JP4345899B2 - 熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ポリリン酸アンモニウムと、熱硬化性樹脂、メラミンモノマーもしくは表面処理剤等とを含む芯材、および該芯材を覆う特定の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム、その製造方法およびそれを含む難燃剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、ポリリン酸アンモニウムを、熱硬化性樹脂、メラミンモノマーもしくは表面処理剤等で、マイクロカプセル化、改質もしくは表面処理するか、あるいはポリリン酸アンモニウムをメラミンモノマーと混合してなる芯材と、特定の官能基を複数個有しかつ2次元もしくは3次元的な架橋反応が可能なモノマーの重合によって生じた熱可塑性樹脂からなる被覆と、を含む熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム、その製造方法およびそれを含む難燃剤に関する。
背景技術
従来より、ポリリン酸アンモニウムは難燃剤の一成分として紙、木材および合成樹脂等に添加され使用されている。しかしながら、ポリリン酸アンモニウムは本来水溶性であり、高温の条件下では著しく加水分解しやすいという性質を持っている。そのような未処理のポリリン酸アンモニウムを配合した樹脂組成物や該組成物を成形して得られる成形品もまた、該ポリリン酸アンモニウムの水溶性に起因して耐水性に劣り、実用に際して制限が生ずる。更に未処理のポリリン酸アンモニウムは、合成樹脂に対して親和性が不足し、該ポリリン酸アンモニウムを難燃剤の一成分として添加した樹脂組成物を用いて得られる成形品は、該成形品の機械的強度や外観等を著しく損なうという問題点を有している。
このようなポリリン酸アンモニウム自体が有している欠点を改良する為に、既に幾つかの提案がなされている。例えば米国特許第4,467,056号公報、同第4,347,334号公報、同第4,514,328号公報、特公平4−20944号公報、特公平4−55625号公報、特開昭61−98719号公報、特開昭61−98721号公報、特開昭61−98722号公報、特開昭61−101514号公報、特開平6−24719号公報ならびに特開平7−277713号公報には、熱硬化性樹脂で被覆もしくはマイクロカプセル化されたポリリン酸アンモニウムが開示されている。また、特公昭52−39930号公報、特公昭53−15478号公報、米国特許第4,515,632号公報、特公平5−50536号公報ならびに特許登録第2598742号には、メラミンモノマーで処理、被覆もしくはメラミンモノマーで変性したポリリン酸アンモニウムが開示されている。特開平3−131508号公報およびPCT第9208758号公報にはシリコーン樹脂で被覆されたポリリン酸アンモニウムが開示されている。また、米国特許第5,071,901号公報、同第5,109,037号公報、同第5,162,418号公報および同第5,164,437号公報には表面処理剤で処理されたポリリン酸アンモニウムが開示されている。
しかしながら、前記先行文献に開示の方法で得られたポリリン酸アンモニウムは、いづれも熱可塑性樹脂に対しての親和性や分散性が乏しく、樹脂に添加して得られた組成物を用いて成形すると得られる成形品の機械的強度が著しく低下するという問題点を有している。これらの問題を解決する方法として、特に最近では特開平9−40876号公報および特開平9−13037号公報に、熱可塑性樹脂で被覆またはカプセル化されたノンハロゲン系難燃剤が開示されている。
しかしながら、該公報による製法で得られる熱可塑性樹脂で被覆されたノンハロゲン系難燃剤は、酸、アルカリ性および有機溶剤等に対する耐薬品性という面でいまだ十分でないばかりか、芯物質がポリリン酸アンモニウムである場合には、耐水性さえも改善できないといった問題点を抱えている。
本発明者らは、耐水性、耐酸、耐アルカリ性、耐イオン性および耐有機溶剤性に優れ、しかも難燃剤の一成分として熱可塑性樹脂に添加して得られた組成物を用いて成形品にしたときに、機械的強度の低下が少ない成形品が得られるポリリン酸アンモニウムを得るべく鋭意研究を行った。その結果、ポリリン酸アンモニウムを含む特定の芯材と、これを被覆する熱可塑性樹脂、特に1分子内に重合可能な二重結合を有する基を1〜5個有する特定のモノマーの架橋重合物からなる熱可塑性樹脂被覆とからなる物質が、上述の課題を解決できることを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成した。以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、耐水性、耐薬品性に優れ、かつ難燃剤の一成分として熱硬化性又は熱可塑性樹脂に添加した時、得られた製品の機械的強度の低下が少なく、吸湿性抑制効果が高いポリリン酸アンモニウムを主成分とする物質およびその製造方法ならびに該物質を含む難燃剤を提供することである。
発明の開示
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムは、ポリリン酸アンモニウムと、熱硬化性樹脂、メラミンモノマーもしくは表面処理剤等とを含む芯材、および該芯材を覆う熱可塑性樹脂製被覆を含むことを特徴としている。
本発明の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムにおいて、前記熱可塑性樹脂は、1分子内に重合可能な二重結合を2〜5個有する、下記一般式1で表されるモノマーの単独重合体;これらモノマーの2種以上の共重合体;および下記一般式1で表されるモノマーの1種もしくは2種以上と、1分子内に重合可能な二重結合を1個有する、下記一般式2で表されるモノマーの1種もしくは2種以上との共重合体;からなる群から選択される樹脂またはこれらの混合物であることが望ましい。
(式1中、R1、R2およびR3は相互に同一または異なった基であり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8のシアノアルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜15のアルキルエーテル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数2〜18のアルキルエステル基および炭素数1〜14のアルコキシ基からなる群より選ばれる基であり、但し、R1、R2およびR3の基のいずれか1個の基がカルボキシル基または炭素数2〜18のアルキルエステル基の場合、他はそれぞれ該官能基とは異なった基であり、かつR4は下記一般式3もしくは一般式4で表される基である。)
(式2中、R8、R9、R10およびR11は相互に同一もしくは異なった基であり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8のシアノアルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜15のアルキルエーテル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数6〜32の芳香族基および炭素数2〜18のアルキルエステル基からなる群より選ばれる基であり、但し、R8、R9、R10およびR11の基のいずれか1個の基がカルボキシル基または炭素数2〜18のアルキルエステル基の場合、他はそれぞれ該化官能基とは異なった基である)。
(式3中、R1、R2およびR3は、上記式1中のR1、R2およびR3と同義の基であり、R5は、下記一般式5、6、7または8で示される基である。)
(式4中、R1、R2およびR3は、上記式1中のR1、R2およびR3と同義である。)
(式5中、R6およびR7は、相互に同一または異なった基であってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8のシアノアルキル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数6〜32の芳香族基および上記一般式3または一般式4で表される基からなる群から選択される基であり、pは1〜12の数である。但し、R6およびR7が、それぞれ、一般式3で表わされる基である場合、R5は一般式7で表わされる基である。)
(式6中、R6,R7およびpは、上記式5のR6、R7およびpと同義である。但し、R6およびR7が、それぞれ、一般式3で表わされる基である場合、R5は一般式7で表わされる基である。)
(式7中、Arは、炭素数6〜32の2価の芳香族残基である。)
(式8中、R4は、上記一般式1のR4と同義である。但し、式8のR4が一般式3である場合、R5は一般式7で表わされる基である。)。
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムでは、前記熱可塑性樹脂は、前記芯材100重量部に対して、1〜40重量部の量で用いられることが望ましい。
また、上記熱可塑性樹脂が、上記一般式1で表されるモノマーの単独重合体;これらモノマーの共重合体;または上記一般式1で表されるモノマーと、上記一般式2で表されるモノマーとの共重合体である場合、この一般式1のモノマーは、重合性二重結合を2個有する共役ジエンモノマーまたは非共役ジエンモノマーであることが望ましい。
本発明で好適に用いられる芯材としては、熱硬化性樹脂で被覆もしくはマイクロカプセル化されたポリリン酸アンモニウムを例示することができる。このような熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、変性メラミン樹脂、グアナミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂およびシリコーン樹脂等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他、本発明で用いられる芯材としては、メラミンモノマーで被覆もしくは変性されたポリリン酸アンモニウム;その表面に表面処理剤を付着(adhere)、吸着(adsorb or absorb)、又は付加(adduct)させた表面処理ポリリン酸アンモニウム等を例示できる。このような表面処理剤としては、炭素数6〜25の飽和もしくは不飽和脂肪酸、炭素数6〜25の飽和もしくは不飽和脂肪酸の金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤およびそれらの混合物を例示でき、これらは単独で用いても2種以上の組み合わせで用いてもよい。
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムでは、前記ポリリン酸アンモニウムは、20〜31重量%のリンを含有することが望ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムは、平均粒子径が0.1〜50μm、好ましくは5〜30μmの微粒子であることが望ましい。
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムの製造方法は、ポリリン酸アンモニウムと、熱硬化性樹脂、メラミンモノマーまたは表面処理剤等とを含む芯材の表面に、前記一般式1のモノマーおよび、任意成分としての、前記一般式2のモノマーを、触媒触媒の存在下、かつ反応溶媒の存在下または不存在下で重合反応させることを特徴としている。
本発明の方法では、上記モノマーの重合反応温度は、20〜150℃であることが望ましい。
このような本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムの製造方法は、より具体的には、芯材と、この芯材100重量部に対し、一般式1のモノマー0.1〜40重量部、任意の一般式2のモノマー0.1〜39.9重量部、触媒0.1〜10重量部、および反応溶媒とを反応器に装入し、20〜150℃で0.5〜50時間反応させて行なうことが望ましい。
本発明に係る難燃剤は、請求項1記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを有効成分として含むことを特徴としている。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムは、ポリリン酸アンモニウムと、熱硬化性樹脂、メラミンモノマーもしくは表面処理材とを含む芯材と、熱可塑性樹脂製被覆とを有している。
本発明で用いられる芯材において、ポリリン酸アンモニウム以外の成分(以下「副成分」と記す場合もある)は、ポリリン酸アンモニウムの水溶性を抑制する機能、および/または熱可塑性樹脂製の被覆との密着性を向上させる機能を有する。したがって、副成分は、芯材の少なくとも表面に存在していればよく、その表面および内部の両方に存在していても、また表面のみに存在していてもよい。
このような芯材では、副成分とポリリン酸アンモニウムとは、両者の反応生成物または混合物、前者で後者を被覆した被覆材またはマイクロカプセル材料、あるいは前者の後者への付着物、吸着物又は付加物という形態で存在させることができる。また、このような芯材では、副成分の特性および存在形態に応じて、ポリリン酸アンモニウムに、水不溶性、難水溶性、疎水性もしくは撥水性等を付与することができる。
このような芯材としては、例えば、ポリリン酸アンモニウムと、メラミンモノマー、燐酸メラミンなどのトリアジン誘導体とが均一に混在する混合ポリリン酸アンモニウム、トリアジン誘導体で被覆またはマイクロカプセル化された被覆ポリリン酸アンモニウム、トリアジン誘導体がポリリン酸アンモニウムの表面に付着もしくは吸着された吸着ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムの表面にトリアジン誘導体を部分反応させてなる部分反応生成物である難水溶性ポリリン酸アンモニウム;ポリリン酸アンモニウムが熱硬化性樹脂で被覆もしくはマイクロカプセル化された水不溶性ポリリン酸アンモニウム;ポリリン酸アンモニウムの表面に表面処理剤、界面活性剤もしくはカップリング剤が付着もしくは吸着された疎水性もしくは撥水性ポリリン酸アンモニウム等を例示することができる。
このような副成分は、通常、芯材全体に対して、2〜40重量%、好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%の量で用いられることが望ましい。
なお、芯材の主成分としてのポリリン酸アンモニウムは、20〜31重量%、好ましくは25〜30重量%、さらに好ましくは27〜29重量%のリンを含有することが望ましい(純粋なポリリン酸アンモニウムのリン濃度は約32重量%である)。
上記被覆ポリリン酸アンモニウムの製造に用いられる熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、変性メラミン樹脂、グアナミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂およびシリコーン樹脂等から選ばれる1種以上を挙げることができる。
このような被覆ポリリン酸アンモニウムは、例えば、反応装置内に未処理のポリリン酸アンモニウムと硬化前のエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂もしくはそれらの2種以上の混合物を装入し、水や有機溶媒もしくはそれらの混合溶媒中で加熱硬化させることによる液中硬化法によって製造することが可能である。
また、被覆ポリリン酸アンモニウムは、この方法以外にも、原料であるポリリン酸アンモニウム、重合性モノマーおよび重合触媒等を反応容器に供給し、熱硬化性樹脂が、ポリリン酸アンモニウムの粒子表面で生成して該粒子を均一に包み込むような重合条件を設定してカプセル化するイン−シチュ(in−situ)重合法、2種類の反応成分を互いに混ざり合わない2種類の溶剤にそれぞれ溶解して両液相の界面で膜状の熱硬化性樹脂を形性させる界面重合法、樹脂−良溶剤−非溶剤系において溶剤からその熱硬化性樹脂に富んだ相が分離する現象(液−液・相分離)を利用したコアセルベーション法、熱硬化性樹脂原液をポリリン酸アンモニウム微粒子にスプレーしてポリリン酸アンモニウムの表面を熱硬化性樹脂でカプセル化した後、これを熱風に接触させて樹脂を硬化させるとともに揮発成分を乾燥させるスプレードライング法、衝撃力を主体とする機械的熱的エネルギーを原料樹脂粒子に与え、ポリリン酸アンモニウム粒子表面に対して固定化もしくはカプセル化させるハイブリダイゼーション法等の公知の方法によっても製造することができる。
また、表面処理剤としては、ポリリン酸アンモニウムに疎水性、撥水性を付与するばかりでなく、該ポリリン酸アンモニウム粒子表面に官能基を導入することによって、その後の熱可塑性樹脂被覆の工程において、該被膜と芯材主成分であるポリリン酸アンモニウムとの相互作用を強固にし、密着性を与える効果を有する化合物が好適である。
このような表面処理剤としては、高級脂肪酸、カップリング剤および界面活性剤が挙げられる。
より具体的には、高級脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
カップリング剤としては、
一般式XqSiY4-qで表されるシランカップリング剤(ただし、qは1乃至2であり、Xは複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよく、加水分解性基、例えばCH3O−、C2H5O−、CH3OCH2CH2O−またはCl−であり、Yは複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜6のアミノアルキル基、炭素数5〜9のグリシドキシアルキル基、炭素数5〜10のメタクリロキシアルキル基、ビニルベンジル基含有基、炭素数2〜6のクロロアルキル基、エポキシシクロヘキシルエチル基である);
4〜6配位のチタネート系カップリング剤、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチルアミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジ−トリデシルホスファイト)チネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオキチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート;
アルミネート系カップリング剤、例えばアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルコキシアルミニウムアセチルアセトネート;
ジルコアルミネート系カップリング、例えばアルコキシジルコアルミニウムジイソプロピレート、アルコキシジルコアルミニウムアセチルアセトネート剤;および
フォスフェート系カップリング剤等を、その好適な例として例示できる。
また、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤等が挙げられ、従来公知の全ての界面活性剤を使用できる。
例えば、アニオン系界面活性剤としては、炭素数10〜32、好ましくは12〜22の飽和脂肪酸塩、例えばラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩などの高級カルボン酸塩;N-アシル-N-メチルグリシン、N-アシル-N-メチル-β-アラニン、N-アシルグルタミン酸などの高級脂肪酸とアミノ酸との縮合物ならびにそれらの塩;アルキルエーテルカルボン酸塩;アシル化ペプチド;アルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド重縮合物;ジアルキルスルホコハク酸エステル塩;アルキルスルホ酢酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;N-アシルメチルタウリン;ロート油;高級アルコール硫酸エステル塩;第2高級アルコール硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸塩;第2高級アルコールエトキシサルフェート;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩;モノグリサルフェート;脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸モノエステル塩;アルキルエーテルリン酸ジエステル塩;アルキルエーテルリン酸トリエステル;アルキルリン酸モノエステル塩;アルキルリン酸ジエステル塩;アルキルリン酸トリエステル等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、1級、2級および3級の炭素数12〜54の高級アルキルアミンを塩酸、硫酸などの無機酸または酢酸、乳酸、クエン酸などの有機酸で中和して得られる高級脂肪族アミン塩;炭素数12〜40の脂肪族4級アンモニウム塩;ベンザルコニウム塩;塩化ベンゼトニウム;アルキルピリジニウム塩;イミダゾリニウム塩等が挙げられ、両性イオン系界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン;アミノカルボン酸塩;イミダゾリニウムベタイン;レシチン等が挙げられる。
さらに、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、炭素数12〜22の脂肪族第1級アルコールと酸化エチレンの付加重合によって製造されるポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンステロールエーテル;ポリオキシエチレンラノリン誘導体;アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレングリセリン脂肪族エステル;ポリオキシエチレンヒマシ油;硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセリド;ポリグリセリン脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル;しょ糖脂肪酸エステル;脂肪酸アルカノールアミド;ポリオキシエチレン脂肪酸アミド;ポリオキシエチレンアルキルアミン;アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、疎水性基にフルオロカーボンまたはパーフルオロカーボンを持つ界面活性剤である。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のアルキル基を有するフルオロアルキルカルボン酸、N-パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3-(フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ)-1-アルキル(C3〜C5)-スルホン酸ナトリウム、3-(ω-フルオロアルカノイル(C6〜C8)-N-エチルアミノ)-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、N-[3-(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、パーフルオロアルキル(C7〜C13)カルボン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸塩、N-プロピル-N-(2-ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)-N-エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N-パーフルオロオクチルスルホニル-N-エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
本発明にあっては上述の表面処理剤を任意の量で組み合わせて使用できる。なお、これら表面処理剤を使用した表面処理法に当たっては、表面処理剤を水、酢酸水または水−アルコール混合溶媒などで希釈した溶液を調製し、これに対象物を含浸処理させる湿式法、撹拌状態にある対象物中へ該表面処理剤又はその溶液をスプレーなどで添加する乾式法など公知の方法が利用できる。また、表面処理剤としてカップリング剤を用いる場合は、該カップリング剤を単独で重合、あるいは他のプレポリマーと反応させたプライマーを使用するプライマー法が利用できる。
本発明で用いられる芯材としては、上述の製造方法によって得られたものを使用できるほか、市販品も使用することができ、このような市販品としては、ホスタフラム(Hostaflam)AP−462(商品名、ヘキスト社製)、スミセーフ−PM(商品名、住友化学工業株式会社製)、テラージュ(TERRAJU)−M30(商品名、チッソ株式会社製)、テラージュ(TERRAJU)−M40(商品名、チッソ株式会社製)、テラージュ(TERRAJU)−C30(商品名、チッソ株式会社製)、テラージュ(TERRAJU)−C40(商品名、チッソ株式会社製)、テラージュ(TERRAJU)−C60(商品名、チッソ株式会社製)、テラージュ(TERRAJU)−C70(商品名、チッソ株式会社製)、テラージュ(TERRAJU)−C80(商品名、チッソ株式会社製)等を例示することができる。
本発明において、このような芯材を被覆する熱可塑性樹脂は、芯材表面との接着性が良好で、均一な被覆形成が可能な樹脂が望ましい。
また、芯材表面へのこれら熱可塑性樹脂からなる被覆の形成方法も、樹脂製造に用いるモノマーの種類、製造する樹脂の種類等に応じて適宜選択でき、例えば、熱硬化性樹脂皮膜を有する芯材を製造する場合のマイクロカプセル化技術を適宜適用することも可能である。
本発明において、芯材を被覆する熱可塑性樹脂としては、1分子内に重合可能な二重結合を2〜5個有する特定のモノマー(以下、「第1のモノマー」と記すこともある)の単独重合体;第1のモノマーの2種以上の共重合体;および第1のモノマーの1種もしくは2種以上と、1分子内に重合可能な二重結合を1個有するモノマー(以下、「第2のモノマー」と記すこともある)の1種または2種以上との共重合体を特に好適な例として挙げることができる。これら重合体および共重合体は、熱可塑性樹脂として、単独で用いることも、2種以上の組み合わせで用いることもできる。
1分子内に重合可能な二重結合を2〜5個有する第1のモノマーは、下記一般式1で表される。
なお、式1中、R1、R2およびR3は相互に同一または異なった基であり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜6のシアノアルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10のアルキルエーテル基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜6のアミノアルキル基、炭素数2〜12、好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜12、好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基および炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜10のアルキルエステル基、炭素数1〜14、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基からなる群から選択される基である。但し、R1、R2およびR3の基のいずれか1個の基がカルボキシル基またはアルキルエステル基の場合、他はそれぞれこれら基とは異なった基である。
このようなハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を例示でき、かつ
シアノアルキル基としては、一般式−CnH2n・CNで表される基(但し、nは1〜8の整数)であり、シアノメチル基、シアノエチル基、シアノプロピル基、シアノブチル基、シアノペンチル基、シアノヘキシル基などの直鎖シアノアルキル基、並びに該直鎖シアノアルキル基のアルキル置換体、例えば1-メチルシアノエチル基、2-メチルシアノエチル基、1,1-ジメチルシアノエチル基、1,2-ジメチルシアノエチル基、2,2-ジメチルシアノエチル基、1,2-ジメチルシアノプロピル基、1,3-ジメチルシアノプロピル基、1-エチルシアノエチル基、2-エチルシアノエチル基、1,1-ジエチルシアノエチル基、1,2-ジエチルシアノエチル基、2,2-ジエチルシアノエチル基、1,2-ジエチルシアノプロピル基、1,3-ジエチルシアノプロピル基などを;
アルキル基としては、一般式−CnH2n+1で表される基(但し、nは1〜10の整数)であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2-メチルエチル基、ブチル基、イソブチル基、3-メチルプロピル基、3-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、ペンチル基、ヘキシル基などを;
アルキルエーテル基としては、一般式−CnH2n・O・CmH2m+1で表される基(但し、nおよびmは1〜14の整数であり、かつn+mは2〜15の範囲にある)であり、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシペンチル基、エトキシヘキシル基などを;
アミノアルキル基としては、一般式−CnH2n・NH2で表される基(但し、nは1〜10の整数)であり、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノイソプロピル基、アミノブチル基、アミノイソブチル基、アミノペンチル基、アミノヘキシル基などを;
アルケニル基としては、一般式−CnH2n-1で表される基(但し、nは2〜8の整数)であり、ビニル基、アリル(allyl)基、プロペニル基、ブテニル基、ペンタニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ならびにそれらのアルキル置換体などを;
アルキニル基としては、一般式−CnH2n-2で表される基(但し、nは2〜12の整数)であり、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ペプチニル基、オクチニル基、ならびにそれらのアルキル置換体などを;
アルキルエステル基としては、一般式−C(O)OCnH2n+1で表される基(但し、nは炭素数2〜10の整数)であり、メチルエステル基、エチルエステル基、プロピルエステル基、ブチルエステル基、ペンチルエステル基、ヘキシルエステル基ならびにそれらのアルキル置換体などをを;各々例示することができる。
また、式1中、R4は下記一般式3もしくは一般式4で表される基である。
但し、上記式3中、R1、R2およびR3は、上記式1中のR1、R2およびR3と同義の基であり、式4中、R1、R2およびR3は、上記式1中のR1、R2およびR3と同義である。
そして、上記式3中のR5は、下記一般式5、6、7または8で示される基である。
(式5中、R6およびR7は、相互に同一または異なった基であってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜6のシアノアルキル基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜6のアミノアルキル基、炭素数6〜32、好ましくは炭素数6〜12の芳香族(aryl)基および上記一般式3または一般式4で表される基からなる群から選択される基であり、pは1〜12、好ましくは1〜6の数である。但し、R6およびR7が、それぞれ、一般式3で表わされる基である場合、R5は一般式7で表わされる基である。)
(式6中、R6,R7およびpは、上記式5のR6、R7およびpと同義である。但し、R6およびR7が、それぞれ、一般式3で表わされる基である場合、R5は一般式7で表わされる基である。)
(式7中、Arは、炭素数6〜32、好ましくは炭素数6〜12の2価の芳香族残基である。)
(式8中、R4は、上記一般式1のR4と同義である。但し、式8のR4が一般式3である場合、R5は一般式7で表わされる基である。)。
なお、上記一般式5中、ハロゲン、シアノアルキル基、アルキル基、アルキルエーテル基、アミノアルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびアルキルエステル基の具体例としては、上記一般式1と同様の基を挙げることができる。また、上記一般式1及び3〜8において、基R1〜R8で示される基は、モノマー1分子中の重合可能な二重結合の合計数が2〜5個、好ましくは2〜3個となるように選択される。
本発明では、このような第1のモノマーが、重合可能な二重結合を2個有する共役ジエンモノマーまたは非共役ジエンモノマーであることが特に好ましい。
以上説明した第1のモノマーとしては、具体的には、1,2-ジビニルベンゼン、1,3-ジビニルベンゼン、1,4-ジビニルベンゼン、1,2-ジアリル(allyl)フタレート、1,2-ジアリルフタレート、1,4-ジアリルフタレート、ジビニルエーテル、アリル(allyl)ビニルエーテル、プロペニルビニルエーテル、アリル-α-メチルビニルエーテル、ブタジエン、クロロプレン、フルオロプレン、シアノプレン、ブロモプレン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、1,10-ウンデカジエン、1,11-ドデカジエン、1,12-トリデカジエン、1,13-テトラデカジエン、1,17-オクタデカジエン、1,21-ドコサジエン、アレン、アレン誘導体、2,5-ジメチル-1,5-ヘキサジエン、シス-1,5,9-デカトリエン、トランス-1,3,7-オクタトリエン、1-ビニル-3-メチレンシクロペンタン、2,5-ジフェニル-1,5-ヘキサジエン、2-フェニル-1,5-ヘキサジエン、3-メチル-1,5-ヘキサジエン、3-フェニル-1,5-ヘキサジエン、3-メチル-4-フェニル-1,5-ヘキサジエン、3-ビニル-1,5-ヘキサジエン、
2,6-ジフェニル-1,6-ヘプタジエン、2,7-ジフェニル-1,7-オクタジエン、3-フェニル-1,5-ヘプタジエン、2,6-ジカルベトキシ-1,6-ヘプタジエン、2,6-ジカルボキシ-1,6-ヘプタジエン、2,6-ジシアノ-1,6-ヘプタジエン、4,4-ジカルベトキシ-1,6-ヘプタジエン、4-アセチル-4-カルベトキシ-1,6-ヘプタジエン、4-カルボキシ-1,6-ヘプタジエン、4-アセチル-1,6-ヘプタジエン、4,4-ジアセチル-1,6-ヘプタジエン、4-シアノ-4-カルベトキシ-1,6-ヘプタジエン、4-シアノ-4-カルボキシ-1,6-ヘプタジエン、4-シアノ-1,6-ヘプタジエン、2,6-ジクロル-4,4-ジカルベトキシ-1,6-ヘプタジエン、2,6-ジクロル-3-カルベトキシ-1,6-ヘプタジエン、4-アリル-4-ヒドロキシ-1,6-ヘプタジエン、4-アリル-4-アセトキシ-1,6-ヘプタジエン、トランス-1,2-ジビニルシクロブタン、シス-1,2-ジビニルシクロブタン、トランス-1,2-ジメチル-1,2-ジビニルシクロブタン、トランス-1-イソプロペニル-2-ビニルシクロブタン、トランス-1,2-ジイソプロペニルシクロブタン、
シス-1,2-ジビニルシクロペンタン、シス-1,3-ジビニルシクロペンタン、トランス-1,3-ジビニルシクロペンタン、シス-1,2-ジビニルシクロヘキサン、トランス-1,2-ジビニルシクロヘキサン、シス-1,3-ジビニルシクロヘキサン、トランス-1,3-ジビニルシクロヘキサン、トリビニルシクロヘキサン、1,2,4-トリメチレンシクロヘキサン、1,3,5-トリメチレンシクロヘキサン、1,3,5,7-テトラメチレンシクロオクタン、1,4-ジメチレンシクロヘキサン、1-メチレン-4-ビニルシクロヘキサン、ジビニルケトン、ジビニルアセチレン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリメタアリルイソシアヌレート、ジグリシジルビスフェノールAジアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、2-プロペノイックアシッド[2-[1,1-ジメチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチル]-5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル]メチルエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3-ブチレングリコール、アリルメタクリレート、N,N’-メチレンビス(アクリルアミド)、トリアリルトリメリテート、3,9-ジビニル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等を挙げることができ、これらは単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明で芯材の被覆として好適い用いられる熱可塑性樹脂の製造において、このような第1のモノマーとともに、任意に用いられる第2のモノマーは、1分子内に重合可能な二重結合を1個有し、下記一般式2で表される。
式2中、R8、R9、R10およびR11は相互に同一もしくは異なった基であり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜6のシアノアルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10のアルキルエーテル基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜6のアミノアルキル基、炭素数6〜32、好ましくは炭素数6〜12の芳香族(aryl)基および炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜10のアルキルエステル基からなる群より選ばれる基である。但し、R8、R9、R10およびR11の基のいずれか1個の基がカルボキシル基またはアルキルエステル基の場合、他はそれぞれこれら基とは異なった基である。
なお、上記一般式5中、ハロゲン原子、シアノアルキル基、アルキル基、アルキルエーテル基、アミノアルキル基およびアルキルエステル基の具体例としては、上記一般式1と同様の基を挙げることができ、芳香族基としては、フェニル基、フェニル基のアルキルによる1〜5置換体、ビフェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
また、このような1分子中に重合可能な二重結合を1個有するモノマーとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、
スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、シアノスチレン、アミノスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルナフタリン、ビニルアントラセン、2-ビニルフェナンスレン、3-ビニルフェナンスレン、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、α-シアノアクリル酸エステル、α-ハロゲノアクリル酸エステル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
塩化アリル、アリルアルコール、アリルアミン、アリルアセトン、アリルアルデヒド、アリルエステル、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルカルボアミド、アリルグリセリン、アリル酢酸、アリルチオアルコール、アリルチオカルバミド、アリルチオカルボイミド、アリルチオ尿素、アリル尿素、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フルオロスチレン、酢酸ビニル、ラウリン酸ビニル、サリチル酸ビニル、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n-ヘキシルビニルエーテル、n-オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、o-クレジルビニルエーテル、p-クレジルビニルエーテル、p-クロルフェニルビニルエーテル、α-ナフチルビニルエーテル、β-ナフチルビニルエーテル、
1-ブテン-3-オン、アクリロフェノン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-メチル-5-ビニルピリジン等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような第1のモノマーおよび、任意の第2のモノマーの重合反応もしくは共重合反応は、通常のラジカル重合反応に用いる重合開始剤を用いて行うことができる。このような第1のモノマーを含むモノマーから得られる重合体もしくは共重合体は、2次元または3次元に架橋を有する熱可塑性樹脂であり、この架橋構造により通常の有機溶剤には難溶もしくはほとんど不溶である。したがって、この熱可塑性樹脂で被覆されたポリリン酸アンモニウムは耐有機溶剤性に優れる。
このような架橋構造を有する熱可塑性樹脂で、上述の芯材を被覆した熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムは、本発明に係る以下の製造方法によって好適に製造できる。
即ち、本発明の製造方法では、前記芯材の表面に、前記一般式1のモノマーおよび、任意成分としての、前記一般式2のモノマーを、触媒触媒の存在下、かつ反応溶媒の存在下または不存在下で重合反応させて熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを製造している。
より具体的には、例えば、先ず、反応容器、好ましくは加熱撹拌あるいは加熱混練機能を備えた反応容器に、芯材と、該芯材100重量部に対し、第1のモノマー0.1〜40重量部、好ましくは2〜20重量部、任意の第2のモノマー0.1〜39.9重量部、好ましくは2〜10重量部、および重合開始剤0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部を装入し、混合する。
この際、反応溶媒を10〜500重量部使用しても良く、このような反応溶媒としては水または各モノマーに対して不活性な有機溶媒からなる単一溶媒もしくは混合溶媒を使用することができる。
この重合反応で用いられる重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、t-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酸化-ジ-t-ブチル、過酸化ラウロイル、α,α’-アゾジイソ酪酸ジメチル、コハク酸過酸化物、ジクメン過酸化物、ジクロル過酸化ベンゾイル等;無機過酸化物、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過硼酸ナトリウム等;アゾ化合物例えば、α,α’-アゾジイソブチロニトリル、アゾジシクロヘキシルカルボニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等;が挙げられ、すべて市販品を使用することができる。
次に、該反応容器中の混合物を温度20〜150℃、好ましくは50〜100℃に加熱、撹拌し、反応が充分に終了する時間、例えば0.5〜50時間反応させることにより、芯材表面に架橋したポリマーの被覆層が形成され、本発明の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムが得られる。
以上説明した本発明の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムにおいて、熱可塑性樹脂製被覆は、芯材100重量部に対し、1〜40重量部、好ましくは5〜20重量部である。
また、本発明の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムは、難燃剤として用いる場合の樹脂組成物への分散性等の観点から、平均粒子径が0.1〜50μm、好ましくは5〜30μmであることが望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを有効成分として含む難燃剤、即ち本発明に係る難燃剤は、熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムのみを含んでいてもよく、また他の従来公知の難燃剤、例えば燐酸エステル、縮合燐酸エステル、赤燐、被覆赤燐、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、燐酸塩、硼酸塩などの無機難燃剤;および本発明に係る難燃剤と併用することによって難燃性を向上しうる他の成分、例えばペンタエリスリトール、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの多価アルコール、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどの窒素含有化合物を含んでいてもよい。
本発明に係る難燃剤は、有効成分として含まれる熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム耐水性、耐有機溶剤性および耐薬品(耐酸性及び耐アルカリ性)性に優れておりかつ熱可塑性樹脂への親和性が高いため、特に樹脂成形体用組成物に混入するのに好適である。
発明の効果
本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムは、従来のポリリン酸アンモニウムに比べて、耐水性および耐有機溶剤性、あるいは耐酸性および耐アルカリ性などの耐薬品性等に優れ、かつ難燃剤の一成分として熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂成形材料に添加しても、これら樹脂成形材料から得られた成形品の機械的強度の低下が少なくかつ吸湿性等の抑制効果が高い。したがって、本発明に係る熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムは、電気電子部品材料、自動車材料、建築材料などへの難燃性成分として好適に使用できる。
実施例
以下、本発明を、実施例および比較例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、実施例および比較例における評価は以下の方法により行った。
(1)水溶性の評価方法
生成物中に含まれる水溶性成分を次の方法によって定量した。各実施例及び比較例で得られた生成物10gを、各々純水90gに懸濁して懸濁液を調製した。該懸濁液を25℃の温度で24時間振盪した後、遠心分離し、上澄み液を0.45μmの濾紙にて濾別した。濾液の一定量を秤量瓶に取り、乾燥器中で蒸発乾固し、下記の式1より水溶性を求めた。得られた数値が低い程、耐水性に優れる。
(2)耐酸性の評価方法
各実施例及び比較例で得られた生成物10gを、各々濃度0.1規定の塩酸溶液90gに懸濁して10重量%の懸濁液を調製した。該懸濁液を25℃の温度で1時間振盪した後、遠心分離し、上澄み液を0.45μmの濾紙にて濾過した。濾液の一定量を秤量瓶に取り、乾燥器中で蒸発乾固し、前記の式1と同様の方法により酸への溶解性を求めた。得られた数値が低い程、耐酸性に優れる。
(3)耐アルカリ性および耐イオン性の評価方法
濃度0.1規定の水酸化ナトリウムまたは塩化ナトリウム水溶液90gを25℃の温度で1時間振盪した後、該水溶液の約5gを秤量瓶に取り、乾燥器中で蒸発乾固してブランク値を測定した。
次に、各実施例及び比較例で得られた生成物10gを、各々濃度0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液または塩化ナトリウム水溶液90gに懸濁して10重量%の懸濁液を調製した。該懸濁液を25℃の温度で1時間振盪した後遠心分離し、上澄み液を0.45μmの濾紙にて濾過した。約5gの濾液を秤量瓶に正確に秤り取り、乾燥器中で蒸発乾固し、下記の式2よりアルカリまたは塩の水溶液への溶解性を求めた。得られた数値が低い程、耐アルカリ性に優れる。
(4)耐有機溶剤性の評価方法
各実施例及び比較例で得られた生成物10gを、各々トルエン90gに懸濁して10重量%の懸濁液を調製した。該懸濁液を25℃の温度で1時間振盪した後、遠心分離し、上澄み液を0.45μmの濾紙にて濾過した。約5gの濾液を秤量瓶に正確に秤り取り、乾燥器中で蒸発乾固し、前記式1と同様の方法により有機溶剤への溶解性を求めた。得られた数値が低い程、耐有機溶剤性に優れる。
(5)難燃性樹脂成形品の耐水性および難燃性の評価方法
ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート828(商品名、油化シェルエポキシ株式会社製)100重量部および硬化剤としてエポメートLX−IN(商品名、油化シェルエポキシ株式会社製)を予め良く混合した。次いで、各実施例及び比較例で得られた生成物40重量部を添加し、更に混合した。得られた樹脂組成物を長さ100mm×幅100mmの型に厚さおよそ3mmになるように流し込み、減圧下で脱気したのち、50℃で24時間放置し、硬化させ平板を作製した。得られた平板からバンドソーを使って、耐水性試験片(長さ40mm×幅40mm)および難燃性試験片(長さ100mm×幅6mm)を切り出した。
耐水性は、試験片を200gの純水に浸漬し、80℃で7日間放置して、該浸漬液の電気伝導率(10-3Ω-1m-1)を測定し、ブランクとの差の値を耐水性の指標とした。ポリリン酸アンモニウムの加水分解物が溶出すると該電気伝導率は大きくなる。
難燃性は日本工業規格JIS K7201(酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法)に準拠して行った。
(6)耐衝撃性試験
日本工業規格JIS K7110(硬質プラスチックのアイゾット衝撃試験方法)に準拠して行った。ただし、使用した試験片は以下のようにして製造した。
ポリスチレン樹脂(ダイセルスチロールR63)100重量部、実施各例及び比較各例により得られたポリリン酸アンモニウム30重量部をヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、次いで3分間撹拌混合し、該混合物を二軸押出機(池貝鉄工所株式会社製PCM−30)を用いて溶融混練温度210℃で混練した後にストランド状に押出し、切断してペレット化した。該ペレットを80℃8時間乾燥後、射出成形機(日本製鋼株式会社製N40B−II)を用い成形温度210℃で、長さ127mm×幅12.7mm×厚さ3mmの試験片を作製した。該成形品の両端の32mmを切り捨て、中央部の63mmの中央に深さ2.54mm、先端のR(曲率半径)0.25mmのノッチ加工を施して試験片とした。
また、各実施例および比較例で用いた芯材は下記の略号で表わした。
APP−1:下記参考例1の方法により得たメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム。
APP−2:下記参考例2の方法により得たホルムアルデヒド変性メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム。
APP−3:ホスタフラム(Hostaflam)AP462(ヘキスト社製)メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物で包まれたポリリン酸アンモニウム。
参考例1
270〜300℃に予備加熱された容量5リットルのニーダーに、II型結晶型を有する平均粒子径約15μmのポリリン酸アンモニウム粉末1900重量部およびメラミン(試薬グレード)100重量部を投入し、撹拌しながら260〜300℃で6〜7時間保持した。冷却後、約2000重量部の芯材としてのメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム(APP−1)が得られた。該メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの平均粒子径は約17μmであり、ポリリン酸アンモニウム粒子表面にメラミンがほぼ均一に被覆されていることが電子顕微鏡による観察の結果、確認された。
参考例2
加熱装置、撹拌装置および還流装置を備えた5リットルの反応容器に、参考例1で得られたメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム1000重量部、濃度37重量%のホルマリン116重量部および12重量%のメタノール水溶液2000重量部を装入し、還流温度で2時間反応させた。冷却後、ろ過、乾燥し、芯材としてのホルムアルデヒド変性物(APP−2)約1000重量部が得られた。該ホルムアルデヒド変性物の平均粒子径は約17μmであった。
実施例1
撹拌機、温度計、還流器、導入口を備えた容量500mlの反応器に、100重量部の前記APP−1、7重量部のスチレンモノマー、3重量部のジビニルベンゼン、2重量部の過硫酸カリウム、200重量部の水および50重量部のメタノールを装入し、常温において混合した。次いで温度80℃に加熱し、同温度で6時間反応を行った。反応液を冷却後、ろ過、水洗浄、乾燥を行い、熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム110重量部を得た。この生成物を電子顕微鏡により観察したところ樹脂で均一に被覆されていることが確認された。
また、得られた熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて前記の各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
実施例2
APP−1の代わりに前記APP−2を用いた以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム110重量部を得た。この生成物の表面を電子顕微鏡により観察したところ樹脂で均一に被覆されていることが確認できた。
また、得られた熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
実施例3
スチレンモノマーの量を10.5重量部、ジビニルベンゼンの量を4.5重量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして、熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム115重量部を得た。この生成物の表面を電子顕微鏡により観察したところ樹脂で均一に被覆されていることが確認できた。
また、得られた熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
実施例4
100重量部の前記APP−2と2重量部のオレイン酸とを卓上ミキサーに装入し、よく混合した後、50℃のオーブン内で1時間加熱し、オレイン酸処理したAPP−2を得た。次いで、撹拌機、温度計、還流器および導入口を備えた容量500mlの反応器に、100重量部の該オレイン酸処理したAPP−2、7重量部のスチレンモノマー、3重量部のジビニルベンゼン、2重量部の過硫酸カリウム、200重量部の水および50重量部のメタノールを装入し、常温において混合した。次に温度80℃に加熱し、同温度で6時間反応を行った。反応液を冷却後、ろ過、水洗浄および乾燥を行い、熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム110重量部を得た。この生成物の粒子表面を電子顕微鏡により観察したところ、樹脂で均一に被覆されていることが確認できた。
また、該熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
実施例5
前記APP−2の代わりに前記市販品のAPP−3を使用した以外は実施例4と同様にして、熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム110重量部を得た。この生成物を電子顕微鏡により表面を観察したところ樹脂で均一に被覆されていることが確認できた。
また、該熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
実施例6
撹拌機、温度計、還流器、導入口を備えた容量500mlの反応器に、100重量部のAPP−1、7重量部のアクリロニトリル、3重量部のジビニルベンゼン、2重量部の過硫酸カリウム、200重量部の水および50重量部のメタノールを装入し、常温において混合した。次いで温度80℃に加熱し、同温度で6時間反応を行った。反応液の冷却後、ろ過、水洗浄、乾燥を行い、熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム110重量部を得た。この生成物を電子顕微鏡により表面を観察したところ樹脂で均一に被覆されていることが確認できた。
また、該熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
実施例7
アクリロニトリルの量を3重量部に変え、さらにスチレンモノマー4重量部を加えた以外には実施例6と同様にして、熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム115重量部を得た。この生成物の表面を電子顕微鏡により観察したところ樹脂で均一に被覆されていることが確認できた。
また、該熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
実施例8
加熱混練機能を備えた内容積5リットルのニーダーに、1000重量部のAPP−1、70重量部のスチレンモノマー、30重量部のジビニルベンゼンおよび3重量部の過硫酸カリウムを投入し、常温において混合した。次に温度100℃に加熱し、同温度で8時間保持し、熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム1102重量部を得た。この生成物の表面を電子顕微鏡により観察したところ樹脂で均一に被覆されていることが確認できた。
また、該熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
比較例1
参考例1の方法で得られたメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム(APP−1)を何も処理せずに用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
比較例2
参考例2の方法で得られたホルムアルデヒド変性メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム(APP−2)を何も処理せずにそのまま用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
比較例3
ホスタフラム(Hostaflam)AP462(ヘキスト社製、APP−3)を何も処理せずにそのまま用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
比較例4
撹拌機、温度計、還流器および導入口を備えた容量500mlの反応器に、100重量部のAPP−1、10重量部のスチレンモノマーおよび2重量部の過硫酸カリウム、200重量部の水および50重量部のメタノールを装入し常温において混合した。次に温度80℃に加熱し、同温度で6時間反応を行った。
反応液を冷却後、ろ過、水洗浄および乾燥を行い、生成物110重量部を得た。
得られた生成物を用いて各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
比較例5
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム(APP−1)に代えて、II型結晶型を有する平均粒径約15μmのポリリン酸アンモニウ(110重量部)をそのまま用いた以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを得た。この生成物を電子顕微鏡により観察したところ樹脂で均一に被覆されていることが確認された。
また、得られた熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて前記の各種評価試験を行い、その結果を後述の表1に示した。
Claims (15)
- ポリリン酸アンモニウムと、熱硬化性樹脂、メラミンモノマーもしくは表面処理剤とを含む芯材、および該芯材を覆う熱可塑性樹脂被覆を含むこと、そして前記熱可塑性樹脂が、前記芯材100重量部に対して、1〜40重量部の量で用いられていることを特徴とする熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- 前記熱可塑性樹脂が、1分子内に重合可能な二重結合を2〜5個有し、下記一般式1で表されるモノマーの単独重合体;これらモノマーの2種以上の共重合体;および下記一般式1で表される1種もしくは2種以上のモノマーと、1分子内に重合可能な二重結合を1個有し、1種もしくは2種以上の下記一般式2で表されるモノマーとの共重合体;からなる群から選択される樹脂またはこれらの混合物である請求項1記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム:
(式1中、R1、R2およびR3は相互に同一または異なった基であり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8のシアノアルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜15のアルキルエーテル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数2〜18のアルキルエステル基および炭素数1〜14のアルコキシ基からなる群より選ばれる基であり、但し、R1、R2およびR3の基のいずれか1個の基がカルボキシル基または炭素数2〜18のアルキルエステル基の場合、他はそれぞれ該官能基とは異なった基であり、かつR4は下記一般式3もしくは一般式4で表される基である。);
(式2中、R8、R9、R10およびR11は相互に同一もしくは異なった基であり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8のシアノアルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜15のアルキルエーテル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数6〜32の芳香族基および炭素数2〜18のアルキルエステル基からなる群より選ばれる基であり、但し、R8、R9、R10およびR11の基のいずれか1個の基がカルボキシル基または炭素数2〜18のアルキルエステル基の場合、他はそれぞれ該官能基とは異なった基である);
(式3中、R1、R2およびR3は、上記式1中のR1、R2およびR3と同義の基であり、R5は、下記一般式5、6、7または8で示される基である。);
(式4中、R1、R2およびR3は、上記式1中のR1、R2およびR3と同義である。);
(式5中、R6およびR7は、相互に同一または異なった基であってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8のシアノアルキル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数6〜32の芳香族基および上記一般式3または一般式4で表される基からなる群から選択される基であり、pは1〜12である。但し、R6およびR7が、それぞれ、一般式3で表わされる基である場合、R5は一般式7で表わされる基である。);
(式6中、R6,R7およびpは、上記式5のR6、R7およびpと同義である。但し、R6およびR7が、それぞれ、一般式3で表わされる基である場合、R5は一般式7で表わされる基である。);
(式7中、Arは、炭素数6〜32の2価の芳香族残基である。);
(式8中、R4は、上記一般式1のR4と同義である。但し、式8のR4が一般式3である場合、R5は一般式7で表わされる基である。)。 - 前記熱可塑性樹脂が、前記芯材100重量部に対して、5〜20重量部の量で用いられる請求項1または2記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- 前記一般式1のモノマーが、重合性二重結合を2個有する共役ジエンモノマーまたは非共役ジエンモノマーである請求項2または3記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- 前記芯材が、熱硬化性樹脂で被覆もしくはマイクロカプセル化されたポリリン酸アンモニウムである請求項1〜4の何れか1項記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- 前記熱硬化性樹脂が、メラミン樹脂、変性メラミン樹脂、グアナミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂およびシリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項5記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- 前記芯材が、メラミンモノマーで被覆もしくは変性されたポリリン酸アンモニウムである、請求項1〜4の何れか1項記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- 前記芯材が、ポリリン酸アンモニウム表面に表面処理剤を付着、吸着又は付加した表面処理ポリリン酸アンモニウムである請求項1〜4の何れか1項記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- 前記表面処理剤が、炭素数6〜25の飽和もしくは不飽和脂肪酸、炭素数6〜25の飽和もしくは不飽和脂肪酸の金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- 前記ポリリン酸アンモニウムが、20〜31重量%のリン濃度を有する請求項5〜8の何れか1項記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- 平均粒子径が,0.1〜50μmである請求項1〜9の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム。
- ポリリン酸アンモニウムと、熱硬化性樹脂、メラミンモノマーまたは表面処理剤とを含む芯材の表面に、下記一般式1のモノマーおよび、任意成分としての、下記一般式2のモノマーを、触媒の存在下、かつ反応溶媒の存在下または不存在下で重合反応させることを特徴とする熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムの製造方法:
(式1中、R 1 、R 2 およびR 3 は相互に同一または異なった基であり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8のシアノアルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜15のアルキルエーテル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数2〜18のアルキルエステル基および炭素数1〜14のアルコキシ基からなる群より選ばれる基であり、但し、R 1 、R 2 およびR 3 の基のいずれか1個の基がカルボキシル基または炭素数2〜18のアルキルエステル基の場合、他はそれぞれ該官能基とは異なった基であり、かつR 4 は下記一般式3もしくは一般式4で表される基である。);
(式2中、R 8 、R 9 、R 10 およびR 11 は相互に同一もしくは異なった基であり、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8のシアノアルキル基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜15のアルキルエーテル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数6〜32の芳香族基および炭素数2〜18のアルキルエステル基からなる群より選ばれる基であり、但し、R 8 、R 9 、R 10 およびR 11 の基のいずれか1個の基がカルボキシル基または炭素数2〜18のアルキルエステル基の場合、他はそれぞれ該官能基とは異なった基である);
(式3中、R 1 、R 2 およびR 3 は、上記式1中のR 1 、R 2 およびR 3 と同義の基であり、R 5 は、下記一般式5、6、7または8で示される基である。);
(式4中、R 1 、R 2 およびR 3 は、上記式1中のR 1 、R 2 およびR 3 と同義である。);
(式5中、R 6 およびR 7 は、相互に同一または異なった基であってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8のシアノアルキル基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数6〜32の芳香族基および上記一般式3または一般式4で表される基からなる群から選択される基であり、pは1〜12である。但し、R 6 およびR 7 が、それぞれ、一般式3で表わされる基である場合、R 5 は一般式7で表わされる基である。);
(式6中、R 6 ,R 7 およびpは、上記式5のR 6 、R 7 およびpと同義である。但し、R 6 およびR 7 が、それぞれ、一般式3で表わされる基である場合、R 5 は一般式7で表わされる基である。);
(式7中、Arは、炭素数6〜32の2価の芳香族残基である。);
(式8中、R 4 は、上記一般式1のR 4 と同義である。但し、式8のR 4 が一般式3である場合、R 5 は一般式7で表わされる基である。)。 - 前記モノマーの重合反応温度が、20〜150℃である請求項12記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムの製造方法。
- 前記芯材と、該芯材100重量部に対し、一般式1のモノマー0.1〜40重量部、任意の一般式2のモノマー0.1〜39.9重量部、触媒0.1〜10重量部、および反応溶媒を反応器に装入し、20〜150℃で0.5〜50時間反応させる請求項12又は13記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムの製造方法。
- 請求項1記載の熱可塑性樹脂被覆ポリリン酸アンモニウムを有効成分として含むことを特徴とする難燃剤。
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