JP5115344B2 - 車載電子制御装置及び操舵制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、電動式の操舵装置内に搭載される多相回転機を制御対象とし該多相回転機に接続される電力変換回路を操作する車載電子制御装置、及び操舵制御システムに関する。
ハンドルが操作される際に多相回転機(3相電動機)のトルクによって操舵角の制御をアシストする電動式の操舵装置(電動パワーステアリング)が周知である。電動パワーステアリングに搭載される3相電動機は、その各相に直流電源の正極及び負極のそれぞれを選択的に接続可能なスイッチング素子を備える3相インバータに接続されている。そして、3相インバータを操作することで、3相電動機の制御量としてのトルクを制御することができ、ひいては操舵角の制御を好適にアシストすることができる。
上記電動パワーステアリングにあっては、3相電動機及び3相インバータの接続経路を含む電気経路が断線する場合、操舵角の制御性が低下するおそれがある。そこで従来は、例えば下記特許文献1に見られるように、3相電動機の特定の相への通電処理に伴い3相電動機を実際に流れる電流に基づき、上記電気経路の短絡や断線の有無を判断することも提案されている。また、例えば下記特許文献2に見られるように、3相インバータを操作する際に3相電動機を流れる電流の振幅値に基づき、上記電気経路の異常の有無を判断することも提案されている。更に、例えば下記特許文献3に見られるように、d軸方向への通電操作に伴い3相電動機を実際に流れる電流に基づき、上記電気経路の異常の有無を判断するものも提案されている。
特開平8−163889号公報 特開2005−295688号公報 特開2007−274849号公報
ところで、上記特許文献1に記載の手法では、3相電動機の特定の1相とこれに接続される3相インバータとの間の接続経路が断線している場合であって、3相電動機の上記特定の1相が他の相と短絡されている事態が生じた場合には、この事態を把握することができない。また、上記特許文献2、3記載の手法では、上記電気経路の抵抗値のばらつきや抵抗値の温度特性によって異常である旨や正常である旨を誤判断するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電動式の操舵装置内に搭載される多相回転機を制御対象とし該多相回転機に接続される電力変換回路を操作するものにあって、多相回転機や電力変換回路の異常の有無をより適切に検出することのできる車載電子制御装置、及び操舵制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、電動式の操舵装置内に搭載される多相回転機を制御対象とし該多相回転機に接続される電力変換回路を操作する車載電子制御装置において、前記電力変換回路は、高電位側入力端子及び低電位側入力端子のそれぞれを前記多相回転機の各相のそれぞれに選択的に接続可能なスイッチング素子を備えて構成され、前記電力変換回路を操作して、前記多相回転機の特定の相と前記高電位側の入力端子とを接続して且つ、前記多相回転機の別の相と前記低電位側の入力端子とを接続することで、前記多相回転機に対する通電処理を行う通電処理手段と、前記通電処理に伴う前記多相回転機の回転角度の検出値の収束値が、正常時に想定される値となるか否かに基づき、前記多相回転機の前記特定の相または別の相とそれら以外の相とが短絡する異常の有無を検出する異常検出手段とを備えることを特徴とする。
電力変換回路の操作状態を固定した場合、多相回転機に対する通電態様が固定される。そしてこの場合には、多相回転機において生成されるトルクが回転角度に応じて周期的に変化する。ここで、特にトルクが正から負へと変化する所定角度においては、所定角度から離間する場合に所定角度へと引き戻すトルクが生じることとなる。このため、回転機の回転角度は、上記所定角度に収束することとなる。これに対し、多相回転機及び電力変換回路の少なくとも一方に異常がある場合には、上記操作によって意図した通電がなされないために、上記所定角度へと収束する現象が見られないと考えられる。上記発明では、この点に着目することで、異常の有無を検出することができる。
ところで、特定の相から別の相へと通電処理を行う操作状態において、特定の相又は別の相と、これら以外の相とが短絡している場合には、多相回転機の回転角度が上記所定角度へと収束する現象が見られないと考えられる。上記発明では、この点に鑑み、短絡を検出することができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記多相回転機の任意の1相及び前記電力変換回路のうちの前記任意の1相に接続される部分を構成する電気経路の断線の有無を検出する断線検出手段を更に備え、前記通電処理手段は、前記特定の相及び前記別の相を、前記断線検出手段によって断線がある旨検出されていない相に設定することを特徴とする。
上記電気経路に断線がある場合、上記特定の相及び別の相のいずれかを断線に該当する相としたのでは、意図する通電処理を行うことができない。この点、上記発明では、断線が検出される相を回避して通電処理のための相を決定することで、断線の有無にかかわらず、短絡検出処理を的確に行うことができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記電力変換回路は、高電位側入力端子及び低電位側入力端子のそれぞれを前記多相回転機の各相のそれぞれに選択的に接続可能なスイッチング素子を備えて構成されて且つ、前記多相回転機の所定の1相に接続される電気経路がプルアップ又はプルダウンされてなり、前記断線検出手段は、前記スイッチング素子が全てオフ状態とされる際の前記多相回転機の各相と前記電力変換回路との接続箇所の電圧に基づき前記断線の検出を行うことを特徴とする。
上記発明では、所定の1相がプルアップ又はプルダウンされているため、多相回転機の各相が互いに接続されていることに鑑みれば、全相がプルアップ又はプルダウンによって定まる電位となっていると考えられる。これに対し、所定の相以外の1相が断線している場合には、その相はプルアップ又はプルダウンによって定まる電位とならない。また、所定の1相が断線している場合には、残りの全相の電位が、プルアップ又はプルダウンによって定まる電位とならない。上記発明では、この点に着目することで、全スイッチング素子をオフした状態で、簡易且つ迅速に断線を検出することができる。
なお、上記プルアップとは、抵抗体を介して電力供給手段の正極端子に接続することなどを意味する。また、プルダウンとは、抵抗体を介して電力供給手段の負極端子に接続することなどを意味する。
請求項記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記断線検出手段により前記任意の1相の断線が検出されている場合、前記多相回転機の残りの相に対する通電によって前記多相回転機の制御量を制御すべく前記電力変換回路を操作する異常時制御手段を更に備え、前記異常時制御手段は、前記異常検出手段によって短絡異常が検出されている場合と検出されていない場合とで、前記多相回転機の回転角度に応じて定まる前記残りの相に流す電流量を変更することを特徴とする。
多相回転機の1相が断線している場合でも、残りの相に対する通電によって多相回転機のトルクや回転速度等の制御量を制御することができる。ただし、この制御量を所望に制御するために適切な操作態様は、断線異常のみがある場合と断線に加えて短絡異常がある場合とで相違し得る。この点、上記発明では、これら各場合にとって最適な態様で電力変換回路を操作することができ、ひいては制御量の制御性を高く維持することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の発明において、前記操舵装置は、ユーザによって操舵角の変更が指示される***作手段の回転軸を入力軸とするとともに前記多相回転機によって回転力が付与される回転軸を出力軸として且つ前記入力軸の回転量に対する前記出力軸の回転量の比を可変とする可変手段を備え、前記出力軸の回転量に対する前記入力軸の回転量の比が最小となるように前記可変手段を操作した状態で前記通電処理手段による通電処理を行うことを特徴とする。
通電処理手段による通電処理は、***作手段の操作とは独立に行われるものであるため、これに伴う***作手段の変位は極力小さいことが望ましい。上記発明では、上記変位が最小値となるように上記可変手段が操作された状態で通電処理がなされるために、通電処理に伴う***作手段の変位を極力抑制することができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記可変手段は、前記入力軸と前記出力軸とを機械的に連結又は解除する手段を備え、前記出力軸の回転量に対する前記入力軸の回転量の比が最小となるように前記可変手段を操作した状態は、前記入力軸と前記出力軸との機械的な連結を解除した状態であることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の発明において、前記操舵装置は、ユーザによって操舵角の変更が指示される***作手段の回転軸を入力軸とするとともに前記多相回転機によって回転力が付与される回転軸を出力軸として且つ前記入力軸と前記出力軸とが機械的に連結され又は連結可能とされるものであり、前記***作手段の操作がなされると判断される場合、前記通電処理手段による通電処理を強制的に停止させる手段を更に備えることを特徴とする。
通電処理手段による通電処理は、***作手段の操作とは独立に行われるものである。このため、***作手段が操作される際には、通電処理が***作手段の変位に与える影響は極力小さいことが望ましい。上記発明では、この点に鑑み、***作手段の操作がなされる場合に通電処理を強制的に停止させることで、通電処理が***作手段の変位に及ぼす影響を極力低減することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の発明において、前記通電処理手段は、前記多相回転機の駆動要求がない期間において前記通電処理を行うことを特徴とする。
上記発明では、多相回転機の駆動要求がない期間において通電処理を行うために、通電処理が操舵角の制御性を低下させることを回避することができる。
なお、上記発明において、前記通電処理手段は、当該車載電子制御装置がオン操作されることをトリガとして前記通電処理を行うことを特徴としてもよい。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の車載電子制御装置と、前記操舵装置とを備えることを特徴とする操舵制御システムである。
上記発明では、異常検出手段を備えることで、信頼性の高いシステムを実現できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる車載電子制御装置及び操舵制御システムを、内燃機関を動力源とする車両に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態のシステム構成を示す。図示されるハンドル10は、ユーザが車両の操舵角を指示すべく操作対象とする***作部材である。ハンドル10の回転操作に連動して入力軸12が回転される。入力軸12の付近には、入力軸12に加わるトルクを検出するトルクセンサ14と、入力軸12の回転角度を検出する操舵角センサ13とが設けられている。更に、入力軸12には、互いの回転軸を共有するようにしてメインギア16が機械的に連結されている。メインギア16には、アシストギア18が係合されている。アシストギア18は、電動機20の出力軸20aに、互いの回転軸を共有するようにして機械的に連結されている。上記入力軸12は、ハンドル10に連結される側に対向する側の端部が、変速機22に機械的に連結されている。変速機22は、入力軸12の回転を所定に変速して駆動輪26に伝達させるものである。
電動機20は、3相電動機である。詳しくは、3相の表面磁石同期電動機(SPM)である。電動機20には、電力変換回路としてのインバータIVを介してバッテリ40の電力が供給される。インバータIVは、電動機20の各相のそれぞれをバッテリ40の正極端子及び負極端子のそれぞれに選択的に接続するためのスイッチング素子を備えて構成されている。すなわち、スイッチング素子Sup、Sunの直列接続体と、スイッチング素子Svp,Svnの直列接続体と、スイッチング素子Swp,Swnの直列接続体とが並列接続されて構成されており、これら各直列接続体を構成するスイッチング素子同士の接続点が電動機20のU,V,W相のそれぞれに接続されている。なお、スイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnには、それぞれフリーホイールダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが並列接続されている。
ちなみに、インバータIVの低電位側入力端子(バッテリ40の負極側)は、接地されている。また、インバータIVの入力端子間とバッテリ40との間には、電圧を安定させるためのコンデンサ42が接続されている。
電子制御装置60は、電動機20を制御対象としてインバータIVを操作することで、ユーザのハンドル10の操作による操舵角の制御をアシストする処理を行う。すなわち、電子制御装置60は、トルクセンサ14の検出値や、操舵角センサ13の検出値、電動機20の電気角(回転角度θe)を検出する角度センサ30の検出値を取り込み、これに基づきインバータIVを操作することで電動機20を制御する。これにより、ユーザによるハンドル10の操作に応じて、操舵角の制御をアシストすることができる。
電子制御装置60には、イグニッションスイッチ62、メインリレー64、給電ラインL1を介してバッテリ40の電力が給電されている。ここで、メインリレー64は、イグニッションスイッチ62がオンされるか、信号ラインL2から駆動信号が入力されることで、バッテリ40と給電ラインL1とを短絡させる。このため、イグニッションスイッチ62がオンとされると、メインリレー64によってバッテリ40と給電ラインL1とが導通状態とされるため、電子制御装置60にバッテリ40の電力が供給される。
一方、電子制御装置60では、バッテリ40により電力が供給されているときに、信号ラインL3を介してイグニッションスイッチ62のオン・オフ状態を監視する。そして、イグニッションスイッチ62がオフとされると、電子制御装置60の停止の前に行なう後処理を完了するまで電子制御装置60への給電を継続するために、信号ラインL2を介してメインリレー64に駆動信号を出力する。これにより、イグニッションスイッチ62がオフとされた後であっても、電子制御装置60において上記後処理が完了するまではバッテリ40の電力がメインリレー64及び給電ラインL1を介して電子制御装置60に供給される。
電子制御装置60は、イグニッションスイッチ62がオン状態とされることで自身が起動されると、上述した操舵角の制御のアシスト処理を行うに先立って、制御対象や操作対象の電気系統の異常検出を行う。ここではまず、電子制御装置60の行う処理のうち、電動機20の各相と、インバータIVのうちのこれら各相に接続される部分と、これらを接続する配線とを備える電気経路の断線異常の検出にかかる処理について説明する。
本実施形態では、電子制御装置60による断線異常の検出を簡易に行うべく、以下のハード構成を有している。すなわち、電動機20の特定の1相(ここでは、V相を例示)を、プルアップする。具体的には、抵抗体50によって、特定の1相とインバータIVとの接続箇所をプルアップすべく、同接続箇所に接続される配線をバッテリ40の正極端子に接続する。また、電動機20の各相を、抵抗体52,54の直列接続体にて接地する。詳しくは、電動機20の各相に接続される一対のスイッチング素子間(スイッチング素子Sup,Sun間、スイッチング素子Svp,Svn間、スイッチング素子Swp,Swn間)のそれぞれを、抵抗体52,54を介して接地する。
そして、電動機20の各相の電圧(より正確には、スイッチング素子間の電圧)についての抵抗体52,54による分圧値が、電子制御装置60に取り込まれる。電子制御装置60では、インバータIVの全スイッチング素子をオフ状態とした状態における上記分圧値を入力として、上記断線検出処理を行う。ここでは、全相に関して断線がないなら、全相の電圧が抵抗体50によってプルアップされた電圧に等しいことを利用して断線検出を行う。ここで、インバータIV及び電動機20間の電気経路のうちのU相のみが断線している場合には、U相のみ、スイッチング素子Sup,Sun間の電圧が抵抗体52,54によって接地電位まで引き下げられることとなる。これは、W相についても同様である。これに対し、インバータIV及び電動機20間の電気経路のうちのV相が断線している場合には、V相のスイッチング素子Svp,Svn間の電圧についてはプルアップされて高電位に維持されるものの、U相及びW相については、接地電位に引き下げられることとなる。このため、上記各相のそれぞれに対応する分圧値に基づき、全相が正常であるのか、いずれか1相が断線しているのかを検出することができる。
電子制御装置60では、上記1相が断線している場合、残りの2相に接続されるインバータIVのスイッチング素子を操作することで、上記アシスト処理を行う。ここでは、例えば「国際公開第2005/091488号パンフレット」に記載されている技術を用いればよい。この技術は、図2(a)に示されるように1相(ここでは、U相を例示)が断線した場合、残りの2相に図2(c)に実線にて示す電流を流すことで、図中、2点鎖線にて示すように電気角にかかわらず略一定のトルクを生成することができるというものである。このため、要求されるトルクに応じて電流の絶対値を操作することで、電動機20のトルクを所望に制御することができ、ひいては上記アシスト処理を行うことができる。
ただし、1相が断線している異常には、図2(b)に示すように、断線箇所より電動機20側において断線した相が残りの相(ここでは、W相を例示)に短絡する異常が含まれる。そしてこの場合には、図2(c)に実線にて示す態様にて電流を流す場合には、1点鎖線にて示すように回転角度に応じてトルクが大きく変化するようになる。
そこで本実施形態では、断線が検出される場合、図2(b)に示すように、同時に短絡が生じる異常があるか否かを検出し、短絡異常をも生じている場合には、図2(c)に実線にて示したものとは電流の流し方を変更することで、異常に見合った適切な制御を行う。以下では、まず短絡異常の検出手法について説明する。
図3に、断線、短絡ともに生じていない正常時において、電動機20の1相(ここでは、U相を例示)から別の1相(ここでは、V相を例示)に電流を流す場合を示す。これは、上記1相の高電位側のスイッチング素子Supと上記別の1相の低電位側のスイッチング素子Svnとをオン状態とすることで実現することができる。図中右側には、このように通電した場合に電動機20によって生成されるトルクと回転角度θeとの関係を示している。図示されるように、電動機20の生成するトルクは、正弦波形状に変化し、この変化の周期は、一電気角周期である。このため、所定の電気角(ここでは、330度)から離間する場合に所定の電気角との差を低減するトルクが生じることとなる。以下、これについて説明する。
電動機20のトルクT、電気角速度ω、各相の誘起電圧eu,ev,ewと各相を流れる電流iu,iv,iwとの間には、エネルギ保存則より以下の関係が成り立つ。
Tω=eu・iu+ev・iv+ew・iw …(c1)
なお、各相の誘起電圧eu,ev,ewは、回転角度θeの関数であり、逆起電圧定数Keを用いて、下記の式にて表記できる。
eu=−Keωsinθe …(c2)
ev=−Keωsin(θe−120) …(c3)
ew=−Keωsin(θe+120) …(c4)
ここで、図3に示されるように、U相からV相へと通電する場合、電流値Iを用いて以下の式(c5)が成立する。
T={−KeωsinθeI−Keωsin(θe−120)(−I)}/ω
=(√3)KeIsin(θe+30) …(c5)
上記の式(c5)の導出過程に鑑みれば、一般に、特定の1相から別の1相に通電した場合に生成されるトルクTは、回転角度θeに対して正弦波形状に変化するものであり、その変化の周期が一電気角周期であることが容易に推察できる。このため、一般に、特定の1相から別の1相に通電する場合には、電動機20の回転角度θeが所定の回転角度に固定されることとなる。
ここで、図4に示すように、特定の1相から別の1相に通電する際に、これらの一方(ここでは、特定の1相)が残りの1相に短絡している場合には、通電によって固定される回転角度が変化する。次に、これについて、U相及びW相が短絡する場合を例にして説明する。
U相及びW相間が短絡している状況下、U相からV相へと通電するようにインバータIVを操作すると、図示されるように、U相を流れる電流とW相を流れる電流との和がV相を流れる電流となる。ここで、対称性を考慮すれば、U相の電流とW相の電流とは、略等しいとみなすことができる。このため、上記の式(c1)においてV相の電流を電流値Iとすることで、下記の式が導出できる。
T=−KeI/2{sinθe−2sin(θe−120)+sin(θe+120)}
=3KeIsin(θe+60) …(c6)
以上から、UW相が短絡する場合には、UV相間の通電処理によって固定される回転角度が、正常時のものとは「30度」ずれることがわかる。同様にして、VW相が短絡する場合についても計算することができ、その結果によれば、これらUV相の短絡時とVW相の短絡時とでは、固定される回転角度が互いに相違する。図4の図は、こうした計算結果をプロットすることで作成されたものである。
以上により、先の図1に示したハード構成を利用した処理によって断線が検出される場合には、断線の検出されていない2相に通電し、その際の回転角度θeの収束値を用いることで、短絡異常をも生じているかいないかを判断することができる。
図5に、本実施形態にかかる異常検出処理の手順を示す。この処理は、電子制御装置60によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、イグニッションスイッチ62がオン操作された直後であるか否かを判断する。この処理は、異常検出処理を行うタイミングを判断するためのものである。すなわち、イグニッションスイッチ62がオン操作された直後にあっては、上述した操舵角制御のアシスト処理を実行する要求が生じる以前であると考えられるため、この期間を異常検出処理期間とする。ステップS10において肯定判断される場合、ステップS12において、上述した断線検出処理を行う。そして、断線があると判断される場合(ステップS14:YES)、ステップS16において、断線していない2相を通電処理する。例えば、U相が断線している場合には、V相の高電位側のスイッチング素子SvpとW相の低電位側のスイッチング素子Swnとをオン操作し、V相が断線している場合には、W相の高電位側のスイッチング素子SwpとU相の低電位側のスイッチング素子Sunとをオン操作し、W相が断線している場合には、U相の高電位側のスイッチング素子SupとV相の低電位側のスイッチング素子Svnとをオン操作する。なおこの例では、UVW相のうちの任意の2相を取り出す際に、2相を巡回置換した場合の順序で表記し、先に来る相については高電位側のスイッチング素子をオンとすることとしたが、逆でもよい。
こうして通電処理がなされると、ステップS18において、短絡異常があるか否かを判断する。この処理は、先の図1に示した回転角度センサ30によって検出される回転角度θeの収束値に基づき行われる。すなわち、上記ステップS16の通電処理に伴って回転角度θeが変化する場合には、その変化が収まった際の値を収束値とし、回転角度θeが変化しない場合には、静止し続けた値を収束値θeとする。そして、この値が正常時に想定される収束値であるのか、短絡時に想定される収束値であるのかに応じて、短絡異常の有無を判断する。
そして短絡異常がない旨判断される場合、ステップS20において、電動機20の制御が開始される際のインバータIVの操作モードとして、先の図2(c)に示した態様にて通電処理を行うモードを指示する。これに対し、短絡異常がある旨判断される場合、ステップS22において、電動機20の制御が開始される際のインバータIVの操作モードとして、図6に実線にて例示する短絡時のモードを指示する。ちなみに、図6には、U相が断線して且つU相とV相とが短絡した場合の通電処理を例示している。これは、以下のようにして算出することができる。
U相が断線して且つ、断線箇所よりも電動機20側が短絡する場合、対称性から、U相及びV相には略等しい電流が流れて且つ、これらは、W相を流れる電流値Iの半分であると考えられる。このため、通電処理を行うことで電動機20によって生成されるトルクTは、上記の式(c1)から、下記となる。
T=−KeI{sinθe+sin(θe−120)−2sin(θe+120)}/2
…(c7)
上記の式(c7)から、トルクTを生成するために要求される電流Iは、下記となる。
I=−2T/KeI{sinθe+sin(θe−120)−2sin(θe+120)}
…(c8)
上記の式(c8)において、回転角度θeにかかわらず、トルクTを極力一定とするために要求される電流Iをプロットしたものが、図6に実線にて示したグラフである。ちなみに、図6には、破線にて、上記ステップS20において行う通電処理を対比のために示した。この際の電流Iも、上記と同様にして導出可能である。
なお、先の図5のステップS10、S14において否定判断される場合や、ステップS20、S22の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
このように、本実施形態では、電動機20の任意の1相に接続される電気経路の断線が検出される場合、短絡異常の有無を検出することで、異常の種類をより詳細に特定することができる。そしてこれにより、異常に見合ったより適切な制御を行うことができる。なお、短絡異常の検出のための通電処理においては、電動機20が回転することで、メインギア16が回転し、ひいてはハンドル10が変位することが懸念される。しかし、本実施形態では、短絡異常の検出のための通電処理によるハンドル10の変位は無視できる設定となっている。これは、電動機20の極対数Pを「8」以上として且つ、メインギア16の回転量に対する電動機20の出力軸20aの回転量の比であるギア比Gを「18」以上とすることで実現している。ここで、異常検出処理のための通電処理による回転角度θeの変化量は、大きくても「180°」程度であると考えられる。このため、単純計算では、入力軸12の変位量は、大きくても「180/(8・18)」程度となり、1度程度となる。しかし、実際には、メインギア16とアシストギア18との係合部や、入力軸12とハンドル10との機械的な連結部分等には、機械的な「あそび」がある。このため、上記通電処理によるハンドル10の変位量として想定される最大値も略ゼロとなり、ユーザにより体感されるものではない。このため、異常検出処理によって、ハンドル10がユーザの意図に反してユーザの体感できるような変位することを好適に回避している。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)インバータIVの操作状態を固定することで電動機20に対する通電処理を行った際に回転角度θeの収束値に基づき、短絡異常の検出を行った。これにより、短絡異常の有無を検出することができる。
(2)電動機20の任意の1相及びインバータIVのうちの上記任意の1相に接続される部分を構成する電気経路の断線の有無を検出する処理を行い、断線がある旨検出されていない2相間で通電処理を行うことで短絡異常を検出した。これにより、断線の有無にかかわらず、短絡検出処理を的確に行うことができる。
(3)インバータIVの所定の1相とインバータIVとの接続箇所をプルアップして且つ、インバータIVのスイッチング素子が全てオフ状態とされる際のインバータIVの各相の電圧に基づき断線の検出を行った。これにより、簡易且つ迅速に断線を検出することができる。
(4)1相が断線している場合、断線していない2相のスイッチング素子を操作する通電処理によってトルクTを制御して且つ、通電処理態様を、短絡異常が検出されている場合と検出されていない場合とで相違させた。これにより、異常の種類に応じて最適な態様でインバータIVを操作することができ、ひいては電動機20のトルクTの制御性を高く維持することができる。
(5)電動機20の駆動要求がない期間において短絡異常の検出のための通電処理を行った。これにより、短絡異常のための通電処理が操舵角の制御性を低下させることを好適に回避することができる。
(6)電動機20の駆動要求がない期間において、断線異常の検出を行った。このため、断線検出を好適に行うために望ましい状態である「インバータIVの全スイッチング素子をオフした状態」を容易に実現することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図7に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図7において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、電動式パワーステアリングとして、ギア比可変装置(VGS75)を備えるものを用いる。VGS75は、ハンドル10に機械的に連結された入力軸12と、電動機20によって回転力が付与される出力軸72との間に介在し、入力軸12の回転量に対する出力軸72の回転量を可変とするものである。これは、入力軸12と出力軸72とのいずれか一方をVGS75の備えるモータ74の固定子に機械的に連結して且つ他方を回転子に機械的に連結することで実現することができる。本実施形態では、図示されるように、入力軸12をモータ75の固定子に機械的に連結して且つ、出力軸72を回転子74aに機械的に連結している。なお、モータ74の固定子には、ロックピン74bが連結されている。ロックピン74bは、回転子74aに係合可能となっており、これらが係合することで、回転子74a及び固定子が互いに固定され相対回転が禁じられる。
回転子74aは、減速機構76を介して出力軸72に機械的に連結されている。そして、出力軸72が変速機22に連結されている。このように、本実施形態では、変速機22を介して駆動輪26に連結される軸である出力軸72と入力軸12との相対回転を可能とすることで、実際の操舵角の制御の自由度を向上させ、ユーザによるハンドル10の操作では実現しがたいきめ細かな制御を可能とする。ちなみに、上記第1の実施形態は、入力軸12が出力軸ともなっている構成とみなすことができる。
なお、本実施形態でも、入力軸12付近に、その回転角度を検出する操舵角センサ13が設けられている。
図8に、本実施形態にかかる異常検出処理の手順を示す。この処理は、電子制御装置60によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図8において、先の図5に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、断線が検出される場合(ステップS14:YES)、ステップS30において、ロックピン74bの係合を解除する。すなわち、通常は、イグニッションスイッチ62がオン状態とされることで車両の走行許可がなされた直後においては、安全上の理由等からロックピン74bが係合しており、この係合状態は異常検出等、車両の走行前になされる一連の処理が終了するまで維持されるものであるが、本実施形態では、敢えてこれを解除する。これは、これに引き続くステップS16による通電処理に際して出力軸72の回転力が入力軸12へと伝達されることを回避するための設定である。
以上詳述した本実施形態では、先の第1の実施形態の上記(1)〜(6)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)短絡異常の検出のための通電処理に先立って、ロックピン74bの係合を解除することで、出力軸72の回転力が入力軸12へと伝達されることを回避することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、短絡異常のための通電処理時において、図9に示す処理を行う。この処理は、電子制御装置60によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS40において、短絡検出のための通電処理がなされているか否かを判断する。そして、通電処理がなされている場合、ステップS42において、ユーザによるハンドル10の操作がなされたか否かを判断する。この処理は、先の図1に示したトルクセンサ14の検出値及び操舵角センサ13の検出値の少なくとも一方に基づき行えばよい。そして、ハンドル操作があると判断される場合、ステップS44において、インバータIVをシャットダウンすることで短絡検出用の通電を停止する。すなわち、インバータIVを構成する全スイッチング素子を強制的にオフ状態とする。この処理は、電動機20の回転力がハンドル10に伝達される可能性を回避することを主目的としてなされるものである。また、ハンドル10の操作によって電動機20の出力軸20aに力が加わる場合、収束値が変化し、ひいては短絡検出精度の低下を招くことを回避することをも目的としている。
なお、上記ステップS40、S42において否定判断される場合や、ステップS44の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(6)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(8)ハンドル10の操作がなされると判断される場合、短絡異常の検出のための通電処理を強制的に停止させた。これにより、通電処理によってハンドル10に意図せぬ力が加わることを確実に回避することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態に対する第3の実施形態の変更点によって、上記第2の実施形態を変更してもよい。
・上記第3の実施形態では、ハンドル10が操作される場合、異常検出のための通電処理を強制的に停止させたが、通電処理時にハンドル10が操作される場合に特別に行う処理としては、これに限らない。ただし、ハンドル10が操作される場合には、これに応じてメインギア16に力が加わるために、電動機20の出力軸20aの回転角度にもこの力の影響が及び、ひいては、回転角度の収束値がずれることが懸念される。このため、ハンドル10が操作される場合には、この操作態様を加味して異常の有無を判断することが望ましい。
・上記各実施形態において、断線の有無にかかわらず、短絡検出処理を行ってもよい。ここでは、断線検出の後に短絡検出処理を行うことが望ましい。すなわち、この場合、断線が検出される場合には、上記各実施形態の要領で短絡検出処理を行えばよい。一方、断線が検出されない場合には、特定の1相についての上側アーム及び別の1相についての下側アームをそれぞれオン状態とすることで通電処理を行うことに基づき、短絡の有無を判断すればよい。なお、この際の通電処理としては、上記特定の1相及び別の1相を、U相、V相、W相のいずれか2つとする3通りの全ての通電処理とすることが望ましい。
・上記異常検出のための通電処理を行うべく、可変手段(VGRS)の出力軸の回転量に対する入力軸の回転量の比が最小となるように操作する手法としては、上記第2の実施形態にて例示したものに限らない。例えば、可変手段が入力軸と出力軸との機械的な連結を解除できないものであるなら、ギア比Gの逆数「1/G」が最大となるように可変手段を電子操作してもよい。
・電動機20の駆動要求がない期間において異常検出のための通電処理を実行する手段としては、上記第1及び第2の実施形態で例示したものに限らない。例えば、キーの回転角度に応じてイグニッションスイッチ、スタータスイッチ、アクセサリスイッチ等の複数のスイッチのそれぞれがオン状態となる車両においては、これらのうちの少なくとも1つのスイッチがオンとされることをトリガとしてもよい。これら各スイッチがオン操作されることによっても、電子制御装置60がオン操作された直後の期間、すなわち電動機20の駆動要求がないと想定される期間に異常検出のための通電処理を行うことができる。
また、電子制御装置60のオン操作直後、すなわち車両の動力発生装置の起動前の期間に異常検出のための通電処理を行うものにも限らない。例えば、車両が停止し、車両の動力発生装置が停止した後の期間であってもよい。これは、例えばイグニッションスイッチ62がオフ操作されることをトリガとして、電子制御装置60による後処理として行うことができる。更に例えば、電子制御装置60のオフ状態時において、タイマによって所定時間が経過した際にイグニッションスイッチ62の操作とは独立に電子制御装置60を起動して上記通電処理を行ってもよい。
・電動パワーステアリングとしては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、ハンドル10に接続される入力軸12と駆動輪26側の出力軸72とが機械的に結合されず、ハンドル10の操作を検知して、これとは完全に独立に出力軸72を回転させるいわゆるステアバイワイヤ方式のものであってもよい。この場合、ハンドル10が操作された際に上記通電処理の強制的な停止を行わなくても、通電処理によってハンドル10の動作が変化することはない。
・断線検出のためのハード構成としては、特定の1相をプルアップするものに限らず、特定の1相を、接地未満の電位にプルダウンするものであってもよい。
・断線検出手法としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、任意の2相についての上側アームと残りの1相についての下側アームとのそれぞれのスイッチング素子をオン操作することで通電処理を行う際に電動機20の出力軸20aの回転角度の収束値に基づき、断線の有無を判断してもよい。すなわち、この場合、任意の2相のうちの1相が断線している場合と、双方とも断線していない場合とでは、上記収束値が変化すると考えられる。
・特定の相から別の相へと通電処理を行うように電力変換回路を操作する際の回転機の回転角度の検出値に基づき短絡異常の有無を判断する手法としては、特定の1相から別の1相へと通電処理を行うものに限らない。例えば、5相回転機において特定の2相から別の2相への通電処理を行うなどしてもよい。この際、上記特定の相及び別の相の総数の方が回転機の相の総数よりも少ないことが望ましい。
・回転機としては、SPMに限らず、例えば埋め込み磁石同期電動機(IPMSM)等であってもよい。この場合、回転角度の収束値を算出するために用いた上記の式を直接用いて収束値を算出することはできないが、通電処理によって回転角度が所定値に収束する現象は共通であるため、本発明の適用は有効である。
・車両としては、内燃機関を動力発生装置とするものに限らず、内燃機関及び動力発生装置としての電動機を搭載するいわゆるハイブリッド車や、電気自動車等であってもよい。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 断線時のトルク制御の問題点を示す図。 上記実施形態にかかる短絡検出原理を示す図。 同実施形態にかかる短絡検出原理を示す図。 同実施形態にかかる異常検出処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる断線時の通電処理態様を示す図。 第2の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかる異常検出処理の手順を示す流れ図。 第3の実施形態にかかる通電処理の強制的な停止処理の手順を示す流れ図。
符号の説明
10…ハンドル(***作手段の一実施形態)、20…電動機(多相回転機の一実施形態)、60…電子制御装置(車載電子制御装置の一実施形態)、IV…インバータ(電力変換回路の一実施形態)。

Claims (9)

  1. 電動式の操舵装置内に搭載される多相回転機を制御対象とし該多相回転機に接続される電力変換回路を操作する車載電子制御装置において、
    前記電力変換回路は、高電位側入力端子及び低電位側入力端子のそれぞれを前記多相回転機の各相のそれぞれに選択的に接続可能なスイッチング素子を備えて構成され、
    前記電力変換回路を操作して、前記多相回転機の特定の相と前記高電位側の入力端子とを接続して且つ、前記多相回転機の別の相と前記低電位側の入力端子とを接続することで、前記多相回転機に対する通電処理を行う通電処理手段と、
    前記通電処理に伴う前記多相回転機の回転角度の検出値の収束値が、正常時に想定される値となるか否かに基づき、前記多相回転機の前記特定の相または別の相とそれら以外の相とが短絡する異常の有無を検出する異常検出手段とを備えることを特徴とする車載電子制御装置。
  2. 前記多相回転機の任意の1相及び前記電力変換回路のうちの前記任意の1相に接続される部分を構成する電気経路の断線の有無を検出する断線検出手段を更に備え、
    前記通電処理手段は、前記特定の相及び前記別の相を、前記断線検出手段によって断線がある旨検出されていない相に設定することを特徴とする請求項記載の車載電子制御装置。
  3. 前記電力変換回路は、高電位側入力端子及び低電位側入力端子のそれぞれを前記多相回転機の各相のそれぞれに選択的に接続可能なスイッチング素子を備えて構成されて且つ、前記多相回転機の所定の1相に接続される電気経路がプルアップ又はプルダウンされてなり、
    前記断線検出手段は、前記スイッチング素子が全てオフ状態とされる際の前記多相回転機の各相と前記電力変換回路との接続箇所の電圧に基づき前記断線の検出を行うことを特徴とする請求項記載の車載電子制御装置。
  4. 前記断線検出手段により前記任意の1相の断線が検出されている場合、前記多相回転機の残りの相に対する通電によって前記多相回転機の制御量を制御すべく前記電力変換回路を操作する異常時制御手段を更に備え、
    前記異常時制御手段は、前記異常検出手段によって短絡異常が検出されている場合と検出されていない場合とで、前記多相回転機の回転角度に応じて定まる前記残りの相に流す電流量を変更することを特徴とする請求項2又は3記載の車載電子制御装置。
  5. 前記操舵装置は、ユーザによって操舵角の変更が指示される***作手段の回転軸を入力軸とするとともに前記多相回転機によって回転力が付与される回転軸を出力軸として且つ前記入力軸の回転量に対する前記出力軸の回転量の比を可変とする可変手段を備え、
    前記出力軸の回転量に対する前記入力軸の回転量の比が最小となるように前記可変手段を操作した状態で前記通電処理手段による通電処理を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の車載電子制御装置。
  6. 前記可変手段は、前記入力軸と前記出力軸とを機械的に連結又は解除する手段を備え、
    前記出力軸の回転量に対する前記入力軸の回転量の比が最小となるように前記可変手段を操作した状態は、前記入力軸と前記出力軸との機械的な連結を解除した状態であることを特徴とする請求項記載の車載電子制御装置。
  7. 前記操舵装置は、ユーザによって操舵角の変更が指示される***作手段の回転軸を入力軸とするとともに前記多相回転機によって回転力が付与される回転軸を出力軸として且つ前記入力軸と前記出力軸とが機械的に連結され又は連結可能とされるものであり、
    前記***作手段の操作がなされると判断される場合、前記通電処理手段による通電処理を強制的に停止させる手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の車載電子制御装置。
  8. 前記通電処理手段は、前記多相回転機の駆動要求がない期間において前記通電処理を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の車載電子制御装置。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の車載電子制御装置と、
    前記操舵装置とを備えることを特徴とする操舵制御システム。
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