JPH0913037A - カプセル化された難燃剤組成物 - Google Patents

カプセル化された難燃剤組成物

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JPH0913037A
JPH0913037A JP18769295A JP18769295A JPH0913037A JP H0913037 A JPH0913037 A JP H0913037A JP 18769295 A JP18769295 A JP 18769295A JP 18769295 A JP18769295 A JP 18769295A JP H0913037 A JPH0913037 A JP H0913037A
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JP
Japan
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flame retardant
water
weight
flame
resin
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JP18769295A
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English (en)
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Shigeru Goto
茂 後藤
Shinichi Oshino
進一 押野
Ichihiro Masuko
一大 増子
Hiroshi Masuda
洋 増田
Hiroshi Serizawa
芹沢  洋
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Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水可溶性であるために、紙などのセルロース系
基材に用いると強度低下や吸湿性を生じて難燃材として
用いることが困難であった水可溶性物質をカプセル化す
ることにより、基材に悪影響を与えることなく少量で優
れた難燃性を持つ微粒子状難燃剤を提供する。また、こ
れらの難燃剤を用いた、強度低下、吸湿が少なくかつJ
ISの防炎性基準に適合する耐湿性難燃性基材を提供す
る。 【構成】 無機酸、アンモニウム塩、金属塩等の水可溶
性難燃性物質を、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂等で
カプセル化してなる水不溶性微粒子状難燃剤、及び前記
難燃材を保持させた耐湿性難燃性基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆剤によってカプセ
ル化された水不溶性粒子状難燃剤及びそれを含有する耐
湿性難燃性基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、セルロース系材料、合成樹脂材料
は多様な用途に使用されているが、特に建築用の内装等
に使用される場合、基本的に易燃性であるため防燃処理
は火災防止のために重要である。近年難燃性の要求水準
が高まっており、より難燃性の高い基材が要求されてい
る。しかしながら、これらの素材の難燃化は耐熱性、防
炎性を付与すると同時に、他の諸物性に悪影響を与えな
いこと、すなわち、吸湿性の増加、強度の低下、変色等
が起こらないことが必要であり、諸条件を満たす難燃剤
は限られたものであった。
【0003】例えば木材、紙類、木質ボード等のセルロ
ース系材料用難燃剤として特公昭2−25448号、特
公昭56−42584号、特公昭58−29344号等
にはスルファミン酸グアニジン、ジシアンジアミド、ジ
シアンジアミドのメチロール化物等の組み合わせが開示
されている。
【0004】しかしながら、これらの難燃剤は、セルロ
ース基材の強度低下や変色等は比較的少ないものの、十
分な難燃性を付与するためには基材重量に対し20%程度
保持させる必要があり、この保持量においては、基材の
強度低下や変色が著しくなるばかりか、吸湿によりべと
つくなどの不都合があった。また、用途によってはさら
に強い難燃性が要求されており、そのためには、30〜40
%の付着量が必要となってくるため、高難燃化のために
は、使用が困難であった。
【0005】そこで特開昭58−109577号,特開
平6−172615号には、難燃性の高い硫酸アンモニ
ウムと改質剤を併用し、少量の難燃剤で難燃性を高める
試みがなされている。しかしながら、これらの水溶性難
燃材はセルロース基材に対して優れた難燃性を付与する
ものの、紙力低下や耐熱性低下の改善は不十分であり、
特に湿度の影響を受けやすいため、加工後ベトついた
り、白粉を生じたりした。また作業時に皮膚を刺激する
などの問題もあった為、その使用は制限されてきた。さ
らに、素材に抄紙時に難燃剤を添加して難燃性素材とす
るいわゆる内添法においては、水溶性である難燃剤の必
要量を基材に保持させることは事実上困難であった。
【0006】一方、特開昭55−118988号には、
建築材料や内装用の各種プラスチック類用の、塩素系難
燃剤、臭素系難燃剤、リン酸系難燃剤を樹脂でマイクロ
カプセル化した微粒子状難燃剤が開示されている。これ
らの難燃性微粒子はセルロース基材用途には難燃性能が
不十分であるだけでなく、例えば紙用に使用する場合、
数百μm程度の粒子の混入はて触りで「ブツ」を生じて
しまい、また燃焼時のハロゲンガスの発生を押さえるこ
とはできなかった。また前述の水溶性難燃剤をこの方法
でで製造しようとしても、難燃性物質が水中にあってカ
プセルに内包されないため、難燃剤が粒子中にとりこま
れず、生成した粒子は難燃性を有していなかった。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が有していた問題点を解消しようとするものであ
り、基材に悪影響を与えることなく少量で優れた難燃性
を持つ微粒子状難燃剤を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく研究を重ね、難燃性を付与する物質を含む
水可溶性成分を被覆剤によってカプセル化した水不溶性
粒子状難燃剤を完成した。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて難燃性を付与する物質としては、特に限定されるも
のではないが、例えば燐酸、縮合燐酸、スルファミン
酸、硫酸、ほう酸等の無機酸類、例えば燐酸アンモニウ
ム、ポリ燐酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、ほう酸アンモニウム、珪酸アン
モニウム、臭化アンモニウム,塩化アンモニウム等のア
ンモニウム塩、例えばスルファミン酸グアニジン、メチ
ロールスルファミン酸グアニジン、硫酸グアニジン,燐
酸2グアニジン、燐酸1グアニジン、メチロール燐酸グ
アニジン、燐酸エステルグアニジン塩、燐酸エステルジ
メチロールグアニジン、臭化水素酸グアニジン、テトラ
ブロムフタル酸グアニジン、塩酸グアニジン、メチロー
ル塩酸グアニジン、ほう酸グアニジン、テトラほう酸グ
アニジン等のグアニジン塩類、例えばほう砂、水ガラ
ス、錫酸ソーダ、タングステン酸ソーダ等の金属塩類が
あげられる。
【0010】上記難燃性を付与する物質としては、燃焼
時に有害なハロゲン化物を発生しないため、ハロゲンを
含まない無機酸、ハロゲンを含まないアンモニウム塩、
ハロゲンを含まないグアニジン塩及びハロゲンを含まな
い金属塩が好ましく、さらに少量でより顕著な難燃性を
示す、スルファミン酸、硫酸、ほう酸、リン酸及びスル
ファミン酸アンモニウム,硫酸アンモニウム,リン酸ア
ンモニウム等がさらに好ましい。そして、上記難燃性を
付与する物質を使用する際には1種または2種以上を同
時に用いることが出来る。
【0011】本発明において水可溶性とは、水に多少で
も溶解することをいう。このような成分は、耐湿性の低
下、吸湿による成分の浸出による基材の変色・変質等の
不都合があり、基材に対して大量に使用することは困難
であり、また特に抄紙時に基材に大量に保持させること
がきわめて難しい。
【0012】上記難燃性を付与する成分は化学的方法、
例えば界面重合法、in situ重合法等または物理
化学的方法、例えばコアセルベーション法、液中乾燥
法、融解分散冷却法等により被覆剤で被覆することによ
り製造できる。また機械的方法、例えば気中懸濁被覆
法、噴霧乾燥法、高速気流中衝撃法等により被覆しても
良いが、粒子を確実に形成するためには、界面重合法、
in situ重合法が好ましい。
【0013】上記被覆剤を構成する樹脂の成分として
は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリメタアクリル系樹脂、ポリスチレンーメ
タアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹
脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポ
キシ樹脂、ブタジエン系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるい
はメラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹
脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、さらにはこれらの
共重合体、ブロック重合体、グラフト共重合体及びポリ
マーブレンド等を用いることが出来るが、界面重合法に
よる被覆の場合には、ポリアミド系樹脂、メタアクリル
系樹脂、スチレン・メタアクリル系樹脂・スチレン系樹
脂、アクリル系樹脂が好ましく用いられる。
【0014】いずれの方法による被覆の場合でもポリマ
ー自体が水溶性の場合には、架橋等の手段を用い水不溶
化する必要がある。水溶性のポリマーを不溶化する手段
としては公知の技術を用いることができ、メラミン化合
物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、多価金属
塩等を共存させ各架橋剤の架橋条件に合わせ架橋構造を
とらせることができる。
【0015】上記被覆剤を構成する樹脂の選択は生成す
る水不溶性粒子状難燃剤を配合する基材に応じて適宜に
選択できる。上記難燃性を付与する物質と被覆剤を構成
する樹脂の配合比は、難燃性を付与する物質が10重量
%以上、好ましくは40重量%以上であり被覆剤を構成
する成分が90重量%以下好ましくは60重量%以下で
ある。
【0016】本発明の水不溶性粒子状難燃剤は、所望に
より様々な平均粒子系をとることができるが、分散性、
難燃性、手触り感などの点から、好ましくは0.05〜
60μm、より好ましくは0.1〜30μmさらに好ま
しくは0.3〜15μmである。0.05μm未満では
十分な強度を持った被覆膜が得られず、60μmを越え
るとセルロース等の基材中に均一に分散しなくなるた
め、ざらつき感を感じるほか、難燃性も不良となる。
【0017】本発明の水不溶性粒子状難燃剤は、以上に
説明した主成分の水可溶性難燃性付与性物質及び被覆剤
の他に所望により、例えば界面活性剤、防錆剤、pH調
整剤、吸湿防止剤等の如き他の添加剤を含有することが
できる。これらの添加剤の使用量は水不溶性粒子状難燃
剤の難燃性その他の好ましい性質に悪影響を与えない任
意の量で利用可能である。
【0018】本発明の水不溶性粒子状難燃剤は、分散液
を回収して遠心分離し、乾燥することにより粉末状で得
ることができる。またこの粉末を水、その他の分散媒に
再分散させて用いることができる。
【0019】本発明において上記水不溶性粒子状難燃剤
は、紙類、布類等のセルロース基材、各種合成樹脂に配
合し、または塗布し、上記の耐湿性難燃性基材とするこ
とができる。紙類としては、例えば壁紙、襖紙、障子
紙、コーン紙等があげられ、これらは従来と同様に抄紙
後上記水不溶性粒子状難燃剤エマルジョンをディッピン
グ、コート、もしくはスプレーし、乾燥するいわゆる
「外添法」で上記難燃性基材とする事ができるが、紙の
抄紙時に填料、内添サイズ剤などと一緒に上記水不溶性
粒子状難燃剤を添加して抄紙する、いわゆる「内添法」
により、一段加工で加工工程を合理化することもでき
る。このとき難燃性を付与する物質が好ましくはスルフ
ァミン酸、硫酸、リン酸及びそれらのアンモニウム塩で
あり、水不溶性粒子状難燃剤の粒子径が0.3〜15μ
mのものが特に好ましい。
【0020】使用の際には外添法の場合、紙100部に
対して水不溶性粒子状難燃剤約3〜50重量部、好まし
くは5〜40重量部保持させるのがよく、また内添法の
場合は、難燃性付与成分に換算して5〜50重量部、好
ましくは10〜40重量部保持されるように用いるのが
よい。
【0021】布類としては、例えばカーテン、フェル
ト、暗幕、絨毯、工事用シート、衣類、不織布、フィル
ター、フェルト、等があげられ、これらは従来と同様に
上記水不溶性粒子状難燃剤とバインダーとを必要に応じ
て他の繊維加工助剤とを水性媒体中に分散させた後、デ
ィッピング、コート、スプレー等の手段を用いることで
上記難燃性基材とする事ができる。このとき難燃性を付
与する物質が好ましくはスルファミン酸、硫酸、リン酸
及びそれらのアンモニウム塩であり、水不溶性粒子状難
燃剤の平均粒子径が0.3〜3μmのものが特に好まし
い。使用の際には布類100部に対して水不溶性粒子状
難燃剤約3〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、
用いるのがよい。
【0022】前記基材はJIS防炎2級材料として、特
に壁紙、襖紙、障子紙等の紙類あるいは、不織布、フェ
ルト、カーテン等の布類に好適に使用することができ
る。
【0023】
【実施例】以下に実施例及び比較例により、本発明の水
不溶性粒子状難燃剤及び耐湿性難燃性基材についてさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0024】※ 試験方法1 (外添法) 難燃剤粒子を固形分濃度約10%の分散液になるように
調整して難燃処理液とし、この処理液を坪量で60〜6
5g/m2の紙に 絞り率100%になるようにサイズプ
レス法により含浸させ、105℃に調湿したドラム型ド
ライヤーにて乾燥して難燃加工紙を得た。この難燃加工
紙について、(1)の難燃性評価を行った。難燃性が
6.3cm〜6.5cmの範囲に入らない場合は固形分
濃度を約1%単位で増減して前述の操作で再度難燃加工
紙を調整し、難燃性評価をおこなうことを繰り返し、難
燃性が6.3cm〜6.6cmとなった難燃加工紙につ
いて(2)〜(5)の方法で性能評価を行った。
【0025】※ 試験方法2 (内添法) 絶乾NBKP100部を水中で離解分散させ、これに難
燃剤を25部添加してスラリーを調整し、さらに凝集剤
として高重合度アクリル系水溶性樹脂(「ファイレック
スRC104」明成化学工業(株)製)を前記の各スラ
リーに対しそれぞれ0.2%添加後、通常の角型手抄マ
シンで抄紙した。これを105℃に調湿したドラム型ド
ライヤーにて乾燥し、難燃加工紙を得た。この難燃加工
紙について、(1)の難燃性評価を行った。難燃性が
6.3cm〜6.5cmの範囲に入らない場合は約1%
単位でスラリー濃度を増減して前述の操作で再度難燃加
工紙を調整し、難燃性評価をおこなうことを繰り返し、
難燃性が6.3cm〜6.6cmとなった難燃加工紙に
ついて、以下の(2)〜(5)の方法で性能評価を行った。ス
ラリー濃度を増加させても難燃性が増加しない場合は
「燃焼」と評価した。
【0026】※物性測定方法 (1)難燃性 JIS A 1322「建築用薄物材料の難燃性試験方
法」(45°メッケルバーナー法)に従って、試料を燃
焼させ炭化長を測定した。 (2)引裂強度 試料を200℃×3分間オーブン中で加熱処理後、ただ
ちにJIS8116「紙の引裂強さ試験方法」に準じ、
エルメンドルフ引裂度試験機にて測定した。 (3)着色防止性 試料を200℃×5分間オーブン中で加熱し、着色の程
度を比較した。 5:微黄色 4:淡黄色 3:黄色 2:淡褐色 1:褐色 (4)吸湿性 試料を40℃、95%湿度中に24時間放置し、JIS
P 8127「紙及び板紙の水分試験方法」に準じて水
分を測定した。 (5)表面状態 難燃加工紙の表面を触手し、表面状態を評価した。
【0027】実施例1 1.6ヘキサメチレンジアミン11.6重量部、水酸化
ナトリウム8.0重量部、ラウリル硫酸ナトリウム1.
0重量部、スルファミン酸アンモニウム100.0重量
部を水100重量部に溶解したものを、クロロホルム・
シクロヘキサン(1:4)混合溶液42.5重量部にソ
ルビタンモノオレート7.5重量部を溶解した溶液に撹
拌下徐々に滴下しw/o型のエマルションを作成した。
このときの液滴の粒子径は平均5μm程度であった。こ
の乳化液にクロロホルム100重量部にアジピン酸クロ
リド18.3重量部を溶解した溶液を強撹拌下徐々に滴
下し液滴と溶媒の界面でポリアミド結合を生成させ、目
的とする水不溶性粒子状難燃剤を得た。得られたマイク
ロカプセルの平均粒子径は8μmであった。このマイク
ロカプセルを用いて試験した結果を表−1,表−2に示
す。
【0028】比較例1 スルファミン酸アンモニウム結晶(和光純薬(株)製)
をボールミルで平均粒径約10μmに粉砕し、試験した
結果を表−1,表−2に示す。
【0029】実施例2 実施例1においてスルファミン酸アンモニウムの代わり
にスルファミン酸グアニジンを用いる以外は実施例1と
同様な方法で水不溶性粒子状難燃剤粒子を製造したとこ
ろ、マイクロカプセルの平均粒子径は9μmであった。
このマイクロカプセルを用いて試験した結果を表−1,
表−2に示す。
【0030】比較例2 スルファミン酸グアニジン結晶(和光純薬(株)製)を
ボールミルで平均粒径約10μmに粉砕し、試験した結
果を表−1,表−2に示す。
【0031】実施例3 実施例1においてスルファミン酸アンモニウムの代わり
に硫酸アンモニウムを用いる以外は実施例1と同様な方
法で水不溶性粒子状難燃剤粒子を製造したところ、マイ
クロカプセルの平均粒子径は8μmであった。このマイ
クロカプセルを用いて試験した結果を表−1,表−2に
示す。
【0032】比較例3 硫酸アンモニウム結晶(和光純薬(株)製)をボールミ
ルで平均粒径約10μmに粉砕し、試験した結果を表−
1,表−2に示す。
【0033】実施例4 50重量%スルファミン酸アンモニウム水溶液100重
量部にソルビタンモノオレート2重量部を溶解しこれに
10重量%アジピン酸クロリド・クロロホルム溶液50
重量部を撹拌下徐々に滴下しw/o型のエマルションを
作成した。これにポリオキシエチレンソルビタンモノオ
レート2重量部を添加し10重量%1.6ヘキサメチレ
ンジアミン水溶液50重量部を撹拌下徐々に滴下しw/
o/w型の三層エマルションを得た。この三層エマルシ
ョンに10重量%水酸化ナトリウム水溶液50重量部を
滴下しアミド化反応を開始させスルファミン酸水溶液を
内包したマイクロカプセルを得た。得られたマイクロカ
プセルは、60℃の熱風乾燥機中で乾燥され目的の水不
溶性粒子状難燃剤を得た。得られたマイクロカプセルの
平均粒子径は5μmであった。このマイクロカプセルを
用いて試験した結果を表−1,表−2に示す。
【0034】実施例5 1重量%ポリエチレングリコール水溶液1.5重量部,
0.046重量%1.6ヘキサメチレンジアミン水溶液
1.5重量部 、0.047重量%リン酸アンモニウム
水溶液1.5重量部混合水溶液に撹拌下ソルビタンモノ
オレート1.5重量部、n−ヘキサン10.8重量部,
クロロホルム2.7重量部の混合溶液を滴下しw/o型
の乳化液を得た。さらにこの乳化液に固形分4%に調整
したアジピン酸ジクロリドのクロロホルム・n−ヘキサ
ン(1:4)溶液を撹拌下徐々に滴下し粒子径8μmの
マイクロカプセルを得た。このマイクロカプセルを用い
て試験した結果を表−1,表−2に示す。
【0035】実施例6 水320重量部にスルファミン酸80重量部を溶解した
ものを2lのセパラブルフラスコに仕込み窒素を吹き込
み空気を置換した。これを80℃に昇温しジエチルアミ
ノエチルメタクリレート40重量部及びスチレン40重
量部の混合モノマーを一括で添加し80℃で60分間保
持し懸濁させた。その後8重量%過硫酸アンモニウム水
溶液を添加し重合反応を開始させた。さらに5分後より
8重量%過硫酸アンモニウム水溶液を60分かけ滴下し
滴下終了後120分間80℃を保ち熟成させ粒子中にス
ルファミン酸を含有したエマルションを得た。得られた
エマルションは粒子径0.5μm、固形分33%、粘度
50cPsであった。このマイクロカプセルを用いて試
験した結果を表−1,表−2に示す。
【0036】参考例1 メチルメタクリレート30重量部とブチルアクリレート
30重量部及びアクリル酸40重量部を環流冷却器付き
セパラブルフラスコに仕込み、モノマー濃度40重量%
になるようにメタノールを加えた。この溶液に重合開始
剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.5重量部添加
しメタノールの沸点以上に加熱し30分後同組成のモノ
マー溶液に1重量部溶解したものを2時間かけて滴下し
た、滴下終了後のメタノール溶液を1時間かけて滴下し
さらに1時間熟成を行って重合反応を終了した。得られ
たポリマー溶液は固形分25%で粘度3、000cPで
あった。このマイクロカプセルを用いて試験した結果を
表−1,表−2に示す。
【0037】実施例7 参考例1のポリマーをメタノールで固形分5重量%に調
整した溶液100重量部に、スルファミン酸グアニジン
微結晶(再結晶法により精製)5重量部を添加し超音波
分散機を用い分散した。この分散液にn−ヘキサン10
0重量部を強撹拌下徐々に滴下しポリマーをスルファミ
ン酸グアニジン結晶の回りに析出させ、水溶性のマイク
ロカプセルを得た。さらにポリマーを架橋させるために
5重量%塩化アルミニウムのメタノール溶液10重量部
を添加し室温で1時間撹拌を続けた。得られたマイクロ
カプセルは濾過しメタノール洗浄し減圧乾燥を行い目的
とする水不溶性粒子状難燃剤を得た。得られたマイクロ
カプセルの平均粒子径は8μmであった。このマイクロ
カプセルを用いて試験した結果を表−1,表−2に示
す。
【0038】実施例8 環流冷却器を付けたセパラブルフラスコにn−ヘプタン
100重量部及び硫酸アンモニウム結晶40重量部を仕
込みこれを温浴上で80℃に加熱し環流を開始させた。
ここにエチルアクリレート2.4重量部、メチルメタク
リレート7.6重量部、1.6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート1.0重量部及び重合開始剤ターシャリー
ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエ−ト)0.0
5重量部をn−ヘプタン 50重量部とともに30分か
けて滴下しさらに環流状態を保ったまま5時間熟成させ
硫酸アンモニウム微結晶の表面に重合体を析出させ、冷
却後減圧濾過し減圧乾燥して、目的とする水不溶性粒子
状難燃剤を得た。得られたマイクロカプセルの粒子径は
8μmであった。このマイクロカプセルを用いて試験し
た結果を表−1,表−2に示す。
【0039】実施例9 再結晶法により精製したスルファミン酸アンモニウムの
微結晶10重量部を固形分5重量%に調整した参考例1
のポリマー100重量部に超音波分散し、これに架橋剤
グリセロールポリグリシジルエーテル1重量部を添加し
スプレードライ装置を用いて平均粒子径20μmの水不
溶性粒子状難燃剤を得た。このマイクロカプセルを用い
て試験した結果を表−1,表−2に示す。
【0040】比較例4 実施例9において架橋剤を用いない以外は同様に操作
し、粒子径20μmのマイクロカプセルを得た。
【0041】
【表−1】
【0042】
【表−2】
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 23/12 D06M 13/38 D21H 21/34 D21H 5/00 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】難燃性を付与する物質を含む水可溶性成分
    を被覆剤によってカプセル化した水不溶性粒子状難燃
    剤。
  2. 【請求項2】難燃性を付与する物質が、無機酸、アンモ
    ニウム塩、グアニジン塩及び金属塩よりなる群から選ば
    れた1種または2種以上の物質である、請求項1記載の
    水不溶性粒子状難燃剤。
  3. 【請求項3】難燃性を付与する物質が、スルファミン
    酸、硫酸、ほう酸、リン酸及びそれらのアンモニウム塩
    から選ばれた1種または2種以上の物質である請求項2
    記載の水不溶性粒子状難燃剤。
  4. 【請求項4】被覆剤が、ポリアミド樹脂、アクリル系樹
    脂またはポリスチレン樹脂である請求項1〜3項記載の
    いずれか1項記載の水不溶性粒子状難燃剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4項いずれか1項記載の水不溶
    性粒子状難燃剤を含有する耐湿性難燃性基材。
JP18769295A 1995-07-03 1995-07-03 カプセル化された難燃剤組成物 Pending JPH0913037A (ja)

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