JP4122754B2 - 車両の下部車体構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フロアパネルの中央部(または中間部)で車両の前後方向に延びるトンネル部と、このトンネル部に沿って配設されトンネル部との間に閉断面を形成するトンネルレインフォースメント(いわゆるハイマウント・バックボーンフレーム)とを備えたような車両の下部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の車両の下部車体構造としては、例えば特開2000−238667号公報に記載の構造がある。
すなわち、フロアパネルの中央部において、車両の前後方向に延びるトンネル部を設けると共に、このトンネル部に沿って配設され、かつ、トンネル部との間に閉断面を形成するトンネルレインフォースメントを設けたものである。
【0003】
この従来構造によれば、上述のトンネルレインフォースメントにより、フロア剛性および車体剛性の向上を図ることができるが、衝突時の荷重分散性能については不充分であった。
【0004】
また、特開平5−58347号公報には、フロアパネルの中央部で車両の前後方向に延びるトンネル部と、上記フロアパネルの上面において左右のサイドシルを車幅方向に連結するクロスメンバとを設け、このクロスメンバは上述のトンネル部を跨ぐように構成した車両の下部車体構造が開示されているが、この従来構造には、トンネルレインフォースメントが開示されておらず、充分な車体剛性の向上と車両衝突時の荷重分散性能との両立を図ることが困難な問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、トンネルレインフォースメントで形成される車両前後方向の閉断面と、車幅方向に延びるクロスメンバの閉断面とを上下に重ね合わせるように接続すると共に、トンネルレインフォースメントはトンネル部の上部に接合されて該トンネル部上部に左右一対の上記閉断面を形成し、上記左右一対の閉断面相互間には上記クロスメンバと対応し、かつ該クロスメンバに沿って上方に突出する一体または一体的な補強部が設けられ、該補強部の車幅方向両端を、左右のトンネルレインフォースメントの対面する縦壁部にそれぞ れ接続することにより、フロア剛性および車体剛性の充分な向上を図ると共に、衝突時の荷重分散性能を確保することができる車両の下部車体構造の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両の下部車体構造は、フロアパネルの中央部で車両の前後方向に延びるトンネル部と、上記トンネル部に沿って車両の前後方向に延びて該トンネル部との間で閉断面を形成するトンネルレインフォースメントとを備えた車両の下部車体構造であって、上記トンネルレインフォースメントで形成される車両前後方向の閉断面と、車幅方向に延びるクロスメンバの閉断面とを上下で重ね合わせるように接続させ、上記トンネルレインフォースメントはトンネル部の上部に接合されて該トンネル部上部に左右一対の上記閉断面を形成し、上記左右一対の閉断面相互間には上記クロスメンバと対応し、かつ該クロスメンバに沿って上方に突出する一体または一体的な補強部が設けられ、上記補強部の車幅方向両端は、左右のトンネルレインフォースメントの対面する縦壁部にそれぞれ接続されたものである。
上記構成の車幅方向に延びるクロスメンバは、いわゆるNo.2クロスメンバまたはNo.3クロスメンバに設定してもよい。
【0007】
上記構成によれば、トンネルレインフォースメント(剛性部材)によって、形成される閉断面と、クロスメンバ(剛性部材)の閉断面と、を上下に重ね合わせるように接続したので、充分な車体剛性の向上と、車両の衝突時における荷重分散性能の確保との両立を図ることができる。
【0008】
つまり、車両の正面衝突または後面衝突時に、トンネルレインフォースメントに入力された荷重は、クロスメンバに分散され、車両の側突時にサイドシル(またはリヤサイドフレーム)に入力された荷重は、クロスメンバを介してトンネルレインフォースメントに分散されるので、荷重分散性能の確保および向上を図って、耐力の向上を達成することができる。
【0009】
また、上記トンネルレインフォースメントはトンネル部の上部に接合されて上記閉断面を形成したものであるから、乗員の足元スペースを阻害することなく、高剛性のトンネルレインフォースメントを設けることができる。
【0010】
さらに、上記トンネルレインフォースメントとトンネル部の閉断面はトンネル部上部に左右一対設けられたものであるから、前後方向に延びる2本の閉断面(左右一対の閉断面)により、フロア剛性および車体剛性のさらなる向上を図ることができると共に、2本の閉断面間には凹部が形成されるので、この凹部を車両内装品の配設スペースとして有効利用することもできる。
【0011】
しかも、上記左右一対の閉断面相互間には上記クロスメンバと対応し、かつ該クロスメンバに沿って上方に突出する一体または一体的な補強部が設けられたものであり、トンネルレインフォースメントの左右の閉断面をクロスメンバと対応するように補強部で連結したので、トンネルレインフォースメントそれ自体の剛性をさらに高めることができ、延いてはフロア剛性、車体剛性の大幅な向上と、衝突時の充分な荷重分散性能の向上を図ることができる。
【0012】
ここで、上記構成の補強部は、トンネルレインフォースメントと一体の凸状のビード部、または、トンネルレインフォースメントと別体で、かつ該トンネルレインフォースメントと一体的に設けられる補強部材にて構成してもよい。
【0013】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の下部車体構造を示し、図1、図2、図3において、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュロアパネル1を設け、このダッシュロアパネル1の車幅方向の両端部はヒンジピラー2,2に接合している。
【0014】
上述のヒンジピラー2は、ヒンジピラーインナ3とヒンジピラーアウタ4とを接合して、車両の上下方向に延びるヒンジピラー閉断面を備えた剛性部材であって、この閉断面内には必要に応じてヒンジピラーレインフォースメントが設けられている。
【0015】
上述のダッシュロアパネル1の下側後端部には、フロントフロア5、センタフロア6および該センタフロア6のキックアップした部分つまりキックアップ部7をを介してリヤフロア8が接続される。なお、上述のフロントフロア5とセンタフロア6とは後述するクロスメンバ16(図4参照)を介して連結される。
【0016】
上述のフロントフロア5およびセンタフロア6の中央部には車両の前後方向に延びる凸状のトンネル部9(図4参照)を一体形成する一方、これら両フロア5,6の左右両側部において車両の前後方向に延びるサイドシル10,10を設けている。
【0017】
このサイドシル10は、サイドシルインナとサイドシルアウタとを接合して、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面を有する車体剛性部材である。なお、上述のサイドシル閉断面内には必要に応じてサイドシルレインフォースメントが設けられる。
【0018】
また、上述のサイドシル10の後部には、図2、図3にも示すように、該部から後方に延びる左右一対のリヤサイドフレーム11,11を設け、センタフロア6およびリヤフロア8の下面とリヤサイドフレーム11との間には閉断面を形成している。
【0019】
上述のリヤフロア8はセンタフロア6の後部にキックアップ部7(段差部)を介して連結されたものであり、上述のトンネル部9の上部には、該トンネル部9に沿って車両の前後方向に延びて、前部がダッシュロアパネル1に接合され、後部が上述のキックアップ部7上端のリヤフロア8前部に接合され、またスカート部がトンネル部9の左右両側面に接合されたトンネルレインフォースメント12(いわゆるハイマウント・バックボーンフレーム)を設け、図4に示すように、このトンネルレインフォースメント12とトンネル部9の上部左右との間には両者9,12に沿って車両の前後方向に延びる2つの閉断面13,13(左右一対の閉断面)を形成して、フロア剛性および車体剛性の向上を図っている。
【0020】
つまり、上述のトンネルレインフォースメント12は、前後方向に延びる2つの閉断面13,13を形成するための左右一対の上方突出部12a,12aと、これら左右の上方突出部12a,12a間に形成された凹部12bとを備え、凹部12bの下面はトンネル部9の上面に接合されている。
【0021】
一方、図1に示すようにダッシュロアパネル1と、ヒンジピラーインナ3と、トンネルレインフォースメント12における前端部のスカート部との間には、平面視でコ字状のダッシュクロスメンバ14を左右一対接合して、車体剛性の向上および側突に対する耐力の向上を図っている。
【0022】
また、フロントフロア5の上面において中央のトンネル部9を跨いで左右のサイドシル10,10(詳しくはサイドシルインナ)と連結されるクロスメンバ15 (いわゆるNo.2クロスメンバ)を設けている。
【0023】
このクロスメンバ15は車幅方向に延びて、フロントフロア5との間に閉断面を形成する車体剛性部材である。
さらに、フロントフロア5とセンタフロア6との間において中央のトンネル部9を跨いで左右のサイドシル10,10(詳しくはサイドシルインナ)と連結されるクロスメンバ16(いわゆるNo.3クロスメンバ)を設けている。
【0024】
また、上述のキックアップ部7の下部には車幅方向に延びて左右のリヤサイドフレーム11,11相互間を連結するリヤクロスメンバ17(いわゆるNo.4クロスメンバ)を設け、このリヤクロスメンバ17とキックアップ部7との間には車幅方向に延びる閉断面18(図3参照)を形成している。
【0025】
加えて、上述のリヤクロスメンバ17よりも所定距離後方において、リヤフロア8の下部には車幅方向に延びて左右のリヤサイドフレーム11,11相互間を連結する別のリヤクロスメンバ19(いわゆるNo.5クロスメンバ)を設け、このリヤクロスメンバ19とリヤフロア8との間には車幅方向に延びる閉断面20(図3参照)を形成している。なお、上述のリヤフロア8の所定部にはスペアタイヤパンが形成されるが、図示の便宜上、該スペアタイヤパンの図示を省略している。
【0026】
また、図1、図2に示すようにサイドシル10とトンネル部9との車幅方向の中間に対応して、フロントフロア5の下部には車両の前後方向に延びるフロアフレーム21,21を設け、これら左右のフロアフレーム21,21とフロントフロア5との間には閉断面を形成している。
【0027】
図1に示すように上述のフロアフレーム21,21の前部には左右一対のフロントサイドフレーム22,22を一体または一体的に延長形成している。
そして、これら左右一対のフロントサイドフレーム22,22の前端部よりも所定距離後方において左右のフロントサイドフレーム22,22相互間には、車幅方向に延びるフロントクロスメンバ23(いわゆるNo.1.5クロスメンバ)を張架している。
【0028】
一方、図2に示すように上述の左右一対のリヤサイドフレーム11,11の下部にはリヤサスペンションクロスメンバ24を複数の弾性マウントを介して取付けている。
【0029】
上述のリヤサスペンションクロスメンバ24は、フロントクロスメンバ25と、リヤクロスメンバ26(図3参照)と、左右のサイドクロスメンバ27,27と、を平面視で略井形状つまり方形枠状に組合わせたものである。なお、図2において28は燃料タンク、29は燃料タンク28へ燃料を供給するフューエルインレットパイプである。
【0030】
上述のリヤサイドフレーム11,11に対するリヤサスペンションクロスメンバ24の取付け部位と対応するように、該リヤサイドフレーム11の車外側面にはリヤサスペンション取付け部30(いわゆるサス取付け部)を設けている。
【0031】
このリヤサスペンション取付け部30は断面門形状の剛性部材であって、このリヤサスペンション取付け部30は上述のリヤサイドフレーム11の車外側面に接合されていて、ナックルを介して、後輪を独立懸架するリヤサスペンションのストラット上部を支持するものである。
【0032】
また、図1、図2において31は断面門形状のブラケットであって、リヤクロスメンバ17の閉断面18上部に該ブラケット31により別の閉断面を形成している。このブラケット31はパッケージクロスメンバ(図示せず)と該ブラケット31との間にガセット部材としてのV字ブレース(brace)を取付けるためのものである。
【0033】
図4はトンネル部9およびトンネルレインフォースメント12と、クロスメンバ16(いわゆるNo.3クロスメンバ)とが交差する部分の拡大斜視図、図5はトンネルレインフォースメント12を取外した状態で示す同部の斜視図である。
【0034】
上述のクロスメンバ16は車幅方向に延びるクロスメンバアッパ32と、車幅方向に延びるクロスメンバロア33とを備えている。
クロスメンバアッパ32は図5に示すようにトンネル部9、なかんずく、トンネル部9の上面と対応する部分はフラットな平板部32aに形成されていて、この平板部32aからサイドシルインナまでの間の両サイド部は前後の接合フランジ32b,32cを有する断面ハット状に形成されている。
【0035】
上述の前側の接合フランジ32bはトンネル部9の側壁車室側面とフロントフロア5上面とに接合され、後側の接合フランジ32cはトンネル部9の側壁車室側面とセンタフロア6上面に接合され、上述の平板部32aは図7にも示すようにフロントフロア5によるトンネル部9の上面と、センタフロア6によるトンネル部9の上面に接合されている。
【0036】
また、上述のクロスメンバロア33は図6に示すようにトンネル部9と対応する中央部はトンネル部9の形状に沿うように上方へ***形成されると共に、該中央部は凹状の断面形状を有しており、両サイド部は逆L字状の断面形状を有している。このクロスメンバロア33はその前後に接合フランジ33a,33bを有するが、前側の接合フランジ33aはクロスメンバロア33の両サイド部においては上下方向に指向し、クロスメンバロア33のトンネル対応部つまり中央部においては前後方向に指向している。
後側の接合フランジ33bはクロスメンバロア33の全長にわたって前後方向に指向するように形成されている。
【0037】
そして、このクロスメンバロア33の前側の接合フランジ33aは図7に示すようにクロスメンバアッパ32における平板部32a下面と、トンネル部9と、図4、図5に示すようにクロスメンバアッパ32におけるサイド部の前側下部とに接合され、後側の接合フランジ33bは図4、図5、図7に示すようにトンネル部9の車外側面に接合されると共に、センタフロア6の前部を介してクロスメンバアッパ32の後側の接合フランジ32cに接合されている。
【0038】
このような接合構造によりクロスメンバアッパ32とクロスメンバロア33との間には車幅方向に連続して延びる閉断面34が形成されていて、この閉断面34と、トンネルレインフォースメント12で形成される車両前後方向の2つの閉断面13,13とが平面から見て略十文字状に交差し、かつ車両前後方向に延びる閉断面13と、車幅方向に延びる閉断面34と、を上下で重ね合わせるように接続したものである。
【0039】
この実施例では、フロントフロア5とセンタフロア6とが前後に分割されているので、閉断面構造のクロスメンバ16で、これら前後の両フロア5,6を接続したものである。
【0040】
しかも、図4、図7に示すように、トンネルレインフォースメント12の左右一対の閉断面13,13相互間には上述のクロスメンバ16の配設位置と対応し、かつ該クロスメンバ16に沿って上方に突出する補強部としての凸状のビード部35がトンネルレインフォースメント12と一体に形成されており、このビード部35と、クロスメンバ16における平板部32aと、の間にはさらに別の閉断面36が形成されている。なお、図中、Fは車両前方を示し、Rは車両後方を示す。
【0041】
このように図1〜図7で示した実施例の車両の下部車体構造は、フロアパネル(フロントフロア5、センタフロア6参照)の中央部で車両の前後方向に延びるトンネル部9と、上記トンネル部9に沿って車両の前後方向に延びて該トンネル部9との間で閉断面13を形成するトンネルレインフォースメント12とを備えた車両の下部車体構造であって、上記トンネルレインフォースメント12で形成される車両前後方向の閉断面13と、車幅方向に延びるクロスメンバ16の閉断面34とを上下で重ね合わせるように接続させたものである。
【0042】
この構成によれば、トンネルレインフォースメント12(剛性部材)によって、形成される閉断面13と、クロスメンバ16(剛性部材)の閉断面34とを上下に重ね合わせるように接続したので、充分な車体剛性の向上と、車両の衝突時における荷重分散性能の確保との両立を図ることができる。
【0043】
つまり、車両の正面衝突または後面衝突時にトンネルレインフォースメント12に入力された荷重は、クロスメンバ16に分散され、車両の側突時にサイドシル10(またはリヤサイドフレーム11)に入力された荷重はクロスメンバ16を介してトンネルレインフォースメント12に分散されるので、荷重分散性能の確保および向上を図って、耐力の向上を達成することができる。
【0044】
また、上記トンネルレインフォースメント12は、トンネル部9の上部に接合されて上記閉断面を形成したものである。
この構成によれば、乗員の足元スペースを阻害することなく、高剛性のトンネルレインフォースメント12を設けることができる。
【0045】
さらに、上記トンネルレインフォースメント12とトンネル部9の閉断面13はトンネル部9の上部に左右一対設けられたものである。
この構成によれば、前後方向に延びる2本の閉断面13,13(左右一対の閉断面)により、フロア剛性および車体剛性のさらなる向上を図ることができると共に、2本の閉断面13,13間には凹部12bが形成されるので、この凹部12bを車両内装品の配設スペースとして有効利用することもできる。
【0046】
しかも、上記左右一対の閉断面13,13相互間には上記クロスメンバ16と対応し、かつ該クロスメンバ16に沿って上方に突出する一体または一体的な補強部(ビード部35参照)が設けられたものである。
【0047】
この構成によれば、トンネルレインフォースメント12の左右の閉断面13,13をクロスメンバ16と対応するように補強部(ビード部35参照)で連結したので、トンネルレインフォースメント12それ自体の剛性をさらに高めることができ、延いてはフロア剛性、車体剛性の大幅な向上と、衝突時の充分な荷重分散性能の向上を図ることができる。
【0048】
図8は車両の下部車体構造の他の実施例を示し、先の実施例では補強部としてトンネルレインフォースメント12と一体のビード部35を設けたが、図8に示すこの実施例ではトンネルレインフォースメント12と別体のハット部材37を設け、このハット部材37の接合フランジ37a,37aを凹部12bに接合してトンネルレインフォースメント12と一体化し、このハット部材37で左右の閉断面13,13間(詳しくは上方突出部12aの対向面間)を接続したものである。
【0049】
このように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図8において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0050】
図9は車両の下部車体構造のさらに他の実施例を示し、補強部として角パイプまたはハイドロフォーム成形品による筒部材38を設け、この筒部材38を凹部12bに接合してトンネルレインフォースメント12と一体化し、この筒部材38で左右の閉断面13,13間(詳しくは上方突出部12aの対向面間)を接続したものである。
【0051】
このように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の各実施例とほぼ同様であるから、図9において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0052】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のフロアパネルは、実施例のフロントフロア5、センタフロア6に対応し、
以下同様に、
クロスメンバは、いわゆるNo.3クロスメンバ16に対応し、
補強部は、ビード部35、ハット部材37、筒部材38に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0053】
例えば、フロアパネルがフロントフロアとセンタフロアとに分割されていない構造の場合には、トンネル部9を凹ませて上述の同様の閉断面を形成することができ、この構造を採用した場合には、No.2クロスメンバ15にも本実施例の構成を適用することができる。
【0054】
【発明の効果】
この発明によれば、トンネルレインフォースメントで形成される車両前後方向の閉断面と、車幅方向に延びるクロスメンバの閉断面とを上下に重ね合わせるように接続すると共に、上記トンネルレインフォースメントはトンネル部の上部に接合されて該トンネル部上部に左右一対の上記閉断面を形成し、上記左右一対の閉断面相互間には上記クロスメンバと対応し、かつ該クロスメンバに沿って上方に突出する一体または一体的な補強部が設けられ、上記補強部の車幅方向両端は、左右のトンネルレインフォースメントの対面する縦壁部にそれぞれ接続したので、フロア剛性および車体剛性の充分な向上を図ると共に、衝突時の荷重分散性能を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両の下部車体構造を示す平面図。
【図2】 フロアパネルを取外した状態で示す図1の要部拡大平面図。
【図3】 図2の側面図。
【図4】 車両の下部車体構造を示す要部の斜視図。
【図5】 トンネルレインフォースメントを取外した状態の斜視図。
【図6】 クロスメンバの斜視図。
【図7】 図4のA−A線矢視断面図。
【図8】 車両の下部車体構造の他の実施例を示す断面図。
【図9】 車両の下部車体構造のさらに他の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
5…フロントフロア(フロアパネル)
6…センタフロア(フロアパネル)
9…トンネル部
12…トンネルレインフォースメント
13…閉断面
16…クロスメンバ
34…閉断面
35…ビード部(補強部)
37…ハット部材(補強部)
38…筒部材(補強部)
Claims (1)
- フロアパネルの中央部で車両の前後方向に延びるトンネル部と、
上記トンネル部に沿って車両の前後方向に延びて該トンネル部との間で閉断面を形成するトンネルレインフォースメントとを備えた
車両の下部車体構造であって、
上記トンネルレインフォースメントで形成される車両前後方向の閉断面と、車幅方向に延びるクロスメンバの閉断面とを上下で重ね合わせるように接続させ、
上記トンネルレインフォースメントはトンネル部の上部に接合されて該トンネル部上部に左右一対の上記閉断面を形成し、
上記左右一対の閉断面相互間には上記クロスメンバと対応し、かつ該クロスメンバに沿って上方に突出する一体または一体的な補強部が設けられ、
上記補強部の車幅方向両端は、左右のトンネルレインフォースメントの対面する縦壁部にそれぞれ接続される
車両の下部車体構造。
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