JP4516690B2 - 血管形成阻害活性を有するイソキノリン誘導体 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、新規イソキノリン誘導体、その製造法、ヒトまたは動物の処置法におけるその使用、単独または他の1個またはそれ以上の医薬活性を有する化合物と組合わせた、腫瘍疾患のような疾患(特に、増殖性疾患)の処置におけるその使用、動物、特にヒトにおけるこのような疾患の処置法、および、特に腫瘍疾患のような増殖性疾患の処置のための医薬組成物(医薬)の製造における、このような化合物の、単独または他の1個またはそれ以上の医薬活性を有する化合物と組合わせた使用に関する。
【0002】
(発明の背景)
二つの工程、発育中の胚における分化している内皮細胞または血管芽細胞からの新たな血管の形成(脈管形成)および存在する完成した血管からの新しい毛細血管の枝分かれ(血管形成)が、動物臓器および組織の血管系の発育、ならびに新規血管形成の一過性相、例えば、女性のサイクル、妊娠または創傷治癒に関与する。他方、非制御血管形成に関与する多くの疾患、例えば、眼血管新生、特に網膜症(糖尿病性網膜症、年齢関連性黄斑変性);乾癬;“イチゴ状血管腫”(=血管腫)のような血の血管芽腫(haemangioblastoma);関節炎、特に関節リウマチ、動脈アテローム性動脈硬化症および移植後に起こるアテローム性動脈硬化症、子宮内膜症または慢性喘息のような種々の炎症性疾患;および特に、腫瘍疾患(固体腫瘍だけでなく、多くの初生血液細胞および白血病細胞がc-kit、KDRおよびflt-1を発現するため、白血病および他の流動腫瘍も)が、知られている。
【0003】
より最近の実験によると、血管内皮成長因子=VEGFとして既知の血管原性因子、およびその細胞性レセプターが、胚および正常の成長中、およびまた多数の病的異常および疾患の両方の間の、血液血管系およびその部分の成長および分化を制御する制御ネットワークの中心にある(Breier, G., et al., Trends in Cell Biology 6, 454-456 (1996)およびそれに引用の文献参照)。
【0004】
VEGFは2量体、ジスルフィド結合46kDa糖タンパク質であり、血小板由来増殖因子(PDGF)に関連する。それは正常細胞系および腫瘍細胞系により分泌され、内皮細胞特異的マイトジェンであり、インビボ試験システム(例えば、ウサギ角膜)で血管原性活性を有し、内皮細胞および単核球で走化性活性を有し、内皮細胞でプラスミノーゲンアクティベーターを誘導し、それは次いで毛細血管の枝分かれ中の細胞外マトリックスのタンパク質分解性分解に関与する。VEGFの多くのイソ形が既知であり、これらは同等な生理学的活性を有するが、分泌する細胞タイプおよびヘパリン結合の点で区別できる。加えて、VEGFファミリーの他のメンバー、例えば、胎盤成長因子(PIGF)およびVEGF-Cがある。
【0005】
VEGFレセプターは、対照すると、膜貫通レセプターチロシンキナーゼであり、7つの免疫グロブリン様ドメインを伴う細胞外ドメインおよび細胞内チロシンキナーゼドメインを有する。種々のタイプ、例えば、VEGFR-1、VEGFR-2およびVEGFR-3が既知である。
【0006】
多くのヒト腫瘍、例えば、神経膠腫または癌腫はVEGFを発現し、そのレセプターの大規模な誘導を惹き起こす。これは、腫瘍細胞により放出されるVEGFが血液毛細血管の生育および腫瘍内皮細胞の増殖をパラクリンの方法で刺激し、したがって、改善された血液の供給の結果、腫瘍生育が加速するという仮説を導いている。神経膠腫患者における大脳浮腫の発症は、増加したVEGF発現によりまた説明できる。インビボ腫瘍血管形成因子としてのVEGFの役割の直接の確認が、実際、VEGF発現またはVEGF活性が阻害された実験で提供されている。これは、VEGF活性を阻害する抗体の手段、シグナル伝達を阻害する顕性不活性VEGFR-2変異体の手段、またはアンチセンスVEGF-RNA法の使用により達成された。全ての処置法は、神経膠腫細胞系または他の腫瘍細胞系のインビボの腫瘍生育の減少を、阻害された腫瘍血管形成の結果として導いた。
【0007】
低酸素、およびまた多くの成長因子およびサイトカイン、例えば、表皮成長因子、トランスフォーミング成長因子α、トランスフォーミング成長因子β、インターロイキン1およびインターロイキン6が、細胞試験においてVEGFの発現を誘導する。血管形成は、約1から2mmまでの(このサイズまで腫瘍細胞への酸素および栄養の供給はまだ拡散により有効であり得る)、最大直径を超えて成長する腫瘍の必須要件である。したがって、あるサイズを超えると、全ての腫瘍は、その起源および原因に拘らず、その成長を血管形成に依存する。
【0008】
腫瘍に対する血管形成阻害剤の作用に重要な3つの主要な機構がある:1)アポトーシスと増殖のバランスの結果、正味の腫瘍生育が起こらないようにする、血管、特に毛細血管の、無血管基底を有する腫瘍への生育の阻害;2)腫瘍への不充分な血液供給の結果としての転移癌形成腫瘍細胞の流出の抑制;および3)通常血管の内側を覆う内皮細胞の、周りの組織へのそのパラクリン成長刺激作用の欠如を伴う、成長の阻害。
【0009】
(発明の要約)
驚くべきことに、下記に示す式Iのイソキノリン誘導体は、有利な医薬特性を示し、例えば、VEGFレセプターチロシンキナーゼおよびVEGF依存的細胞増殖の活性を阻害する。更なる活性の詳細は、下に記載する。
【0010】
式Iの化合物は、例えば、特に、血管形成および/またはVEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害が有利な作用を示すものである、疾患の処置およびまた予防のための、予期されない新規処置法を可能にする。
【0011】
(発明の完全な記載)
本発明は、式I
【化6】
Figure 0004516690
〔式中、
rは0から2;
nは0から2;
mは0から4;
A、B、DおよびEは各々互いに独立してNまたはCHであるが、これらの基の2個以上がNではない;
Gは低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、オキサ(−O−)、チア(−S−)またはイミノ(−NH−)、または、アシルオキシまたはヒドロキシで置換された低級アルキレン;
Qは低級アルキル、特にメチル;
RはHまたは低級アルキル;
Xはイミノ、オキサまたはチア;
Yは低級アルキル、または特にアリール、ヘテロアリールまたは非置換もしくは置シクロアルキル;そして
Zはアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキル−フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニルまたはアルキルフェニルスルホニル、および個以上の基Zが存在する場合(m2)、置換基Zは同一または異なる;
波線で示す結合は1重結合または2重結合である〕
の化合物、または1個またはそれ以上のN原子が酸素原子を担持する場合、記載の化合物のN−オキサイド、またはそれらの塩に関する。
【0012】
本明細書の記載の内容において、前記および後記で使用する一般的用語は、特記しない限り、以下の意味を有する:
“低級”なる用語は、最大7個まで(7個を含む)、特に最大4個まで(4個を含む)の炭素原子を有する記を意味し、当該基は非分枝または1回またはそれ以上分枝している。
【0013】
複数での化合物、塩等に関する言及は、常に1つの化合物、塩等を含むと理解されるべきである。
存在し得る(例えば、n=1およびRが低級アルキルである式Iの化合物(またはそのN−オキサイド))不斉炭素原子は、(R)、(S)、または(R,S)立体配置であり得、好ましくは(R)または(S)立体配置である。2重結合または環の置換基は、シス(=Z)またはトランス(=E)形であり得る。したがって、本発明の化合物は、異性体混合物の形または純粋化合物の形であり得、好ましくは鏡像異性的に純粋なジアステレオマーの形である。
【0014】
指数rは好ましくは0または1である。
指数nは好ましくは0または1、特に0である。2でもあり得る。
指数mは好ましくは0、1または2、特に0または1でもある。
式Iにおける環員A、B、DおよびEの中で、2個以上がNではなく、他の二つはCHである。好ましくは、環員A、B、DおよびEは各々CHである。
【0015】
Gが2価基−CH−O−、−CH−S−または−CH−NH−であるとき、メチレン基は、いずれの場合も環員A、B、DおよびEを有する環に結合し、一方へテロ原子(O、SまたはNH)は式Iのフタラジン環に結合する。
【0016】
低級アルキレンGは、分枝鎖、または好ましくは非分枝鎖であり得、特に分枝、または好ましくは非分枝C−Cアルキレン、特にメチレン(−CH−)、エチレン(−CH−CH−)、トリメチレン(−CH−CH−CH−)またはテトラメチレン(−CH−CH−CH−CH−)である。Gは好ましくはメチレンである。
【0017】
アシルオキシ置換低級アルキレンにおけるアシルは、好ましくはアリールカルボニルオキシ(アリールは、下記で定義の通り)、特にベンゾイルオキシまたは低級アルカノイルオキシ、より特にはベンゾイルオキシである;アシルオキシ置換低級アルキレンは、特にベンゾイルオキシ置換メチレンである。
【0018】
ヒドロキシ置換低級アルキレンは、好ましくはヒドロキシメチレン(−CH(OH)−)である。
アシルオキシ−またはヒドロキシ−置換低級アルキレンのいずれかとしてのGが好ましく、または前記および後記に記載の他の意味のGは、いずれの場合も特に好ましい。
【0019】
Qは好ましくはAまたはD(r=1)または両方(r=2)に結合し、Aおよび/またはDは、Qが結合している場合、C(−Q)である。
低級アルキルは、特にC−Cアルキル、例えば、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、または特にメチル、またはエチルでもあり、または、低級アルキルとしてのYの場合、それは特にイソペンチルであり得る。
【0020】
アリールは好ましくは6個から14個の炭素原子を有する芳香族基、特にフェニル、ナフチル、フルオレニル、またはフェナンスレニルであり、記載の基は非置換または、特にアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキルフェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニル、アルキルフェニルスルホニル、エテニルのような低級アルケニル、フェニル、メチルチオのような低級アルキルチオ、アセチルのような低級アルカノイル、メチルメルカプト(−S−CH)のような低級アルキルメルカプト、トリフルオロメチルメルカプト(−S−CF)のようなハロ低級アルキルメルカプト、低級アルカンスルホニル、特にトリフルオロメタンスルホニルのようなハロ−低級アルカンスルホニル、ジヒドロキシボラ(−B(OH))、ヘテロシクリル、および環の隣接炭素原子に結合したメチレンジオキシのような低級アルキレンジオキシからなる群から選択される1個またはそれ以上、好ましくは3個まで、特に1個または2個の置換基で置換されている;アリールは好ましくは非置換または、アミノ;低級アルカノイルアミノ、特にアセチルアミノ;ハロゲン、特にフッ素、塩素または臭素;低級アルキル、特にメチル、またはエチルまたはプロピル;ハロ−低級アルキル、特にトリフルオロメチル;ヒドロキシ;低級アルコキシ、特にメトキシ、またはエトキシ;フェニル−低級アルコキシ、特にベンジルオキシ;およびシアノ、または(上記置換基のグループとは別に、またはそれに加えて)C−C12アルコキシ、特にn−デシルオキシ、カルバモイル、N−メチル−またはN−tert−ブチル−カルバモイルのような低級アルキルカルバモイル、アセチルのような低級アルカノイル、フェニルオキシ、トリフルオロメトキシまたは1,1,2,2−テトラフルオロエチルオキシのようなハロ−低級アルキルオキシ、エトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル、メチルメルカプトのような低級アルキルメルカプト、トリフルオロメチルメルカプトのようなハロ−低級アルキルメルカプト、ヒドロキシメチルまたは1−ヒドロキシメチルのようなヒドロキシ−低級アルキル、メタンスルホニルのような低級アルカンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニルのようなハロ−低級アルカンスルホニル、フェニルスルホニル、ジヒドロキシボラ(−B(OH))、2−メチル−ピリミジン−4−イル、オキサゾール−5−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、1−メチル−ピラゾール−3−イル、および二つの隣接炭素原子に結合したメチレンジオキシのような低級アルキレンジオキシからなる群から選択される1個または2個の同一置換基で置換されている、より特には、低級アルキル、特にメチル、ハロゲン、特に塩素または臭素、およびハロ−低級アルキル、特にトリフルオロメチルからなる群から選択された1個または2個の同一または異なった置換基で置換されているフェニルである。アリールは好ましくはまたナフチルである。
【0021】
ヘテロアリールは、好ましくは結合環において不飽和ヘテロ環式基であり、好ましくは単または二または三環式である;式Iの分子の基に結合している環において、少なくとも1個またはそれ以上、好ましくは1個から4個、特に1個または2個の対応するアリール基の炭素原子が、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子で置換されており、結合環は、好ましくは4個から12個、特に5個から7個の環原子を有する;ヘテロアリールは非置換、または上記でアリールの置換基として記載の置換基からなる群から選択される同一または異なる置換基で1個またはそれ以上、特に1個から3個置換されている;そして、特にイミダゾリル、チエニル、フリル、ピラニル、チアスレニル、イソベンゾフラニル、ベンゾフラニル、クロメニル、2H−ピロリル、ピロリル、低級アルキル置換イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、フェナンスリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナンスロリニルおよびフラザニルからなる群から選択され、これらの基の各々は、少なくとも一つのヘテロ原子を有する環を介して、式Iの分子に結合している;ピリジルが特に好ましい。ハロゲン、特にフッ素で置換されたインドリル、特に6−フルオロインドール−3−イルが特に好ましい。
【0022】
モノ−またはジ−置換アミノは、特に、メチルのような低級アルキル;2−ヒドロキシエチルのようなヒドロキシ−低級アルキル;フェニル−低級アルキル;アセチルのような低級アルカノイル;ベンゾイル;フェニル基が非置換であるか、または特にニトロおよびアミノから選択される、またはハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルおよびカルバモイルからも選択される1個またはそれ以上、好ましくは1個または2個で置換された置換ベンゾイル;およびフェニル基が非置換であるか、特にニトロおよびアミノから選択される、またはハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシ−カルボニル、低級アルカノイルおよびカルバモイルから選択される1個またはそれ以上、好ましくは1個または2個で置換されているフェニル−低級アルコキシカルボニルからなる群から選択される、1個または2個の同一または異なる基で置換されたアミノである;好ましくは、N−メチルアミノのようなN−低級アルキルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノのようなヒドロキシ−低級アルキルアミノ、ベンジルアミノのようなフェニル−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−フェニル−低級アルキル−N−低級アルキル−アミノ、N,N−ジ−低級アルキルフェニルアミノ、アセチルアミノのような低級アルカノイルアミノであるか、または、ベンゾイルアミノおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される置換基であり、各場合、フェニル基は非置換であるか、または特に、ニトロまたはアミノで、またはハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルで、またはカルバモイルで、または先に記載の基とは別に、またはそれに加えて、アミノカルボニルアミノで置換されている。
【0023】
ハロゲンは特にフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、より特にはフッ素、塩素または臭素である。
アルキルは好ましくは最大12個まで炭素原子を有し、特に低級アルキル、より特にはメチル、またエチル、n−プロピル、イソプロピルまたはtert−ブチルである。
【0024】
置換アルキルは、特にハロゲン、特にフッ素、およびまたアミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルからなる群から選択される1個またはそれ以上、特に3個までの置換基を有し得る、直前に定義したアルキル、特に低級アルキル、好ましくはメチルである。トリフルオロメチルが特に好ましい。
【0025】
エーテル化ヒドロキシは、特にn−デシルオキシのようなC−C20アルキルオキシ、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシまたはn−ペンチルオキシのような低級アルコキシ(好ましい)、ベンジルオキシのようなフェニル−低級アルコキシ、またはフェニルオキシであり、または、n−デシルオキシのようなC−C20アルキルオキシである前記のグループとは別に、またはそれに加えて、トリフルオロメチルオキシまたは1,1,2,2−テトラフルオロエトキシのようなハロ−低級アルコキシである。
【0026】
エステル化ヒドロキシは特に低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、tert−ブトキシカルボニルオキシのような低級アルコキシカルボニルオキシ、またはベンジルオキシ−カルボニルオキシのようなフェニル−低級アルコキシカルボニルオキシである。
【0027】
エステル化カルボキシは、特にtert−ブトキシカルボニルまたはエトキシ−カルボニルのような低級アルコキシカルボニル、フェニル低級アルコキシカルボニルまたはフェニルオキシカルボニルである。
アルカノイルは、特にアルキル−カルボニル、より特には低級アルカノイル、例えば、アセチルである。
【0028】
N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイルは、特に末端窒素原子で1個または2個の置換基低級アルキル、フェニル−低級アルキルまたはヒドロキシ−低級アルキルで置換されている。
アルキルフェニルチオは、特に低級アルキルフェニルチオである。
アルキルフェニルスルフィニルは、特に低級アルキルフェニルスルフィニルである。
アルキルフェニルスルホニルは、特に低級アルキルフェニルスルホニルである。
ピリジルYは好ましくは3−または4−ピリジルである。
【0029】
非置換または置換シクロアルキルは、好ましくは、非置換、またはアリールと、特にフェニルに関して定義のものと同じ方法で置換されているC−Cシクロアルキルである。シクロヘキシル、またはシクロペンチルまたはシクロプロピルが好ましい。4−tert−ブチルシクロヘキシルのような4−低級アルキル−シクロヘキシルがまた好ましい。
【0030】
Zは好ましくはアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノのようなヒドロキシ−低級アルキルアミノ、アセチルアミノのような低級アルカノイルアミノ、3−ニトロベンゾイルアミノのようなニトロベンゾイルアミノ、4−アミノベンゾイルアミノのようなアミノ−ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシカルボニルアミノのようなフェニル低級アルコキシカルボニルアミノまたは臭素のようなハロゲンである;好ましくは、特に、最後に述べた置換基の一つ、特にハロゲンである、一つのみの置換基が存在する(m=1)。Zが存在しない(m=0)、式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)が、非常に特に好ましい。
【0031】
ヘテロシクリルは、特に、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個または2個のヘテロ原子を有する、5または6員のヘテロシクリルであり、このヘテロシクリルは不飽和であるか、または完全にもしくは部分的に飽和されており、非置換または、特にメチルのような低級アルキルで置換されている;2−メチル−ピリミジン−4−イル、オキサゾール−5−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、1H−ピラゾール−3−イルおよび1−メチル−ピラゾール−3−イルからなる群から選択される基が好ましい。
【0032】
二つの隣接した炭素原子に結合するメチレンジオキシのような低級アルキレンジオキシで置換されているフェニルの形のアリールは、好ましくは3,4−メチレンジオキシフェニルである。
【0033】
波線で示す式I中の結合は、1重または2重結合のいずれかである。好ましくは、それらは両方とも同時に1重または2重結合である。
式Iの化合物のN−オキサイドは、好ましくはイソキノリン環窒素または、環員A、B、DおよびEにおける窒素が酸素原子を担持する、または1個またはそれ以上の記載の窒素原子が酸素原子を担持するN−オキサイドである。
【0034】
塩は、特に式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)の薬学的に許容される塩である。
【0035】
このような塩は、例えば、塩基性窒素原子を有する式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)により酸付加塩として、好ましくは、有機または無機酸、特に薬学的に許容される塩と形成される。適当な無機酸は、例えば、塩酸のような水素化ハロゲン酸;硫酸;またはリン酸である。適当な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、スルファミン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルコースモノカルボン酸、フマール酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルカール酸、ガラクタール酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、N−メチルグリシン、アセチルアミノ酢酸、N−アセチルアスパラギン、N−アセチルシステイン、ピルビン酸、アセト酢酸、ホスホセリンのようなアミノ酸、2−または3−グリセロホスホン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、1−または3−ヒドロキシナフチル−2−カルボン酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、2−フェノキシ−安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、グルクロン酸、ガラクトウロン酸、メタン−またはエタン−スルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチルまたはN−プロピル−スルファミン酸、またはアスコルビン酸のような他の有機プロトン酸である。
【0036】
カルボキシまたはスルホのような陰性に荷電した基が存在する場合、塩基との塩がまた形成され、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩、またはアンモニアまたは3級モノアミン、例えば、トリエチルアミンまたはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミンのような適当な有機アミンとのアンモニウム塩のような金属またはアンモニウム塩、またはヘテロ環式塩基、例えば、N−エチルピペリジンまたはN,N'−ジメチル−ピペラジンである。
【0037】
塩基性基および酸性基が同じ分子内に存在する場合、式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、また分子内塩を形成できる。
単離または精製のために、薬学的に許容されない塩、例えば、ピクリン酸または過塩素酸の使用も可能である。薬学的に許容される塩または遊離化合物(所望により医薬組成物の形)のみが治療に使用でき、したがってこれらが好ましい。
【0038】
遊離形の新規化合物と、中間体として、例えば、新規化合物の精製にまたはその同定において、中間体として使用することができるその塩も含む塩の形の間の密接な関係の観点から、前記および後記で、遊離化合物に関する言及はまた、対応する塩を、適当であり好都合な場合は含むと理解される。
【0039】
式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、最初および下記に記載のような、有価な薬学的特性を有する。
【0040】
本発明の化合物の、VEGFレセプターチロシンキナーゼ活性の阻害剤としての効果は、下記のように証明される:
VEGFレセプターチロシンキナーゼ活性に対する活性の試験:試験を、Flt-1 VEGFレセプターチロシンキナーゼを使用して行う。詳細に、方法は下記の通りである:20mM トリス・HCl pH7.6、3mM二塩化マンガン(MnCl)、3mM 塩化マグネシウム(MgCl)および3μg/mlのポリ(Glu, Tyr)4:1(Sigma, Buchs, Switzerland)、8μM [33P]−ATP(0.2μCi/バッチ)、1%ジメチルスルホキシド中の30μlのキナーゼ溶液(10ngのFlt-1のキナーゼドメイン, Shibuya et al., Oncogene 5, 519-524 (1990))および0から50μMの試験化合物中を、一緒に15分間室でインキュベートする。次いで、反応を10μlの0.25Mエチレンジアミン四酢酸(EDTA)pH7の添加により停止させる。20μlのアリコートを、PVDF(=ポリビニルズフルオリド)Immobilon P膜(Millipore, USA)上で、多チャンネルディスペンサー(LAB SYSTEMS, USA)を使用して真空につなぎ、それをMillipore Microtiter複数濾紙に採りこませる。液体が完全に除かれた後、膜を4回連続して各々10分、撹拌しながら、0.5%リン酸(HPO)を含む洗浄浴中でインキュベートし、次いでHewlett Packard TopCount Manifoldにマウントし、10μlのMicroscint(登録商標)(β−シンチレーションカウンター液;Packard, USA)の添加後、放射活性を測定する。IC50値を、各化合物の3つの濃度(一般に、0.01、0.1および1μM)における阻害の割合の直線回帰分析により決定する。見られる阻害値(式Iの阻害剤なしのコントロールと比較して、最大の半分の阻害であるIC50)は、特に10nmol/リットルから100μmol/リットル、より特に20から2000nmol/リットルである。
【0041】
類比により、同じ範囲のIC50阻害値を、KDRチロシンレセプターキナーゼを使用して確認する。
【0042】
本発明の化合物の腫瘍に対する効果は、下記のようにインビボで証明できる: ヌードマウス異物移植モデルにおけるインビボ効果:雌Balb/cヌードマウス(8−12週齢、例えば、Novartis Animal Farm, Sisseln, Switzerland)を、滅菌条件下で水および餌を自由に摂取させる。腫瘍を、腫瘍細胞(ヒト上皮細胞腫瘍系A-431;American Type Culture Collection (ATCC), Rockville, MD., USA, Catalogue Number ATCC CRL 1555;細胞系は85歳女性由来;類表皮癌細胞系)の皮下注射により、キャリアーマウスに誘導させる。得られる腫瘍を、次いで、処置の開始前に少なくとも3回の移植に付す。腫瘍フラグメント(約25mg)を、13ゲージTrocar針により、Forene(登録商標)麻酔(Abbott, Switzerland)下に、動物の左脇腹に皮下的にインプラントする。各々の試験化合物での処置を、腫瘍が100mmの平均腫瘍容量に到達したら直ぐに開始する。腫瘍生育を、いずれの場合も、最後の処置の24時間後、二つの垂直軸の長さの測定により、1週間2〜3回測定する。腫瘍容量を公開された方法(Evans et al., Brit. J. Cancer 45, 466-468 (1982)参照)により計算する。腫瘍に対する効果を、処置動物における腫瘍容量の平均増加を、非処置動物(コントロール)における腫瘍容量の平均増加で割り、100をかけたものとして計算し、T/C%として示す。腫瘍抑制(%で示す)は、処置の最初の平均腫瘍容量に基づいた最小平均腫瘍容量として示す。試験化合物を、毎日胃管栄養法で投与する。
【0043】
細胞系A-431の代わりに他の細胞系、例えば
−MCF-7乳腺癌細胞系(ATCC No. HTB 22;J. Natl. Cancer Inst. (Bethesda)51, 1409-1416 (1973)も参照);
−MDA-MB 468乳腺癌細胞系(ATCC No. HTB 132;In Vitro 14, 911-915(1978)も参照);
−MDA-MB 231乳腺癌細胞系(ATCC No. HTB 26;J. Natl. Cancer Inst. (Bethesda)53, 661-674 (1974)も参照);
−Colo 205大腸癌細胞系(ATCC No. CCL 222;Cancer Res. 38, 1345-1355 (1978)も参照);
−HCT 116大腸癌細胞系(ATCC No. CCL 247;Cancer Res. 41, 1751-1756 (1981)も参照);
−DU145前立腺癌細胞系DU 145(ATCC No. HTB 81;Cancer Res. 37, 4049-4058(1978)も参照);
−PC-3前立腺癌細胞系PC-3(ATCC No. BRL 1435;Cancer Res. 40, 524-534(1980)も参照)も同様に使用し得る。
【0044】
VEGF−誘導KDR自己リン酸化の阻害は、更なるインビトロセル実験の手段で証明できる。永久にヒトVEGFレセプター(KDR)を発現するトランスフィックスした(transfixed)CHO細胞を、6ウェル培養プレート中の培養培地(10%ウシ胎児血清(=FCS)を含む)に蒔き、37℃、5%COで、それらが80%コンフルエントになるまでインキュベートする。次いで、試験化合物を培養培地(FCSなし、0.1%ウシ血清アルブミン=BSA添加)で希釈し、FCS−含有培地の除去後、細胞に加える(コントロールは試験化合物無しの培地を投与される)。2時間、37℃でのインキュベーション後、組換えVEGFをそれに加える;VEGFの最終濃度は20ng/mlである。更に5分、37℃でインキュベーション後、細胞を2回氷冷PBS(リン酸緩衝化食塩水)で洗浄し、直ぐにウェル当たり100μlの融解緩衝液に融解する。15分、4℃(氷上)の後、融解物を遠心して細胞核を除去し、上清のタンパク質濃度を、市販のタンパク質アッセイ(BIORAD)の手段で決定する。融解物を、次いで、更に直ぐに使用するか、または必要な場合、−20℃で貯蔵する。
【0045】
KDRリン酸化を決定するために、“サンドイッチELISA”を行う:KDRに対するモノクローナル抗体(例えば、Mab 1495.12.14;H. Towbinにより製造)を黒色ELISAプレートに固定する(PackardのOptiPlate(登録商標)HTRF-96)(50μlのPBS中ウェル当たり50ng)。次いで、プレートを洗浄し、残っている遊離タンパク質結合部位を1%BSAのPBS溶液で飽和させる。次いで、細胞融解物(ウェル当たり20μgのタンパク質)を、一晩、4℃で、アルカリホスファターゼに結合する抗ホスホチロシン抗体(Transduction LaboratoriesのPY20:AP)と共にインキュベートする。抗ホスホチロシン抗体の結合を、次いで蛍光AP基質(CDP-Star Ready to use with Emerald II;TROPIX)を使用して測定する。蛍光を、Packard Top Count Microplate Scintillation Counter (Top Count)で測定する。陽性コントロール(VEGFで刺激)からのシグナルと、陰性コントロール(VEGFでの刺激なし)からの間の差は、VEGF−誘導KDRリン酸化(=100%)に対応する。試験する基質の活性は、VEGF−誘導KDRリン酸化の阻害%として計算し、最大の半分の阻害をもたらす基質の濃度をED50(50%阻害の有効量)と命名する。式Iの化合物は、5nMから10μM、特に5nMから500nMの範囲のED50を示す。
【0046】
式Iの化合物、またはそのN−オキサイドはまた、全て、ヒトを含む哺乳類細胞における成長抑制および形質転換に役割を担う、栄養因子により介在されるシグナル伝達に関与する他のチロシンキナーゼ、例えば、ablキナーゼ、srcキナーゼのファミリー由来のキナーゼ、特にc-srcキナーゼ、lck、fyn;また、EGFファミリーのキナーゼ、例えば、c-erbB2キナーゼ(HER-2)、c-erbB3キナーゼ、c-erbB4キナーゼ;インシュリン成長因子レセプターキナーゼ(IGF-1キナーゼ)、特にPDGFレセプターキナーゼ、CSF−1レセプターキナーゼ、KitレセプターキナーゼおよびVEGFレセプターキナーゼのようなPDGFレセプターチロシンキナーゼファミリーのメンバー、特にKDRおよびFlk;およびまたセリン/スレオニンキナーゼを、種々の程度で阻害する。
【0047】
c-erbB2チロシンキナーゼ(HER-2)は、例えば、EGF-Rプロテインキナーゼと同様にして測定できる(House et al., Europ. J. Biochem. 140, 363-367 (1984)参照)。C-erbB2キナーゼは単離でき、その活性は、それ自体既知の方法で測定できる(例えば、Akiyama et al., Science 232, 1644 (1986)参照)。
【0048】
PDGFレセプターキナーゼにおける阻害作用は、Trinks et al.(J. Med. Chem. 37(7):1015-1027 (1994)参照)の方法によりまた測定できる。
【0049】
これらの試験を基にして、本発明の式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、特に、プロテイン−キナーゼ依存的疾患、特に増殖性疾患に対して治療的活性を示す。
【0050】
VEGF−レセプターチロシンキナーゼ活性の阻害剤としてのその効果に基づいて、式Iの化合物、特に本発明の式IAの新規化合物は、主に血管の生育を阻害し、したがって、例えば、非制御血管形成に関与する多くの疾患、特に、眼新血管新生によりもたらされる疾患、特に糖尿病性網膜症または年齢関連性黄斑変性のような網膜症、乾癬のような増殖性または剥離性皮膚疾患;“イチゴ状血管腫”(=血管腫)のような血管芽腫;慢性または急性腎疾患のような糸球体間質細胞増殖性疾患、例えば、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管障害症候群または移植拒絶反応、または特に糸球体腎炎、特にメサンギウム増殖性糸球体腎炎、溶血性***症候群(haemolytic-uraemic syndrome)、糖尿病性ネフロパシーまたは、高血圧性腎硬化症のような炎症性腎疾患、アテローム、動脈再狭窄、自己免疫疾患、急性炎症、繊維症症候群(例えば、肝硬変)、糖尿病、子宮内膜症、慢性喘息、動脈アテローム性動脈硬化症および移植後に起こるアテローム性動脈硬化症、神経退行性疾患および特に、乳癌、大腸の癌、肺癌(特に、小細胞肺癌)、または前立腺の癌、カポジ肉腫、CNS癌、卵巣癌、腎臓癌またはVHL腫瘍のような新生物疾患(固体腫瘍だけでなく、白血病および“他の流動腫瘍”、特にc-kit、KDRおよびflt-1を発現するもの)に対して有効である。式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、腫瘍の生育を阻害し、特に腫瘍の転移拡散および微小転移癌の生育を予防する。さらに、それらは炎症性リウマチまたはリウマチ性疾患および/または疼痛の処置、より具体的に関節リウマチおよび/または疼痛の処置に使用できる。
【0051】
式Iの化合物は、ある場合、また他の成長因子(例えば、PDGFまたはbFGF)により誘導される血管形成過程も阻害する。さらに、それらは他のキナーゼを、種々の効果の程度で阻害し、したがって、他の症候群の制御に使用できる。
【0052】
式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、それ自体、または1個またはそれ以上の他の治療的薬剤と共に投与でき、それは、固定された組合わせの使用、または本発明の化合物と、1個またはそれ以上の他の治療的薬剤の、時間をずらした方法、または互いに無関係な投与が可能であり、または固定された組合わせおよび1個またはそれ以上の他の治療剤の組合わせ投与が可能である。特に、腫瘍処置のための式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)の投与は、化学療法(1個またはそれ以上の他の化学療法剤、特に細胞増殖抑止剤、またはホルモンもしくはホルモン様活性を有する化合物との組合わせ)、放射治療、免疫治療、外科的処置、またはそれらの組合わせと一緒に、またはそれに加えて行うことができる。直前に記載のような他の治療法に関連して、アジュバント治療であるため、長期治療がまた可能である。腫瘍鎮静の後、または、例えば、危険な状態の患者の場合における化学防御的処置の後でさえ、患者の状態を維持するための処置もまた可能である。
【0053】
本発明の化合物を、特に1個またはそれ以上の抗増殖性、細胞増殖抑制性または細胞毒性化合物、例えば、ポリアミン性合成の阻害剤、プロテインキナーゼ、特にプロテインキナーゼCのようなセリン/スレオニンプロテインキナーゼ、または表皮成長因子レセプタープロテインチロシンキナーゼのようなチロシンプロテインキナーゼの阻害剤、サイトカイン、TGF−βまたはIFN−βのような負の成長調節剤、アロマターゼ阻害剤、ホルモンまたはホルモンアナログ、および慣用の細胞増殖抑止剤から選択される1個またはそれ以上の化学治療剤と組合わせることができる治療剤が考慮される。
【0054】
本発明の化合物は、ヒトの(予防的、および好ましくは治療的)処置だけでなく、他の温血動物、例えば、商品として有用な動物、例えば、マウス、ウサギまたはラット、またはモルモットのような齧歯類の処置も意図する。それらは、他の化合物との比較を可能にするための、上記試験系における標準化合物としてまた使用できる。
【0055】
一般に、本発明はまた、VEGF−Rチロシンキナーゼ活性の阻害における式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)の使用に関する。
【0056】
式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、例えば、元の“宿主”としての温血動物、特にヒトから得、マウスに移植した腫瘍を、このような化合物の添加後の減少した成長を試験するための診断目的で、したがって、問題の化合物に対する感受性の試験のために使用でき、したがって、元の宿主における腫瘍疾患の可能性のある処置法をより良く確認し、決定することを可能にする。
【0057】
下記の式Iの化合物の好ましいグループにおいて、上記の一般的定義由来の置換基の定義を、例えば、より特異的な定義、または特に、好ましいとして示されている定義に、より一般的な定義を置き換えるために、便宜上、使用し得る;好ましいとして上記で示した、または例示の方法で記載の定義が、いずれの場合も好ましい。
【0058】
式中、
rが0から2、好ましくは0;
nが0または1;
mが1または、特に、0;
A、B、DおよびEが各々CH、またはA、DおよびEは各々CHおよびBがN;
Gが低級アルキレン、特にメチレンまたはエチレン(−CH−CH−)、−CH−NH−、−CH−O−、ヒドロキシメチレンまたはベンゾイルオキシ−メチレン;
QがA、DまたはAとDに結合したメチル;
RがHまたは低級アルキル、特にHまたはメチル;
Xがイミノ、オキサまたはチア;
Yが、非置換または、アミノ;低級アルカノイルアミノ、特にアセチルアミノ;ハロゲン、特にフッ素、塩素または臭素;低級アルキル、特にメチル、またはエチルまたはプロピル;ハロ−低級アルキル、特にトリフルオロメチル;ヒドロキシ;低級アルコキシ、特にメトキシ、またはエトキシ;フェニル−低級アルコキシ、特にベンジルオキシ;およびシアノからなる群から選択される、または(前記の置換基の群とは別に、またはそれに加えて)、エテニルのような低級アルケニル、C−C12アルコキシ、特にn−デシルオキシ、tert−ブトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−メチル−またはN−tert−ブチル−カルバモイルのような低級アルキルカルバモイル、アセチルのような低級アルカノイル、フェニルオキシ、トリフルオロメトキシまたは1,1,2,2−テトラフルオロエチルオキシのようなハロ−低級アルキルオキシ、エトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル、メチルメルカプトのような低級アルキルメルカプト、トリフルオロメチルメルカプトのようなハロ−低級アルキルメルカプト、ヒドロキシメチルまたは1−ヒドロキシメチルのようなヒドロキシ−低級アルキル、メタンスルホニルのような低級アルカンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニルのようなハロ−低級アルカンスルホニル、フェニルスルホニル、ジヒドロキシボラ(−B(OH))、2−メチル−ピリミジン−4−イル、オキサゾール−5−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、1−メチル−ピラゾール−3−イル、および二つの隣接炭素原子に結合したメチレンジオキシのような低級アルキレンジオキシからなる群から選択される1個または2個の同一または別の置換基により、特に、塩素または臭素のようなハロゲン、メチルのような低級アルキルおよびトリフルオロメチルのようなハロ−低級アルキルから選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニル;または、Yがピリジル、特に3−ピリジル;Yが特にフェニル、2−、3−または4−アミノフェニル、2−、3−または4−アセチルアミノフェニル、2−、3−または4−フルオロフェニル、2−、3−または4−クロロフェニル、2−、3−または4−ブロモフェニル、2,3−、2,4−、2,5−または3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニルのようなクロロ−フルオロ−フェニル、または4−クロロ−−フルオロアニリノ、2−、3−または4−メチルフェニル、2−、3−または4−エチルフェニル、2−、3−または4−プロピルフェニル、3−フルオロ−4−メチルフェニルのようなメチル−フルオロフェニル、2−、3−または4−トリフルオロメチルフェニル、2−、3−または4−ヒドロキシフェニル、2−、3−または4−メトキシフェニル、2−、3−または4−エトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシカルボニルのようなメトキシ−クロロ−フェニル、2−、3−または4−ベンジルオキシフェニル、2−、3−または4−シアノフェニル、または2−、3−または4−ピリジル;またはYが、より特には4−クロロフェニル、2−、3−または4−メチルフェニル、4−クロロ−5−トリフルオロ−メチルフェニル、3−ブロモ−5−トリフルオロメチルフェニル、またはYが非常に特には3,5−ジメチルフェニル;または特に4−メチル−3−ヨードフェニル、3,−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3−ブロモ−4−エチル−フェニルまたは3−クロロベンジルフェニル;
Zがアミノ;N−メチルアミノのようなN−低級アルキルアミノ;2−ヒドロキシエチルアミノのようなヒドロキシ−低級アルキルアミノ;ベンジルアミノのようなフェニル−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルアミノ;N−フェニル−低級アルキル−N−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルフェニルアミノ;アセチルアミノのような低級アルカノイルアミノ;または、ベンゾイルアミノおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される置換基であり、いずれの場合も、フェニル基は非置換であるか、または、特に、ニトロまたはアミノにより、またはハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシ−カルボニル、低級アルカノイルまたはカルバモイルにより置換されている;または、Zがハロゲン、特に臭素;より特にはアミノ、アセチルアミノ、ニトロベンゾイルアミノ、アミノベンゾイルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノまたは臭素;そして
波線で示される結合が、各々2重結合であるか、または1重結合である、
式Iの化合物、またはその塩が好ましい。
【0059】
式中、
rが0;
nが0;
mが0;
A、B、DおよびEが各々CH;
Gが低級アルキレン、特にメチレン;
Xがイミノ;
Yが、非置換または、ハロゲン、特にフッ素、または、より特には塩素または臭素;低級アルキル、特にメチル;およびハロ−低級アルキル、特にトリフルオロメチルからなる群から選択される1個または2個の同一または異なった置換基により置換されているフェニル;特に4−クロロフェニル、2−、3−または4−メチルフェニル、4−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、3−ブロモ−5−トリフルオロメチルフェニル、またはより特には3,5−ジメチルフェニル;または4−メチル−3−ヨードフェニル、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニルまたは3−ブロモ−4−エチル−フェニル;そして
波線で示す結合が2重結合である、
式Iの化合物、またはその塩が特に好ましい。
【0060】
式中、
rが0;
nが0から2;
mが0;
A、B、DおよびEが各々CH;
Gがメチレン;
RがH;
Xがイミノ(NH);そして
Yが、非置換、または4−クロロフェニルまたは4−メトキシフェニルのようなハロゲン、特に塩素、または低級アルコキシ、特にメトキシで置換されているフェニル;ナフチル;非置換、または4−tert−ブチル−シクロヘキシルのような低級アルキル、特にtert−ブチルで置換されているシクロヘキシル;非置換、または、ハロゲン、特にフッ素で置換されているインドリル、特に6−フルオロインドール−3−イル;または低級アルキル、特にイソペンチルである、
式Iの化合物、または塩形成基が存在する場合、その塩がまた特に好ましい。
【0061】
下記の実施例、特に実施例1から5に記載のような式Iの化合物、特に式IAの化合物、またはその薬学的に許容される塩、特に、実施例に特記の化合物、またはその塩が特に好ましい。
実施例80において1μMより小さいIC50を有する全ての式Iの化合物も特に好ましい。
【0062】
実施例8、17、42、45、46、47、58、60、62、68、69、70、87、100、111、112、113、115、116、117、118および132に記載の化合物から選択される化合物、またはその塩も特に好ましい。
【0063】
N−(3,5−ジメチル−フェニル)−[4−(ピリジン−4−イルメチル)−イソキノリン−1−イル]アミンという名称の化合物(式Iを基本にして、記号は以下の意味を有する:r=n=m=0;A=B=D=E=CH;G=CH;X=NH;Y=3,5−ジメチルフェニル);またはその塩が非常に特に好ましい。
【0064】
本発明の化合物は、他の化合物に関してそれ自体既知の方法で、特に
a)式II
【化7】
Figure 0004516690
〔式中、r、m、A、B、D、E、G、QおよびZ、および波線で示す結合は式Iの化合物に関して定義の通り、およびLはヌクレオフューガルな(nucleofugal)脱離基である〕
の化合物と、式III
【化8】
Figure 0004516690
〔式中、n、R、XおよびYは式Iの化合物で定義の通りである〕
の化合物を反応させる(必要な場合、式IIおよびIIIの化合物に存在する反応に関与しない官能基は保護形であり、存在する保護基を除去し、工程a)で記載の出発物質は、塩形成基が存在し、塩形での反応が可能である場合、塩形でもあり得る);
および所望の場合、得られた式Iの化合物またはそのN−オキサイドを他の式Iの化合物またはそのN−オキサイドに変換し、式Iの遊離化合物またはそのN−オキサイドを塩形に変換し、得られた式Iの化合物またはそのN−オキサイドの塩を遊離化合物または他の塩に変換し、および/または式Iの化合物またはそのN−オキサイドの異性体化合物の混合物を個々の異性体に分離することにより、製造できる。
【0065】
変法の詳細な記載
以下の製造過程のより詳細な記載において、r、n、m、A、B、D、E、G、Q、R、X、YおよびZおよび波線で示す結合は、特記しない限り、式Iの化合物で定義の通りである。
【0066】
工程a)
式IIの化合物において、ヌクレオフューガルな脱離基Lは特にハロゲン、より特に臭素、ヨウ素、または、非常に特には塩素である。
【0067】
式IIの化合物と式IIIの化合物の間の反応は、適当な不活性極性溶媒、特にアルコール、例えば、メタノール、プロパノール、または特にエタノールまたはn−ブタノールのような低級アルカノール中で行うか、または、特に、反応体の一つが液体形である場合、溶媒の添加なしの融解で行う。反応は、上昇した温度、好ましくは約60℃から還流温度で、例えば、還流条件下で、または約90から約110℃の温度で行う。式IIIの化合物は、塩の形、例えば、水素化ハロゲンのような強い酸との酸付加塩、例えば、塩酸塩の形で使用でき、または、対応する酸、例えば、塩酸を、適当な溶媒、例えばジオキサンのようなエーテルに添加できる。
【0068】
式IIおよび/またはIIIの化合物に、1個またはそれ以上の他の官能基、例えば、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトが、それらが反応に関与しないため、保護形で存在するか、保護形で存在しなければならない場合、保護基は、ペプチド化合物の合成だけでなく、またセファロスポリンおよびペニシリンの、ならびに核酸誘導体および糖の合成にも慣用的に使用される基である。保護基はすでに前駆体に存在し得、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解等のような望ましくない二次反応に対して、当該官能基を保護する。出発物質の反応を避けるべき官能基、特に、カルボキシ、アミノ、ヒドロキおよびメルカプト基のための保護基は、特に、ペプチド化合物、セファロスポリン、ペニシリンまたは核酸誘導体および糖の合成に慣用的に使用される保護基(慣用の保護基)を含む。保護基はすでに前駆体に存在し得、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解等のような望ましくない二次反応に対して、当該官能基を保護する。ある場合、保護基は、選択的な、例えば、立体選択的な反応の進行をもたらすことができる。容易に、すなわち、望ましくない二次反応なしに、例えば、加溶媒分解、還元、光分解、または酵素的に、例えば、また生理学的条件と同様の条件下で除去でき、最終生産物に存在しないのが、保護基の特長である。当業者は、どの保護基が前記および後記の反応に適しているか知っており、または容易に見つけることができる。
【0069】
このような保護基による官能基の保護、保護基それ自体、およびその除去のための反応は、例えば、J. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, Th. W. Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Wiley, New York 1981, “The Peptides”; Volume 3 (E. Gross and J. Meienhofer, eds.), Academic Press, London and New York 1981, “Methoden der organishen Chemie”, Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974, H.-D. Jakubke and H. Jescheit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine”, Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach and Basle 1982およびLochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivative”, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974のような標準的著書に記載されている。
【0070】
実施例に記載の保護基は好ましくは記載の方法の同様にして挿入し、必要な場合、除去する。
【0071】
付加的工程段階
望ましい場合に実施する付加的工程段階において、反応に関与しない出発化合物中の官能基が、非保護形または保護形で存在し得、例えば、a)で記載した1個またはそれ以上の保護基により保護されている。保護の全てまたは幾つかを、次いで、a)で記載の方法の一つにより除去する。
【0072】
塩形成基を有する式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)の塩は、それ自体既知の方法で製造できる。例えば、式Iの化合物またはそのN−オキサイドの酸付加塩は、例えば、酸または適当なアニオン交換試薬との処理により得ることができる。二つの酸分子(例えば、式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)のジハライド)を有する塩を、式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)あたり1個の酸分子を有する塩に変換することも可能である(例えば、モノハロゲンへの変換);これは、例えば、溶解状態まで加熱し、または、例えば、高真空下、上昇した温度で固体形を、例えば、130から170℃に加熱し、式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)の分子当たり酸の一つの分子を放出させることにより達成できる。
【0073】
塩は、慣用の方法で、例えば、適当な塩基性試薬、例えば、アルカリ金属炭酸塩、炭酸水素塩または水酸化物、例えば、炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することにより遊離化合物に変換できる。
【0074】
立体異性体混合物、例えば、ジアステレオマーの混合物を、それ自体既知の方法で、適当な分離工程の手段により、対応する異性体に分離できる。例えば、ジアステレオマー混合物を、個々のジアステレオマーに、分別結晶、クロマトグラフィー、溶媒分配等により分離できる。分離は、出発物質の一つの段階で、または式Iの化合物それ自体の場合のいずれかで行い得る。エナンチオマーは、例えば、鏡像異性的に純粋なキラル酸との塩形成によるジアステレオマー塩の形成により、クロマトグラフィー法、例えば、キラルリガンドを有するクロマトグラフィー担体物質上でのクロマトグラフィー、例えば、HPLCにより分離できる。
【0075】
式Iの化合物は、対応するN−オキサイドに変換できる。反応は、適当な酸化剤、好ましくは過酸化物、例えば、m−クロロ過安息香酸との、適当な溶媒、例えば、クロロホルムまたは塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素中、または酢酸のような低級アルカンカルボン酸中、好ましくは0℃から反応混合物の沸点の温度、特にほぼ室温で行う。
【0076】
Zが低級アルカノイルアミノである式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、例えば、無機酸、特に塩酸(HCl)との、更なる溶媒の添加が可能である水性溶液中での、好ましくは上昇した温度、例えば、還流下での加水分解により、対応するアミノ化合物(Z=アミノ)に加水分解される。
【0077】
Zが、低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキルおよびフェニル−低級アルキルから選択される1個またはそれ以上の同一または異なる基により置換されたアミノである式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、アミノ基で、例えば、低級アルキルハライド、ヒドロキシ−低級アルキルハライド(必要な場合、ヒドロキシ保護された(工程a)参照)、またはフェニル−低級アルキルハライドとの、工程a)で記載したのと類似の反応条件下での反応により、アミノ基を相応じて置換された化合物に変換できる。アミノ基Zへの2−ヒドロキシ−低級アルキル置換基の挿入のために、エポキシド(例えば、エチレンオキシド)から出発した付加も可能である。付加は、特に水性溶液中および/またはアルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールまたはエチレングリコールのようなアルコール、ジオキサンのようなエーテル、ジメチルホルムアミドのようなアミド、またはフェノールのようなフェノール類のような極性溶媒の存在下、およびまた無水条件下、ベンゼンおよびトルエンのような無極性溶媒中、または所望により酸または塩基触媒の存在下のベンゼン/水エマルジョン、例えば、水酸化ナトリウム溶液のようなアルカリ溶液、または水酸化アルミニウムのようなヒドラジン・ドープされた固相触媒の存在下、エーテル、例えば、ジエチルエーテル中、一般に、約0℃から当該反応混合物の沸点の温度、好ましくは20℃から還流温度で、適当な場合、それにより沸点もまた超え得る上昇した圧力下、例えば、ボンベ管中、および/または窒素またはアルゴンのような不活性ガス中で行う。アミノ基Zの低級アルカンアルデヒド、フェニル−低級アルカンアルデヒドまたはヒドロキシ−低級アルカンアルデヒド(必要な場合、ヒドロキシ保護されている)でのアミノ基Zの還元的アルキル化もまた可能である。還元的アルキル化は、好ましくは、触媒、特にプラチナ、または特に、好ましくは炭素のような支持物質に結合したパラジウムのような貴金属触媒、またはラネイニッケルのような重金属触媒の存在下の、常圧、または0.1から10メガパスカル(MPa)の圧力での、または水素化ホウ素のような複合ハイドライド、特にアルカリ金属シアノボロハイドライド、例えば、シアノボロハイドライドナトリウムの手段による、適当な酸、好ましくは、低級アルカンカルボン酸、または、特に、p−トルエンスルホン酸のようなスルホン酸のような相対的に弱い酸の存在下での、慣用的な溶媒、例えば、メタノールまたはエタノールのようなアルコール、またはエーテル、テトラヒドロフランのような環状エーテル中の、水の存在下または不存在下の還元により行う。
【0078】
式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)において、アミノ基Zは、アシル化により、低級アルカノイル、ベンゾイル、置換ベンゾイルにより、またはフェニル−低級アルコキシカルボニル(フェニル基は非置換または置換されている)により置換されているアミノ基に変換できる。遊離カルボキシを含む対応する酸、またはその反応性酸誘導体の形、例えば、誘導活性化エステルまたは反応性無水物の形も、反応性環状アミドである。反応性酸誘導体はまたその場所で形成できる。活性化エステルは、特に、エステル化する基の結合炭素原子で不飽和であるエステル、例えば、ビニルエステル(例えば、対応するエステルの酢酸ビニルによるエステル交換により、得られ得る;活性化ビニルエステル法)、カルバモイルエステル(例えば、対応する酸のイソキサゾリウム試薬での処理による得られ得る;1,2−オキサゾリウムまたはWoodward法)、または1−低級アルコキシビニルエステル(例えば、対応する酸の低級アルコキシアセチレンでの処理により得られ得る;エトキシアセチレン法)ようなビニルエステル化タイプ、または、N,N'−ジ置換アミジノエステル(例えば、対応する酸の、適当なN,N'−ジ置換カルボジイミド、例えば、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、または特にN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミドでの処理により得られ得る;カルボジイミド法)、またはN,N−ジ置換アミジノエステル(例えば、対応する酸のN,N−ジ置換シアナミドでの処理により得られ得る;シアナミド法)のようなアミジノタイプのエステル、適当なアリールエステル、特に求電子置換基により置換されたフェニルエステル(例えば、対応する酸と、適当に置換されたフェノール、例えば、4−ニトロフェノール、4−メチルスルホニルフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェノールまたは4−フェニルジアゾフェノールでの、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドのような縮合剤の存在下の処理により得られ得る;活性化アリールエステル法)、シアノメチルエステル(例えば、対応する酸の、クロロアセトニトリルでの、塩基の存在下での処理により得られ得る;シアノメチルエステル法)、特に非置換、または置換された、例えば、ニトロ置換されたチオエステル、フェニルチオエステル(対応する酸の、非置換または置換、例えば、ニトロ置換されたチオフェノールでの、とりわけ、無水またはカルボジイミド法により処理により得られ得る;活性化チオエステル法)、または、特にアミノまたはアミドエステル(例えば、対応する酸の、N−ヒドロキシアミまたはN−ヒドロキシアミド化合物、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシピペリジン、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボレン−2,3−ジカルボン酸イミド、1−ヒドロキシベンズトリアゾールまたは3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンズトリアジン−4−オンでの、例えば、無水またはカルボジイミド法での処理により得られ得る;活性化N−エステル法)である。内部エステル、例えば、γ−ラクトンも使用できる。酸の無水物は対称、または好ましくはこれらの酸の混合無水物、例えば、酸ハライド、特に酸クロライド(例えば、対応する酸の塩化チオニル、五塩化リン、ホスゲンまたは塩化オキザリルでの処理により得られ得る;酸クロライド法)、アジド(例えば、対応する酸、対応するヒドラジド経由を介し、それの亜硝酸での処理により得られ得る;アジド法)のような無機酸との無水物、カルボン酸セミエステルとの無水物、例えば、カルボン酸低級アルキルセミエステル(特に、クロロギ酸メチルエステル)(例えば、対応する酸の、クロロギ酸低級アルキルエステルまたは1−低級アルコキシカルボニル−2−低級アルコキシ−1,2−ジヒドロキノリンでの処理により得られ得る;混合O−アルキルカルボン酸無水物法)、またはジハロゲン化、特にジクロロ化、リン酸との無水物(例えば、対応する酸の、酸塩化リンでの処理により得られ得る;酸塩化リン法)、他のリン酸誘導体との(例えば、フェニルN−フェニルホスホロアミジノクロリデートにより得られるもの、またはアルキルリン酸アミドの、スルホン酸無水物および/またはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールのようなラセミ化還元添加剤存在下、またはシアノリン酸ジエチルエステル存在下での反応により得られるもの)またはリン酸誘導体との無水物、または、有機カルボン酸との(例えば、対応する酸の、非置換または置換低級アルカン−またはフェニル−低級アルカン−カルボン酸ハライド、例えば、フェニル酢酸、ピバル酸またはトリフルオロ酢酸塩化物での処理により得られ得る;混合カルボン酸無水物法)、または有機スルホン酸との(例えば、対応する酸のアルカリ金属塩のような塩の、低級アルカン−またはアリール−、例えば、メタン−またはp−トルエン−スルホン酸クロライドのような適当な有機スルホン酸ハライドでの処理により得られ得る;混合スルホン酸無水物法)混合無水物のような有機酸との無水物、ならびに対称無水物(例えば、対応する酸の、カルボジイミドまたは1−ジエチルアミノプロピンの存在下での縮合により得られる;対照無水物法)であり得る。適当な環状アミドは、特に、イミダゾールとのアミド、例えば、イミダゾール(例えば、対応する酸の、N,N'−カルボニルジイミダゾールでの処理により得られ得る;イミダゾール法)、またはピラゾール、例えば、3,5−ジメチルピラゾール(例えば、酸ヒドラジドを介した、アセチルアセトンでの処理により得られ得る;ピラゾリド法)のような芳香族性質の5員ジアザサイクルである。記載のように、アシル化剤として使用するカルボン酸の誘導体は、またその場で形成できる。例えば、N,N'−ジ置換アミジノエステルは、その場で、式Iの出発物質と、アシル化剤として使用する酸の、適当なN,N'−ジ置換カルボジイミド、例えば、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、または特に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミドの存在下での反応により形成できる。さらに、アシル化剤として使用する酸のアミノまたはアミドエステルは、アシル化する式Iの出発物質の存在下、対応する酸およびアミノ出発物質の混合物、N,N'−ジ置換カルボジイミド、例えば、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、およびN−ヒドロキシアミンまたはN−ヒドロキシアミド、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドの存在下、所望により、適当な塩基、例えば、4−ジメチルアミノピリジンの存在下での反応により形成できる。さらに、活性化は、その場で、O−ベンズトリアゾール−1−イル−N,N,N',N'−テトラ−メチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(1,−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン−(1,5,5)の不存在下または存在下)またはO−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンズトリアゾリン−3−イル)―N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートのようなN,N,N',N'−テトラアルキルウロニウム化合物との反応により達成できる。最後に、カルボン酸のリン酸無水物は、その場で、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアルキルリン酸アミドを、4−トルエンスルホン酸無水物のようなスルホン酸無水物の存在下、テトラフルオロホウ酸塩、例えば、テトラフルオロホウ酸ナトリウムのような塩、またはベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオリドのようなヘキサメチルリン酸トリアミドの異なる誘導体と、好ましくはN−ヒドロキシベンズトリアゾールのようなラセミ化還元剤の存在下で反応させることにより製造できる。所望により、有機塩基、好ましくは、3級アミン、例えば、トリ−低級アルキルアミン、特にエチルジイソプロピルアミン、より特にはトリエチルアミンおよび/またはヘテロ環式塩基、例えば、4−ジ−メチルアミノピリジン、または好ましくはN−メチルモルホリンまたはピリジンを添加する。縮合は、好ましくは、不活性、無極性、好ましくは無水溶媒、または溶媒混合物中、例えば、カルボン酸アミド、例えば、ホルムアミドまたはジメチルホルムアミド、ハロゲン化炭化水素、例えば、塩化メチレン、四塩化炭素または塩化ベンゼン、ケトン、例えば、アセトン、環状エーテル、例えば、テトラヒドロフランまたはジオキサン、エステル、例えば、エチルアセテート、または、ニトリル、例えば、アセトニトリル、またはそれらの混合物中、適当な場合、低下したまたは上昇した温度、例えば、約−40℃から約+100℃、好ましくは約−10℃から+70℃の範囲、アリールスルホニルエステルを使用する場合、また約+100℃から+200℃の範囲、特に10から30℃の範囲で、適当な場合、不活性ガス雰囲気下、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気で行う。水性、例えば、アルコール性溶媒、例えばエタノール、または芳香族溶媒、例えば、ベンゼンまたはトルエンも可能である。
【0079】
式Iの化合物のニトロ基Zは、アミノ基に、例えば、金属または選択的水素化により;例えば、硫酸マグネシウム/アンモニウムのメタノール/水のような水/アルコール混合物中での、上昇した温度、例えば、30から60℃での反応により(Synth. Commun. 25(2), 4025-4028 (1995)参照);亜鉛/ボロハイドライドのジメチルホルムアミドのような酸アミド溶液中での、室温より低い、例えば、約0℃での反応により;1,1'−ジ−オクチル−4,4'−ビピリジニウムジブロミド/四チオン酸ナトリウム/炭酸カリウムとの、水/ハロゲン化炭化水素混合物、例えば、水/塩化メチレン混合物中での、上昇した、例えば、25から35℃での反応により(Tetraherdon Lett. 34(46)), 7445-7446 (1993)参照);ナトリウムボロハイドライドとの、塩素形のAmberlyte IRA-400イオン交換体上でのメタノール/水のようなアルコール中での、0から40℃の好ましい温度での反応により(Synthetic Commun. 19(5/6), 805-811 (1989)参照);ハロゲン化炭化水素/アルコール混合物、例えば、塩化メチレン/メタノール中のカリウムボロハイドライドとの、10から35℃の好ましい温度での反応により(Synthetic Commun. 19(17), 3047-3050 (1989)参照);ナトリウムボロハイドライドのジオキサン溶液により;ボランのテトラヒドロフラン溶液により;アルコール中のPd/C存在下の、0から35℃の好ましい温度でのおよびギ酸アンモニウム存在下での水素化により(Tetrahedron Lett. 25(32), 3415-3418 (1989)参照);四塩化チタン/水素化アルミニウムリチウムまたは四塩化チタン/マグネシウムのテトラヒドロフランのようなエーテル溶液により(Bull. Chem. Soc. Belg. 91(1), 51-53 (1988)参照);または上昇した温度、好ましくは還流下での塩化鉄(III)アンモニウム/水により(Synth. Commun. 22, 3189-3195 (1992))還元できる。
【0080】
Gがアシルオキシ置換低級アルキルであり、他の基が式Iで定義の通りである式Iの化合物において、アシル基は加水分解により除去でき、Gがヒドロキシ−置換低級アルキレンである式Iの対応する化合物を産生する。加水分解は、好ましくは、慣用の条件下で、例えば、HClまたはNaOHのような酸または塩基の存在下、水溶液中、または適当な溶媒または溶媒混合物中で行う。
【0081】
Gがアシルオキシ置換低級アルキルである式Iの化合物から、Gが低級アルキレンである式Iの化合物を製造することも可能である。この場合の反応は、好ましくは、触媒的水素化(適当な触媒存在下の水素)により、慣用的な溶媒または溶媒混合物中で行う。
【0082】
一般的工程条件
本明細書に記載の全ての工程は、それ自体既知の方法で、好ましくは、具体的にここに記載の方法で、好ましくは、使用する試薬に不活性であり、それらを溶解する溶媒または希釈剤の不存在下、または習慣的に存在下、触媒、縮合剤または中和剤、例えば、例えば、H形のカチオン交換体のようなイオン交換体の不存在下または存在下、反応および/または反応体の性質に依存して、低下した、通常のまたは上昇した温度、例えば、約−100℃から約190℃の温度、好ましくは、約−80℃から約150℃、例えば、−80から−60℃、室温、−20から40℃、または使用する溶媒の沸点で、大気圧下、または密封容器中、適当な場合、圧力下、および/または不活性雰囲下、例えば、アルゴンまたは窒素雰囲気下で行う。
【0083】
全ての出発物質および中間体化合物において、塩は、塩形成基が存在する場合、存在できる。塩はまた、反応がそれにより損なわれない限り、このような化合物の反応中にも存在できる。
【0084】
反応の全てお段階において、形成される異性体混合物を個々の異性体、例えば、ジアステレオマーまたはエナンチオマーに、または異性体の所望の混合物に、例えば、ラセミ体またはジアステレオマー混合物に、例えば、“付加的工程段階”で記載の方法と同様にして、分割できる。
【0085】
ある場合、例えば、水素化の場合、立体選択的反応の達成が可能であり、例えば、個々の異性体の獲得が容易になる。
【0086】
特記しない限り、特定の反応に適したものを選択できる溶媒は、例えば、水、低級アルキル低級アルカノエート、例えば、ジエチルアセテートのようなエステル、脂肪族エーテル、例えば、ジエチルエーテルのようなエーテル、または、環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、ベンゼンまたはトルエンのような液体芳香族炭化水素、メタノール、エタノールまたは1−または2−プロパノールのようなアルコール、アセトニトリルのようなニトリル、塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素、ジメチルホルムアミドのような酸アミド、ヘテロ環式窒素塩基、例えば、ピリジンのような塩基、低級アルカンカルボン酸、例えば酢酸のようなカルボン酸、低級アルカン酸無水物、例えば、酢酸無水物のようなカルボン酸無水物、シクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタンのような環状、直鎖状、または分枝状炭化水素、またはこれらの溶媒の混合物、例えば、水性溶液を含む。このような溶媒混合物もまた後処理、例えば、クロマトグラフィーまたは分配に使用できる。
【0087】
本発明は、中間体として任意の段階で得られる化合物を出発物質として使用して残りの段階を行う工程、または工程が任意の段階で中断され、または出発物質が反応条件下で形成され、または反応誘導体または塩の形で使用され、または本発明の工程により得られる化合物を工程条件下で製造し、更にその場で加工する形のものにも関する。上記で好ましいとして記載の化合物、特に、特に好ましいとして記載の、より特に好ましいとしておよび/または非常に特に好ましいとして記載の化合物を導く出発物質の使用が好ましい。
【0088】
式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)の製造は、好ましくは実施例に記載の方法および工程段階と同様にして行う。
【0089】
塩を含む式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、水和物の形でも得ることができ、その結晶は、例えば、結晶化に使用する溶媒を包含できる(溶媒和物の形で存在)。
【0090】
医薬組成物、方法および使用
本発明はまた式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)を活性成分として含み、特に、当初に記載の疾患の処置に使用できる医薬組成物にも関する。温血動物、特にヒトへの経鼻、バッカル、経直腸、または特に経口のような経腸、および静脈内、筋肉内または皮下のような非経腸投与用組成物が特に好ましい。本組成物は、活性成分それ自体を、または好ましくは、薬学的に許容される担体と共に含む。活性成分の投与量は処置する疾患および種、年齢、体重および個々の状態、個々の薬物動力学データおよび投与の形態に依存する。
【0091】
本発明はまたヒトまたは動物を予防的に、または特に治療的に処置する方法に使用するための医薬組成物、その製造法(特に、腫瘍の治療のための組成物の形への)および上記疾患、特に腫瘍疾患、より特に上記に記載のものを処置する方法にも関する。
【0092】
本発明はまた式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)を活性組成(活性成分)として含む医薬組成物の製造のための方法、およびそのための式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)の使用にも関する。
【0093】
血管形成のまたはVEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害に応答する疾患、例えば、乾癬または特に腫瘍疾患に罹患している温血動物、特にヒトまたは商品として有用な哺乳類に投与するのに適した、式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)、または塩形成基が存在する場合、それらの薬学的に許容される塩を、血管形成またはVEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害に有効な量で、少なくとも一つの薬学的に許容される担体と共に含む、医薬組成物が好ましい。
【0094】
処置を必要とする、特に、このような疾患に罹患している温血動物、特にヒトまたは商品として有用な哺乳類における、腫瘍疾患および他の増殖性疾患の予防的、または特に治療的処置のための、新規な式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)、またはそれらの薬学的に許容される塩を、活性成分として記載の疾患に対する予防的または特に治療的に有効な量で含む、医薬組成物もまた好ましい。
【0095】
医薬組成物は、約1%から約95%の活性成分を含み、1回投与形態の投与形は、好ましくは約20%から約90%活性成分を含み、1回投与形態ではない投与形は約5%から約20%活性成分を含む。単位投与形は、例えば、糖衣錠、錠剤、アンプル、バイアル、坐薬またはカプセルである。他の投与形は、例えば、軟膏、クリーム、泥膏、泡沫剤、チンキ、リップスティック、滴剤、スプレー、分散剤等である。例は、約0.05gから約1.0gの活性成分を含むカプセルである。
【0096】
本発明の医薬組成物は、それ自体既知の方法で、例えば、慣用の混合、造粒、糖剤製剤、溶解または凍結乾燥過程の手段により製造する。
【0097】
活性成分の溶液を、それに加えてまた懸濁剤または分散剤、特に等張性溶液、分散剤または懸濁剤を好ましくは使用し、これらは、例えば、活性物質を単独でまたは担体、例えばマンニトールと共に含む凍結乾燥組成物の場合、使用前に調製できる。医薬組成物は、滅菌し得および/または賦形剤、例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、溶解剤、浸透圧調製用塩および/または緩衝剤を含み得、それ自体既知の方法で、例えば、慣用の溶解または凍結乾燥法により製造できる。記載の溶液または懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンのような増粘剤、または可溶化剤、例えば、トゥイーン80[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート;ICI Americas, Inc, USAの商標]を含み得る。
【0098】
油中の懸濁液は、油状成分として注射目的で慣用的な植物油、合成油または半合成油を含む。それらは、それ自体、特に、酸成分として8個から22個、特に12個から22個の炭素原子を含む長鎖脂肪酸、例えば、ラウリル酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、カラキジン酸、ベヘン酸または対応する不飽和酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸またはリノレン酸を含む液体脂肪酸エステルであり、所望により抗酸化剤、例えばビタミンE、β−カロテンまたは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを添加する。これらの脂肪酸のアルコール成分は最大6個の炭素原子を有し、1個または複数の水酸基を有する、例えば、1個、2個または3個の水酸基を有するアルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはペンタノールまたはそれらの異性体であるが、特にグリコールおよびグリセロールである。特記し得る脂肪酸エステルの例は、したがって;オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、“Labrafil M 2375”(Gatefosse, Parisのトリオレイン酸ポリオキシエチレングリセロール)、“Labrafil M 1944 CS”(アプリコットケネル油のアルコール分解により製造し、グリセリドとポリエチレングリコールエステルからなる不飽和ポリグリコール化グリセリド;Gatefosse, France)、“Labrasol”(TCMのアルコール分解により製造し、グリセリドとポリエチレングリコールエステルからなる飽和ポリグリコール化グリセリド;Gatefosse, France)および/または“Miglyol 812”(Huels, GermanyからのCからC12の鎖長を有する飽和脂肪酸のトリグリセリド)であるが、特に、綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、ダイズ油および、より特にピーナッツ油のような植物油である。
【0099】
注射用組成物の製造は、滅菌条件下で慣用の方法において行い、またその、例えば、アンプルまたはバイアルへの挿入、および容器の密封も同様である。
【0100】
経口投与用医薬組成物は、例えば、活性成分と1個またはそれ以上の固体担体を合わせ、適当な場合、得られる混合物を造粒し、所望により、適当な場合、さらなる賦形剤の添加により、混合物または粒剤を錠剤または糖衣錠コアに加工することにより、得ることができる。
【0101】
適当な担体は、特に糖、例えば、ラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトールのような糖、セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、また、澱粉、例えば、トウモロコシ、コムギ、コメまたはジャガイモ澱粉のような澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドンのような結合剤、および/または、所望により、上記の澱粉、またカルボキメチル澱粉、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸または、アルギン酸ナトリウムのようなその塩のような崩壊剤である。更なる賦形剤は、特に流動調節剤および滑剤、例えば、ケイ酸、タルク、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシウムまたはカルシウムのようなその塩、および/またはポリエチレングリコールまたはそれらの誘導体である。
【0102】
糖衣錠コアは、適当な、所望により腸溶性コーティングを提供され、それは、とりわけアラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液、または適当な有機溶媒または溶媒混合物中のコーティング溶液、または、腸溶性コーティングのために、溶液の適当なセルロース製剤、例えばフタル酸アセチルセルロースまたはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースの溶液を使用する。着色剤または色素を、錠剤または糖衣錠コーティングに、例えば同定の目的または異なる量の活性成分の指示のために添加し得る。
【0103】
経口投与可能医薬組成物は、またゼラチンから成る乾燥充填カプセルおよびまたゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールから成る軟、密封カプセルにを含む。乾燥充填カプセルは、活性成分を顆粒の形で、例えば充填剤、例えばトウモロコシ澱粉、結合剤および/または滑沢剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム、および所望により、安定化剤との混合物で含む。軟カプセルにおいて、活性成分は好ましくは適当な液体賦形剤、例えば脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールまたはエチレンの脂肪酸エステルまたはプロピレングリコール中に溶解または懸濁し、それに安定化剤および、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型の界面活性剤もまた添加し得る。
【0104】
適当な直腸投与可能医薬組成物は、例えば、活性成分および坐薬基剤の組み合わせの坐薬である。適当な坐薬基剤は、例えば、天然または合成トリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコールまたは高級アルカノールである。
【0105】
非経腸投与のために、水溶性形、例えば水溶性塩の形の活性成分の水溶液、または粘性増加物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストランおよび、所望の場合、安定化剤を含む、水性注射用懸濁液が特に好ましい。所望により、賦形剤と一緒に、活性成分は、または凍結乾燥形でもあり得、適当な溶媒の添加により非経腸投与前に溶液にできる。
【0106】
例えば、非経腸投与に使用する溶液は、また輸液としても使用できる。
好ましい防腐剤は、例えば、アスコルビン酸のような抗酸化剤、またはソルビン酸または安息香酸のような殺菌剤である。
【0107】
本発明はまた、上記の病理的状態の一つ、特に、VEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害または血管形成の阻害に反応する疾患、特に対応する腫瘍疾患、または乾癬を処置する工程または方法にも関する。式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)は、予防的または治療的に、それ自体、または医薬組成物の形で、記載の疾患に対して有効な量で、治療を必要とする温血動物、例えばヒトに投与でき、化合物は、特に医薬組成物の形で使用する。約70kgの体重の場合、約0.1gから約5g、好ましくは約0.5gから約2gの本発明の化合物の一日量を投与する。
【0108】
本発明は、また、式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)、またはそれらの薬学的に許容される塩、特に、好ましいとして記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の、それ自体、または、少なくとも一つの薬学的に許容される担体との医薬製剤の形の、上記の疾患の1個またはそれ以上、特に腫瘍疾患、およびまた乾癬の、特に、これらの疾患が血管形成の阻害またはVEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害に反応する場合の治療的およびまた予防的処置への使用にも関する。
【0109】
本発明は、また、式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)、またはそれらの薬学的に許容される塩、特に、好ましいとして記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の、それ自体、または、少なくとも一つの薬学的に許容される担体との医薬製剤の形の、上記の疾患の1個またはそれ以上、好ましくは、VEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害または血管形成の阻害に応答する疾患、特に腫瘍疾患、およびまた乾癬、より特に、これらの疾患が血管形成の阻害またはVEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害に反応する場合の治療的およびまた予防的処置への使用にも関する。
【0110】
本発明は、また、式Iの化合物(またはそのN−オキサイド)、またはそれらの薬学的に許容される塩、特に、好ましいとして記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の、それ自体、または、少なくとも一つの薬学的に許容される担体との医薬製剤の形の、上記の疾患の1個またはそれ以上、特に腫瘍疾患、または乾癬、特に、これらの疾患が血管形成の阻害またはVEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害に反応する場合の治療的およびまた予防的処置への使用にも関する。
【0111】
特定の各場合に使用する好ましい投与量、組成物および医薬製剤(医薬)の製造法は、上記の通りである。
【0112】
出発物質
本発明はまた新規出発物質および/または中間体、およびそれらの製造法にも関する。使用する出発物質および選択する反応条件は、好ましくは、好ましいとして記載の化合物が得られるものである。
【0113】
式IIおよびIIIの出発物質は既知であり、それ自体既知の方法で製造でき、または商品として入手可能である;特に、それらは実施例に記載のものと類似の方法で製造できる。
【0114】
出発物質の製造において、反応に関与しない存在する官能基は、必要な場合、保護形であり得る。好ましい保護形、その導入法およびその除去は工程a)または実施例に記載である。当該出発物質および中間体の代わりに、塩形成基が存在し、を使用した当該反応が可能である場合、その塩を反応させることも可能である。したがって、前記および下記で出発物質に関する言及は、好都合であり、可能である場合、その塩も含むことが意図される。
【0115】
Gが−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、オキサ、チアまたはイミノであり、他の記号が式Iの化合物で定義の通りである式IIの化合物は、例えば、式IV
【化9】
Figure 0004516690
〔式中、Lはヌクレオフューガルな脱離基、特にブロモのようなハロ、およびmおよびZおよび波線で示す結合は、式Iの化合物で定義の通り(特にm=0、即ち、Zは存在しない−対応するLがブロモである式IVの化合物は、SPECS & BIOSPECS, Rijskwijk, Hollandから商品として入手可能である〕
の化合物と、式V
【化10】
Figure 0004516690
〔式中、Gは−CH−O−、−CH−S−または−CH−NH−であるか、またはオキサ、チアまたはイミノであり、A、B、D、E、Qおよびrは式Iの化合物で定義の通りである〕
の化合物を、好ましくは、式IIの化合物と式IIIの化合物の反応に関して工程a)で記載の条件下、またはPd、例えば、テトラキス(トリ−フェニルホスフィニル)パラジウム錯体、パラジウム(0)−P(o−トリル)錯体、キレート化ビス(ホスフィン)とのパラジウム(0)錯体(例えば、J. Org. Chem. 61, 7240-7241 (1996)等でのパラジウム錯体化触媒反応で、好ましくはKCOのようなアルカリ金属炭酸塩中Pdと、トルエンのような適応な溶媒中、上昇した温度、好ましくは還流下、反応させて製造できる。
【0116】
次いで、式II
【化11】
Figure 0004516690
〔式中、mおよびZおよび波線で示す結合、およびA、B、D、E、Qおよびrは式Iの化合物で定義の通りであり、Gは−CH−O−、−CH−S−または−CH−NH−であるか、またはオキサ、チアまたはイミノである〕
の化合物を得る。
【0117】
式IIの対応する化合物は、そこから、対応する酸無水物、例えば、L=Cl導入のために塩化リン(POCl)を、または式XIIの化合物の式IIの化合物への変換のために下記の異なる試薬を使用して、式IIに関して定義のように、ヌクレオフューガル基Lの導入によりそこから製造できる。
【0118】
式IVおよびVの出発物質は既知であり、それ自体既知の方法で製造でき、または商品として入手可能である;特に、それらは実施例に記載のものと同様の方法により製造できる。
【0119】
Gがメチレンであり、他の記号が式Iの化合物で定義の通りである式IIの化合物は、例えば、式VI
【化12】
Figure 0004516690
〔式中、Zおよびmは式Iの化合物で定義の通りである〕
のラクトンを、アルカリ金属シアニド、特に、カリウムシアニドと、上昇した温度、例えば、100℃から200°で反応させ(Org. Synthesis, Coll. Vol. 3, 174参照)、式VII
【化13】
Figure 0004516690
〔式中、基は式VIで定義の通りである〕
のシアノメチル安息香酸を得る;式VIIの化合物を、次いで、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタンのようなハロ−低級アルカン中、例えば、適当なジメチルホルムアミドジメチルアセチルのようなジ−低級アルキルホルムアミドジ−低級アルキルアセチルを式VIIの化合物へ添加し、反応を完了させるために、混合物を、好ましくは0から60℃、例えば、ほぼ室温で撹拌することにより、低級アルキルエステルに転換することにより製造できる。
【0120】
対応する式VIII
【化14】
Figure 0004516690
〔式中、Alkは低級アルキル、特にメチル、および他の記号は式VIで定義の通りである〕
の低級アルキルエステルが得られる。エステルを、次いで、適当な溶媒、例えば、テトラヒドロフランのようなエーテル、またはプロピオン酸エチルのようなエステル、またはこれらの混合物中で、式IX
【化15】
Figure 0004516690
〔式中、A、B、D、E、Qおよびrは式Iの化合物で定義の通りである〕
のアルデヒドと、メタノールのようなアルコール、およびアルカリ金属メタノレート、例えば、ナトリウムメタノレートの存在下、好ましくは0℃から還流温度、好ましくは約5から30℃で反応させ、式X
【化16】
Figure 0004516690
〔式中、基A、B、D、E、QおよびZおよび指数rおよびmは式Iの化合物で定義の通りである〕
の化合物を得る;この化合物を(式VIIIの低級アルキルエステルの製造に関するものと同じ条件下で)、対応する式XI
【化17】
Figure 0004516690
〔式中、Alkは低級アルキル、特にメチル、および他の基は式Xで定義の通りである〕
の低級アルキルエステルに変換する。
【0121】
適当な触媒、特にラネイコバルト、または特にラネイニッケルのようなフレームワーク触媒の存在下の、エーテル、例えばテトラヒドロフラン、またはメタノールのようなアルコール、またはこれらの混合物のような適当な溶媒中の、好ましくは10から80℃の温度で、0.5から100barの圧力で、特に常圧での水素化により、式XII
【化18】
Figure 0004516690
〔式中、基A、B、D、E、QおよびZおよび指数rおよびmは式Iの化合物で定義の通りである〕
のイソキノリン化合物を得る。
【0122】
次いで、式XIIの化合物を、ヌクレオフューガル基Lの導入のための適当な試薬、例えば、ホスホリルハライドまたはホスホラスペンタハライド、特に塩化リン(POCl)または五塩化リンの手段により、溶媒なしで、または適当な溶媒、例えばアセトニトリル中、対応する酸、例えば、塩酸のような水素化ハライド酸の不存在下、または好ましくは存在下、40℃から還流温度の好ましい温度、好ましくは約40から60℃で、対応する式IIの化合物、またはその塩に変換する。
【0123】
同様の方法で、式IXと類似であるが、−CHO−基の場所が対応する低級アルカン−アルデヒド基により代わられている化合物を使用して、メチリデン基(式X、XI)またはメチレン基(式XII)が対応する低級アルキリデンまたは低級アルキレン基に代わられている式XからXIIに類似の化合物を介して、Gが低級アルキレンである対応する式IIの化合物を製造することが可能である。
【0124】
他の出発物質は既知であり、それ自体既知の方法で製造でき、または商品として入手可能であるか、または、特に実施例に記載のものと同様の方法で製造できる。
【0125】
実施例:
以下の実施例は、本発明を、範囲を限定することなく説明するために記載する。
【0126】
温度は摂氏で測定する。特記しない限り、反応は室温で行なう。
HPCL勾配:
grad20−100 13分でb)中20%→100%a)+5分100%a)
grad5-40 7.5分でb)中5%→40%a)+7分40%a)
【0127】
溶離剤a):アセトニトリル+0.05%TFA;溶離剤b):水+0.05%TFA。C18−Nucleosil逆相物質(5μm平均粒子サイズ、オクタデシルシランで共有結合的に誘導体化したシリカゲル、Macherey & Nagel、Dueren, FRG)で充填したカラム(250×4.6mm)。254nmでのUV吸収による検出。保持時間(tRet)は分で示す。流速:1ml/分。
【0128】
使用する他の略名および略語は、以下の意味を有する:
abs. 完全(無水)
Anal.calc. 元素分析における元素の計算(理論的)比率
Anal.found 元素分析において実際に測定した元素の比率
DMSO ジメチスルスフオキシド
エーテル ジエチルエーテル
FAB-MS 高速原子衝撃質量分析法
found Anal.found参照
m.p. 融点
食塩水 飽和塩化ナトリウム溶液
THF テトラヒドロフラン(ナトリウム/ベンゾフェノンで溶解)

【0129】
以下の出発物質を、各場合に示す源から得る:
3,5−ジメチルアニリン、4−クロロアニリン、3−メチルアリン、3−クロロアニリン、アニリン、ベンジルアミン、4−メトキシアニリン、3−メトキシアニリン、4−アミノアセトアニリド、(S)−1−フェニルエチルアミン、(R)−1−フェニルエチルアミン、4−アミノベンゾトリフルオリド(=4−(トリフルオロメチル)−アニリン)、4−フルオロアニリン、1,3−フェニレンジアミン、メタンスルホン酸、3,4−ジクロロアニリン、4−ブロモアニリン;Fluka, Buchs, Switzerland。
【0130】
3−ベンジルオキシアニリン、2−アミノフェノール、4−アミノフェノール:Aldrich, Buchs, Switzerland。
3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−アニリン(Fluorochem, Old Glossop, Great Britain);4−クロロ−3−トリフルオロメチル−アニリン(Fluka, Buchs, Switzerland)。
【0131】
実施例1:1−(3,5−ジメチルアニリノ)−4−[(ピリジン−4−イル)−メチル]−イソキノリン(=N−(3,5−ジメチル−フェニル)−[4−(ピリジン−4−イル−メチル)−イソキノリン−1−イル]−アミン)
除湿しながら、100mg(0.825mmol)の3,5−ジメチル−アニリンを4mlのエタノールに溶解し、196μl(0.784mmol)のHCl(ジオキサン中4N)を添加する。200mg(0.785mmol)の1−クロロ−4−[(ピリジン−4−イル)−メチル]−イソキノリンの添加後、混合物を8時間、90℃で加熱する。次いで、蒸発による濃縮行う;残渣を4mlの水、1mlの飽和アンモニア溶液および20mlのCHClに取りこみ、有機相を分取し、NaSO(無水)で乾燥させ、再び蒸発により濃縮させる。カラムクロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル/ヘキサン3:1)および酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により、標題化合物を得る:m.p. 156−158℃;
【表1】
Figure 0004516690
【0132】
出発物質は、下記のように製造する:
1a)2−シアノメチル−安息香酸メチルエステル
穏やかに加熱しながら、175g(1.08mol)の2−シアノメチル−安息香酸(製造に関しては:Org. Synthesis, Coll, Vol. 3, 174参照)を1.7リットルのCHClに溶解する;242ml(≒90%、1.6mol)のジメチルホルムアミドジメチルアセタールを室温で滴下し、撹拌を3時間行い、反応を完了させる。反応混合物を2回1.2リットルの飽和NaHCO溶液および食塩水で洗浄する。水性相を、2回のCHClを使用して抽出し、有機相を乾燥(NaSO)させ、蒸発により濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル/ヘキサン1:4、酢酸エチル/ヘキサン/CHCl中適用)により、標題化合物を得る:m.p. 49−50℃;
【表2】
Figure 0004516690
【0133】
1b)2−[(1−シアノ−2−(ピリジン−4−イル)ビニル]−安息香酸
脱気しながら、127.7ml(1.35mol)のピリジン−4−カルボアルデヒド(Fluka, Buchs, Switzerland)を、215.6g(1.23mol)の2−シアノメチル−安息香酸メチルエステルの1.8リットルのTHF溶液に添加する。混合物を8−9℃に冷却し、297ml(1.6mol)のナトリウムメタノラートの5.4Mメタノール溶液を20分にわたり滴下し、混合物を1.5時間、10から15℃で撹拌する。次いで、混合物を約350mlの4N HClを使用してpH6.0に調節し、1時間、5℃で撹拌する。標題化合物が晶出し、吸引しながら濾過し、THF/水2:1およびTHFで徹底的に洗浄する;m.p. 218−219℃;
【表3】
Figure 0004516690
【0134】
1c)2−[1−シアノ−2−ピリジン−4−イル)−ビニル]−安息香酸メチルエステル
除湿しながら、211g(0.843mol)の2−[(1−シアノ−2−(ピリジン−4−イル)−ビニル]−安息香酸を、3.3リットルのCHClに懸濁させる;169ml(≒90%、1.1mol)のジメチルホルムアミドジメチルアセタール(Fluka, Buchs, Switzerland)を室温で添加し、撹拌を22時間続けて、反応を完了させる。反応混合物を濾過し、残渣をCHClで徹底的に洗浄し、廃棄する。濾液の蒸発による濃縮、クロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル)および酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により、標題化合物を得る:m.p. 102−104℃;
【表4】
Figure 0004516690
【0135】
1d)4−(ピリジン−4−イル−メチル)−2H−イソキノリン−1−オン
5×40gのラネイニッケル(間隔を置いて添加)の存在下、163g(617mmol)の2−[(1−シアノ−2−(ピリジン−4−イル)−ビニル]−安息香酸メチルエステルを、3リットルのTHF中、40℃で90時間水素添加する。反応混合物を濾過し、濾液を蒸発により濃縮し、アセトニトリル/酢酸エチルから結晶化させる(→標題化合物)。更なる生産物が、クロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル→アセトン)により母液から得られる:
【表5】
Figure 0004516690
【0136】
1e)1−クロロ−4−(ピリジン−4−イルメチル)−イソキノリン
脱気しながら、32.7g(139mmol)の4−(ピリジン−4−イル−メチル)−2H−イソキノリン−1−オンを、560mlのアセトニトリル中のスラリーにし、69.2ml(277mmol)の4N HClのジオキサン溶液および31.7ml(346mmol)のPOClを添加する。混合物を22時間、50℃で撹拌し、次いで氷浴で冷却し、128.6gのNaHCOの1.64リットル水溶液を、30分にわたり添加する。添加中、最初に透明溶液が形成され、次いで、標題化合物が沈殿し、15分後、濾取でき、水およびエーテルで徹底的に洗浄し、高真空下、60℃で乾燥させる:m.p. 119−120℃;
【表6】
Figure 0004516690
【0137】
以下を、実施例1と同様にして、または本明細書に記載の方法により製造する:
【表7】
Figure 0004516690
*理論的収率から=0.4%の分散である当該元素の元素分析
【0138】
以下の化合物を上記の方法で製造する:
【表8】
Figure 0004516690
【表9】
Figure 0004516690
【表10】
Figure 0004516690
【表11】
Figure 0004516690
【表12】
Figure 0004516690
【表13】
Figure 0004516690
【表14】
Figure 0004516690
【表15】
Figure 0004516690
【表16】
Figure 0004516690
【表17】
Figure 0004516690
【表18】
Figure 0004516690
【表19】
Figure 0004516690
*理論的収率から=0.4%の分散である当該元素の元素分析
【0139】
**化合物16は特に下記のように製造できる:
【化19】
Figure 0004516690
【0140】
***出発物質は下記のように製造する:
111a)5−クロロ−3−トリフルオロメチル−ニトロベンゼン
(EP0516297Aも参照)56.7mlの96%硫酸を、30分にわたり、90g(374mmol)の4−アミノ−3−クロロ−5−ニトロ−ベンゾトリフルオリド(Maybridge; Tintagel/England)の500mlのエタノール中の茶色溶液に添加する(発熱性)。75℃に加熱した後、64.53g(935mmol)の亜硝酸ナトリウムを少しずつ、1時間にわたり添加する(ガスの発生)。混合物を2.5時間、75℃で撹拌し、次いで室温に冷却する。反応混合物を1.5リットルの氷水に注ぎ、4回エーテルで抽出する。0.1N HCl、飽和NaHCO溶液および食塩水での有機相の洗浄、乾燥(NaSO)および蒸発による濃縮により、茶色溶液を得る。カラムクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン)により、油状形の標題化合物を得る;1H-NMR(DMSO-d6) 8.62(m, 1H), 8.46(m, 2H), MS 225(M)+, 179(M-NO2)+
【0141】
111b)5−アミノ−3−クロロ−ベンゾトリフルオリド
10.17gのラネイニッケルの存在下、92g(0.408mol)の5−クロロ−3−トリフルオロメチル−ニトロベンゼンを1リットルのメタノール中で水素化する。混合物をセライト/活性炭で濾過し、残渣をメタノールで洗浄する。濾液の蒸発による濃縮により、油状標題化合物を得る。1H-NMR(DMSO-d6) 6.80(m, 3H), 5.92(S, H2N); FAB-MS (M+H)+=196。
【0142】
115a)4−ヨード−3−トリフルオロメチル−ニトロベンゼン
保護ガス下、20g(97mmol)の2−アミノ−5−ニトロベンゾリフルオリド(Fluka; Buchs, Switzerland)を250mlのHSO/HO1:1中に入れ、0℃に冷却し、その温度で、6.69g(97mmol)の亜硝酸ナトリウムのHO溶液を添加する。2時間の氷浴中での撹拌後、36.94g(194mmol)のCuIを少しずつ添加し、その後明−黄色懸濁液が形成する。30分後、混合物をゆっくり80℃に加熱し(激しいガスの発生)、それを1時間、80℃で撹拌する。1リットルの氷水へ注ぎ、濾取してマスタードイエロー結晶を得る。それらを2回150mlのメタノールを使用して抽出し、いずれの場合も濾過する。濾液の蒸発による濃縮、カラムクロマトグラフィー(SiO;トルエン)およびトルエンからの結晶化により、標題化合物を得る:
【表20】
Figure 0004516690
【0143】
115b)3−アミノ−6−ヨード−ベンゾトリフルオリド
1.7gのラネイニッケルの存在下、8.6g(27mmol)の4−ヨード−3−トリフルオロメチル−ニトロ−ベンゼンを170mlのメタノール中で水素化する。反応混合物をセライトで濾過する。濾液の蒸発による濃縮により油状標題化合物を得、それは放置するとゆっくり結晶化する:1H-NMR(CDCl3) 7.63(d, 1H), 6.98(d, 1H), 6.54(dd, 1H), 5.75(s, H2N); FAB-MS(M+H)+=288。
【0144】
以下の式Iの化合物を、上記方法の一つと同様にして製造する:
【表21】
Figure 0004516690
【表22】
Figure 0004516690
【0145】
下記の実施例は、上記工程と同様にして製造する:
実施例131:1−(4−クロロ−アニリノ)−4−(4−ピリジル−メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−イソキノリン
【0146】
実施例132:1−(3−クロロベンジルアミノ)−4−[(ピリジン−4−イル)−メチル]−イソキノリン
除湿しながら、1.6ml(13.1mmol)の3−クロロベンジルアミンおよび800mg(3.14mmol)の1−クロロ−4−(ピリジン−4−イルメチル)−イソキノリン(実施例1e)を2時間、150℃で撹拌する。混合物を酢酸エチルに懸濁し、1mlの濃アンモニア溶液を添加し、水および食塩水での洗浄を行い、有機相を乾燥させ(NaSO)、蒸発により濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル)により標題化合物を得る:m.p. 141−142℃;
【表23】
Figure 0004516690
【0147】
以下は、実施例132と、または本明細書に記載の方法と同様にして製造する:
【表24】
Figure 0004516690
【0148】
実施例141:Flt-1 VEGFレセプターチロシンキナーゼ活性に対する活性の試験
本試験は、Flt-1 VEGFレセプターチロシンキナーゼを使用して、上記のように行う。得られたIC50値は、それらが正確に計算された限りでは、下記に示す:
以下の実施例の標題化合物 IC50(μM)
1 0.802
2 0.346
3 >1
4 >1
5 0.344
【0149】
実施例142:軟カプセル
各々0.05gの先の実施例に記載の式Iの化合物の一つを活性成分として含む5000個の軟カプセルを下記のように製造する:
組成
活性成分 250g
Lauroglykol 2リットル
製造法:粉末活性成分をLauroglykol(登録商標)(ラウリン酸プロピレングリコール、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)に懸濁し、約1から3μmの粒子サイズまで、湿潤微粉機で挽く。混合物の0.419gを次いで軟ゼラチンカプセルに、カプセル充填機により封入する。

Claims (13)

  1. 式I
    Figure 0004516690
    〔式中、
    rは0から2;
    nは0から2;
    mは0から4;
    A、B、DおよびEは各々CH;
    Gはメチレン
    Qは低級アルキル;
    RはHまたは低級アルキル;
    Xはイミノ;
    Yは低級アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非置換もしくは置換シクロアルキル;そして
    Zはアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキル−フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニルまたはアルキルフェニルスルホニル、および2個以上の基Zが存在する場合(m2)、置換基Zは同一または異なる;そして
    波線で示す結合は1重結合または2重結合である〕
    の化合物、または1個またはそれ以上のN原子が酸素原子を担持する場合、のN−オキサイド、またはそれらの塩。
  2. rが0から2;
    nが0から2;
    mが0から4;
    A、B、DおよびEが各々CH;
    Gがメチレン
    Qが低級アルキル;
    RがHまたは低級アルキル;
    Xがイミノ;
    Yがアリール、ヘテロアリールまたは非置換もしくは置換シクロアルキル;そして
    Zがアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキル−フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニルまたはアルキルフェニルスルホニル、および2個以上の基Zが存在する場合(m2)、置換基Zは同一または異なる;そして
    波線で示す結合が1重結合または2重結合である、
    請求項1記載の化合物、または1個またはそれ以上のN原子が酸素原子を担持する場合、そのN−オキサイド、またはそれらの塩。
  3. rが0から2;
    nが0または1;
    mが0または1;
    A、B、DおよびEが各々CH;
    Gがメチレン
    QがA、DまたはAとDに結合したメチル;
    RがHまたは低級アルキル;
    Xがイミノ;
    Yが、非置換または、アミノ;低級アルカノイルアミノ、ハロゲン、低級アルキル、ハロ−低級アルキル、低級アルコキシ、フェニル−低級アルコキシ、シアノ、低級アルケニル、C−C12アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、低級アルカノイル、フェニルオキシ、ハロ−低級アルキルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルメルカプト、ハロ−低級アルキルメルカプト、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル、ハロ−低級アルカンスルホニル、フェニルスルホニル、ジヒドロキシボラ、2−メチル−ピリミジン−4−イル、オキサゾール−5−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、1−メチル−ピラゾール−3−イル、および二つの隣接炭素原子に結合した低級アルキレンジオキシからなる群から選択される1個または2個の同一または別の置換基により置換されているフェニル;
    Zがアミノ;N−低級アルキルアミノ;ヒドロキシ−低級アルキルアミノ;フェニル−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルアミノ;N−フェニル−低級アルキル−N−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルフェニルアミノ;低級アルカノイルアミノ、またはベンゾイルアミノおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択される置換基であり、いずれの場合も、フェニル基は非置換であるか、または、ニトロ、ハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシ−カルボニル、低級アルカノイルまたはカルバモイルにより置換されている;または、Zがハロゲン;そして
    波線で示結合が両方共2重結合であるか、または両方共1重結合である、
    請求項1記載の化合物またはその塩。
  4. rが0;
    nが0;
    mが0;
    A、B、DおよびEが各々CH;
    Gがメチレン
    Xがイミノ;
    Yが、非置換または、ハロゲン;低級アルキル;およびハロ−低級アルキルからなる群から選択される1個または2個の同一または異なった置換基により置換されているフェニル;そして
    波線で示す結合が2重結合である、
    請求項1記載の化物またはその塩。
  5. rが0;
    nが0から2;
    mが0;
    A、B、DおよびEが各々CH;
    Gがメチレン;
    RがH;
    Xがイミノ;そして
    Yが、非置換、またはハロゲンまたは低級アルコキシで置換されているフェニル;ナフチル;非置換、または低級アルキルで置換されているシクロヘキシル;または非置換、または、ハロゲンで置換されているインドリル;または低級アルキルである、
    請求項1記載の化物まはその塩。
  6. 1−(3,5−ジメチル−アニリノ)−4−(ピリジン−4−イルメチル)−イソキノリンという名称である、請求項1記載の化物まはその塩。
  7. Yが下記に示す基
    Figure 0004516690
    からなる群から選択される、下記
    Figure 0004516690
    で示される請求項1記載の化合物まはその塩。
  8. ヒトまたは動物の診断的または治療的処置において使用するための、請求項1から7のいずれかに記載の化合物またはN−オキサイド、または薬学的に許容されるそれらの塩。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の化合物またはN−オキサイド、または薬学的に許容されるそれらの塩と、少なくとも一つの薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載の化合物またはN−オキサイドまたは薬学的に許容されるそれらのを含む、VEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害または血管形成の阻害に応答する疾患処置および/または予防するための薬物
  11. 請求項1から8のいずれかに記載の化合物またはN−オキサイドまたは薬学的に許容されるそれらのと、少なくとも一つの薬学的に許容される担体含む、VEGFレセプターチロシンキナーゼの阻害または血管形成の阻害に応答する疾患を処置および/または予防するための医薬組成物。
  12. 疾患の処置に使用するための医薬組成物の製造における、請求項1から7のいずれかに記載の化合物、N−オキサイドまたは塩の使用。
  13. a)式II
    Figure 0004516690
    〔式中、r、m、A、B、D、E、G、QおよびZ、および波線で示す結合は請求項1に記載の通り、およびLはハロゲンである〕
    で示される化合物と、式III
    Figure 0004516690
    〔式中、n、R、XおよびYは請求項1に記載の通りである〕
    で示される化合物を反応させる(必要な場合、式IIおよびIIIの化合物に存在する反応に関与しない官能基は保護形であり、存在する保護基を除去し、工程a)で記載の出発物質は、塩形成基が存在し、塩形での反応が可能である場合、塩形でもあり得る);
    ことを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の化合物、N−オキサイドまたは塩の製造法。
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