JP4035245B2 - 自動車用照明付き表示板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば昼等の明るい場所では反射光表示を行ない、夜間等の暗所では透過光表示を行なう計器、オーディオ、エアコン、ナンバープレート、エンブレム等の表示板であって、特に反射光表示時又は透過光表示時、さらには薄暮時におけるいずれの表示時においても表示性能を高めることができる自動車用照明付き表示板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昼間等の明所では反射光で表示させ、又夜間等の暗所では透過光で表示させる自動車用表示板の従来例として、例えば実公平6−43831号で示される技術が知られている。この公知の表示板は、図6、図7で示すように、透光性基板1の前面に、文字、目盛等の表示部2を除いて遮光層3を設け、該遮光層3の前面と上記表示部2を埋めるようにして明度の低い色の半透光性の表示色層4を形成し、さらにその表示色層4の前面に、上記表示部2の輪郭(a)よりも大なる輪郭(b)の表示部5を除いて明度の高い色による表面層6を設けた表示板7となっている。
【0003】
そしてこの表示板にあっては、昼間等の明所では明度の高い表面層6と、明度の低い半透光性表示色層4の反射光によるコントラストで輪郭(b)により表示部5が表示される。また夜間等の暗所では、上記表示板7の裏側に配設されている照明灯8を点灯すれば、表示色層4を透して表示部2に対応する輪郭(a)が透過照明されるものである。
【0004】
また夕暮れ時(薄暮時)等の若干の反射光と照明灯による透過光とが略等しくて、表示部2のコントラストが小さいような周囲状況の場合においては、表示部2の輪郭(a)の周囲に形成された明度の低い半透光性表示色層4による周枠(c)により表示部5の形状が鮮明に表示されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこのような従来例の表示板7構成にあっては、夕暮れ時(薄暮時)の表示部5のコントラストを上げるために、表示輪郭(a)の周囲に、その輪郭(a)よりも大きい輪郭(b)となる表示部5を形成しているために、例えば昼間の反射表示時においては、輪郭(b)による表示形状となり、また夜間等の透過照明表示時においては、輪郭(a)による表示形状となって、昼間と夜間とでは表示部の表示太さ(輪郭)に違いが生じてしまう。つまり昼間の反射表示時では、表示の文字、目盛等の形状が太く見えてしまい、夜間の透過表示時では、その表示が細く見えてしまうことから、その表示が鈍重に見え、視認性が低下し、さらには表示デザインが悪くなって違和感を生じる等の不具合があった。
【0006】
本発明はかかる従来の不具合に着目してなされたもので、反射表示時、又は透過照明表示時のいづれにおいても表示部の表示太さは一定に表示されるような表示面を構成して、表示部のスマートさと視認性を高め、さらには夕暮れ時等においても表示部のハイレベルの表示コントラストを維持せしめて、表示部の見やすさ確保できる計器、時計、エアコン、オーディオ等の表示板又はナンバープレート、エンブレム等として使用できる表示板の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1では、合成樹脂等により形成された透光性基板(11)の前面に、文字、目盛等を形どった透光表示部(12)を除いて遮光層(13)を施し、その遮光層(13)及び透光表示部(12)の前面に、透光性であって、明度の高い背景色である背景色層(14)を施し、該背景色層(14)の前面に、上記背景色層(14)の明度に対してコントラストの高い色調の遮光性インクによって、上記透光表示部(12)の前面対応位置に、透光表示部(12)の輪郭形状よりも小なる相似形状の表面表示部(15)を印刷し、さらに遮光層(13)と背景色層(14)との色調を近似させた自動車用照明付き表示板であることを特徴としている。
【0008】
また本発明の請求項2では、請求項1に記載の背景色層の前面に印刷した表面表示部の形状を上記透光表示部の輪郭形状と同形となすと共に、その表面表示部の印刷位置を透光表示部に対してその文字太さ又は目盛太さの範囲内で位置をずらした自動車用照明付き表示板であることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図1乃至図5に基いて詳細に説明する。
【0011】
先ずは本発明の第1の実施形態を図1乃至図4で示す計器表示板10として説明すると、11は透明又は半透明のポリカーボネートシートからなる透光性基板であって、この透光性基板11の前面には、文字、目盛等を形どった透光表示部12を除いて遮光層13を形成している。この遮光層13は、グレー、白等の遮光性塗料又はインク等を用いて、印刷手段で施してもよく、あるいはアルミ箔等遮光性シート(フィルム)をホットスタンプ手段により層成したものであってもよい。
【0012】
14は、上記遮光層13の前面と、透光性表示部12の前面に全体に施されている透光性の背景色層であって、この背景色層14は、透光性の塗料又はインクによる塗装又は印刷手段によって、層成されている。またこの背景色層14は透光性となしていることから、その背景色層14を透して透光表示部12周縁と遮光層13との境界が見えやすくなるので、この境界を見にくくするために遮光層13の色調と背景色層14の色調を近似させることが望ましい。
【0013】
15は、上記背景色層14の前面に、例えば印刷手段により施された表面表示部であって、この表面表示部15は、上記背景色層14の明度に対してコントラストの高い色調(例えば黒色)であり、しかも遮光性であるインクを用いて施されている。さらにこの表面表示部15の形状輪郭(A)は、上記透光表示部12の形状輪郭(B)よりも小さい相似形状に設定されており、上記表面表示部15は、透光表示部12の前方で図2、図3で示すように重なり合うように配置される。
【0014】
このように構成された表示板10の作用について述べると、昼間等の周囲が明るい状態では、その表示板10の表示面(前面)は反射照明となり、表示板10における、例えば白色である背景色層14と例えば黒色である表面表示部15が反射表示される。このときの表面表示部15は背景色層14に対して高いコントラストが得られる。
【0015】
夕暮れ時等において周囲が薄暮状態になると、背景色層14の表面が灰色から黒色に見えるために、黒色である表面表示部15とのコントラストが低下し、見えにくくなる。そこで表示板10の背後に配置されている照明灯16を点灯すると、その照明灯16からの光は透光表示部12を経て表示板10の前面に透過される。このとき、透光表示部12の輪郭(B)が表面表示部の輪郭(A)よりも大きく形成されていて、表面表示部15の周辺が透過表示部12を透過した透過光で発光表示されることとなり、薄暮時でも表面表示部15が高コントラストで表示される(図2参照)。
【0016】
夜間等の周囲が暗い状態では、背景色層14の表面が黒色に見えるが、このときは照明灯16を点灯するために、上記薄暮時と同様に、表面表示部15の周辺が透過表示部12を透過した透過光で発光表示されることとなり、表面表示部15の周縁が透過光により輪郭表示される。
【0017】
このように上記の実施の形態によれば、昼間の反射表示時、薄暮時の反射表示及び透過表示併用時、夜間の透過表示時のいずれにおいても表面表示部15の形態を変ることなく一定形状の表面表示部15の形態(デザイン)で表示させることができ、また上記各時において表面表示部15の表示コントラストを高めることができ視認性に優れた表示板の提供が可能となる。
【0018】
なお上記実施形態の具体例として、表面表示部15の文字太さは、約0.5〜1mmとし、また表面表示部15の輪郭と透光表示部の輪郭との間で生じる隙間幅は約1mmとなることが望ましい。また遮光層13及び表面表示部を黒色とし、背景色層14をオレンジ色とした計器表示板の場合は、昼間はオレンジ色の背景に黒色の文字が表示され、夜間では表面表示部15の周縁に形成される透光表示部12がオレンジ色になり、その黒色表示部15が読み易くなる。また上記遮光層13による遮光効果を高めるために、透光性基板11の表面で、しかもその遮光層13に対応する位置に他の遮光層を設けるようにしてもよい。
【0019】
図5は本発明の他の実施形態を示すものである。この実施形態にあっては、背景色層14の前面に印刷表示する表面表示部15の輪郭(A)形状と、透光表示部12の輪郭(B)形状とを等しく設定すると共に、その表面表示部15の印刷位置を透光表示部12に対して、その表示部の表示幅の範囲内で上下左右又は斜め方向へ位置をずらしたものである。このように透光表示部12と表面表示部15との位置関係を設定することにより、薄暮時、夜間時等において照明灯16を点灯したとき、図5で示すように表面表示部15を立体表示させることができる。
【0020】
なお上記それぞれの実施形態では、表示板10を計器表示板として説明したが、これに限られるものではなく、上記表示板10を車両用エアコン、オーディオ、時計、エンブレム、ナンバープレート等が表示板に応用することができる。また上記遮光層13と背景色層14との色調を近似させることで、その背景色層14を透して透光表示部12周縁と遮光層13との境界が見え難くなり、これにより反射表示時の表面表示部の視認性が高められる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明の照明付き表示板によれば、昼間の反射照明時、夜間の透過照明時、薄暮時の反射照明時のいずれにおいても、コントラストの高い表面表示が可能であって、視認性に優れた表示板が得られる。また表示板の表面に施した表面表示部15の形態は、反射表示時及び透過表示時のいずれにおいても変化することがなく、これによっても表示の見やすさ、あるいは表示品質が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よりなる表示板の反射表示時を示した説明図。
【図2】本発明よりなる表示板の薄暮時における表示状態を示した説明図。
【図3】本発明よりなる表示板の透過表示時を示した説明図。
【図4】本発明よりなる表示板の実施形態を示した断面説明図。
【図5】本発明よりなる表示板の他の実施形態の表示説明図。
【図6】従来の表示板の要部断面図。
【図7】従来の表示板による表示面を示した説明図。
【符号の説明】
10…計器表示板
11…透光性基板
12…透光表示部
13…遮光層
14…背景色層
15…表面表示部
16…照明灯
Claims (2)
- 合成樹脂等により形成された透光性基板(11)の前面に、文字、目盛等を形どった透光表示部(12)を除いて遮光層(13)を施し、その遮光層(13)及び透光表示部(12)の前面に、透光性であって、明度の高い背景色である背景色層(14)を施し、該背景色層(14)の前面に、上記背景色層(14)の明度に対してコントラストの高い色調の遮光性インクによって、上記透光表示部(12)の前面対応位置に、透光表示部(12)の輪郭形状よりも小なる相似形状の表面表示部(15)を印刷し、さらに遮光層(13)と背景色層(14)との色調を近似させたことを特徴とする自動車用照明付き表示板。
- 背景色層(14)の前面に印刷した表面表示部(15)の形状を上記透光表示部(12)の輪郭形状と同形となすと共に、その表面表示部(15)の印刷位置を透光表示部(12)に対してその文字太さ又は目盛太さの範囲内で位置をずらしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用照明付き表示板。
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