JP7155577B2 - 炭素繊維前駆体アクリル繊維炭素繊維 - Google Patents

炭素繊維前駆体アクリル繊維炭素繊維 Download PDF

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Description

本発明は、炭素繊維前駆体アクリル繊維、炭素繊維およびそれらの製造方法に関する。
各種産業において様々な用途に利用される圧力容器は近年、その利用範囲がますます広がっており、天然ガスを燃料とする自動車に搭載する圧力容器(CNGタンク)や水素ガスを燃料とする燃料電池車に搭載される圧力容器(CHGタンク)への展開も進んでいる。自動車用の圧力容器は燃費改善のため、より軽量化することが市場には求められている。
炭素繊維を用いた圧力容器は、通常、炭素繊維の単繊維からなる束(以下、炭素繊維束という場合がある。)にエポキシ樹脂などの樹脂を含浸させて、ライナーと呼ばれる金属製や樹脂製の円筒状物に巻き付ける処理を行い、樹脂を加熱硬化することによって得られる。(以下、フィラメントワインディング法という場合がある。)
炭素繊維は、一般的に高い比強度及び比弾性率を有することが知られており、炭素繊維を用いた圧力容器(以下、CFRP製タンクという場合がある。)は、金属製の圧力容器と同程度の強度を持ちつつ、軽量である。
しかしながら、自動車用の圧力容器では、特にCHGタンクの分野では更なる高強度化が求められている。
CFRP製タンクの高強度化には、使用する炭素繊維のストランド強度を高くする事に加え、CFRP製タンクを構成する炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPという場合がある。)中のボイドの生成を抑制すること、CFRP中の繊維体積含有率の斑を小さくすることが重要である。
従来の技術で製造された炭素繊維は、炭素繊維束を構成する単繊維の表面に形成されている皺が浅い程、炭素繊維束の集束性が高くなり、炭素繊維束への樹脂の含浸が不十分となり、CFRP中にボイドが形成されてしまう傾向があった。逆に単繊維の表面に形成されている皺が深すぎると、炭素繊維束の集束性が不十分となり、樹脂の含浸が一定とならず、CFRP中の繊維体積含有率の斑が大きくなってしまう傾向があった。
また、炭素繊維束を構成する単繊維の断面形状が真円に近づくほど、単繊維同士の隙間が小さくなり、炭素繊維束への樹脂の含浸が不十分となり、CFRP中にボイドが形成されてしまう傾向があった。逆に単繊維の繊維軸方向の断面形状が真円から遠ざかるほど、単繊維間の隙間のばらつきが大きくなってしまい、炭素繊維束への樹脂の含浸が一定とならず、CFRP中の繊維体積含有率の斑が大きくなってしまう傾向があった。
従って、CFRP製タンクの高強度化を達成するためには、ストランド強度が高いことに加え、単繊維の断面形状および単繊維の表面に形成されている皺を適切に制御した炭素繊維が望まれている。
特許文献1では、炭素繊維束を構成する単繊維の表面の表面凹凸構造を制御する事で、樹脂との界面接着性を維持しつつ、応力集中による破壊靭性低下を抑制し、また、炭素繊維束を構成する単繊維の断面形状をより真円に近づける事で、応力集中による破壊靭性低下を抑制して、高い機械的特性を有する炭素繊維強化複合材料が得られると記載されている。しかしながら、炭素繊維束を構成する単繊維の断面形状は真円に近く、単繊維の表面の凹凸も浅い為、得られるCFRP製タンクはボイドが多くなる場合があり、ボイドが多い場合には高い強度が得られにくい。
また、特許文献2には、炭素繊維束の幅を均一な扁平形状とし、樹脂含浸後の繊維束の幅変動を抑制することで、フィラメントワインディング法によるCFRP製タンクの製造に適した炭素繊維束が得られると記載されている。そのために炭素繊維束を構成する単繊維の断面形状および表面の算術平均粗さを制御している。しかし、使用している炭素繊維束を構成する単繊維の断面形状が真円に近いため、単繊維同士が最密充填しやすくなっており、得られるCFRP製タンクはボイドが多い傾向となり、高い強度が得られにくい。
特開2010-285710号公報 特開2012-154000号公報
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、炭素繊維束を構成する単繊維の断面形状および単繊維の表面に形成されている皺を適切に制御することで、フィラメントワインディング法によってCFRP製タンクを製造する過程にて、熱硬化性樹脂を炭素繊維束に含浸させる際に、気泡の生成を抑制でき、樹脂含有率の斑を小さくでき、CFRP製タンクのCFRP内部のボイドを抑制して、CFRPの繊維体積含有率の斑を小さくして、CFRP製タンクの高強度化が可能となる炭素繊維および炭素繊維束、その炭素繊維および炭素繊維束の原料となる炭素繊維前駆体アクリル繊維および炭素繊維前駆体アクリル繊維束と、それら炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の製造方法を提供することにある。
前記目的は以下の構成によって解決される。すなわち、本発明の第一の態様は、単繊維表面の中心線平均粗さRaが6.0nm以上7.0nm以下であり、単繊維の長径/短径が1.245より大きく、2.00以下である炭素繊維である。
本発明の第一の態様である炭素繊維は、下記[1]の構成を具備することが好ましい。
[1]単繊維の凹み距離/短径が0.011以上0.023以下である。
本発明の第二の態様は、単繊維表面の中心線平均粗さRaが18nm以上22nm以下であり、単繊維の長径/短径が1.245より大きく、2.00以下である炭素繊維前駆体アクリル繊維である。
本発明の第二の態様である炭素繊維前駆体アクリル繊維は、下記[2]の構成を具備することが好ましい。
[2]単繊維の凹み距離/短径が0.011以上0.023以下である。
本発明の第三の態様は、下記1)~3)の工程を含み、且つ下記4)及び5)の条件を満たす炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法である。
1)凝固液濃度が65質量%以上70質量%以下であり、凝固液温度が33℃以上40℃以下である凝固液中に、アクリロニトリル系重合体溶液を、孔の出口の形状の長径/短径が1.200以上2.500以下である紡糸口金から吐出し凝固させて、凝固糸を得ると同時に、凝固糸にかかる張力を55mgf/フィラメント以上75mgf/フィラメント以下に制御しながら引き取る工程。
2)前記1)工程にて引き取った凝固糸を空中にて1.00倍以上1.15倍以下の延伸処理を施した後、50℃以上の水を用いた、3段以上10段以下からなる洗浄・延伸槽にて2.4倍以上2.8倍以下の倍率範囲で延伸・洗浄を行い、さらに95℃以上の水を用いた熱水槽にて0.97倍以上1.1倍以下の緩和又は延伸を行って延伸糸を得る工程。
3)前記2)工程で延伸した後の延伸糸に油剤を付与して乾燥した後、130℃以上160℃以下の加圧水蒸気雰囲気下で3.0倍以上4.5倍以下に延伸する工程。
4)前記1)工程の凝固糸を凝固液より引き取ってから前記2)工程の延伸糸を得るまでの凝固糸の合計延伸倍率は2.4倍以上2.9倍以下である。
5)前記1)工程の凝固糸を引き取ってから前記3)工程の加圧水蒸気雰囲気下での延伸後までの合計延伸倍率は9.0倍以上12倍以下である。
本発明の第四の態様は、下記6)~8)の工程を含む炭素繊維束の製造方法である。
6)本発明の第二態様の炭素繊維前駆体アクリル繊維から構成される炭素繊維前駆体アクリル繊維束に対し、酸化性雰囲気中で200℃以上300℃以下に加熱し耐炎化繊維束とする耐炎化工程。
7)前記耐炎化繊維束を非酸化性雰囲気中、550℃以上800℃以下で加熱し前炭素化繊維束とする前炭素化工程。
8)前記前炭素化繊維束を非酸化性雰囲気中、1200℃以上3000℃以下で加熱し炭素繊維束とする高温炭素化工程。
本発明により炭素繊維の単繊維の断面形状および単繊維の表面に形成されている皺を適切に制御することで、フィラメントワインディング法によってCFRP製タンクを製造する過程にて、熱硬化性樹脂を炭素繊維束に含浸させる際に、気泡の生成を抑制でき、繊維含有率の斑を小さくでき、結果的にCFRP製タンクの高強度化が可能となる炭素繊維の原料となる炭素繊維前駆体アクリル繊維と該炭素繊維が提供される。
図1は、単繊維の長径及び短径の定義を説明するための概略図である。 図2は、単繊維の凹み距離の定義を説明するための概略図である。 図3は、実施例1の炭素繊維前駆体アクリル繊維束を構成する単繊維断面の電子顕微鏡撮影画像である。 図4は、比較例1の炭素繊維前駆体アクリル繊維束を構成する単繊維断面の電子顕微鏡撮影画像である。
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維は、単繊維表面の中心線平均粗さRaが18nm以上22nm以下である。
本発明では、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaを18nm以上とすることで、該炭素繊維前駆体アクリル繊維から得られる炭素繊維の単繊維からなる炭素繊維束が過剰に集束することを抑制でき、炭素繊維束に樹脂を含浸させやすくなる。また、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaを22nm以下とすることで、該炭素繊維前駆体アクリル繊維から得られる炭素繊維の単繊維からなる炭素繊維束の集束性が不足することを防止でき、炭素繊維束に樹脂を均一に含浸させやすくなる。なお、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維は、単繊維の長径/短径が1.245より大きく、2.00以下である。本発明では、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaが18nm以上22nm以下においては、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径を1.245より大きくすることで炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の束(以下、炭素繊維前駆体アクリル繊維束という場合がある。)を耐炎化および炭素化して得られる炭素繊維の単繊維同士の隙間を十分確保する事が可能となり、炭素繊維束に樹脂を含浸させやすくなる。また、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径を2.00以下とすることで耐炎化および炭素化して得られる炭素繊維の単繊維同士の隙間が過剰になることを防ぎ、炭素繊維束に樹脂を均一に含浸させやすくなる。炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径とは、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を構成する個々の単繊維の繊維軸方向に垂直な断面1に対して外接する矩形のうち面積が最小の矩形2の、長辺の長さXと短辺の長さYとの比(X/Y)の平均値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる(図1参照)。
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維は、単繊維の凹み距離/短径が0.011以上0.023以下であることが好ましい。
本発明では、単繊維の凹み距離/短径を0.011以上とすることで、該炭素繊維前駆体アクリル繊維から得られる炭素繊維の単繊維同士の隙間を十分確保する事が可能となり、炭素繊維束に樹脂を含浸させやすくなる。また、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の凹み距離/短径を0.023以下とすることで該炭素繊維前駆体アクリル繊維から得られる炭素繊維の単繊維同士の隙間が過剰になることを防ぎ、炭素繊維束に樹脂を均一に含浸させやすくなる。
CFRP製タンク高強度化の観点から、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の凹み距離/短径は0.012以上0.020以下であることがより好ましい。
炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の凹み/短径とは、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を構成する個々の単繊維の繊維軸方向に垂直な断面1に対して外接する矩形のうち面積が最小の矩形の短辺の長さY(図1参照)と、同じ断面1について次の通り定義する凹み距離Zとの逆比(Z/Y)の平均値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定することができる。
凹み距離は、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を構成する個々の単繊維の繊維軸方向に垂直な断面1に対して2点で接する直線3と繊維の断面1とで囲まれる空間(凹み)の面積が最も大きくなる凹みの深さであり、凹みを囲む断面1の周上の点のうち直線3から最も離れた点4と直線3との距離Zとして定義される(図2参照)。
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維は、溶剤にアクリロニトリル系重合体が溶解したアクリロニトリル系重合体溶液を紡糸して得られる。
本発明で用いられるアクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルを主な単量体とし、これを重合して得られる重合体である。アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルのみから得られるホモポリマーであっても、主成分であるアクリロニトリルに加えて他の単量体が共重合したコポリマーであってもよい。
アクリロニトリル系重合体中のアクリロニトリル単位の含有量は、得られる炭素繊維束に求める品質等を勘案して決定でき、例えば、90質量%以上99.5質量%以下であることが好ましく、96質量%以上99.5質量%以下であることがより好ましい。アクリロニトリル単位の含有量が90質量%以上であれば、炭素繊維前駆体アクリル繊維を炭素繊維に転換するための耐炎化および炭素化のそれぞれの工程で、単繊維同士の融着を招くことがなく、炭素繊維束のストランド強度低下を防ぐことができる。さらに、加熱ローラーや加圧水蒸気による延伸等の処理において、単繊維間の接着を回避できる。アクリロニトリル単位の含有量が99.5質量%以下であれば、溶剤への溶解性が低下せず、アクリロニトリル系重合体の析出・凝固を防止できるため、炭素繊維前駆体アクリル繊維を安定して製造できる。
アクリロニトリル系重合体中のアクリロニトリル以外の単量体単位としては、アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体から適宣選択することができ、アクリロニトリル系重合体の親水性を向上させるビニル系単量体、耐炎化反応を促進するビニル系単量体が好ましい。
アクリロニトリル系重合体を合成する方法はどのような重合方法であってもよく、重合方法の相違によって本発明が制約されるものではない。
アクリロニトリル系重合体溶液の溶剤にはジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤、塩化亜鉛、チオシアン酸ナトリウム等の無機化合物の水溶液が挙げられる。中でもジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびジメチルホルムアミドはアクリロニトリル系重合体に対する溶解力が高い点から好ましい。
アクリロニトリル系重合体溶液の重合体濃度は、20質量%以上25質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは21質量%以上24質量%以下である。重合体濃度を20質量%以上とすることで、凝固糸内部のボイドが減少するため、炭素繊維束のストランド強度を高くすることができる。また、重合体濃度を25質量%以下とすることでアクリロニトリル系重合体溶液は適度な粘度と流動性を保つことができるため、炭素繊維前駆体アクリル繊維の製造が容易となる。
炭素繊維前駆体アクリル繊維を得る紡糸方法としては、例えば、アクリロニトリル系重合体溶液を紡糸口金(以下、ノズルという)より吐出する際に直接凝固液中に紡出して凝固させる湿式紡糸法、空中に紡出して空中で凝固させる乾式紡糸法、一旦空中に紡出した後凝固液中で凝固させる乾湿式紡糸法等がある。
本発明では、有機溶剤の濃度が65質量%以上70質量%以下、温度が33℃以上40℃以下の有機溶剤水溶液を凝固液として、凝固液中にアクリロニトリル系重合体溶液を3000以上、好ましくは12000以上、さらに好ましくは24000以上の吐出孔を有するノズルより吐出して凝固させて凝固糸を得ることが好ましい。1個のノズルが有する吐出孔の数は120000以下が好ましく、60000以下がさらに好ましい。
本発明ではノズル孔の出口の面積は700μm以上、好ましくは1000μm、さらに好ましくは1200μmが好ましい。また、10000μm以下、好ましくは8000μm以下、さらに好ましくは5000μm以下が好ましい。
ノズル孔の出口の形状の長径/短径は1.200以上、好ましくは1.300以上、さらに好ましくは1.400以上が好ましい。また、2.500以下、好ましくは2.200以下、さらに好ましくは2.100以下が好ましい。
ノズル孔の出口の形状の長径/短径とは、ノズル孔の出口の形状に対して外接する矩形のうち面積が最小の矩形の、長辺の長さと短辺の長さとの比である。
ノズル孔の出口は楕円形であることが好ましい。本発明にいう楕円形は幾何学的に定義される楕円に限らない。角を丸めた長方形と角を丸めた半円を含む。
凝固液である有機溶剤水溶液の有機溶剤の濃度(凝固液濃度ともいう)を65質量%以上とすることで、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaが大きくなりすぎることを防ぐことが可能となる。また、凝固液中の有機溶剤水溶液の濃度を70質量%以下とすることで、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaが小さくなりすぎることを防ぐことが可能になる。炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径および炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaを制御するため、凝固液である有機溶剤水溶液の有機溶剤の濃度を66質量%以上68質量%以下とすることがより好ましい。
凝固液である有機溶剤水溶液の温度を33℃以上とすることで、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaが大きくなりすぎることを防ぐことが可能になる。また、凝固液の有機溶剤水溶液の温度を40℃以下とすることで、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaが小さくなりすぎることを防ぐことが可能になる。炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaを制御するため、凝固液である有機溶剤水溶液の温度を36℃以上40℃以下とすることが好ましく、36℃以上39℃以下とすることがより好ましい。
本発明では、凝固糸を凝固液より引き取る際の凝固糸にかかる張力(引取張力という)を55mgf/フィラメント以上75mgf/フィラメント以下とすることが好ましい。引取張力の測定方法は実施例記載の測定方法の通りである。
凝固糸を凝固液より引き取る際の引取張力を55mgf/フィラメント以上とすることで、凝固液内にて凝固糸がばらけてしまい、引取不良になることを防止できる。加えて得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaが小さくなりすぎることを防ぐことが可能になる。
また、凝固糸を凝固液より引き取る際の引取張力を75mgf/フィラメント以下とすることで、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaが大きくなりすぎることを防ぐことが可能になる。
炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaの制御および炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造安定性の面から、凝固糸を凝固液より引き取る際の引取張力を57fmg/フィラメント以上71mgf/フィラメント以下とすることがより好ましい。
引き取られた凝固糸は、凝固液を含んだ状態のまま、空中にて延伸を実施してもよい。空中での延伸倍率は、1.00倍以上1.15倍以下とすることが好ましい。延伸倍率を1.15倍以下とすることで、過剰な延伸を抑制できる。炭素繊維束のストランド強度を高くし、CFRP製タンクの性能をより高くするという観点から、延伸倍率を1.00倍以上1.05倍以下とすることがより好ましい。
本発明では凝固糸を空中で延伸した後に続いて洗浄・延伸する。洗浄方法は脱溶剤出来ればいかなる方法でもよい。たとえば、50℃以上100℃未満の範囲の温度に設定された多段洗浄・延伸槽にて、洗浄・延伸を行う。ここで、洗浄・延伸槽の段数は特に制限はないが、3段以上10段以下程度が適当である。4段以上7段以下が好ましい。延伸倍率は、2.4倍以上2.8倍以下とすることが好ましい。
延伸倍率を2.4倍以上とすることで十分な分子配向性を持った炭素繊維前駆体アクリル繊維を製造することが可能となり、結果的に炭素繊維束のストランド強度を高くすることが可能となる。加えて、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaが小さくなりすぎることを防ぐことが可能になる。また、延伸倍率を2.8倍以下とすることで、延伸過剰によるフィブリル構造の破壊と炭素繊維前駆体アクリル繊維の欠陥点形成を防ぐことが可能となり、結果的に炭素繊維束のストランド強度を高くすることが可能となる。加えて、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaが大きくなりすぎることを防ぐことが可能になる。炭素繊維束のストランド強度を高くし、CFRP製タンクの性能をより高くするという観点から、延伸倍率を2.4倍以上2.7倍以下がより好ましく、2.5倍以上2.7倍以下とすることがさらに好ましい。
洗浄・延伸して得られた糸を95℃以上100℃未満の熱水中にて0.97倍以上1.1倍以下に緩和または延伸して延伸糸を得ることが好ましい。0.97倍以上とすることで繊維束のばらけによる引取不良を防止でき、前工程での延伸の歪みを緩和させることが可能となる。また、1.1倍以下とすることで、過剰な延伸を抑制でき、フィブリル構造の破壊と炭素繊維前駆体アクリル繊維の欠陥点形成を防ぐことが可能となる。炭素繊維の高強度化及び炭素繊維前駆体アクリル繊維の製造安定性の面から、熱水中の延伸倍率は、0.97倍以上1.05倍以下とすることがより好ましい。
凝固糸を引き取ってから熱水中で延伸して延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.4倍以上2.9倍以下とすることが好ましい。2.4倍以上とすることで十分な配向を持った炭素繊維前駆体アクリル繊維を製造することが可能となり、結果的に炭素繊維束のストランド強度を高くすることが可能となる。加えて、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaが小さくなりすぎることを防ぐことが可能になる。また、延伸倍率を2.9倍以下とすることで、延伸過剰によるフィブリル構造の破壊と炭素繊維前駆体アクリル繊維の欠陥点形成を防ぐことが可能となる。加えて、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaが大きくなりすぎることを防ぐことが可能になる。炭素繊維束のストランド強度を高くし、CFRP製タンクの性能をより高くするという観点から、凝固糸を引き取ってから95℃以上100℃未満の水中で延伸して延伸糸を得るまでの合計延伸倍率を2.4倍以上2.7倍以下とすることがより好ましく、2.5倍以上2.7倍以下とすることがさらに好ましい。
95℃以上100℃未満の水中にて延伸して得た延伸糸には油剤組成物を付与することが好ましい。油剤組成物は、炭素繊維前駆体アクリル繊維に求める機能等を勘案して決定でき、例えば、シリコーン系油剤組成物が好ましく、必要に応じて、さらに酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤、防腐剤、抗菌剤、浸透剤等の添加物を配合することができる。油剤組成物を延伸糸に付与する方法としては、ローラー法、ガイド法、スプレー法、ディップ法等、公知の方法を用いることができる。油剤組成物が付着した延伸糸は、続いて乾燥工程にて乾燥し、乾燥繊維となる。この乾燥繊維を炭素繊維前駆体アクリル繊維として用いることもできる。
乾燥工程は、従来公知の方法で延伸糸を乾燥でき、例えば、加熱ローラーによる乾燥が好ましい乾燥方法として挙げられる。なお、加熱ローラーの数は1個であっても2個以上であってもよい。
乾燥繊維を加圧水蒸気雰囲気中にて延伸して炭素繊維前駆体アクリル繊維とすることもできる。このとき、加圧水蒸気雰囲気の温度は130℃以上160℃以下とすることが好ましい。また、加圧水蒸気雰囲気中での延伸倍率は3.0倍以上4.5倍以下とすることが好ましい。
加圧水蒸気雰囲気の温度を130℃以上とすることで、乾燥繊維の可塑化が十分となり、延伸倍率を高くしても破断せず、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維に含まれる毛羽の量を低減させることが可能となり、結果的に耐炎化および炭素化して得られる炭素繊維の品位が安定化する。また、加圧水蒸気雰囲気の温度を160℃以下とすることで、加圧水蒸気雰囲気中での延伸中にて、酸化反応や分解反応を抑制することができるため、結果的に得られる炭素繊維束のストランド強度低下を防ぐことが可能となる。
加圧水蒸気雰囲気中での延伸倍率を3.0倍以上とすることで、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維の分子配向性が向上され、得られる炭素繊維束のストランド強度は向上する。また、加圧水蒸気雰囲気中での延伸倍率を4.5倍以下とすることで、過剰な延伸を抑制することができ、フィブリル構造の破壊と炭素繊維前駆体アクル繊維の欠陥点形成を防ぐことが可能となる。
炭素繊維束のストランド高強度化と延伸安定性向上の観点から、加圧水蒸気雰囲気中での延伸倍率は3.3倍以上4.3倍以下とすることがより好ましい。
凝固糸を引き取ってから加圧水蒸気雰囲気中で延伸した後までの合計延伸倍率は9.0倍以上12倍以下とすることが好ましい。9.0倍以上とすることで延伸不足による、炭素繊維前駆体アクリル繊維の分子配向性の不足を防ぐことが可能となり、結果的に炭素繊維束のストランド強度を高くすることが可能となる。また、合計延伸倍率を12倍以下とすることで、延伸過剰によるフィブリル構造の破壊と炭素繊維前駆体アクリル繊維の欠陥点形成を防ぐことが可能となり、結果的に炭素繊維束のストランド強度を高くすることが可能となる。炭素繊維束のストランド強度を高くするという観点から、合計延伸倍率を9倍以上11倍以下とすることがより好ましい。
乾燥繊維を延伸する雰囲気とする加圧水蒸気は加圧飽和水蒸気であることが好ましい。
乾燥後または加圧水蒸気雰囲気中にて延伸して得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維は、室温のロールに接触させる等の方法により、常温の状態まで冷却する。冷却した炭素繊維前駆体アクリル繊維は、ワインダーでボビンに巻き取られ、或いはケンスに振込まれて収納され、炭素繊維の製造に供される。
以上より、本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維は、下記1)~3)の工程を含み、且つ下記4)及び5)の条件を満たす炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法により好ましく製造することができる。
1)凝固液濃度が65質量%以上70質量%以下であり、凝固液温度が33℃以上40℃以下である凝固液中に、アクリロニトリル系重合体溶液を、孔の出口の形状の長径/短径が1.200以上2.500以下である紡糸口金から吐出し凝固させて、凝固糸を得ると同時に、凝固糸にかかる張力を55mgf/フィラメント以上75mgf/フィラメント以下に制御しながら引き取る工程。
2)前記1)工程にて引き取った凝固糸を空中にて1.00倍以上1.15倍以下の延伸処理を施した後、50℃以上の水を用いた、3段以上10段以下からなる洗浄・延伸槽にて2.4倍以上2.8倍以下の倍率範囲で延伸・洗浄を行い、さらに95℃以上の水を用いた熱水槽にて0.97倍以上1.1倍以下の緩和又は延伸を行って延伸糸を得る工程。
3)前記2)工程で延伸した後の延伸糸に油剤を付与して乾燥した後、130℃以上160℃以下の加圧水蒸気雰囲気下で3.0倍以上4.5倍以下に延伸する工程。
4)前記1)工程の凝固糸を凝固液より引き取ってから前記2)工程の延伸糸を得るまでの凝固糸の合計延伸倍率は2.4倍以上2.9倍以下である。
5)前記1)工程の凝固糸を引き取ってから前記3)工程の加圧水蒸気雰囲気下での延伸後までの合計延伸倍率は9.0倍以上12倍以下である。
本発明の炭素繊維は前述の炭素繊維前駆体アクリル繊維から構成される炭素繊維前駆体アクリル繊維束を耐炎化および炭素化して得られる。
本発明の炭素繊維は、単繊維表面の中心線平均粗さRaが6.0nm以上7.0nm以下である。本発明では、炭素繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaを6.0nm以上とすることで、得られる炭素繊維の単繊維からなる炭素繊維束が過剰に集束することを抑制でき、炭素繊維束に樹脂を含浸させやすくなる。また、炭素繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaを7.0nm以下とすることで、炭素繊維の単繊維からなる炭素繊維束の集束性が不足することを防止でき、炭素繊維束に樹脂を均一に含浸させやすくなる。
なお、炭素繊維の単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の炭素繊維は、炭素繊維の単繊維の長径/短径が1.245より大きく、2.00以下である。本発明では、単繊維表面の中心線平均粗さRaが6.0nm以上7.0nm以下の炭素繊維においては、単繊維の長径/短径を1.245より大きくすることで炭素繊維の単繊維同士の隙間を十分確保する事が可能となり、炭素繊維束に樹脂を含浸させやすくなる。また、炭素繊維の単繊維の長径/短径を2.00以下とすることで炭素繊維同士の隙間が過剰になることを防ぎ、炭素繊維束に樹脂を均一に含浸させやすくなる。なお、炭素繊維の単繊維の長径/短径は、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の長径/短径と同様に定義され同様の方法で測定することができる。
本発明の炭素繊維は、単繊維の凹み距離/短径が0.011以上0.023以下であることが好ましい。
本発明では、炭素繊維の単繊維の凹み距離/短径を0.011以上とすることで、炭素繊維の単繊維同士の隙間を十分確保することが可能となり、炭素繊維束に樹脂を含浸させやすくなる。また、炭素繊維の単繊維の凹み距離/短径を0.023以下とすることで炭素繊維の単繊維同士の隙間が過剰になることを防ぎ、炭素繊維束に樹脂を均一に含浸させやすくなる。CFRP製タンク高強度化の観点から、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の凹み距離/短径は0.012以上0.020以下であることがより好ましい。
なお、炭素繊維の単繊維の凹み距離/短径は、炭素繊維前駆体アクリル繊維の単繊維の凹み距離/短径と同様に定義され同様の方法で測定することができる。
炭素繊維は炭素繊維前駆体アクリル繊維を耐炎化および炭素化して得ることができる。耐炎化および炭素化のそれぞれの条件は特に限定されないが、繊維内部にボイド等の構造的欠陥が発生しにくい条件を設定するのが好ましい。耐炎化は、炭素繊維前駆体アクリル繊維を酸化性雰囲気中で緊張あるいは延伸条件下で加熱し、耐炎化繊維とするものである。耐炎化の方法は、例えば、熱風循環方式、多孔表面を有する固定熱板方式、加熱ロール方式等が挙げられる。耐炎化の加熱温度は、例えば200℃以上300℃以下が好ましい。耐炎化では、耐炎化繊維の密度が1.3g/cm以上1.5g/cm以下になるまで処理することが好ましい。
炭素化は、耐炎化で得られた耐炎化繊維を不活性ガス雰囲気下で加熱することにより、炭素繊維を得るものである。炭素化は、前炭素化と高温炭素化とからなることが好ましい。前炭素化は、最高温度550℃以上800℃以下の不活性ガス雰囲気中にて、緊張下で耐炎化繊維を加熱し前炭素化繊維とする。この前炭素化により、炭素繊維の機械的特性を向上させることができる。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等、公知の不活性ガスを採用できるが、経済性の面から窒素が望ましい。
高温炭素化は、前炭素化繊維を1200℃以上3000℃以下の不活性ガス雰囲気中に通し、前炭素化繊維を加熱し炭素繊維とする。この高温炭素化により、炭素繊維の機械的特性を向上させることができる。用いることができる不活性ガスは、前炭素化操作に採用できる不活性ガスと同様である。
以上より、本発明の炭素繊維は、下記6)~8)工程を含む方法により好ましく製造することができる。
6)本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維から構成される炭素繊維前駆体アクリル繊維束に対し、酸化性雰囲気中で200℃以上300℃以下に加熱し耐炎化繊維束とする耐炎化工程。
7)前記耐炎化繊維束を非酸化性雰囲気中、550℃以上800℃以下で加熱し前炭素化繊維束とする前炭素化工程。
8)前記前炭素化繊維束を非酸化性雰囲気中、1200℃以上3000℃以下で加熱し炭素繊維束とする高温炭素化工程。
得られた炭素繊維は、表面処理することが好ましい。表面処理方法としては、公知の方法、即ち、電解酸化、薬剤酸化及び空気酸化などによる酸化処理が挙げられ、いずれでも良い。電解酸化処理の後には、炭素繊維表面の電解質ならびに、電解酸化処理によって付着した不純物を除去するための洗浄処理を行い、引き続き炭素繊維束を乾燥させる。乾燥方法は、ロール乾燥、熱風乾燥および輻射熱乾燥など公知のいずれの技術も採用できる。
次に、炭素繊維はサイジング処理をすることが好ましい。サイジング処理はサイジング剤を有機溶剤に溶解させたものや、乳化剤などで水に分散させたエマルション液であるサイジング液を、炭素繊維に付与し、これを乾燥することによって行うことができる。なお、炭素繊維へのサイジング剤の付着量の調節は、サイジング液のサイジング剤濃度の調整や絞り量によるサイジング液の付着量の調整によって行なうことができる。炭素繊維へサイジング液の付着させる方法は、走行する炭素繊維束を等間隔に並列に配置しシート状にしてサイジング液に浸漬させる方法を用いることが生産性の観点から好ましい。
このようにして得られた炭素繊維は、ストランド強度が高いだけではなく、これを用いて製造されたCFRP製タンクの強度も高いものとなる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[凝固糸引取張力]
ノズルから吐出、形成された凝固糸が、凝固液から出てから最初のガイドにかかる力から凝固糸束を引き取る張力を測定し、フィラメント1本あたりに換算して凝固糸引取張力を算出した。
[単繊維の長径/短径]
内径1mmの塩化ビニル樹脂製のチューブ内に測定用の繊維束を通した後、これをナイフで輪切りにして試料を準備する。ついで、この試料を繊維断面が上を向くようにしてSEM試料台に接着し、さらに金を約10nmの厚さにスパッタリングしてから、電子顕微鏡(フィリップス社製、製品名:XL20走査型)により、加速電圧7.00kV、作動距離31mmの条件で繊維断面を観察する。観察した単繊維断面のうち、ランダムに100本選び、それぞれに対して外接する最も面積の小さな矩形を求めその長辺の長さと短辺の長さの比を求め、その100本分の平均値を繊維束の単繊維の長径/短径とした。
[単繊維表面の中心線平均粗さRa]
測定用の繊維束の両端を、走査型プローブ顕微鏡装置付属のSPA400用金属製試料台(20mm径)「エポリードサービス社製、品番:K-Y10200167」上にカーボンペーストで固定し、以下条件で測定する。
〔走査型プローブ顕微鏡測定条件〕
装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPI4000プローブステーション、SPA400(ユニット)
走査モード:ダイナミックフォースモード(DFM)(形状像測定)
探針:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製 SI-DF-20
走査範囲:2μm×2μm
Rotation:90°
走査速度:1.0Hz、
ピクセル数:512×512
測定環境:室温、大気中
単繊維1本に対して、上記条件にて1画像を得て、得られた画像を走査型プローブ顕微鏡付属の画像解析ソフト(SPIWin)を用い、以下条件にて画像解析を実施した。
〔画像解析条件〕
得られた形状像に、〔フラット処理〕、〔メディアン8処理〕、〔三次傾き補正〕を行い、曲面を平面にフィッティング補正した画像を得る。平面補正した画像の表面粗さ解析より、中心線平均粗さRaを求める。
〔フラット処理〕
リフト、振動、スキャナのクリープ等によってイメージデータに現れたZ軸方向の歪み、うねりを除去する処理であり、走査型プローブ顕微鏡測定上の装置因によるデータのひずみを除去する処理である。
〔メディアン8処理〕
得られた形状像のZ軸データを3×3の範囲で全てメディアンフィルタで処理する。
〔三次傾き補正〕
処理対象イメージの全データから最小二乗近似によって3次曲面を求めてフィッティングする。
繊維束の単繊維表面の中心線平均粗さRaの測定では1つの繊維束につき、単繊維を10本ランダムに採取し、それぞれについて走査型プローブ顕微鏡にて画像を得て解析し、繊維表面の中心線平均粗さRaを測定する。得られたRaの10本分の平均値を、測定用の繊維束の単繊維表面の中心線平均粗さRaとした。
[単繊維の凹み距離/短径]
単繊維の長径/短径の測定と同様にして、ランダムに選んだ100本の単繊維の断面の、それぞれに対して外接する最も面積の小さな矩形を求め、その短辺の長さを測定した。さらに同じ断面に対して凹み距離(図2参照)を測定した。こうして測定した凹み距離と短辺の長さの比を算出し、算出した比の100本分の平均値を繊維束の単繊維の凹み距離/短径とした。それぞれの単繊維について、その断面1に外接する最も面積の小さな矩形2の長辺の一方が、断面1の凹み距離を定めるために求めた直線3と一致することが多い(図3、図4)が、一致しない場合もある(図2)。また、断面1の周が凸な曲線であるために断面1に2点で接する直線を求めることができない場合は凹み距離Zは0であるとして扱った。
[炭素繊維束のストランド強度]
炭素繊維束のストランド強度は、JIS-R-7608に規定されているエポキシ樹脂含浸ストランド法に準じて測定した。なお、測定回数は10回とし、その平均値を評価の対象とした。
実施例1
[アクリロニトリル系重合体溶液の製造]
アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル酸を、水中に投入し、過硫酸アンモニウム-亜硫酸水素アンモニウムおよび硫酸鉄の存在下、水系懸濁重合により共重合し、アクリロニトリル単位/アクリルアミド単位/メタクリル酸単位=97/2/1(質量比)からなるアクリロニトリル系重合体を得た。このアクリロニトリル系重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、21質量%のアクリロニトリル系重合体溶液を製造した。
[炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造]
上記で得たアクリロニトリル系重合体溶液を、濃度67質量%、温度38℃のジメチルアセトアミド水溶液からなる凝固液中に、孔の出口が長径65μm及び短径40μmの楕円形であり、孔数30000の紡糸ノズルより吐出し凝固糸を得ると同時に、凝固糸にかかる張力を70mgf/フィラメントに制御しながら引き取った。
引き取った凝固糸を、空中で1.01倍に延伸し、続いて50℃から98℃の範囲の水を用いた7段の延伸・洗浄槽を通して、2.60倍の延伸と洗浄を同時に行った後、98℃の水を用いた熱水槽中で0.98倍の緩和を実施して延伸糸を得た。得られた延伸糸をアミノ変性シリコーン系油剤分散液中に浸漬し、140℃の加熱ローラーで緻密して乾燥繊維束を得た。このとき使用したアミノ変性シリコーン系油剤分散液は、アミノ変性シリコーン(信越化学工業株式会社製、商品名:KF-865)85質量部に対し、乳化剤(日光ケミカルズ株式会社製、商品名:NIKKOL BL-9EX)を15質量部混合したものをゴーリンミキサー(エスエムテー株式会社製、商品名:圧力式ホモジナイザーゴーリンタイプ)で乳化した後、水を加えて製造したものである。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.57倍であった。次いで、得られた乾燥繊維束を約150℃の加圧飽和蒸気雰囲気下にて3.60倍に延伸し、単繊維繊度1.0dtexの炭素繊維前駆体アクリル繊維束を製造した。凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は9.26倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
[炭素繊維束の製造]
得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束を耐炎化炉に導入し、220~280℃に加熱された空気を炭素繊維前駆体アクリル繊維束に吹き付けることによって、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を耐炎化して密度1.35g/cmの耐炎繊維束を得た。伸張率は-4.0%とし、耐炎化処理時間は70分とした。
次に耐炎化繊維束を窒素中300~700℃の温度勾配を有する第一炭素化炉を4.0%の伸長を加えながら通過させた。第一炭素化炉での温度勾配は直線的になるように設定し、処理時間は1.3分とした。更に窒素雰囲気中で1000~1600℃の温度勾配を設定した第二炭素化炉を-4.5%の伸長を加えながら通過させ、炭素繊維束を得た。第二炭素化炉での処理時間は1.3分とした。
引き続いて、重炭酸アンモニウム10質量%水溶液中を走行せしめ炭素繊維束を陽極として、被処理炭素繊維1g当たり30クーロンの電気量となる様に対極との間で通電処理を行い、50℃の熱水で洗浄した後乾燥した。
次に、ハイドランN320(DIC社製)の水分散液を付与して乾燥して、サイジング剤を0.8質量%付着させ、ボビンに巻きとった。
得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
実施例2
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、凝固液であるジメチルアセトアミド水溶液の濃度を66質量%とした以外は実施例1と同様に実施した。
凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.57倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は9.26倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
実施例3
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、凝固糸にかかる張力を65mgf/フィラメントとし、延伸・洗浄槽にて延伸倍率を2.50倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を4.20倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.47倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は10.4倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
実施例4
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、凝固液であるジメチルアセトアミド水溶液の濃度を65質量%とし、凝固糸にかかる張力を73mgf/フィラメントとし、延伸・洗浄槽にて延伸倍率を2.50倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を4.20倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.47倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は10.4倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
比較例1
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、実施例1で用いたアクリロニトリル系重合体溶液を、濃度60質量%、温度35℃のジメチルアセトアミド水溶液からなる凝固液中に、孔の出口が孔径45μmの円形であり、孔数30000の紡糸ノズルより吐出し凝固糸を得ると同時に、凝固糸にかかる張力を60mgf/フィラメントに制御しながら引き取った。得られた凝固糸は、空中での延伸を実施せず、ふたたび濃度を60質量%、温度を35℃のジメチルアセトアミド水溶液中にて2.00倍で延伸した。それ以降は、延伸・洗浄槽にて延伸倍率を4.00倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を2.00倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は7.84倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は15.7倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径は実施例1と比較して減少し、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して増加した。また、炭素繊維束のストランド強度も5000MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例2
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、実施例1で用いたアクリロニトリル系重合体溶液を、濃度65質量%、温度30℃のジメチルアセトアミド水溶液からなる凝固液中に、孔の出口が孔径75μmの円形であり、孔数30000の紡糸ノズルより吐出し凝固糸を得ると同時に、凝固糸にかかる張力を60mgf/フィラメントに制御しながら引き取った。得られた凝固糸は、空中での延伸を実施せず、ふたたび濃度を65質量%、温度を30℃のジメチルアセトアミド水溶液中にて2.00倍で延伸した。それ以降は、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、延伸・洗浄槽での延伸倍率を4.00倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を2.00倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は7.84倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は15.7倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径は実施例1と比較して減少し、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して増加した。また、炭素繊維束のストランド強度も4400MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例3
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、実施例1で用いたアクリロニトリル系重合体溶液を、濃度60質量%、温度30℃のジメチルアセトアミド水溶液からなる凝固液中に、孔の出口が孔径75μmの円形であり、孔数30000の紡糸ノズルより吐出し凝固糸を得ると同時に、凝固糸にかかる張力を95mgf/フィラメントに制御しながら引き取った。得られた凝固糸は、空中での延伸を実施せず、ふたたび濃度を60質量%、温度を30℃のジメチルアセトアミド水溶液中にて1.20倍で延伸した。それ以降は、延伸・洗浄の段数を5段とし、延伸・洗浄槽での延伸倍率を4.00倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を2.00倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は4.70倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は9.41倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して減少した。また、炭素繊維束のストランド強度も4400MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例4
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、凝固糸にかかる張力を74mgf/フィラメントとし、空中での延伸倍率を1.05倍とし、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、延伸・洗浄槽での延伸倍率を3.00倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を3.50倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は3.09倍、、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率を10.8倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して減少した。また、炭素繊維束のストランド強度も5500MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例5
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、空中での延伸倍率を1.20倍とし、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、延伸・洗浄槽での延伸倍率を4.00倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を2.60倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は4.70倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は12.2倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径および単繊維の凹み距離/短径は実施例1と比較して低下し、単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して増加した。また、炭素繊維束のストランド強度も5350MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例6
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、凝固液であるジメチルアセトアミド水溶液の濃度を65質量%とし、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、凝固糸にかかる張力を68mgf/フィラメントに制御し、空中での延伸を実施せず、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、延伸・洗浄槽での延伸倍率を3.40倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を2.00倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は3.33倍、、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は6.66倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径および単繊維の凹み距離/短径は実施例1と比較して低下し、単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して増加した。また、炭素繊維束のストランド強度は4600MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例7
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、凝固糸にかかる張力を45mgf/フィラメントに制御し、空中での延伸倍率を1.30倍とし、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、延伸・洗浄槽での延伸倍率を2.00倍とし、温水槽での延伸倍率を1.00とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を5.00倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.60倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率を13.0倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して低下した。また単繊維の凹みは認められなかった(単繊維の凹み距離/短径=0.000)。また、炭素繊維束のストランド強度は5400MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例8
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、凝固液中のジメチルアセトアミド水溶液の濃度を75%とし、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を3.50倍とし、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率を9.01倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.57倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は9.01倍であった。結果、凝固液より引き取った凝固糸の単繊維同士が接着し、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を得ることが出来なかった。なお、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件は表1に記載のとおりである。
比較例9
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、凝固液であるジメチルアセトアミド水溶液の温度を30℃とし、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、凝固糸にかかる張力を60mgf/フィラメントに制御し、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を4.20倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.57倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は10.8倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径は実施例1と比較して減少し、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して増加した。また、炭素繊維束のストランド強度は5600MPaとなり実施例1と比較して低い値となった。
比較例10
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、凝固液であるジメチルアセトアミド水溶液の温度を30℃とし、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、凝固糸にかかる張力を60mgf/フィラメントに制御し、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、延伸・洗浄槽での延伸倍率を2.50倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を4.20倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.47倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は10.4倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径は実施例1と比較して減少し、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して増加した。また、炭素繊維束のストランド強度は5700MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例11
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、凝固液であるジメチルアセトアミド水溶液の濃度を65質量%とし、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、凝固糸にかかる張力を95mgf/フィラメントに制御し、空中での延伸を実施せず、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、延伸・洗浄槽での延伸倍率を3.40倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を2.00倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は3.33倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は6.66倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径は実施例1と比較して減少し、単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して増加した。また、単繊維の凹み距離/短径は実施例1とほぼ同等であった。また、炭素繊維束のストランド強度は4400MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例12
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、凝固糸にかかる張力を65mgf/フィラメントに制御し、空中での延伸倍率を1.20倍とし、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、延伸・洗浄槽での延伸倍率を3.60倍とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を2.60倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は4.23倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は11.0倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径および単繊維の凹み距離/短径は実施例1と比較して低下し、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1とほぼ同等であったが、炭素繊維束の単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して減少した。また、炭素繊維束のストランド強度は5400MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例13
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、凝固糸にかかる張力を45mgf/フィラメントに制御し、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を4.20倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.57倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は10.8倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径および単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径は実施例1と比較して減少し、単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して減少した。また、単繊維の凹み距離/短径は、実施例1とほぼ同等であった。また炭素繊維束のストランド強度は5500MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
比較例14
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造において、孔の出口が孔径50μmの円形であるノズルを用い、凝固糸にかかる張力を35mgf/フィラメントに制御し、延伸・洗浄槽の段数を5段とし、加圧飽和水蒸気雰囲気下での延伸倍率を3.50倍とした以外は実施例1と同様に実施した。凝固糸を引き取ってから熱水槽による処理後の延伸糸を得るまでの合計延伸倍率は2.57倍、凝固糸を引き取ってから加圧飽和水蒸気雰囲気下で延伸した後までの合計延伸倍率は9.01倍であった。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束の紡糸条件を表1にまとめた。また得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRa)、ならびに得られた炭素繊維束の物性(単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、単繊維表面の中心線平均粗さRaおよびストランド強度)を上記の方法に従って測定した。測定結果を表2に示す。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束の単繊維の長径/短径、単繊維の凹み距離/短径、および単繊維表面の中心線平均粗さRaは実施例1と比較して減少した。また、炭素繊維束のストランド強度は5700MPaとなり、実施例1と比較して低い値となった。
Figure 0007155577000001
Figure 0007155577000002
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維は、単繊維の断面形状が特徴的な長径/短径を有しており、同様な長径/短径を有する断面形状を有する炭素繊維を得ることが出来る。この炭素繊維からなる炭素繊維束は樹脂組成物の含浸が優れているので、高い強度のCFRP製タンクを得るために有用である。
1:単繊維の断面
2:面積最小の外接矩形
3:単繊維断面と2点で接する直線
4.直線3から最も離れた領域の周上の点
X:長径
Y:短径
Z:凹み距離

Claims (4)

  1. 単繊維表面の中心線平均粗さRaが6.0nm以上7.0nm以下であり、単繊維の長径/短径が1.245より大きく、2.00以下であり、単繊維の凹み距離/短径が0.011以上0.023以下である炭素繊維。
  2. 単繊維表面の中心線平均粗さRaが18nm以上22nm以下であり、単繊維の長径/短径が1.245より大きく、2.00以下であり、単繊維の凹み距離/短径が0.011以上0.023以下である炭素繊維前駆体アクリル繊維。
  3. 下記1)~3)の工程を含み、且つ下記4)及び5)の条件を満たす炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法:
    1)凝固液濃度が65質量%以上70質量%以下であり、凝固液温度が33℃以上40℃以下である凝固液中に、アクリロニトリル系重合体溶液を、孔の出口の形状の長径/短径が1.200以上2.500以下である紡糸口金から吐出し凝固させて、凝固糸を得ると同時に、凝固糸にかかる張力を55mgf/フィラメント以上75mgf/フィラメント以下に制御しながら引き取る工程、
    2)前記1)工程にて引き取った凝固糸を空中にて1.00倍以上1.15倍以下の延伸処理を施した後、50℃以上の水を用いた、3段以上10段以下からなる洗浄・延伸槽にて2.4倍以上2.8倍以下の倍率範囲で延伸・洗浄を行い、さらに95℃以上の水を用いた熱水槽にて0.97倍以上1.1倍以下の緩和又は延伸を行って延伸糸を得る工程、
    3)前記2)工程で延伸した後の延伸糸に油剤を付与して乾燥した後、130℃以上160℃以下の加圧水蒸気雰囲気下で3.0倍以上4.5倍以下に延伸する工程、
    4)前記1)工程の凝固糸を凝固液より引き取ってから前記2)工程の延伸糸を得るまでの凝固糸の合計延伸倍率は2.4倍以上2.9倍以下である、
    5)前記1)工程の凝固糸を引き取ってから前記3)工程の加圧水蒸気雰囲気下での延伸後までの合計延伸倍率は9.0倍以上12倍以下である。
  4. 下記6)~8)工程を含む炭素繊維束の製造方法:
    6)請求項2に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維から構成される炭素繊維前駆体アクリル繊維束に対し、酸化性雰囲気中で200℃以上300℃以下に加熱し耐炎化繊維束とする耐炎化工程、
    7)前記耐炎化繊維束を非酸化性雰囲気中、550℃以上800℃以下で加熱し前炭素化繊維束とする前炭素化工程、
    8)前記前炭素化繊維束を非酸化性雰囲気中、1200℃以上3000℃以下で加熱し炭素繊維束とする高温炭素化工程。
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