JP4393595B2 - タイヤの設計方法、最適化解析装置及び最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents

タイヤの設計方法、最適化解析装置及び最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、タイヤの設計方法、最適化解析装置及び最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体にかかり、特に、タイヤの構造、形状、パターン設計、例えばタイヤのサイドウオールの形状や、クラウン部の形状設計に用いることができるタイヤの設計方法、最適化解析装置及び最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体に関する。
背景技術
タイヤの構造、形状、パターン設計は、目的とするタイヤの性能を得るための構造、形状、パターンや製造条件等を求めることである。このタイヤの性能とは計算や実験によって求められる物理量または実車フィーリング評価結果である。従来のタイヤの構造、形状、及びパターン設計等のタイヤ設計方法は、実験及び計算機を用いた数値実験の繰り返しによる試行錯誤的な経験則から成り立っていた。このため、開発に必要な試作・試験の件数が膨大なものとなり、開発コストがアップし、開発期間もなかなか短縮できなかった。
これを解決する手段として数理計画法や、遺伝的アルゴリズムを用いた最適化法等のように、最適解を求める技術が提案されてきた。この数理計画法に関連するものとして、本出願人も既に出願済の国際公開番号:WO94/16877に記載された設計方法を提案している。
最適解を求めることは山登りにたとえられる。この時、山の高度は性能に関係しているので、最適解は山の頂上に相当する。目的関数が単純な場合にはその設計空間(山の形)は図8に示すようなピークが一つの山型であるので、数理計画法をベースにした最適化手法で最適解を求めることができる。
しかしながら、目的関数が複雑になると設計空間は図9に示すように数多くのピークを有することになるので、数理計画法をベースにした最適化手法では最適解を求めることができない。これは、数理計画法をベースにした最適化法では、たまたま最初に到達したピークを最適解と認識してしまうためである。
この問題点を解決するために遺伝的アルゴリズムが提案されてきたが、遺伝的アルゴリズムでは膨大な実験回数や計算時間を要し、場合によっては計算が収束しないこともあり、実用上問題があった。つまり、目的関数が複雑になった場合に、限られた期間内に最適解を得ることが難しかった。
しかしながら、従来の設計方法を用いたタイヤの設計開発はある性能について目標値を定め、この目標値をクリアすれば一応終了とされ、与えられた資源でその最良の性能を得るものではなかった。また、二律背反する性能を設計するものでなく、そのベストな形状、構造を決定するものでもなかった。さらに、従来の設計方法では開発が試作・試験の試行錯誤の繰返しで行われるため、非常に非効率でコスト・パフォーマンスは低かった。
本発明は、上記事実を考慮して、与えられた条件でタイヤのベストモードを設計することができると共に、タイヤの設計・開発を高効率化できるタイヤの設計方法、最適化解析装置及び最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体を得ることが目的である。
発明の開示
上記目的を達成するために本発明者は種々検討を加えた結果、異分野に利用されている「高等動物の神経回路網を工学的にモデル化された非線形予測技術、例えばニューラル・ネットワーク」及び「最適化設計手法」をタイヤ設計と言う特殊分野に応用することに着目し、検討を試み、具体的にタイヤの設計方法として確立したものである。
詳細には、本発明のタイヤの設計方法は、(a)内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを該タイヤのタイヤ性能に変換するように学習されかつ、内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを入力とし、該タイヤの性能を出力とする、非線形な対応を関係付けるニューラルネットワークを用いた変換系を定めるステップ、(b)前記タイヤの性能を表す目的関数を定めると共に、前記タイヤの性能及び前記タイヤの製造条件の少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定めるステップ、(c)前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて、前記目的関数及び前記制約条件に基づいて目的関数の最適値を与える最適化を行ってタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計するステップの各ステップを含んでいる。
タイヤ性能、例えば操縦安定性やベルト耐久力等の値はタイヤの設計パラメータ、例えば内部構造を含むタイヤ断面形状やタイヤの構造で定まる。しかし、タイヤ断面形状やタイヤ構造の値を線形的に変化させてもタイヤ性能が線形に変化しない場合が多い。そこで、本発明のステップ(a)では内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータと該タイヤの性能との非線形な対応を関係付ける変換系を予め定めている。この変換系は、ニューラルネットワーク等の神経回路網を工学的にモデル化した非線形予測技術を用いて定めることができる。
次のステップ(b)では、タイヤ性能を表す目的関数を定めると共に、タイヤ性能及びタイヤの製造条件の少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定める。タイヤ性能を表す目的関数としては、例えば操縦安定性を向上させるための空気充填時のタイヤ周方向ベルト張力や横ばね定数、直進もしくは横力時の接地面内の接地特性等のタイヤ性能の優劣を支配する物理量を使用することができる。タイヤ性能及びタイヤの設計パラメータの少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件としては、例えばタイヤ断面形状やタイヤ構造を制約する制約条件としては、カーカスラインのペリフェリ値の制約、上下一次固有振動数の制約、ベルト層の角度の制約、ベルト層の幅、タイヤ寸度、バネ定数、タイヤ変形量、タイヤ重量、応力、歪、歪エネルギー、転がり抵抗の制約等がある。なお、目的関数、及び制約条件は、上記の例に限られるものではなく、タイヤ設計目的に応じて種々のものを定めることができる。
そして、次のステップ(c)で、ステップ(a)で定めた変換系を用いて、目的関数及び制約条件に基づいて目的関数の最適値を与えるタイヤの設計パラメータを求めて該設計パラメータに基づいてタイヤを設計する。これにより、タイヤの設計パラメータとタイヤの性能との非線形な対応を関係付ける変換系が定められ、変換系により複数のタイヤの設計パラメータとその性能との対応が関連付けられる相互の関係を見出すことができる。従って、目的関数の最適値を与えるタイヤの設計パラメータを求めて該設計パラメータに基づいてタイヤを設計することで、高性能なタイヤの設計が可能となる。このステップ(c)では、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の値を求めることができる。
このステップ(c)でタイヤを設計する場合、タイヤの設計パラメータを設計変数と定め、制約条件を考慮しながらステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与える設計変数の値を求め、目的関数の最適値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計することができる。このように、制約条件を考慮することにより、タイヤ性能及びタイヤの設計パラメータの少なくとも一方の許容範囲を考慮することができ、設計範囲を予め特定したり、所望の範囲を設定できる。
また、ステップ(c)で設計変数の値を求める場合には、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度に基づいて制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の変化量を予測すると共に、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値を演算し、予測値と演算値とに基づいて、制約条件を考慮しながらステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与える設計変数の値を求めると効果的である。これによって、制約条件を考慮し目的関数の値が最適になるときの設計変数の値が求められる。そして、目的関数の最適値を与える設計変数に基づいてタイヤの設計パラメータ等を変更することによりタイヤを設計できる。
ここで、上記で説明したように、一般的な最適化手法において最適解を求めることは、山登りにたとえられることが知られている。このとき、山の高度が性能等に関係するとすると、最適解は山の頂上に相当する。従って、目的関数が単純な場合にはその設計空間(山の形)は図8に示すような山型になるので、数理計画法をベースにした最適化手法で最適解を求めることができる。そこで、最適化を山登りに喩えた模式的な図8をモデル(変換系)としてタイヤの最適設計を概略説明すると、変換系はタイヤの設計パラメータと該タイヤの性能との非線形な対応が関係付けられるものである。この変換系は、設計空間(山の形)において同一レベル(等高線)により示される。すなわち、タイヤ性能には種々の設計パラメータが関係し、タイヤ性能が最適になるに従って、等高線のように設計パラメータの範囲が狭範囲化することが一般的である。また、タイヤの設計パラメータの範囲には、設計上の制約や実際に取り得る範囲があることが一般的であり、目的関数であるタイヤ性能とタイヤの設計パラメータとの関係は、図8に示すように山の稜線に沿った柵(フェンス)によって制限できる。これを制約条件とすれば、等高線に示されたような形の山の上を、変換系内の設計変数を変化させることにより、制約条件のフェンスを越えないように、目的関数が最適解を得る頂上まで数理計画法等の最適化手法の助けを借りて、図8に示すような形の山を登って行くことに相当する。
そこで、本発明では、上記ステップ(a)〜(c)によって最適解を求めるとき、以下の(d)〜(f)の各ステップが実行されて初めて最適解を得ることができる。詳細には、ステップ(c)は、前記ステップ(a)で定めた変換系に含まれるタイヤの設計パラメータの1つを設計変数として選択するステップ(d)と、前記制約条件を考慮しながら前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与えるまで前記ステップ(a)で定めた変換系内から選択する設計変数の値を変化させるステップ(e)と、目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計するステップ(f)とを含んで構成することができる。ステップ(d)では、変換系に含まれるタイヤの設計パラメータの1つを設計変数として選択する。次のステップ(e)では、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与えるまで変換系内から、選択する設計変数の値を変化させる。これにより、設計変数の値は微妙に変化または徐々に変化し、目的関数の最適値が与えられる。そして、次のステップ(f)において目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計する。このように、変換系に含まれるタイヤの設計パラメータの1つを設計変数として選択して制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与えるまで変換系内から選択する設計変数の値を変化させているので、目的関数の最適値を与える設計変数の値そのものを準備することなく、近傍の値を変換系内から選択すればよく、より高性能のタイヤの設計が可能となる。
この場合、ステップ(b)においては、定めた目的関数以外のタイヤ性能及びタイヤの設計パラメータの少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定めることができる。このように、定めた目的関数以外のタイヤ性能及びタイヤの設計パラメータの少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定めることにより、制約する許容範囲のうちタイヤ性能としては目的関数と異なるタイヤ性能が用いられる。前記制約条件を設定しない場合には、目的関数以外のタイヤ性能や設計パラメータが所望の範囲を逸脱し、実用上の適用が困難となる場合が多い。
つまり、ステップ(a)でタイヤ設計パラメータと目的関数として選んだタイヤ性能との非線形な対応をニューラルネットワーク等によって関係付けた変換系を図8の等高線に示したが、その等高線に示した形の山の上を、ステップ(b)において定めた制約条件をフェンスとして設け、ステップ(c)に含まれるステップ(d)で前記ステップ(a)で定めた変換系内のタイヤ設計パラメータである選択された設計変数を変更することにより、ステップ(e)で前記制約条件のフェンスを越えないように、前記目的関数が最適解を得る頂上まで数理計画法や遺伝的アルゴリズム等の最適化手法の助けを借りて、前記形の山を登って行くのである。加えて、前記制約条件(フェンス)は、目的関数以外のタイヤ性能や設計パラメータの所望の範囲を予め設定する以外にも、山登りの際のガイドとしても最適化手法に有効である。つまり、制約条件なしでは、計算時間の増加のみならず、計算自体が収束しない場合も発生する。従って、前記(a)〜(e)の各ステップが一体となり初めて最適解が得られる。
また、ステップ(e)では、いわゆる数理計画法を応用し、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度に基づいて制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の変化量を予測すると共に、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値を演算し、予測値と演算値とに基づいて、前記制約条件を考慮しながら前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与えるまで、選択する設計変数の値を変化させることができる。このように、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値を演算することで、目的関数の最適値を与えるまでの設計変数の値を容易に求めることができる。
また、本発明者等は種々検討を加えた結果、異分野に利用されている「遺伝的アルゴリズム手法」をタイヤと言う特殊分野に応用することに着目し、あらゆる検討を試み、具体的にそれをタイヤ設計方法として確立した。
具体的には、本発明のタイヤの設計方法における、前記ステップ(c)で、前記ステップ(a)において定めた変換系におけるタイヤの設計パラメータを基本モデルとして複数個の基本モデルからなる選択対象集団を定め、該選択対象集団の各基本モデルについて、前記目的関数、設計変数、制約条件、及び目的関数から評価できる適応関数を定め、前記選択対象集団から2つの基本モデルを選択し、所定の確率で各基本モデルの設計変数を交叉させて新規の基本モデルを生成すること及び少なくとも一方の基本モデルの設計変数の一部を変更させて新規の基本モデルを生成することの少なくとも一方を行い、設計変数を変化させて前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて基本モデルの目的関数、制約条件及び適応関数を求めて該基本モデル及び設計変数を変化させなかった基本モデルを保存しかつ保存した基本モデルが所定数になるまで繰り返し、保存した所定数の基本モデルからなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否かを判断し、収束条件を満たさないときには該新規集団を前記選択対象集団として該選択対象集団が所定の収束条件を満たすまで繰り返すと共に、該所定の収束条件を満たしたときに保存した所定数の基本モデルのなかで制約条件を考慮しながら前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計する。
このステップ(a)においては、タイヤの設計パラメータをタイヤの性能に変換するように学習された多層フィードフォワード型ニューラルネットワークのデータで変換系を構成することができる。
すなわち、上記で説明したように、一般的な最適化手法としては、数理計画法や、遺伝的アルゴリズム等があり、最適解を求めることは山登りにたとえられる。この時、山の高度は性能等に関係しているので、最適解は山の頂上に相当する。目的関数が単純な場合にはその設計空間(山の形)は図1のような富士山型(ピークは一つ)であるので、数理計画法をベースにした最適化手法で最適解を求めることができる。しかし、目的関数が複雑になってくると設計空間は図9に示すように数多くのピークを有するので、数理計画法をベースにした最適化手法で最適解を求めることができない。なぜなら、数理計画法をベースにした最適化手法では、たまたま最初に到達したピークを最適解と認識するからである。この問題点を解決するために遺伝的アルゴリズムが提案されてきたが、遺伝的アルゴリズムでは膨大な実験回数や計算時間を要し、場合によっては計算が収束しないこともあった。
そこで、ステップ(a)で、タイヤの設計パラメータ(設計変数)と該タイヤの性能との非線形な対応を関係付けた変換系をニューラルネットワークを用いて定める。タイヤの性能はタイヤの形状・構造・パターンに関する設計パラメータをどう設計するかで定まる。しかし、設計パラメータを線形的に変化させてもタイヤ性能が線形に変化しない場合が多い。また、ニューラルネットワークは,豊田秀樹著の「非線形多変量解析−ニューラルネットワークによるアプローチ−」(朝倉書店・1996発行)のP.11〜13、P.162〜166にもあるように、線形変換の多変量解析より予測や判別の高い精度が期待でき、入力したデーター相互間の関係付けも学習することができるために、中間層のユニットの数さえ増やせば任意の関数を任意の精度で近似変換でき、併せて外挿性に優れるという利点がある。そこで、本発明ではその設計パラメータとタイヤ性能との非線形な対応を含む対応を関連付けた変換系を予め定めている。この変換系は、ニューラルネットワーク等の神経回路網を工学的にモデル化した非線形予測技術を用いて定めることができる。そこで、ニューラルネットワークを応用し、前記最適化手法を組み合わせることによって、目的関数が複雑になった場合においても、限られた期間内に最適解を得ることが可能となった。
本発明の設計方法に基づき設計・開発した場合、従来の試行錯誤を基本とした設計・開発と異なり、コンピューター計算を主体にしてタイヤの性能が最良のタイヤの設計から性能評価までが可能となり、著しい効率化を達成でき、開発にかかる費用が削減可能となる。
なお、上記のタイヤの設計方法により設計されたタイヤの設計パラメータによる構造等によってタイヤを形成することにより、形成されたタイヤは、性能が最良の設計パラメータで構成されることになり、製造条件やコスト等の適用条件により最適な設計パラメータの内容を直接的に決定することができる。
上記タイヤの設計方法は、内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを該タイヤのタイヤ性能に変換するように学習されかつ、内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを入力とし、該タイヤの性能を出力とする、非線形な対応を関係付けたニューラルネットワークを用いた変換系により、タイヤの設計パラメータと該タイヤの性能との非線形な対応関係を求める変換系計算手段と、前記タイヤ性能を表す目的関数を定めると共に、前記タイヤ性能及び前記タイヤの製造条件の少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定めて、最適化項目として入力する入力手段と、前記変換系計算手段を用いて前記入力手段により入力された最適化項目に基づいて目的関数の最適値を与える最適化を行ってタイヤの設計パラメータを求める最適化計算手段とを備えた最適化解析装置により実現できる。
この変換系計算手段は、前記タイヤの設計パラメータ及びタイヤに対する適用条件と、前記タイヤ性能との非線形な対応関係を求めることができる。この適用条件にはタイヤを形成するときの製造条件やタイヤ重量または総合的なコストがある。また、変換系計算手段は、前記タイヤの設計変数を、前記タイヤの性能に変換するように学習された多層フィードフォワード型ニューラルネットワークで構成することができる。
また、前記最適化計算手段は、前記変換系計算手段に含まれるタイヤの設計パラメータの1つを設計変数として選択する選択手段と、前記制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与えるまで前記変換系計算手段内から選択する設計変数の値を変化させる変化手段と、前記変換系計算手段を用いて目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を計算する最適値計算手段と、目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計する設計手段とから構成することができる。
また、前記最適化計算手段は、前記変換系計算手段において求めた対応関係におけるタイヤの設計パラメータを基本モデルとして複数個の基本モデルからなる選択対象集団を定め、該選択対象集団の各基本モデルについて、前記目的関数、設計変数、制約条件、及び目的関数から評価できる適応関数を定め、前記選択対象集団から2つの基本モデルを選択し、所定の確率で各基本モデルの設計変数を交叉させて新規の基本モデルを生成すること及び少なくとも一方の基本モデルの設計変数の一部を変更させて新規の基本モデルを生成することの少なくとも一方を行い、設計変数を変化させて前記変換系計算手段を用いて基本モデルの目的関数、制約条件及び適応関数を求めて該基本モデル及び設計変数を変化させなかった基本モデルを保存しかつ保存した基本モデルが所定数になるまで繰り返し、保存した所定数の基本モデルからなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否かを判断し、収束条件を満たさないときには該新規集団を前記選択対象集団として該選択対象集団が所定の収束条件を満たすまで繰り返すと共に、該所定の収束条件を満たしたときに保存した所定数の基本モデルのなかで制約条件を考慮しながら前記変換系計算手段を用いて目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計することができる。
また、前記変換系計算手段は、前記タイヤの設計パラメータを、前記タイヤ性能に変換するように学習された多層フィードフォワード型ニューラルネットワークで構成することができる。
上記タイヤの設計方法は、以下の手順によるプログラムを含んだ記憶媒体により容易に持ち運びが可能な最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体を提供できる。すなわち、コンピュータによってタイヤを設計するためのタイヤの最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体は、その最適化解析プログラムとして、内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを該タイヤのタイヤ性能に変換するように学習されかつ、内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを入力とし、該タイヤの性能を出力とする、非線形な対応を関係付けたニューラルネットワークを用いた変換系により、タイヤの設計パラメータと該タイヤの性能との非線形な対応関係を定め、前記タイヤの性能を表す目的関数を定めると共に、前記タイヤの性能及び前記タイヤの製造条件の少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定め、前記定めた対応関係、前記目的関数及び前記制約条件に基づいて目的関数の最適値を与える最適化を行ってタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計することを特徴とするタイヤの最適化解析プログラムを記憶している。
このタイヤの設計パラメータに基づくタイヤの設計は、前記定めた対応関係、前記目的関数及び前記制約条件に基づいて、前記定めた対応関係に含まれるタイヤの設計パラメータの1つを設計変数として選択し、前記制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与えるまで前記定めた対応関係内から選択する設計変数の値を変化させ、目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計することができる。
また、制約条件は、前記定めた目的関数以外のタイヤ性能及び前記タイヤの設計パラメータの少なくとも一方の許容範囲を制約することができる。
また、設計変数の変化は、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度に基づいて制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の変化量を予測すると共に、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値を演算し、予測値と演算値とに基づいて、前記制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与えるまで、選択する設計変数の値を変化させることができる。
また、前記定めた対応関係におけるタイヤの設計パラメータを基本モデルとして複数個の基本モデルからなる選択対象集団を定め、該選択対象集団の各基本モデルについて、前記目的関数、設計変数、制約条件、及び目的関数から評価できる適応関数を定め、前記選択対象集団から2つの基本モデルを選択し、所定の確率で各基本モデルの設計変数を交叉させて新規の基本モデルを生成すること及び少なくとも一方の基本モデルの設計変数の一部を変更させて新規の基本モデルを生成することの少なくとも一方を行い、設計変数を変化させた基本モデルの目的関数、制約条件及び適応関数を求めて該基本モデル及び設計変数を変化させなかった基本モデルを保存しかつ保存した基本モデルが所定数になるまで繰り返し、保存した所定数の基本モデルからなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否かを判断し、収束条件を満たさないときには該新規集団を前記選択対象集団として該選択対象集団が所定の収束条件を満たすまで繰り返すと共に、該所定の収束条件を満たしたときに保存した所定数の基本モデルのなかで制約条件を考慮しながら前記対応関係を用いて目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計することができる。
以上説明したように本発明によれば、タイヤの形状・構造・パターンの設計パラメータと該タイヤの性能との非線形な対応を関係付けた変換系をニューラルネットワークを用いて定めているので、変換系を精度がかつ高く任意性の少なく作成することができる、という効果がある。
また、変換系を用いて目的関数の最適値を与える形状・構造・パターンの設計パラメータを求めているので、どんな複雑な目的関数に関する最適解をも短時間で求めることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
図1は、本実施の形態にかかる最適化装置の外観図である。
図2は、本実施の形態にかかる最適化装置の概略構成図である。
図3は、本実施の形態にかかる最適化装置の機能別概略ブロック図である。
図4は、ニューラルネットワークの概念構成図である。
図5は、本実施の形態にかかる最適化装置の作動の流れを示すフローチャートである。
図6は、ニューラルネットワークの学習処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、第1実施の形態の最適化処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、本発明の最適化を説明するためのイメージ概念図である。
図9は、本発明の最適化を説明するための他のイメージ概念図である。
図10は、第2実施の形態の最適化処理の流れを示すフローチャートである。
図11は、交叉処理の流れを示すフローチャートである。
図12は、山型写像関数を示す線図であり、(a)は連続的な山型写像関数を示す線図、(b)は線型的な山型写像関数を示す線図である。
図13は、谷型写像関数を示す線図であり、(a)は連続的な谷型写像関数を示す線図、(b)は線型的な谷型写像関数を示す線図である。
図14は、突然変異処理の流れを示すフローチャートである。
図15は、第1試験例の設計変数を説明するためのイメージ図である。
図16は、第2試験例の設計変数を説明するためのイメージ図である。
図17は、荷重直下のタイヤ要素を示す断面図である。
図18は、第3試験例の設計変数を説明するためのイメージ図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、最適なタイヤの設計パラメータを求める最適化装置に本発明を適用したものである。第1実施の形態の最適化装置では、高等動物の神経回路網が工学的にモデル化された非線形予測技術である学習後のニューラル・ネットワークを変換系として最適化計算によって設計パラメータを求めている。
図1には、本発明である最適化の実施をするための最適化装置30の概略を示した。この最適化装置30は、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶されたプログラムに従って非線形化予測手法によるニューラルネットワークを用いてタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ等からその性能を予測すると共に制約条件を満たしかつ目的関数を最適(例えば、最大または最小)にする設計変数を演算するコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14から構成されている。
詳細には図2に示すように、最適化装置30は、マイクロコンピュータを含んで構成されたコンピュータ本体12、データ入出力装置28、データやコマンドを入力するためのキーボード10、及びモニター14から構成されている。コンピュータ本体12は、CPU16、ROM18、RAM20、変換系等(詳細は後述)を記憶するためのメモリ22、本体と他の装置との間でデータ等をやりとりするための入出力装置(以下、I/Oという)26及びこれらをデータやコマンドが入出力可能なように接続されたバス24から構成されている。なお、ROM18には、後述する処理プログラムが記憶されている。なお、データ入出力装置28は、数値表現されたタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ、製造条件、タイヤ性能(本実施の形態ではタイヤの形状、構造、パターン等)が外部記憶手段に記憶されている場合に、外部記憶手段から読み込むための装置であり、キーボード10を入力装置として用いる場合には不要である。
図3は本実施の形態の最適化装置30の機能別概略構成を示すブロック図である。本実施の形態の最適化装置30では、最大化もしくは最小化すべきタイヤ性能(これを目的関数という)を最適化してその最適化したタイヤ性能に対する設計パラメータを出力する。
この最適化装置30は、機能別に、非線形演算部32、最適化演算部34、実験データ入力部40、最適化項目入力部42及び最適化結果出力部44に分類される。非線形演算部32は、ニューラルネットワークで構成された(詳細後述)変換系の計算部として機能し、実験データ入力部40から入力されたデータに基づいて、タイヤの形状、構造、パターン、製造条件とその性能とが関連付けられた変換系を求めるためのものである。なお、ここでいう変換系とは、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件等とその性能とが1対1に対応するように変換及び逆変換が可能な変換系そのものをいい、学習後のニューラルネットワークを数式で表現するときは数式及びその係数を含めたものをいう。実験データ入力部40は、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件等と、それらに対応する性能との各データを入力するためのものである。
最適化項目入力部42は、▲1▼最大化もしくは最小化すべきタイヤの予測もしくは計測される物理量等タイヤ性能(後述の目的関数)、▲2▼最大化、もしくは最小化する時に制約を設けるタイヤの予測もしくは計測される物理量、及びタイヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ並びに加硫温度や等の製造条件、▲3▼タイヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ及び製造条件のとりうる範囲、▲4▼最適化に関する方法の選択及びその時のパラメータ等を入力するためのものである。
なお、上記の最適化に関する方法は、数理計画法及び遺伝的アルゴリズム等の最適化手法があるが、本実施の形態では数理計画法による最適化手法を選択するものとする。
最適化演算部34は、目的関数を収束するまで最適化するためのものであり、目的関数・制約条件演算部36及び目的関数最適化演算部38から構成される。目的関数・制約条件演算部36は非線形演算部32による変換系を用いてタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件からそのタイヤ性能を予測するためのものであり、目的関数最適化演算部38は最適化項目入力部42で入力した目的関数を制約条件を満たしつつ収束するまで最適化するためのものである。
最適化結果出力部44は、最適化演算部34による最適化の結果として、入力された最適化項目を満足するように最適化された、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータと製造条件を出力するためのものである。
なお、本実施の形態では、非線形演算部32は、図2に示すハードウェア資源及び後述するソフトウェア資源を用いて構成され、後述するように概念的なニューラルネットワークで構成された変換機能を有すると共に、それを学習する学習機能を有している。また、非線形演算部32は、学習機能を有さない変換機能のみを有する構成とすることも可能である。すなわち、後述するように、非線形演算部32は、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件とそのタイヤ性能とが関連付けられた変換系を求めるものであるが、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件とその性能との間で変換できればよい。従って、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件とその性能との対応を予め他のニューラルネットワークで学習し、学習された他のニューラルネットワークの変換係数を入力するようにして、この変換係数を用いてタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件とその性能とが関連付けられた変換系を求めてもよい。つまり、変換係数が入力される構成であれば、変換係数を用いてタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件とそのタイヤ性能との間で変換する変換のみの機能でよい。また、これらの対応をルックアップテーブルとして記憶して、記憶されたルックアップテーブルを参照することによって、変換してもよい。
上記の非線形演算部32は、タイヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値毎の入力を可能とするために入力層としてタイヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ及び製造条件の数に応じたニューロンを有し、中間層を介して出力層として目的関数や制約条件に関係した予測するタイヤ性能項目の数に応じたニューロンを有して各々のニューロンがシナプスによって結合されたニューラルネットワークを構成している。この非線形演算部32は、後述する学習後に、タイヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値が入力されると、それに対応する性能が出力される。学習時には、タイヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ及び製造条件に対応する既知の性能が教師として入力され、出力の性能と既知の性能との誤差差分等の大小により、タイヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値と、その性能とが対応されるように設定される。
この非線形演算部32に用いられているニューラルネットワークの一例としては、図4に示すように、ニューロンに対応する所定数のユニットI1、I2、・・・、Ip(p>1)から成る入力層、多数のユニットM1、M2、・・・、Mq(q>1)から成る中間層、及び所定数の出力ユニットU1、U2、・・・、Ur(r>1)から成る出力層から構成されている。なお、入力層のユニット数、及び出力層のユニット数はタイヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ及び製造条件個数、性能の個数に応じて設定すればよい。また、中間層の各ユニット及び出力層の各ユニットには出力値を所定値だけオフセットさせるためのオフセットユニット46、48に接続されている。上記入力層のユニットには例えば、タイヤのベルトの幅、ベルトの角度、ベルトの材質、タイヤ形状をあらわすパラメータ、そしてコストを入力値として用いることができる。出力層のユニットには例えば、転がり抵抗、応力・歪み、タイヤのバネ特性、タイヤの接地特性等を出力値として用いることができる。
なお、本実施の形態では、中間層のユニット及び出力層のユニットは入出力関係がシグモイド関数によって表されるシグモイド特性を有する神経回路素子により構成され、入力層のユニットは入出力関係が線形の神経回路素子で構成されている。このシグモイド特性を有するように構成することによって、出力値は実値(正の数)となる。
非線形演算部32における、中間層のユニット及び出力層のユニットの各々の出力は、次の(1)、(2)式で表すことができる。すなわち、或るユニットについて、入力側のシナプスの個数をpとし、各シナプス結合の強さに相当する重み(ユニットの結合係数)をwji(1≦j≦N,1≦i≦p)とし、各入力信号をxjとするとき、ニューロンの膜電位の平均値に相当する仮想的な内部状態変数uは次の(1)で表すことができ、出力yはニューロンの特性を表す非線形関数fにより次の(2)式で表すことができる。
Figure 0004393595
従って、入力層のユニットへタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値を入力することによって、出力層のユニットから、タイヤ性能の個数に応じた各値が出力される。
なお、上記の入力層の各ユニットの特性は入力をそのまま出力する特性でよい。また、非線形演算部32(ニューラルネットワーク)の各ユニットの重み(結合係数)は、後述する学習処理により、既知である実験データについて誤差が最小となるように学習・修正される。
次に、非線形演算部32におけるニューラルネットワークの学習の処理の詳細を図6を参照して説明する。本実施の形態では、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値によってタイヤを試作・評価、またはタイヤをモデル化しコンピュータで予測することによってタイヤの性能に関するデータを得る。次に、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値と、その性能を表す各値との対応をデータとして学習に用いる。なお、複数のデータのうち所定数(例えば、全体の90%)のデータを学習データとすると共に、それ以外(例えば、残り10%)のデータをテストデータとしている。これは実験データを、ニューラルネットワークの学習時に用いるデータと、学習が終了したニューラルネットワークが最適に学習がなされたかを確認するデータとに用いるためである。また、これらタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値を入力データとすると共に、タイヤの性能を表す各値を出力教師データとしている。
まず、ステップ200では、予め求めた、学習データ及びテストデータを読み取る。次のステップ202では、ニューラルネットワークにおける各ユニットのの結合係数(重み)及びオフセット値を予め定めた値に設定することによって初期化する。次のステップ204では、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件が既知の複数の学習データを用いてニューラルネットワークを学習させるため、中間層及び出力層の各々のユニットの誤差を求める。
出力層の誤差は学習データのタイヤ性能に対する差を誤差とすることができる。各結合係数及びオフセット値の少なくとも1つを僅かづつ変化させることによって出力層の誤差、すなわちユニットの誤差が最小になるようにすることができる。また、中間層の誤差は、出力層の誤差を用いて誤差逆伝搬法等の逆計算により求めることができる。
次のステップ206では、上記求めた各結合係数及びオフセット値を更新(書換え)して、次のステップ208においてその更新された各結合係数及びオフセット値によるニューラルネットワークによってテストデータの各々をテストしてテスト結果の値としてタイヤの性能を表すデータを得る。次のステップ210では、上記ステップ208で求めたテスト結果の値が収束判定の基準である所定範囲内の値か否かを判別することにより収束したか否かを判断するか、または上記の処理を所定回数繰り返ししたか否かを判断し、肯定判断の場合には本ルーチンを終了する。一方、否定判断の場合にはステップ204へ戻り、上記処理を繰り返す。これによって、学習データを入力した場合に、中間層及び出力層の各々のユニットの誤差が最小になるように各結合係数及びオフセット値が定まる。
このようにして、タイヤの形状、構造、パターンの設計パタメータ及び製造条件が既知の複数の実験データを用いてニューラルネットワークを学習させる。すなわち、教師信号に対するニューラルネットワークの出力層からの出力値の誤差が最小となるように学習される。このように、学習することによって非線形演算部32では、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件の値が入力されると、タイヤの性能を表す値を出力することになる。
なお、以上の処理が終了し、ニューラルネットワークの学習が十分に行われた後に、ネットワークの構造、すなわち結合係数やオフセット値をメモリ18に記憶し、変換系を構築するようにしてもよい。
上記では非線形演算部32としてニューラルネットワークを用いた場合を説明したが、次の(3)式に示すように、多項式による応答曲面法を利用した変換系を用いることもできる。
Figure 0004393595
次に、本実施の形態の最適化装置30の作動を図5のフローチャートを参照してさらに説明する。最適化装置30の電源が投入または実行開始の指示がキーボードよりなされると、図5のステップ100へ進み、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxi(i=1〜p)、目的関数、最大実験回数を設定する。すなわち、何れの性能を改良するか、またその場合、何回程度の実験回数までに最適なタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを決定したいかを設定する。
次のステップ102では、ステップ100で設定したタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxiの許容範囲を設定し(xi L≦xi≦xi U:xi Lは下限値、xi Uは上限値)、次のステップ104では実験または数値計算による解析回数M及びタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの位置を表す変数eを初期化する(M=0、e=1)。
次のステップ106では、ステップ100で設定したタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxi、タイヤ性能に関して、過去の実験データを利用できるか否かを判定し、肯定判定で利用できるときはステップ108へ進み、否定判定で新規に求めなければならないときはステップ120へ進む。
ステップ120では、直交表または最適実験計画等を用いて、何れのタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxiを変化させて実験を行うかを決定することによってタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを決定する。このタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの決定は、「Box and Draper;”Empirical Model Builing and Response Surfaces”,John Wiley & Sons,New York」に記載の方法を利用することができる。
次のステップ122では、ステップ120で決定した実験計画に従ったタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータによりタイヤを試作または数値モデル化し、その性能を評価する実験または数値解析を行い、データを得る。なお、このときの全実験数または数値解析の回数をneとする。
次のステップ124では、上記で説明したようにしてニューラルネットワークを学習する。すなわち、入力層へ入力する値をタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの各値、出力層から出力される値をタイヤの性能の各値としてニューラルネットワークを学習する。
次のステップ126では、目標物性・特性に対して寄与が少ないタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの有無を判断する。例えば、入力層の少なくとも1つのユニットへ入力したタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxiを僅か変化させたときに対する出力層のタイヤ性能の変化傾向を示す感度、及び入力層の少なくとも1つのユニットからの出力を零にしたときに対する、出力層のタイヤ性能の予測精度の低下度合を計算し、寄与が少ないタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを決定する。これは感度が小さくその入力を無視しても予測精度が低下しないタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータは寄与が少ないと考えられるためである。
寄与が少ないタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータが有るときは、ステップ126で肯定判断され、次のステップ128において寄与が少ないタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxiを削除し、その削除された後のタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータによって再度学習する(ステップ124)。一方、寄与が少ないタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータが無のときはステップ126で否定判断され、次のステップ130において上記学習されたニューラルネットワークの入力層(タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ)と出力層(タイヤ性能)の関係を記憶する。すなわち、各結合係数及びオフセット値を記憶する。
次のステップ132では、記憶された入力層(タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ)と出力層(タイヤ性能)の関係を用いて後述するようにして目的関数を最適化することによって最良のタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxiを求める(図7)。
最適化が終了すると、次のステップ134で実験回数または解析回数Mが増加され(M=M+ne)、次のステップ136において、M<(設定された最大の実験回数または解析回数)か否かが判断され、小さい場合には、ステップ138へ進む。
ステップ138では変数eをインクリメントし、次のステップ140で、以下の(4)〜(6)式に示すようにタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの許容範囲を再設定してステップ120へ戻る。この処理を繰り返すことで、最適なタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxi OPTの精度を向上することができる。なお、ステップ140の許容範囲の再設定は、ステップ102で定めたタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの許容範囲を狭め設定を行い、ステップ120ではこの狭めた領域について再実験点の計画を行う。
Figure 0004393595
ここで、NNは、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの許容範囲を狭める程度を定めるための係数であり、1.5から5程度の値を設定することが望ましい。
一方、ステップ136で否定判断、すなわち予め定めた最大の実験回数または解析回数より多く実験または数値解析した場合には、次のステップ142で最後に得られたタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを最適タイヤ設計として出力する。次のステップ144では、過去の実験データ内に同様な実験または数値解析があるか否かを判断し、否定判断の場合には次のステップ146で最適タイヤ設計の性能をメモリ22またはデータ入出力装置28を介して外部記憶装置等のデータベースへ登録する。なお、再度実験または数値解析してタイヤの性能を求めてもよい。
なお、最大の実験回数または解析回数は、実験または数値解析にかかる費用及び最適タイヤ設計を求めるのに用する時間等によって定められた定数である。
次に、上記ステップ106で肯定判断された場合には、ステップ108において、予め用意されたデータベースからステップ100で設定した各項目に関連した過去のタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ、タイヤ性能を読み取り、次のステップ110において、その読み取ったデータを以下の(7)〜(10)式を用いて尖度、歪度が小さくなるように変換する。
Figure 0004393595
次のステップ112では、上記ステップ124と同様にニューラルネットワークを学習し、次のステップ114で上記ステップ130と同様に学習結果を記憶する。次のステップ116では実験データに戻すために、ステップ110による変換の逆変換を行い、次のステップ118で全実験数neをリセットし(=0)、ステップ132へ進む。
次に、図5のステップ132の最適化処理の詳細を説明する。図7のステップ300では、改良したいタイヤ性能を表す目的関数、或るタイヤ性能を改良するときに悪化してはならないタイヤ性能等を制約する制約条件及びタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを決定する設計変数を定め、次のステップ302でタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの数を表す変数jをリセット(=0)する。
次のステップ304では、最適化するときの初期値として用いるタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを設定する。タイヤの形状、構造、パターンの設計の最適化問題は、入力値(例えばベルトの幅と確度)を2次元平面にプロットして目的関数の値を高さ方向にプロットしたイメージによる3次元的に捉えるとタイヤの性能に関する設計空間が多峰性を有するために、異なった初期値から最適化を行って最適解の解空間を知る必要がある。初期値としては、例えば、以下に示す(11)式を用いることができる。
Figure 0004393595
次のステップ306では、ステップ304で設定した初期のタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを入力としてニューラルネットワークによる出力を実行し、入力したタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータに対応したタイヤの性能を予測する。その結果を用いて、目的関数、制約条件の初期値を演算する。
次のステップ308では、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを変化させるためにステップ304で設定されたタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxiを各々Δxiづつ変化させて、次のステップ310で、設計変数をΔxi変化させた後の目的関数の値OBJi及び制約条件の値Giを演算し、ステップ312で以下の式(12)、(13)に従って、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度dOBJ/dxi及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度dG/dxiを各設計変数毎に演算する。
Figure 0004393595
この感度によって、設計変数をΔxi変化させたときに目的関数の値がどの程度変化するか予測することができる。この予測、すなわち、最適化の過程は、登山にたとえることができ、目的関数の値の変化を予測することは登山の方向を指示することに相当する。
次のステップ314では、全てのタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータについて演算が終了したか否かを判断し、全てのタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータについて演算が終了していない場合には、ステップ308からステップ312を繰り返し実行する。
次のステップ316では、目的関数、制約条件の設計変数に関する感度を用いて、数理計画法により制約条件を満たしながら目的関数を最小(又は最大)にする設計変数の変化量を予測する。この設計変数の予測値を用いて、ステップ318で各タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを修正すると共に、修正された各タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータによる目的関数値を演算する。次のステップ320では、ステップ318で演算した目的関数値OBJとステップ306で演算した目的関数の初期値OBJoとの差と、予め入力されたしきい値とを比較することで目的関数の値が収束したか否かを判断し、目的関数の値が収束していない場合にはステップ316で求められた設計変数値を初期値として、ステップ306からステップ320を繰り返し実行する。目的関数の値が収束したと判断されたときには、このときの設計変数の値をもって制約条件を満たしながら目的関数を最良にする設計変数の値とし、ステップ322においてこの設計変数の値を用いてタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを決定し、次のステップ324で変数jをインクリメントしてステップ326へ進む。
ステップ326ではjが初期のタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの許容数:(1+Munit)pを越えるか否かを判断し、越えない場合には、ステップ304へ戻り初期のタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの値を変更して上記ステップ304からステップ326を繰り返し実行する。
一方、ステップ326で肯定判断の場合には次のステップ328で最適タイヤ設計を決定し、本ルーチンを終了する。本実施の形態のステップ328における最適タイヤ設計の決定は、次の2つの条件を考慮して求めるものであり、条件に対する一致度が大きいものを最適タイヤ設計とする。
[条件]
▲1▼目的関数OBJが小さい値を有する。
(目的関数に選んだタイヤ性能が小さい方が良いように設定する。
大きい方が良い場合にはマイナス符号を付与して対応する。)
▲2▼求められた最適解の周りでタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを少し変更しても目的関数、制約条件が余り変化しない。
以上説明したように、本実施の形態では、変換系を定めるために、ニューラルネットワークによる非線形演算部において、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ、製造条件とタイヤの性能との対応関係を実験または数値解析によるデータにより学習しているので、変換系を計算する手段として関数型を仮定する必要がなく、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件と、タイヤの性能との対応が関連付けられた相互の関係を見出すことのできる変換系を、精度が高く任意性の少なく作成することができる。また、その変換系と最適化演算部を組み合わせることによって、有効性のあるタイヤの形状、構造、パターンの最適設計案を出力することができる。
次に、第2実施の形態を説明する。本実施の形態は、上記実施形態における感度解析(図7)に代えて遺伝的アルゴリズムの手法によって、最適化するものである。なお、本実施例は、上記実施例と略同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図10は、本実施の形態の最適化処理プログラムの処理ルーチンを示すものである。上記図5のステップ132が実行されると、図10に示す処理ルーチンが実行され、ステップ400では、N個のタイヤについてモデル化がなされる。つまりタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxij(i=1〜p,j=1〜N)と、タイヤの性能との対応関係に基づいてモデル化する。N個のモデル化は、図4に示したニューラルネットワークの入力層へ入力されるべきインプットI1〜Ipを乱数に基づいてN個生成することを言う。なお、Nは予め使用者がインプットする。
次のステップ402では、目的関数、制約条件を決定する。すなわち、改良したいまたは新規に望まれるタイヤ性能を表す目的関数、或るタイヤ性能を改良するときに悪化してはならないタイヤ性能等を制約する制約条件を決定する設計変数を定める(目的関数OBJ、制約条件Gを決定)。次のステップ404では、N個のモデルの各々の設計変数riJの各々の目的関数OBJJ及び制約条件GJを演算する。
次のステップ406では、ステップ404で求めたN個のモデルの各々の目的関数OBJJ及び制約条件GJを用いて、N個のモデルの各々の適応関数FJを以下の式(14)に従って演算する。本実施の形態では、例えばタイヤ性能やコストを最適にするため、適応関数による値(適応度)は、目的関数OBJJの値が大きくなり制約条件GJの値が小さくなると大きくなる。
Figure 0004393595
次のステップ408では、N個のモデルの中から交叉させるモデルを2個選択する。選択方法としては、一般に知られている適応度比例戦略を用い、N個のモデルのある個体lが各々選択で選ばれる確率PLは以下の式で表わされる。
Figure 0004393595
本実施の形態では、選択方法として適応度比例戦略を用いたが、この他、遺伝的アルゴリズム(北野宏明 編)に示されている様な、期待値戦略、ランク戦略、エリート保存戦略、トーナメント選択戦略、あるいはGENITORアルゴリズム等を用いてもよい。
次のステップ410では、選択された2個のモデルを、使用者が予め入力した確率Tによって交叉させるか否かを決定する。ここでいう、交叉とは、後述するように、2個のモデルの要素の一部を交換することをいう。否定判定で交叉させない場合は、ステップ412において現在の2個のモデルをそのままの状態でステップ416へ進む。一方、肯定判定で交叉させる場合には、ステップ414において後述するように2個のモデルを交叉させる。
2個のモデルの交叉は、図11に示す交叉ルーチンによって行われる。先ず、図10のステップ408において選択された2個のモデルをモデルa及びモデルbとすると共に、各々のモデルa,bの設計変数について並びを含む設計変数ベクトルで表し、モデルaの設計変数ベクトルをVra=(r1 a、r2 a、・・・、ri a、・・・、rn-1 a)、モデルbの設計変数ベクトルをVrb=(r1 b,r2 b、・・・ri b、・・・rn-1 b)とする。図11のステップ450では、予め定めた乱数を生成し、この乱数に応じてモデルa,bの設計変数ベクトルに関する交叉場所iを決定する。
次のステップ452では、交叉すると決定されたモデルa,bの設計変数ri a,ri bに対して、以下の式に従って距離dを求める。
d=|ri a−ri b
次のステップ454では、ri a、ri bの取り得る範囲の最小値BL及び最大値Buを用いて、以下の式に従って正規化距碓d’を求める。
Figure 0004393595
ステップ456では、正規化距離d’の値を適度に分散させるために、図12(a),(b)に示すような山型の写像関数Z(x)(0≦x≦1,0≦Z(x)≦0.5)を用いて、以下の式に従って関数値Zabを求める。
ab=Z(d’)
このようにして、関数値Zabを求めた後、ステップ458において新しい設計変数ria、ribを次の式に従って求める。
Figure 0004393595
このようにして、ria、ribを求めた後、ステップ460で新しい設計変数の並びである設計変数ベクトルVr’a、Vr’bは以下のように求められる。
Vr’a=(r1 a、r2 a、・・・ria、ri+1 b、・・・、rn-1 b
Vr’b=(r1 b、r2 b、・・・rib、ri+1 a、・・・、rn-1 a
なお、riの取り得る範囲の最小値BL及び最大値Buは、使用者が予め入力しておく。また、写像関数Z(x)は図13(a),(b)に示すような、谷型の関数でもよい。また、上記では交叉場所iは1ヶ所であるが、この他に遺伝的アルゴリズム(北野 宏明 編)に示されているような、複数点交叉または一様交叉等を用いてもよい。
このような交叉によって新規な2個のモデルを生成した後、図10のステップ416では、使用者が予め入力した確率Sで、突然変異させるか否かを決定する。この突然変異は、後述するように、設計変数の一部を微小に変更することをいい、最適な設計変数となりうる母集団を含む確度を高くするためである。ステップ416で、否定判定で突然変異させない場合には、ステップ426では現在の2個のモデルのまま、次のステップ422へ進む。肯定判定で突然変異させる場合には、次のステップ420で以下のようにして突然変異処理を行う。
この突然変異は、図14に示す突然変異ルーチンによって行われる。先ず、ステップ462では乱数を生成し、乱数によって突然変異の場所iを決定する。次のステップ464では、距離d’を
0≦d’≦1
の範囲で乱数により決定する。
次のステップ466では、図12(a),(b)に示すような山型の写像関数Z(x)(0≦x≦1で、0≦Z(x)≦0.5)あるいは図13(a),(b)に示すような谷型の写像関数Z(x)を用いて、以下の式に従って、関数値Zdを求める。
Zd=Z(d’)
このようにして、関数値Zdを求めた後、ステップ468において新しい設計変数ri’を以下の式に従って求める。
Figure 0004393595
このようにして、設計変数ri’を求めた後、ステップ470で求められる、新しい設計変数の並びである設計変数ベクトルVr’は以下のようになる。
Vr’=(r1、r2、・・・ri’、ri+1、・・・、rn-1
このようにして、新たに生成された2個のモデルについて、目的関数の値と制約条件の値を図10のステップ422で演算する。次のステップ424では、得られた目的関数の値と制約条件の値から上記と同様に式(14)を用いて適応関数を演算する。
次のステップ426では、上記2個のモデルを保存する。次のステップ428では、ステップ426で保存したモデルの数が、N個に達したか否かを判断し、N個に達していない場合は、N個になるまでステップ408からステップ428を繰り返し実行する。一方、モデルの数がN個に達した場合には、ステップ430で収束判定をし、収束していない場合には、N個のモデルをステップ426で保存されたモデルに更新し、ステップ408からステップ430を繰り返し実行する。一方、ステップ430で収束したと判断された場合には、N個のモデルの中で制約条件を略満たしながら目的関数の値が最大となるモデルの設計変数の値をもって制約条件を略満たしながら目的関数を最大にする設計変数の値とし、ステップ432においてこの設計変数の値を用いて上記実施の形態と同様にして最適タイヤ設計を決定し、本ルーチンを終了する。
なお、ステップ430の収束判定は以下の条件のいずれかを満足したら収束とみなす。
1)世代数がM個に達した
2)一番目的関数の値が大きい線列の数が全体のq%以上になった
3)最大の目的関数の値が、続くs回の世代で更新されない。
なお、M、q、sは使用者が予め入力しておく。
〔試験例〕
次に、本発明の実施の形態による設計方法を用いて設計したタイヤの試験例を説明する。
まず、第1試験例を説明する。本試験例はタイヤのクラウン形状設計に本発明を適用したものである。本試験例は、次の条件の▲1▼〜▲5▼によりタイヤ(サイズ:205/55R16)を設計し、設計したタイヤを実際に作成し、作成したタイヤについて各種試験を行った。
〔条件〕
▲1▼過去のデータを利用しない。
▲2▼L27の3水準直交実験計画法を利用する。
(表1の直交表−L2713参照)
▲3▼実験のセット回数は1回にする。
▲4▼目的関数OBJを最小化する。
(横力負荷時の接地圧を均一化する)
なお、目的関数は次式で求める。
Figure 0004393595
▲5▼設計変数は、r1,r2,r3,θ1,θ2とする。
(rはタイヤの基準点とタイヤ最内側の節点との距離)
なお、上記接地圧Pi N、Pi Lは、図17に示すように、接地面付近のタイヤを20個に分割した領域を想定し(荷重直下の要素を20個として)、各々の領域について接地圧分布求めるものとする。
また、ニューラルネットワークは、荷重付加時及び横力付加時のそれぞれについて入力層が5ユニット、中間層が40ユニット、及び出力層が20ユニットで構成した。
以下の表6には入力する設計変数を示し、表7には出力が荷重及び横力負荷時の接地圧分布であることを示した。なお、ニューラルネットワークの出力層が荷重直下の各領域(要素)の接地圧分布に対応することになる(図17参照)。
設計変数r1〜r3,θ1,θ2は、以下のようにして設定する。すなわち、設計変数であるクラウン部形状については、予め指定したクラウン部の範囲を複数個の円弧で近似する。例えば、図16に示すように、タイヤ中心の節点q7からベルト端部付近の節点q8までの範囲で、近似可能なクラウン部の範囲、この場合、範囲CR1,CR2,CR3の3領域についてクラウン部形状を3個の円弧で表わす。範囲CR1については、半径がr1で角度θ1で近似でき、範囲CR2については、半径がr2で角度θ2で近似でき、範囲CR3については、半径がr3で角度θ3で近似できる。これらの半径r1,r2,r3及び角度θ1,θ2を設計変数と設定する。
上記の図16の例では、タイヤ中心の節点q7からベルト端部付近の節点q8までの範囲で、クラウン部形状を3個の円弧で表わすことを示しているが、もちろん円弧の数は1〜2個あるいは4個以上でも構わない。また、各円弧は必ずしも滑らかに連続している必要はなく、各円弧の中心の座標値を独立した変数として扱ってもよい。
なお、上記ラグランジェ補間および円弧補間を用いたが、スプライン曲線、Bスプライン曲線、ベジェ曲線、NURBS等を用いてもよい。
以下の表8には、本試験例の条件で設計したタイヤの試作し、OBJ1,OBJ2で表される荷重及び横力負荷時の均一化度を実測により求め、従来の設計方法によって試作したタイヤと本試験例によるタイヤとの比較結果を示した。なお、表8では数値が小さい程接地圧が均一であることを示している。また、表9には、本試験例の条件で設計したタイヤの試作し、操縦安定性及び磨耗を試験し、従来の設計方法によって試作したタイヤと本試験例によるタイヤとの比較結果を示した。なお、表5では数値が大きい程性能が高いことを示している。
Figure 0004393595
Figure 0004393595
Figure 0004393595
次に、第2試験例を説明する。第2試験例はタイヤのサイド形状設計に本発明を適用したものである。本試験例は、次の条件の▲1▼〜▲5▼によりタイヤ(サイズ:205/55R16)を設計し、設計したタイヤを実際に作成し、作成したタイヤについて各種試験を行った。
〔条件〕
▲1▼過去のデータを利用しない。
▲2▼L27の3水準直交実験計画法を利用する。
(表1の直交表−L2713参照)
▲3▼実験のセット回数は1回にする。
▲4▼目的関数はクラウン形状設計(前述)と同一にする。
(横力負荷時の接地圧を均一化する)
▲5▼設計変数は、r1,r2,r3,r4,r5とする。
(rはタイヤの基準点とタイヤ最内側の節点との距離)
なお、ニューラルネットワークは、入力層が5ユニット、中間層が40ユニット、及び出力層が20ユニットで構成した。
以下の表1には、L27の3水準直交実験計画法に用いる直交表(L2713)を示した。表2には入力する設計変数を示し、表3には出力が横力負荷時の接地圧分布であることを示した。
なお、設計変数r1〜r5は、以下のようにして設定する。
まず、自然平衡状態のタイヤ断面形状を基準形状としてモデル化する。図15はモデル化したタイヤ断面形状モデルを示すもので、CLはカーカスライン、OLはタイヤ外面形状を表すライン、PLは折り返しプライライン、B1,B2はベルトを表すラインを各々示している。また、このタイヤ断面形状モデルは、カーカスラインCLの複数の法線NL1,NL2,NL3,・・・によって複数の要素に分割されている。なお、上記では、タイヤ断面形状モデルをカーカスラインの複数の法線によって複数の要素に分割した例について説明したが、タイヤ外面形状を表すラインの複数の法線や折り返しプライラインの複数の法線によって複数の要素に分割してもよく、また設計目的によって3角形等の任意の形状に分割してもよい。
カーカスラインの形状は、設計変数として用いられ、曲線を近似するラグランジェ補間によって決定される。このラグランジェ補間処理は、タイヤ内部に予め基準点Pを設定し、ベルト端付近の節点q1からリムに拘束される付近の節点q2までの範囲をタイヤ形状を変化させる範囲として指定する。この節点q1と基準点Pとを結ぶ直線を基準線として、この基準線と、節点q2と基準点Pとを結ぶ直線との成す角である見込み角θを演算し、角度増分dθ(=θ/ラグランジェ補間の次数)を演算する。次に、基準線を基準として角度増分dθ毎に仮想線を想定して仮想線に最も近い法線n11,n12,n13,・・・を選択し、選択した法線n11,n12,n13,・・・上の最内側の節点Q1,Q2,Q3,・・・と基準点Pとの距離r1,r2,r3,・・・(以下一般式でriと表す。ただし、i=1,2,・・・ラグランジェ補間の次数−1)、節点Q1,Q2,Q3,・・・の見込み角θ1,θ2,θ3,・・・(ただし、i=1,2,・・・ラグランジェ補間の次数−1)とを演算し、距離riを設計変数として設定する。本試験例では設計変数r1〜r5を設定した。
以下の表4には、本試験例の条件で設計したタイヤの試作し、横力負荷時の均一化度を試験し、従来の設計方法によって試作したタイヤと本試験例によるタイヤとの比較結果を示した。なお、表4では数値が小さい程性能が高いことを示している。また、表5には、本試験例の条件で設計したタイヤの試作し、操縦安定性を試験し、従来の設計方法によって試作したタイヤと本試験例によるタイヤとの比較結果を示した。なお、表5では数値が大きい程性能が高いことを示している。
Figure 0004393595
Figure 0004393595
Figure 0004393595
Figure 0004393595
次に、第3試験例を説明する。本試験例はタイヤのベルト構造設計に本発明を適用したものである。本試験例は、次の条件の▲1▼〜▲6▼によりタイヤ(サイズ:11/70R22.5)を設計し、設計したタイヤを実際に作成し、作成したタイヤについて各種試験を行った。
〔条件〕
▲1▼過去のデータを利用しない。
▲2▼D最適実験計画(実験点は30)を利用する。
(”Optimum Experimental Designs”A.A.Atkinson and A.N.Donev oxford science Publications.pp106参照)
▲3▼実験のセット回数は1回にする。
▲4▼目的関数は補強層間の主歪の最大値を最小にする。
▲5▼設計変数は、11,12,13,14,θ1,θ2,θ3,θ4とする。
(1i:ベルト幅、θi:周方向から計測した補強層のコード角度)
▲6▼制約条件は次の式によるものとする。
Figure 0004393595
以下の表10には、入力する設計変数を示し、表11には出力を示した。なお、ニューラルネットワークは、入力層が8ユニット、中間層が20ユニット、及び出力層が4ユニットで構成した。
なお、設計変数r1〜r5は、以下のようにして設定する。
図18に示すように設計変数は、各ベルト層を表わすラインB1,B2,B3,B4の各々のベルト幅1i、周方向から計測した補強層のコード角度θiを設定した。
以下の表12には、本試験例の条件で設計したタイヤの試作し、室内ドラム試験機を用いて速度60km/h,内圧8.00kgf/cm2,スリップ角1度で荷重2725kgから30分おきに荷重を10%づつ増加させて、ベルト部の故障発生時の荷重をベルト耐久力としてコントロールを100として指数表示し、従来の設計方法によって試作したタイヤと本試験例によるタイヤとの比較結果を示した。なお、表12では数値が大きい程性能が高いことを示している。
Figure 0004393595
Figure 0004393595
産業上の利用可能性
以上のように本発明にかかるタイヤの設計方法、最適化解析装置及び最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体は、タイヤを製作するためのタイヤの形状、構造、パターンの設計に有用である。

Claims (18)

  1. 次の各ステップを含むタイヤの設計方法。
    (a)内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを該タイヤのタイヤ性能に変換するように学習されかつ、内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを入力とし、該タイヤの性能を出力とする、非線形な対応を関係付けるニューラルネットワークを用いた変換系を定めるステップ、
    (b)前記タイヤの性能を表す目的関数を定めると共に、前記タイヤの性能及び前記タイヤの製造条件の少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定めるステップ、
    (c)前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて、前記目的関数及び前記制約条件に基づいて目的関数の最適値を与える最適化を行ってタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計するステップ。
  2. 前記ステップ(c)では、前記タイヤの設計パラメータを設計変数と定め、制約条件を考慮しながら前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与える設計変数の値を求め、目的関数の最適値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの設計方法。
  3. 前記ステップ(c)では、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度に基づいて制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の変化量を予測すると共に、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値を演算し、予測値と演算値とに基づいて、制約条件を考慮しながら前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与える設計変数の値を求める請求項2に記載のタイヤの設計方法。
  4. 前記ステップ(c)は、前記ステップ(a)で定めた変換系に含まれるタイヤの設計パラメータの1つを設計変数として選択するステップ(d)と、前記制約条件を考慮しながら前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与えるまで前記ステップ(a)で定めた変換系内から選択する設計変数の値を変化させるステップ(e)と、目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計するステップ(f)とを含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤの設計方法。
  5. 前記ステップ(b)は、前記定めた目的関数以外のタイヤ性能及び前記タイヤの設計パラメータの少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定めることを特徴とする請求項4に記載のタイヤの設計方法。
  6. 前記ステップ(e)は、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度に基づいて制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の変化量を予測すると共に、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値を演算し、予測値と演算値とに基づいて、前記制約条件を考慮しながら前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与えるまで、選択する設計変数の値を変化させることを特徴とする請求項4または5に記載のタイヤの設計方法。
  7. 前記ステップ(c)では、前記ステップ(a)において定めた変換系におけるタイヤの設計パラメータを基本モデルとして複数個の基本モデルからなる選択対象集団を定め、該選択対象集団の各基本モデルについて、前記目的関数、設計変数、制約条件、及び目的関数から評価できる適応関数を定め、前記選択対象集団から2つの基本モデルを選択し、所定の確率で各基本モデルの設計変数を交叉させて新規の基本モデルを生成すること及び少なくとも一方の基本モデルの設計変数の一部を変更させて新規の基本モデルを生成することの少なくとも一方を行い、設計変数を変化させて前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて基本モデルの目的関数、制約条件及び適応関数を求めて該基本モデル及び設計変数を変化させなかった基本モデルを保存しかつ保存した基本モデルが所定数になるまで繰り返し、保存した所定数の基本モデルからなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否かを判断し、収束条件を満たさないときには該新規集団を前記選択対象集団として該選択対象集団が所定の収束条件を満たすまで繰り返すと共に、該所定の収束条件を満たしたときに保存した所定数の基本モデルのなかで制約条件を考慮しながら前記ステップ(a)で定めた変換系を用いて目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のタイヤの設計方法。
  8. 前記ステップ(a)において、前記タイヤの設計パラメータを前記タイヤ性能に変換するように学習された多層フィードフォワード型ニューラルネットワークのデータで前記変換系を構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のタイヤの設計方法。
  9. 内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを該タイヤのタイヤ性能に変換するように学習されかつ、内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを入力とし、該タイヤの性能を出力とする、非線形な対応を関係付けたニューラルネットワークを用いた変換系により、タイヤの設計パラメータと該タイヤの性能との非線形な対応関係を求める変換系計算手段と、
    前記タイヤ性能を表す目的関数を定めると共に、前記タイヤ性能及び前記タイヤの製造条件の少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定めて、最適化項目として入力する入力手段と、
    前記変換系計算手段を用いて前記入力手段により入力された最適化項目に基づいて目的関数の最適値を与える最適化を行ってタイヤの設計パラメータを求める最適化計算手段と、
    を備えた最適化解析装置。
  10. 前記変換系計算手段は、前記タイヤの設計パラメータ及びタイヤに対する適用条件と、前記タイヤ性能との非線形な対応関係を求めることを特徴とする請求項9に記載の最適化解析装置。
  11. 前記最適化計算手段は、前記変換系計算手段に含まれるタイヤの設計パラメータの1つを設計変数として選択する選択手段と、前記制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与えるまで前記変換系計算手段内から選択する設計変数の値を変化させる変化手段と、前記変換系計算手段を用いて目的関数の最適値が与えられるまで設計変数の値を計算する最適値計算手段と、目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計する設計手段とから構成されたことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の最適化解析装置。
  12. 前記最適化計算手段は、前記変換系計算手段において求めた対応関係におけるタイヤの設計パラメータを基本モデルとして複数個の基本モデルからなる選択対象集団を定め、該選択対象集団の各基本モデルについて、前記目的関数、設計変数、制約条件、及び目的関数から評価できる適応関数を定め、前記選択対象集団から2つの基本モデルを選択し、所定の確率で各基本モデルの設計変数を交叉させて新規の基本モデルを生成すること及び少なくとも一方の基本モデルの設計変数の一部を変更させて新規の基本モデルを生成することの少なくとも一方を行い、設計変数を変化させて前記変換系計算手段を用いて基本モデルの目的関数、制約条件及び適応関数を求めて該基本モデル及び設計変数を変化させなかった基本モデルを保存しかつ保存した基本モデルが所定数になるまで繰り返し、保存した所定数の基本モデルからなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否かを判断し、収束条件を満たさないときには該新規集団を前記選択対象集団として該選択対象集団が所定の収束条件を満たすまで繰り返すと共に、該所定の収束条件を満たしたときに保存した所定数の基本モデルのなかで制約条件を考慮しながら前記変換系計算手段を用いて目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計することを特徴とすることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の最適化解析装置。
  13. 前記変換系計算手段は、前記タイヤの設計パラメータを、前記タイヤ性能に変換するように学習された多層フィードフォワード型ニューラルネットワークであることを特徴とする請求項9乃至請求項12の何れか1項に記載の最適化解析装置。
  14. コンピュータによってタイヤを設計するためのタイヤの最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体であって、
    最適化解析プログラムは、
    内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを該タイヤのタイヤ性能に変換するように学習されかつ、内部構造を含むタイヤ断面形状またはタイヤ構造を表すタイヤの設計パラメータを入力とし、該タイヤの性能を出力とする、非線形な対応を関係付けたニューラルネットワークを用いた変換系により、タイヤの設計パラメータと該タイヤの性能との非線形な対応関係を定め、
    前記タイヤの性能を表す目的関数を定めると共に、前記タイヤの性能及び前記タイヤの製造条件の少なくとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定め、
    前記定めた対応関係、前記目的関数及び前記制約条件に基づいて目的関数の最適値を与える最適化を行ってタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計することを特徴とするタイヤの最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体。
  15. 前記タイヤの設計パラメータに基づくタイヤの設計は、
    前記定めた対応関係、前記目的関数及び前記制約条件に基づいて、前記定めた対応関係に含まれるタイヤの設計パラメータの1つを設計変数として選択し、前記制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与えるまで前記定めた対応関係内から選択する設計変数の値を変化させ、目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計することを特徴とする請求項14に記載のタイヤの最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体。
  16. 前記制約条件は、前記定めた目的関数以外のタイヤ性能及び前記タイヤの設計パラメータの少なくとも一方の許容範囲を制約することを特徴とする請求項15に記載のタイヤの最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体。
  17. 前記設計変数の変化は、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感度に基づいて制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の変化量を予測すると共に、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約条件の値を演算し、予測値と演算値とに基づいて、前記制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与えるまで、選択する設計変数の値を変化させることを特徴とする請求項15または請求項16に記載のタイヤの最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体。
  18. 前記タイヤの設計パラメータに基づくタイヤの設計は、前記定めた対応関係におけるタイヤの設計パラメータを基本モデルとして複数個の基本モデルからなる選択対象集団を定め、該選択対象集団の各基本モデルについて、前記目的関数、設計変数、制約条件、及び目的関数から評価できる適応関数を定め、前記選択対象集団から2つの基本モデルを選択し、所定の確率で各基本モデルの設計変数を交叉させて新規の基本モデルを生成すること及び少なくとも一方の基本モデルの設計変数の一部を変更させて新規の基本モデルを生成することの少なくとも一方を行い、設計変数を変化させた基本モデルの目的関数、制約条件及び適応関数を求めて該基本モデル及び設計変数を変化させなかった基本モデルを保存しかつ保存した基本モデルが所定数になるまで繰り返し、保存した所定数の基本モデルからなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否かを判断し、収束条件を満たさないときには該新規集団を前記選択対象集団として該選択対象集団が所定の収束条件を満たすまで繰り返すと共に、該所定の収束条件を満たしたときに保存した所定数の基本モデルのなかで制約条件を考慮しながら前記対応関係を用いて目的関数の最適値を与える設計変数によるタイヤの設計パラメータを求めて該タイヤの設計パラメータに基づいてタイヤを設計することを特徴とすることを特徴とする請求項15乃至請求項17の何れか1項に記載のタイヤの最適化解析プログラムを記憶した記憶媒体。
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