JP5142454B2 - ミシン - Google Patents

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Description

本発明はミシンに関し、特に、縫製時に余剰の糸を引き出すことが可能なミシンに関する。
複数の被縫製物を重ねて縫い合わせるミシンの縫製時においては、均質な縫い目を形成するために、送り機構で搬送される被縫製物の縫製位置、即ち、針落ち位置近傍には略平板状の布押さえにより押圧力が印加される。このため、被縫製物の縫製位置は該押圧力を受けることにより圧縮される。そして、搬送に伴い布押さえ位置から搬送方向に移動された圧縮部分は、布押さえの押圧力から開放されて、反発力(復元力)により本来の厚さに復元されるものである。
また、前述した圧縮部分には上面側から上糸を通した針が貫通されるものであり、針板の下方側では針先に通した上糸に下糸が掛け渡され、該針先が被縫製物の下方側から上方側に引き抜かれる際に、上糸と下糸とが締め付けられることで縫製が行われる(縫い目が形成される)ようになっている。
ここで、例えば、スーツの袖と身頃とを縫製する場合等には、仕上がり品質上の要求から、肩パット上に形成される縫い目部分において縫製後も本来の肩パットの厚さが維持されていることが望ましい。一般に、ミシンにおいては布押さえによる圧縮部分に縫い目が形成されるため、肩パットのように、柔軟性を有し、且つ、本来の厚さと布押さえで押圧された時の厚さとが大きく異なる被縫製物を縫い合わせる場合は、縫製後の縫い目部分の厚さは被縫製物の本来の厚さに比べて大幅に薄くなり窪んでしまうという問題があった。
上記問題に鑑みて、針板の上方側において上下に駆動する針の針軌道を左右に揺動するレバーが横切ることにより、予め上糸を絡め取って縫製後の糸長に余裕を持たせることを可能にしたミシンが知られている(例えば、非特許文献1参照)。このような従来のミシンにおいては、レバーはリンク機構を介して布厚に応じて昇降可能な布厚検出手段を有する構成となっている。これにより、布の厚さの変化に応じて縫製時に一定量の余剰の上糸を確保することができ、縫製後の縫い目部分の厚さと被縫製物本来の厚さとの差を緩和することができるようになっている。
デュルコップ社製、D697 パーツブック
しかしながら、上記非特許文献1に示す従来のミシンにおいては、本来の布の厚さを検出する布厚検出手段は、長穴と該長穴に係合されるピンとによって連結されるロッドを有する構成であるため、布の厚さの変化量に対するレバーの上下方向への昇降量は一定の比率に調節できるに過ぎない。即ち、布の厚さの変化量に対して線形(一次)的に変化できるに過ぎず、布の厚さ変化に対する応答が本来の布の厚さのみを基準とする近似的なものであった。また、比率調節は手動作業なので縫製中には行うことができず、一定の比率のままで縫製を行わねばならないという問題があった。
さらに、余剰の糸の長さは単に該布厚検出手段によって検出される布本来の厚さのみを基準に定められ、弾力性や復元力が異なる被縫製物を縫製する場合には、連結部である長穴とピンとを再度調整し直さなければならなかった。この長穴部に係合するピンの調整は作業者の手作業によるため、手間がかかる上に微調整が難しく、同じ素材の被縫製物を縫製する場合に再現性が低いという問題があった。
また、レバーの左右方向への揺動動作は、作動或は停止の切り換えができるに留まり、布の厚さや復元量に応じて左右方向の揺幅を調節することができない。即ち、布厚に応じた上糸の確保量を左右方向の動作によっては調節することができないという問題があった。
さらに、レバーの左右方向への揺動動作は、ミシン主軸の回転がギアを介して伝達される構成となっており、その回転数は半減されて伝達される。従って、ミシン主軸と同期して上下に駆動される針が、上下に2往復するごとにレバーが左右に1往復する構成となっている。このため、左右方向に対するレバーの駆動パターンは、針が上昇するたびにその下方側をレバーが横切るという動作ができるに留まり、動作パターンが変更できないという問題があった。
本発明は、糸の弛め方をより自由に行うことができるミシンを提供することをその目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ミシンモータと、前記ミシンモータの駆動により針を上下に駆動する針駆動機構と、前記針駆動機構に同期して針板上の被縫製物を搬送する送り機構と、前記針板上に前記被縫製物を押圧する押さえ機構と、前記針の上下動経路を送り方向と交差する方向に横切ることで前記針と前記被縫製物との間に渡された針糸を絡めて糸長を余分に引き出すように送り方向に沿って配置された糸弛め部材を有する糸弛め機構と、を備えるミシンにおいて、
前記糸弛め機構は、前記針の上下動経路を前記送り方向と交差する方向に横切るように前記糸弛め部材を駆動する交差方向駆動手段を有し、
前記交差方向駆動手段は、前記糸弛め部材の回動の駆動源となる左右駆動モータを有し、
前記交差方向駆動手段の駆動頻度又は駆動量を制御する機能を有する制御手段を備え
前記糸弛め機構は、
前記糸弛め部材を上下方向に駆動可能な上下駆動手段と、
前記送り機構により搬送される前記被縫製物の厚さを検出する厚さ検出手段とを有し、
前記制御手段は、
前記厚さ検出手段の検出厚さに基づいて前記上下駆動手段を制御する機能を有することを特徴とするミシンである。
請求項1に記載の発明では、糸弛め機構の糸弛め部材は交差方向駆動手段により駆動され、該交差方向駆動手段は制御手段によってその駆動頻度、駆動量或いは駆動速度等が制御される。即ち、糸弛め機構の糸弛め部材は、制御手段において針の上下動に交差する方向への駆動頻度、駆動量或いは駆動速度等が自在に設定又は変更可能となり、該制御手段における設定に従い交差方向駆動手段により左右方向に駆動される。
また、送り機構により縫製位置に搬送される被縫製物の厚さが厚さ検出手段によって検出される。また、糸弛め機構の糸弛め部材は、上下駆動手段によって上下に昇降される。また、該上下駆動手段は、厚さ検出手段で検出された検出値、即ち、被縫製物の本来の厚さに基づいて制御手段により駆動制御される。即ち、厚さ検出手段によって検出された被縫製物の本来の厚さが制御手段に出力され、該制御手段に格納された、或いは、該制御手段における設定に従い糸弛め部材の昇降量が算出されて上下駆動手段にリアルタイムでフィードバックされることにより、一針ごとの余分に確保するべき糸の長さを正確に引き出す縫製が行われる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のミシンにおいて、前記制御手段は、前記厚さ検出手段の検出値に基づいて前記交差方向駆動手段を制御する機能を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、糸弛め機構の交差方向駆動手段は、厚さ検出手段によって検出された被縫製物の本来の厚さに基づいて該交差方向駆動手段を制御する制御手段によってその駆動を制御される。即ち、送り機構によって搬送される被縫製物の本来の厚さが厚さ検出手段によって検出され、該検出値が制御手段に出力される。制御手段は、この検出値に基づき上下駆動手段のほか交差方向駆動手段の駆動もまた制御するものである。
請求項1に記載の発明によれば、糸弛め機構の糸弛め部材は交差方向駆動手段により駆動可能となり、該交差方向駆動手段は制御手段によって左右方向への駆動頻度、駆動量及び駆動速度等が自在に設定又は変更可能となる。従って、ミシンモータから分力された駆動力を得ることで駆動される糸弛め部材を有する従来のミシンと比較して、糸弛め部材の左右方向への駆動頻度又は駆動量を自由に設定することができ、さらには縫製中において駆動頻度や駆動量を変化させる制御も行うことができる。これにより、一針(1ピッチ)あたりの縫製動作において余分に引き出すことができる糸の長さを所望の値に設定し或いは所望の変化を生じさせることが可能となる。従って、様々な被縫製物の厚さや素材に応じて、多様な縫製が可能となる。
また、特に、糸弛め機構の糸弛め部材は、厚さ検出手段により検出された被縫製物の本来の厚さに基づき制御手段によってその駆動が制御可能となる。従って、長穴とピンとを介して連結された検出腕を有することにより昇降量を一定の比率で変更可能であった従来のミシンに比べて、上下方向への昇降量を自在に設定或いは変更することが可能となる。これにより、一針(1ピッチ)あたりの縫製動作において余分に確保する糸の長さをきめ細かく設定することができ、縫製後においても被縫製物の本来の厚さを維持する縫製を行うことが可能となる。さらに、上下駆動手段は、厚さ検出手段によって検出された検出厚さに基づいて該上下駆動手段の制御を行う制御手段によってその駆動が制御されるため、縫製位置に搬送される被縫製物の本来の厚さがリアルタイムでフィードバックされ、一針ごとに被縫製物の本来の厚さに正確に対応する余分な長さの糸を引き出すことができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、制御手段は、厚さ検出手段によって検出された被縫製物の厚さに基づいて交差方向駆動手段の駆動を制御する機能を備えていることにより、送り機構で搬送される被縫製物の本来の厚さをリアルタイムにフィードバックすることができ、一針ごとに余分に引き出すべき糸の長さを正確に確保することができる。また、上下駆動手段のほか交差方向駆動手段の動作もまた、厚さ検出手段によって検出された被縫製物の本来の厚さに基づいて制御することができるため、縫製位置に搬送される被縫製物の本来の厚さに正確に対応して、これら上下駆動手段と交差方向駆動手段との駆動頻度、駆動量及び駆動速度等を任意に組み合わせることができるとともに、多様な縫製条件や縫製パターンに応じて縫い目を形成することができる。
(実施の形態の全体構成)
本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1はミシン10の要部構成を示す斜視図である。
ここで、後述する縫い針11が上下動を行う方向をZ軸方向(上下方向)とし、これと直交する一の方向(被縫製物の送り方向)をX軸方向(前後方向)とし、X軸方向とZ軸方向の両方に直交する方向をY軸方向(左右方向)と定義する。また、ミシン10において、ミシンベッド部21の上側に設けられた針板13はX−Y平面に平行に配設されているものとする。
本実施形態たるミシン10は、被縫製物たる布地に対して厚手の材料、例えばパット等を縫い付けるミシンであって、通常よりも厚物縫いに適した構成となっている。以下の説明において、単に「被縫製物」という場合には、布地とパットを重ねた状態の物を示すものとする。
ミシン10は、テーブル1の上面に載置され、そのほぼ全体の構成を支持格納する本体フレーム20と、縫い針11を保持すると共に本体フレーム20に上下動可能に支持された針棒と、ミシンモータ3の駆動により針棒を上下動させる針駆動機構としての上下動機構と、針板13に載置された被縫製物をX軸方向に沿って送る送り機構と、針板13上の被縫製物を上方から押圧して押さえる押さえ機構を構成する布押さえ12と、針板13上の被縫製物の厚さを検出する布厚検出手段30と、布厚検出手段30により検出された検出厚さに応じて縫い糸の糸弛めを行う作業手段としての糸弛め機構40と、上記各構成に対して動作制御を行う動作制御手段80とを備えている。
(本体フレーム)
本体フレーム20は、その一端部の上面に針板13を備えたミシンベッド部21と、ミシンベッド部21の他端部側から立設された縦胴部22と、縦胴部22の上端からミシンベッド部21と同じ方向に延出されたミシンアーム部23とを備え、全体的には略コ字状に形成されている。
(縫い針)
上記縫い針11は、本体フレームに支持された図示しない針棒を介して上下動機構によりZ軸方向に沿って往復駆動する。縫い針11はその先端近傍に図示しない上糸が通されており、Z軸方向の往復動作により針板13の上面の被縫製物を貫通して針板13の下側まで上糸を送り、図示しない釜の繰る下糸に絡げて縫製を行う。
(上下動機構)
図示しない上下動機構は、本体フレームに固定され、針棒の上下端部をそれぞれ滑動可能に支持する上下のメタル軸受けと、ミシンアーム部23内でY軸方向に沿って回転可能に配設された上軸と、上軸を回転駆動するミシンモータ3と、この上軸の端部に固定装備された回転錘と、回転錘の回転中心から偏心した部位と針棒とを連結するクランクロッドとを備えている。
そして、上軸及び回転錘がミシンモータ3により回転駆動されると、クランクロッドは針棒に対して回転駆動力を上下動駆動力に変換して伝達し、上下方向に往復駆動させることが可能となっている。
(布押さえ)
図2は布押さえ12の周囲の構成を示す拡大斜視図である。布押さえ12は、四角い枠状で内側は上下に貫通している。そして、縫い針は布押さえ12の内側で針落ちを行い、布押さえ12の内側で縫製を行うようになっている。また、糸弛め部材41も、布押さえ12の枠内でY軸方向に移動を行う。
布押さえ12は、ミシンアーム部23の先端部の下部においてZ軸方向に沿って移動可能に支持された布押さえ支持棒14の下端部に保持されており、この布押さえ支持棒14は図示しない押さえ用ステッピングモータにより上下動を行うようになっている。
つまり、動作制御手段80が、縫製時において布厚検出手段30により検出された布厚に応じて押さえ用ステッピングモータを制御して布押さえ12の高さ調節を行い、適正な高さから布押さえが行われるようになっている。
(送り機構)
図示しない送り機構は、針板13の下方にあって針板上面に出没する送り歯と、送り歯をX軸方向に沿った送り方向に移動させる伝達機構とを有している。かかる伝達機構は、ミシンモータの駆動により、送り歯を針板13の上面に出現させながらX軸方向の一定方向(正送り方向)に縫いピッチ分移動させる。また、伝達機構の送り動作は、縫い針11の上下動と同期して周期的に行われる。これにより、送り機構は、針板13上の被縫製物を縫いピッチ単位で送るようになっている。
(布厚検出手段)
布厚検出手段30は、布押さえ12の近傍においてその先端部が針板13上の被縫製物に上方から接する検出アーム31と、検出アーム31の揺動角度を検出する角度検出手段であるポテンショメータ32とを備えている。当該ポテンショメータ32は、ミシンアーム部23の先端下部に配置されている。
ポテンショメータ32は、回転可能な検出軸を備えており、当該検出軸が本体フレーム20の内側で支持されている。かかるポテンショメータ32は、検出軸に生じた回転角度に応じた信号を動作制御手段80に出力する機能を備えると共に、当該検出軸により検出アーム31の基端部を軸支している。
検出アーム31は、その基端部がポテンショメータ32の検出軸に支持され、その先端部が検出軸と直交する方向であって斜め下方に向かって垂下されている。かかる検出アーム31の先端部は、針板13上面における布押さえ12のY軸方向に隣接した位置に着地しており、縫製時には針板13の上面にセットされた被縫製物の上に当接する配置となっている。従って、縫製時には被縫製物の厚さに応じて検出アーム31は回動せしめられ、基端部側のポテンショメータ32の検出軸は厚さに応じた回転角度分だけ動作制御手段80に信号出力を行う。そして、動作制御手段80では、検出回転角度と既知である検出アーム31の長さから被縫製物の厚さを算出するようになっている。
(糸弛め機構)
糸弛め機構40は、縫い針11の上下動経路を送り方向(X軸方向)と交差する方向(Y軸方向)に横切ることで被縫製物に縫い込まれる縫い糸に一時的に絡んで糸弛めを行う糸弛め部材41と、布押さえ支持棒14に対して回動と上下動とを可能に支持された糸弛め部材41の保持体42と、保持体42を介してZ軸方向を軸として糸弛め部材41を回動させる交差方向駆動手段としての左右駆動機構44と、保持体42を介してZ軸方向に沿って糸弛め部材41を移動させる上下駆動手段としての上下駆動機構51とを備えている。
上記保持体42は、布押さえ支持棒14の下端部近傍であって布押さえ12よりも幾分上側に配置されている。この保持体42は貫通穴が形成され、当該貫通穴に布押さえ支持棒14を挿通させることで当該布押さえ支持棒14に沿って移動が可能であり、布押さえ支持棒14を中心とする回動が可能となっている。
糸弛め部材41は、その基端部が保持体42に固定装備されており、当該基端部から布押さえ支持棒14と直交する方向に向かって(X軸方向に沿って)一旦延設されると共に途中からUターンを全く逆方向に向かってその先端部が延設されている。さらに、糸弛め部材41は、折り返し部分を境にその先端部側部分41bと基端部側部分41aとが互いに平行ではあるが、互いにY軸方向とZ軸方向についてずれるように配置されている。
前述したように、保持体42は布押さえ支持棒14を中心に回動可能に支持されているため、糸弛め部材41も同様に支持棒14を中心に回動を行う。そして、糸弛め部材41はその回動により、縫い針11の上下動経路を通過するように配置されている。
なお、糸弛め部材41は、左右駆動機構44により、縫い針11の上下動経路を横切る一定の角度範囲で往復回動が行われるが、糸弛め部材41がおおむねX軸方向に沿った状態(少なくともY軸方向よりもX軸方向に沿った状態となる範囲)を維持する角度範囲で往復回動が行われる。
左右動機構44は、針糸を通して上下に駆動する縫い針11の上下動経路を送り方向と交差する方向に横切るように糸弛め部材41を駆動する交差方向駆動手段であって、糸弛め部材41の回動の駆動源となる左右駆動モータ45と、左右駆動モータ45の出力軸の基端部が連結された駆動アーム46と、図示しない支持部材により本体フレーム2に回動可能に支持された支軸47と、支軸47の上端部に固定装備された入力アーム48と、支軸47の下端部に固定装備された出力アーム49と、入力アーム48の回動端部と駆動アーム46の回動端部とを連結する連結リンク体50とを備えている。
上記左右駆動モータ45は、後述する動作制御手段80からのパルス信号に従って駆動頻度及び駆動量(回動量)が制御可能なパルスモータ(ステッピングモータ)であって、その出力軸がZ軸方向に沿うように本体フレーム20に固定装備されている。そして、駆動アーム46は駆動モータ45の出力軸に対して直交する方向に延設されている。
支軸47は、Z軸方向に平行となるように本体フレーム20に支持されている。そして、入力アーム48と出力アーム49とは、支軸47の上端部と下端部とにおいてそれぞれ支軸47と直交する方向に延設されている。さらに、駆動アーム46と入力アーム48とは各々の回動端部が連結リンク体50により連結されているため、左右駆動モータ45の駆動により、各アーム46,48とリンク体50を介して支軸47及び出力アーム49を回動させることができるようになっている。なお、左右駆動機構40による糸弛め部材41の左右方向への駆動は、上下動機構によって上下に往復駆動される縫い針11が、該糸弛め部材41よりも上方側に位置するときに行われるように制御されることは言うまでもない。
出力アーム49は、その延設された回動端部が二叉に分離された形状に形成されており、保持体42から上方に突出した係合突起43が内側に入り込んだ状態で係合するようにになっている。この係合突起43は、保持体42の貫通穴に挿通された布押さえ支持棒14と平行となるように保持体42に突設されており、貫通穴を挟んで糸弛め部材41とは逆側の端部に設けられている。かかる配置により、出力アーム49が左右駆動モータ45の駆動により揺動を行うと、係合突起43を介して保持体42及び糸弛め部材41が布押さえ支持棒14を軸として回動し、さらには、糸弛め部材41の先端側部分41bをY軸方向に沿って移動させることが可能となっている。
上下動機構51は、糸弛め部材41の上下動の駆動源となる上下駆動モータ52と、上下駆動モータ52の出力軸の基端部が連結された駆動アーム53と、図示しない支持部材により本体フレーム2に一端部が回動可能に支持された作用リンク体54と、作用リンク体54の長手方向中間位置と駆動アーム53の回動端部とを連結する連結リンク体55とを備えている。
上記上下駆動モータ52は、上述した左右駆動モータ45と同様に、後述する動作制御手段80からのパルス信号に従って駆動頻度及び駆動量(回動量)が制御可能なパルスモータ(ステッピングモータ)であって、その出力軸がY軸方向に沿うように本体フレーム20に固定装備されている。そして、駆動アーム53は駆動モータ52の出力軸に対して直交する方向に延設されている。さらに、駆動アーム53の回動端部には連結リンク体55の一端部が連結されているので、上下駆動モータ52の駆動により駆動アーム53が回動を行うと、連結リンク体55をその略長手方向に沿って往動させることができる。
作用リンク体54は、前述したようにその一端部が図示しない支持部材により本体フレーム20に軸支されている。そして、作用リンク体54の他端部には、その長手方向に直交する方向に突出したボス状の突起56が設けられている。前述した保持体42の側面には糸弛め部材41が延設されている方向(略X軸方向)と平行に溝部57が形成されており、突起56が溝部57の内側に挿入された状態で作用リンク体54と保持体42との係合が図られている。さらに、作用リンク体54の長手方向中間位置には連結リンク体55が連結されているので、上下駆動モータ52が駆動を行うと、駆動アーム53及び連結リンク体55を介して作用リンク体54をその一端部を中心として回動させることができ、その結果、作用リンク体55の他端部において突起56を介して支持体42及び糸弛め部材41を布押さえ支持棒14に沿わせて上下動させることができる。
(動作制御手段)
動作制御手段80は、ミシン10の動作全体の制御を行う制御手段であり、図3のブロック図に示すように、CPU81、RAM82、ROM83、EEPROM84等を備えている。なお、かかる動作制御手段80には、操作パネル90(入力手段)のほか、図示しない主軸駆動回路、ペダル装置、回転速度検出回路、頭部回転角検出回路、比較判断器等が接続されている。
具体的には、CPU81は、操作パネル90(入力手段)や、図示しないペダル装置、回転速度検出回路、頭部回転角検出回路等から出力された信号に基づき、主軸駆動回路にミシンモータ3への駆動制御指令を行うことで、ミシンモータ3に流れる電流量を最適に制御して、ミシンモータ3の回転速度を制御するように構成されている。また、記憶手段であるRAM82はCPU81の処理において一時的なデータの記憶等作業領域となり、ROM83には、CPU81が各処理を行うための制御プログラムが格納されている。また、EEPROM84は、ミシン10の電源がOFFにされても記憶内容が消えることなく保存可能な不揮発性メモリであって、かかるEEPROM84には各動作制御プログラムや縫製データ等が書換え可能に格納されている。
そして、本実施形態における動作制御手段80には、操作パネル90が接続されており、オペレータの入力操作によってミシン10の動作パターン等を設定又は変更することが可能となっている。また、本実施形態においては、糸弛め機構40の左右駆動モータ45及び上下駆動モータ52が接続されており、上述した操作パネル90から該左右駆動モータ45及び上下駆動モータ52の駆動頻度や駆動量等を制御するための各設定値を入力可能に構成されている。
操作パネル90は、図1では図示しないが本体フレーム20の上部に配設されており、オペレータの操作により入力された各設定値を出力信号として動作制御手段80に伝達する。
そして、本実施形態における動作制御手段80は、前述した布厚検出手段30の検出値に基づき左右駆動モータ45及び上下駆動モータ52の駆動頻度及び駆動量等を制御する機能を備えている。具体的に、動作制御手段80は、上述した操作パネル90からの入力操作に従って、布厚検出手段30で検出された値(布厚)に対する左右駆動モータ45或は上下駆動モータ52の駆動量を決定する制御を行う機能を有している。即ち、例えば、布厚検出手段30で検出された布の本来の厚さがhであった場合、左右駆動モータ45による左右方向への振幅をa*h、上下駆動モータ52による上下方向への移動量をb*h(a、bは操作パネル90より設定入力可能)とする制御を行う機能を有している。なお、操作パネル90から入力された各設定値(例えば、a、b等)は、動作制御手段80のEEPROM84中に格納されることにより記憶されるようになっている。即ち、a、bの値を任意に変更することにより、任意の振幅で揺動させることができるようになっている。また、検出厚さに対して所定の設定数値を加算して左右方向への振幅或いは上下方向への移動量とする制御を行っても良い。
また、動作制御手段80は、縫製動作中においても操作パネル90からの入力(設定又は変更)を受け付ける機能を備えている。
また、動作制御手段80は、上記操作パネル90からの入力動作により糸弛め部材41の左右振動数(駆動頻度)即ち、間引き率等を設定することができるようになっている。具体的には、例えば針落ち回数がn回となるごとに糸弛め部材41を1回駆動する(振らせる)制御(間引き)を行う場合、設定値nを操作パネル90から設定可能とするものである。より詳細には、ミシンモータ3の出力軸の回転数をカウントして概カウント値がnとなったときに左右駆動モータ45が駆動される制御を行う機能を有している。
また、動作制御手段80は、布厚検出手段80によって検出された布厚が一定値(例えば、ds)以上となった場合に糸弛め部材41の駆動量を変更する制御を行う機能を備えている。具体的には、動作制御手段80は、検出厚さds未満の時には前述した通り左右駆動モータ45による左右方向への振幅をa*h、上下駆動モータ52による上下方向への移動量をb*hとする制御を行い、検出厚さds以上の時には前述した通り左右駆動モータ45による左右方向への振幅はa*hのままだが、上下駆動モータ52による上下方向への移動量をb’*hとする制御を行う。このとき、一定値ds及びb’は操作パネル90から入力操作することによって設定可能となっており、設定があると、動作制御手段80は、各設定値を前述したEEPROM84に記憶する処理を行う。
次に、本実施形態に係るミシン10の作用について、図面を参照して詳しく説明する。
まず、送り機構の送り動作によって被縫製物である布が針板13と検出アーム31の先端(下端)との間に搬送されると、布の厚さに応じて検出アーム31の先端は上昇され、該検出アーム31はポテンショメータ32の検出軸を中心に回動される。そして、検出アーム31の回動に伴って回動される検出軸の回動角度がポテンショメータ32によって検出される。ここで検出された角度は、回動角度に応じた電気信号となって動作制御手段80に出力される。
布厚検出手段30からの検出信号は、CPU81によって認識される。CPU81は、該検出信号から算出される布厚に基づき、記憶手段であるRAM82、ROM83、EEPROM84等に格納されている動作制御プログラムに従って、縫い針11が上位置に上昇している間に該縫針11の上下動経路と交差する方向(左右方向)に糸弛め部材41を駆動するための駆動量を示す信号を左右駆動モータ45及び上下駆動モータ52に出力する。なお、左右駆動モータ45に対しては、設定された駆動頻度に応じて間欠的に駆動量の信号が出力される。そして、該出力信号に基づき、左右駆動モータ45及び上下駆動モータ52が駆動され、糸弛め部材41は上下方向及び左右方向に駆動されるものである。また、糸弛め部材41の駆動に伴って、該糸弛め部材41の先端部側部分41bには一時的に針糸が絡められ、一針(1ピッチ)分の縫製動作ごとに布厚に応じた長さの縫い糸が確保される。
次に、上記糸弛め機構40によって縫製時に余剰の糸を確保する動作について図4に示す動作説明図を参照して詳しく説明する。図4は、縫製が行われる針板13付近を上方側(Z軸方向)から見た場合の概略図である。
まず、図4におけるX−Y平面に沿って下方側から布が搬送される。a1は針落ち位置であり、糸弛め部材41の先端側部分41bは当初、針落ち位置a1に対して図4における左側に寄せられた状態で待機している(図4(a)参照)。
次に、送り機構の送り動作に伴い、図4中の上方側(X軸方向)に布が搬送されると、一番目の針落ち位置a1において布から抜かれて上昇した縫い針11の先端が先端側部分41bよりも上位置側に位置する間に左右駆動モータ45が駆動され、糸弛め部材41は針落ち位置a1の右側に移動される。このとき、針落ち位置a1と縫い針11の先端との間に掛け渡された上糸が先端側部分41bによって針落ち位置の右側に寄せられる。上糸は縫い針11の先端部にと共に次の針落ち位置a2に侵入することにより先端部側部分41に上糸が掛け渡される(図4(b)参照)。針落ち位置a2から縫い針11が抜かれて上昇すると、先端側部分41bが左側に移動される。そして、縫い針11が第3の針落ち位置a3に侵入することにより先端部側部分41bに上糸が掛け渡される(図4(c))。このように、上下動機構により針が2回上下に往復動作する度に、糸弛め部材41は左右(Y軸)方向に一往復され、右へ左へと上糸を案内しながら先端部側部分41bに糸が掛け渡されていく。該先端部側部分41bに掛け渡された上糸は、送り動作にともなって搬送方向(X軸方向)、即ち、図4における上方側に移動され、針落ちが繰り返され(図4(d)〜(f))、先端部側部分41bの開放端が途切れると該先端部側部分41から外れて余剰分の糸が確保されるものである(図4(g)参照)。この場合の余分となる糸の長さは、前述した布厚検出手段30によって検出された布厚に基づいて1ピッチごとに決定され、左右駆動モータ45の駆動量及び上下駆動モータ51の駆動量を制御することにより最適な長さを確保する制御が行われる。
また、動作制御手段80は、上述した操作パネル90からの入力操作に従って、布厚検出手段30で検出された値(布厚)に対する左右駆動モータ45或は上下駆動モータ52の駆動量を決定する制御を行う。即ち、例えば、布厚検出手段30で検出された布の本来の厚さがhであった場合、左右駆動モータ45による左右方向への振幅をh*a、上下駆動モータ52による上下方向への移動量をh*b(a、bは操作パネル90より設定入力可能)とする制御が行われる。なお、操作パネル90から入力された値a、b等は、EEPROM84中に格納されることにより記憶される。即ち、a、bの値を任意に変更することにより、任意の振幅で揺動させることができる。
また、動作制御手段80は、縫製動作中においても操作パネル90からの入力(設定又は変更)を受け付ける。
また、動作制御手段80は、上記操作パネル90からの入力動作により糸弛め部材41の左右振動数(駆動頻度)、間引き率等の設定を可能とする。具体的には、例えば針落ち回数がn回となるごとに糸弛め部材41を1回駆動する(振らせる)制御(間引き)を行う場合、設定値nを操作パネル90から設定可能とするものである。より詳細には、ミシンモータ3の出力軸の回転数をカウントして概カウント値がnとなったときに左右駆動モータ45が駆動される制御を行う。
さらに、布厚値が一定の値ds以上である場合に、布厚値に基づいて決定される糸弛め糸弛め量の割合を変化させる制御を行っているので、一定の変化にとどまらず、自在且つ多彩な縫いを行うことができる。
次に、動作制御手段80の制御動作について図5に示すフローチャートに基づいて詳しく説明する。
まず、スタートスイッチが入れられると主モータであるミシンモータ3が駆動される(ステップS1)。ミシンモータ3の駆動に伴い、CPU81ではミシンモータ3の出力軸が糸弛め開始角度であるか否かの判断が行われる(ステップS2)。即ち、ミシンモータ3の出力軸の回転により上下動機構によって上下に駆動される縫い針11が、糸緩め部材41よりも上方側となる範囲にあって、糸弛め部材41が縫い針11の上下動経路を横切ることができるタイミングであるか否かの判断がCPU81において行われる。
そして、ミシンモータ3の出力軸が糸弛め動作開始角度にある場合(ステップS2;Yes)、即ち、縫い針11が上位置となる場合は、動作制御手段80に設けられた間引きカウンタがこれを1カウントとして数えることにより、ミシンモータ3の回転数に応じて順次カウントが加算され(ステップS3)、その数が動作制御手段80に記録されていく。そして、カウント数が記憶手段に記憶されている設定値M、即ち、縫い針11が上下動する回数に対する左右方向の移動回数(間引き率)に達したことがCPU81において認識された場合(ステップS4)、蓄積されたカウント数を再び0に戻し(ステップS5)、布厚検出手段30で検出された布厚dが、記憶手段に記憶されている、或いは、操作パネル90から入力又は変更された布厚dsを超えたか否かの判断が行われる(ステップS6)。つまり、布厚検出手段30により検出された布厚dが間引き動作を開始するしきい値dsを超えたか否かの判断がCPU81において行われる。布厚が前述したしきい値を超えない場合(ステップS6;No)、例えば、布厚dに対し、左右駆動モータ45をd*a、上下駆動モータ52をd*b(a、bは変更可能な設定値)の駆動量で左右方向、上下方向のそれぞれに駆動する信号を出力する(ステップS7)。そして、ステップS2の処理に戻される。
また、布厚が前述したしきい値を超えた場合(ステップS6;Yes)、例えば、布厚dに対し、左右駆動モータ45をd*a、上下駆動モータ52をd*b’(b’は変更可能な設定値)の駆動量で左右方向、上下方向のそれぞれに駆動する信号を出力する(ステップS12)。そして、ステップS2の処理に戻される。
また、ステップS4においてカウント数が間引き設定値Mに達しない場合(ステップS4;No)、布厚検出手段30によって検出される布厚d(ステップS8)に応じて上下駆動モータ52のみをd*bの駆動量で駆動する制御が行われる(ステップS9)。即ち、カウント数、つまり、針落ち回数が、設定された間引き回数に満たない場合は左右方向への駆動(間引き)は行わず、布の厚さに追従する上下方向の昇降動作のみを行う制御が行われる。その後、再び、ミシンモータ3の出力軸が糸弛め開始角度か否かの判断が行われる(ステップS2)。
また、ステップS2においてミシンモータ3の出力軸が糸弛め開始角度でない場合(ステップS2;No)、縫製動作中において操作パネル90から、布厚dに対応する左右方向の駆動量を決める係数a及び、布厚dに対応する上下方向への駆動量を決める係数bを変更する入力操作が行われたか否かを判断する制御が行われる(ステップS10)。そして、設定値a、bを変更する入力操作が行われた場合(ステップS10;Yes)、変更された値をそれぞれ左右方向及び上下方向に対する新たな駆動量として記憶する制御が行われた後(ステップS11)、ミシンモータ3の出力軸が糸弛め開始角度か否かの判断が行われる(ステップS2)。また、設定値a、bを変更する入力操作が行われない場合(ステップS10;No)、再びステップS2に移行してミシンモータ3の出力軸が糸弛め開始角度か否かの判断が行われる(ステップS2)。
以上のように、本実施形態に係るミシン1によれば、糸弛め機構40の糸弛め部材41は左右駆動機構44の駆動源をミシンモータ3と独立した回転量の制御が可能なモータとしたので、該左右駆動機構44は動作制御手段80によって左右方向への駆動頻度、駆動量及び駆動速度等が自在に設定又は変更可能となる。従って、ミシンモータ3から分力された駆動力を得ることで駆動される糸弛め部材41を有する従来のミシンと比較して、糸弛め部材41の左右方向への駆動頻度、駆動量及び駆動速度等を自由に設定又は変更して駆動する制御を行うことができる。これにより、一針(1ピッチ)あたりの縫製動作において余分に或いは少な目に糸を弛めることが可能となる。従って、様々な被縫製物の厚さや素材に応じて、縫製後にも被縫製物の本来の厚さを維持する縫製を行うことができ、被縫製物の本来の厚さを損なうことなく所望の仕上がり品質を得ることができる。
また、糸弛め機構40の糸弛め部材41は、布厚検出手段30により検出された被縫製物の本来の厚さに基づき動作制御手段80の制御プログラムによってその駆動が制御可能となる。従って、手動調節を行う場合に比べて、上下方向への昇降量を自在に設定或いは変更することが可能となる。これにより、一針(1ピッチ)あたりの縫製動作において余分に確保する(弛める)糸の長さをきめ細かく設定することができ、縫製後にも被縫製物の本来の厚さを維持する縫製を行うことができる。さらに、上下駆動機構51は、布厚検出手段30によって検出された検出厚さに基づいて該上下駆動機構51の制御を行う動作制御手段80によってその駆動が制御されるため、縫製位置に搬送される被縫製物の本来の厚さがリアルタイムでフィードバックされ、一針ごとに被縫製物の本来の厚さに正確に対応する長さの糸を確保することができる。
また、動作制御手段80は、布厚検出手段30によって検出された被縫製物の厚さに基づいて左右駆動機構44の駆動を制御する機能を備えていることにより、送り機構で搬送される被縫製物の本来の厚さを左右方向の駆動に対してもリアルタイムにフィードバックすることができ、一針ごとに余分に確保するべき長さの糸を正確に確保することができる。また、上下駆動機構51のほか左右駆動機構44の動作もまた、布厚検出手段30によって検出された被縫製物の本来の厚さに基づいて制御することができるため、縫製位置に搬送される被縫製物の本来の厚さに対応して、これら上下駆動機構44と左右駆動機構51との駆動頻度、駆動量及び駆動速度等を任意に組み合わせることにより多様な縫製条件や縫製パターンに応じて縫い目を形成することができる。
また、糸弛め部材41を左右に駆動する左右駆動モータ45及び上下に駆動する上下駆動モータ52は、共にパルスモータを適用する構成としたため、動作制御手段80に備えられる記憶手段(RAM82、ROM83、EEPROM84等)においてその駆動量や駆動頻度等の設定を記憶することができ、同様の被縫製物を縫製する場合の再現性を高めることができる。従って、縫製条件の設定に要する時間を大幅に短縮することができ、作業効率を大幅に向上させることができる。
また、糸弛め部材41の駆動頻度及び駆動量は、動作制御手段80に接続された操作パネルからの入力操作だけで設定及び変更が可能であるため、手作業で調節を行う場合に比べて煩雑な操作を必要としない。従って、設定、変更に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、操作パネル90から設定入力することによる数値制御を可能としたため、同じ縫製動作の再現性が高く、縫製品質の切り換えが円滑に行われ、生産性を向上することができる。
なお、左右駆動モータ45及び上下駆動モータ52は、動作制御手段80においてその駆動頻度や駆動量が制御可能であればよく、例えば、パルスモータに限らずサーボモータ等であっても良い。
本実施形態に係るミシン10の要部構成を示す斜視図である。 本実施形態における布押さえ12の周囲の構成を示す拡大斜視図である。 本実施形態における動作制御手段80の構成を示すブロック図である。 本実施形態における縫製動作を説明する動作説明図である。 本実施形態における動作制御手段80による制御動作を示すフローチャートである。
符号の説明
3 ミシンモータ
10 ミシン
11 縫い針
12 布押さえ
13 針板
20 本体フレーム
30 布厚検出手段
31 検出アーム
32 ポテンショメータ
40 糸弛め機構
41 糸弛め部材
45 左右駆動モータ(左右駆動手段)
52 上下駆動モータ(上下駆動手段)
80 動作制御手段(制御手段)
90 操作パネル(入力手段)

Claims (2)

  1. ミシンモータと、
    前記ミシンモータの駆動により針を上下に駆動する針駆動機構と、
    前記針駆動機構に同期して針板上の被縫製物を搬送する送り機構と、
    前記針板上に前記被縫製物を押圧する押さえ機構と、
    前記針の上下動経路を送り方向と交差する方向に横切ることで前記針と前記被縫製物との間に渡された針糸を絡めて糸長を余分に引き出すように送り方向に沿って配置された糸弛め部材を有する糸弛め機構と、を備えるミシンにおいて、
    前記糸弛め機構は、前記針の上下動経路を前記送り方向と交差する方向に横切るように前記糸弛め部材を駆動する交差方向駆動手段を有し、
    前記交差方向駆動手段は、前記糸弛め部材の回動の駆動源となる左右駆動モータを有し、
    前記交差方向駆動手段の駆動頻度又は駆動量を制御する機能を有する制御手段を備え
    前記糸弛め機構は、
    前記糸弛め部材を上下方向に駆動可能な上下駆動手段と、
    前記送り機構により搬送される前記被縫製物の厚さを検出する厚さ検出手段とを有し、
    前記制御手段は、
    前記厚さ検出手段の検出厚さに基づいて前記上下駆動手段を制御する機能を有することを特徴とするミシン。
  2. 前記制御手段は、前記厚さ検出手段の検出値に基づいて前記交差方向駆動手段を制御する機能を有することを特徴とする請求項に記載のミシン。
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