JP3432573B2 - タイヤのピッチ配列決定方法 - Google Patents

タイヤのピッチ配列決定方法

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JP3432573B2
JP3432573B2 JP05562294A JP5562294A JP3432573B2 JP 3432573 B2 JP3432573 B2 JP 3432573B2 JP 05562294 A JP05562294 A JP 05562294A JP 5562294 A JP5562294 A JP 5562294A JP 3432573 B2 JP3432573 B2 JP 3432573B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/0318Tread patterns irregular patterns with particular pitch sequence
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤのピッチ配列決
定方法にかかり、特に、タイヤ騒音性能等を達成するタ
イヤのピッチ配列の決定を効率的にかつ容易にし、しか
も、タイヤのベストなピッチ配列を求めかつコストパフ
ォーマンスの高いタイヤを設計することができるタイヤ
のピッチ配列決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】乾燥、湿潤及び氷雪を含む路面状態にお
いて高速走行で安全かつ比較的静寂な自動車用タイヤの
設計について、近年着実に認識が高まっており、最近で
は、静寂なタイヤを設計するためのアプローチも理論的
になってきている。タイヤのトレッドに形成する溝等
は、数学的に算出した基準に従い、複数の可変ピッチ反
復設計サイクルによって設計されている。
【0003】その設計値に基づいて手作業でトレッドに
刻んだり、タイヤ型によって形成したりして、タイヤ円
周上のピッチ及びピッチ配列を規定する横方向溝及び円
周方向溝に分けられた陸部(以下、設計要素という。)
を持つトレッドを得ている。ここで、このピッチとは設
計要素の相対長さを指し、ピッチ配列とはタイヤ円周上
に使われるピッチの順序をいう。
【0004】特開平4−232105号公報において述
べられているように、各ピッチは、様々な異なる長さで
あり得るが、実用目的から約9種類かそれ以下に限定さ
れ、あるピッチ配列における特定のピッチの特定長さ
は、タイヤの円周によって異なることになる。その結
果、第2のタイヤが第1のタイヤより低速度で走行した
とき、第2のタイヤの直径より直径の大きい第1のタイ
ヤ上の指定相対長さのピッチの特定ピッチ配列は、同一
ピッチ長の比及びピッチ配列を有する第2のタイヤのそ
れと同一の音響指紋(特徴を表すストリング・プロット
でシュミレーションされる。ストリング・プロットと
は、音を出す際のタイヤが1回転する間に何回振動する
かを示す調和数<横座標>に対して、振幅<縦座標>を
プロットしたものをいう。)を生じることになる。
【0005】そして、上記公報においては、この知見に
基づく従来技術の要旨が適確に紹介されており、以下に
引用する。特定トレッドの設計方法は、ランダースによ
って開示されている(アメリカ合衆国特許第43277
92号及び第4474223号)。他にトレッド設計を
最適化するアプローチは、フレックナーによって開示さ
れており(アメリカ合衆国特許第4598747号)、
ここでは、各突起に切込みを形成し、その切込みの波長
と振幅を突起の寸法に対して小さくして、他の基準も満
たすようにするものである。他に数学的に設計する方法
は、カンポ他によって開示されている(アメリカ合衆国
特許第4598748号)。
【0006】前記アプローチが静寂なタイヤのトレッド
の設計として成功しているかどうかは、試験するトレッ
ド設計に見合う寸法のタイヤを物理的に形成して、その
タイヤを試験することによって決定する。「騒音レベル
と質」のためのタイヤ試験は、感度の高い訓練された耳
を持つ人によって運転される自動車のホイールリムに4
個(、またはそれ以下)の試験タイヤを取り付けて行う
のが一般的である。
【0007】トレッド設計の騒音発生特性について試験
するのに、はるかに便利で、かつ信頼性の高い方法は、
路面を走行する際の実施のタイヤトレッドノイズをコン
ピュータによってシミュレーションすることで、この詳
細は、パーカー他によって開示されている(アメリカ合
衆国特許第4727501号)。
【0008】また、特開平4−232105号公報にお
いては、あるピッチ配列が与えられたときに、ホワイト
ノイズ化するピッチ長の比(ピッチ比)を素数を基に決
定する方法が、ハワードウイリアムウイツトによって開
示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記何
れの方法でも、静寂なタイヤを得ることができるピッチ
配列と、最適ピッチ比の組合せを見逃す虞があるため、
非常に限られた数のピッチ比及びピッチ配列しか設計及
び試験できないという問題があった。
【0010】本発明は、上記事実を考慮して、最適ピッ
チの組合せを見逃す虞を最小限度に抑えることができる
タイヤのピッチ配列決定方法を得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のタイヤのピッチ配列決定方法は、(a)タイ
ヤの各ピッチから発生する騒音パルスのモデル、タイヤ
騒音性能評価用物理量を表す目的関数、ピッチ配列を決
定する設計変数、及びピッチ配列を制約する制約条件を
定めるステップ、(b)予め定められた複数の初期配列
のなかから処理対象となるピッチ配列の初期配列を定
め、前記初期配列に対して制約条件を考慮しながら目的
関数の最適値を与える設計変数の値を求めるステップ、
(c)目的関数の最適値を与える設計変数に基づいて前
記初期配列に対応したピッチ配列を求めるステップ、
(d)前記ステップ(b)及び前記ステップ(c)を予
め定められた回数繰り返して複数のピッチ配列を求め、
求められた複数のピッチ配列から目的関数の最適値が最
大または最小となるピッチ配列を選択するステップ、を
含んでいる。
【0012】また、本発明者等は種々検討を加えた結
果、異分野に利用されている「遺伝的アルゴリズム手
法」をタイヤと言う特殊分野に応用することに着目し、
あらゆる検討を試み、具体的にそれをタイヤ設計方法と
して確立したものである。具体的には、前記ステップ
(a)では、複数個のピッチ配列からなる選択対象集団
を予め定めると共に、前記選択対象集団の各ピッチ配列
について前記目的関数及び前記制約条件から評価できる
予め定めた適応関数の値を求め、前記ステップ(b)で
は、前記選択対象集団の各ピッチ配列の適応関数の値に
基づいて前記選択対象集団から2つのピッチ配列を初期
配列として選択し、所定の確率で初期配列の各ピッチ配
列の設計変数を交叉させて新規のピッチ配列を生成する
こと及び少なくとも一方のピッチ配列の設計変数の一部
を変更(突然変異)させて新規のピッチ配列を生成する
ことの少なくとも一方を行って設計変数の値を求め、前
記ステップ(c)では、前記新規のピッチ配列の目的関
数、制約条件及び適応関数を求めて前記新規のピッチ配
列を保存して保存した新規のピッチ配列を前記初期配列
に対応したピッチ配列として求め、前記ステップ(d)
では、前記ステップ(b)及び前記ステップ(c)を、
前記保存したピッチ配列が所定数になるまで繰り返して
複数のピッチ配列を求め、保存した所定数のピッチ配列
からなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否かを判
断し、収束条件を満たさないときには該新規集団を前記
選択対象集団として該新規集団を少なくとも含む選択対
象集団が所定の収束条件を満たすまで繰り返すと共に、
該所定の収束条件を満たしたときに保存した所定数のピ
ッチ配列のなかで制約条件を考慮しながら目的関数の最
適値が最大となる設計変数の値のピッチ配列を選択す
る。なお、前記ステップ(a)では、選択対象集団の各
ピッチ配列について、隣り合うピッチ長さの比、最大ピ
ッチ長と最小ピッチ長の比、各ピッチ長に属するピッチ
の数、連続する同一ピッチ長の数をさらに定めてもよ
い。
【0013】前記遺伝的アルゴリズムを適用した場合、
前記ステップ()において、前記新規のピッチ配列に
ついて、設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化
量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位変化
量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件の感
度に基づいて制約条件を考慮しながら目的関数の最適値
を与える設計変数の変化量を予測すると共に、設計変数
を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の値及
び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの制約
条件の値を演算し、目的関数の値及び制約条件の値から
適応関数を求めることができる
【0014】前記ステップ(b)では、設計変数の単位
変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数
の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変
化量の割合である制約条件の感度に基づいて制約条件を
考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の変化
量を予測すると共に、設計変数を予測量に相当する量変
化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相
当する量変化させたときの制約条件の値を演算し、予測
値と演算値とに基づいて、制約条件を考慮しながら目的
関数の最適値を与える設計変数の値を求めることができ
る。
【0015】また、前記設計変数は、ピッチ配列を表す
関数とすることができる。前記設計変数としてピッチ配
列を表す関数を定めたときには、ステップ(b)で設計
変数を変化させたときにピッチ長が所定範囲になるよう
に制約条件を定めてステップ(b)を実行することによ
り、制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える
設計変数の値を求めればよい。
【0016】前記初期配列として、ピッチの大きさが段
階状に変化するように順にピッチを並べると共に各階位
に含まれるピッチの数予め定め、前記ステップ(b)
では異なる階位間で該階位に含まれるピッチの数を変化
させることにより設計変数の値を求め、前記ステップ
(c)では目的関数の最適値を与える各階位が含むピッ
チの数に基づいてタイヤのピッチ配列を求めることがで
きる。
【0017】記ピッチ配列について、M個の所定のピ
ッチ長のブロックに関して、最短ピッチ長のブロックか
ら最長ピッチ長のブロックまでピッチ長の順に並べたと
きに最短ピッチ長のブロックを表す識別子1から順に最
長ピッチ長のブロックを表す識別子Mまでの順序を値で
表す識別子iを該値が順に大きくなるように定め、タイ
ヤの周方向で隣り合うブロックの識別子の値の差の絶対
値をDとすると共に、当該Dの値が1以上の場合の隣り
合うブロック対の数をNとするととき、Nに対して2≦
D≦M−2(4≦M)、であるNの占める割合が40%
〜80%の条件を満たすようにタイヤのピッチ配列を決
定してもよい。
【0018】また、前記ピッチ配列について、タイヤの
周方向に並べたピッチの個数をPとすると共に、最短ピ
ッチ長を有するブロックと最長ピッチ長を有するブロッ
クの個数の和をWとするときに、WのPに対する割合が
25%〜50%であるようにタイヤのピッチ配列を決定
することできる。
【0019】このピッチ配列では、最短ピッチ長を有す
るブロックまたは最長ピッチ長を有するブロックがタイ
ヤ周方向に連続するときに当該連続するブロックの個数
が5個以下であるように、タイヤのピッチ配列を決定し
てもよい。また、前記ピッチ配列について、最短ピッチ
長のブロック及び最長ピッチ長のブロック以外の中間の
ピッチ長のブロックがタイヤ周方向に連続するときに当
該連続するブロックの個数が3個以下であるように、タ
イヤのピッチ配列を決定してもよい。
【0020】
【作用】発明のステップ(a)では、タイヤの各ピッ
チから発生する騒音パルスのモデル、タイヤ騒音評価用
物理量を表す目的関数、ピッチ配列を決定する設計変
数、及びピッチ配列を制約する制約条件を定める。この
タイヤの騒音パルスのモデルには、路面とタイヤのピッ
チから発生する音のレベルとピッチ長等を対応させたモ
デルを適用できる。タイヤ騒音評価用物理量を表す目的
関数としては、各ピッチから音を発生する際のタイヤの
サイクル/回転の関数としての調和数に対する振幅値を
物理量として使用することができ、また振幅値の2乗の
値、平均振幅値からの差分値等を用いることもできる。
ピッチ配列を決定する設計変数としては、各ピッチ長、
ピッチ配列を表す関数等を用いることができる。ピッチ
配列を制約する制約条件としては、隣り合うピッチ長の
比、最大ピッチ長と最小ピッチ長の比、各ピッチ長に属
するピッチの数、連続する同一ピッチ長さの数の制約等
がある。なお、目的関数、設計変数及び制約条件は、上
記の例に限られるものではなく、タイヤ設計目的に応じ
て種々のものを定めることができる。
【0021】次のステップ(b)では、予め定められた
複数の初期配列のなかから処理対象となるピッチ配列の
初期配列を定め、前記初期配列に対して制約条件を考慮
しながら目的関数の最適値を与える設計変数の値を求め
る。この場合には、前記ステップ(a)では、複数個の
ピッチ配列からなる選択対象集団を予め定めると共に、
前記選択対象集団の各ピッチ配列について前記目的関数
及び前記制約条件から評価できる予め定めた適応関数の
値を求め、前記ステップ(b)では、前記選択対象集団
の各ピッチ配列の適応関数の値に基づいて前記選択対象
集団から2つのピッチ配列を初期配列として選択し、所
定の確率で初期配列の各ピッチ配列の設計変数を交叉さ
せて新規のピッチ配列を生成すること及び少なくとも一
方のピッチ配列の設計変数の一部を変更(突然変異)さ
せて新規のピッチ配列を生成することの少なくとも一方
を行って設計変数の値を求め、前記ステップ(c)で
は、前記新規のピッチ配列の目的関数、制約条件及び適
応関数を求めて前記新規のピッチ配列を保存して保存し
た新規のピッチ配列を前記初期配列に対応したピッチ配
列として求め、前記ステップ(d)では、前記ステップ
(b)及び前記ステップ(c)を、前記保存したピッチ
配列が所定数になるまで繰り返して複数のピッチ配列を
求め、保存した所定数のピッチ配列からなる新規集団が
所定の収束条件を満たすか否かを判断し、収束条件を満
たさないときには該新規集団を前記選択対象集団として
新規集団を少なくとも含む選択対象集団が所定の収束
条件を満たすまで繰り返すと共に、該所定の収束条件を
満たしたときに保存した所定数のピッチ配列のなかで制
約条件を考慮しながら目的関数の最適値が最大となる設
計変数の値のピッチ配列を選択することによる遺伝的ア
ルゴリズムの適用が効果的である。なお、前記ステップ
(a)では、隣り合うピッチ長の比、最大ピッチ長と最
小ピッチ長の比、各ピッチ長に属するピッチの数、連続
する同一ピッチ長の数を定めてもよい。また、この場
合、前記ステップ(c)において、前記新規のピッチ配
列について、設計変数の単位変化量に対する目的関数の
変化量の割合である目的関数の感度及び設計変数の単位
変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条件
の感度に基づいて制約条件を考慮しながら目的関数の最
適値を与える設計変数の変化量を予測すると共に、設計
変数を予測量に相当する量変化させたときの目的関数の
値及び設計変数を予測量に相当する量変化させたときの
制約条件の値を演算し、目的関数の値及び制約条件の値
から適応関数を求めることが更に効果的である。これに
よっても、制約条件を考慮し目的関数の値が最適になる
ときの設計変数の値が求められる。なお、目的関数及び
制約条件から評価できる適応関数は、目的関数及び制約
条件からピッチ配列に対する適応度を求める関数を使用
することができる。また、目的関数、設計変数、制約条
件及び適応関数は、上記の例に限られるものではなく、
タイヤのピッチ配列決定の目的に応じて種々のものを定
めることができる。さらに、前記のピッチ配列の設計変
数の交叉には、選択した2つのピッチ配列の設計変数に
ついてその一部または所定部位以降の設計変数を交換す
る方法がある。さらにまた、ピッチ配列の設計変数の一
部の変更には、予め定めた確率等で定まる位置の設計変
数を変更(突然変異)する方法がある。
【0022】前記ステップ(b)では、設計変数の単位
変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数
の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変
化量の割合である制約条件の感度に基づいて制約条件を
考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の変化
量を予測すると共に、設計変数を予測量に相当する量変
化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に相
当する量変化させたときの制約条件の値を演算し、予測
値と演算値とに基づいて制約条件を考慮しながら目的関
数の最適値を与える設計変数の値を求めると効果的であ
る。これによって、制約条件を考慮し目的関数の値が最
適になるときの設計変数の値が求められる。の設計変
数には、ピッチ配列を表す関数を定めることができる。
この場合、設計変数としてピッチ配列を表す関数を定め
たときには、設計変数を変化させたときにピッチ長が所
定範囲になるように制約条件を定めてステップ(b)を
実行することにより、制約条件を考慮しながら目的関数
の最適値を与える設計変数の値を求めれば、ピッチ配列
に含まれるピッチ長は予め定めた所定範囲内となり、極
端に大きいピッチや極端に小さいピッチはなくなる。
【0023】そしてステップ(c)では、目的関数の最
適値を与える設計変数に基づいてタイヤの騒音パルスの
モデル等を変更することにより前記初期配列に対応した
ピッチ配列を求める。
【0024】そして、ステップ(d)により、前記ステ
ップ(b)及び前記ステップ(c)を予め定められた回
数繰り返して複数のピッチ配列を求め、求められた複数
のピッチ配列から目的関数の最適値が最大または最小と
なるピッチ配列を選択する。従って複数の初期配列に対
応した複数のピッチ配列が求められる。この求められた
複数のピッチ配列から目的関数の最適値が最適となる、
例えば目的関数である振幅値が最小または目的関数の値
が最大となる等のピッチ配列を選択することによって複
数ある最適なピッチ配列から更に最適なタイヤのピッチ
配列を決定できる。この決定されたピッチ配列に基づい
て、静寂なタイヤを設計することができる。
【0025】また、トレッドに形成されるピッチは、規
則性を有する方が外観的に見栄えが良い。そこで、初期
配列として、ピッチの大きさが段階状に変化するように
順にピッチを並べると共に各階位に含まれるピッチの数
を予め定める。この場合、タイヤの騒音パルスのモデル
には、路面とタイヤのピッチから発生する音のレベルと
ピッチ長等を対応させたモデルを適用できる。タイヤ騒
音評価用物理量を表す目的関数としては、各ピッチから
音を発生する際のタイヤのサイクル/回転の関数として
の調和数に対する振幅値を物理量として使用することが
でき、また振幅値の2乗の値、平均振幅値からの差分値
等を用いることもできる。なお、目的関数は、上記の例
に限られるものではなく、タイヤ設計目的に応じて種々
のものを定めることができる。
【0026】この場合、ステップ(b)では、異なる階
位間で該階位に含まれるピッチの数を変化させることに
より設計変数の値を求める。例えば、隣接する階位間で
一方のピッチの数を増加させると共に他方のピッチの数
を減少させることによってピッチの数を変更する。この
場合、ピッチ配列中に含まれるピッチの総数は変化しな
い。
【0027】そして、ステップ(c)では、目的関数の
最適値を与える各階位が含むピッチの数に基づいてタイ
ヤの騒音パルスのモデル等を変更することによりタイヤ
ピッチ配列を求める。
【0028】えば各々の階位に含まれるピッチの数が
設定されかつ小ピッチから大ピッチまたは大ピッチから
小ピッチに大きさが段階状に変化するように順にピッチ
を並べたタイヤのピッチ配列の初期配列毎に繰り返す。
これによって、複数の初期配列に対応した複数のピッチ
配列が求められる。この求められた複数のピッチ配列か
ら目的関数の最適値が最適となるピッチ配列を選択する
ことによって複数ある最適なピッチ配列から更に最適な
タイヤのピッチ配列を決定できる。この決定されたピッ
チ配列に基づいてタイヤを設計することにより、外観的
な美観を保持しつつ静寂なタイヤを提供することができ
る。
【0029】本発明のタイヤのピッチ配列決定法により
決定されたピッチ配列に基づきタイヤを設計・開発した
場合、従来の試行錯誤を基本とした設計・開発と異な
り、コンピューター計算を主体にしてベストモードの設
計から設計されたタイヤの騒音評価までが、ある程度可
能となり、著しい効率化を達成でき、開発にかかる費用
が削減可能となるものである。
【0030】ここで、トレッドに形成されるピッチに
、外観的に見栄えが良い規則性を有するピッチ配列
(所謂、山型ピッチ配列)と、規則性がないピッチ配列
(所謂、ランダムピッチ配列)とに大別される。
【0031】この山型ピッチ配列では、小ピッチから大
ピッチへ移行させると共に大ピッチから小ピッチへ移行
させることによって、外観的に見栄えが良くなる。とこ
ろが、走行時の騒音を少なくする静寂性の点では、走行
時の騒音を少なくして静寂性を向上させるように、規則
性を考慮せずにピッチ配列を決定したランダムピッチ配
列の方が効果がある。
【0032】しかしながら、ランダムピッチ配列では、
剛性が大きな最大ピッチ長のブロックと剛性が小さな最
短ピッチ長のブロックとが隣接して配置されることがあ
るため、この剛性の差による偏磨耗が生じやすくなり、
製造時には良好であった騒音性能が、使用と伴う経時変
化によって悪化することがある。
【0033】そこで、ランダムピッチ配列による静寂性
の向上(騒音低減効果)を維持しながら偏磨耗の発生を
抑制するように、隣り合うブロックの剛性差を小さくす
ることができる、ピッチ配列を決定するために、以下の
規定を定めることが効果的である。
【0034】すなわち、前記ピッチ配列について、M個
の所定のピッチ長のブロックに関して、最短ピッチ長の
ブロックから最長ピッチ長のブロックまでピッチ長の順
に並べたときに最短ピッチ長のブロックを表す識別子1
から順に最長ピッチ長のブロックを表す識別子Mまでの
順序を値で表す識別子iを該値が順に大きくなるように
定め、タイヤの周方向で隣り合うブロックの識別子の値
の差の絶対値をDとすると共に、当該Dの値が1以上の
場合の隣り合うブロック対の数をNとするととき、Nに
対して2≦D≦M−2(4≦M)、であるNの占める割
合が40%〜80%の条件を満たすようにピッチ配列を
決定する。
【0035】このようにすることによって、タイヤの周
方向で隣り合うブロックについて、剛性が大きな最大ピ
ッチ長のブロックと剛性が小さな最短ピッチ長のブロッ
クとが隣接して配置される場合のブロックの個数を考慮
しているので、偏磨耗が生じやすくなるピッチ配列を抑
制すべくピッチ配列を決定できる。従って、製造時に良
好である騒音性能を、使用と伴う経時変化によっても悪
化することが抑制されたピッチ配列を決定できる。
【0036】また、前記ピッチ配列について、タイヤの
周方向に並べたピッチの個数をPとすると共に、最短ピ
ッチ長を有するブロックと最長ピッチ長を有するブロッ
クの個数の和をWとするときに、WのPに対する割合
(W/P)を25%〜50%にする。
【0037】このようにすることによって、最短ピッチ
長を有するブロックと最長ピッチ長を有するブロックの
個数の割合がタイヤの周方向に並べたピッチの総数に対
して25%〜50%にでき、剛性が大きな最大ピッチ長
のブロックと剛性が小さな最短ピッチ長のブロックとが
隣接して配置される場合に、ピッチ長による制限を付加
でき、偏磨耗が生じやすくなるピッチ配列を抑制すべく
ピッチ配列を決定できる。
【0038】なお、前記ピッチ配列は、最短ピッチ長を
有するブロックまたは最長ピッチ長を有するブロックが
タイヤ周方向に連続するときに当該連続するブロックの
個数を5個以下にすることによって、最短ピッチ長を有
するブロックまたは最長ピッチ長を有するブロックの連
続による騒音は低減され、走行時の静寂性が向上するこ
とになるので好適である。
【0039】また、前記ピッチ配列は、最短ピッチ長の
ブロック及び最長ピッチ長のブロック以外の中間のピッ
チ長のブロックがタイヤ周方向に連続するときに当該連
続するブロックの個数を3個以下にすることによって、
タイヤ周方向に連続するブロックについて、中間のピッ
チ長のブロックの連続は、3個以内になるので、最短ピ
ッチ長のブロック及び最長ピッチ長のブロックのみなら
ず、これら以外の中間のピッチ長のブロックについても
連続することに制限が付与される。このため、ブロック
の連続による騒音は低減され、走行時の静寂性が向上す
ることになるので好適である。
【0040】なお、ステップ(a)において、複数個の
ピッチ配列からなる選択対象集団を定めると共に、該選
択対象集団の各ピッチ配列について、タイヤ性能評価用
物理量を表す目的関数、ピッチ配列を決定する設計変
数、隣り合うピッチ長の比、最大ピッチ長と最小ピッチ
長の比、各ピッチ長に属するピッチの数、連続する同一
ピッチ長の数及び性能評価用物理量の少なくとも1つを
制約する制約条件、及び目的関数及び制約条件から評価
できる適応関数を定めたときには、前記ステップ(b)
乃至ステップ(d)は次のステップ乃至ステップか
ら構成できる。適応関数に基づいて選択対象集団から
2つのピッチ配列を選択するステップ、所定の確率で
各タイヤモデルの設計変数を交叉させて新規のピッチ配
列を生成すること及び少なくとも一方のピッチ配列の設
計変数の一部を変更させて新規のピッチ配列を生成する
ことの少なくとも一方を行うステップ、交叉や変更に
より設計変数を変化させたピッチ配列の目的関数、制約
条件及び適応関数を求めて該ピッチ配列を保存しかつ保
存したピッチ配列が所定数になるまでステップ乃至ス
テップを繰り返すステップ、保存した所定数のピッ
チ配列からなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否
かを判断し、収束条件を満たさないときには該新規集団
を選択対象集団として該選択対象集団が所定の収束条件
を満たすまで前記ステップ乃至ステップ を繰り返す
と共に、該所定の収束条件を満たしたときに保存した所
定数のピッチ配列のなかで制約条件を考慮しながら目的
関数の最適値を与える設計変数の値を求めるステップ。
【0041】このステップでは、設計変数を変化させ
たピッチ配列について、設計変数の単位変化量に対する
目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計
変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合であ
る制約条件の感度に基づいて制約条件を考慮しながら目
的関数の最適値を与える設計変数の変化量を予測すると
共に、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの
目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化さ
せたときの制約条件の値を演算し、目的関数の値及び制
約条件の値から適応関数を演算し、該設計変数が変化さ
れた新規なピッチ配列及び設計変数を変化させなかった
ピッチ配列を保存しかつ保存したピッチ配列が所定数に
なるまで前記ステップ乃至ステップを繰り返して実
行することが効果的である。これによっても、制約条件
を考慮し目的関数の値が最適になるときの設計変数の値
が求められる。
【0042】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤに関す
るピッチ配列の設計方法を実施するためのパーソナルコ
ンピュータの概略を示すものである。このパーソナルコ
ンピュータは、データ等を入力するためのキーボード1
0、予め記憶されたプログラムに従って、制約条件を見
たしかつ目的関数を最適、例えば、最大または最小にす
る設計変数を演算するコンピュータ本体12の演算結果
等を表示するCRT14から構成されている。
【0043】先ず、走行時の騒音が少ない静寂性を向上
させるために、ピッチ配列に規則性がないランダムピッ
チ配列を基本として最適なピッチ配列及びピッチ長の比
(以下、ピッチ比という。)を決定する第1実施例につ
いて説明する。
【0044】図2は、第1実施例のプログラムの処理ル
ーチンを示すものある。ステップ100〜104では、
タイヤのトレッドに形成されるピッチ配列を数値的・解
析的に求めるためのモデルとして、ピッチとピッチにお
ける音との関係を表す騒音パルス基本モデル(タイヤの
各ピッチから発生する騒音パルスのモデル)を求める。
ここで、モデル化とは、ピッチ配列を、疑似乱数に基づ
いて作成しコンピュータプログラムへのインプットデー
タ形式に数値化することをいう。図5は、タイヤの騒音
パルス基本モデルを示すもので、縦軸は路面とタイヤの
溝付近との接触に進入または離脱するときに発生するノ
イズのレベルを示し、振幅はブロック長、ブロック剛性
に応じて変化させてもよい。また、Piはピッチ長を示
している。
【0045】詳細には、ステップ100では、静寂なピ
ッチ配列を決定する際に、必要とするまたは経験的に求
められる以下の各値が設定値として入力される。
【0046】 〔設定値〕 ・ピッチ個数 :N ・制約条件 :・最大ピッチ長の比: max =11.0 ・最小ピッチ長の比: min =7.0 ・隣合うピッチ長の比 αmin ≦Pi /Pi+1 ≦αmax αmin ≦P1 /PN ≦αmax 但し、αmin 、αmax は与えられる定数 例えば、αmin =1/1.45 αmax =1.45 ・目的関数OBJ:ピッチ配列から音を出す際のタイヤのサイクル/回転の関 数としての調和数nに対応する振幅をA(n)とし、更に 注目する調和数の領域をnmin 〜nmax とした場合に、以 下の式(1)によって表した。
【0047】
【数1】
【0048】また、設計変数には、N−1個の各ピッチ
長Pi(i=1,2,・・・N−1)を設定する。
【0049】上記調和数nに対する振幅A(n)は、以
下のようにして演算する。先ず、ピッチ配列及びピッチ
比から、各ピッチ長Piに基づいて、ピッチ間の位置x
i (i=1,2,・・・N)を演算する。
【0050】x1 = P1i = xi-1 + Pi このピッチ間の位置xi を用いて、Diracのδ関数
で、音の時刻歴を表現する。
【0051】F(xi ) = 1 F(x ) = 0 (x≠xi ,i=1〜N) F(x)を0<x≦L(Lはタイヤの周長を示す)の範
囲で調和解析した後、n=サイクル/回転、に関する振
幅A(n)を演算する(図6参照)。
【0052】本実施例では、F(x)にDiracのδ
関数を用いたが、無響室で計測したタイヤの1つのピッ
チが発生する音を用いてもよい。または、計測音に近い
性質を示す、次の式を用いてもよい。
【0053】 F(x) = e-a(x-xi)sin(b(x−xi ) (x≧xi ) F(x) = 0 (x<xi ) ここでa,bは、計測音をカーブフィットするパラメー
タである。
【0054】ステップ102では、ピッチ比の数M(M
は自然数、本実施例では2〜9のいずれか1つ)を決定
し、ステップ104においてピッチ配列に含まれるピッ
チ比の種類の数がM個でありピッチの総数がN個である
ピッチ配列Vを擬似乱数アルゴリズムによって複数生成
し、この複数ピッチ配列Vのうち、隣合うピッチの比に
関する制約条件を満足する1つのピッチ配列を初期値と
して選択する。
【0055】すなわち、M個のピッチ比を1〜9までの
自然数に対応させ、擬似乱数アルゴリズムによってN桁
の配列を生成することによって、ピッチ比が配列値であ
る自然数の各桁に対応して表現されるピッチ配列Vを生
成する。次に、隣合うピッチの比に関する制約条件を満
足する1つのピッチ配列を初期値として選択する。な
お、本実施例では、このピッチ比の数Mとして、M=
2、3、・・9の場合を順にして以下の処理を行う。
【0056】次のステップ106では、図3に示した最
適化ルーチンによって初期値として選択されたピッチ配
列Vを最適化する。次に、ステップ132において、設
計変数Pi の初期値Poにおける目的関数OBJの初期
値OBJo及び制約条件Gの初期値Goを演算する。
【0057】次のステップ134では、騒音パルス基本
モデルを変化させるために設計変数Pi を各々ΔPi
つ変化させる。ステップ136では、設計変数をΔPi
変化させた後のピッチ配列を決定する。
【0058】ステップ138では、ステップ136で求
めたピッチ配列について設計変数をΔPi 変化させた後
の目的関数の値OBJ(Pi +ΔPi )、制約条件の値
G(Pi +ΔPi )を演算し、ステップ140で以下の
式(4)に従って、設計変数の単位変化量に対する目的
関数の変化量の割合である目的関数の感度ΔOBJ/Δ
i 及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の変化
量の割合である制約条件の感度ΔGi /ΔPi を各設計
変数毎に演算する。
【0059】
【数2】
【0060】この感度によって、設計変数をΔPi 変化
させたときに目的関数の値及び制約条件の値がどの程度
変化するか予測することができる。なお、この感度は、
タイヤ騒音のモデル化に用いた手法や設計変数の性質に
よっては、解析的に求められる場合があるので、その際
にはステップ138の演算は不要になる。
【0061】次のステップ142では、目的関数の初期
値OBJo、制約条件の初期値Go、設計変数の初期値
Po及び感度を用いて、数理計画法により制約条件を満
たしながら目的関数を最大にする設計変数の変化量を予
測する。この設計変数の予測値を用いて、ステップ14
4でステップ136と同様の方法によりピッチ配列を決
定すると共に、目的関数値を演算する。ステップ146
において、ステップ144で演算した目的関数値OBJ
とステップ132で演算した目的関数の初期値OBJo
との差と、予めインプットされたしきい値とを比較する
ことで目的関数の値が収束したか否かを判断し、目的関
数の値が収束していない場合にはステップ142で求め
られた設計変数の値を初期値として、ステップ132か
らステップ146を繰り返し実行する。目的関数の値が
収束したと判断されたときには、このときの設計変数の
値をもって制約条件を満たしながら目的関数を最小にす
る設計変数の値とし、ステップ148においてこの設計
変数の値を用いてタイヤの最適化されたピッチ配列を決
定する。
【0062】次のステップ108では、上記のようにし
て最適化されたピッチ配列のピッチ比を正規化する。す
なわち、ピッチ比の数Mに基づいて、以下の式(5)に
従って正規化された初期ピッチ比riを求める。
【0063】
【数3】
【0064】ここで、rmax は最大ピッチ長の比、r
min は最小ピッチ長の比である。次に、以下の式(6)
に従って、最適化されたピッチ長Piをピッチ長の平均
値で除算する。
【0065】
【数4】
【0066】上記最適化されかつ平均値で除算された値
APiを、最も近い正規化されたピッチ比で置換した
後、ピッチ比の数Mでピッチ配列を再表現する。
【0067】次のステップ110では、ピッチ比の数M
で表現されたピッチ配列の各ピッチ比を図4に示したピ
ッチ比の最適化ルーチンにより最適化する。図4の最適
化ルーチンは、最初と最後のピッチ比r1 、rM の値を
保持したまま、目的関数が最小になるように、その間の
ピッチ比r2 〜rM-1 の値を最適化する。この最適化ル
ーチンのステップ160では、ピッチ比r2 〜rM-1
値を各々増減するための増減値Δrを演算する。本実施
例では、(rM −r1 )/10の値を増減値Δrとして
演算する。次のステップ162では、初期目的関数の値
OBJoを演算する。次のステップ164では、ピッチ
比r2 〜rM-1 の何れか1つを選択し、ステップ166
で選択したピッチ比riを増加または減少させてステッ
プ168において新たに目的関数の値OBJを演算す
る。次のステップ170でピッチ比r2 〜rM-1 に関す
る増減を全て(2(M−2)回)演算したか否かを判断
し、全て演算した場合には、ステップ172において、
ステップ168で演算した2(M−2)個の目的関数の
内、最低になる目的関数値を演算する。次のステップ1
74では、初期目的関数値とステップ172で演算した
最低目的関数値とを比較し、最低目的関数値が初期目的
関数値より大きい場合には、これ以上改良されないこと
を示しているので、ステップ178において最適なピッ
チ比r1 〜rMを出力する。一方、ステップ174にお
いて初期目的関数値より最低目的関数値が小さいと判断
された場合には、ステップ176において隣り合うピッ
チ比ri,ri+1(i=1〜M−1)の差が或る値(予
め定めた所定値)より小さいか否かを次の式(7)を用
いて判断し、小さくなっていないときには、ステップ1
62へ進み小さい場合にはステップ178へ進み、最適
なピッチ比r1 〜rM を出力する。
【0068】
【数5】
【0069】次のステップ112では、ピッチ配列Vを
100個生成したか否かを判断し、100個生成するま
で、ステップ104〜ステップ110を繰り返す。ピッ
チ配列Vを100個生成すると、ステップ114におい
て目的関数が最低であるピッチ配列及びピッチ比を選択
する。
【0070】次のステップ116では、全ピッチ比の数
Mについて上記処理が終了したか否かを判断し、否定判
断の場合には、ステップ102からステップ114まで
を実行する。一方、全ピッチ比の数Mについてピッチ比
及びピッチ配列の最適化が終了したときは、ステップ1
18へ進み、ピッチ比の数毎に最適化されたピッチ比及
びピッチ配列から目的関数が最低であるピッチ比及びピ
ッチ配列を選択し、本ルーチンを終了する。
【0071】このようにして、ピッチ比及びピッチ配列
を決定することにより、予め定めた初期配列に対応した
複数(100個)の最適なピッチ配列から発生ノイズの
振幅値のばらつきが最小となるホワイトノイズ化された
最適なピッチ配列を選択でき、少ない演算で確度よく、
静寂なタイヤを設計することができる。
【0072】次に、タイヤのピッチ配列を山型とする山
型配列を基本として最適なピッチ配列及びピッチ比を決
定する第2実施例を説明する。なお、本実施例は、図7
を参照して説明するが、図2と対応する部分には同一符
号を付して詳細な説明を省略する。
【0073】このピッチ配列を山型とするピッチ配列
(以下、山型ピッチ配列という)は、図9に示したよう
に、ピッチ比の数がM個のとき、小ピッチから大ピッチ
へ、大ピッチから小ピッチへ順に変化するピッチ配列を
いう。また、山型ピッチ配列中にある大ピッチが連続す
る1つの群を1つの山として、図9の場合は山の数が2
つになる。また、この山型ピッチ配列におけるピッチの
大きさが変化するときの階段数Hは、以下の式(8)で
表せる。
【0074】 H = 2C+2C・(M−2) = 2C・(M−1) −−(8) 但し、C:山の数(図9の場合、2) M:ピッチ比の数 ステップ200では、上記と同様に、静寂なタイヤを決
定する際に必要とするまたは経験的に求められる設定値
が入力され、次のステップ102においてピッチ比の数
Mを設定する。本実施例では、山型ピッチ配列であるた
め、上記実施例のランダムピッチ配列のときに設定し
た、隣合うピッチ比に関する制約は省略される。
【0075】ここで、目的関数OBJ、制約条件J、設
計変数は、次の通りである。 ・目的関数OBJ:上記の式(1)に基づくタイヤ騒音スペクトル偏差 ・制約条件 :・各階段に配置されるピッチ数が少なくとも1以上 ・最大ピッチ長の比 max =11.0 ・最小ピッチ長の比 min =7.0 但し、Pi :ピッチ長(i=1,2,・・・N) ・設計変数 :各階段に配置されるピッチの数(H個)
【0076】次のステップ202では、タイヤの周に含
まれる山の数Cを設定する。本実施例では、この山の数
Cとして、1〜9までの値を順に設定して以下を処理す
る。次のステップ204では、上記式(8)に基づいて
ピッチ比の数M及び山の数Cから演算される階段数Hが
ピッチの総数Nより小さいか否かを判断し、肯定判断の
とき、ステップ206へ進む。
【0077】ステップ206では、擬似乱数アルゴリズ
ムによって、2・C・(M−1)個の階段の各々に含ま
れるピッチの数Uj (j:1〜2・C・(M−1))を
決定する。すなわち、2・C・(M−1)個の階段を1
〜9までの自然数に対応させ、擬似乱数アルゴリズムに
よって配列を生成し、配列値である自然数の各桁に対応
して階段の各々に含まれるピッチの数Uj が表現される
ピッチ配列Vを1つ生成して、初期値とする。図9に
は、山の数Cが2つのときを例に、上記のようにして決
定された山型ピッチ配列におけるピッチの大きさと階段
に含まれるピッチの数との関係を示した。図中、階段部
分に下線を付した数字は、階段部分に含まれるピッチの
数Uj を示している。
【0078】次のステップ208では、図8に示した最
適化ルーチンによって初期値として選択された山型ピッ
チ配列を最適化する。図8の最適化ルーチンのステップ
232では、初期値として選択された山型ピッチ配列に
ついて決定された目的関数OBJの初期値OBJoを演
算する。次のステップ234では、山型ピッチ配列の何
れか2つの階段部分についてピッチの数を増減する。例
えば、山の数Cが2つでかつ、小ピッチの階段部分22
のピッチの数Uが3、中ピッチの階段部分24のピッチ
の数Uが2、大ピッチの階段部分26のピッチの数Uが
3の山型ピッチ配列が初期値として選択された場合に
(図9参照)、図10に2重下線で示したように、小ピ
ッチの階段部分22のピッチの数を1減少して中ピッチ
の階段部分24のピッチの数を1増加させる。また、中
ピッチの階段部分24のピッチの数を1減少して大ピッ
チの階段部分26のピッチの数を1する例は、図11に
2重下線で示した。
【0079】このようにピッチの数を増減した山型ピッ
チ配列における目的関数の値をステップ236において
演算する。この階段部分間のピッチ数の交換が全ての階
段部分について終了するまで上記処理を繰り返し(ステ
ップ238)、目的関数OBJの初期値OBJoと対比
して求められた複数の目的関数の値の最小の値である山
型ピッチ配列をステップ240において選択する。ステ
ップ242では、目的関数OBJの初期値OBJoと対
比することによって目的関数の値が収束したか否かを判
断し、収束していない場合にはステップ246において
ステップ240で選択されたピッチ配列を初期のピッチ
配列に置換してステップ232へ戻り、目的関数の値が
収束するまで、上記処理を実行する。目的関数の値が収
束すると、ステップ244において、目的関数の値が収
束した時点での山型ピッチ配列を最適なピッチ配列とし
て決定する。
【0080】次に、上記実施例と同様に、最初と最後の
ピッチ比r1 、rM の値を保持したまま、目的関数が最
小になるように、その間のピッチ比r2 〜rM-1 の値を
最適化し(ステップ110、図4)、ピッチ配列Vを1
00個生成したか否かを判断し、100個生成されたピ
ッチ配列Vから目的関数が最低であるピッチ配列及びピ
ッチ比を選択する(ステップ112、114)。
【0081】次のステップ210では、山の数Cの各々
について、最適化されたピッチ比及びピッチ配列が演算
されたか否かを判断し、否定判断の場合には、ステップ
202へ戻り、全ての山の数Cについて最適化されたピ
ッチ比及びピッチ配列の演算が終了するまで上記処理を
繰り返す。
【0082】次のステップ116では、全ピッチ比の数
Mについて上記処理が終了したか否かを判断し、否定判
断の場合には、ステップ102へ戻り、全ピッチ比の数
Mについてピッチ比及びピッチ配列の最適化が終了する
まで浄域処理を繰り返す。次のステップ212では、山
の数Cを含めてピッチ比の数毎に最適化されたピッチ比
及びピッチ配列から目的関数が最低であるピッチ比及び
ピッチ配列を選択し、本ルーチンを終了する。
【0083】このように、本実施例では、予め定められ
た山型ピッチ配列について各々に対応した複数(100
個)の最適なピッチ配列を求め、この複数のピッチ配列
から発生ノイズの振幅値のばらつきが最小となるホワイ
トノイズ化された最適なピッチ配列を選択している。こ
のため、外観的な美観を保持しつつ静寂なタイヤを提供
するためのピッチ比及びピッチ配列を、少ない演算で確
度よく、求めることができ、静寂かつ見栄えのよいタイ
ヤを設計することができる。
【0084】次に、ピッチ配列を遺伝的にアルゴリズム
によって設計する第3実施例について説明する。図12
は、第3実施例のプログラムの処理ルーチンを示すもの
である。ステップ300では、N個のピッチ配列を疑似
乱数に基づいて求める。なお、Nは予め使用者がインプ
ットする。本実施例で用いる騒音パルス基本モデルは、
第1実施例と同一である。
【0085】次のステップ302では、タイヤ性能評価
用物理量を表す目的関数、隣り合うピッチ長の比、最大
ピッチ長と最小ピッチ長の比、各ピッチ長に属するピッ
チの数の連続する同一ピッチ長の数、及び性能評価物理
量の少なくとも1つを制約する制約条件及びN個のピッ
チ配列を決定する設計変数を決定する。本実施例では、
騒音性能が良好なピッチ配列を設計するため、目的関数
OBJ及び制約条件Gを次のように定めている。
【0086】目的関数OBJ:上記の式(1)に基づく
タイヤ騒音スペクトル偏差 制約条件G :山型配列か否か、 最大ピッチ長の比=11.0 最小ピッチ長の比= 7.0 山型配列でない場合、隣り合うピッチ比の制約として、 αmin ≦Pi /Pi+1 ≦αmax 但し、αmin 、αmax は与えられる定数で、例えば、 αmin =1/1.45、αmax =1.45 ここで、Pi はピッチ長である。
【0087】これをN回繰り返すことにより、目的関数
OBJ、制約条件G及びN個のタイヤモデルの各々の設
計変数riJ(J=1,2,・・・,N)を決定した後、
図12のステップ304において、N個のタイヤモデル
の各々の設計変数riJの各々の目的関数OBJJ 及び制
約条件GJ を演算する。
【0088】次のステップ306では、ステップ304
で求めたN個のピッチ配列の各々の目的関数OBJJ
び制約条件GJ を用いて、N個のピッチ配列の各々の適
応関数FJ を以下の式(9)に従って演算する。本実施
例では、例えばスペクトル偏差を最小にするため、適応
関数による値(適応度)は、スペクトル偏差が小さくな
ると大きくなる。
【0089】
【数6】
【0090】c:定数 γ:ペナルティ係数 Φmin =min(Φ1 、Φ2 、・・・ΦN ) ΦJ :N個のピッチ配列のJ番目のピッチ配列のペナル
ティ関数(J=1、2、3、・・・N) なお、c及びγは使用者が予め入力する。
【0091】次のステップ308では、N個のピッチ配
列の中から交叉させるピッチ配列を2個選択する。選択
方法としては、一般に知られている適応度比例戦略を用
い、N個のピッチ配列のある個体eが各々選択で選ばれ
る確率Pe は以下の式で表わされる。
【0092】
【数7】
【0093】但し、 Fe :N個のピッチ配列の中の
ある個体eの適応関数 FJ :N個のピッチ配列のJ番目の適応関数 J=1、2、3、・・・N 上記実施例では、選択方法として適応度比例戦略を用い
たが、この他、遺伝的アルゴリズム(北野宏明 編)に
示されている様な、期待値戦略、ランク戦略、エリート
保存戦略、トーナメント選択戦略、あるいはGENIT
ORアルゴリズム等を用いてもよい。
【0094】次のステップ310では、選択された2個
のピッチ配列を、使用者が予め入力した確率Tによって
交叉させるか否かを決定する。ここでいう、交叉とは、
後述するように、2個のピッチ配列の要素の一部を交換
することをいう。否定判定で交叉させない場合は、ステ
ップ312において現在の2個のピッチ配列をそのまま
の状態でステップ316へ進む。一方、肯定判定で交叉
させる場合には、ステップ314において後述するよう
に2個のピッチ配列を交叉させる。
【0095】2個のピッチ配列の交叉は、図13に示す
交叉ルーチンによって行われる。先ず、上記のステップ
308において選択された2個のピッチ配列をピッチ配
列a及びピッチ配列bとすると共に、各々のピッチ配列
a,bの設計変数について並びを含む設計変数ベクトル
Vrで表し、ピッチ配列aの設計変数ベクトルを Vra =(r1 a 、r2 a 、・・・、ri a 、・・・、
n-1 a )、 ピッチ配列bの設計変数ベクトルを Vrb =(r1 b ,r2 b 、・・・ri b 、・・・r
n-1 b ) とする。先ず、図13のステップ350では、予め定め
た規則に従い乱数を生成し、この乱数に応じてピッチ配
列a,bの設計変数ベクトルに関する交叉場所iを決定
する。次のステップ352では、決定された交叉場所i
に基づいて、新しい設計変数ri 'a,ri 'bを求める。
この新しい設計変数ri 'a,ri 'bの決定を図14及び
図15を用いて詳細に説明する。
【0096】図14の例のピッチ配列は山型ピッチ配列
であり、ピッチ比の大きさが大中小の3種類からなり、
ピッチの数が22個でかつ、小ピッチ比から大ピッチ比
へ、大ピッチ比から小ピッチ比へ順に変化している。ま
た、山型ピッチ配列中にある大ピッチ比のピッチが連続
する1つの群を1つの山とし、山の数が2つである。図
中、階段部分に下線を付した数字は、階段部分に含まれ
るピッチの数を示している。ピッチの大きさについて、
大ピッチ比を3、中ピッチ比を2、小ピッチ比を1とす
ると、図14のピッチ配列a,b(以下、親、親と
いう。)は、以下に示す[親ピッチ配列]のように表せ
る。
【0097】[親ピッチ配列] 親 :111223332221122233222
2 親 :112223333211112233322
【0098】次に、例えば、乱数により、7番目の位置
で交叉させると決定されたときには、親のピッチ配列か
ら、次に示す[ピッチ配列の交叉過程]のように子孫配
列が生成される。
【0099】[ピッチ配列の交叉過程] 親 :1112233/3222112223322
22 親 :1122233/3321111223332
22 子孫:1112233/3321111223332
22 子孫:1122233/3222112223322
22
【0100】すなわち、親の交叉点前半の配列部分
と、親の交差点後半の配列部分とを繋げて、親を基
準として交叉させた後のピッチ配列(以下、子孫とい
う)を生成する。同様に、親の交差点前半の配列部分
と、親の後半の配列部分を繋げて、親を基準として
交叉させた後のピッチ配列(以下、子孫という。)を
生成する。この場合、図から理解されるように子孫、
子孫のピッチ配列について共に山型ピッチ配列の性質
を有している。
【0101】しかしながら、図15に示すように、交叉
させる位置が中ピッチ比または小ピッチ比である場合に
は、子孫は山型配列の性質を有するが、子孫では山
型ピッチ配列の性質を有しないことになる。従って、常
時、山型ピッチ配列を得るようにするためには、制約条
件Gが山型ピッチ配列でない場合に、正の値を有するよ
うに予め設定すれば、山型ピッチ配列以外のピッチ配列
が支配的になることを防ぐことができる。
【0102】このようにして、ri 'a,ri 'bを求めた
後、ステップ354で新しい設計変数の並びである設計
変数ベクトルVr'a,ri 'bは以下のように求められ
る。 Vr’a =(r1 a 、r2 a 、・・・ri 'a
i+1 b 、・・・、rn-1 b ) Vr’b =(r1 b 、r2 b 、・・・ri 'b
i+1 a 、・・・、rn-1 a
【0103】なお、上記例では交叉場所iは1ヶ所であ
るが、この他に遺伝的アルゴリズム(北野 宏明 編)
に示されているような、複数点交叉または一様交叉等を
用いてもよい。
【0104】このような交叉によって新規な2個のピッ
チ配列を生成した後、図12のステップ316では、使
用者が予め入力した確率Sで、突然変異させるか否かを
決定する。この突然変異は、後述するように、設計変数
の一部を微小に変更することをいい、最適な設計変数と
なりうる母集団に当該ピッチ配列を含む確度を高くする
ためである。ステップ316で、否定判定で突然変異さ
せない場合には、ステップ318では現在の2個のピッ
チ配列のまま、次のステップ322へ進む。肯定判定で
突然変異させる場合には、次のステップ320で以下の
ように突然変異処理を行う。
【0105】この突然変異は、図16に示す突然変異ル
ーチンによって行われる。先ず、ステップ356では乱
数を生成し、乱数によって突然変異の場所iを決定す
る。次に、ステップ358において、新しい設計変数r
i ’を乱数を用いて与えられたピッチ比の中の整数に変
更する。このようにして、設計変数ri ’を求めた後、
ステップ360で求められる、新しい設計変数の並びで
ある設計変数ベクトルVr’は以下のようになる。
【0106】Vr’=(r1 、r2 、・・・ri ’、r
i+1 、・・・、rn-1 ) このようにして、新たに生成された2個のピッチ配列に
ついて、目的関数の値と制約条件の値を図12のステッ
プ322で演算する。次のステップ324では、得られ
た目的関数の値と制約条件の値から前記実施例例と同様
に式(9)を用いて適応関数を演算する。
【0107】次のステップ326では、上記2個のピッ
チ配列を保存する。次のステップ328では、ステップ
326で保存したピッチ配列の数が、N個に達したか否
かを判断し、N個に達していない場合は、N個になるま
でステップ308からステップ328を繰り返し実行す
る。一方、ピッチ配列の数がN個に達した場合には、ス
テップ330で収束判定をし、収束していない場合に
は、N個のピッチ配列をステップ326で保存されたピ
ッチ配列に更新し、ステップ308からステップ330
を繰り返し実行する。一方、ステップ330で収束した
と判断された場合には、N個のピッチ配列の中で制約条
件を略満たしながら目的関数の値が最大となるピッチ配
列の設計変数の値をもって制約条件を略満たしながら目
的関数を最大にする設計変数の値とし、ステップ332
においてこの設計変数の値を用いてピッチ配列を決定す
る。
【0108】なお、ステップ330の収束判定は以下の
条件のいずれかを満足したら収束とみなす。 1)世代数がM個に達した 2)一番目的関数の値が大きい線列の数が全体のq%以
上になった 3)最大の目的関数の値が、続くp回の世代で更新され
ない。 但し、M、q、pは使用者が予め入力しておく。
【0109】上記の第1実施例乃至第3実施例で得られ
たピッチ配列を実際にタイヤに刻むことによって試作し
試験を行った結果は、以下の表1のとおりであった。
【0110】
【表1】
【0111】*:10点法(実車走行試験によるフィー
リング評価) タイヤサイズ:205/60HR15 内圧:2.0kg/cm2
【0112】ここで、本発明者は、上記の実施例が適用
されたピッチ配列で規定されるタイヤを多数、試作し騒
音計測実験する過程において、ピッチ配列内に含まれる
最短ピッチのブロックと最長ピッチのブロックとの関係
に有意性があることに着目した。すなわち、トレッドに
形成されるピッチ配列には、外観的に見栄えが良い規則
性を有する山型ピッチ配列と、規則性がないランダムピ
ッチ配列とに大別されるが、走行時の騒音を少なくする
静寂性の点では、外観的に見栄えが良い山型ピッチ配列
よりも、規則性を考慮せずにピッチ配列を決定したラン
ダムピッチ配列の方が効果がある。
【0113】しかしながら、ランダムピッチ配列では、
剛性が大きな最大ピッチ長のブロックと剛性が小さな最
短ピッチ長のブロックとが隣接して配置されることがあ
るため、この剛性の差による偏磨耗が生じやすくなり、
製造時には良好であった騒音性能が、使用と伴う経時変
化によって悪化することがある。
【0114】このため、ランダムピッチ配列による静寂
性の向上(騒音低減効果)を維持しながら偏磨耗の発生
を抑制することができるピッチ配列の決定には、タイヤ
の周方向で隣り合うブロックやピッチ配列内に含まれる
最短ピッチのブロックと最長ピッチのブロックとの関係
を、考慮することが、偏磨耗が生じやすくなるピッチ配
列を抑制すべくピッチ配列を決定できることが想定され
る。
【0115】図17には、上記の実施例が適用されたピ
ッチ配列で規定されるタイヤを多数、試作し騒音計測実
験等を行ったときの、騒音レベル、H&T高さ、ピッチ
が変化する箇所の全体に占める割合、の関係を左辺軸に
騒音レベル値、右辺軸にH&T高さの値、横軸にピッチ
が変化する箇所の全体に占める割合の値を対応させて示
した。なお、図17の例では、以下の条件で製造された
タイヤを計測したものである。
【0116】ピッチ比の個数:5 ピッチ比:7,8,9,10,11 ピッチの個数:60個 タイヤサイズ:205/60HR15 内圧:2.0kg/cm2 キャラメル型パターン
【0117】この騒音レベル値は、車両が60km/h
で走行するときの騒音レベルを表し、H&T高さは、同
一ピッチ配列の複数のタイヤについて車両が5000k
m走行した後に計測したH&T高さの平均値を表してい
る。このH&T高さ(ヒール・アンド・トー高さ)と
は、図19に示すように、タイヤの周方向に繋がるブロ
ックが、周方向に鋸刃状に磨耗する現象における、磨耗
した部分の半径方向の最大長さをいい、製造当初を指数
100としている。また、ピッチが変化する箇所の全体
に占める割合とは、タイヤの周方向で隣り合うブロック
のピッチ長の変化幅の絶対値Dが1以上の隣り合うブロ
ック組の個数Nに対して、2≦D≦M−2(4≦M;
M:ピッチ配列に含まれるピッチ長の種類数)である割
合を示している。図17の例では、M=5で、ピッチが
変化幅D(2≦D≦3)で変化する箇所が、ピッチが変
化する箇所全体に占める割合を示すことになる。
【0118】この図17から理解されるように、ピッチ
が変化する箇所の全体に占める割合が40%〜80%の
範囲において、偏磨耗が抑制されたピッチ配列を得るこ
とができる。従って、タイヤの周方向で隣り合うブロッ
クのピッチ長の変化幅の絶対値Dが1以上の隣り合うブ
ロック組の個数Nに対して、2≦D≦M−2である割合
を40%〜80%となる条件を満たすようにピッチ配列
を定めれば、偏磨耗が生じやすくなるピッチ配列を抑制
すべくピッチ配列を決定できることになる。
【0119】図18には、上記の実施例が適用されたピ
ッチ配列で規定されるタイヤを多数、試作し騒音計測実
験等を行ったときの、騒音レベル、H&T高さ、最短ピ
ッチ長と最長ピッチ長の個数の和が全体のピッチ長の個
数に占める割合、の関係を左辺軸に騒音レベル値、右辺
軸にH&T高さの値、横軸に最短ピッチ長と最長ピッチ
長の個数の和が全体のピッチ長の個数に占める割合の値
を対応させて示した。なお、図18の例では、図17に
おける条件と同様の条件で製造されたタイヤを計測した
ものである。この最短ピッチ長と最長ピッチ長の個数の
和が全体のピッチ長の個数に占める割合とは、ピッチ配
列について、タイヤの周方向に並べたピッチの個数をP
とすると共に、最短ピッチ長を有するブロックと最長ピ
ッチ長を有するブロックの個数の和をWとするときに、
WのPに対する割合(W/P)を示すものである。
【0120】この図18から理解されるように、割合
(W/P)が25%〜50%の範囲において、偏磨耗が
抑制されたピッチ配列を得ることができる。従って、最
短ピッチ長を有するブロックと最長ピッチ長を有するブ
ロックの個数の割合がタイヤの周方向に並べたピッチの
総数に対して25%〜50%にすれば、剛性が大きな最
大ピッチ長のブロックと剛性が小さな最短ピッチ長のブ
ロックとが隣接して配置される場合に、ピッチ長による
制限を付加でき、偏磨耗が生じやすくなるピッチ配列を
抑制すべくピッチ配列を決定できることになる。
【0121】次に、上記の図17及び図18から導出さ
れる条件を考慮して、決定されたタイヤのピッチ配列の
実験結果を以下に示す。
【0122】[ピッチ配列の実験例] (1)ピッチ総数・・・・60 (2)ピッチ識別子・・・ピッチ長 1・・・9 2・・・15 3・・・14 4・・・13 5・・・9 (3) (ピッチ位置)−(ピッチ識別子) 1−3 11−1 21−2 31−2 41−2 51−1 2−3 12−2 22−4 32−3 42−4 52−2 3−5 13−3 23−3 33−5 43−3 53−4 4−3 14−2 24−5 34−3 44−4 54−5 5−2 15−4 25−5 35−5 45−2 55−3 6−1 16−2 26−4 36−4 46−1 56−2 7−3 17−4 27−3 37−2 47−3 57−3 8−3 18−5 28−4 38−1 48−5 58−4 9−2 19−5 29−2 39−1 49−3 59−2 10−1 20−4 30−1 40−1 50−2 60−4
【0123】上記の実験例で得られたタイヤを実際に試
作し磨耗試験を行った結果は、以下の表2のとおりであ
った。また、このピッチ配列のタイヤについて騒音計測
を行った結果を図20に示した。なお、図20では、横
軸には調和数、縦軸にはスペクトル振幅を設定して、プ
ロットしたものである。
【0124】
【表2】
【0125】但し、騒音フィーリングは10点法にて評
価。また、H&T高さは指数表示である。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、制
約条件を満たす目的関数の最適値を与える設計変数を求
め、この設計変数からピッチ配列等を決定してタイヤを
設計しているので、ベストモードのタイヤ設計を行うこ
とができる、という効果が得られる。
【0127】本発明の決定方法に基づいて決定されたピ
ッチ配列及びピッチ比からタイヤを設計・開発した場
合、従来の思考錯誤を基本とした設計・開発とことな
り、コンピュータ演算を主体にしてベストモードの設計
から設計されたタイヤの騒音性能評価までが、ある程度
可能となり、著しい効率化を達成でき、開発にかかるコ
ストが削減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用されるパーソナルコンピ
ュータの概略図である。
【図2】本発明の第1実施例の処理ルーチンを示す流れ
図である。
【図3】図2のステップ106のピッチ配列の最適化ル
ーチンを示す流れ図である。
【図4】図2のステップ110のピッチ比の最適化ルー
チンを示す流れ図である。
【図5】タイヤの騒音パルス基本モデルを示す線図であ
る。
【図6】調和数と振幅との関係を示す線図である。
【図7】本発明の第2実施例の処理ルーチンを示す流れ
図である。
【図8】図7のステップ208のピッチ配列の最適化ル
ーチンを示す流れ図である。
【図9】山型ピッチ配列を示すイメージ図である。
【図10】山型ピッチ配列を最適化する過程を説明する
ためのイメージ図である。
【図11】山型ピッチ配列を最適化する過程を説明する
ための他の例を示すイメージ図である。
【図12】本発明の第3実施例の処理ルーチンを示す流
れ図である。
【図13】交叉処理ルーチンを示す流れ図である。
【図14】交叉処理される過程の山型ピッチ配列を示す
イメージ図であり、(a)はピッチ配列aを示し、
(b)はピッチ配列a,bを親とし交叉後のピッチ配列
を示し、(c)はピッチ配列bを示し、(d)はピッチ
配列a,bを親とし交叉後のピッチ配列を示す。
【図15】図14と異なる山型ピッチ配列について、交
叉処理される過程の山型ピッチ配列を示すイメージ図で
ある。
【図16】突然変異処理ルーチンを示す流れ図である。
【図17】騒音レベル、H&T高さ、ピッチが変化する
箇所の全体に占める割合、の関係を示す特性図である。
【図18】騒音レベル、H&T高さ、最短ピッチ長と最
長ピッチ長の個数の和が全体のピッチ長の個数に占める
割合、の関係を示す特性図である。
【図19】ヒールアンドトゥ磨耗を説明するための説明
図である。
【図20】実験例による騒音特性を示す線図である。
【符号の説明】
10 キーボード 12 コンピュータ本体 14 CRT
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−285407(JP,A) 特開 平1−285406(JP,A) 特開 平1−285408(JP,A) 特開 平5−213009(JP,A) 特開 平4−232105(JP,A) 特開 平4−363234(JP,A) 特開 昭54−115801(JP,A) 特開 昭55−8904(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/03 B60C 19/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の各ステップを含むタイヤのピッチ配
    列決定方法。 (a)タイヤの各ピッチから発生する騒音パルスのモデ
    ル、タイヤ騒音性能評価用物理量を表す目的関数、ピッ
    チ配列を決定する設計変数、及びピッチ配列を制約する
    制約条件を定めるステップ。 (b)予め定められた複数の初期配列のなかから処理対
    象となるピッチ配列の初期配列を定め、前記初期配列に
    対して制約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与え
    る設計変数の値を求めるステップ。 (c)目的関数の最適値を与える設計変数に基づいて前
    記初期配列に対応したピッチ配列を求めるステップ。 (d)前記ステップ(b)及び前記ステップ(c)を予
    め定められた回数繰り返して複数のピッチ配列を求め、
    求められた複数のピッチ配列から目的関数の最適値が最
    大または最小となるピッチ配列を選択するステップ。
  2. 【請求項2】 前記ステップ(a)では、複数個のピッ
    チ配列からなる選択対象集団を予め定めると共に、前記
    選択対象集団の各ピッチ配列について前記目的関数及び
    前記制約条件から評価できる予め定めた適応関数の値を
    求め、 前記ステップ(b)では、前記選択対象集団の各ピッチ
    配列の適応関数の値に基づいて前記選択対象集団から2
    つのピッチ配列を初期配列として選択し、所定の確率で
    初期配列の各ピッチ配列の設計変数を交叉させて新規の
    ピッチ配列を生成すること及び少なくとも一方のピッチ
    配列の設計変数の一部を変更させて新規のピッチ配列を
    生成することの少なくとも一方を行って設計変数の値を
    求め、 前記ステップ(c)では、前記新規のピッチ配列の目的
    関数、制約条件及び適応関数を求めて前記新規のピッチ
    配列を保存して保存した新規のピッチ配列を前記初期配
    列に対応したピッチ配列として求め、 前記ステップ(d)では、前記ステップ(b)及び前記
    ステップ(c)を、前記保存したピッチ配列が所定数に
    なるまで繰り返して複数のピッチ配列を求め、保存した
    所定数のピッチ配列からなる新規集団が所定の収束条件
    を満たすか否かを判断し、収束条件を満たさないときに
    は該新規集団を前記選択対象集団として該新規集団を少
    なくとも含む選択対象集団が所定の収束条件を満たすま
    で繰り返すと共に、該所定の収束条件を満たしたときに
    保存した所定数のピッチ配列のなかで制約条件を考慮し
    ながら目的関数の最適値が最大となる設計変数の値のピ
    ッチ配列を選択する請求項1のタイヤのピッチ配列決定
    方法。
  3. 【請求項3】 前記ステップ(c)において、前記新規
    のピッチ配列について、設計変数の単位変化量に対する
    目的関数の変化量の割合である目的関数の感度及び設計
    変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合であ
    る制約条件の感度に基づいて制約条件を考慮しながら目
    的関数の最適値を与える設計変数の変化量を予測すると
    共に、設計変数を予測量に相当する量変化させたときの
    目的関数の値及び設計変数を予測量に相当する量変化さ
    せたときの制約条件の値を演算し、目的関数の値及び制
    約条件の値から適応関数を求める請求項2に記載のタイ
    ヤのピッチ配列決定方法。
  4. 【請求項4】 前記ステップ(b)では、設計変数の単
    位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関
    数の感度及び設計変数の単位変化量に対する制約条件の
    変化量の割合である制約条件の感度に基づいて制約条件
    を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の変
    化量を予測すると共に、設計変数を予測量に相当する量
    変化させたときの目的関数の値及び設計変数を予測量に
    相当する量変化させたときの制約条件の値を演算し、予
    測値と演算値とに基づいて、制約条件を考慮しながら目
    的関数の最適値を与える設計変数の値を求める請求項1
    に記載のタイヤのピッチ配列決定方法。
  5. 【請求項5】 前記設計変数は、ピッチ配列を表す関数
    である請求項1に記載のタイヤのピッチ配列決定方法。
  6. 【請求項6】 前記設計変数としてピッチ配列を表す関
    数を定めたときには、ステップ(b)で設計変数を変化
    させたときにピッチ長が所定範囲になるように制約条件
    を定めてステップ(b)を実行することにより、制約条
    件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数の
    値を求める請求項1に記載のタイヤのピッチ配列決定方
    法。
  7. 【請求項7】 前記初期配列は、ピッチの大きさが段階
    状に変化するように順にピッチが並べられると共に各階
    位に含まれるピッチの数が予め定められ、前記ステップ
    (b)では異なる階位間で該階位に含まれるピッチの数
    を変化させることにより設計変数の値を求め、前記ステ
    ップ(c)では目的関数の最適値を与える各階位が含む
    ピッチの数に基づいてタイヤのピッチ配列を求めること
    を特徴とする請求項1に記載のタイヤのピッチ配列決定
    方法。
  8. 【請求項8】 前記ピッチ配列について、M個の所定の
    ピッチ長のブロックに関して、最短ピッチ長のブロック
    から最長ピッチ長のブロックまでピッチ長の順に並べた
    ときに最短ピッチ長のブロックを表す識別子1から順に
    最長ピッチ長のブロックを表す識別子Mまでの順序を値
    で表す識別子iを該値が順に大きくなるように定め、タ
    イヤの周方向で隣り合うブロックの識別子の値の差の絶
    対値をDとすると共に、当該Dの値が1以上の場合の隣
    り合うブロック対の数をNとするととき、以下の条件を
    満たすことを特徴とする請求項1に記載のタイヤのピッ
    チ配列決定方法。Nに対して、2≦D≦M−2(4≦
    M)、であるNの占める割合が40%〜80%
  9. 【請求項9】 前記ピッチ配列について、タイヤの周方
    向に並べたピッチの個数をPとすると共に、最短ピッチ
    長を有するブロックと最長ピッチ長を有するブロックの
    個数の和をWとするときに、WのPに対する割合が25
    %〜50%であることを特徴とする請求項1に記載のタ
    イヤのピッチ配列決定方法。
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