JP4112047B2 - 格納式荷受台昇降装置のスライドフレーム支持機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷受台及び昇降駆動装置が荷箱の底部下に格納自在に構成された格納式荷受台昇降装置において、これら荷受台及び昇降駆動装置を、荷箱の底面下方に格納する格納位置と、荷箱の後方に突出させて荷受台を昇降可能な状態にする作業位置との間でスライドさせるためのスライドフレーム支持機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、格納式荷受台昇降装置としては、例えば、実開平2−13836号公報記載のものに見られるように、車室のフロア上に固設した案内フレームに、転動ローラを介して可動部材を設けるととにも、この可動部材にリンク機構を介してプラットフォームを設け、可動部材をアクチュエータにより進退移動させることで、プラットフォームを車室内に格納するとともに、車室の後側開口部から後方に突出配置して昇降するものが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは、転動ローラの転動より案内フレームの上下方向に対して円滑にスライドすることができるものの、可動部材が案内フレームに対して左右方向に振れた場合には転動ローラの側端面が案内フレームの内側面を摺接して規制することになる。従って、このガイドローラの側端面の摺接によりガイドローラに無理な負荷がかかり、損傷などを招くおそれがあり、耐久性の低下を招くという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、荷受台等を格納位置と作業位置との間で円滑にスライドさせることでスライド機構の耐久性の向上を図ることのできる格納式荷受台昇降装置のスライドフレーム支持機構を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明の格納式荷受台昇降装置のスライドフレーム支持機構は、荷箱の底面下方に固定フレームが固設されるとともに、該固定フレームにスライドフレームがスライド自在に設けられ、スライドフレームに荷受台が昇降駆動手段を介して昇降自在に設けられ、固定フレームとスライドフレームとの間に設けられた格納手段によりスライドフレームをスライドさせることで、上記荷受台及び昇降駆動手段が、荷箱の底面下方に格納される格納位置と、荷箱の後方に突出される作業位置とに配置されるように構成された格納式荷受台昇降装置において、前記固定フレームは、それぞれ開口を内方に向けて配置された断面コ字状の左右一対のガイドレールを備えてなり、一方、前記スライドフレームには、上記ガイドレール内に挿入されて当該ガイドレールの上下面を転動自在なガイドローラが設けられ、該ガイドローラは、前記スライドフレームに外側方に突出して固設されるピンと、該ピンに嵌入されたベアリングとで構成され、前記ピンは、前記ベアリングの一部を除いてカバー体により包囲され、該カバー体から突出したベアリングの一部が、前記ガイドレールの上下面を転動し、前記ピンには、前記ベアリングを保持し且つ前記ガイドレールの内側面に摺接するスライドパッドが、カバー体の外側から嵌入されたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0007】
図5及び図6は、格納式荷受台昇降装置の構成を示している。
図において、1は、例えば車輌の車枠上に搭載された荷箱で、該荷箱1の後端には荷受台昇降装置2が設けられている。
【0008】
荷受台昇降装置2は、荷箱1の後端底面下方に格納可能になされた格納式のもので、荷箱1の後端底面下方に固設された固定フレーム3と、この固定フレーム3に沿って荷箱1の前後方向にスライド自在なスライドフレーム4と、スライドフレーム4に昇降駆動手段5を介して昇降自在に設けられた荷受台6と、荷受台6を昇降駆動手段5とともにスライドフレーム4を介して荷箱1の後端底面下方に格納する格納位置と、荷受台6を昇降駆動手段5とともに荷箱1の後方に突出させる作業位置とに配置する格納手段7とで構成されている。
【0009】
前記固定フレーム3は、荷箱の底面下方の左右に設けられたガイドレール31と、これらガイドレール31の前端部及び後端部を連結する連結部材32、33とで構成され、ガイドレール31は、その開口をそれぞれ内方に向けて配置されている。
【0010】
前記スライドフレーム4は、前記ガイドレール31にそれぞれ近接して対峙されたスライド板41と、これらスライド板41を連結する前後2本の連結部材42とで構成されている。
【0011】
上記スライドフレーム4のスライド板41の外側面には、ガイドローラ43が設けられており、このガイドローラ43が固定フレーム3のガイドレール31内に転動自在に嵌入されている。
【0012】
詳しくは、ガイドローラ43は、図1及び図2に示すように、スライド板41の前後に2個、計4個設けられている。
【0013】
また、ガイドローラ43は、図3及び図4に示すように、大径部432と小径部433とで2段に形成されたピン431と、このピン431の小径部433に嵌入されたベアリング434とで構成されている。
【0014】
これらガイドローラ43は、大径部432がスライド板41に固着部材437を介してネジ締め等によって固設されるとともに、ベアリング434を備えた小径部433がスライド板41の外側方に突出して配置されており、小径部433がベアリング434の一部を除いてカバー体435により包囲されている。
【0015】
そして、前後左右にそれぞれ設けられた4個のガイドローラ43のうち、前方左右の2個のガイドローラ43のベアリング434が、図3に示すようにその頂部がカバー体435から上方若干突出して配置され、後方左右の2個のガイドローラ43のベアリング434が、図4に示すようにその下端部がカバー体435から下方に若干突出して配置され、これらカバー体435から突出したベアリング434の一部がガイドレール31の上下面に摺接することで、スライドフレーム4が固定フレーム3に対して円滑に前後に移動するように構成されている。
【0016】
また、ガイドローラ43の小径部433の外端面にはカバー体435の外側からスライドパッド436が嵌入されており、このスライドパッド436により小径部433に嵌入したベアリング434を安定的に保持する。なお、スライドパッド436はカバー体435の外側から小径部433の先端に嵌入しただけであるが、ガイドレール31の内側面と僅かな隙間を隔てた状態で当該ガイドレール31の内側面と対峙して配置されるため、一旦ガイドレール31内に配置されると抜け落ちることがない。
【0017】
前記昇降駆動手段5は、スライドフレーム4のスライド板41の後端部に回動自在に軸支された回動軸51と、スライド板41の後端部と荷受台6との間に介装されたテンションアーム52及びコンプレッションアーム53と、回動軸51を回動駆動させる昇降シリンダ54とから構成されている。
【0018】
前記昇降シリンダ54は、基端部がスライドフレーム4の連結部材42の略中央部に固設された取付部材44に支持されるとともに、伸縮ロッド541が前記回動軸51にブラケット511を介して連結されており、伸縮ロッド541の伸縮動作により回動軸51を正逆両方向に回動させる。
【0019】
前記テンションアーム52は、その一端部が前記回動軸51の両端に当該回動軸51と一体に設けられるとともに、他端部が荷受台6の途中部に設けられた取付部材61の上部にピン521(図6参照)によって枢支されている。よって、テンションアーム52は、回動軸51の回動に伴ってこの回動軸51を中心に上下方向に回動する。
【0020】
前記コンプレッションアーム53は、その一端部が前記回動軸51よりも下方となるスライド板41の後端部にピン531(図6参照)により枢支されるとともに、他端部が前記取付部材61の下部にピン532(図6参照)により枢支されている。
【0021】
このように回動軸51の両端と各ピン521、531、532とによってスライド板41の後端部と取付部材61との間に連結されたテンションアーム52、コンプレッションアーム53が平行リンク機構を構成している。
【0022】
前記荷受台6は、基台62と中間台63と先端台64との3段が折り畳み自在に構成されている。
【0023】
基台62の先端部(荷箱1に対して後方側)には、前述したようにテンションアーム52及びコンプレッションアーム53の他端部が枢支された取付部材61が固設されており、コンプレッションアーム53の他端部を取付部材61に枢支したピン532に前記中間台63の基端部が枢支されている。
【0024】
また、中間台63の先端部と先端台64の基端部とはピン65によって枢支されている。
【0025】
これら各ピン532、65によって枢支された基台62と中間台63と先端台64とは、先端台64を上方に回動させて中間台63上に折り畳み配置するとともに、先端台64を折り畳んだ中間台63を上方に回動させて基台62上に折り畳み配置することで、基台62上に中間台63と先端台64とが全体として3段に折り畳んだ状態で配置される。
【0026】
また、基台62上から中間台63と先端台64とを、上述とは逆の動作で回動させることによって、中間台63及び先端台64が当該基台62から後方に延長した状態となり、これら基台62、中間台63及び先端台64が略同一平面上に配置される。
【0027】
さらに、前記先端台64の先端には、タイヤストッパ66が設けられている。タイヤストッパ66は、その基端部がヒンジ661を介して前記先端台64の先端に回動自在に設けられており、先端台64から後方に延長した略同一平面上で保持されるとともに、先端台64の先端部上に折り畳み自在に構成されている。
【0028】
このタイヤストッパ66には、当該タイヤストッパ66が回動途中位置、つまり上方に所定角度で立設した位置で保持するフック67が設けられており、この位置でタイヤストッパ66を保持することで荷受台6上に搭載された物の落下を防止することができる。
【0029】
前記格納手段7は、前記スライドフレーム4を前記ガイドレール31に沿って前後に移動させるためのもので、固定フレーム3に固設された格納シリンダ71と、この格納シリンダ71の伸縮ロッド711の先端を通じて固定フレーム3とスライドフレーム4との間に張設されたワイヤ72とから構成されている。
【0030】
格納シリンダ71は、基端部が固定フレーム3に固設され、その伸縮ロッド711が前後方向に伸縮するように水平に配置されている。
【0031】
上記伸縮ロッド711の先端には左右一対の滑車712、713がそれぞれ独立して回転自在に設けられている。
【0032】
前記ワイヤ72は、図5に示すように、まず、一端が格納シリンダ71の近傍に止着され、途中部が格納シリンダ71に沿って略平行に伸縮ロッド711に設けられた一方の滑車712に下部から上部に巻回されて折り返された後、スライドフレーム4の前側の連結部材42にブラケットを介して設けられた折り返しローラ(図示省略)で再び後方側に折り返されてスライドフレーム4の後側の連結部材42にブラケットを介して設けられた折り返しローラ(図示省略)で前方側に折り返され、他方の滑車713に上部から下部に巻回されて再び後方に折り返された後、固定フレーム3の後側の連結部材33に止着されている。
【0033】
このようにワイヤ72を固定フレーム3とスライドフレーム4とに伸縮ロッド711に設けた滑車712、713を介して張設することで、格納シリンダ71による伸縮ロッド711の前後への伸縮動作に伴ってスライドフレーム4が前後に移動し、これによってスライドフレーム4とともに折り畳まれた荷受台6と昇降駆動手段5を荷箱の底面下方に格納する図7に示す格納位置と図5及び図6に示す作業位置とに配置させることができる。
【0034】
次に、このように構成された格納式荷受台昇降装置の動作について簡単に説明する。
【0035】
まず、車輌の走行時など、荷受台6による積荷の積卸しを行わない場合には、格納シリンダ71の伸縮ロッド711を縮退させて、スライドフレーム4を固定フレーム3の前端側に移動させることで、荷受台6及び昇降駆動手段5を荷箱1の後端底面下方の格納位置に配置している。
【0036】
そして、荷受台6により積荷の積卸しを行う場合には、格納シリンダ71の伸縮ロッド711を伸長させて、スライドフレーム4を固定フレーム3の後端側に移動させることで、荷受台6及び昇降駆動手段5を作業位置に配置する。これにより、荷受台6と昇降駆動手段5のリンク機構とは、荷箱1の後端から後方に突出した状態で配置される。
【0037】
次に、作業位置において折り畳まれている荷受台6の中間台63と先端台64とを順次回動させることで、これら荷受台6を構成する基台62、中間台63及び先端台64を略同一平面上に且つ荷箱1の後端後方に延長配置する。
【0038】
そして、この状態で昇降駆動手段5の昇降シリンダ54を伸縮作動させることで、回動軸51を通じてテンションアーム52が上下に回動し、この回動動作に伴って荷受台6が地上と荷箱1の底面との間で昇降して積荷の積卸しを行う。
【0039】
ここで、上述したようにスライドフレーム4が荷受台6及び昇降駆動手段5を伴ってガイドレール31に沿って格納位置と作業位置との間でスライドする際、このスライドフレーム4は、ガイドローラ43のベアリング434によりガイドレール31の上下面を転動することで固定フレーム3に対する上下方向を支持するとともに、スライドフレーム4が固定フレーム3に対して左右に振れた場合には、ガイドローラ43の外端面に設けられたスライドパッド436がガイドレール31の内側面に摺接してこれを規制することになる。これにより、スライドフレーム4がガイドレール31内を円滑にスライドすることができるとともに、スライドフレーム4が左右に振れてもスライドパッド436がガイドフレーム31の内側面に摺接するため、ガイドローラ43のベアリング434に無理な負荷がかからず、耐久性の向上を図ることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の格納式荷受台昇降装置のスライドフレーム支持機構によれば、スライドフレームに、固定フレームの左右のガイドレール内に挿入して当該ガイドレールの上下面を転動自在なガイドローラを設けるとともに、ガイドローラの外端面に、上記ガイドレールの内側面に摺接するスライドパッドを設けたことで、ガイドローラによりガイドフレームの上下面を転動してスライドフレームの上下を支持するとともに、スライドパッドにより左右方向を支持することで、スライドフレームが左右に振れてもこのスライドパッドがガイドフレームの内側面に摺接してこれを規制することになり、ガイドローラに無理な負荷がかからず、スライドフレームを円滑にスライドさせることができ、耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライドフレームに設けられたガイドローラを示す平面図である。
【図2】スライドフレームに設けられたガイドローラを示す側面図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】図2におけるB−B断面図である。
【図5】格納式荷受台昇降装置の全体構成を示す平面図である。
【図6】格納式荷受台昇降装置の全体構成を示す側面図である。
【図7】荷受台等が格納位置に配置された状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 荷箱
2 荷受台昇降装置
3 固定フレーム
31 ガイドレール
4 スライドフレーム
43 ガイドローラ
436 スライドパッド
5 昇降駆動手段
6 荷受台
7 格納手段
Claims (1)
- 荷箱の底面下方に固定フレームが固設されるとともに、該固定フレームにスライドフレームがスライド自在に設けられ、スライドフレームに荷受台が昇降駆動手段を介して昇降自在に設けられ、固定フレームとスライドフレームとの間に設けられた格納手段によりスライドフレームをスライドさせることで、上記荷受台及び昇降駆動手段が、荷箱の底面下方に格納される格納位置と、荷箱の後方に突出される作業位置とに配置されるように構成された格納式荷受台昇降装置において、
前記固定フレームは、それぞれ開口を内方に向けて配置された断面コ字状の左右一対のガイドレールを備えてなり、一方、前記スライドフレームには、上記ガイドレール内に挿入されて当該ガイドレールの上下面を転動自在なガイドローラが設けられ、該ガイドローラは、前記スライドフレームに外側方に突出して固設されるピンと、該ピンに嵌入されたベアリングとで構成され、前記ピンは、前記ベアリングの一部を除いてカバー体により包囲され、該カバー体から突出したベアリングの一部が、前記ガイドレールの上下面を転動し、前記ピンには、前記ベアリングを保持し且つ前記ガイドレールの内側面に摺接するスライドパッドが、カバー体の外側から嵌入されたことを特徴とする格納式荷受台昇降装置のスライドフレーム支持機構。
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