橋メタロセン触媒の存在下において製造してよい。
LEEPコポリマーの試験法は、2003年2月25日発行の米国特許第6,525,157号に記載されている。融点、溶融熱及び結晶化度の測定は、米国特許第6,525,157号の第5欄58行〜第6欄21行及び第19欄12〜30行に記載されている。曲げ弾性率、引張弾性率、及び弾性率の測定は、米国特許第6,525,157号の第17欄1行〜第18欄58行に記載されている。トライアッド立体規則性、立体規則度指数、逆に挿入されたプロピレンユニットの比、及び分子間及び分子内組成分布の測定は、米国特許第6,525,157号の第6欄22行〜第9欄28行、第10欄16〜53行、及び第19欄30〜60行に記載されている。モノマー配列分布及び反応性比積の測定は、米国特許第6,525,157号の第11欄9行〜第12欄9行に記載されている。1HNMR緩和時間の測定は、米国特許第6,525,157号の第12欄10〜45行に記載されている。分子量及び分子量分布の測定は、米国特許第6,525,157号の第5欄58行〜第6欄21行に記載されている。
用いることのできるプロピレンエラストマーの他の例は、米国出願公開第2003/0204017号(2003年10月30日公開)に記載の、レギオンエラー含有プロピレンエチレンコポリマー(すなわちR−EPEコポリマー)である。
米国特許出願公開第2003/0204017号(2003年10月30日公開)の段落[0006]に開示されているように、R−EPEコポリマーは、プロピレン由来のユニットを少なくとも約60重量パーセント、エチレン由来のユニットを約0.1〜35重量パーセント、及び1種以上の不飽和コモノマー由来のユニットを0〜35重量パーセント含み、但しエチレン由来のユニットと不飽和コモノマー由来のユニットのあわせた重量が約40パーセントを超えないことを特徴としている。このコポリマーは以下の特性を少なくとも1つ有することを特徴とする。(i)約14.6及び約15.7ppmにおいてレジオエラーに想到する13CNMRピーク、(ii)コポリマーのコモノマー含量(すなわちエチレン及び/又は不飽和コモノマー由来のユニット)が少なくとも約3重量パーセントであるときに約1.4より高いB値、(iii)約−1.20より高い歪指数Six、(iv)コポリマー中のコモノマー、すなわちエチレン及び/又は不飽和コモノマー由来のユニットの料が増加すると低下するTmax及びTmeに伴うDSC、又は(v)チーグラナッタ触媒により製造されたコポリマーよりもガンマ形態結晶が多いことが報告されているX線回折パターン。通常、この態様のコポリマーは、これらの特性を少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つ、さらにより好ましくは少なくとも5つを特徴としている。
R−EPEの試験法は、2002年5月5日出願の米国特許出願公開第2003/0204017号に開示されている。13CNMRの測定は、米国特許出願公開第2003/0204017号の段落[0125]〜[0138]に記載されている。B値の測定は、米国特許出願公開第2003/0204017号の段落[0101]〜[0106]及び[0445]〜[0454]に記載されている。コモノマー濃度の試験法は、米国特許出願公開第2003/0204017号の段落[0117]〜[0138]に記載されている。歪指数は、米国特許出願公開第2003/0204017号の段落[0111]〜[0116]に記載されている。Tme及びTmaxの測定は、米国特許出願公開第2003/0204017号の段落[0097]〜[0100]及び[0111]〜[0116]に記載されている。X線回折パターンの試験法は、米国特許出願公開第2003/0204017号の段落[0125]〜[0138]に記載されている。
オレフィンブロックコポリマー/LOA/α−オレフィンインターポリマー
充填材入りTPO組成物及び/又はポリママスターバッチに単独でもしくは他の耐衝撃性改良剤と組み合わせて用いることができる他の耐衝撃性改良剤は、比較的結晶化度の高いハードブロック及びこのハードブロックよりも結晶化度の低いソフトブロックを含む、複数のブロックを有するマルチブロックポリマーを含む。好ましいマルチブロックポリマー(例えばマルチブロックオレフィンポリマー)は、本質的に1種のα−オレフィンモノマーを有するホモポリマー、2種のα−オレフィンモノマーを有するコポリマー、3種以上のモノマーを有するターポリマー(これは少なくとも2種のα−オレフィンを含み、3種のα−オレフィンを含んでいてもよい)を含む。マルチブロックホモポリマーは、同じモノマーを有する相対的にハード及びソフトブロックを含み、このブロックの違いはモノマーの規則性である(例えば、ハードブロックはソフトブロックよりも規則的に配向したモノマーを有し、従ってハードブロックはより結晶化度が高い)。オレフィンブロックコポリマーは異なる濃度のモノマーを有するブロックを含む。例えば、オレフィンブロックコポリマーは、高濃度(例えばオレフィンブロックコポリマーの約80重量パーセント超、好ましくは約90重量パーセント超、より好ましくは約99重量パーセント超、さらには100重量パーセント)の第一のα−オレフィンモノマー及び低濃度の第二のα−オレフィンモノマーを含む1種以上の比較的ハードなブロック及びハードブロックにおけるよりも低い濃度の第一のα−オレフィンを含む1種以上のソフトブロックを有する。好ましくは、第一のα−オレフィンはエチレンもしくはポリプレンである低級α−オレフィン(LOA)であり、オレフィンブロックコポリマーはLOA/α−オレフィンインターポリマーである。限定するものではないが、オレフィンブロックコポリマーはエチレン/α−オレフィンインターポリマー又はプロピレン/α−オレフィンインターポリマーである。第二のポリマー成分に用いることができるLOA/α−オレフィンインターポリマーの例は、PCT国際特許公開WO2006/102155A1(2006年3月15日出願)、WO2006/101966A1(2006年3月15日出願)、及びWO2006/101932A2(2006年3月15日出願)に記載されている。好ましいLOA/α−オレフィンインターポリマーはエチレン/α−オレフィンインターポリマーである。
第二のポリマー成分に用いるに適したエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、重合した形態のエチレンと1種以上の共重合性α−オレフィンコモノマーとを含み、化学もしくは物理特性の異なる2種以上の重合したモノマーユニットのブロックもしくはセグメントを特徴とする。
限定するものではないが、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの例は、例えば国際特許出願公開WO2006/102155A2の段落[0037]〜[0060]に開示されている。充填材入りTPOもしくはポリマーマスターバッチに用いるに適した好ましいエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、同じ密度dを有するランダムコポリマーの融点よりも高い融点Tmを特徴とする。例えばエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、少なくとも1つの融点Tm(℃)及び密度d(g/cm3)を有し、Tm≧1000(d)-800、好ましくはTm≧2002.9+4538.5(d)-2422.2(d)2、より好ましくはTm≧6288.1+13141(d)-6720.3(d)2、最も好ましくはTm≧858.91-1825.3(d)+1112.8(d)2の関係を有する。
好ましくは、充填材入りTPOもしくはポリマーマスターバッチに用いるに適した好ましいエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、約1.7〜約3.5の多分散指数Mw/Mn(ゲル透過クロマトグラフィーにより測定)及び少なくとも1つの融点を特徴とする。
低粘度熱可塑性ポリマー
上記のように、充填材入りTPO組成物は1種以上の低粘度熱可塑性ポリマー(例えば、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーよりも低い粘度を有する)を含んでもよい。この低粘度ポリプロピレンポリマーの機能の1つは、充填材の濃度を低下させ、充填材入りTPO組成物がポリマーマスターバッチよりも低い充填材濃度を有するようにすることである。このため、1種以上の低粘度ポリプロピレンポリマーは希釈ポリマーともよばれる。この1種以上の低粘度熱可塑性ポリマーは、押出し、射出成形、又はこの両者を行うことができるポリマーであってよい。この低粘度熱可塑性ポリマーは、好ましくは1種以上のポリプロピレンホモポリマー、1種以上のポリプロピレンコポリマー、1種以上のポリエチレンホモポリマー、又はこれらの組み合わせを含む又は本質的になる。好ましくは、この低粘度熱可塑性ポリマーは半結晶質熱可塑性樹脂である。この低粘度熱可塑性ポリマーは、好ましくは約10重量パーセント以上、より好ましくは約20重量パーセント以上、さらにより好ましくは約30重量パーセント以上、最も好ましくは約40重量パーセント以上の結晶化度を有する。この低粘度熱可塑性ポリマーは、好ましくは耐衝撃性改良材の結晶化度よりも高い結晶化度を有する。好ましくは、1種以上の低粘度熱可塑性ポリマーは、1種以上のポリプロピレンポリマーより選ばれる。低粘度ポリプロピレン、低粘度熱可塑性ポリマー、又はこの両者は、アタクチックポリプロピレンを含まず、又は低濃度のみ含む。例えば、アタクチックポリプロピレンの濃度は、低粘度熱可塑性ポリマー、充填材入りTPO組成物、又はこの両者の重量を基準として、約10重量パーセント以下、好ましくは約5重量パーセント以下、より好ましくは約1重量パーセント以下、最も好ましくは約0.2重量パーセント以下である。
好ましい低粘度ポリプロピレンは、ポリプロピレンホモポリマー、50重量パーセントより多いプロピレンユニットを含むポリプロピレンコポリマー、又はこの両者を含む。特に好ましい低粘度ポリプロピレンは、アイソタクチックポリプロピレン、及びアイソタクチックポリプロピレンとエラストマーのブレンドを含む。ランダムポリプロピレンコポリマーも用いてよい。好ましいポリプロピレンは、示差走査熱量計により測定し、約145℃以上、より好ましくは約155℃以上、最も好ましくは約160℃以上のピーク融点を有する。低粘度ポリプロピレンのピーク融点は、好ましくは約170℃未満である。好ましいポリプロピレンは、約2g/10min以上、より好ましくは約4g/10min以上、さらにより好ましくは約6g/10min以上、最も好ましくは約8g/10min以上の溶融流量を有する。この低粘度ポリプロピレンは、好ましくは約1000g/10min未満、より好ましくは約125g/10min未満の溶融流量を有する。特に好ましい低粘度熱可塑性ポリマーは、約−40℃において延性であるポリプロピレン耐衝撃性コポリマー(例えばリアクターTPO)を含む。
充填材
充填材は好ましくは無機充填材であり、より好ましくはミネラル充填材である。限定するものではないが、本発明において用いることのできる無機充填材の例は、熱可塑性樹脂組成物に有用であることが当該分野において知られている充填材を含み、例えばアルミナ、硫酸バリウム、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、カーボンブラック、炭素繊維、クレイ、珪藻土、グラファイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マイカ、ミクロバルーン、モリブデン、セリサイト、シリカ、シリカ砂、硫酸ナトリウム、タルク、酸化チタン、白砂、ウォラストナイト、及びゼオライトを含む。これらのうち、ガラス繊維、マイカ、タルク、及びウォラストナイトが、低温において耐衝撃性等の特性を向上させるのに好ましい。特に有用なミネラル充填材はタルク(例えば3MgO・4SiO2・H2Oから本質的になるもの)である。この充填材は好ましくは粒状であり、好適な中位粒度を有する。好ましくは、この粒度は約10μm以下、より好ましくは約7μm以下、さらにより好ましくは約5μm以下、さらにより好ましくは約3μm以下、最も好ましくは約2μm以下のオーダーである。充填材は充填材入りTPO組成物をブレーカープレート等への流動を可能にするトップサイズ粒度を有する。好ましくは、充填材のトップサイズ粒度は、約50μm以下、より好ましくは約30μm以下、最も好ましくは約15μm以下である。粒状充填材は、積層形態、粒状形態、又はファイバー形態の充填材を含んでいてもよい。好ましくは、充填材は積層形態、粒状形態、又はこの両者である。より好ましくは、充填材の少なくとも70重量パーセント(例えば少なくとも90重量パーセント、あるいは少なくとも98重量パーセント)が積層形態である。本発明の一態様において、充填材は繊維形態の充填材を実質的にあるいはまったく含まない。繊維形態の充填材の料は、好ましくは約10重量パーセント以下、より好ましくは約1重量パーセント以下、最も好ましくは約0.1重量パーセント以下である。積層構造を有する充填材の例は、タルク及びクロライトを含み、粒状構造を有する充填材の例は、ドロマイト及び石英を含み、繊維構造を有する充填材の例は、アスベスト及びトレモライトを含む。
他のポリマー
充填材入りTPO組成物は、所望により、TPO組成物に用いられることが当業者に知られている1種以上の他のポリマーを含んでもよい。好ましい他のポリマーは、1種以上の他のポリプロピレン(例えば1種以上の他の低粘度ポリプロピレン)、1種以上の他のSLEP、1種以上の他のプロピレンエラストマー、1種以上の高密度ポリエチレン、1種以上の低密度ポリエチレン、1種以上の線状低密度ポリエチレン、1種以上の超低密度ポリエチレン、1種以上のエチレンビニルアセテートコポリマー、1種以上のエチレンメタクリレートコポリマー、1種以上のエチレンブチルアクリレートコポリマー、及びこれらの組み合わせを含む。
添加剤
充填材入りTPO組成物は、当業者に知られている添加剤を含んでもよい。充填材入りTPO組成物、ポリマーマスターバッチ、又はこの両者は、静電防止化合物を含んでもよい。限定するものではないが、静電防止化合物の例は、グリセロールモノステアレート、エトキシル化脂肪酸アミン、ジエタノールアミド、又はこれらの組み合わせを含む。静電防止化合物は有利には、例えばホッパー内での、又は輸送の間のペレット混合物の分離を最小にするために用いられる。さらに、本発明において用いることのできる静電防止化合物については、2008年3月14日出願の米国特許出願第61/036,692号の段落[0137]〜[0143]に記載されている。
充填材入りTPO組成物、ポリマーマスターバッチ、又はこの両者は、2007年3月1日出願のPCT特許出願公開No.WO2007/02451A2、第12頁18行〜第13頁13行に開示されているフィブリル形成フルオロポリマーのようなフルオロポリマーをさらに含んでもよい。好適なフルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びその改質体(例えばアクリル改質PTFE)、エチレンプロピレンフルオリド(FEP)ポリマー、及びパーフルオロアルコキシ(PFA)ポリマーを含む。これらのうち、PTFEが好ましい。重合の間粒子が反応混合物中に分散されたままとなっている、分散もしくは乳濁重合法により製造される、フィブリル形成PTFEが特に好ましい。この粒子は、本発明のプロピレンポリマー組成物のポリオレフィンエラストマー成分及びプロピレンポリマーと混合する間に剪断力の影響によりフィブリル化する。フィブリル形成フルオロポリマーは当該分野において周知であり、市販入手可能である。そのような組成物は、米国特許第3,005,795号、3,142,665号、3,671,487号、4,016,345号及び4,463,130号に記載されている。市販入手可能なPTFEは、E.I.DuPont de Nemours & Co.より入手可能なTEFLON(商標)PTFEフルオロカーボン樹脂グレード6、6C、6CN、60、62、64、65、67等を含み、アクリル改質PTFEは、及び三菱レーヨン株式会社より入手可能なMETABLEN A3000及びA3800を含む。
充填材入りTPO組成物において用いる場合、フルオロポリマーの濃度は、充填材入りTPO組成物の総重量を基準として、好ましくは約0.01重量パーセント以上、より好ましくは約0.1重量パーセント以上、さらにより好ましくは約0.5重量パーセント以上、最も好ましくは約0.7重量パーセント以上である。充填材入りTPO組成物において用いる場合、フルオロポリマーの濃度は、充填材入りTPO組成物の総重量を基準として、好ましくは約5重量パーセント以下、より好ましくは約3重量パーセント以下、さらにより好ましくは約2重量パーセント以下、最も好ましくは約1.0重量パーセント以下である。フルオロポリマーのレベルがこの範囲ないにある場合、充填材入りTPO組成物のフローマスクはさらに向上し、強靭性、特に低温耐衝撃性が優れたものとなる。フィブリル形成フルオロポリマーが実質的に均一に充填材入りTPO組成物中に分散されていることが好ましい。
ポリマーマスターバッチにおいて用いる場合、フルオロポリマーの濃度は、ポリマーマスターバッチの総重量を基準として、好ましくは約0.01重量パーセント以上、より好ましくは約0.1重量パーセント以上、さらにより好ましくは約1.0重量パーセント以上、最も好ましくは約2.0重量パーセント以上である。マスターバッチにおいて用いる場合、フルオロポリマーの濃度は、マスターバッチの総重量を基準として、好ましくは約7重量パーセント以下、より好ましくは約5重量パーセント以下、さらにより好ましくは約4重量パーセント以下、最も好ましくは約3重量パーセント以下である。
本発明の一態様において、ポリマーマスターバッチはフルオロポリマーを実質的に含まない。このようにして、フルオロポリマーを用いることなく外観及び/又は機械特性の向上を達成することができる。
アトプレス配合方法
本発明の一態様は、プラスチック製品の改良製造方法、及びこの方法により製造された製品に関する。本発明は、以下の工程:
a)別個の材料として
i)低粘度熱可塑性材料(例えば、半結晶質ポリプロピレンコポリマー、半結晶質ポリプロピレンホモポリマー等のポリプロピレンポリマー)、
ii)ポリマーマスターバッチの総重量を基準として約35重量パーセント以上の無機充填材、高結晶性部分を有する高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー(この高結晶性部分はこの高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約20〜約90重量パーセント存在する)、及びキシレン可溶性部分(このキシレン可溶性部分は、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約10〜約80重量パーセント存在し、約1,500,000Daより大きいz平均分子量、約100,000Daより小さい数平均分子量、及び約5以上(好ましくは約7以上、さらに好ましくは約9以上)の多分散指数を有する)、及び190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約40g/10分以上の溶融流量、及び約3.5以下の多分散指数を有する、低粘度の実質的に線状のエチレンポリマー(SLEP)の混合物を含むポリマーマスターバッチ
を提供すること、
b)高温においてこの材料に剪断力を加え、材料を混合して溶融ブレンドを形成すること、
c)この溶融ブレンドを成形すること、及び
d)この溶融ブレンドを固化させること
を含む方法に関する。
望ましくは、この方法は混合工程の前に低粘度熱可塑性材料とポリマーマスターバッチを混合する工程を含まず、特に溶融混合工程を含む従来の混合工程を含まない。
この方法は、1種以上の追加材料、例えば1種以上の追加耐衝撃性改良剤を提供する皇帝を含んでいてもよい。
低粘度熱可塑性材料とポリマーマスターバッチの濃度は様々であってよいが、ポリマーマスターバッチの濃度は、溶融混合物の総重量を基準として、好ましくは約70重量パーセント以下、より好ましくは約50重量パーセント以下、最も好ましくは約30重量パーセント以下である。低粘度熱可塑性材料は、溶融混合物の総重量を基準として、好ましくは約30重量パーセント以上、より好ましくは約50重量パーセント以上、最も好ましくは約70重量パーセント以上の濃度で存在する。
この方法において、この明細書に記載のいずれのマスターバッチも用いることができ、この方法は充填材入りTPO組成物用の組成を有する溶融混合物を与える。ここで、溶融混合物は、この溶融混合物の総重量を基準として、約35重量パーセント以下の充填材(例えばタルク)、好ましくは約5〜25重量パーセントの充填材、最も好ましくは約10〜20重量パーセントの充填材を含む。さらに、この方法を用いて成形された製品は、充填材入りTPO組成物用の組成を有する1以上のセクションを有する。
上記より、溶融混合物を成形する工程は、従来の成形品を製造する方法のいずれをも用いて行うことができる。その例として、ブロー成形、射出成形、その組み合わせによって成形することができる。通常、そのような工程は有利には、高温において材料に剪断力を与える好適な装置を用い、溶融混合物が得られる。その例として、スクリュー及びバレルを有する装置を用い、原料(例えば低粘度熱可塑性材料及びポリマーマスターバッチの各々のペレット)を、例えば貯蔵容器から直接又はホッパー(例えば混合ホッパー)を介して入れる。材料は分散混合、分布混合、又はこの両者によって混合される。第一及び第二の材料のペレットを乾燥混合するために、混合アームを用いてよい。好適な供給機が用いられる。
低粘度熱可塑性材料およびポリマーマスターバッチのペレットは互いに同程度の大きさにされる。例えば、低粘度熱可塑性材料のペレットとポリマーマスターバッチのペレットの両者の少なくとも50重量%(特に少なくとも約65%)が実質的に同じサイズであることが望ましい。ここで同じサイズとは、それぞれの最も長い寸法の平均が約30%以内、さらには15%の偏差であることを意味する。
この材料は、分散混合を与えるための少なくとも1つのアンダーカット分布混合を与えるための少なくとも1つのバイパスチャンネル、又はこの両者を含む混合を行ってよい。所望の混合物を形成した後、混合した材料は、好適な混合ノズルを通して装置から放出され、所望の製品の形状を規定するツール壁と接触する。
本発明において有用である加工条件の例は、米国仮特許出願第60/745,116号(米国特許出願公開第2007/0246862A1に開示されている。限定するものではないが、ここで用いられるスクリュー及びバレルは所望の結果を達成するのに適した寸法を有するものであればよい。混合工程をスクリュー及びバレル内において行う1つの方法において、スクリューおよびバレルは、好ましくは約5:1以上、より好ましくは約10:1以上、さらにより好ましくは約15:1以上、最も好ましくは約15:1〜約25:1の長さ:直径の比を有する。
スクリュー及びバレル内において混合する間に考慮することは、適当な逆圧(すなわちスクリュー回収の間にプラスチックに加えられる圧力)、スクリュー圧縮比、又はこの両者である。一態様において、混合工程の間に、第一、第二及び第三の材料に約6バールの逆圧が加えられ、約1:1より高いスクリュー圧縮比が用いられる。逆圧は、より好ましくは約10バール以上、さらにより好ましくは約25バール以上、最も好ましくは約70バール以上である。より高い及びより低い逆圧も可能である。圧縮比は、好ましくは約2:1以上、より好ましくは約2:1以上、最も好ましくは約2.4:1以上である。この圧縮比は好ましくは約3.5:1以下である。より高い及びより低い圧縮比も可能である。
混合工程の間、約20〜400rpm、より好ましくは約50〜約250rpm、さらにより好ましくは約100〜約200rpm(例えば160rpm)のスクリュー速度を用いることが望ましい。
混合工程は、用いられる機械の好適な溶融セットポイント温度において行ってよい。例えば、約160〜約300℃、さらには約210〜約255℃、さらには約220〜約240℃の溶融セットポイント温度において行ってよい。
所望により、射出工程は、ブレンドを静ミキサー、例えば混合ノズル(例えば界面発生混合ノズル)に通すことを含む。
良好な混合を達成するために様々なスクリューを用いてよく、高性能デザインが特に好ましい。高性能デザインの1つの特徴は、スクリューの長さ方向に沿って寸法が異なる2以上のチャンネルが存在することである。チャンネル寸法の変化は材料をチャンネルの間に押し流し、混合を向上させる。例えば、ポリマー溶融流を切りかつ折りたたむことにより分配混合が達成され、一方ポリマー溶融流を限定的なチャンネルに通すことにより分散混合が達成される。高性能スクリューの例は、エネルギー伝達(ET)スクリュー、ダブルウェイブスクリュー、Stratablend(商標)スクリュー、及びUniMix(商標)スクリューである。第二の混合装置も混合を向上させるために用いてよい。この第二の混合装置は、スクリュー(動的ミキサー)に組み込まれ、又はスクリュー(静的ミキサー)の下流に組み込まれる。動的ミキサーの例は、1以上のMaddockタイプミキサー、ブリスターミキサー、スパイラルダムミキサー、ピンミキサー及び混合リングからなる。静的ミキサーの霊は、Kenics(商標)ミキサー界面発生(ISG)ミキサー、及びKoch(商標)ミキサーからなる。射出成形を行う場合、そのような静的ミキサーはノズルに組み込まれ、混合ノズルとよばれる。
上記より明らかなように、出発材料を溶融混合することを含む配合方法は、材料を装置に供給する前に用いてもよいが、特に望ましい方法はそのような工程を含まない。従った、この方法は混合工程の前に低粘度熱可塑性材料とポリマーマスターバッチを配合する工程を実質的に含まない。例えば、この方法は、成形機、押出機、シート押出機、又は発泡成形機の加熱されたスクリュー及びバレル(例えば低粘度熱可塑性材料及び/又はポリマーマスターバッチの融点以上に加熱された)に低粘度熱可塑性材料及びポリマーマスターバッチを移動させる工程の前に低粘度熱可塑性材料及びポリマーマスターバッチを配合する工程を実質的に含まない。
本発明の製品には多くの用途が見いだされている。その1つは、ポリオレフィン材料及び特に熱可塑性ポリオレフィンを用いる用途である。例えば、ここに記載の方法により製造される材料は、輸送車両における内装及び外装部材、例えばバンパー、計器盤、外装トリム、グリル、サイドスカート、スポイラー、エアーダム、クラッディング、内装トリムパネル、ひざ当て、ダッシュボード、ハンドル等において魅力的な用途が見いだされている。この製品は成形されてもよく、本質的にここに記載の材料のみからなる。これは装置の一部であってもよい。例えば、ここに記載のように成形された製品を、例えば溶接、接着剤、ファスナー等により互いに積層してもよい。この製品は射出成形した組み立て体の一部であってもよい。
好適な結合剤の例は、限定するものではないが、シアンアクリレート、(メタ)アクリル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシド等を含む。特に好ましい接着剤は、米国特許第6,710,145号、6,713,579号、6,713,578号、6,730,759号、6,949,603号、6,806,330号、並びに米国特許出願番号第2005-0004332号、2005-0137370号、2008-0090981号、2008-0045680号、及び2008-0045681号に開示されているオルガノボラン/アミン錯体を含む。
この製品は好適には、その特性を向上させるために第二の奏債において処理される。その例として、被覆さえるか又は表面処理される。例えば、一態様において、本体の表面が他の本体に結合される前に前処理されてよい。この所望の処理は、洗浄、プラズマコーティング、コロナ放電処理、他の表面処理による被覆、結合剤による被覆等を含む。一態様において、例えば米国特許第5,298,587号、5,320,875号、5,433,786号、及び5,494,712号に記載されているような、カーボン−シリカベースプラズマ付着コーティングを行ってよい。米国特許第5,837,958号に記載されているような他の表面処理も行ってよい。
試験法
多軸もしくはインストルメントダート衝撃(IDI)エネルギー測定は、ASTM D3763により行う。多軸ダート衝撃試験(インストルメントダート衝撃)は、2000lb負荷セルを用いてMTS 810高速(High Rate)装置において行う。試験片はすべて厚さ0.125インチ、直径4インチのディスクである。このディスクに約13mmのチップを用いて約6.7m/sec.において衝撃を加える。外周0.5インチを固定し、約3インチの試験領域を残す。延性破壊(ここでは「D」で示す)は部材の中心を通過する明確な穴を開け、目視によっては半径方向には亀裂は見られない。この試験を10個の試験片において繰返し、延性である破壊のパーセントを得る。天啓的な試験温度は20℃、0℃、−15℃、−30℃、及び−40℃を含む。報告する結果は10個のサンプルの平均である。
結晶化度は、ASTM D 3418.03又はISO 11357-3に従い、示差走査熱量計により測定する。例えば、ポリマーのミリグラムサイズのサンプルをアルミニウムDSC皿にシールする。このサンプルをDSCセルにいれ、25cm3/min窒素パージし、−100℃に冷却する。10℃/分で225℃に加熱することにより、このサンプルについて標準熱履歴を確立する。次いでこのサンプルを−100℃に冷却し(10℃/分で)、10℃/分で再度100℃に加熱する。第二のスキャンについて観察された溶融熱を記録する(ΔH(観察))。下式により、サンプルの重量を基準として、観察された溶融熱を結晶化度(重量パーセント)と相関させる。
%結晶化度=100×(ΔH(観察))/(ΔH(公知))
上式中、ΔH(公知)の値は、ポリマーについて文献に報告されている。例えば、B. Wunderlich, Macromolecular Physics, Vol.3, Crystal Melting, Academic Press, New York, 1980, p.48に報告されているアイソタクチックポリプロピレンの溶融熱は、ΔH(公知)=165ジュール/ポリプロピレンポリマー1gであり、F. Rodriguez, Principles of Polymer Systems, 2版, Hemisphere Publishing Corporation, Washington, 1982, p.54に報告されているポリエチレンの溶融熱は、ΔH(公知)=287ジュール/ポリエチレン1gである。約50モルパーセントより多いプロピレンモノマーを含むポリマーにはΔH(公知)=165J/gの値を用いてよく、約50モルパーセントより多いエチレンモノマーを含むポリマーにはΔH(公知)=287J/gの値を用いてよい。
融点も、上記条件を用いて示差走査熱量計を用いて測定してもよい。特に示さない限り、融点はピーク溶融温度を意味する。
ノッチ付アイゾット耐衝撃性は、ISO 180(方法1A)により測定する。典型的な試験温度は、約20℃、0℃、−15℃、及び−30℃を含む。報告する結果は、5つのサンプルの平均である。
ガラス転移温度(Tg)は、圧縮成形エラストマーサンプルにより測定し、流動動的メカニカル分光計(Rheometrics Dynamic Mechanical Spectrometer)を用いて温度傾斜を行う。ガラス転移温度は、tanデルタピークにおける温度と規定される。動的モードにおいて、液体窒素環境において固体状態試験を行う。3℃/分の温度傾斜を用い、1rad/sec、及び0.1%の当初歪を用いる。平均サンプル寸法は、長さ45.0mm、幅12.6mm、厚さ3.2mmである。
特に示さない限り、曲げ弾性率はISO 178(約2.0mm/minの速度、20℃において約10cmのスパン)により測定し、報告する結果は5つのサンプルの平均であり、極限引張強さ、破断点引張強さ、極限伸び、引張弾性率、及び降伏点伸びはISO 527-1, -2(約50mm/minの歪)により測定し、報告する結果は6つのサンプルの平均であり、ブルックフィールド粘度はISO 2555により測定する。
特に示さない限り、密度はASTM D 792-00により測定する。
特に示さない限り、エチレン及び/又はコモノマー含量は、ASTM D-2238、方法Bにより赤外分光計を用いて測定する。
ジュロメーター硬度は、ASTM D2240-05(例えばショアA硬度スケールを用いる)により測定する。
加熱変形温度(HDT)は、約66psiの負荷を用いてISO 75により測定する。報告する結果は、4つのサンプルの平均である。
溶融流量(すなわちメルトインデックス)I2は、2.16kgの負荷においてISO 1133により測定する。特に示さない限り、測定温度は、ポリプロピレン(少なくとも約55重量パーセントのプロピレンモノマーを含むポリプロピレンコポリマーを含む)、充填材入りTPO組成物、及びポリマーマスターバッチを試験する場合230℃であり、少なくとも約45重量パーセントのエチレンモノマーを含むエチレンコポリマー(すなわちSLEP)を含むポリエチレンを試験する場合190℃である。ポリエチレン含有ポリマーの場合、溶融流量はメルトインデックスで示す。
溶融流量はISO 1133により測定してもよく、10.0kgの負荷における溶融流量(I10)と2.16kgの負荷における溶融流量(I2)の比として計算される。このように、溶融流量はI10/I2の商として計算される。特に示さない限り、測定温度は、ポリプロピレン、充填材入りTPO組成物、及びポリマーマスターバッチを試験する場合230℃であり、少なくとも約40重量パーセントのエチレンモノマーを含むエチレンコポリマー(すなわちSLEP)を含むポリエチレンを試験する場合190℃である。
虎の縞模様は成形片において目視で観察される。虎の縞模様の数は、目視でカウントされ、定性的に記載される。
以下の例は本発明の様々な態様を説明するものである。示す値は概算値であり、本発明を限定するものではない。プロセスパラメータの変化は可能である。さらに、示す結果も変化してよい(例えば、示す値の±10%)。
比較例(CE)MB−1及び実施例(EX)MB−2〜MB−7
マスターバッチCE MB−1及びEX MB−2〜MB−7は表1に示す組成を用いて調製する。HVPIC-1は、約0.89g/cm3(ISO 1183により測定)の密度、約23MPaの降伏点引張強さ、>500%の曲げ弾性率(共にISO 577, -1及び-2により測定)、約850MPaの曲げ弾性率(ISO 178により測定)、及び約1.2の溶融流量を有する高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーである。HVPIC-1はLyondelBassel IndustriesよりHIFAX(商標)X1956Aとして市販入手可能である。SLEP-1は、約0.870g/cm3(ASTM D792により測定)の密度、約1.55MPaの引張強さ、約106%の極限伸び率(共にASTM D638により測定)、約500g/10分において測定した溶融流量、約−58℃のガラス転移温度、約68℃の最終融点(示差走査熱量計により測定)、及び約8200cpsのブルックフィールド粘度(ASTM D1084により測定)を有するエチレン−オクテンコポリマーである。SLEP-1はDow Chemical CompanyよりAffinity(商標)GA1900として市販入手可能である。Talc-1は、約1.9μmの中央粒度を有する粒状タルク(粒子の99-100重量パーセントは平板状であり、1%未満が粒状であり、繊維状粒子は検出されない)であり、この粒子の98重量パーセントは約10μm未満である。Talc-1はImifabi S.p.A.よりHIP 1cとして市販入手可能である。マスターバッチはポリプロピレンキャリア中の着色剤としてCC-1を3重量パーセント未満含む。
スクリュー長さ1152mm、スクリュー速度275rpm、約8kg/時間の処理速度で、ZSK-25二軸スクリュー押出機においてマスターバッチを調製する。充填材(タルク)の半分を供給口に加え、残りの半分を側口に加える。ダイ圧は46〜89バールであり、溶融温度は約210℃である。タルク濃度が0%から70重量パーセントに増加すると、約1080j/gから約1420j/gに比エネルギーが増加する。
キシレン可溶性画分の分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーを用いて各マスターバッチについて測定する。キシレン可溶性画分は、まずポリマーマスターバッチをキシレンにいれ、加熱してポリマーを溶解することにより得られる。次いで、キシレン溶液を室温に冷却する。冷却すると、キシレン不溶性部分が沈殿する。このキシレン不溶性部分をろ過により除き、残っているキシレン可溶性画分を分析する。キシレン可溶性部分の数平均(Mn)、重量平均(Mw)及びz平均(Mz)分子量を、Waters GPCV2000を用いてゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定する。分子量は100%ポリエチレンを基準として計算する。GPCは標準を用いて標準化し、Mn及びMwについての標準偏差はそれぞれ2.9%及び0.57%と計算される。数平均、重量平均、及びz平均分子量(100%ポイエチレンを基準としてダルトンで現す)を表1に示す。例えば、EX MB−3のキシレン可溶性画分は約17,300Daの数平均分子量(Mn)、約363,000Daの重量平均分子量(Mw)、及び約1,768,000Daのz平均分子量(Mz)を有する。
HVPIC-1のキシレン可溶性画分は約65,800DaのMn、約620,000DaのMw、及び約2,183,000DaのMzを有すると測定される。SLEP-1はわずかに低い分子量分布および狭い分子量分布を有すると測定される。SLEP-1は約12,100DaのMn、約24,000DaのMw及び約38,000DaのMzを有する。
比較例MB−8は、上記マスターバッチと同様にして調製する。MB−8はHVPICを用いず調製し、表1に示すように約29重量パーセントの濃度でSLEP-1を含む。
Figure 0005632395
例MB−9〜MB−12
表2に示す組成を用いて、マスターバッチサンプルEX MB−9〜EX MB−12を調製する。Talc-2はJETFUL(商標)として入手可能な沈殿タルクである。Additive-1はCHIMASORB(商標)119、IRGANOX(商標)B225、及びエルカミドを1:2:3の比で含む添加材パッケージである。LVPP-1は比較的低粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーである。LVPP-1は約44g/10minの溶融流量(ISO 1133により測定)、約0.9g/cm3の密度(ISO 1183により測定)、約1450MPaの曲げ弾性率(ISO 178により測定)、約28MPaの降伏点引張強さ、約7%の降伏点引張伸び(共にISO 527, -2により測定)、約152℃のバイカット軟化点A(10NにおいてISO 306/Aにより測定)、及び約4kJ/m2のCHARPYノッチ付耐衝撃強さ(-20℃においてISO 179-1/1eAにより測定)を特徴とする。LVPP-1はDOW CHEMICAL COMPANYよりポリプロピレンC705-44として市販入手可能である。
マスターバッチサンプルEX MB−9〜EX MB−12は、CE MB−1と同じ方法を用いて調製する。MB−9〜MB−12の分子量分布は、ゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定する。図1において、SLEP-1濃度の関数としてz平均分子量をプロットする。SLEP-1濃度が増加するほど、z平均分子量は徐々に増加する。これは低粘度SLEP-1を用いた場合にマスターバッチの加工の間の分解が低下するためである。
Figure 0005632395
例TPO−1〜TPO−8
ポリプロピレン(LVPP-2)をマスターバッチEX MB−7又はマスターバッチCE MB−8のいずれかと、表3Aに示す濃度で乾燥混合することにより、充填材入りTPO組成物を調製する。LVPP-2は約9.7g/10minの溶融流量(ASTM D1238により測定)、約0.89g/cm3の比重(ASTM D792により測定)、約950MPaの曲げ弾性率(ASTM D790Aにより測定)、約927MPaの極限引張強さ、約106%の極限伸び(共にASTM D638により測定)を特徴とする。LVPP-2は、インストルメント落槍衝撃試験により測定して−40℃における延性を有するTPOポリプロピレンであり、商品名ポリプロピレンD143.00としてDOW CHEMICAL COMPANYより供給されている。
乾燥混合物を射出成形機のホッパーに入れ、A4サイズの射出成形した板(約3mm×300mm×200mmの寸法)を、射出成形機のスクリュー及びバレルに供給する前にポリマーマスターバッチとLVPP-2ポリプロピレンを溶融配合する工程を行うことなく製造する。射出成形機のスクリュー及びバレルを加熱し、剪断を加えて溶融混合する。約45mmのスクリュー直径を有するKrauss Maffei 300-140C2射出成形機を用いて、以下の条件で板を成形する。
バレル温度(ノズルから供給口)
190-250℃(例えば225)
200-260℃(例えば230)
200-260℃(例えば220)
170-230℃(例えば215)
170-230℃(例えば205)
40-95℃(例えば55)
ツール温度:35-50℃(例えば40)
ホットランナー温度:190-230℃(例えば210℃)
供給速度:50-150rpm(例えば100rpm)
背圧:4-80バール(例えば7バール)
供給ストローク:120-180mm(例えば150mm)
スイッチカバーポイント:15-25mm(例えば17mm)
保持圧:20-25バール(例えば22バール)
保持時間:7-20秒(例えば12秒)
射出速度:20-50mm/sec(例えば35mm/sec)
冷却時間:30-40sec(例えば35sec)
総サイクル時間:±60sec(ISO標準による)
MB−7(例えばEX TPO−1、3、5、及び7)を用いて製造し、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含む板は、MB−8(例えばCE TPO−2、4、6、及び8)を用いて同様に製造した射出成形した板よりも向上した表面審美性(例えば虎の縞模様が少ない)を有する。例えば、EX TPO−3及CE TPO−4の板の表面を図2及び3にそれぞれ示す。同様に、EX TPO−7及びTPO−8の板の表面を図4及び5にそれぞれ示す。
充填材入りTPO組成物(TPO−1〜TPO−8)の機械特性を表3B,図6Aに示す。図6A、6B、6C及び6Dは、20℃、0℃、−20℃、及び−30℃におけるノッチ付アイゾット衝撃試験を用いて測定した衝撃強さとこれらの組成物の曲げ弾性率の関係を示す。高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含むマスターバッチを用いて製造した例TPO−1、3、5、及び7を正方形の印で示し、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含まないマスターバッチを用いて製造した比較例TPO−2、4、6、及び8はひし形の印で示す。図7A及び7Bは、−30℃及び−40℃における落槍衝撃試験により測定した延性であるサンプルの比率とこれら組成物の曲げ弾性率の関係を示す。図7C及び7Dは、−30℃及び−40℃における落槍衝撃試験により測定した総エネルギーとこれら組成物の曲げ弾性率の関係を示す。図7A、7B、7C及び7Dにおいて、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含むマスターバッチを用いて製造した例TPO−1、3、5、及び7を正方形の印で示し、高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーを含まないマスターバッチを用いて製造した比較例TPO−2、4、6、及び8はひし形の印で示す。図7Cは、HVPICを含み、−30℃で試験を行ったマスターバッチを含むサンプルの延性破壊率(DF)は式DF>95−(0.1×(MF−1100))(式中、MFは曲げ弾性率MPaであり、MFは約1100〜1600MPaの範囲にある)により示される。これらのサンプルについて、DF>95−(0.05×(MF−1100))であることも見出された。比較例は上記条件を満たさない。
Figure 0005632395
Figure 0005632395
例TPO9及び11並びに比較例10及び12
EX TPO−9及び11並びにTPO−10及び12は、表4に示す組成を用いて調製した充填材入りTPO組成物である。このマスターバッチは約80℃において2時間乾燥させ、水分を除去する。成分を乾燥混合してペレット混合物を形成し、EX TPO−1について記載した方法により射出成形する。SLEP-2は約5g/10minの溶融流量及び約0.87g/cm3の密度を有するエチレン−オクテンコポリマーである。SLEP-2は商品名ENGAGE(商標)8200としてDOW CHEMICAL COMPANYより市販入手可能である。
Figure 0005632395
マスターバッチ及びポリプロピレンを室温(すなわち、マスターバッチ及びポリプロピレンの融点より低い温度)において乾燥混合する。
比較例CE TPO−13及CE TPO−14
CE TPO−13は、耐衝撃性ポリプロピレンLVPP-2(−30℃及び−40℃において100%延性を有する)のペレットとHVPICを含まないタルクマスターバッチのペレットを88:12の比で射出成形機に加えることにより調製する。このペレットを、射出成形機のスクリュー及びバレル内で溶融させ混合し、次いでCE TPO−13を板に射出成形する。成形した板は約4.0〜約4.5の虎の縞模様等級を有している。落槍試験を用いて低温において延性について試験を行うと、0%のサンプルが−40℃において延性であり、10%のサンプルが−30℃において延性であった。
CE TPO−14は、6重量パーセントのHVPICのペレットを射出成形機に加えることを除き、CE TPO−13と同じ方法を用いて調製する。成形した板は約2.5の虎の縞模様等級を有している。落槍試験を用いて低温において延性について試験を行うと、0%のサンプルが−40℃において延性であり、50%のサンプルが−30℃において延性であった。TPO−14は延性の向上が最小である。比較として、EX TPO−3は縞模様等級を有しておらず、落槍試験を用いて低温において延性について試験を行うと、70%のサンプルが−40℃において延性であり、90%のサンプルが−30℃において延性であった。
上記のように、望ましくは、本発明の方法はポリマーマスターバッチ、低粘度ポリプロピレン及び第三の材料を部品加工工程の前に配合する工程を実質的に含まない。特に、材料の溶融混合する工程を含む配合工程を含まない。そのような要件は、材料の融点より低い温度における乾燥混合工程を用いることに一致する。例えば、出発材料をスクリュー及びバレルに導入する前に、材料のペレットを乾燥混合する(例えばホッパー内で混合アームにより)。好適な供給機、例えばグラビメトリック供給機を所望により用いてもよい。
本明細書の記載は、成形装置に導入する前(例えば、射出成形機のホッパーに導入する前)に配合される材料により優れた特性を与える成形された熱可塑性製品の製造を可能にする。有利には、この材料は、あらかじめ配合された混合物により製造された製品と比較して、実質的に最小にされた熱履歴で製品に加工される。
本発明の特徴を一実施態様において説明したが、そのような特徴は他の態様の1以上の他の特徴と組み合わせてもよい。特に示さない限り、様々な態様の寸法及び形態は本発明を限定するものではなく、他の寸法及び形態も可能である。多くの工程を1つの一体の工程にしてもよい。また、1つの工程を別個の工程に分けてもよい。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[21]に記載する。
[1]
a.ポリマー組成物の総重量を基準として少なくとも約5重量パーセントの無機充填材;
b.高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーであって、
i.この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約20〜約90重量パーセント存在する高結晶性部分、及び
ii.この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの約10〜約80重量パーセント存在し、約1,500,00Daより大きいz平均分子量、約100,000Daより小さい数平均分子量、及び約5より大きい多分散指数を有するキシレン可溶性部分
を有する高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー;及び
c.190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約40g/10分より高い溶融流量、及び約3.5より小さい多分散指数を有する、低粘度の実質的に線状のエチレンポリマー(SLEP)
を含むポリマー組成物。
[2]
前記ポリマー組成物がポリオレフィン希釈剤とプレス混合して表面欠陥の低い成形表面を達成するのに適したポリマーマスターバッチであり、無機充填材の濃度がポリマーマスターバッチの総重量を基準として少なくとも約35重量パーセントである、項目1記載のポリマー組成物。
[3]
充填材濃度がポリマーマスターバッチの総重量を基準として約35重量パーセント〜約85重量パーセントである、項目2記載のポリマーマスターバッチ。
[4]
前記充填材がタルクを含む、項目2又は3記載のポリマーマスターバッチ。
[5]
前記充填材の少なくとも90重量パーセントが約0.1〜約20μmの中央粒度を有する、項目2〜4のいずれかに記載のポリマーマスターバッチ。
[6]
前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーが、230℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約0.4〜約2.5g/10分の溶融流量を有する、項目2〜5のいずれかに記載のポリマーマスターバッチ。
[7]
前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分が約1,800,000Da〜約3,500,000Daのz平均分子量を有する、項目2〜6のいずれかに記載のポリマーマスターバッチ。
[8]
前記ポリマーマスターバッチがキシレン可溶性成分を有し、このキシレン可溶性成分が約1,000,000Daより高いz平均分子量を有する、項目2〜7のいずれかに記載のポリマーマスターバッチ。
[9]
前記SLEPがエチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、及びこれらのあらゆる組み合わせからなる群より選ばれ、このSLEPが190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約150g/10分より高い溶融流量を有する、項目2〜8のいずれかに記載のポリマーマスターバッチ。
[10]
前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーが約140℃より高い溶融温度を有し、キシレン可溶性部分がポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの総重量を基準として22〜約55重量パーセントの濃度で存在する、項目2〜9のいずれかに記載のポリマーマスターバッチ。
[11]
前記高粘度耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分が約7より高い多分散指数を有する、項目2〜10のいずれかに記載のポリマーマスターバッチ。
[12]
ペレットもしくは粒子の形態である、項目2〜11のいずれかに記載のポリマーマスターバッチ。
[13]
前記ポリマー組成物が自動車室内成形用途に用いられる充填材入り熱可塑性ポリオレフィン(TPO)組成物であり、無機充填材がTPO組成物の総重量を基準として約5〜約30重量パーセントの濃度で存在し、ポリマー組成物が230℃においてASTM D-1238にて測定し、約4g/10分より高い溶融流量及び約130℃より高い溶融温度を有する、項目1記載のポリマー組成物。
[14]
高粘度プロピレン耐衝撃性コポリマーがTPO組成物の総重量を基準として約1〜約8重量パーセントの濃度で存在する、項目13記載の充填材入りTPO組成物。
[15]
SLEPが充填材入りTPO組成物の総重量を基準として約1重量パーセントより高い濃度で存在する、項目13又は14記載の充填材入りTPO組成物。
[16]
約35g/10分の溶融流量を有する第二のSLEPを更に含む、項目12〜14のいずれかに記載の充填材入りTPO組成物。
[17]
前記第二のSLEPが充填材入りTPO組成物の総重量を基準として約3〜約30重量パーセントの濃度で存在する、項目16記載の充填材入りTPO組成物。
[18]
第二のポリプロピレンが充填材入りTPO組成物の総重量を基準として約30重量パーセントより高い濃度で存在する、項目13〜17のいずれかに記載の充填材入りTPO組成物。
[19]
項目2〜11のいずれかに記載のマスターバッチ組成物を含む、項目13〜18のいずれかに記載の充填材入りTPO組成物。
[20]
a.少なくとも10重量パーセントの項目2〜11のいずれかに記載のポリマーマスターバッチと少なくとも40重量パーセントの、230℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、約2.5g/10分より高い溶融流量を有するポリプロピレンとを溶融混合してポリマー組成物を含むマスターバッチの溶融混合物を形成すること、及び
b.このポリマー組成物を含むマスターバッチを成形すること
の工程を含む、ポリマー組成物を含むマスターバッチを有する少なくとも1つの部品を含む成形品の製造方法。
[21]
溶融混合の工程が射出成形機のスクリュー中で行われ、ポリマー組成物を含むマスターバッチを成形する工程が溶融混合物を成形する工程を含み、溶融混合工程の前にポリマーマスターバッチとポリプロピレンを溶融混合する工程を含まない、項目20記載の方法。

Claims (13)

  1. a.ポリマー組成物の総重量を基準として少なくとも5重量パーセントの無機充填材;
    b.2.16kgの負荷においてISO1133により測定し、3g/10min以下の溶融流量を有する高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーであって、
    i.この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの20〜90重量パーセント存在する高結晶性部分、及び
    ii.この高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの10〜80重量パーセント存在し1,500,000Daより大きいz平均分子量、100,000Daより小さい数平均分子量、及び5より大きい多分散指数を有するキシレン可溶性部分
    を有する高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー;及び
    c.190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、40g/10分より高い溶融流量、及び3.5より小さい多分散指数を有する、実質的に線状のエチレンポリマー(SLEP)
    を含むポリマー組成物。
  2. 前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーが、230℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、0.4〜2.5g/10分の溶融流量を有する、請求項1に記載のポリマー組成物
  3. 前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分が1,800,000Da〜3,500,000Daのz平均分子量を有する、請求項1に記載のポリマー組成物
  4. 前記SLEPがエチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、及びこれらのあらゆる組み合わせからなる群より選ばれ、このSLEPが190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、150g/10分より高い溶融流量を有する、請求項3に記載のポリマー組成物
  5. 前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーが140℃より高い溶融温度を有し、キシレン可溶性部分がポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの総重量を基準として22〜55重量パーセントの濃度で存在し、前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分が7より高い多分散指数を有する、請求項1に記載のポリマー組成物
  6. 前記ポリマー組成物が自動車室内成形用途に用いられる充填材入り熱可塑性ポリオレフィン(TPO)組成物であり、無機充填材がTPO組成物の総重量を基準とし5〜30重量パーセントの濃度で存在し、ポリマー組成物が230℃においてASTM D-1238にて測定し、4g/10分より高い溶融流量及び130℃より高い溶融温度を有する低粘度ポリプロピレンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
  7. 高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーがTPO組成物の総重量を基準として1〜8重量パーセントの濃度で存在し、低粘度ポリプロピレンが充填材入りTPO組成物の総重量を基準として30重量パーセントより高い濃度で存在し、SLEPが充填材入りTPO組成物の総重量を基準として1重量パーセントより高い濃度で存在し、前記充填材がタルクを含み、前記充填材の少なくとも90重量パーセントが0.1〜20μmの中央粒度を有する、請求項6記載のポリマー組成物。
  8. 35g/10分の溶融流量を有する第二のSLEPを更に含み、前記第二のSLEPが充填材入りTPO組成物の総重量を基準として3〜30重量パーセントの濃度で存在する、請求項6記載のポリマー組成物。
  9. 前記ポリマー組成物がポリオレフィン希釈剤とプレス混合して表面欠陥の低い成形表面を達成するのに適したポリマーマスターバッチであり、無機充填材の濃度がポリマーマスターバッチの総重量を基準として少なくとも35重量パーセント〜85重量パーセントであり、前記ポリマーマスターバッチがペレットもしくは粒子の形態である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
  10. a.少なくとも10重量パーセントの請求項9に記載のポリマー組成物と少なくとも40重量パーセントの、230℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、2.5g/10分より高い溶融流量を有するポリプロピレンとを溶融混合してポリマーブレンド組成物を形成すること、及び
    b.このポリマーブレンド組成物を成形すること
    の工程を含む、ポリマーブレンド組成物を有する少なくとも1つの部品を含む成形品の製造方法。
  11. 前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーが、230℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、0.4〜2.5g/10分の溶融流量を有し、
    前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーが140℃より高い溶融温度を有し、
    前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分が1,800,000Da〜3,500,000Daのz平均分子量を有し、
    前記キシレン可溶性部分がポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの総重量を基準として22〜55重量パーセントの濃度で存在し、
    前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分が7より高い多分散指数を有し、
    前記SLEPがエチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、及びこれらのあらゆる組み合わせからなる群より選ばれ、
    このSLEPが190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、150g/10分より高い溶融流量を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
  12. 前記ポリマー組成物が自動車室内成形用途に用いられる充填材入り熱可塑性ポリオレフィン(TPO)組成物であり、ここで
    無機充填材がTPO組成物の総重量を基準とし5〜30重量パーセントの濃度で存在し、
    前記ポリマー組成物が230℃においてASTM D-1238にて測定し、4g/10分より高い溶融流量及び130℃より高い溶融温度を有する低粘度ポリプロピレンを含み、
    高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーがTPO組成物の総重量を基準として1〜8重量パーセントの濃度で存在し、
    低粘度ポリプロピレンが充填材入りTPO組成物の総重量を基準として30重量パーセントより高い濃度で存在し、
    SLEPが充填材入りTPO組成物の総重量を基準として1重量パーセントより高い濃度で存在し、
    前記充填材がタルクを含み、前記充填材の少なくとも90重量パーセントが0.1〜20μmの中央粒度を有し、
    35g/10分の溶融流量を有する第二のSLEPを更に含み、前記第二のSLEPが充填材入りTPO組成物の総重量を基準として3〜30重量パーセントの濃度で存在する、請求項11記載のポリマー組成物。
  13. 前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーが、230℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、0.4〜2.5g/10分の溶融流量を有し、
    前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーが140℃より高い溶融温度を有し、
    前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分が1,800,000Da〜3,500,000Daのz平均分子量を有し、
    前記キシレン可溶性部分がポリプロピレン耐衝撃性コポリマーの総重量を基準として22〜55重量パーセントの濃度で存在し、
    前記高粘度ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーのキシレン可溶性部分が7より高い多分散指数を有し、
    前記SLEPがエチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテンコポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、及びこれらのあらゆる組み合わせからなる群より選ばれ、
    このSLEPが190℃/2.16kgにおいてASTM D-1238にて測定し、150g/10分より高い溶融流量を有し、
    前記ポリマー組成物がポリオレフィン希釈剤とプレス混合して表面欠陥の低い成形表面を達成するのに適したポリマーマスターバッチであり、無機充填材の濃度がポリマーマスターバッチの総重量を基準として少なくとも35重量パーセント〜85重量パーセントであり、前記ポリマーマスターバッチがペレットもしくは粒子の形態である、請求項1記載のポリマー組成物。
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