JP5100758B2 - 炭素繊維ストランド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、20000本以上の単繊維を集束してなる炭素繊維ストランド及びその製造方法に関する。本炭素繊維ストランドは、開繊をする際に、ストランドが複数のストランドに分割され難い特徴を持つ。
炭素繊維の製造方法としては、ポリアクリロニトリル(PAN)等の原料繊維(前駆体繊維)を使用し、これを酸化処理及び炭素化処理して炭素繊維を得る方法が広く知られている。このようにして得られる炭素繊維は、高い強度、弾性率などの良好な特性を有する。
近年、炭素繊維を利用して製造する複合材料(例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)など)の用途は、ますます広がりつつある。例えば、スポーツ・レジャー分野、航空宇宙分野、自動車分野においては、複合材料の(1)より高性能化(高強度化、高弾性化)、(2)より軽量化(繊維の軽量化及び繊維含有量の低減化)が求められている。これらの要求に沿うため、炭素繊維と樹脂(マトリックス材料)とを複合化する際に、得られる複合材料がより高い物性を発現する炭素繊維が求められている。
高性能な複合材料を得るためには、マトリックス材料が有する物性は重要である。また、炭素繊維の表面特性の改良、及び炭素繊維の強度及び弾性率の向上も重要である。一般的には、マトリックス材料に対する接着性が高い炭素繊維表面を有する炭素繊維と、マトリックス材料とを複合化すること、及びマトリックス材料中に炭素繊維を十分均一に分散させることが重要である。その結果、より高性能な複合材料が得られる。
炭素繊維の表面皺、表面特性、強度及び弾性率については、従来より検討されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
炭素繊維の製造においては、1つの紡糸口金の有する紡糸孔が多いほど、大量生産に向く。しかし、20000以上の紡糸孔を有する紡糸口金から紡糸されて製造される前駆体繊維ストランドは、そのままでは開繊性が高い。従って、この前駆体繊維ストランドを原料として炭素繊維ストランドを製造する場合、後述する酸化工程や炭素化工程において開繊されすぎ、物性の不均一な炭素繊維ストランドが製造される。
開繊の程度を制御するため、サイズ剤を多量に添加する場合は、特に炭素化工程において、サイズ剤由来の不純物が多量に生成し、その結果、得られる炭素繊維ストランドは斑が大きくなり、高強度、高弾性率の炭素繊維ストランドは得難い。
上記問題を避けるため、比較的少数の紡糸孔を有する紡糸口金を用いて紡糸した前駆体ストランドを複数本束ねて、20000以上の単繊維からなる前駆体ストランドを製造する方法がある。
例えば、単繊維24000本が集束されてなる炭素繊維ストランドを製造する場合を考える。通常、1つの紡糸口金を用いて3000〜12000本の単繊維からなる前駆体ストランドが得られる。この前駆体ストランドを2〜8本束ねて24000本の単繊維からなる前駆体ストランドに合糸した後、酸化処理、炭素化処理を行って24000本の単繊維からなる炭素繊維ストランドを得る方法がある。または、前記各前駆体ストランドをそのまま酸化処理し、その後炭素化処理中に各ストランドを合糸して24000本の単繊維からなる炭素繊維ストランドを得る方法がある。更には、前記各前駆体ストランドをそのまま酸化処理し、その後炭素化処理をした後、各ストランド合糸して24000本の単繊維からなる炭素繊維ストランドを得る方法がある。
しかし、これらの方法で製造する炭素繊維ストランドを用いて複合材料を製造する場合、樹脂を含浸させるために前記合糸した炭素繊維ストランドを開繊すると、元の各ストランドに分離する、いわゆるストランド割れを生じ易い。
また、合糸されたストランドを構成する各炭素繊維は、単一紡糸口金を用いて製造されたものではないので、強度等のバラツキが大きくなり易い。
このように、複数のストランドを合糸して製造される、20000本以上の単繊維からなる炭素繊維ストランドは、開繊時にストランド割れが生じ易く、またストランドを構成する各炭素繊維の物性も不均一なものとなる。更に、ストランドを構成する各炭素繊維の物性が不均一であるため、炭素繊維のストランド引張り強度、ストランド引張り弾性率も通常低いものになる。
通常、複合材料を製造する際には、炭素繊維ストランドを十分開繊し、これにマトリックス樹脂を均一に含浸させる。炭素繊維ストランドの開繊時に、ストランド割れを生じると、樹脂の含浸は不均一になり、得られる複合材料の物性は悪くなる。従って、複合材料の製造に適する炭素繊維ストランドに要求される特性としては、ストランド割れを生じること無く、十分に開繊できることが挙げられる。
特開平10−25627号公報 (特許請求の範囲) 特開2006−183173号公報 (特許請求の範囲) 特開2005−133274号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−327339号公報 (特許請求の範囲)
本発明者は、上記問題を解決するため検討を重ねた。その結果、1つの紡糸口金に20000以上の紡糸孔を有する紡糸口金を用いて製造する前駆体繊維ストランドを、所定条件でインターレース処理後、所定の酸化処理、炭素化処理、表面酸化処理することにより、開繊しやすく、且つストランド割れが起きにくい炭素繊維ストランドを製造できることを見出した。本発明は、上記検討の結果、完成するに到ったものである。
本発明の目的とするところは、上記問題を解決した炭素繊維ストランド及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕走査型プローブ顕微鏡を用いて測定する炭素繊維の表面の皺の間隔が100〜119nm、表面の皺の深さが23〜30nmの炭素繊維であって、且つ平均繊維直径が4.5〜6.5μm、比表面積が0.6〜0.8m2/g、密度が1.76g/cm3以上の炭素繊維が20000〜30000本収束されてなる炭素繊維ストランドであって、ストランド引張り強度が5650MPa以上、ストランド引張り弾性率が300GPa以上、所定張力で巻取ったストランドのストランド幅が5.5mm以上、走行中の炭素繊維ストランドに所定張力を付加するストランド割れ評価方法においてストランド割れが観察されない炭素繊維ストランド。
〔2〕 20000〜30000の紡糸孔を有する紡糸口金を用いて紡糸原液を紡糸して得る凝固糸ストランドを、加圧空気の吹出し圧がゲージ圧20〜60kPaのインターレースノズル中を通過させて前駆体繊維ストランドを得、次いで前記前駆体繊維ストランドを加熱空気中200〜280℃で酸化処理して酸化繊維ストランドを得、この酸化繊維ストランドを不活性ガス雰囲気中、温度300〜900℃で、1.03〜1.06の延伸倍率で一次延伸処理し、その後0.9〜1.01の延伸倍率で二次延伸処理する第一炭素化処理を行い、次いで、不活性ガス雰囲気中、温度1360〜2100℃で第二炭素化処理を行ない、その後前記炭素化処理で得られる炭素繊維ストランドを無機酸塩水溶液中で炭素繊維1g当りの電気量20〜100クーロンで電解酸化法により表面酸化処理することを特徴とする〔1〕に記載の炭素繊維ストランドの製造方法。
〔3〕紡糸原液が、塩化亜鉛水溶液、又は有機溶剤にアクリル系重合体を溶解したものである〔2〕に記載の炭素繊維ストランドの製造方法。
本発明の炭素繊維ストランドは、単一の紡糸口金由来の前駆体ストランドを用いて製造されているので、20000本以上の単繊維からなるにも拘らず、開繊する際にストランド割れを生じ難い。従って、複合材料の製造時には、ストランドを大きく開繊して樹脂を均一に含浸できる。その結果、物性の優れた複合材料を製造できる。更に、炭素繊維ストランド中の各単繊維は、単一の紡糸口金を用いて製造されているので、各単繊維間の物性のバラツキが小さい。その結果、本炭素繊維ストランドのストランド引張り強度、ストランド引張り弾性率は、従来の複数のストランドを合糸して製造する20000本以上の単繊維からなる炭素繊維ストランドよりも高い。
炭素繊維ストランドを構成する炭素繊維は所定の表面皺の間隔、深さ及び比表面積を有するので、マトリックス樹脂との接着性が良好である。
本発明の炭素繊維ストランドの製造方法によれば、20000以上の紡糸孔を有する紡糸口金を用いて前駆体繊維を製造しているので、大量生産に適する。
本発明の炭素繊維ストランドを構成する炭素繊維の一例を示す概略部分断面図である。 本発明の炭素繊維ストランドの製造方法に用いるインターレースノズルの一例を示す概念図である。 第一炭素化工程における一次延伸時の温度上昇に対するPAN系酸化繊維の弾性率の推移を示すグラフである。 第一炭素化工程における一次延伸時の温度上昇に対するPAN系酸化繊維の結晶子サイズの推移を示すグラフである。 第一炭素化工程における二次延伸時の温度上昇に対する一次延伸処理繊維の密度の推移を示すグラフである。 第二炭素化工程における一次処理時の温度上昇に対する第一炭素化処理繊維の密度の推移を示すグラフである。 第二炭素化工程における一次処理時の温度上昇に対する第一炭素化処理繊維の結晶子サイズの推移を示すグラフである。 第二炭素化工程における二次処理時の温度上昇に対する一次処理繊維の密度の推移を示すグラフである。
符号の説明
2 炭素繊維
4 波状形状の山状部分
6 波状形状の谷状部分
a 山状部分の間隔(皺の間隔)
b 山状部分と谷状部分との高低差(皺の深さ)
12 インターレースノズル
14 前駆体繊維
16 加圧空気供給口
18 加圧空気
20 空気流
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の炭素繊維ストランドは、単繊維(炭素繊維)が20000〜30000本、好ましくは20000〜26000本集束してなる。
この炭素繊維のストランド引張り強度は5650MPa以上、好ましくは5680MPa以上である。好ましい上限はないが、通常は、5700MPa程度である。この炭素繊維のストランド引張り弾性率は300GPa以上で、好ましくは308〜370GPaである。なお、本明細書においては、炭素繊維のストランド引張り強度を単に強度、炭素繊維のストランド引張り弾性率を単に弾性率と記載する場合がある。
この炭素繊維ストランドは、後述するストランド幅の測定法で測定されるストランド幅が5.5mm以上、好ましくは6〜10mm、より好ましくは6〜8mmである。更に、この炭素繊維ストランドは、後述するストランド割れ評価方法においてストランド割れが観察されない。
本発明の炭素繊維ストランドを構成する炭素繊維(単繊維)の表面には、繊維軸の方向と同方向に形成される複数の皺を有する。
後述する測定方法で求める炭素繊維の比表面積は0.6〜0.8m2/gである。
炭素繊維の密度は、1.76g/cm3以上で、好ましくは1.76〜1.80g/cm3である。
炭素繊維の平均直径は、4.5〜6.5μmで、5.0〜6.0μmが好ましい。
図1は、本発明の炭素繊維ストランドを構成する炭素繊維の一例を示す概略部分断面図である。図1は、炭素繊維軸に直交する面で切断する、炭素繊維の断面図である。本例の炭素繊維2は、繊維の周方向に沿って炭素繊維の直径が増減して形成される皺を表面に有する。図1において、4は直径が大きい山状部分を示す。6は直径が小さい谷状部分を示す。
aは山状部分の間隔(皺の間隔)を示す。bは山状部分と谷状部分との高低差(皺の深さ)を示す。皺の間隔a及び皺の深さbは、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定できる。走査型プローブ顕微鏡を用いて炭素繊維の表面を観察すると、皺の間隔a=100〜119nm、表面皺の深さb=23〜30nmである。
本発明の炭素繊維ストランドは、例えば、以下の方法により製造することができる。
<紡糸原液>
本発明の炭素繊維ストランドを製造する際の出発原料は、前駆体繊維製造用の紡糸原液である。紡糸原液としては、炭素繊維製造用の紡糸原液であれば、従来公知の紡糸原液が何ら制限なく使用できる。それらのなかでも、アクリル系炭素繊維製造用の紡糸原液が好ましい。具体的には、アクリロニトリルを90質量%以上、好ましくは95質量%以上含有する単量体を単独重合、又はその他の単量体と共重合した紡糸原液が好ましい。アクリロニトリルと共重合する、その他の単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、イタコン酸、メタクリル酸メチル、アクリルアミド等が例示される。
紡糸原液としては、塩化亜鉛水溶液、又はジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)等の有機溶剤に上記アクリロニトリル系重合体を5〜20質量%溶解したものが好ましい。
<紡糸>
1つの紡糸口金に20000〜30000、好ましくは20000〜26000の紡糸孔を有する紡糸口金を用いて、この紡糸口金から紡糸原液を紡出させる。紡糸孔から紡出する紡糸原液を凝固させる方法としては、湿式紡糸方法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法がある。湿式紡糸法は、低温に冷却した凝固液(紡糸原液製造に用いる溶媒−水の混合液)を満たす凝固浴中に、紡糸口金から紡出する紡糸原液を直接供給する方法である。乾湿式紡糸方法は、まず紡糸原液を紡糸口金から空気中に紡出させた後、3〜5mm程度の空間を通した後、凝固浴に供給する方法である。
湿式紡糸法によれば、最終的に得られる炭素繊維の表面に自然に微細な皺が形成される。この皺の大きさは、前記皺の間隔a=100〜119nm、表面皺の深さb=23〜30nm程度である。この皺の存在は、複合材料を製造する際に、炭素繊維と樹脂との接着性が向上することを期待できる。従って、紡糸方法としては、湿式紡糸法が好ましい。なお、紡糸孔の形状は通常真円である。乾式紡糸法等において、皺の形成は、紡糸孔の形状を工夫すること、紡糸条件を調節すること等によって達成できる。
凝固したアクリル系繊維等は、次いで、適宜、水洗、乾燥、延伸等の通常行われる処理が施される。
上記紡糸工程においては、耐熱性の向上や、紡糸作業の安定性を目的として、油剤をアクリル系繊維等に付与することが好ましい。油剤としては、親水基を持つ浸透性油剤とシリコーン系油剤とを組み合わせた公知の油剤が好ましい。
<インターレース処理>
紡糸工程においては、前駆体繊維ストランドを構成する多数の前駆体繊維の間で、絡まり(交絡)やオイルによる擬似接着が発生する。更に、過度に開繊される場合がある。これらは、毛羽の発生、前駆体の切断の原因になる。これらの問題を避けるため、インターレース処理を行う。インターレース処理により、ストランド内の部分的な交絡を解除して適度の交絡を付与し、適度の開繊処理を行う。
インターレース処理は、例えば、図2に示すインターレースノズルの中を、前駆体繊維ストランドを通過させることにより行う。
図2において、12は、インターレースノズルである。このインターレースノズル12を構成する円筒状主体12aの内部を、前駆体繊維ストランド14が通過する。インターレースノズル12には、円筒状主体12aを貫通して複数(本図に於いては3箇)の加圧空気供給口16が設けられている。加圧空気供給口16を通して、加圧空気18が円筒状主体12a内に供給される。供給される加圧空気により、円筒状主体12a内には、空気流20が発生する。加圧空気の吹出し圧はゲージ圧で20〜60kPaに保たれる。
加圧空気の吹出し圧が20kPa未満の場合、紡糸工程で発生する前駆体繊維ストランド内の前駆体繊維相互の絡まりを解除し、前駆体繊維ストランドの開繊が行われる。
内部圧が20〜60kPaの場合は、開繊と交絡とが適度に起き、前駆体繊維ストランドの収束性が向上する。
加圧空気の吹出し圧が60kPaを超えると、前駆体繊維ストランド内の交絡が進み過ぎ、前駆体繊維が損傷し、最終的にはストランド強度が低下する。このインターレース処理工程においては、上記適正な加圧空気の吹出し圧(ゲージ圧で20〜60kPa)にすることにより、繊維を損傷することなく、ストランドに適度の開繊と交絡とを付与するものである。
<酸化処理>
インターレース処理された前駆体繊維は、次いで200〜280℃の加熱空気中で酸化処理される。前駆体繊維がアクリル系繊維の場合、酸化処理を行うことにより、アクリル系繊維には分子内で環化反応が起こり、酸素結合量を増加させる。その結果、前駆体繊維は不融化され、難燃化されて、アクリル系酸化繊維(OPF)を与える。
酸化処理は、一般的に、延伸倍率0.85〜1.30の範囲で延伸される。高強度・高弾性率の炭素繊維を得るためには、延伸倍率は0.95以上が好ましい。 上記酸化処理により、密度1.3〜1.5g/cm3の酸化繊維が得られる。
<第一炭素化処理>
本炭素繊維の製造方法においては、第一炭素化処理工程において、上記酸化繊維を、不活性雰囲気中で、300〜900℃の温度範囲内で、1.03〜1.06の延伸倍率で一次延伸処理する。次いで、上記一次延伸処理した酸化繊維を不活性雰囲気中で、300〜900℃の温度範囲内で、0.9〜1.01の延伸倍率で二次延伸処理して、繊維密度1.50〜1.70g/cmの第一炭素化処理繊維を得る。
<第一炭素化処理・一次延伸処理>
第一炭素化処理工程においては、酸化繊維は上記温度範囲内において、低温の300℃から徐々に高温(900℃)に向って昇温される。この工程において、下記(1)〜(3)に記載する弾性率、密度、結晶子サイズ等が変化する。
上記第一炭素化処理工程の一次延伸処理においては、酸化繊維が昇温され、下記範囲中にある場合は、合計1.03〜1.06の延伸倍率で、延伸処理が行われる。
(1)酸化繊維の弾性率が極小値まで低下した時点から9.8GPaに増加するまでの範囲
(2)同繊維の密度が1.5g/cmに達するまでの範囲
(3)同繊維の広角X線測定(回折角26°)における結晶子サイズが1.45nmに達するまでの範囲
上記の酸化繊維の弾性率が極小値まで低下した時点から9.8GPaに増加するまでの範囲は、図3に示すβの範囲である。
酸化繊維の弾性率が極小値まで低下した時点から9.8GPaに増加するまでの範囲で延伸(1.03〜1.06倍)を行うことにより、糸切れを抑制し、酸化繊維の低弾性率部が効率的に延伸されて高配向化され、緻密な一次延伸処理繊維が得られる。
一方、酸化繊維の弾性率が極小値に低下する以前(αの範囲)で1.03倍以上延伸すると、糸切れを増加させ、得られる一次延伸処理繊維の著しい強度低下を招くので好ましくない。
また、弾性率が極小値まで低下し、次いで9.8GPaに増加した後の範囲(γの範囲)で1.03倍以上延伸する場合は、繊維の弾性率が高くなっているので、無理な延伸を強いることになる。その結果、繊維欠陥やボイドを増加させ、延伸の効果を損なう。よって、上記弾性率の範囲内で一次延伸処理を行う。
酸化繊維の密度が1.5g/cmに達するまでの範囲で延伸(1.03〜1.06倍)を行うことにより、ボイドの生成を抑制しながら、配向度を向上でき、高品位の一次延伸処理繊維を得ることができる。
これに対し、密度が1.5g/cmより高い範囲で1.03倍以上の一次延伸を行う場合は、無理な延伸に基因するボイドの生成を増長し、最終的な炭素繊維の構造欠陥、密度低下を招くため好ましくない。よって、上記密度の範囲内で一次延伸処理を行う。
なお、一次延伸における延伸倍率が1.03倍未満の場合は、延伸の効果が少なく、高強度の炭素繊維を得ることができない。延伸倍率が1.06倍より高い場合は、糸切れを招き、高品位及び高強度の炭素繊維を得ることはできない。
<第一炭素化処理・二次延伸処理>
第一炭素化処理工程の二次延伸処理においては、昇温中に(1)一次延伸処理後の繊維の密度が、二次延伸処理中において、上昇し続ける範囲、及び(2)図4に示されるように、一次延伸処理後の繊維の広角X線測定(回折角26°)において観測される結晶子サイズが1.45nmより大きくならない範囲で、0.9〜1.01倍の延伸倍率で延伸処理を行う。
第一炭素化処理工程の二次延伸処理中においては、繊維の密度は、図5に示されるように炭素化温度の上昇につれて、増加しない条件と、増加し続ける条件と、増加後減少する条件とがある。
これらの条件のうち、一次延伸処理を行った繊維の密度が、二次延伸処理中に上昇し続ける条件下で0.9〜1.01倍の延伸倍率で延伸処理を行うことにより、ボイド生成を抑制して、最終的に緻密な炭素繊維を得ることができる。上昇し続ける条件は、炭素化処理温度条件をコントロールすることにより、実現できる。
これに対し、繊維密度が低下する期間中に二次延伸処理を行うと、炭素繊維中のボイドの生成を増長し、緻密な炭素繊維を得ることができない。また、二次延伸処理中に繊維密度が変化しない期間を含むと、二次延伸処理による緻密性の向上が期待できず、最終的に高強度の炭素繊維が得られない。よって、二次延伸処理は繊維密度が増加し続ける範囲内で行う。
更に、一次延伸処理後の繊維の広角X線測定(回折角26°)で測定される結晶子サイズが1.45nm以下の範囲で0.9〜1.01倍の延伸倍率で延伸処理を行う。この延伸処理により、結晶が成長することなく緻密化され、ボイドの生成が抑制され、最終的に高い緻密性を有する炭素繊維が得られる。
結晶子サイズが1.45nmより大きくなる範囲において二次延伸処理を行う場合は、得られる炭素繊維のボイドが増加する。更に、糸切れにより品位が低下し、高強度の炭素繊維を得ることができない。よって、二次延伸処理は上記結晶子サイズの範囲内で実施する。
なお、二次延伸処理において、延伸倍率が0.9倍未満の場合は、広角X線測定(回折角26°)により測定される第一炭素化処理繊維の配向度の低下が著しくなり、高強度の炭素繊維を得ることができない。延伸倍率が1.01倍より高いと、糸切れを招き、高品位及び高強度の炭素繊維を得ることはできない。よって、二次延伸処理における延伸倍率は0.9〜1.01倍の範囲内が好ましい。
高強度の炭素繊維を得るためには、広角X線測定(回折角26°)により測定される第一炭素化処理繊維の配向度は、76.0%以上であることが好ましい。
配向度が76.0%未満の場合は、高強度の炭素繊維を得ることができない。配向度を76.0%以上にする方法としては、耐炎化処理での延伸倍率を0.95以上とし、さらに上記のごとく、第一炭素化工程を上記の所定の条件としなければならない。
第一炭素化処理工程においては、上記の条件で酸化繊維の一次延伸処理、二次延伸処理を行ない、第一炭素化処理繊維が得られる。上記第一炭素化処理工程は、一つの炉若しくは二つ以上の炉を用いて、連続的に、若しくは別々に処理しても差し支えない。
<第二炭素化処理>
第二炭素化工程においては、上記第一炭素化処理繊維を、不活性雰囲気中で、900℃を超える温度〜2100℃、好ましくは1360〜2100℃の温度範囲内で、延伸処理して第二炭素化処理繊維を得る。同工程は、必要に応じ、一次延伸処理と二次延伸処理とに分けてもよい。
なお、製造する炭素繊維に必要な弾性率を与えるため、第二炭素化処理・二次延伸処理の後工程として、必要に応じ、第三炭素化工程を設けて炭素繊維の熱処理を行っても良い。さらに、第二炭素化処理、及び後工程の熱処理は、一つの炉を用いて連続的に行っても良い。又は二つ又は三つの炉を用いて、各処理を別々に行っても良い。
<第二炭素化処理・一次処理>
第二炭素化工程の一次処理においては、上記のようにして得られる第一炭素化処理繊維が炉の入口側の1360℃から徐々に出口側の2100℃に向って昇温される。
この工程においては、上記昇温中に、下記条件を満たす範囲内で、同繊維を延伸する。延伸倍率は、下記条件を満たす範囲で適宜決定される。通常、延伸倍率は0.95〜1.05倍の範囲内である。
(1)同繊維の密度が上昇し続ける範囲、
(2)同繊維の窒素含有率が10質量%以上に維持されている範囲、
(3)広角X線測定(回折角26°)における結晶子サイズが1.47nmより大きくならない範囲、
第二炭素化工程一次処理において、処理される第一炭素化処理繊維の密度、結晶子サイズの変化の一例を、図6及び7に示す。併せて処理条件範囲も示す。
なお、第二炭素化工程一次処理において、繊維張力(F MPa)は、第一炭素化工程を通過した後の炭素繊維断面積(S mm)に依存するので、本発明においては、張力ファクターとして繊維応力(B mN)を用いる。
本発明においては、繊維応力の範囲は下式
1.24 > B > 0.46
〔但し、B = F × S
S = πD2 / 4
Dは第一炭素化処理繊維の直径(mm)〕
を満たす範囲である。
ここで繊維断面積は、以下の方法により算出している。先ず、JIS−R−7601に規定するように、測微顕微鏡を用いて、繊維直径を繰返し数n=20で測定する。次いで、測定された繊維直径の平均値を求める。その繊維直径の平均値を用いて、真円の面積を算出する。算出した真円の面積値を繊維断面積値とする。
<第二炭素化処理・二次処理>
上記方法により得られる一次処理繊維は、以下の二次処理が施こされる。
この二次処理においては、昇温中に、一次処理繊維の密度が変化しない範囲内又は密度が低下する範囲内で同繊維を延伸処理する。延伸倍率は、通常0.98〜1.02倍の範囲である。
上記一次処理繊維の二次処理における密度の変化、及び処理条件範囲の一例を図8に示す。
なお、第二炭素化工程の二次延伸処理における繊維張力(H MPa)も、一次延伸処理時と同様に、第一炭素化工程後の繊維断面積(S mm2)に依存する。本発明においては張力ファクターとして繊維応力(E mN)を用いる。この繊維応力の範囲は下式
2.80 > E > 0.23
〔但し、E = H × S
S = πD2 / 4
Dは第一炭素化処理繊維の直径(mm)〕
を満たす範囲である。
なお、第二炭素化処理繊維の直径は4〜7μmが好ましく、4.5〜6.5μmがより
好ましい。
<表面酸化処理>
上記第二炭素化処理繊維は、表面酸化処理を施す。表面酸化処理には気相、又は液相で行う。工程管理の簡便さの点と、生産性を高められる点から、液相処理が好ましい。液相処理のうちでも、液の安全性、液の安定性の面から、電解液を用いる電解処理が好ましい。電解液に用いる電解質としては、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの無機酸塩が好ましい。電解処理に要する電気量は、炭素繊維1g当り20〜100クーロンが好ましい。20クーロン/g未満の場合、表面処理が不十分になる。この場合は、表面皺の深さが23nm未満となり、比表面積も0.6m/g未満となり、本発明で規定する表面形態を得ることはできない。また100クーロン/gを超える場合は、繊維強度の低下を招く。
<サイジング処理>
上記表面酸化処理を施した炭素繊維は、必要に応じ、引き続いてサイジング処理を行う。サイジング処理は、公知の方法で行うことができる。サイジング剤は、公知のサイジング剤を用途に応じて適宜使用できる。サイジング剤を均一に付着させた後、乾燥させることが好ましい。サイジング剤としては、エポキシ系、ウレタン系等の公知のサイジング剤が例示される。
<巻き取り処理>
上記必要に応じて行ったサイジング処理後の炭素繊維は、通常巻き取る。巻き取りは、従来の公知の方法で行うことができる。通常、炭素繊維は9.8〜29.4Nの張力下でボビン等に巻き取られた後、パッケージされる。
上記方法によって製造される炭素繊維は、繊維表面に皺を有するので、マトリックス材料と複合化して複合材料を製造する場合、マトリックス材料と良好な接着性を示し、良好な複合材料の補強材として機能する。この炭素繊維は、樹脂含浸ストランド強度、樹脂含浸ストランド弾性率、及び密度が高く、更に毛羽や糸切れが少ない。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明する。各実施例、比較例における処理条件、及び前駆体繊維、酸化繊維、炭素繊維の物性の評価方法は、以下の方法によった。
<密度>
各繊維の密度は、アルキメデス法により測定した。試料繊維をアセトン中で脱気処理した後、密度を測定した。
<広角X線測定(回折角17°又は26°)における結晶子サイズ、配向度>
X線回折装置(理学電機製RINT1200L)、コンピュータ(日立2050/32)を使用して、回折パターンを得た。回折角17°又は26°における結晶子サイズを回折パターンから求めた。配向度は半値幅を用いて求めた。
<ストランドの交絡度>
交絡度を測定するストランドを用意し、長さ1mに切断して5本のストランド試料を製造した。試料の一端を固定して試料の他端を垂下げた。フックを取付けた20gの分銅からなる冶具のフックを試料に引っ掛け、分銅を自然落下させた。フックを試料に引っかけた位置は、垂下させた試料の上端から5cm下部であって、試料幅方向の中央であった。分銅の落下距離(Acm)を求め、下記式を用いて各試料の交絡度を算出した。
各試料の交絡度=100cm/Acm
測定回数nを5回として各試料の交絡度を求め、これらの平均値をそのストランドの交絡度とした。
<第一炭素化工程一次延伸処理繊維の単繊維弾性率>
JIS R 7606(2000)に規定された方法により第一炭素化工程一次延伸処理繊維の単繊維弾性率を測定した。
<炭素繊維のストランド引張り強度、ストランド引張り弾性率>
JIS R 7601に規定された方法により第二炭素化処理繊維のストランド強度、ストランド弾性率を測定した。
<炭素繊維の形状の測定方法>
炭素繊維表面の皺の深さ (山状部分と谷状部分との高低差)は、自乗平均面粗さとして求められる。測定用の炭素繊維を測定用ステンレス円盤上に置き、サンプルの両端を円盤に固定することにより、測定用試料を調製した。走査型プローブ顕微鏡(DI社製 SPM NanoscopeIII)を用いて、Tapping Modeで試料を測定した。得られたデータを付属のソフトウェアを用いて二次曲線補正を行い、補正したデータから炭素繊維の自乗平均面粗さを求めた。
炭素繊維表面の皺の間隔 (山状部分の間隔)は、同走査型プローブ顕微鏡を用いて測定した。炭素繊維試料の表面の2μm四方の範囲を同顕微鏡で測定し、得られた形状像から皺の数を計測した。同様の測定を5回繰り返し、皺の数を求め、更にその平均値を求めた。求めた皺の数の平均値から、皺の間隔を算出した。
<炭素繊維比表面積>
比表面積測定装置[ユアサアイオニクス(株)製:全自動ガス吸着量測定装置 AUTOSORB−1]を用いて炭素繊維の比表面積を測定した。炭素繊維を1g採取し、測定装置に挿入した。クリプトンガスを使用して、定法により測定し、比表面積の測定値を得た。
<炭素繊維ストランドのストランド割れ評価方法>
直径15mmのステンレス製棒(表面粗度150番手)3本(第1棒〜第3棒)を、各5cmの間隔で互いに離して、平行に固定した。炭素繊維ストランドを、この3本の棒にジグザグ状にかけた。張力9.8Nを炭素繊維ストランドに加えた状態で5m/分の速度で炭素繊維ストランドを第1棒から第3棒に向けて摺動させた。第3棒を摺動するストランドを5分間に亘り観察し、ストランドが複数の束に分割されるストランド割れ状況を評価した。
<炭素繊維ストランド幅の評価方法>
炭素繊維ストランド幅は、以下の方法で評価した。張力9.8Nでボビンに炭素繊維ストランドを巻取った。ボビン上のストランド幅を測定した。巻取ったストランドの長さ方向に沿って、1mごとにストランド幅を5回(n=5)測定し、その平均値をストランド幅とした。
<樹脂含浸後のドライファイバーの評価方法>
JIS R 7601に規定された方法によりストランド引張り強度、ストランド引張り弾性率を測定し後、上記試験に供した試料の破断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した。繊維表面に樹脂が付着していない状態が観察された場合、ドライファイバーと判断した。
<酸化処理工程の安定性の評価方法>
酸化処理工程の安定性は、酸化処理工程中のストランド切断発生件数が1回/24時間以上の場合を工程安定性が悪いと判定した。発生件数が1回/24時間未満の場合を工程安定性が良好と判定した。
実施例1
1つの紡糸口金に24000の孔を有する紡糸口金を通して、紡糸原液を塩化亜鉛の25質量%水溶液(凝固液)中に吐出させた。これにより、凝固糸を連続的に得た。紡糸原液は、アクリロニトリル95質量%/アクリル酸メチル4質量%/イタコン酸1質量%よりなる共重合体を塩化亜鉛水溶液に7質量%溶解したものであった。
この凝固糸を、定法により、水洗、オイリング、乾燥、延伸した後、加圧空気の吹出し圧がゲージ圧で50kPaインターレースノズル中を通過させた。これにより、繊維直径9.0μmのアクリル系前駆体繊維24000本からなり、交絡度3.5の前駆体繊維ストランドを得た。
この繊維ストランドを、入口温度(最低温度)230℃、出口温度(最高温度)250℃の熱風循環式酸化炉に供給して、加熱空気中で1.05の延伸倍率で酸化処理した。この酸化炉は、入口から出口に向うに従って徐々に高温になる温度勾配を有していた。その結果、繊維密度1.36g/cm3、交絡度5のアクリル系酸化繊維ストランドを得た。この酸化処理工程の工程安定性は良好で、毛羽の発生、ロールへの繊維の巻付き等のトラブルは無かった。
次いで、この酸化繊維ストランドを、入口温度(最低温度)300℃から出口温度(最高温度)800℃に向って徐々に昇温される第一炭素化炉に供給し、第一炭素化処理を行った。炭素化処理は、不活性雰囲気中における、一次延伸、及び二次延伸処理からなる。
一次延伸処理は、図3に示す繊維弾性率が上昇し続けるβの範囲内で、延伸倍率1.05倍で延伸した。この一次延伸処理後の一次延伸処理繊維は、単繊維弾性率8.8GPa、密度1.40g/cm3、結晶子サイズ1.20nmであり、糸切れは認められなかった。
その後、この一次延伸処理繊維を、第一炭素化工程において、二次延伸を行った。二次延伸は、密度が上昇し続ける範囲内で、且つ結晶子サイズが1.45nmより大きくならない範囲(図4、図5)で行った。延伸倍率は1.00倍であった。この二次延伸処理により、密度1.53g/cm3、配向度77.1%、繊維直径6.8μm、繊維断面積3.63×10-5mm2の第一炭素化処理繊維が得られた。第一炭素化処理繊維は、糸切れが認められなかった。
次いで、この第一炭素化処理繊維を、第二炭素化炉を用いて一次処理・二次処理を以下に示す条件で実施した。第二炭素化炉は、内部が不活性雰囲気であり、入口温度(最低温度)800℃、出口温度(最高温度)1500℃であった。この炭素化炉内部の温度は、入口側から出口側に向うに従って徐々に高温になる温度勾配を有していた。
先ず、上記第一炭素化処理繊維を、密度及び結晶子サイズが図6及び7に示す一次延伸処理条件の範囲内にある間、繊維張力28.1MPa、繊維応力1.020mNで延伸処理し、一次処理繊維を得た。即ち、図7に示すように、密度が温度上昇に共なって増加し、最大値1.9g/cm3に達するまでの期間内で延伸した。且つ、図6に示すように、結晶子サイズが温度上昇に伴なって一度減少し、その後増加を開始後1.47nmになるまでの期間内で延伸した。
その後、この一次処理繊維を、引き続き第二炭素化工程において二次処理した。延伸処理は、図8に示す二次処理条件の範囲の密度の範囲内で、繊維張力33.7MPa、繊維応力1.223mNで延伸処理し、第二炭素化処理繊維を得た。
次いで、この第二炭素化処理繊維を、硫酸アンモニウム水溶液を電解液として用い、炭素繊維1g当り30クーロンの電気量で表面処理を施した。
引き続き公知の方法で、サイジング剤(エポキシ樹脂)を固形分に換算して1.0質量%添加し、乾燥した。その結果、密度1.77g/cm3、繊維直径5.1μm、ストランド引張り強度5780MPa、ストランド引張り弾性率319GPaの炭素繊維を得た。
繊維表面には皺が観察され、皺の間隔115nm、皺の深さ24nm、比表面積0.65m2/gで、良好な物性の炭素繊維ストランドが得られた。このストランドを、ストランド幅の評価、ストランド割れの評価に供した。
以上の結果を表1〜3に示す。
比較例1
1つの紡糸口金に12000の孔を有する紡糸口金を2つ並列に並べた。これらの2つの口金に、実施例1で使用した紡糸原液を供給し、凝固液(塩化亜鉛水溶液)中に紡糸液を吐出させて凝固させた。これにより、各12000本のフィラメントからなる2束の凝固糸ストランドを得た。次いで、実施例1と同様にして、これらの凝固糸ストランドに水洗以降の処理を施し、アクリル系前駆体繊維ストランド2束を得た。この2束のストランドを、第二炭素化処理時に束ねて、1束のストランドにした以外は、実施例1と同様に処理した。
その結果を、表1に示した。得られた炭素繊維ストランドのストランド割れ評価の結果は、ストランド割れが観察された。
比較例2
2束のアクリル系前駆体繊維ストランドを、第一炭素化処理前に、1束のストランドに束ねた以外は、比較例1と同様に処理を行い、炭素繊維ストランドを得た。その結果を表1に示した。得られた炭素繊維ストランドのストランド割れ評価の結果は、ストランド割れが観察された。
比較例3
1つの紡糸口金に3000の孔を有する紡糸口金を、8つ並べた。これらの8つの紡糸口金に実施例1で得られた紡糸原液を供給し、凝固液(塩化亜鉛水溶液)中に吐出して凝固させて凝固させた。これにより、3000本のフィラメントからなる8束の凝固糸ストランドを得た。次いで、この凝固糸ストランドに、実施例1と同様にして、水洗以降の処理を施し、アクリル系前駆体繊維ストランド8束を得た。この8束のストランドを、第二炭素化処理時に1本のストランドに合わせた以外は、実施例1と同様に、処理した。
その結果、表1に示した。得られた炭素繊維ストランドのストランド割れ評価の結果は、ストランド割れが観察された。

実施例2
インターレース付与処理においてインターレースノズルの加圧空気の吹出し圧をゲージ圧で30kPaにした以外は、実施例1と同様に、処理した。
その結果、表2に示すように、前駆体繊維ストランドの交絡度、酸化繊維ストランドの交絡度、酸化処理工程の安定性の何れも良好なものであった。
得られた炭素繊維は、表3に示すように、密度1.77g/cm3、繊維直径5.1μm、ストランド引張り強度5795MPa、ストランド引張り弾性率319GPaであった。繊維表面には皺が観察され、皺の間隔114nm、皺の深さ24nm、比表面積0.64m2/gで、良好な物性の炭素繊維ストランドが得られた。この炭素繊維ストランドは、ストランド割れが認められなかった。

比較例4
前駆体繊維ストランドにインターレース付与処理を施さなかった以外は、実施例1と同様に処理した。
表2に示すように、前駆体繊維ストランドの交絡度は2、酸化繊維ストランドの交絡度は4であり、酸化処理工程の安定性は悪かった。
比較例5
実施例1で得られた前駆体繊維ストランドのインターレース付与処理においてインターレースノズルの加圧空気の吹出し圧をゲージ圧で10kPaにした以外は、実施例1と同様にして処理した。表2に示すように、前駆体繊維ストランドの交絡度は2、酸化繊維ストランドの交絡度は4であった。酸化処理工程においては、ストランドが過度に開繊し、酸化処理工程の安定性は悪いものであった。
比較例6
実施例1で得られた前駆体繊維ストランドのインターレース付与処理においてインターレースノズルの加圧空気の吹出し圧をゲージ圧で70kPaにした以外は、実施例1と同様にして処理した。表2に示すように、前駆体繊維ストランドの交絡度は5、酸化繊維ストランドの交絡度は10であり、得られた炭素繊維強度は低いものであった。
実施例3
実施例1で得られた第一炭素化繊維の第二炭素化処理における炉の最高温度を1700℃とし、第二炭素化繊維の表面酸化処理における炭素繊維1g当りの電気量を80クーロンにした以外は、実施例1と同様に処理した。
その結果を、表3に示した。
実施例4
実施例1で得られた第一炭素化繊維の第二炭素化処理における炉の最高温度を1400℃とし、第二炭素化繊維の表面酸化処理における炭素繊維1g当り電気量を25クーロンにした以外は、実施例1と同様に処理した。結果を、表3に示した。
比較例7
実施例1で得られた第二炭素化繊維の表面酸化処理における炭素繊維1g当り電気量を15クーロンにした以外は、実施例1と同様に処理した。
結果を表3に示した。炭素繊維(CF)強度、炭素繊維表面の皺の深さ、比表面積の何れも不足し、良好な物性の炭素繊維ストランドは得られなかった。
比較例8
実施例1で得られた第一炭素化繊維の第二炭素化処理における炉の最高温度を1350℃とし、第二炭素化繊維の表面酸化処理における炭素繊維1g当りの電気量を25クーロンにした以外は、実施例1と同様に処理した。
結果を表3に示した。CF弾性率、炭素繊維の表面の皺の間隔、表面の皺の深さの何れも不足し、良好な物性の炭素繊維ストランドは得られなかった。
比較例9
第一炭素化処理における延伸処理が一次延伸処理のみであった以外は、実施例1と同様に処理した。
結果を、表3に示した。CF強度が不足し、良好な物性の炭素繊維ストランドは得られなかった。
比較例10
第一炭素化工程における延伸処理が二次延伸処理のみであった以外は、実施例1と同様に処理した。結果を、表3に示した。CF強度が不足し、良好な物性の炭素繊維ストランドは得られなかった。
Figure 0005100758
Figure 0005100758
Figure 0005100758

Claims (3)

  1. 炭素繊維の繊維軸方向に平行な複数の皺をその表面に有し、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定する炭素繊維の表面の前記皺の間隔が100〜119nmで、表面の皺の深さが23〜30nmで、且つ平均繊維直径が4.5〜6.5μm、比表面積が0.6〜0.8m2/g、密度が1.76g/cm3以上の炭素繊維が20000〜30000本収束されてなる炭素繊維ストランドであって、前記炭素繊維ストランドのストランド引張り強度が5650MPa以上、ストランド引張り弾性率が300GPa以上、所定張力で巻取ったストランドのストランド幅が5.5mm以上、走行中の炭素繊維ストランドに所定張力を付加するストランド割れ評価方法においてストランド割れが観察されない炭素繊維ストランド。
  2. 1つの紡糸口金が20000〜30000の紡糸孔を有する紡糸口金を用いて紡糸原液を湿式紡糸して得る凝固糸ストランドを、加圧空気の吹出し圧がゲージ圧20〜60kPaのインターレースノズル中を通過させて前駆体繊維ストランドを得、次いで前記前駆体繊維ストランドを加熱空気中200〜280℃で酸化処理して酸化繊維ストランドを得、この酸化繊維ストランドを不活性ガス雰囲気中、温度300〜900℃で、1.03〜1.06の延伸倍率で一次延伸処理し、その後0.9〜1.01の延伸倍率で二次延伸処理する第一炭素化処理を行い、次いで、不活性ガス雰囲気中、温度1360〜2100℃で第二炭素化処理を行ない、その後前記炭素化処理で得られる炭素繊維ストランドを無機酸塩水溶液中で炭素繊維1g当りの電気量20〜100クーロンで電解酸化法により表面酸化処理することを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維ストランドの製造方法。
  3. 紡糸原液が、塩化亜鉛水溶液、又は有機溶剤にアクリル系重合体を溶解したものである請求項2に記載の炭素繊維ストランドの製造方法。
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