JP4710247B2 - 単結晶製造装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(CZ法)によりシリコン単結晶を引き上げて製造する単結晶製造装置及び方法並びに当該方法を用いて製造されるシリコン単結晶に関する。
シリコン単結晶は、坩堝に収容された多結晶シリコン原料をヒータで加熱してシリコン融液とし、CZ法によりシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げながら成長させることにより製造される。シリコンウェハは、上記の方法で製造されたシリコン単結晶をスライス(切断)することにより製造され、このシリコンウェハ上に集積回路が形成される。シリコンウェハ上に集積回路を形成するに当たり、OSF(Oxidation Induced Stacking Fault)、COP(Crystal-Originated Particle)、及びL/DL(Large Dislocation Loop)等の欠陥を有しない高品位な無欠陥シリコンウェハが望まれている。
ここで、上記のOSFはシリコンウェハの表面又は内部に生じる結晶欠陥の一つであって、酸化により誘起される積層欠陥をいう。シリコンウェハ表面のOSFは表面近傍の残留歪みや汚染等に起因して生じ、シリコンウェハ内部のOSFは過飽和含有酸素の析出物に起因して生ずる。また、上記のCOPは、シリコン単結晶の洗浄工程のエッチングによりシリコンウェハ表面に生じる結晶起因の欠陥のうち、パーティクルカウンタによりパーティクルとして計数されるものをいう。更に、上記のL/DLは、転位クラスタとも呼ばれたり、或いはこの欠陥を生じたシリコンウェハをフッ酸を主成分とする選択エッチング液に浸漬すると方位を持ったエッチングピットを生じることから転位ピットとも呼ばれる。このL/DLも電気的特性、例えばリーク特性、アイソレーション特性等を劣化させる原因となる。
全長に亘って無欠陥領域を有するシリコン単結晶を効率よく製造するためには、シリコン単結晶の成長条件を一定の条件に整える必要がある。例えば、以下の特許文献1〜5には、カスプ磁場を印加しながらシリコン単結晶を引き上げることで、無欠陥領域を有するシリコン単結晶を製造する技術が開示されている。特に、特許文献1,4には、無欠陥領域を拡大するために成長中のシリコン単結晶とシリコン融液との固液界面の形状を上凸状にしており、この形状を得るための実際の制御条件が開示されている。固液界面の形状を上凸状にすると、引き上げ中のシリコン単結晶の中心における鉛直方向の温度勾配が大きくなり、その結果として欠陥分布がシリコン単結晶の径方向(つまり、シリコン単結晶をスライスして得られるシリコンウェハの面内)で均一化されるため、無欠陥領域が得やすくなる。
当該技術分野において周知のボロンコフ(V.V.Voronkov)の理論によると、シリコン単結晶の引き上げ速度Vと固液界面近傍のシリコン単結晶内の鉛直方向の温度分布Gとの比を示す値(V/G値)がある臨界値を超えるか超えないかに応じて、製造されるシリコン単結晶が空孔型点欠陥を有するか、又は格子間シリコン型点欠陥を有するかに分かれる。無欠陥領域はV/G値がその臨界値の近傍の値であるときに出現する。引き上げるシリコン単結晶の面内全域に亘ってV/G値を上記の臨界値又はその近傍の値に設定できない場合には、製造されたシリコン単結晶をスライスして得られるシリコンウェハは無欠陥領域と有欠陥領域とが混在したものとなる。よって、無欠陥領域を得るためにはシリコン単結晶の面内においてV/G値を極力均一化する必要がある。また、シリコン単結晶の鉛直方向の温度分布Gを大きくすると、V/G値を一定にするためにはシリコン単結晶の引き上げ速度Vを大きくする必要があるため、シリコン単結晶の生産性が向上することになる。
固液界面の形状はシリコン融液の対流に大きく影響されるため、以下の特許文献1〜5においては、シリコン融液に対してカスプ磁場又は水平磁場を印加しており、磁場の強度及び磁場の印加位置を限定し、更にシリコン単結晶の回転速度と坩堝の回転速度とを制御することでシリコン融液の対流を制御して固液界面を必要な形状に設定している。特許文献1,4の如く固液界面の形状を上凸状にするためには、坩堝の回転軸中心において坩堝の底からシリコン融液表面に向かい、固液界面を上凸状に押し上げる上昇流の制御が極めて重要になる。
特開2001−158690号公報 特開2000−272992号公報 特開2003−002783号公報 特開2003−002784号公報 特開2003−055092号公報
ところで、上述した通り、V/G値がある特定の値であるときにシリコン単結晶内に無欠陥領域が形成される。更に、シリコン単結晶の面内全域に亘ってV/G値がその特定の値に設定されて、シリコン単結晶の引き上げ開始から引き上げを終了するまでV/G値をその特定の値に維持することができれば全長に亘って無欠陥領域を有するシリコン単結晶を製造することができる。
しかしながら、無欠陥領域を形成することができるV/G値の許容範囲は極めて狭いため、シリコン単結晶の面内全域に亘ってV/G値をその許容範囲内に設定するとともに、シリコン単結晶の引き上げ開始から引き上げを終了するまでV/G値を許容範囲内に維持するのは極めて困難であるという問題がある。また、シリコン単結晶を引き上げるときの鉛直方向の温度分布Gをさほど大きくすことができないため、シリコン単結晶の引き上げ速度Vを高くすることができず、シリコン単結晶の生産性を余り向上させることができないという問題がある。更に、V/G値の許容範囲が狭いことからシリコン単結晶の引き上げ速度Vの許容範囲が狭くなり、引き上げ速度が許容範囲から外れてしまってシリコン単結晶内に局所的に欠陥が生じてしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、無欠陥領域を有するシリコン単結晶を効率よく製造することができる単結晶製造装置及び方法並びに当該方法を用いて製造されるシリコン単結晶を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の単結晶製造装置は、坩堝に収容された多結晶シリコン原料を加熱してシリコン融液とする加熱装置と、前記シリコン融液からシリコン単結晶を回転させつつ引き上げながら成長させる引上げ装置とを備える単結晶製造装置において、
前記シリコン融液に印加するカスプ磁場を、磁場中立面が前記シリコン単結晶の回転軸と対称になり且つ上方に湾曲した形状に形成する磁場形成手段を備え、
前記磁場形成手段は、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が15mm以上となるとともに、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記回転軸及び前記坩堝の壁位置の中間位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以下となり、且つ前記中間位置における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以上となるように前記カスプ磁場を形成することを特徴とする。
本発明は、坩堝(11)に収容された多結晶シリコン原料を加熱してシリコン融液(M)とする加熱装置(12)と、前記シリコン融液からシリコン単結晶(20)を回転させつつ引き上げながら成長させる引上げ装置(14)とを備える単結晶製造装置において、前記シリコン融液に印加するカスプ磁場を、磁場中立面(NP)が前記シリコン単結晶の回転軸(LX)と対称になり且つ上方に湾曲した形状に形成する磁場形成手段(13a、13b)を備えることを特徴としている。
ここで、前記磁場形成手段は、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置(P)における前記磁場中立面の高さ位置との差が15mm以上となるように前記カスプ磁場を形成することができる。
又は、前記磁場形成手段は、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記回転軸及び前記坩堝の壁位置の中間位置(MP)における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以下となり、且つ前記中間位置における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以上となるように、前記カスプ磁場を形成することができる。
また、本発明の単結晶製造装置は、前記磁場形成手段が、前記シリコン融液の固化率に応じて前記磁場中立面の湾曲度を変化させることができる。
また、本発明の単結晶製造装置は、前記シリコン単結晶を引き上げる際に、前記坩堝を3min−1以下の回転速度で回転させる回転装置(15)を備え、前記磁場形成手段は、前記磁場中立面の高さ位置が固液界面(In)の下方30mmから120mmの範囲内にあり、且つ前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置での磁束密度の水平成分が0.02Tから0.09Tまでの範囲になるよう前記カスプ磁場を形成し、前記引上げ装置は、前記シリコン単結晶を12min−1以上の回転速度で前記坩堝の回転方向と逆方向に回転させつつ引き上げることができる。
更に、本発明の単結晶製造装置は、前記引上げ装置が、前記シリコン単結晶を引き上げる際に、前記固液界面の形状を周辺部に対して中央部の高さが10mmを超える上凸状とすることができる。
上記課題を解決するために、本発明の単結晶製造方法は、坩堝に収容された多結晶シリコン原料を加熱してシリコン融液とし、当該シリコン融液からシリコン単結晶を回転させつつ引き上げながら成長させる単結晶製造方法において、 磁場中立面が前記シリコン単結晶の回転軸に対称であり且つ上方に湾曲したカスプ磁場を前記シリコン融液に印加しつつ前記シリコン単結晶を引き上げながら成長させ、
前記カスプ磁場は、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が15mm以上となるとともに、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記回転軸及び前記坩堝の壁位置の中間位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以下となり、且つ前記中間位置における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以上となるように形成されることを特徴とする。
本発明は、坩堝(11)に収容された多結晶シリコン原料を加熱してシリコン融液(M)とし、当該シリコン融液からシリコン単結晶(20)を回転させつつ引き上げながら成長させる単結晶製造方法において、磁場中立面(NP)が前記シリコン単結晶の回転軸(LX)に対称であり且つ上方に湾曲したカスプ磁場を前記シリコン融液に印加しつつ前記シリコン単結晶を引き上げながら成長させることができる。
ここで、前記カスプ磁場は、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置(P)における前記磁場中立面の高さ位置との差が15mm以上となるように形成されることができる。
又は、前記カスプ磁場は、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記回転軸及び前記坩堝の壁位置の中間位置(MP)における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以下となり、且つ前記中間位置における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以上となるように形成されることができる。
また、本発明の単結晶製造方法は、前記シリコン融液の固化率に応じて前記磁場中立面の湾曲度を変化させることができる。
また、本発明の単結晶製造方法は、前記磁場中立面の高さ位置が固液界面(In)の下方30mmから120mmの範囲内にあり、且つ前記坩堝の壁位置における磁束密度の水平成分が0.02Tから0.09Tまでの範囲になるよう前記カスプ磁場を形成し、前記坩堝を3min−1以下の回転速度で回転させるとともに、前記シリコン単結晶を12min−1以上の回転速度で前記坩堝の回転方向と逆方向に回転させながら前記シリコン単結晶を引き上げることができる。
更に、本発明の単結晶製造方法は、前記固液界面の形状を周辺部に対して中央部の高さが10mmを超える上凸状として前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴としている。
本発明のシリコン単結晶は、上記の何れかに記載の単結晶製造方法を用いて製造されてなることができる。

本発明は、無欠陥領域を有するシリコン単結晶を高い効率で製造することを目的としてなされたものであり、この目的達成のために、本発明は、坩堝に収容された多結晶シリコン原料を加熱してシリコン融液とする加熱装置と、前記シリコン融液からシリコン単結晶を回転させつつ引き上げながら成長させる引上げ装置とを備える単結晶製造装置において、前記シリコン融液に印加するカスプ磁場を、磁場中立面が前記シリコン単結晶の回転軸と対称になり且つ上方に湾曲した形状に形成する磁場形成手段を備えている。
この発明によると、磁場中立面がシリコン単結晶の回転軸に対称であり且つ上方に湾曲したカスプ磁場をシリコン融液に印加しつつシリコン単結晶を引き上げながら成長させているため、坩堝の壁位置近傍の領域において鉛直方向の磁場成分が生じて同領域におけるシリコン融液の水平方向の移動が制御される。これにより、シリコン融液表面において温度の低い領域が広がって鉛直下方向に向かう下降流が促進されて坩堝中心部におけるシリコン融液の上昇流が増大し、固液界面の上凸度をより増すことができて固液界面近傍の鉛直方向における温度勾配をより大きくすることができる。この結果として、シリコン単結晶の引き上げ速度を上昇させることができ、無欠陥領域を有するシリコン単結晶を効率よく製造することができる。
ここで、シリコン融液の対流を望ましい形に生じさせるためには磁場中立面の湾曲形状を制御する必要がある。このため、本発明は、前記磁場形成手段が、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が15mm以上となるように前記カスプ磁場を形成し、又は、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記回転軸及び前記坩堝の壁位置の中間位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以下となり、且つ前記中間位置における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以上となるように、前記カスプ磁場を形成している。
この発明によると、カスプ磁場は、回転軸上における磁場中立面の高さ位置と坩堝の壁位置における磁場中立面の高さ位置との差が15mm以上となるように形成され、又は、回転軸上における磁場中立面の高さ位置と回転軸及び坩堝の壁位置の中間位置における磁場中立面の高さ位置との差が10mm以下となり、且つ中間位置における磁場中立面の高さ位置と坩堝の壁位置における磁場中立面の高さ位置との差が10mm以上となるように形成されるため、磁場の鉛直方向成分によりシリコン融液の対流が所望の形に制御され、固液界面近傍の鉛直方向における温度勾配を大きくする上で極めて好適である。
上記の無欠陥領域をシリコン単結晶の長さ方向全体に亘って形成する為には、シリコン単結晶の引き上げを開始してから終了するまで固液界面近傍の鉛直方向における大きな温度勾配を維持する必要がある。このため、本発明は、本発明の単結晶製造装置が、前記磁場形成手段が、前記シリコン融液の固化率に応じて前記磁場中立面の湾曲度を変化させている。
この発明によると、シリコン融液の固化率に応じて磁場中立面の湾曲度が変化するため、シリコン融液の固化率に応じたシリコン融液の対流制御が行われ、その結果としてシリコン単結晶の引き上げを開始してから終了するまで固液界面近傍の鉛直方向における大きな温度勾配が維持される。
上記の磁場中立面を湾曲させれば坩堝の壁位置近傍の領域において鉛直方向の磁場成分が得られて同領域におけるシリコン融液の水平方向の移動が制御され、坩堝中心部におけるシリコン融液の上昇流を増大させることができるが、固液界面近傍の鉛直方向におけるより大きな温度勾配を得るにはシリコン融液の対流をより具体的に制御する必要がある。このため、本発明は、前記シリコン単結晶を引き上げる際に、前記坩堝を3min−1以下の回転速度で回転させる回転装置を備え、前記磁場形成手段は、前記磁場中立面の高さ位置が固液界面の下方30mmから120mmの範囲内にあり、且つ前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置での磁束密度の水平成分が0.02Tから0.09Tまでの範囲になるよう前記カスプ磁場を形成し、前記引上げ装置は、前記シリコン単結晶を12min−1以上の回転速度で前記坩堝の回転方向と逆方向に回転させつつ引き上げている。これによりシリコン融液の対流が効果的に制御され、無欠陥領域を有するシリコン単結晶を効率的に製造する上で極めて好適である。
また、本発明は、前記引上げ装置が、前記シリコン単結晶を引き上げる際に、前記固液界面の形状を周辺部に対して中央部の高さが10mmを超える上凸状としている。
この発明によると、固液界面の形状を周辺部に対して中央部の高さが10mmを超える上凸状としてシリコン単結晶を引き上げるため、固液界面近傍の鉛直方向における温度勾配が大きくなり、高い引き上げ速度でシリコン単結晶を引き上げることができる。
本発明によれば、磁場中立面がシリコン単結晶の回転軸に対称であり且つ上方に湾曲したカスプ磁場をシリコン融液に印加しつつシリコン単結晶を引き上げながら成長させているため、無欠陥領域を有するシリコン単結晶を高い効率で製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による単結晶製造装置及び方法並びにシリコン単結晶について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による単結晶製造装置の概略構成を示す図である。図1に示す通り、本実施形態の単結晶製造装置は、坩堝11、ヒータ12、上コイル13a、下コイル13b、引上げ装置14、及び回転装置15を含んで構成される。坩堝11は石英等で形成されており、多結晶シリコン原料を収容する。ヒータ12は、例えば高周波加熱装置又は抵抗加熱装置から構成され、坩堝11の周囲に配設されて坩堝11を加熱して多結晶シリコン原料をシリコン融液Mとする。
上コイル13a及び下コイル13bは、坩堝11に収容されるシリコン融液Mに対してカスプ磁場を供給するものであり、坩堝11の外径よりも大きなコイル直径を有し、坩堝11の回転軸をそれぞれコイル中心として坩堝11及びヒータ12を取り囲むように配置されている。上コイル13aと下コイル13bとは鉛直方向に所定の間隔をあけて配設されており、上コイル13aと下コイル13bとに互いに逆向きの電流を流すことにより上コイル13aによって下向きの磁場MF1が形成され、上コイル13bによって上向きの磁場MF2が形成されることで図1に示すカスプ磁場が形成される。
引上げ装置14は、先端に種結晶が取り付けられた引上げワイヤーWを回転させながら引上げるものであり、融液M表面に種結晶の下端を接触させて上方へ回転させながら引き上げることでシリコン単結晶を成長させる。回転装置15は、坩堝11の中央底部に取り付けられた支軸SAを回転させることで坩堝11を回転させるものである。ヒータ12による加熱温度、上コイル13a及び下コイル13bに流す電流量、引上げ装置14による引上げワイヤーWの引き上げ速度及び回転速度、並びに回転装置15による坩堝11の回転速度を制御することによりシリコン単結晶20が製造される。
ここで、本実施形態において上コイル13a及び下コイル13bによるカスプ磁場は、その磁場中立面NPが引上げ装置14によるシリコン単結晶20の回転軸LXに関して対称であり、且つ上方に湾曲した形状に形成される。磁場中立面NPをかかる形状とするのは、無欠陥領域を有するシリコン単結晶20を高い製造効率で形成するためである。以下、磁場中立面NPを湾曲形状することで、無欠陥領域を有するシリコン単結晶20を効率よく形成することができる理由について説明する。
図2は、坩堝11内部の拡大図である。磁場中立面NPが上方に湾曲した形状となるようカスプ磁場を形成すると、図2に示す通り、坩堝11の外周部Pの近傍であってシリコン融液M表面の近傍の領域を通る磁力線の向きが下方に傾く。これにより、この領域において鉛直方向の磁場成分が生じ又は鉛直成分が増加するため、同領域におけるシリコン融液Mの水平方向の対流が抑制される。
シリコン融液Mの表面における温度は坩堝11の中心部よりも坩堝11の壁面近傍の方が高い。このため、坩堝11近傍の壁面近傍においては、坩堝11の壁面に沿って上昇し、シリコン融液Mの表面を坩堝11の中心に向かって流れた後で下方へ向かう対流C1が生ずる。また、坩堝11内で生ずる対流は、上記の対流C1以外に、坩堝11の中心部において坩堝11の底部から上昇した後、固液界面Inに当たって坩堝11の外周部Pへ向かって広がり上記の対流C1に当たって下方に向かう対流C2が存在する。
磁場中立面NPが上方に湾曲した形状となるようカスプ磁場を形成すると、坩堝11の壁面近傍で生ずる鉛直方向の磁場成分によって対流C1が抑制されるため、温度分布が変化して坩堝11の中心部におけるシリコン融液M表面の温度の低い領域が坩堝11の壁面方向に広がる。これによって、坩堝11の底部へ向かう対流C1,C2が促進され、これに伴って坩堝11の中心部における上昇流が増大する。
その結果として、固液界面Inの上凸化がより促進され、固液界面In近傍の鉛直方向における温度勾配(G)が大きくなるとともに、その水平方向分布(ΔG)が均一化されるため、シリコン単結晶20の断面全体に亘って無欠陥領域を実現するための引き上げ速度の可変範囲が広がることになる。これは即ち、無欠陥領域を有するシリコン単結晶20の製造効率を向上させることができることを意味する。
ここで、磁場中立面NPの上方湾曲が小さいと、上述した坩堝11の外周部Pにおける磁力線の下方への傾きが緩やかになるため鉛直方向の磁場成分が小さくなり、対流C1の抑制の効果が小さくなってしまう。対流C1を効果的に抑制するには、シリコン単結晶20の回転軸LX上における磁場中立面NPの高さ位置と坩堝11の外周部における磁場中立面NPの高さ位置との差が15[mm]以上となるようカスプ磁場を形成する必要がある。このときの坩堝11の半径は、例えば直径が300mmのシリコン単結晶を製造する場合に用いられる坩堝の半径である450mmである。
更に、磁場中立面NPの形状を図3に示す形状とすることが望ましい。図3は、磁場中立面NPの好ましい形状の一例を示す図である。尚、図3において、図1及び図2に示す部材と同一の部材については同一の符号を付している。いま、図3に示す通り、坩堝11の中心位置に設定されたシリコン単結晶20の回転軸LXと坩堝11の外周部Pとの中間位置MPを考える。
坩堝11の開口径の半分(坩堝11の半径)をR(例えば、450mm)とすると、回転軸LXから中間位置MPまでの距離、及び、中間位置MPから坩堝11の外周部Pまで距離は共にR/2である。回転軸LN上における磁場中立面NPの高さ位置と中間位置MPにおける磁場中立面NPの高さ位置との差をh2、中間位置MPにおける磁場中立面NPの高さ位置と坩堝11の外周部Pにおける磁場中立面NPの高さ位置との差をh1とすると、磁場中立面NPの形状を以下の(1)式及び(2)式を同時に満たす形状に形成することが望ましい。
h1≧10[mm] ……(1)
h2≦10[mm] ……(2)
また、シリコン融液Mの固化率に応じて、即ちシリコン融液Mの深さの変化に応じて対流の様子は変化していくが、同時に最適な磁場分布も変化していく。このため、無欠陥領域を有するシリコン単結晶20を製造するためには、シリコン融液Mに供給するカスプ磁場を最適化する必要がある。本実施形態では、シリコン融液Mの深さの変化に応じて磁場中立面NPの上方湾曲度を変化させることにより、シリコン単結晶の引き上げを介してから引き上げを終了するまでの広い範囲に亘って上記の対流C1の抑制効果を持続させることができる。
上記の対流C1の抑制効果を効果的に得るためには、更に磁場中立面NPを固液界面Inの下方30〜120[mm]の範囲内に設定し、且つ坩堝11の外周部Pにおける磁場中立面NPの高さ位置での磁束密度の水平成分が0.02〜0.09[T]の範囲になるようカスプ磁場を形成する必要がある。また、シリコン単結晶20を引き上げる際には、坩堝11を3[min−1]以下の回転速度で回転させるとともに、シリコン単結晶20を12[min−1]以上の回転速度で回転させる必要がある。
以上の諸条件を満たした上でシリコン単結晶20を引き上げることで、効率良く無欠陥領域を有するシリコン単結晶20を製造することができる。しかしながら、以上の諸条件を満足しない状態でシリコン単結晶20を引き上げると、図2に示す対流C1,C2が大きく変化するため、固液界面Inの上凸化が著しく妨げられる。固液界面Inの形状を周辺部に対し中央部の高さが10[mm]を超える上凸状にしないと、固液界面In近傍の鉛直方向におけるより大きな温度勾配(G)が得られないため、シリコン単結晶20の引き上げ速度の低下を招く。この結果としてシリコン単結晶20の断面全体に亘って無欠陥領域を実現するための引き上げ速度の可変範囲が狭くなることになり、その結果として製造効率の低下を招く。
上記構成における単結晶製造装置を用いてシリコン単結晶20を製造するには、まずヒータ12で坩堝11内に収容された多結晶シリコン原料を加熱してシリコン融液Mとし、シリコン融液Mの温度を所定の温度に設定する。次に、上コイル13a及び下コイル13bにそれぞれ反対方向に電流を流し、シリコン単結晶20の回転軸に関して対称であり、且つ磁場中立面NPが上方に湾曲したカスプ磁場をシリコン融液Mに印加する。
次に、先端に種結晶が取り付けられた引上ワイヤーWを下方へ引き下げてシリコン融液M表面に種結晶の下端を接触させてメルトバックした後で上方への引き上げを開始する。引上ワイヤーWを引き上げる際には、回転装置15により坩堝11を3[min−1]以下の回転速度で回転させるとともに、引き上げるシリコン単結晶20を12[min−1]以上の回転速度で回転させる。
シリコン単結晶20の引き上げを行っている最中において、シリコン融液M中には固液界面Inの下方30〜120[mm]の範囲内に磁場中立面NPが形成され、且つ坩堝11の外周部Pにおける磁場中立面NPの高さ位置での磁束密度の水平成分が0.02〜0.09[T]の範囲になるようカスプ磁場が形成される。また、カスプ磁場は回転軸LX上における磁場中立面NPの高さ位置と坩堝11の外周部Pにおける磁場中立面NPの高さ位置との差が15[mm]以上となるよう設定され、又は、磁場龍率面NPが上述した(1)式及び(2)式を共に満足する形状に設定される。
かかる磁場中立面NPが上方に湾曲したカスプ磁場によって、図2に示す通り、坩堝11の底部へ向かう対流C1,C2が促進され、これに伴って坩堝11の中心部における上昇流が増大することにより固液界面Inの上凸化がより促進され、例えば固液界面Inの形状が周辺部に対し中央部の高さが10[mm]を超える上凸状になる。これにより、固液界面In近傍の鉛直方向における温度勾配(G)が大きくなるため、高い引き上げ速度でシリコン単結晶20を引き上げても無欠陥領域を有するシリコン単結晶が得られる。これによって、無欠陥領域を有するシリコン単結晶を効率よく製造することができる。尚、シリコン単結晶20の引き上げを行っている最中にシリコン融液Mの深さの変化が生じた場合には、導体融液Mの深さの変化に応じて磁場中立面NPの上方湾曲度を変化させる。
尚、以上説明した実施形態においては、直径が300mmのシリコン単結晶を製造する場合を例に挙げて説明したが、直径が異なるシリコン単結晶を製造する場合には、坩堝11の直径に対する鉛直方向の数値は、そのシリコン単結晶の直径に応じて適宜変更することができる。例えば、シリコン単結晶の直径比率に応じて各鉛直方向の数値の比率を対応させることができる。
本出願の発明者は、上述した単結晶製造装置及び方法を用いてシリコン単結晶20の製造を行った。ここで、シリコン単結晶20の製造には坩堝11として24吋径の石英坩堝を用い、製造時の諸条件を図4に示す条件に設定した。図4は、本発明の実施例におけるシリコン単結晶製造時の諸条件を示す図表である。また、本実施例では、シリコン単結晶20として直径200[mm]のP型シリコン単結晶の製造を行っている。更に、比較のため、湾曲していない水平な磁場中立面を有するカスプ磁場を印加した状態でのシリコン単結晶の引き上げも実施した。
尚、図4中における実施例1〜6はカスプ磁場の磁場中立面を上方に湾曲させた状態で引き上げを行う場合であり、比較例1〜4は磁場中立面が従来のカスプ磁場と同様に水平にして引き上げを行う場合である。また、図4中における凸度1とは、石英坩堝内径をRとした時に、坩堝の壁位置における磁場中立面の高さ位置に対するR/2位置における磁場中立面の高さ位置を意味している。また、凸度2とは、石英坩堝内径をRとした時に、坩堝の壁位置における磁場中立面の高さ位置に対するシリコン単結晶の回転軸中心位置における磁場中立面の高さ位置を意味している。
図5は、本発明の実施例におけるシリコン単結晶の引き上げ速度を示す図である。図5に示す通り、シリコン単結晶の引き上げにおいては、引き上げ速度Vを固化率の上昇に従って直線的に下げていくように調整した。こうして得られた結晶を結晶成長方向と平行に切断してサンプルを切り出し、それらの再結合ライフタイム測定結果から欠陥分布断面図を作成した。
図6は、本発明の実施例において製造されたシリコン単結晶の欠陥分布断面図を示す図である。図6に示す通り、シリコン単結晶の引き上げ速度Vが高いとシリコン単結晶の結晶中心から結晶外周のほぼ全体に亘ってV−rich領域(空孔型点欠陥が支配的に存在する領域)が形成されるが、引き上げ速度が低くなるにつれてシリコン単結晶の結晶外周付近から中心付近に亘って徐々にOSF領域が形成され始めるとともに、OSF領域の外周部に無欠陥領域が形成され始める。そして、引き上げ速度Vが低下してある速度になるとOSF領域が消滅してシリコン単結晶の結晶中心から結晶外周の全体に亘って無欠陥領域が形成される。更にシリコンの引き上げ速度Vを低下させると、シリコン単結晶の結晶中心付近にI−rich領域(格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域)が形成され始め、更に低下させるとシリコン単結晶の結晶中心から結晶外周のほぼ全体に亘ってI−rich領域が形成される。
図6に示すシリコン単結晶の欠陥分布断面図を作成すると、OSF領域が消失する引き上げ速度V1と、L/DLが出現する引き上げ速度V2とを求めて、両欠陥領域の間に存在する無欠陥領域の出現する速度範囲(V1−V2)を求めた。また同様のサンプルから固液界面の形状を測定した。以上の手順を経て得られた評価結果を図7にまとめた。図7は、本発明の実施例において製造されたシリコン単結晶の評価結果を示す図表である。尚、以下の図7中における固液界面形状は、シリコン単結晶回転軸中心の結晶最外周部に対する高さとして表している。
図7において、実施例1〜6はカスプ磁場の磁場中立面を上方に湾曲させた状態で引き上げを行って製造されたシリコン単結晶であり、比較例1〜4は磁場中立面が従来のカスプ磁場と同様に水平にして引き上げを行って製造されたシリコン単結晶である。図7に示す通り、実施例1と比較例1、実施例4と比較例2、実施例5と比較例3、及び実施例6と比較例4をそれぞれ比較すると、何れの比較においても実施例1〜4の方が比較例1〜4よりも無欠陥領域の出現する速度範囲(V1−V2)が広いことが分かる。
また、実施例1と実施例2,3とを比較すると磁場中立面の形状による効果を確認することができ、実施例1と実施例4との比較では磁場位置による効果を確認することができ、実施例1と実施例5との比較では磁場強度による効果を確認することができる。更に、実施例6では坩堝の回転速度を本願発明で規定する3[min−1]を上回る5[min−1]に設定してシリコン単結晶の引き上げを行っているが、この場合においては固液界面形状が殆ど水平になり、更に無欠陥領域も狭くなっていることが分かる。以上の比較によって、本発明の特徴とするカスプ磁場中立面形状の上方湾曲および関連する諸規定が、無欠陥領域の拡大に対して有効であることが分かる。
本発明の一実施形態による単結晶製造装置の概略構成を示す図である。 坩堝11内部の拡大図である。 磁場中立面NPの好ましい形状の一例を示す図である。 本発明の実施例におけるシリコン単結晶製造時の諸条件を示す図表である。 本発明の実施例におけるシリコン単結晶の引き上げ速度を示す図である。 本発明の実施例において製造されたシリコン単結晶の欠陥分布断面図を示す図である。 本発明の実施例において製造されたシリコン単結晶の評価結果を示す図表である。
符号の説明
11 坩堝
12 ヒータ(加熱装置)
13a 上コイル(磁場形成手段)
13b 下コイル(磁場形成手段)
14 引上げ装置
15 回転装置
20 シリコン単結晶
In 固液界面
LX 回転軸
M シリコン融液
MP 中間位置
NP 磁場中立面
P 外周部(壁位置)

Claims (8)

  1. 坩堝に収容された多結晶シリコン原料を加熱してシリコン融液とする加熱装置と、前記シリコン融液からシリコン単結晶を回転させつつ引き上げながら成長させる引上げ装置とを備える単結晶製造装置において、
    前記シリコン融液に印加するカスプ磁場を、磁場中立面が前記シリコン単結晶の回転軸と対称になり且つ上方に湾曲した形状に形成する磁場形成手段を備え、
    前記磁場形成手段は、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が15mm以上となるとともに、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記回転軸及び前記坩堝の壁位置の中間位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以下となり、且つ前記中間位置における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以上となるように前記カスプ磁場を形成することを特徴とする単結晶製造装置。
  2. 前記磁場形成手段は、前記シリコン融液の固化率に応じて前記磁場中立面の湾曲度を変化させることを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造装置。
  3. 前記シリコン単結晶を引き上げる際に、前記坩堝を3min−1以下の回転速度で回転させる回転装置を備え、
    前記磁場形成手段は、前記磁場中立面の高さ位置が固液界面の下方30mmから120mmの範囲内にあり、且つ前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置での磁束密度の水平成分が0.02Tから0.09Tまでの範囲になるよう前記カスプ磁場を形成し、
    前記引上げ装置は、前記シリコン単結晶を12min−1以上の回転速度で前記坩堝の回転方向と逆方向に回転させつつ引き上げる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の単結晶製造装置。
  4. 前記引上げ装置は、前記シリコン単結晶を引き上げる際に、前記固液界面の形状を周辺部に対して中央部の高さが10mmを超える上凸状とすることを特徴とする請求項記載の単結晶製造装置。
  5. 坩堝に収容された多結晶シリコン原料を加熱してシリコン融液とし、当該シリコン融液からシリコン単結晶を回転させつつ引き上げながら成長させる単結晶製造方法において、 磁場中立面が前記シリコン単結晶の回転軸に対称であり且つ上方に湾曲したカスプ磁場を前記シリコン融液に印加しつつ前記シリコン単結晶を引き上げながら成長させ、
    前記カスプ磁場は、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が15mm以上となるとともに、前記回転軸上における前記磁場中立面の高さ位置と前記回転軸及び前記坩堝の壁位置の中間位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以下となり、且つ前記中間位置における前記磁場中立面の高さ位置と前記坩堝の壁位置における前記磁場中立面の高さ位置との差が10mm以上となるように形成されることを特徴とする単結晶製造方法。
  6. 前記シリコン融液の固化率に応じて前記磁場中立面の湾曲度を変化させることを特徴とする請求項に記載の単結晶製造方法。
  7. 前記磁場中立面の高さ位置が固液界面の下方30mmから120mmの範囲内にあり、且つ前記坩堝の壁位置における磁束密度の水平成分が0.02Tから0.09Tまでの範囲になるよう前記カスプ磁場を形成し、
    前記坩堝を3min−1以下の回転速度で回転させるとともに、前記シリコン単結晶を12min−1以上の回転速度で前記坩堝の回転方向と逆方向に回転させながら前記シリコン単結晶を引き上げる
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の単結晶製造方法。
  8. 前記固液界面の形状を周辺部に対して中央部の高さが10mmを超える上凸状として前記シリコン単結晶を引き上げることを特徴とする請求項記載の単結晶製造方法。
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