JP4156048B2 - 化粧板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用床材等の建築内装材料や家具用材料として使用するのに好適な化粧板とこの化粧板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、合板などの木質材からなる基板の表面または表裏両面に、突板や合成樹脂製の化粧シート又は印刷紙等の化粧シートを貼着したり、或いは塗装等を行って、表面化粧層を施してなる化粧板が、住宅等の建築物の床材や造作材或いは家具用材料として広く使用されている。しかしながら、例えば合板の表面に突板を貼着したのち、塗装仕上げしてなる一般的な化粧板を床材に使用した場合、湿気の吸収、放散に伴う合板の膨張、収縮によって表面の突板に細かい亀裂(干割れ)が生じたり、表面に重量の大きい家具の脚や落下物などによる局部的な荷重が加わると凹みが生じたりして外観を損なうという問題点がある。
【0003】
このため、合板等の木質材料からなる基板の表面または表裏両面に中比重木質繊維板(MDF)を接着して複合板を形成し、この複合板の中比重木質繊維板の表面に突き板や合成樹脂製化粧シート又は印刷紙等の化粧シートを貼着したり、塗装等によって表面化粧層を形成してなる化粧板を床材等の建築材料などに使用する試みがなされている。
【0004】
このような化粧板の構成部材として使用されている上記中比重木質繊維板は、木質繊維に熱硬化性樹脂接着剤を添加し、加熱下で圧締成形することによって得られたものであるため、加熱面に直接接する表裏層部が高密度に形成され、内部は相対的に低密度に形成されることになる。従って、この中比重木質繊維板を合板などの基板に積層接着して得られた複合板の表面に上記のような表面化粧層を施すと、表面が緻密で硬質且つ平滑であり、方向性が少ない中比重木質繊維板によって表面化粧層に干割れ等の欠点が生じ難くなるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、中比重木質繊維板の厚さは通常2.7mm 以上であり、従ってこのような厚みを有する中比重木質繊維板を合板等の木質基板の片面に接着すると、基板と中比重木質繊維板との収縮率の差や方向性の相違によって化粧板に反りが発生しやすくなる。一方、木質基板の表裏両面に上記中比重木質繊維板を接着させると反りの問題は軽減されるが全体の厚みが厚くなり、製品が高価につくと共に生産効率も悪くなるという問題点が生じる。
【0006】
さらに、上記のような厚みを有する中比重木質繊維板を使用すると、高密度の表裏層部に比べて内部の低密度層の厚みの割合が大きいために、このような中比重木質繊維板を備えた上記化粧板をダイニングルームの床材に適用した場合、キャスター付ワゴン等による動的荷重を受けると中比重木質繊維板の低密度層に層間剥離が生じ、強度が低下すると共に表面の外観を損なうことがある。また、中比重木質繊維板を厚くすると膨れも生じ易くなる。
【0007】
このような層間剥離や膨れの問題は、中比重木質繊維板の厚みを薄くすれば改善し得るが、厚みが3mm未満の中比重木質繊維板を得るには、現状の製造方法では生産性がきわめて悪く且つ高価につくという問題点がある。本発明はこのような問題点を解消し得る化粧板とこの化粧板の製造方法の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の化粧板は、一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する中比重木質繊維板の他面側の低密度層を研削することによって得られた上記高密度層からなる厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の木質繊維板が木質基板の表面に一体に層着され、この木質繊維板上に表面化粧層を設けた構造を有している。このように構成した化粧板において、請求項2に記載したように木質基材の表裏両面に上記高密度層からなる厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の木質繊維板を層着しておいてもよい。また、請求項3に記載したように、上記高密度層からなる木質繊維板に全面に亘って表裏面間に貫通する多数の微小孔を設けておくことが好ましい。
【0009】
請求項4に係る発明は上記化粧板の製造方法であって、表裏層が高密度で中間層が低密度の中比重木質繊維板を、その厚さ方向の中央部から2分割して一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する薄肉中比重木質繊維板を作製したのち、この薄肉中比重木質繊維板の低密度層を研削除去して厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる木質繊維板に形成し、次いで、この高密度層からなる木質繊維板を木質基板表面に接着したのち該木質繊維板の表面に化粧層を設けることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に係る発明は別な化粧板の製造方法であって、請求項4に記載の化粧板の製造方法において、厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる上記木質繊維板の表面に予め化粧層を形成しておき、しかるのち、この化粧層を設けた木質繊維板の裏面を木質基板表面に接着することを特徴とするものである。
【0011】
請求項6に係る発明はさらに別な化粧板の製造方法であって、請求項4に記載の化粧板の製造方法において、厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる木質繊維板を木質基板表面に接着したのち該木質繊維板の表面に化粧層を設ける工程に替えて、高密度層からなる木質繊維板の表裏面に接着剤を塗布したのち木質基板上に該接着剤を塗布した木質繊維板を介して化粧材を積層一体化することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
木質基板の表面に貼着する厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の木質繊維板は、表裏面が高密度層で内部が低密度層に形成されている通常の中比重木質繊維板を低密度層の中間部から2分割して高密度層から低密度層へと傾斜密度を有する中比重木質繊維板としたのち、その低密度層を研削することにより簡単且つ能率良く得ることができる。
【0013】
この薄肉木質繊維板を木質基板に積層接着しているので、木質基板の収縮力や方向性に対して木質繊維板は殆ど影響せず、反りの発生を減少させることができると共に木質繊維板は密度が0.75〜1.1g/cm3の比較的高密度に形成されているので、ワゴンのキャスターやピアノの脚等からの局部荷重を受けても凹みや層間剥離現象が生じ難い耐久性に優れた化粧板を提供し得るものである。
【0014】
また、木質基板に積層接着した上記高密度層からなる木質繊維板に、表裏面間に亘って貫通した多数の微小孔を全面に亘って穿設しておくことによって、この木質繊維板表面に突板や化粧シート、或いは塗膜などの表面化粧層を施した際には、接着剤や塗料が上記微小孔に食い込んでアンカー作用を発揮し、表面が緻密な該木質繊維板表面に対する密着性や接着性が強固となり、局部荷重や繰り返し荷重に対する抵抗力を向上させることができる。
【0015】
さらに、木質繊維板の表面に塗装による表面平滑な塗布層を設けたのち、この塗布層上に表面化粧層を設けることによって、微小孔が表面の化粧層に影響するのを塗布層によって防止することができ、特に、ダイレクト印刷等の印刷や塗装、或いは薄葉紙などの化粧シートにより化粧層を設ける場合に優れた化粧性を発揮し得るものであり、その上、木質繊維板の高密度層表面と化粧層とに対して馴染みの良い塗料を用いて両者の接着を強固に行え、外観ばかりでなく優れた耐久性を有する化粧板を提供することができる。
【0016】
請求項4に記載の化粧板の製造方法は、厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる上記木質繊維板を木質基板表面に接着したのち該木質繊維板表面に化粧層を設けるものであるから、塗装による化粧層や化粧シートの貼着による化粧層、さらには樹脂含浸処理した突板を含浸樹脂の硬化と同時に接着することによる化粧層などの種々の表面化粧層を生産性よく設けることができる。
【0017】
一方、請求項5に記載の化粧板の製造方法は、予め、厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる上記木質繊維板の表面に化粧層を形成しておき、この化粧層を設けた木質繊維板の裏面を木質基材表面に接着するものであるから、化粧層を設けた木質繊維板を保管しておくことができ、化粧板の製造時に所望の化粧層を設けた木質繊維板を選択して木質基板表面に貼着することで、能率よく化粧板を製造することができる。
【0018】
さらに、請求項6に記載の化粧板の製造方法は、高密度層からなる上記木質繊維板の表裏面に接着剤を塗布したのち木質基板上に該接着剤を塗布した木質繊維板を介して化粧板を積層一体化するものであるから、特に、シート状の化粧材を用いる時に生産性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施例を図面に基づいて詳述すると、図1において、化粧板Aは所望厚みを有する木質基板1と、この木質基板1の表面に積層接着することにより一体に貼着された厚さが2mm未満で密度が0.75〜1.1g/cm3の木質繊維板2と、この木質繊維板2の表面に層着された表面化粧層3とから構成されている。木質繊維板2の厚さが2mm以上となると、木質基板1との収縮率の差が大きくなって化粧板Aに反りが生じ易くなり、厚さが0.4mm 以下では化粧板Aの硬度等の物性が低下するので、上記のように2mm以下、好ましくは0.4mm 〜1.0mm 程度の厚みを有する木質繊維板2が使用される。
【0020】
また、上記木質繊維板2の密度が0.75g/cm3 未満であると、化粧板Aの硬度等の強度が低下し且つ該木質繊維板2に層間剥離が生じ易くなる一方、密度が1.1g/cm3を超えると、接着剤や塗料等との密着性が悪くなるので好ましくない。従って、硬度を向上させると共に層間剥離や反りを生じ難くし、且つ表面に化粧層3を良好に形成させるために、木質繊維板2として厚さが2mm以下で比重が0.75〜1.1g/cm3、好ましくは、厚さが0.4mm 〜1.0mm 程度の範囲になる高密度層からなる木質繊維板を使用しているものである。なお、木質繊維板2にその表裏面間に貫通する多数の微小孔(図示せず)を全面に亘って均一に設けておくことが好ましい。
【0021】
上記木質基板1としてはパーティクルボード、ウエハーボード、ストランドボード等の木削片板や、合板、集成材、LVL、木質繊維板等の木質板が使用される。一方、木質基板1に積層接着した木質繊維板2としては、通常の中比重木質繊維板の緻密な表裏層からなる繊維板を使用している。このような木質繊維板2は、一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する中比重木質繊維板の他面側の低密度層を研削することによって得ることができる。この木質繊維板2の表面に層着する化粧層3としては、突板やWPC単板、印刷紙、塩化ビニールシートであってもよく、塗布層であってもよい。
【0022】
このような化粧板の製造方法を図2に基づいて説明すると、まず、厚みが3.5mm 以下の中比重木質繊維板から厚さが2mm未満で密度が0.75〜1.1g/cm3の上記木質繊維板2を作製する。一般に、中比重木質繊維板を製造するには熱硬化性樹脂等の接着剤を添加した木質繊維をマット状に成形したのち、このマット状物を上下に熱圧プレートを備えたバッチ式ホットプレスや無端状に巡回するベルト状の上下熱圧プレートを備えた連続プレス装置で板状に熱圧成形することによって製造されるものであるが、得られた中比重木質繊維板2Aは、同図(イ)に示すように、上下熱圧プレートに接する表裏面が平滑面で高密度層2aに形成され、内部は低密度層2bとなっている。
【0023】
この中比重木質繊維板2Aを、中間層である低密度層2bをその厚さ方向の中央部から上下に2分割して同図(ロ)に示すように、一方の面が高密度層2aで他方の面が低密度層2bに形成された傾斜密度を有している厚みの薄い中比重木質繊維板2Bとする。なお、このような中比重木質繊維板2Bは次に列記するような方法によって得ることができる。すなわち、
▲1▼.上記常法によって中比重木質繊維板2Aを製造する際に、マット状物の中間層に網状物などの微小凹凸面を有するシート状物を介在させておき、成形後にこのシート状物を介して中間層から2分することにより、表裏にそれぞれ高密度層と低密度層を有する2枚の薄い中比重木質繊維板2B、2Bを得る。
▲2▼.上記常法によって中比重木質繊維板2Aを製造する際に、マット状物の中間層に接着剤を塗布しない層を設けておき、このマット状物を加熱、加圧した後、該い中間層で剥離を生じさせて2分することにより、表裏にそれぞれ高密度層と低密度層を有する2枚の薄い中比重木質繊維板2B、2Bを得る。
▲3▼.上記常法によって得られた厚みのある中比重木質繊維板2Aを、その厚み方向の中央部から割裂させて2分することにより、表裏にそれぞれ高密度層と低密度層を有する2枚の薄い中比重木質繊維板2B、2Bを得る。
【0024】
このようにして得られた中比重木質繊維板2Bは、一方の面側は密度が0.8 〜1.1g/cm3程度の高密度層2aで他方の面側は密度が0.4 〜0.7g/cm3程度の低密度層2bであり、且つ一方の面から他方の面に向かって徐々に密度が小さくなった密度傾斜を有したものとなっている。この中比重木質繊維板2Bに高密度層2aの表面側から低密度層2b内に達する多数の微小孔を全面に亘って均一に穿設しておくことが好ましい。このような微小孔は上記常法によって得られた中比重木質繊維板2Aを2分割するまえに、その表裏高密度層2a、2aに内部の低密度層2bに達するように多数穿設しておくことで形成することもできる。なお、該微小孔の形状、大きさは後述する接着剤や塗料が浸透できる形状、大きさの細孔であればよい。
【0025】
次いで、該中比重木質繊維板2Bの低密度層2bをサンディングやブラッシング等の研削手段によって研削除去することにより同図(ハ)に示すように、厚さが2mm以下、好ましくは0.4mm 〜1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の上記木質繊維板2に形成するものである。なお、中比重木質繊維板2Bは高密度層2aの露出面から低密度層2bの露出面に向かって上述したように密度傾斜を有しているので、低密度層2bを全て研削除去することなく多少残存させておいてもよい。
【0026】
この木質繊維板2を同図(ニ)に示すように、木質基板1の表面に接着剤4を介して重ね合わせ、一体に接着する。この際、木質基板1に対する木質繊維板2の接着面は、上記研削された面であっても研削していない面であってもよいが、研削された面側は研削していない面側よりも低密度層であるから、接着剤4の浸透が向上して接着性が良好となるので好ましい。接着手段としてはコールドプレス、或いはホットプレスのいずれであってもよい。
【0027】
接着剤4としては、通常の合板用接着剤であればよく、例えば、尿素−ホルマリン樹脂、尿素−メラミン−ホルマリン樹脂、メラミン−フェノール−ホルマリン樹脂、アルキルフェノールホルマリン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、水性ビニルウレタン樹脂、酢ビ−尿素系水性樹脂、アクリル−メラミン系水性エマルジョン、ポバール−イソシアネート水性エマルジョンなど、酢酸ビニル系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール系、ウレタン系、エポキシ系の接着剤を使用することができる。
【0028】
上記接着剤4を木質基板1と木質繊維板2との対向面のいずれか一方に塗布したのち加圧すると、接着剤4が木質基板1と木質繊維板2との接合面全面の繊維層内に浸透すると共に一部の接着剤4が木質繊維板2に穿設している微小孔内に浸入して固化することによりアンカー作用を奏し、さらに、該微小孔内から木質繊維板2の繊維層内に浸透して該木質繊維板2を強化し、木質基板1と木質繊維板2の高密度層2aが強固に接着一体化する。
【0029】
次いで、木質繊維板2の表面に表面化粧層3を層着することによって化粧板Aを作製するものである(同図ホ)。このような化粧層3を施すには▲1▼.木質繊維板2に厚さ0.2 〜0.6mm 程度の突板を接着したのち、該突板表面に塗装を施す、▲2▼. 木質繊維板2の表面に樹脂含浸処理した突板を積層し、熱圧することによって樹脂の硬化と同時に接着する、▲3▼.木質繊維板2の表面に印刷紙、塩化ビニルシート等の化粧シートを貼着する、▲4▼.木質繊維板2に塗装したり直接印刷する、▲5▼.木質繊維板2の表面に下地塗りを行ったのち塗装仕上げを行う、などの方法がある。
【0030】
このように木質繊維板2に化粧層3を設ける際に、木質繊維板2と化粧単板或いは化粧シートとの対向面に接着剤を塗布してコールドプレス或いはホットプレスすると、接着剤の一部が木質繊維板2の表面に開口している上記多数の微小孔に浸入して固化することによりアンカー作用を奏すると共に微小孔から木質繊維板2の高密度層2a内に浸透して木質繊維板2に化粧層3を強固に層着一体化させることができ、使用条件が厳しい環境下においても剥離現象が生じ難くなると共に局部荷重に対しても充分に耐えることができる化粧板Aが得られる。木質繊維板2の表面に塗料を塗布する場合も同様であり、塗料の一部が微小孔内に浸入して塗料の層着が強固に行われて密着性が良好となる。
【0031】
また、木質繊維板2にダイレクト印刷や極薄の化粧材を層着して化粧層3を形成した場合、木質繊維板2側の欠点が表面に現出する等の好ましくない現象が生じる虞れがあるので、この場合には、下地塗装等を施したのち化粧仕上げを行うものである。
【0032】
図3は化粧板の別な製造方法を示すものであって、厚さが2mm未満で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる上記木質繊維板2の表面に予め化粧層3を設けておき、しかるのち、この化粧層3を設けた木質繊維板2の裏面を木質基板1の表面に接着するものであり、その他の方法は上述した製造方法と同様である。即ち、同図イに示すように表裏層が高密度で中間層が低密度の中比重木質繊維板2Aを、中間層である低密度層2bをその厚さ方向の中央部から上下に2分割して一方の面が高密度層2aで他方の面が低密度層2bに形成された傾斜密度を有している厚みの薄い中比重木質繊維板2Bを作製し(同図ロ)、この中比重木質繊維板2Bの低密度層2bをサンディングやブラッシング等の研削手段によって研削除去することにより同図(ハ)に示すように、厚さが2mm以下、好ましくは0.4mm 〜1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の木質繊維板2を得る。
【0033】
次いで、この木質繊維板2の表面に上記段落番号〔0029〕に記載した方法によって化粧層3を施し(同図ニ)、しかるのち、この化粧層3を設けた木質繊維板2の裏面を木質基板1の表面に接着して同図ホに示すように化粧板Aを得るものである。
【0034】
図4は化粧板のさらに別な製造方法を示すものであって、厚さが2mm未満で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる上記木質繊維板2の表裏面に接着剤4を塗布したのち木質基板1の表面に該木質繊維板2と化粧材3とを順次積層し、コールドプレス或いはホットプレスによって一体に接着させるものである。その他の方法は上述した製造方法と同様である。即ち、同図イに示すように表裏層が高密度で中間層が低密度の中比重木質繊維板2Aを、中間層である低密度層2bをその厚さ方向の中央部から上下に2分割して一方の面が高密度層2aで他方の面が低密度層2bに形成された傾斜密度を有している厚みの薄い中比重木質繊維板2Bを作製し(同図ロ)、この中比重木質繊維板2Bの低密度層2bをサンディングやブラッシング等の研削手段によって研削除去することにより同図(ハ)に示すように、厚さが2mm以下、好ましくは0.4mm 〜1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の木質繊維板2を得る。
【0035】
次いで、同図(ニ)に示すように、この木質繊維板2の表裏面に接着剤4、4を塗布したのち、該木質繊維板2の裏面を木質基板1の表面に重ね合わせると共にこの木質繊維板2の表面に化粧材3を重ね合わせてプレスにより木質基材1の表面に木質繊維板2を介して化粧材3が一体に貼着した化粧板Aを得るものである。
【0036】
図5は木質基板1の表裏面に厚さが2mm以下、好ましくは0.4mm 〜1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の上記木質繊維板2、2を介して化粧層3、3を一体に層着設けてなる化粧板を示すもので、このような化粧板も上記いずれかの方法を用いて、木質基板1の裏面側にも木質繊維板2を介して化粧層3を設けることにより製造することができる。また、図6に示すように、表面に木質繊維板2を介して化粧層3を設けてなる木質基板1の裏面側に木質繊維板2のみを貼着してなる化粧板であっても本発明を満足させることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、木質基板の表面又は表裏面に貼着した木質繊維板は、厚さが2mm未満の薄肉であって密度が0.75〜1.1g/cm3に形成されているので、化粧板の硬度を向上させることができると共に木質基板の収縮力や方向性に対して木質繊維板は殆ど影響せず、反りの発生を減少させることができるものであり、その上、木質繊維板は密度が0.75〜1.1g/cm3の比較的高密度に形成されているので、ワゴンのキャスターやピアノの脚等からの局部荷重を受けても凹みや層間剥離現象が生じ難い耐久性に優れた化粧板を提供し得るものである。
【0038】
さらに、請求項3に係る発明によれば、木質基板に積層接着した上記中比重木質繊維板の高密度層からなる木質繊維板に、表裏面間に亘って貫通した多数の微小孔を全面に亘って穿設しているので、この木質繊維板を木質基板に接着剤を介して接着した時や該木質繊維板の表面に接着剤によって突板や化粧シート等の化粧板を貼着する場合には、接着剤の一部が上記微小孔に食い込んでアンカー作用を発揮し、表面が緻密な該木質繊維板表面に対する密着性や接着性が強固となると共に微小孔に通じて木質繊維板の高密度層内に接着剤を浸透させて硬化層を形成することができ、従って、耐水、耐膨張性及び耐圧強度が向上し、且つ表面硬度も大きくて局部荷重や繰り返し荷重に対する充分な抵抗力を有する化粧板が得られる。
【0039】
また、請求項4に記載の化粧板の製造方法は、厚さが2mm未満で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる上記木質繊維板を木質基板表面に接着したのち該木質繊維板表面に化粧層を設けるものであるから、塗装による化粧層や化粧シートの貼着による化粧層、さらには樹脂含浸処理した突板を含浸樹脂の硬化と同時に接着することによる化粧層などの種々の表面化粧層を生産性よく設けることができる。
【0040】
一方、請求項5に記載の化粧板の製造方法は、予め、厚さが2mm未満で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる上記木質繊維板の表面に化粧層を形成しておき、この化粧層を設けた木質繊維板の裏面を木質基材表面に接着するものであるから、化粧層を設けた木質繊維板を保管しておくことができ、化粧板の製造時に所望の化粧層を設けた木質繊維板を選択して木質基板表面に貼着することで、能率よく化粧板を製造することができる。
【0041】
さらに、請求項6に記載の化粧板の製造方法は、高密度層からなる上記木質繊維板の表裏面に接着剤を塗布したのち木質基板上に該接着剤を塗布した木質繊維板を介して化粧板を積層一体化するものであるから、特に、シート状の化粧材を用いる時に生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化粧板の簡略斜視図、
【図2】本発明の化粧板の製造方法を説明するための簡略工程図、
【図3】本発明の別な化粧板の製造方法を説明するための簡略工程図、
【図4】本発明のさらに別な化粧板の製造方法を説明するための簡略工程図。
【図5】本発明の別な化粧板の簡略縦断面図、
【図6】本発明のさらに別な化粧板の簡略縦断面図。
【符号の説明】
1 木質基板
2 木質繊維板
2a 高密度層
2b 低密度層
3 表面化粧層
4 接着剤
A 化粧板

Claims (6)

  1. 一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する中比重木質繊維板の他面側の低密度層を研削することによって得られた上記高密度層からなる厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の木質繊維板が木質基板の表面に一体に層着され、この木質繊維板上に表面化粧層を設けていることを特徴とする化粧板。
  2. 厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる木質繊維板が木質基板の表裏面に一体に層着され、これらの表裏木質繊維板上に化粧層を設けていることを特徴とする請求項1記載の化粧板。
  3. 厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる木質繊維板に全面に亘って表裏面間に貫通する多数の微小孔を設けてなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の化粧板。
  4. 表裏層が高密度で中間層が低密度の中比重木質繊維板を、その厚さ方向の中央部から2分割して一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する薄肉中比重木質繊維板を作製したのち、この薄肉中比重木質繊維板の低密度層を研削除去して厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる木質繊維板に形成し、次いで、この高密度層からなる木質繊維板を木質基板表面に接着したのち、該木質繊維板の表面に化粧層を設けることを特徴とする化粧板の製造方法。
  5. 表裏層が高密度で中間層が低密度の中比重木質繊維板を、その厚さ方向の中央部から2分割して一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する薄肉中比重木質繊維板を作製したのち、この薄肉中比重木質繊維板の低密度層を研削除去して厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる木質繊維板に形成し、次いで、この高密度層からなる木質繊維板の表面に化粧層を設けたのち、この化粧層を設けた木質繊維板の裏面を木質基板表面に接着することを特徴とする化粧板の製造方法。
  6. 表裏層が高密度で中間層が低密度の中比重木質繊維板を、その厚さ方向の中央部から2分割して一方の面側が高密度層で他方の面側が低密度層に形成された密度傾斜を有する薄肉中比重木質繊維板を作製したのち、この薄肉中比重木質繊維板の低密度層を研削除去して厚さが0.4mm 1.0mm で密度が0.75〜1.1g/cm3の高密度層からなる木質繊維板に形成し、次いで、この高密度層からなる木質繊維板の表裏面に接着剤を塗布したのち木質基板上に該接着剤を塗布した木質繊維板を介して化粧材を積層一体化することを特徴とする化粧板の製造方法。
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