JP4019979B2 - 交流−交流電力変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサやリアクトル等の大形のエネルギーバッファを有することなく、半導体スイッチング素子を用いて多相の交流電圧から多相の交流電圧を出力する半導体電力変換装置に関し、特に、入力電流波形及び出力電圧波形の歪みを低減するようにした交流−交流電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特願2003−2903号として、この種の交流−交流電力変換装置を既に出願した。
この先願に係る交流−交流電力変換装置は、電源の多相交流電力を直流電力に変換するPWM整流器と、PWM整流器から直流リンク部を介して出力される直流電力を多相交流電力に変換するPWMインバータとを有し、かつ、直流リンク部に平滑用のフィルタを有しない交流−交流電力変換装置において、PWM整流器のスイッチングしている相のオンオフ期間の比を抽出するオンオフ比抽出手段と、前記オンオフ期間の比に基づき、PWM整流器のキャリアに対するPWMインバータのキャリアの位置を、PWM整流器の各相入力電流波形がほぼ正弦波になるように変化させた変形キャリアを発生する変形キャリア発生手段と、を備えたものである。
【0003】
要約すれば、上記電力変換装置においては、PWM整流器のスイッチングしている相のオンオフ比に合わせてPWMインバータのキャリア(三角波)のピーク位置を移動することによりキャリアの傾きをPWM整流器側とは異ならせ、このキャリアを電圧指令と比較してインバータ側のPWMパルスを得るものである。
ここで、直流リンク部にエネルギーバッファとしての平滑用のフィルタがない場合、インバータの出力電圧がゼロのときはインバータの入力電流(直流リンク部の電流)がゼロとなる。このため、PWM整流器側では、直流リンク部の電流をゼロにするために各相の入力電流波形が一部削られることになり、その結果、各相の入力電流波形に不平衡が生じる。
従って、インバータ側の制御ではゼロ電圧発生のタイミングが重要となり、入力電流波形の不平衡を防止するためには、ゼロ電圧の発生によって直流リンク部の電流がゼロとなる期間を、PWM整流器側の各相導通期間(PWMパルス)に対してほぼ同一の比率にする(直流リンク部の電流がゼロとなる期間をPWM整流器側のPWMパルスに対して均等に配置する)必要がある。
【0004】
ここで、図6は、上記先願におけるインバータ側のキャリアの発生原理を示している。
PWM整流器側の制御により、入力電流はR相とS相とに分配され、その合成電流がT相に流れている。このとき、インバータのゼロ電圧ベクトルによる直流リンク部電流idcのゼロ期間T0によって各相入力電流が削除される期間(図6の網掛け部分)は、R相の電流irについてもS相の電流isについても、それぞれが流れる期間に対してほぼ同一の比率になることが望ましい。
同時に、キャリア1周期中の直流リンク部電流idcの平均値を、R相の導通期間及びS相の導通期間で等しくする必要がある。
【0005】
そこで、図6の如く、インバータ側のキャリアのピーク位置を、PWM整流器のスイッチングしている相(R相)のオンオフ期間の比(R相とS相のオン期間の比)、つまり図6のT1,T2の比に応じて移動させることにより変形三角波とし、R相のオン期間T1及びオフ期間T2において、直流リンク部電流idcの平均値が一致するようにゼロ電圧期間T0の発生タイミングを制御する。
このとき、期間T1,T2の比は、ゼロ電流期間T0内の期間t1,t2の比と等しくなり、本来のR相導通期間T2に対する(ゼロ電流期間T0に起因した)R相入力電流波形の削除期間t2の比と、本来のS相導通期間T1に対する(ゼロ電流期間T0に起因した)S相入力電流波形の削除期間t1の比とが等しくなる。
つまり、直流リンク部電流idcのゼロ期間T0を、R相とS相の導通期間の比(T2,T1の比、すなわちt2,t1の比)に従って分割するピーク位置を持った変形三角波を発生させ、これをインバータ側のキャリアとして使用することにより、キャリア1周期内の各相の平均電流を一致させ、均等化することができる。
【0006】
変形三角波の具体的な作成方法としては、PWM整流器のスイッチング相であるR相のオンオフ比を抽出し、キャリアの正の傾きをT1に比例させ、キャリアの負の傾きをT2に比例させる。
他のS相,T相動作モードでも同様に、PWM整流器のスイッチング相のオンオフ期間に比例させて傾きを制御した変形三角波を発生させることで、各相電流が削除される期間をPWM整流器側の各相の導通期間に対してほぼ同一の比率にすることができ、各相入力電流波形のアンバランスを是正して入力電流波形をほぼ正弦波にすることができる。
【0007】
この結果、変形三角波ではキャリアの傾きが正負で異なってくるが、キャリア1周期内のPWMパルスはインバータ側の電圧指令vu *,vv *,vw *に応じたオンオフ比となり、キャリア1周期内の平均電圧は電圧指令vu *,vv *,vw *と一致するので、インバータ側でも所望の出力電圧を得ることができる。
【0008】
なお、先願である特願2003−2903号は本出願時点において未だ出願公開されていないが、この先願の新規性喪失の例外適用の対象となった文献として、下記の非特許文献1がある。
【0009】
【非特許文献1】
伊東淳一ほか2名,「仮想AC/DC/AC変換方式によるマトリックスコンバータの入出力波形改善法」,社団法人電気学会研究会資料(半導体電力変換・産業電力電気応用合同研究会),SPC−02−77〜96,IEA−02−18〜37,平成14年11月14日,p.75−80
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記先願に記載された電力変換装置では、インバータ側で正負の傾きが異なる変形三角波を使用してPWMパルスを発生させるため、図6に示すように、インバータ側のPWMパルスは、インバータ側のキャリアのピークに対しても整流器側のキャリアのピークに対しても、対称に分布しない。
この結果、例えば電力変換装置の出力電流(負荷電流)を指令値に一致させるように出力電圧指令を生成し、この出力電圧指令をキャリアと比較してインバータのPWMパルスを発生させるシステムでは、インバータ側のキャリアのピークまたは整流器側のキャリアのピークのタイミングで出力電流をサンプリングしても電流の平均値を検出することができず、検出電流値はリプルを含んだ値となる。そこで、電流検出器の出力側にフィルタを挿入してリプルを除去しようとすると、フィルタにより発生する検出遅れ時間のため、出力電流の制御性能が悪化するという問題があった。
【0011】
そこで本発明は、大形のエネルギーバッファとしてのフィルタを有しない交流−交流電力変換装置において、入力電流波形及び出力電圧波形に歪みのない正弦波を得ることにより、電源系統や電動機等の負荷に障害を与えず、しかも検出遅れなしに出力電流の検出を可能として電動機等の負荷の高性能な制御を実現する交流−交流電力変換装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、電源の多相交流電力を直流電力に変換するPWM整流器と、前記PWM整流器から直流リンク部を介して出力される直流電力を多相交流電力に変換するPWMインバータとを有し、かつ、前記直流リンク部に平滑用のフィルタを有しない交流−交流電力変換装置において、
前記PWM整流器のスイッチングしている相のオンオフ期間の比を抽出するオンオフ比抽出手段と、
前記PWM整流器のキャリアの増加期間・減少期間と前記オンオフ期間のうちのオン期間・オフ期間との組み合わせにより前記PWMインバータのキャリアの増加期間・減少期間を決定して前記PWM整流器のキャリアに対するピーク位置を変化させ、かつ、前記PWM整流器のキャリアのピーク位置に対して対称である三角波を、前記PWMインバータのキャリアとして発生する対称変形三角波発生手段と、を備えたものである。
【0013】
請求項2に記載した発明は、電源の多相交流電力を直流電力に変換する仮想的なPWM整流器と、前記PWM整流器から仮想的な直流リンク部を介して出力される直流電力を多相交流電力に変換する仮想的なPWMインバータとを有するマトリクスコンバータからなる交流−交流電力変換装置において、
前記PWM整流器のスイッチングしている相のオンオフ期間の比を抽出するオンオフ比抽出手段と、
前記PWM整流器のキャリアの増加期間・減少期間と前記オンオフ期間のうちのオン期間・オフ期間との組み合わせにより前記PWMインバータのキャリアの増加期間・減少期間を決定して前記PWM整流器のキャリアに対するピーク位置を変化させ、かつ、前記PWM整流器のキャリアのピーク位置に対して対称である三角波を、前記PWMインバータのキャリアとして発生する対称変形三角波発生手段と、を備えたものである。
【0014】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した交流−交流電力変換装置において、
前記PWM整流器(マトリクスコンバータにおける仮想のPWM整流器も含む)のキャリアのピークのタイミングで負荷電流をサンプリングする手段を備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示す構成図である。図1に示す主回路において、10は半導体交流スイッチ11〜16からなる電流形の三相PWM整流器(以下、単に整流器ともいう)、20は環流ダイオードを備えたIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等の半導体スイッチング素子21〜26からなる三相電圧形PWMインバータ(以下、単にインバータともいう)、R,S,Tは交流入力端子、U,V,Wは交流出力端子である。
【0016】
一方、PWM整流器10及びPWMインバータ20を制御する制御装置において、31は整流器10側の入力電流指令に基づいて台形波指令を発生する台形波指令発生手段、32は整流器10側のキャリア(三角波)を発生するキャリア発生手段、33は台形波指令とキャリアとを比較してPWMパルスを発生する比較手段、34は比較手段33からのPWMパルスに基づいて交流スイッチ11〜16を駆動するためのゲートパルスを発生するゲートパルス発生手段、35は上記PWMパルスから整流器10のスイッチングしている相のオンオフ比を抽出するオンオフ比抽出手段、41は前記オンオフ比と、整流器10側のキャリアとに基づいて、インバータ20側のキャリアのピークを移動させ、かつ、整流器10側のキャリアのピーク位置に対して対称なキャリアとしての対称変形三角波を発生する対称変形三角波発生手段、42は対称変形三角波とインバータ20側の出力電圧指令とを比較してPWMパルスを発生する比較手段、43は比較手段42からのPWMパルスに基づいてスイッチング素子21〜26を駆動するためのゲートパルスを発生するゲートパルス発生手段である。
なお、図1において、idc,edcは直流リンク部の電流、電圧を示す。
【0017】
図2は、インバータ20側のキャリアとして、前記発生手段41により出力される対称変形三角波を用いた場合の、整流器側PWMパルス(R相パルスのみを示す)及びインバータ側の各相PWMパルスの発生の様子を示している。
本実施形態では、整流器側キャリアのアップ/ダウン(大きさの増加/減少)とスイッチングしている相のオンオフ比に応じて、インバータ側キャリアのアップ/ダウンのパターンを切り替える。詳しくは、インバータ側キャリアのアップ/ダウンの期間の比は、整流器側のスイッチングしている相のPWMパルスのデューティ比に基づいて決定する。すなわち、表1に示す論理により、インバータ側キャリアのアップ/ダウンを決定する。
【0018】
【表1】
【0019】
表1に基づいてインバータ側キャリアを生成すると、図2に示すように、インバータ側キャリアは整流器側キャリアのピーク(山,谷)の位置を中心として対称な変形三角波になる。この結果、インバータ20側のPWMパルスは、整流器側キャリアのピーク位置を中心として対称になる。
従って、整流器側キャリアのピークのタイミングで電力変換装置の出力電流(負荷電流)をサンプリングすれば、電流検出部にリプルを除去するフィルタを設ける等の手段を講じなくても、負荷電流として平均値を時間遅れなく検出することができ、出力電流の制御を高精度に行うことができる。
【0020】
図1の実施形態において、オンオフ比抽出手段35は整流器10のスイッチングしている相(図2の例ではR相)のオンオフ比(図2におけるT1,T2の比)を検出し、このオンオフ比は対称変形三角波発生手段41に入力される。また、キャリア発生手段32から出力される整流器側キャリアも対称変形三角波発生手段41に入力される。
対称変形三角波発生手段41では、上記オンオフ比と整流器側キャリアのピークのタイミングとを用い、前記表1の論理に従って増減する図2のインバータ側キャリア(対称変形三角波)を作成し、出力する。
比較手段42では、このインバータ側キャリアと各相の出力電圧指令vu *,vv *,vw *とを比較し、U相、V相、W相のインバータ側PWMパルスを出力する。
【0021】
図3は、図1における対称変形三角波発生手段41の具体例をその周辺の構成要素と共に示したブロック図であり、図4は対称変形三角波発生手段41の動作説明図である。
ここでは、対称変形三角波発生手段41をディジタルハードウェアにより構成した例を示しているが、アナログ回路により構成することも可能であり、対称変形三角波をソフトウェアにより作成しても良い。
【0022】
図3において、411は排他的論理和(EX−OR)回路であり、整流器側キャリアのアップ/ダウン信号と整流器側のPWMパルスとに基づき、前述した表1の論理に従ってインバータ側キャリアのアップ/ダウン指令を出力する。ここで、整流器側キャリアのアップ信号は論理“1”、ダウン信号は論理“0”、整流器側PWMパルスのHighは論理“1”、Lowは論理“0”、インバータ側キャリアのアップ指令は論理“1”、ダウン指令は論理“0”に、それぞれ対応する。
【0023】
排他的論理和回路411から出力されるインバータ側キャリアのアップ/ダウン指令は、アップダウンカウンタ412に加えられている。このアップダウンカウンタ412は、整流器側キャリアのピーク(山,谷)のタイミングで発生するカウンタロード信号により、上記アップ/ダウン指令に従ってインバータ側キャリアのピーク値をアップカウントまたはダウンカウントし、そのカウント値をインバータ側キャリア(対称変形三角波)として出力する。
【0024】
アップダウンカウンタ412412のクロックは一定であり、アップカウントまたはダウンカウントする期間は、整流器側PWMパルスのデューティ比に依存する。従って、図4に示すように、整流器側PWMパルスのHigh,Lowに応じて、インバータ側キャリアのピーク値は異なってくる。
【0025】
そこで、あらかじめソフトウェアにより、元のインバータ出力電圧指令からインバータ側キャリアのピーク値に合わせて補正した電圧指令vanと電圧指令vbnとを演算し、それぞれ、電圧指令レジスタ422,423に書き込んでおく。そして、インバータ側キャリアのピーク値が整流器側PWMパルスのHigh,Lowに応じて変化するのに対応させて、比較器421により比較する電圧指令をセレクタ424により切り替えることとする。ここで、セレクタ424は、図3に示したように、整流器側PWMパルスに基づいて、インバータ側キャリアのピーク値が変化することを認識可能である。
従って、セレクタ424から出力される電圧指令は、図4に示す如く、整流器側PWMパルスがLow→High→Low→……と変化するにつれて電圧指令レジスタ422または423の出力を選択し、van−1→van→vbn→vbn+1→van+1→……と変化していく。
【0026】
このようにしてセレクタ424により選択された出力電圧指令とインバータ側キャリアとを比較器421にて比較することにより、インバータ20側のPWMパルスを得るものである。
なお、インバータ側キャリアのピーク値はソフトウェアにより演算し、求めたピーク値をカウンタロード信号により整流器側キャリアの山,谷のタイミングでアップダウンカウンタ412へロードする。
【0027】
次に、図5は本発明の第2実施形態を示す構成図であり、この実施形態では主回路の電力変換器としてマトリクスコンバータ50を用いている。このマトリクスコンバータ50は、入力端子R,S,Tと出力端子U,V,Wとの間に双方向スイッチ51〜59を接続して構成されており、各スイッチ51〜59は、例えばIGBT等の2個の半導体スイッチング素子を逆方向に直列接続すると共に、各スイッチング素子に環流ダイオードをそれぞれ逆並列に接続して構成される。
また、制御装置の構成は図1と実質的に同様であり、図1におけるゲートパルス発生手段34,43に代えてPWMパルス合成手段60が設けられ、その出力パルスが双方向スイッチ51〜59に与えられている。
【0028】
マトリクスコンバータ50の制御に当たっては、図1におけるPWM整流器10、PWMインバータ20と同様な構成のPWM整流器、PWMインバータをマトリクスコンバータ50内に仮想し、これらの仮想整流器及び仮想インバータに対するPWMパルス(スイッチング関数)を合成手段60により合成してマトリクスコンバータ50を制御する方法が知られている(例えば、「マトリクスコンバータにおける入出力無効電力の非干渉制御法」,伊藤里絵・高橋勲,電気学会半導体電力変換研究会SPC-01-121,IEA-01-64を参照)。
【0029】
すなわち、マトリクスコンバータ50の電力変換動作は、以下の数式1によって表される。なお、数式1において、vu,vv,vwは出力相電圧、vr,vs,vtは入力相電圧、S51〜S59は双方向スイッチ51〜59のスイッチング関数である。
【0030】
【数1】
【0031】
また、上記スイッチング関数S51〜S59は、仮想整流器側のスイッチング関数及び仮想インバータ側のスイッチング関数を用いて、数式2のように表すことができる。
【0032】
【数2】
【0033】
従って、本実施形態では、図5における比較手段33からのPWMパルスに基づく仮想整流器側のスイッチング関数と、対称変形三角波を用いた比較手段42からのPWMパルスに基づく仮想インバータ側のスイッチング関数とを用いてPWMパルス合成手段60が数式2によりスイッチング関数を演算し、このスイッチング関数に従って双方向スイッチ51〜59をオンオフ制御すればよい。
この場合、仮想整流器側の動作は、電源短絡を許容しないため電流形のPWM整流器と等価な動作となる。
【0034】
この実施形態では、マトリクスコンバータ50内の仮想整流器のスイッチングしている相のオンオフ比に基づき、対称変形三角波発生手段41が、仮想整流器キャリアに対してピーク位置を変化させ、かつ、仮想整流器側キャリアのピーク位置に対して対称である対称変形三角波を発生させ、比較手段42が、この変形三角波と各相の出力電圧指令とを比較することにより、仮想直流リンク部電流がゼロである期間を各相電流に対して均等に配置するようなインバータ側のPWMパルスを発生させる。
仮想整流器側のPWMパルスの発生動作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0035】
なお、本発明は、各実施形態で説明した三相以外の多相交流の相互変換にも適用可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、大形のエネルギーバッファを有しない交流−交流電力変換装置において、入力電流波形及び出力電圧波形に歪みのない正弦波を得ることにより、電源系統や電動機等の負荷に障害を与えず、小形かつ長寿命の電力変換装置を提供することができる。
特に、整流器キャリアのピークのタイミングで負荷電流を検出すれば、検出遅れなしに負荷流の平均値を検出可能であり、高精度な電流制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】第1実施形態の動作説明図である。
【図3】図1における対称変形三角波発生手段の具体例を示すブロック図である。
【図4】図3の動作説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図6】先願のPWMパルス発生方法の説明図である。
【符号の説明】
10:PWM整流器
11〜16:半導体交流スイッチ
20:PWMインバータ
21〜26:半導体スイッチング素子
31:台形波指令発生手段
32:キャリア発生手段
33,42:比較手段
34,43:ゲートパルス発生手段
35:オンオフ比抽出手段
41:対称変形三角波発生手段
411:排他的論理和回路
412:アップダウンカウンタ
421:比較器
422,423:電圧指令レジスタ
424:セレクタ
50:マトリクスコンバータ
51〜59:双方向スイッチ
60:PWMパルス合成手段
R,S,T:交流入力端子
U,V,W:交流出力端子
Claims (3)
- 電源の多相交流電力を直流電力に変換するPWM整流器と、前記PWM整流器から直流リンク部を介して出力される直流電力を多相交流電力に変換するPWMインバータとを有し、かつ、前記直流リンク部に平滑用のフィルタを有しない交流−交流電力変換装置において、
前記PWM整流器のスイッチングしている相のオンオフ期間の比を抽出するオンオフ比抽出手段と、
前記PWM整流器のキャリアの増加期間・減少期間と前記オンオフ期間のうちのオン期間・オフ期間との組み合わせにより前記PWMインバータのキャリアの増加期間・減少期間を決定して前記PWM整流器のキャリアに対するピーク位置を変化させ、かつ、前記PWM整流器のキャリアのピーク位置に対して対称である三角波を、前記PWMインバータのキャリアとして発生する対称変形三角波発生手段と、
を備えたことを特徴とする交流−交流電力変換装置。 - 電源の多相交流電力を直流電力に変換する仮想的なPWM整流器と、前記PWM整流器から仮想的な直流リンク部を介して出力される直流電力を多相交流電力に変換する仮想的なPWMインバータとを有するマトリクスコンバータからなる交流−交流電力変換装置において、
前記PWM整流器のスイッチングしている相のオンオフ期間の比を抽出するオンオフ比抽出手段と、
前記PWM整流器のキャリアの増加期間・減少期間と前記オンオフ期間のうちのオン期間・オフ期間との組み合わせにより前記PWMインバータのキャリアの増加期間・減少期間を決定して前記PWM整流器のキャリアに対するピーク位置を変化させ、かつ、前記PWM整流器のキャリアのピーク位置に対して対称である三角波を、前記PWMインバータのキャリアとして発生する対称変形三角波発生手段と、
を備えたことを特徴とする交流−交流電力変換装置。 - 請求項1または2に記載した交流−交流電力変換装置において、
前記PWM整流器のキャリアのピークのタイミングで負荷電流をサンプリングする手段を備えたことを特徴とする交流−交流電力変換装置。
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