JP4059083B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体スイッチング素子を用いて多相交流電圧を出力する可変交流電圧源としての電力変換装置に関し、特に、スイッチング素子の変調方法に特徴を有する電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、多相交流電圧を出力する従来の可変交流電圧源として、直流−交流変換を行うインバータを用いた電力変換装置を示している。この例は、多相として最も一般的な三相の例である。
図5において、10は直流電源、20は三相電圧形インバータ、21〜26は環流ダイオードが逆並列接続されたIGBT等からなる半導体スイッチング素子、U,V,Wは交流出力端子、30はインバータ20の出力電圧指令vが入力される2アーム変調手段、40は2アーム変調手段30から出力される電圧指令からスイッチング素子21〜26に対するゲートパルスを生成するインバータPWM発生手段である。
【0003】
なお、2アーム変調方式は、周知のように、一周期のうち特定区間は1アームの電圧を固定して他の2アームのみを変調する変調方式であり、各相の電位をひずませながら線間電圧が所望の波形になるように制御するものである。
【0004】
上記構成において、インバータ20による直流−交流変換により所望の交流出力電圧(直流電圧edcの1/2の値を基準とする相電圧v,v,v)を得る場合、インバータ20の出力電圧v,v,vと出力電圧指令v ,v ,v との関係は、数式1のようになる。
【0005】
【数1】
Figure 0004059083
【0006】
一方、線間電圧vuv,vvw,vwuは、数式2となる。
【0007】
【数2】
Figure 0004059083
【0008】
このとき、出力電圧指令v ,v ,v として三相対称正弦波を用いた場合、線間電圧の大きさは、最大で(√3/2)edcになることは明らかである。
一方、線間電圧は各相電圧指令の引き算から求められるので、数式3に示す如く、出力電圧指令vout **として相電圧指令vにゼロ相分電圧vが重畳されていても、このゼロ相分電圧vは線間電圧に現れない。
【0009】
【数3】
Figure 0004059083
【0010】
そこで、ゼロ相分電圧vを重畳することによりスイッチング素子に120°の休止期間を設けることができる。
2アーム変調時のゼロ相分電圧指令v は、数式4によって表される。
【0011】
【数4】
Figure 0004059083
【0012】
図5の従来技術では、2アーム変調手段30により、数式3,数式4に基づきゼロ相分電圧指令v をインバータの出力電圧指令vに重畳して各相の電圧指令を生成するが、インバータ20の各相スイッチング素子に対して120°の休止期間を設けている。この2アーム変調手段30から出力される電圧指令をキャリア比較方式等のインバータPWMパルス発生手段40に入力し、三相のPWMパルスを得てインバータ20を制御している。
【0013】
2アーム変調方式では、三相対称正弦波による電圧指令に比べ、インバータのスイッチング損失を2/3に低減することができる。また、出力線間電圧の最大値を直流電圧edcと等しくすることができる。
一方、上記2アーム変調に代えて、インバータの電圧指令を120°導通の台形波にすることで、スイッチング素子に対する休止期間を240°に拡大することができ、このとき、インバータのスイッチング損失は三相対称正弦波による電圧指令に比べて1/3となる。この台形波の電圧指令v**は、数式5により求められる。
【0014】
【数5】
Figure 0004059083
【0015】
なお、 図5のように2アーム変調される電圧形PWM制御インバータについては、以下の特許文献1,2に記載され、また、電圧形PWM制御インバータにおける台形波変調は、以下の特許文献3に記載されている。
【0016】
【特許文献1】
特許第3248301号公報(請求項1,図1等)
【特許文献2】
特開平6−233546号公報(請求項1等)
【特許文献3】
特開2002−64985号公報([0006],図11等)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
インバータを高効率化する観点から考えれば、インバータのスイッチング休止期間を長くしてスイッチング損失を極力低減することが望ましい。従って、2アーム変調よりも、120°導通の台形波を電圧指令として使用する台形波変調の方が、損失低減の観点からは望ましい。しかし、120°導通台形波変調では、出力線間電圧に歪みが発生する。
【0018】
図6は、120°導通台形波変調における電圧波形を表している。なお、電圧の大きさは単位法表示してある。
キャリアと比較する台形波の電圧指令が1または−1のとき、該当する相はスイッチングしておらず、オンまたはオフ状態を保持している。すなわち、各相ごとに正負の120°でスイッチングを休止している期間がある。しかし、電圧指令が台形波のため、線間電圧は同様に台形波となり、歪みが発生している。このような出力電圧の歪みは、電動機が負荷の場合、電動機トルクに振動を発生させ、また、損失増加の原因となる。
【0019】
そこで本発明は、スイッチング損失を低減するためにスイッチング状態に一定の休止期間を設ける120°導通台形波変調等を用いた場合の出力線間電圧の歪みを低減し、負荷が電動機の場合にもトルク振動や損失増加を生じることがない電力変換装置を提供しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、直流電圧制御手段により制御される直流電圧を多相の交流電圧に変換する電圧形インバータを備え、このインバータの各相に対しそのスイッチング状態を保持する休止期間を設けて制御するようにした電力変換装置において、
インバータに対する元の出力電圧指令から出力線間電圧指令を得て、その全波整流波形に含まれるリプル電圧指令を得るリプル電圧指令発生手段と、
前記リプル電圧指令と元の出力電圧指令とを用いてインバータに対する最終的な出力電圧指令を生成する手段と、を備え、
前記直流電圧制御手段、前記リプル電圧指令に従ってリプルを重畳させた直流電圧を出力するように制御するものである。
【0021】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した電力変換装置において、
インバータに対する最終的な出力電圧指令を生成する手段を、台形波の出力電圧指令を生成する台形波変調手段により構成し、この台形波の出力電圧指令をキャリアと比較してインバータのPWMパルスを得るインバータPWM発生手段を備えたものである。
【0022】
請求項3に記載した発明は、多相交流電圧を仮想整流器及び仮想インバータにより多相交流電圧に変換するマトリクスコンバータを備え、仮想整流器制御手段及び仮想インバータ制御手段からそれぞれ出力される仮想整流器及び仮想インバータのPWMパルスを合成してマトリクスコンバータに与える電力変換装置であって、
前記仮想整流器制御手段が、仮想整流器の各相に対しそのスイッチング状態を保持する休止期間を設けて制御するようにした電力変換装置において、
前記仮想整流器制御手段は、
仮想整流器に対する元の入力電流指令の全波整流波形に含まれるリプル電流指令を得るリプル電流指令発生手段と、
前記リプル電流指令と元の入力電流指令とを用いて仮想整流器に対する最終的な入力電流指令を生成する手段と、を備え、
前記仮想インバータ制御手段、前記リプル電流指令に従ってリプルを重畳させた仮想直流リンク電流をマトリクスコンバータの仮想直流リンク部に流すように、出力電圧指令を前記リプル電流指令により補正して仮想インバータを制御するものである。
【0023】
請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した電力変換装置において、
前記仮想整流器制御手段は、仮想整流器に対する最終的な入力電流指令を生成する手段として、台形波の入力電流指令を生成する台形波変調手段を備え、かつ、前記台形波の入力電流指令をキャリアと比較して仮想整流器のPWMパルスを得る整流器PWM発生手段を備えたものである。
【0024】
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した電力変換装置において、
前記仮想インバータ制御手段は、仮想インバータに対する元の出力電圧指令を前記リプル電流指令により補正して最終的な出力電圧指令を得る出力電圧補正手段と、この出力電圧指令をキャリアと比較して仮想インバータのPWMパルスを得るインバータPWM発生手段と、を備えたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を設明する。
まず、図1は本発明の第1実施形態を示すもので、図5と同一の構成要素には同一の参照符号を付して説明を省略し、以下では異なる部分を中心に説明する。この実施形態は、請求項1,2に記載した発明に相当する。
【0026】
図1に示すように、直流電源10に接続されて直流電圧の大きさを制御可能とした直流電圧制御手段11が設けられ、その直流出力電圧edcが三相電圧形インバータ20の直流側に加えられている。ここで、直流電圧制御手段11としては、図1のように電源が直流の場合はDCチョッパを用いても良く、また、電源が交流の場合はPWM整流器を用いてもよい。
【0027】
また、インバータ20に対する元の出力電圧指令vから出力線間電圧指令を得て、この線間電圧指令を全波整流した波形を得るリプル電圧指令発生手段52と、インバータ20の各スイッチング素子のスイッチングに120°の導通期間(240°の休止期間)を設けるような各相電圧指令を生成する120°導通台形波変調手段51と、この変調手段51から出力される各相電圧指令を三角波等のキャリアと比較してインバータ20の各スイッチング素子に対するPWMパルスを生成するインバータPWM発生手段40とが設けられる。
【0028】
以下に、本実施形態により120°導通台形波変調を行った場合でも、出力線間電圧に歪みのない正弦波が得られる原理について説明する。
まず、表1は、120°導通台形波変調時に、三角波と比較される台形波の電圧指令v**を60°区間ごとに(区間I〜VI)表したものであり、[ ]は転置行列を示す。
【0029】
【表1】
Figure 0004059083
【0030】
この場合、例えば区間Iにおいて、線間電圧は数式6となる。
【0031】
【数6】
Figure 0004059083
【0032】
区間Iではvtrが固定となるので、線間電圧を正弦波とするためには、この期間で、edc=√3cos(θ+π/6)とすればよい。また、このようにedcを変化させても他の相が歪まないようにするためには、他相の電圧指令をedcで除算しておけばよい。このとき、電圧指令の補正係数kを導入することにより、線間電圧は数式7となる。
【0033】
【数7】
Figure 0004059083
【0034】
数式7にedc=√3cos(θ+π/6)を代入し、線間電圧が√3cos(θ+π/6)に対して対称三相交流となるようなkを求めると、k=3/2となる。他区間II〜VIについても同様に、k=3/2のときに線間電圧に対称正弦波交流が得られる。
従って、直流リンク電圧が数式8で与えられるとき、120°通電台形波変調の際の電圧指令v***を数式9で与えることにより、線間電圧を対称正弦波交流波形とすることができる。
【0035】
【数8】
Figure 0004059083
【0036】
【数9】
Figure 0004059083
【0037】
図2は、本実施形態における各相の電圧指令、キャリアと比較する台形波電圧指令、直流リンク電圧、インバータ中点電位を基準とした相電圧、これらから生成される線間電圧の各波形を示している。
上記のように、図1のリプル電圧指令発生手段52により発生させたリプル電圧指令に従って直流リンク電圧edcにリプルを重畳することにより図2のように変化させることで、120°導通台形波変調時でも、線間電圧として正弦波電圧を得られることが確認できる。
【0038】
図1では、リプル電圧指令発生手段52により、インバータ20の線間電圧指令を全波整流した波形(max(|C|)に含まれるリプル電圧指令を発生させ、このリプル電圧指令に基づき、直流電圧制御手段11の出力電圧、すなわち直流リンク電圧edcを制御する。
また、120°導通台形波変調手段51は、数式9により、リプル電圧指令発生手段52の出力(上述のmax(|C|に相当)と元の出力電圧指令vとを用いてキャリアと比較される最終的な電圧指令v***を生成し、インバータPWM発生手段40を介してインバータ20を制御する。
【0039】
なお、交流/直流変換のPWM整流器はインバータとエネルギーフローが異なるだけなので、本発明は図1に示したような直流/交流変換のインバータ20だけでなく、交流/直流変換のPWM整流器にも適用することができる。
【0040】
次に、図3は本発明の第2実施形態を示しており、請求項3〜5に記載した発明に相当する。この実施形態では、電力変換装置としてマトリクスコンバータ90を用いている。
このマトリクスコンバータ90は、入力端子R,S,Tと出力端子U,V,Wとの間に双方向スイッチ91〜99を接続して構成されており、各スイッチ91〜99は、例えばIGBT等の2個の半導体スイッチング素子を逆方向に直列接続すると共に、各スイッチング素子に環流ダイオードをそれぞれ逆並列に接続して構成される。
【0041】
上記マトリクスコンバータ90の制御に当たっては、図4に示すような仮想的な交流−直流変換器(仮想整流器)100及び仮想的な直流−交流変換器(仮想インバータ)200を想定し、これらの仮想整流器及び仮想インバータに対するPWMパルス(スイッチング関数)を図3のPWMパルス合成手段80により合成して制御する方法が知られている(例えば、「マトリクスコンバータにおける入出力無効電力の非干渉制御法」,伊藤里絵・高橋勲,電気学会半導体電力変換研究会SPC-01-121,IEA-01-64を参照)。
【0042】
この場合、仮想整流器側の動作は、電源短絡を許容しないため電流形整流器と等価な動作となり、電流形整流器の制御パルスは、電圧形インバータとの双対性により得られる(例えば、「電流形三相インバータ・コンバータの三角波比較方式PWM制御」,竹下隆晴・外山浩司・松井信行,電気学会論文誌D,116巻1号,平成8年,p106〜p107を参照)。
従って、仮想整流器を対象として、第1実施形態における電圧形インバータ20に対する120°導通台形波変調を電圧/電流の双対性を考慮して適用することができる。
【0043】
ここで、マトリクスコンバータ90の電力変換動作は、以下の数式10によって表される。なお、数式10において、v,v,vは出力相電圧、v,v,vは入力相電圧、S91〜S99は双方向スイッチ91〜99のスイッチング関数である。
【0044】
【数10】
Figure 0004059083
【0045】
また、上記スイッチング関数S91〜S99は、仮想整流器側のスイッチング関数及び仮想インバータ側のスイッチング関数を用いて、数式11のように表すことができる。
【0046】
【数11】
Figure 0004059083
【0047】
図3におけるマトリクスコンバータ90の制御回路は、仮想整流器制御手段60及び仮想インバータ制御手段70と、これらから出力されるPWMパルスを合成するPWMパルス合成手段80とから構成されている。
PWMパルス合成手段80は、仮想整流器制御手段60からのスイッチング関数と仮想インバータ制御手段70からのスイッチング関数とを用いて数式11によりスイッチング関数を演算し、このスイッチング関数に従って双方向スイッチ91〜99をオンオフ制御する。
【0048】
ここで、仮想整流器制御手段60は、元の入力電流指令iが入力されるリプル電流指令発生手段61と、入力電流指令i及び後述するリプル電流指令irip が入力される120°導通台形波変調手段62と、その出力である最終的な電流指令i***が入力されて仮想整流器側のPWMパルスを発生する整流器PWM発生手段63とからなり、また、仮想インバータ制御手段70は、リプル電流指令irip 及び仮想インバータの元の出力電圧指令v outが入力される出力電圧補正手段71と、補正された出力電圧指令v** outが入力されてキャリアとの比較により仮想インバータ側のPWMパルスを発生するインバータPWM発生手段72とから構成されている。
【0049】
この実施形態では、マトリクスコンバータ90の仮想直流リンク電流に入力電流指令iに応じたリプルを重畳することで、仮想整流器の制御に120°導通台形波変調を用いた場合でも入力電流に歪みのない正弦波を得ることができる。
【0050】
仮想整流器制御手段60側の動作としては、リプル電流指令発生手段61が入力電流指令iに基づいてリプル電流指令を発生すると共に、このリプル電流指令に基づいて、120°導通台形波変調手段62が仮想整流器のスイッチングに240°の休止期間を設けた120°導通形の台形波電流指令を生成する。
そして、この最終的な電流指令i***を整流器PWM発生手段63に入力してキャリアと比較することにより、仮想整流器側の各スイッチング素子に対するPWMパルスを得る。
この第2実施形態における各部の働きを第1実施形態と対応させると、第1実施形態における直流リンク電圧が第2実施形態の仮想直流リンク電流に対応し、同じく出力電圧指令が入力電流指令に対応し、出力線間電圧が入力電流に対応する。
【0051】
ここで、仮想直流リンク電流に重畳するためのリプルを発生する直流リンク電流リプル発生手段としては、仮想インバータ制御手段70を用いることができる。
以下に、この原理を説明する。
【0052】
入力電流指令を、
[i
[cosθ cos(θ−2π/3) cos(θ−4π/3)]
とすれば、整流器PWM発生手段63においてキャリアと比較される電流指令i***は、電圧形と電流形との双対性から、数式9に対応して数式12となる。また、負荷電流のピーク値をI、負荷力率をcosφ、仮想インバータの変調率をλとすると、仮想直流リンク電流は数式13となる。
【0053】
【数12】
Figure 0004059083
【0054】
【数13】
Figure 0004059083
【0055】
ここで、数式13は瞬時値(スイッチング一周期あたりの平均電流)を示している。また、入力電流のピーク値Iは、数式14となる。
【0056】
【数14】
Figure 0004059083
【0057】
入力電圧が三相対称正弦波であり、入力電流も三相対称正弦波であれば、入力電力は一定であるので、入力力率をcosψとすれば、仮想の直流リンク電圧の瞬時値(スイッチング一周期あたりの平均値)は数式15となる。
【0058】
【数15】
Figure 0004059083
【0059】
すなわち、仮想整流器制御手段60側では、入力電流指令iからキャリアと比較する波形を数式12から得ることにより、直流リンク電圧は1/irip のリプルを含む。このとき、仮想インバータ側の瞬時電力が一定になるように制御すれば、直流リンク電流は数式13のように変化し、120°導通台形波変調を用いて正弦波電流を得ることができる。
インバータは、瞬時電力が一定になるように制御する必要がある。従って、仮想インバータの元の出力電圧指令を、
out =λ[cosθout cos(θout−2π/3) cos(θout−4π/3)]
とすれば、瞬時電力を一定にするために出力電圧指令をリプル電流指令irip によって補正する必要があり、補正した出力電圧指令vout **は数式16となる。
【0060】
【数16】
Figure 0004059083
【0061】
図3の出力電圧補正手段71は、仮想インバータに対する元の出力電圧指令vout を数式16に基づき補正して補正後の出力電圧指令vout **を得ると共に、この出力電圧指令vout **に基づき、インバータPWM発生手段72が仮想インバータのPWMパルスを生成する。
この結果、リプル電流指令irip に従ったリプル分を含む数式13の仮想直流リンク電流がマトリクスコンバータ90に流れ、仮想整流器側の制御に120°導通台形波変調を用いた場合でも入力電流波形として歪みのない正弦波が得られる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、直流リンク電圧または仮想直流リンク電流に出力電圧指令または入力電流指令に応じたリプルを重畳することにより、120°導通台形波変調等の変調方式を用いた場合でも、出力電圧や入力電流に歪みのない正弦波を得ることができる。これにより、例えば対称三相電圧指令を用いる変調方式に比べてインバータのスイッチング損失を1/3に低減できると共に、出力電圧波形や入力電流波形に歪みが発生しないため、負荷が電動機の場合にも不要なトルク振動や損失増加が生じず、また、電力系統に悪影響を与えることがない電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】第1実施形態の動作を示す波形図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図4】マトリクスコンバータと等価な交流−直流−交流変換器の構成図である。
【図5】従来技術を示す構成図である。
【図6】従来技術の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
10:直流電源
11:直流電圧制御手段
20:三相電圧形インバータ
21〜26:半導体スイッチング素子
40:インバータPWM発生手段
51:120°導通台形波変調手段
52:リプル電圧指令発生手段
60:仮想整流器制御手段
61:リプル電流指令発生手段
62:120°導通台形波変調手段
63:整流器PWM発生手段
70:仮想インバータ制御手段
71:出力電圧補正手段
72:インバータPWM発生手段
80:PWMパルス合成手段
90:マトリクスコンバータ
91〜99:双方向スイッチ
100:交流−直流変換器(仮想整流器)
200:直流−交流変換器(仮想インバータ)

Claims (5)

  1. 直流電圧制御手段により制御される直流電圧を多相の交流電圧に変換する電圧形インバータを備え、このインバータの各相に対しそのスイッチング状態を保持する休止期間を設けて制御するようにした電力変換装置において、
    インバータに対する元の出力電圧指令から出力線間電圧指令を得て、その全波整流波形に含まれるリプル電圧指令を得るリプル電圧指令発生手段と、
    前記リプル電圧指令と元の出力電圧指令とを用いてインバータに対する最終的な出力電圧指令を生成する手段と、を備え、
    前記直流電圧制御手段、前記リプル電圧指令に従ってリプルを重畳させた直流電圧を出力するように制御することを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載した電力変換装置において、
    インバータに対する最終的な出力電圧指令を生成する手段を、台形波の出力電圧指令を生成する台形波変調手段により構成し、
    この台形波の出力電圧指令をキャリアと比較してインバータのPWMパルスを得るインバータPWM発生手段を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  3. 多相交流電圧を仮想整流器及び仮想インバータにより多相交流電圧に変換するマトリクスコンバータを備え、仮想整流器制御手段及び仮想インバータ制御手段からそれぞれ出力される仮想整流器及び仮想インバータのPWMパルスを合成してマトリクスコンバータに与える電力変換装置であって、
    前記仮想整流器制御手段が、仮想整流器の各相に対しそのスイッチング状態を保持する休止期間を設けて制御するようにした電力変換装置において、
    前記仮想整流器制御手段は、
    仮想整流器に対する元の入力電流指令の全波整流波形に含まれるリプル電流指令を得るリプル電流指令発生手段と、
    前記リプル電流指令と元の入力電流指令とを用いて仮想整流器に対する最終的な入力電流指令を生成する手段と、を備え、
    前記仮想インバータ制御手段、前記リプル電流指令に従ってリプルを重畳させた仮想直流リンク電流をマトリクスコンバータの仮想直流リンク部に流すように、出力電圧指令を前記リプル電流指令により補正して仮想インバータを制御することを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3に記載した電力変換装置において、
    前記仮想整流器制御手段は、
    仮想整流器に対する最終的な入力電流指令を生成する手段として、台形波の入力電流指令を生成する台形波変調手段を備え、かつ、前記台形波の入力電流指令をキャリアと比較して仮想整流器のPWMパルスを得る整流器PWM発生手段を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項4に記載した電力変換装置において、
    前記仮想インバータ制御手段は、
    仮想インバータに対する元の出力電圧指令を前記リプル電流指令により補正して最終的な出力電圧指令を得る出力電圧補正手段と、この出力電圧指令をキャリアと比較して仮想インバータのPWMパルスを得るインバータPWM発生手段と、を備えたことを特徴とする電力変換装置。
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