JP4721827B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品が搭載される配線基板に関し、特に電子部品の電極に対して電気的に接続される配線層を備える配線基板に関する。
電子部品(例えば、半導体素子)を搭載するための配線基板としては、絶縁基体および配線導体を含んでなるものが知られている。このような構成の配線基板は、例えば特許文献1に開示されている。
図3は、従来の配線基板90の構造を模式的に表す断面図である。配線基板90は、絶縁基体91および配線導体92を備える。絶縁基体91は、酸化アルミニウム質焼結体などのセラミック材料により構成され、図示しない電子部品を搭載するための搭載部91aを有する。配線導体92は、パッド部92a,92bを有しており、絶縁基体91の上面側と下面側との間の電気的導通を得るための部材である。パッド部92aは、絶縁基体91の上面で露出しており、例えばボンディングワイヤを介して電子部品の電極に電気的接続される部位である。パッド部92bは、絶縁基体91の下面で露出しており、例えばはんだを介して図示しない外部電気回路に電気的接続される部位である。パッド部92a,92bの表面には、下地めっき層93および表面めっき層94が順次被着されている。下地めっき層93は、パッド部92a,92bに対する表面めっき層94の密着性を向上させるためのものであり、パッド部92a,92bと表面めっき層94との双方に対する密着性に優れた材料により構成される。表面めっき層94は、パッド部92aと電子部品の電極との接続およびパッド部92bと外部電気回路基板の電気回路との接続におけるはんだ濡れ性やボンディング性を高めるとともに、パッド部92a,92bの酸化腐食を抑制するためのものであり、標準電極電位が比較的高い金属からなる。
ここで、配線基板90の製造方法の一例について説明する。まず、周知のセラミックグリーンシート積層法の手法を採用して、配線導体92が形成された絶縁基体91を作製する。次に、配線導体92におけるパッド部92a,92bの露出表面に、下地めっき層93および表面めっき層94を順次被着させることにより作製されている。なお、各めっき層93,94は、例えばニッケルや金などの電解めっき液中で、配線導体92に対して所定のめっき用電流を供給する、電解めっき法などにより形成される。電流で還元されためっき液中の金属成分が配線層の表面に析出してめっき層となり、配線層や下地めっき層上に被着される。
特開2001−257451号公報
しかしながら、配線基板90では、配線基板90の搭載部90aに電子部品を搭載する際に、配線基板90の取扱いなどに起因する汚れ(はんだ濡れ性などを低下させる要因となる物質)を除去することを目的として、例えば水成分を含む洗浄剤による洗浄が行われると、下地めっき層93が洗浄剤中の水成分に対して溶出(イオン化)してしまう場合がある。このような下地めっき層93を構成する成分の溶出は、パッド部92a,92bの外縁部において発生し易い傾向にある。これは、パッド部92a,92bの外縁部において各めっき層93,94のつきまわりが悪いため、表面めっき層94にピンホールなどの欠陥が生じ易くなったり、絶縁基体91の表面に隣接するパッド部92a,92bの外縁部において下地めっき層93が局部的に露出したりすることにより、表面めっき層94による被覆の効果が充分に得られないことに起因して生じる。このように、表面めっき層94による被覆効果が充分に得られないと、洗浄剤中の水成分が直接的に下地めっき層93に到達して、下地めっき層93の構成成分を酸化腐食し、イオン化してしまう。そして、イオン化された下地めっき層93の構成成分は、表面めっき層94の外縁部から溶出するのである。加えて、溶出したイオンは溶解度が低いため、一般的には水酸化物を形成して沈殿してしまう。すなわち、配線基板90では、標準電極電位の高い表面めっき層94上に、下地めっき層93の構成成分が析出する現象が起こってしまう。このような析出が起こると、はんだ濡れ性などが低下してしまい、配線導体92に対する電子部品の電気的および機械的な接続の長期信頼性の低下や、電子部品の搭載時における歩留まりの低下を招くという問題が発生していた。
特に、近年は、電子部品の高密度実装化が進行しているため、配線導体92のパッド部92aと電子部品の電極との接合面積が小さくなる傾向にあり、わずかな析出(汚染)でも接合強度が大きく低下し、電子部品の接続信頼性が低下してしまう。加えて、コスト削減の要請から、表面めっき層94の厚さ自体も薄く設定される傾向にあり、下地めっき層93の溶出が起こり易くなっている。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、配線導体に対する電子部品の電気的および機械的な接続の長期信頼性に優れる配線基板を提供することを、目的とする。
本発明に係る配線基板の製造方法は、配線層を有する絶縁基体を準備する工程と、前記配線層上に、ニッケルまたはニッケル合金からなる第1めっき層を被着する工程と、前記第1めっき層上に、前記第1めっき層の前記ニッケルまたはニッケル合金よりも標準電極電位の高い金属材料からなる第2めっき層を被着する工程と、前記第1めっき層の前記ニッケルまたはニッケル合金の腐食速度を低減するための腐食抑制剤としてのチオ尿素を含む洗浄用溶液に、前記第1めっき層および前記第2めっき層が順次被着された前記絶縁基体を浸漬して、少なくとも前記第2めっき層の外縁部の前記第1めっき層のニッケル成分に前記チオ尿素を吸着させて、前記チオ尿素を含む腐食抑制層を被着する工程と、を備えることを特徴としている。
本発明に係る配線基板の製造方法は、前記腐食抑制層、前記第2めっき層の前記外縁部から該外縁部に隣接する前記絶縁基体の表面にわたって被着ことを特徴としている
本発明に係る配線基板の製造方法は、少なくとも第2めっき層の外縁部の前記第1めっき層のニッケル成分に前記チオ尿素を吸着させて、チオ尿素を含む腐食抑制層を被着する工程を備えている。そのため、本配線基板の製造方法では、第2めっき層の外縁部近傍(第2めっき層の厚さが相対的に薄くなる部位)に対して、例えば洗浄剤などに含まれる水成分が作用したとしても、腐食抑制層の腐食抑制剤により第1めっき層の腐食(構成成分のイオン化)が抑制される。したがって、本配線基板の製造方法では、第2めっき層の外縁部近傍から第1めっき層の構成成分が腐食により溶出するのを抑制することができるので、溶出成分が第2めっき層上に析出するのを抑制することができる。特に、第2めっき層の外縁部近傍は、第1めっき層および第2めっき層のつきまわりが悪く、めっきの欠陥(ピンホールなど)が比較的生じ易い部位であるため、このような部位に対して優先的に腐食抑制層を設けることにより、第1めっき層の構成成分の溶出を効果的に抑制することができるのである。
以上のことから、本配線基板の製造方法では、第1めっき層の構成成分の析出が溶出して、第2めっき層上に析出するのが抑制されるため、はんだ濡れ性などの低下が抑制され、配線層に対する電子部品の電気的および機械的な接続の長期信頼性、並びに、電子部品の搭載時における歩留まりの向上を図ることができるのである。
第2めっき層の外縁部から外縁部に隣接する絶縁基体の表面にわたって腐食抑制層を被着する場合には、第2めっき層の最外縁と絶縁基体の表面との境界部分において、第2めっき層上に第1めっき層の構成成分が析出するのをより効果的に抑制することができる。したがって、本配線基板の製造方法では、配線導体に対する電子部品の電気的および機械的な接続の長期信頼性、並びに、電子部品の搭載時における歩留まりの向上をより一層図ることができる。
第1めっき層の金属材料としてニッケルまたはニッケル合金を採用し、腐食抑制層の腐食抑制剤としてチオ尿素を採用することから、ニッケル成分に対するチオ尿素の吸着性が高いので、チオ尿素が第1めっき層のニッケル成分に吸着することにより、該ニッケル成分の溶出を効果的に抑制することができる。したがって、本配線基板の製造方法では、配線導体に対する電子部品の電気的および機械的な接続の長期信頼性、並びに、電子部品の搭載時における歩留まりの向上を図ることができる。なお、第1めっき層の金属材料として採用されるニッケルまたはニッケル合金は、配線層を構成する材料(例えば、タングステン)と第2めっき層を構成する材料(例えば、金)に対する密着性に優れているため、配線層に対する第2めっき層の被着強度を高めることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る配線基板Xの構造を模式的に表す断面図である。図2は、図1に示す配線基板Xの要部拡大断面図である。配線基板Xは、絶縁基体10、配線層20、下地めっき層30、表面めっき層40、腐食抑制層50を有しており、図示しない電子部品を搭載して電子装置を構成するものである。なお、電子部品としては、光半導体素子(ラインセンサ、エリアセンサ、イメージセンサ、電荷結合素子、EPROM(Erasable and Programmable Read Only Memory)など)、圧電素子(圧力センサ、加速度センサ、水晶振動子など)、半導体集積回路素子(IC)、コンデンサ、抵抗器などが挙げられる電子部品としては、半導体集積回路素子(IC)、エリアセンサ、ラインセンサ、CCDなどの光半導体素子、圧力センサ、加速度センサ、水晶振動子などの圧電素子、コンデンサ、抵抗器などが挙げられる。
絶縁基体10は、搭載部11を有しており、例えば略四角板状である。搭載部11は、上記電子部品を搭載するための部位であり、本実施形態では絶縁基体10の上面10aに設けられている。
絶縁基体10を構成する材料としては、セラミック材料、樹脂材料、セラミック材料やガラスと樹脂材料とを含んでなる複合材料などの電気絶縁性材料などが挙げられる。ここで、セラミック材料とは、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム質焼結体(窒化アルミニウムセラミックス)、炭化珪素質焼結体(炭化珪素セラミックス)、窒化珪素質焼結体(窒化珪素セラミックス)、ガラス質焼結体(ガラスセラミックス)、ムライト質焼結体などであり、樹脂材料とは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化型または紫外線硬化型の樹脂である。
ここで、絶縁基体10を構成する材料としてアルミナ質焼結体を採用した場合における絶縁基体10の作製方法の一例について説明する。まず、酸化アルミニウム(アルミナ)や酸化カルシウム、ガラス質などの原料粉末を有機溶剤やバインダなどとともに、ドクターブレード法などの成形手法によりシート状に成形して複数のセラミックグリーンシートを作製する。次に、作製されたセラミックグリーンシートを所定寸法まで積層して、積層体としたうえで所定の焼成温度(例えば1300〜1600℃)で焼成する。以上のようにして、絶縁基体10は作製される。
配線層20は、パッド部21,22を有しており、配線基板Xの上面側と下面側との間の電気的導通を得るための部材である。また、配線層20の形態としては、メタライズ層状、メッキ層状、蒸着層状、金属箔層状などが挙げられる。パッド部21は、配線基板Xの上面で露出しており、導電性接続材(例えば、はんだ)を介して電子部品(図示せず)の電極に電気的接続される部位である。パッド部22は、絶縁基体10の下面で露出しており、導電性接続材(例えば、はんだ)を介して外部電気回路(図示せず)に電気的接続される部位である。パッド部21,22は、それらの間の部位より相対的に広面積に形成されている。このような構成によると、電気的接続をより確実且つ容易に行うことができる。配線層20を構成する材料としては、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、白金、金などの金属材料が挙げられる。
ここで、配線層20を構成する材料としてタングステンを採用するとともに、配線層20のパッド部21,22の形態をメタライズ層状、パッド部21,22の間の導体をビア状にした場合における配線層20の形成方法の一例について説明する。まず、タングステン粉末を有機溶剤やバインダなどとともに混練して金属ペーストを作製する。次に、作製された金属ペーストを所定の印刷方法(例えば、スクリーン印刷法)により絶縁基体10を構成するセラミックグリーンシートに対して印刷する。また、予めセラミックグリーンシートの所定部位に所定の加工方法(例えば、機械的な打ち抜き加工やレーザ加工)により形成された貫通孔内に、作製された金属ペーストを充填することにより形成される。以上のようにして、配線層20は形成される。
下地めっき層30は、配線層20に対する表面めっき層40の密着性を向上させるためのものであり、配線層20の表面を覆うように積層形成されている。下地めっき層30を構成する材料は、配線層20と表面めっき層40との双方に対する密着性に優れた材料であり、例えばニッケル、ニッケル−コバルト、ニッケル−リンなどの金属材料である。下地めっき層30を形成する手法としては、電解めっき法や無電解めっき法などのめっき法が挙げられる。
ここで、下地めっき層30を構成する材料としてニッケルを採用し、下地めっき層30を形成する手法として電解めっき法を採用する場合における下地めっき層30の形成方法の一例について説明する。まず、硫酸ニッケルおよび塩化ニッケルを主成分とし、ホウ酸などの緩衝剤や光沢剤などの添加剤を含んでなるワット浴を作製する。次に、作製したワット浴を所定の温度(例えば、40〜65℃)および所定のpH(例えば、3〜4)に調整する。次に、温度およびpHが調整されたワット浴に、予め配線層20が形成された絶縁基体10を浸漬した状態で、外部電源(例えば、整流器)から配線層20に対して、所定の電流密度(例えば、2〜10A/cm)で所定時間電流を供給する。ここで、電流の供給時間は、被着させようとするニッケルめっき層(下地めっき層30)の厚さに応じて適宜調整(例えば1μmであれば約2〜3分の割合)する。以上のようにして、下地めっき層30は形成される。
表面めっき層40は、配線層20に対するはんだ(ろう材)の濡れ性などの特性を高めるとともに、配線層20および下地めっき層30の酸化腐食を抑制するためのものであり、下地めっき層30の表面を覆うように積層形成されている。表面めっき層40を構成する材料は、下地めっき層30を構成する材料よりも標準電極電位の高い(酸化し難い)材料であり、例えば金、パラジウム、銀、白金、ロジウムなどの金属材料である。ここで、標準電極電位とは、標準水素電極の電位を0Vとする周知の値である(例えば、化学大辞典7(縮刷板)、第530頁などを参照)。表面めっき層40を形成する手法としては、電解めっき法や無電解めっき法などのめっき法が挙げられる。
ここで、表面めっき層40を構成する材料としてを採用し、表面めっき層40を形成する手法として電解めっき法を採用する場合における表面めっき層40の形成方法の一例について説明する。まず、金供給源としてのシアン化金カリウム硫酸と、リン酸塩やクエン酸塩などの導電性塩などの添加剤とを含んでなる中性シアン化金浴を作製する。次に、作製した中性シアン化金浴を所定の温度(例えば、約70℃)および所定のpH(例えば、6〜8)に調整する。次に、温度およびpHが調整された中性シアン化金浴に浸漬した状態で、外部電源(例えば、整流器)から配線層20に対して、所定の電流密度(例えば、0.1〜0.3A/cm)で所定時間電流を供給する。電流の供給時間は、被着させようとする金めっき層(表面めっき層40)の厚さに応じて適宜調整(例えば1μmであれば約10分程度)する。以上のようにして、表面めっき層40は形成される。
腐食抑制層50は、腐食抑制剤(図示せず)を含んでなり、本実施形態においては絶縁基体10の表面および表面めっき層40の表面を覆うように形成されている。腐食抑制剤は、下地めっき層30の金属材料の腐食速度を低減するためのものである。腐食抑制剤は、下地めっき層30の金属材料に吸着し易く、且つ、水などの溶剤によって除去され難い性質を有するものであり、例えば下地めっき層30の金属材料としてニッケルやニッケル合金(例えば、ニッケル−コバルト、ニッケル−リン、ニッケル−ホウ素)を採用する場合はチオ尿酸などの窒素や硫黄を含む有機化合物である。腐食抑制剤は、下地めっき層30の金属材料の表面に吸着することにより、その表面に対して水などの溶剤が接触する面積を低減させる機能を果たす。これにより、配線基板Xでは、水などの溶剤の作用に起因して、金属材料の表面における酸化反応(腐食反応)が起こる面積が低減するため、下地めっき層30の腐食を抑制することができると考えられる。なお、腐食抑制層50における腐食抑制剤の含有量を高めることにより、腐食抑制効果を高めることも可能である。
ここで、腐食抑制剤としてチオ尿素を含む腐食抑制層50の形成方法の一例について説明する。まず、洗浄剤溶液(例えば、シュウ酸などの有機酸塩溶液や水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液)にチオ尿素の腐食抑制剤を添加して溶解させることにより、所定の洗浄用溶液を作製する。次に、作製された洗浄用溶液が蓄えられた洗浄用浴槽に、予め配線層20、下地めっき層30および表面めっき層40が形成された絶縁基体10を所定時間(例えば、3分)浸漬する。以上のようにして、腐食抑制層50は形成される。このようにして腐食抑制層50を形成すると、絶縁基体10や表面めっき層40などの露出面全体にわたって容易に腐食抑制層50を形成することができる。なお、洗浄用浴槽における浸漬条件(浸漬時間や浴槽温度など)は、必要に応じて適宜設定すればよい。
配線基板Xは、絶縁基体10から表面めっき層40にわたって腐食抑制層50が被着されている。そのため、配線基板Xでは、表面めっき層40の外縁部近傍(表面めっき層40の厚さが相対的に薄くなる部位)に対して、例えば洗浄剤などに含まれる水成分が作用したとしても、腐食抑制層50の腐食抑制剤により下地めっき層30の腐食(構成成分のイオン化)が抑制される。したがって、配線基板Xでは、表面めっき層40の外縁部近傍から下地めっき層30の構成成分が腐食により溶出するのを抑制することができるので、溶出成分が表面めっき層40上に析出するのを抑制することができる。
また、配線基板Xでは、表面めっき層40の外縁部から外縁部に隣接する絶縁基体10の表面にわたって腐食抑制層50が被着されているので、表面めっき層40の最外縁と絶縁基体10の表面との境界部分において、表面めっき層40上に下地めっき層30の構成成分が析出するのを効果的に抑制することができる。
さらに、配線基板Xでは、下地めっき層30の金属材料としてニッケルまたはニッケル合金を採用し、腐食抑制層50の腐食抑制剤としてチオ尿素を採用する場合、ニッケル成分に対するチオ尿素の吸着性が高いので、チオ尿素が下地めっき層30のニッケル成分に吸着することにより、該ニッケル成分の溶出をより効果的に抑制することができる。
以上のことから、配線基板Xでは、下地めっき層30の構成成分の析出が溶出して、表面めっき層40上に析出するのが抑制されるため、はんだ濡れ性などの低下が抑制され、配線層20に対する電子部品の電気的および機械的な接続の長期信頼性、並びに、電子部品の搭載時における歩留まりの向上を図ることができるのである。
以下に、配線基板Xへの電子部品の搭載方法および洗浄方法について説明する。なお、本搭載方法では、配線基板Xの配線層20と電子部品の電極との電気的な接続を行うための部材として、錫−鉛共晶はんだや、錫−銀系、錫−銀−ビスマス系、錫−銅系などの鉛成分を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)などのはんだを用いて説明するが、電気的な接続部材としてはこれには限られず、例えばボンディングワイヤでもよい。
まず、配線基板Xの配線層20と電子部品の電極との間に、フラックスを含有するはんだ材(プレフォーム、ボール、クリーム状)を介在させた状態で、配線基板Xと電子部品との位置合わせを行う。
次に、位置合わせされた状態のものを治具などにより仮固定しながら、所定の加熱装置(例えば、リフロー炉)により加熱する。
次に、余分なはんだやフラックスなどの残滓を除去するために、洗浄を行う。洗浄は、水系の洗浄剤(例えば、C750H(花王株式会社製))を用いて行われる。このような洗浄を行うことにより、残滓を除去することができるので、はんだ濡れ性などをより高めることができる。
以上のようにして、配線基板Xへの電子部品の搭載およびその洗浄が行われる。なお、上述のはんだ付けや洗浄は、予め配線層20上に下地めっき層30、表面めっき層40および腐食抑制層50を順次被着させた絶縁基体10を用いて行われる。
以上、本発明の具体的な実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
腐食抑制層50は、絶縁基体10の表面全体および表面めっき層40の表面全体にわたって被着させなくてもよく、少なくとも表面めっき層40の外縁部に被着させていればよい。ここで、外縁部とは、最外縁からその内側における所定幅(例えば100μm)の領域を意味する。このような構成の配線基板においても、配線基板Xと同様の効果を奏する。また、腐食抑制層50は、表面めっき層40の外縁部から該外縁部に隣接する絶縁基体10の表面にわたって被着させる構成としてもよい。表面めっき層40の外縁部近傍は、下地めっき層30および表面めっき層40のつきまわりが悪く、めっきの欠陥(ピンホールなど)が比較的生じ易い部位であるため、このような部位に対して優先的に腐食抑制層50を設けることにより、下地めっき層30の構成成分の溶出を効果的に抑制することができる。したがって、このような構成の配線基板においても、配線基板Xと同様の効果を奏する。
腐食抑制層50は、腐食抑制剤に加えて、界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸)を含んでいてもよい。このような構成によると、腐食抑制層50における表面張力が減少するため、狭小部にも腐食抑制層50をより適切に形成することが可能となる。
下地めっき層30や表面めっき層40は、単層には限られず、複数層により構成されてもよい。このような構成の配線基板としては、例えば、配線層20上に、ニッケル(下地めっき層30)、銅(表面めっき層40の第1層)、金(表面めっき層40の第2層)を順次被着して構成される配線基板や、ニッケル(下地めっき層30の第1層)、ニッケル(下地めっき層30の第2層)、金(表面めっき層)を順次被着して構成される配線基板などが挙げられる。なお、各めっき層30,40は、一旦形成された後、熱処理されたものでもよい。
本発明の実施形態に係る配線基板の構造を模式的に表す断面図である。 図1に示す配線基板の要部拡大断面図である。 従来の配線基板の構造を模式的に表す断面図である
符号の説明
10・・・・絶縁基体
11・・・・搭載部
20・・・・配線層
30・・・・下地めっき層
40・・・・金めっき層
41・・・・外縁部
50・・・・腐食抑制層
99・・・・配線基板

Claims (2)

  1. 配線層を有する絶縁基体を準備する工程と、
    前記配線層上に、ニッケルまたはニッケル合金からなる第1めっき層を被着する工程と、
    前記第1めっき層上に、前記第1めっき層の前記ニッケルまたはニッケル合金よりも標準電極電位の高い金属材料からなる第2めっき層を被着する工程と、
    前記第1めっき層の前記ニッケルまたはニッケル合金の腐食速度を低減するための腐食抑制剤としてのチオ尿素を含む洗浄用溶液に、前記第1めっき層および前記第2めっき層が順次被着された前記絶縁基体を浸漬して、少なくとも前記第2めっき層の外縁部の前記第1めっき層のニッケル成分に前記チオ尿素を吸着させて、前記チオ尿素を含む腐食抑制層を被着する工程と、
    を備えることを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 前記腐食抑制層を、前記第2めっき層の前記外縁部から該外縁部に隣接する前記絶縁基体の表面にわたって被着することを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
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