JP3901390B2 - 凝集沈澱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原水中の懸濁物質を凝集沈澱により汚泥と処理水とに分離する凝集沈澱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原水中に懸濁している物質(以下、SS[Suspended Solid] と称することもある。)を沈澱により分離除去する装置が知られている。従来の原水中のSSを除去するための凝集沈澱装置として、原水に単に凝集剤を添加して凝集物を沈澱させ、凝集物を汚泥として引き抜くとともに上部から処理水を導出するようにした装置はよく知られている。
【0003】
このような一般的な凝集沈澱装置では、凝集物の沈澱に長時間を要し、沈澱槽としても極めて大型のものが要求されることから、より効率よく凝集沈澱を行わせるようにした凝集沈澱装置が提案されている。
【0004】
たとえばフランス特許第1411792号には、凝集槽において、原水に凝集剤とともに、粒径10〜200μm程度の粒状物(代表的には、砂)を添加し、凝集槽内を攪拌して、原水中のSSを比重の大きい粒状物を含んだ比較的大きなフロックとして凝集させ、沈澱槽において凝集槽から導入された被処理水中のフロックを沈澱させて処理水と分離する凝集沈澱装置が開示されている。沈澱槽から引き抜かれた沈澱フロックは、サイクロン等の分離器により汚泥と粒状物とに分離され、分離された粒状物は凝集槽に戻されて循環使用される。
【0005】
ところが現実には、凝集槽内における攪拌により、フロックを次の沈澱工程における最適な大きさや比重にまで成長させることが困難で、迅速かつ分離効率のよい沈澱を実現させるだけの状態にすることが困難であった。したがって、現実の運転においては、沈澱槽における水処理の線速度は6〜8m/h程度しか達成できず、より高流速の線速度の達成は困難であるというのが実情であった。
【0006】
このような実情に対し、特許第2634230号公報には、凝集槽と沈澱槽との間にさらに攪拌機を備えた中間槽を設けることにより、高流速の線速度での処理を可能とした凝集沈澱装置が開示されている。
【0007】
この凝集沈澱装置は、たとえば図6に示すように構成されており、原水101にたとえば無機凝集剤102と高分子凝集剤103とともに粒状物としての砂104が添加され、凝集槽105内で攪拌機106で攪拌されつつ原水中のSSが凝集され、被処理水が中間槽107に導入されて、さらに攪拌機108で攪拌されつつ、フロックの成長がより助長されるようになっている。成長した砂含有のフロックを含む被処理水が沈澱槽109に導入されるので、フロックはより効率よく迅速に沈澱し、より短時間で処理水110と分離できるようになる。沈澱槽109の底部に沈澱したフロックは汚泥引抜ポンプ111により引き抜かれ、サイクロン等からなる分離器112によって汚泥113と砂104とに分離され、分離された砂104が凝集槽105に戻されて循環使用されるようになっている。特許第2634230号公報によると、この凝集沈澱装置により、線速度が30〜60m/h、さらには90m/hという高流速での処理が可能になると記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許第2634230号に提案されている装置においては、凝集槽105と沈澱槽109の間に攪拌を伴う中間槽107を設ける必要があるので、その分、設備費、電力量、設置面積の増大を招くことになっている。
【0009】
また、上記特許においては、沈澱槽109に至るまでに凝集フロックを大きく成長させるために、攪拌機106、108、とくに中間槽107の攪拌機108を、一般的な攪拌強度よりも大きなG値で攪拌、駆動せねばならず、そのために電力費がかさむという問題もある。
【0010】
そこで本発明の課題は、上記のような中間槽を設けることなく、沈澱槽における処理の線速度が30〜100m/hという高速処理を可能とし、かつ、弱い攪拌強度で、つまり少ない攪拌動力で効果的に沈澱に適した大きさのフロックまで凝集させることができる、より安価でしかも設置面積も小さくて済む凝集沈澱装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の凝集沈澱装置は、原水中の懸濁物質を凝集剤と粒状物の添加および攪拌によりフロックとして凝集させる凝集槽と、凝集槽の越流ぜきを通して導入される被処理水中のフロックを沈澱させ処理水とフロックとに分離する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置において、凝集槽内における攪拌機の攪拌翼と越流ぜきとの間に、水の共廻り係数が0.7以下の緩流凝集ゾーンを形成するとともに、攪拌翼の上方に整流板を設けたことを特徴とするものからなる。ここで、水の共廻り係数=水の水平方向回転数/攪拌翼回転数である。
【0012】
また、本発明に係る凝集沈澱装置は、原水中の懸濁物質を凝集剤と粒状物の添加および攪拌によりフロックとして凝集させる凝集槽と、凝集槽の越流ぜきを通して導入される被処理水中のフロックを沈澱させ処理水とフロックとに分離する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置において、凝集槽内における攪拌機の攪拌翼と越流ぜきとの間に、上昇流速が30〜100m/hの緩流凝集ゾーンを形成するとともに、攪拌翼の上方に整流板を設けたことを特徴とするものからなる。
【0013】
さらに、本発明に係る凝集沈澱装置は、原水中の懸濁物質を凝集剤と粒状物の添加および攪拌によりフロックとして凝集させる凝集槽と、凝集槽の越流ぜきを通して導入される被処理水中のフロックを沈澱させ処理水とフロックとに分離する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置において、凝集槽内における攪拌機の攪拌翼と越流ぜきとの間に、水の共廻り係数が0.7以下で、かつ、上昇流速が30〜100m/hの緩流凝集ゾーンを形成するとともに、攪拌翼の上方に整流板を設けたことを特徴とするものからなる。ここで、水の共廻り係数=水の水平方向回転数/攪拌翼回転数である。
【0014】
上記のような緩流凝集ゾーンは、凝集槽内における攪拌翼と越流ぜきとの間において、高さ0.5m以上形成されていることが好ましい。高さ0.5m以上とすることにより、好ましい大きさの凝集フロックがより安定して形成される。
【0015】
攪拌翼の形状については特に限定しない。一般的にフロック形成に用いられている門型翼でもよいが、プロペラ式またはパドル式の攪拌翼に構成すると、より緩流凝集ゾーンを形成しやすいので、より好ましい。
【0016】
攪拌翼の回転数も特に限定されず、たとえば30〜200rpmの範囲を採用できる。とくに、上方に緩流凝集ゾーンを形成しつつ、攪拌翼部分における所定の攪拌効果も維持するためには、60〜150rpmの範囲の回転数がより好ましい。
【0017】
本発明における緩流凝集ゾーンは、凝集槽内に格別な手段を設けることなく形成可能であるが、攪拌翼の上方に整流板を設けておくと、より形成しやすくなる。したがって、本発明では、前述の如く、緩流凝集ゾーンが形成されるとともに、攪拌翼の上方に整流板が設けられる構成としている。
【0018】
粒状物としては、代表的には砂を使用することができ、とくに粒径を揃えたものが好ましい。また、凝集剤としては、通常、無機凝集剤と高分子凝集剤を使用することができる。無機凝集剤は、原水中の懸濁物質を効率よく凝集させることができ、高分子凝集剤は、無機凝集剤によって生成した微細な凝集フロックをさらにポリマーを絡めてより大きなフロックへと成長させる。この成長したフロック内に、比重の大きい砂等からなる粒状物が混在し、全体として比重(密度)の大きい沈澱しやすいフロックが形成されることになる。
【0019】
また、凝集槽の下部(底部)は、下方に向かって狭まるコーン状に形成されていることが好ましい。このような形状の槽に形成しておけば、攪拌によりフロックとして成長させる際に、凝集槽の底部まで良好に攪拌され、成長したフロックが凝集槽底部に溜まることが抑制され、良好に沈澱槽へと移送される。
【0020】
沈澱槽に対しては、図6に示した装置と同様に、沈澱されたフロックを引き抜くラインが接続されればよく、該引抜ラインには、引き抜かれたフロックを汚泥と凝集槽に循環される粒状物とに分離する手段(たとえば、サイクロン)が設けられればよい。
【0021】
上記のような本発明に係る凝集沈澱装置においては、凝集槽における攪拌翼部分では、強制的な攪拌により無機凝集剤や高分子凝集剤による凝集、さらには砂等の粒状物を含有する凝集が促進されるが、攪拌による駆動力が直接的に伝達される部分であることから、破砕作用も同時に発生し、比較的大きなフロックにまで成長させることは難しい。
【0022】
しかし、攪拌翼の上方で越流ぜきまでの間には、水の共廻り係数が0.7以下の、または/および、上昇流速が30〜100m/hの緩流凝集ゾーンが、適当な高さ分(たとえば、0.5m以上)形成されており、この緩流凝集ゾーンでは、水流の乱れが少なく、フロック自らの対流が生じるとともに、攪拌は緩やかな状態に抑えられている。そのため、フロック同士が適度に衝突して、フロック同士が互いに吸合されやすく、また、より大きなフロックは微フロックを吸合しやすい。また吸合により比較的大きく成長したフロックは、攪拌力が弱いことから、破壊されにくい。さらに、この緩流凝集ゾーンには、下方の攪拌翼によって押しのけられたフロックが集まってくるから、フロックの濃度が高く、より成長しやすい状態になっている。したがって、結果的にこのような緩流凝集ゾーンを形成することにより、攪拌機自身は弱い攪拌強度でありながら、次の沈澱工程に最適な大きさの凝集フロックが短時間で形成されることになる。沈澱に好適な大きさのフロックが形成される結果、沈澱槽においては30〜100m/hという高流速の線速度での処理が可能となる。
【0023】
また、凝集槽内で沈澱に好適なフロックにまで成長されるので、中間槽を設ける必要はなく、装置全体としての設備費も安価になり、設置面積も小さい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る凝集沈澱装置1の、とくに緩流凝集ゾーンの形成に関する基本構成を示している。凝集沈澱装置1は、凝集槽2と、それに隣接配置された沈澱槽3を備えている。凝集槽2には、原水供給ライン4を介して原水5が供給され、本実施態様では、無機凝集剤6と、高分子凝集剤7がライン注入される。無機凝集剤6の注入位置の下流側には、スタティックミキサー等からなるミキサ8が介装されており、注入された凝集剤が原水に良好に混合されるようになっている。ただし、これら凝集剤は、凝集槽2に直接投入することも可能である。
【0025】
無機凝集剤6としては、たとえばポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄、硫酸第二鉄を使用でき、高分子凝集剤7としては、たとえばノニオン性、アニオン性あるいは両性の高分子凝集剤を用いることができる。アニオン性の高分子凝集剤としては、たとえば、アクリル酸またはその塩の重合物、アクリル酸またはその塩とアクリルアミドとの共重合物、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸塩の共重合物、アクリル酸またはその塩とアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩の3元共重合物、ポリアクリルアミドの部分加水分解物などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。ノニオン性の高分子凝集剤としては、代表的なものとしてポリアクリルアミドが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。両性の高分子凝集剤としては、たとえば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの3級塩および4級塩(塩化メチル塩等)等の少なくとも1種のカチオン性単量体と、アクリル酸およびその塩(ナトリウム、カルシウム等の塩類)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩(ナトリウム、カルシウム等の塩類)等の少なくとも1種のアニオン性単量体の共重合物、あるいは、上記の少なくとも1種のカチオン性単量体および上記の少なくとも1種のアニオン性単量体とアクリルアミド等の少なくとも1種のノニオン性単量体との三元もしくは四元以上の共重合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。高分子凝集剤の分子量の範囲は特に限定されないが、500万〜2000万の範囲が好ましい。これらの高分子凝集剤は、単独で又は混合物として用いることができる。高分子凝集剤の添加量は、一般的に経済的な観点から0.3〜2mg/l程度である。
【0026】
凝集槽2内には、粒状物としての砂9が添加される。凝集槽2には、モータ10によって駆動される攪拌機11が設けられており、その攪拌翼11aによる攪拌によって原水中の懸濁物質が、無機凝集剤6、高分子凝集剤7、砂9を含むフロックとして凝集される。
【0027】
この凝集においては、無機凝集剤6が懸濁物質を凝集させて微細なフロックを生成させ、それに高分子凝集剤7が絡まってより大きなフロックに成長させ、成長したフロックには比重の大きい粒状物としての砂9が含有され、全体として比較的大きな、比重の大きい沈澱しやすいフロックに成長する。とくに本発明においては、後述の如く凝集槽2の上部に緩流凝集ゾーンが形成されているので、より沈澱しやすい比較的大きなフロックが安定して形成される。
【0028】
凝集槽2の下部2a(底部)は、下方に向かって狭まるコーン状に形成されており、攪拌翼11aの回転に伴って回動する被処理水の回転流の流速が下部2aにおいて高められるため、凝集槽2の下部2aへのフロックの沈澱や堆積は適切に防止されている。
【0029】
成長した凝集フロック13を含む被処理水は、越流ぜき12を介して沈澱槽3へと導入される。沈澱槽3では、導入水中のフロックが下方に沈澱され、沈澱されたフロックは上方の処理水14に対して分離される。沈澱槽3内の上部には、複数の傾斜板15が並設されており、処理水14とともにフロックが流出するのを抑制している。
【0030】
沈澱槽3の底部には、沈澱されたフロックを引き抜くための引抜ライン16が接続されており、汚泥引抜ポンプ17によって、沈澱した凝集フロックが引き抜かれる。引き抜かれたフロックは、分離器としてのサイクロン18に送られ、サイクロン18内における遠心分離により、汚泥19と砂9とに分離される。分離された砂9は、再び凝集槽2内に戻されて循環使用される。
【0031】
本実施態様においては、凝集槽2に、凝集槽2内における汚泥濃度を測定するためのサンプリング装置20が付設されている。このサンプリング装置20は、常時設置される装置としてもよく、たとえば移動式、可搬式として、必要なときにのみ濃度を測定できる手段に構成してもよい。このサンプリング装置20における被処理水のサンプリング位置を変更すれば、とくに上下方向に変更すれば、凝集槽2内の各部におけるフロックの凝集状態の確認が可能である。
【0032】
凝集槽2内においては、図2に示すように、導入された原水が攪拌機11の攪拌翼11aによって攪拌され、攪拌に伴って前述の如く原水中の懸濁物質が砂9を含むフロックへと成長される。攪拌翼11a近傍から凝集槽2の底部2aにわたっては、攪拌翼11aによる攪拌が強く作用する攪拌ゾーン21に形成されるが、攪拌翼11aと越流ぜき12との間には、より正確には攪拌翼11aよりも少し上方の位置で攪拌翼11aによる影響力が弱まった位置と越流ぜき12との間には、緩流凝集ゾーン22が形成されている。
【0033】
この緩流凝集ゾーン22は、攪拌翼11aによる攪拌の強度があるレベル以下になるゾーンであり、次のように規定されたゾーンである。
【0034】
すなわち、攪拌翼11aの回転に伴って凝集槽2内の水も同じ方向に共廻りするが、この共廻りの度合が弱い程攪拌翼11aによる影響力は小さいといえるから、本発明では、この共廻りの度合を共廻り係数で表し、該共廻り係数が0.7以下のゾーンを緩流凝集ゾーン22と規定する。共廻り係数が0.7以下の緩流凝集ゾーン22では、攪拌翼11aによる影響力が小さく抑えられ、成長したフロックの破壊は抑えられる。また、このような乱れの少ない、大きな強制力の作用しない緩流凝集ゾーン22では、フロック自身の対流が発生し、それによってフロック同士が緩やかに衝突する機会が増し、フロック同士の吸合が促進されて、フロックの成長が促進される。さらに、より大きなフロックは微フロックを吸合しやすくなる。吸合により比較的大きく成長したフロックは、攪拌強度が弱いため破壊されにくく、沈澱に好適な大きさまで成長した凝集フロックが越流ぜき12を越えて沈澱槽3へと流入することになる。したがって、沈澱槽3では、迅速な沈澱が可能になり、線速度にて30〜100m/hという高流速での処理が可能になる。しかも、沈澱槽3に導入される被処理水中のフロックは適度に成長しているから、フロックの沈澱状態も良好に維持され、沈澱フロックと分離された処理水の水質も良好に保たれる。
【0035】
このような凝集プロセスは、凝集槽2において弱い攪拌強度で実現され、凝集槽2内に所定の緩流凝集ゾーン22を形成しておくだけで、達成される。従来のような中間槽を設けなくてもよいので、設備費が少なく、しかも、設置面積も小さい。また、中間槽の攪拌機も不要で、凝集槽2における攪拌機の攪拌強度も小さくてよいから、攪拌機駆動に要する動力(電力量)も少なくて済む。
【0036】
本発明においては、緩流凝集ゾーン22を、凝集槽2内の上部における上昇流速によっても規定できる。すなわち、攪拌翼11aと越流ぜき12との間において、上昇流速が適度に遅いゾーンが形成されていると、そのゾーン内では激しい乱れ(たとえば、上下方向に回るような流れの激しい乱れ)の発生が抑えられるから、凝集フロックの破壊が抑えられる。また、沈澱槽3へと流出する水流にのって、所望の大きさに成長する前のフロックが沈澱槽3側に流出することも抑えられる。そして、この上昇流速をあるレベル以上の流速とすることにより、凝集槽2内における流動もあるレベル以上に確保することができ、それによって、フロック同士の吸合の機会を多く確保してフロックの成長を促進できる。
【0037】
このような観点から、本発明においては、緩流凝集ゾーン22を、上昇流速が30〜100m/hのゾーンに規定している。上昇流速が100m/hを越えると、凝集槽2内の流動が大きくなりすぎ、未だ適当な大きさまでに成長していないフロックが沈澱槽3へと流出するおそれがある。また、上昇流速が30m/h未満では、流動が小さすぎて、フロックの成長が起こりにくくなる。
【0038】
さらに本発明においては、緩流凝集ゾーン22を、共廻り係数が0.7以下で、かつ、上昇流速が30〜100m/hのゾーンに規定することもできる。このように規定すれば、共廻りの度合いとともに上昇流速の度合いが共に最適な範囲とされるので、より望ましいフロックの成長が可能になる。
【0039】
形成される緩流凝集ゾーン22の高さは、該ゾーン内においてフロックを十分な大きさにまで成長させるために、少なくとも0.5m以上とすることが好ましい。上限は特に限定しないが、装置の現実的な全高から自然に決まってくる。
【0040】
攪拌翼11aの形状については、特に限定されないが、一般的によく使用されている門型翼では、上方に形成される緩流凝集ゾーンへの影響が強くなりすぎて緩流凝集ゾーンを形成しにくくなるおそれがある。したがって、凝集槽2内において上部への影響が弱く、かつ、攪拌翼自身の部位では必要な攪拌強度を確保しやすい、プロペラ式やパドル式の攪拌翼が好ましい。図3はプロペラ式の攪拌翼31の一例を示しており、図4はパドル式の攪拌翼32の一例を示している。図2に示した装置では、攪拌翼11aはこのようなパドル式の攪拌翼に構成されている。攪拌翼は、1段構成としてもよく、2段またはそれ以上の構成としてもよい。凝集槽2の大きさや、形成しようとする緩流凝集ゾーンの高さとの関係で適宜決定すればよい。
【0041】
本発明においては、前述のような緩流凝集ゾーンをより確実に形成するために、攪拌翼11aの上方に整流板を設置することとしている。たとえば図5に示すように、攪拌翼11aの少し上方で、かつ、越流ぜき12に至るまでの間に、複数の棒体(図示例では、断面三角形の棒体)からなる整流板41を間隔をもって平行に配設し、整流板41を上方へと流動して通過する水流を整流できるように構成することができる。このような整流板41を設けることにより、その上方に、より確実に緩流凝集ゾーンを形成することが可能になる。なお、整流板41の構造については、図示のような複数の棒体の配設構造に限らず、任意の構造を採用できる。
【0042】
本発明で規定した緩流凝集ゾーンを設けることの効果を確認するために、以下のような実験を行った。
【0043】
〔実験〕
懸濁物質としてカオリンを原水に添加した人口濁水に、無機凝集剤としてPACを注入してラインミキシングし、凝集槽に高分子凝集剤としてのポリマーおよび粒状物としての砂を注入し、以下の条件で実験して、処理水の濁度を測定した。(実験は図1および図2に示した装置にて行った。)
【0044】
凝集槽の攪拌翼により上部の水の共廻り係数は、電磁流速計を用いて凝集槽内の水平方向の流速分布を測定した結果から水の水平方向の回転数を求めて算出した。この水の共廻り係数は攪拌翼から上部に向かって徐々に小さくなるが、攪拌翼より上部で越流ぜきより下部の水の共廻り係数が0.7以下のゾーンの高さを求めて、緩流凝集ゾーンとした。緩流凝集ゾーンの高さの変更は、攪拌翼の位置を変えることによって行った。
【0045】
・実験機 : 凝集槽容量 : 500リットル
沈澱槽 : 167mm×500mm×3000mmH
×6系列(傾斜板付き)ここで沈澱槽が6系列とは、大型の沈澱槽は6セクションに区切り、流量が変化しても、沈澱槽のセクションの数を変えることにより、沈澱槽の線速度LVが60m/hに保たれるように調節した。
【0046】
・運転条件: 原水流量 : 5〜30m3 /h
カオリン注入量 : 20mg/l
PAC注入量 : 20mg/l
ポリマー注入量 : 0.5mg/l
(ポリアクリルアミド系アニオン性ポリマー)
攪拌機回転数 : 80rpm
【0047】
実験の結果を、各種条件を変更した実験No.1〜12として表1に示す。緩流凝集ゾーンを設けた結果、中間槽を設けることなく、60m/hの高速処理が可能になった。そして表1に示す実験結果から分かるように、この緩流凝集ゾーンには最適な範囲が存在しており、とくに緩流凝集ゾーンの高さが0.5m以上のときの水質が良かった。また、緩流凝集ゾーンの上昇流速は30〜100m/hで良好な水質が得られた。さらに、結果として、非常に短い滞留時間で望ましい処理を行うことができた。また、図5に示した整流板を設置すると、より良い水質が得られた。
【0048】
【表1】
Figure 0003901390
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の凝集沈澱装置によれば、凝集槽内における攪拌機の攪拌翼と越流ぜきとの間に特定の緩流凝集ゾーンを形成することにより、弱い攪拌強度で効率よく沈澱に適したフロックまで凝集させることができ、中間槽を設けることなく、沈澱槽における高速処理が可能になる。装置全体の攪拌強度が小さいので、攪拌に要する動力が少なくて済み、運転費用を低減できるとともに、中間槽を設けなくてよいから、設備費、設置面積の大幅な低減が可能になる。また、適切な大きさのフロックが迅速かつ効率よく形成されるので、凝集沈澱フロックと分離される処理水の水質の向上をはかることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様に係る凝集沈澱装置の基本構成を説明するための全体構成図である。
【図2】図1の装置の部分拡大透視斜視図である。
【図3】攪拌翼の一例を示す平面図および側面図である。
【図4】攪拌翼の他の例を示す平面図および側面図である。
【図5】 本発明の実施態様に係る凝集沈澱装置の整流板の設置例を説明するための部分透視斜視図である。
【図6】従来の凝集沈澱装置の全体構成図である。
【符号の説明】
1 凝集沈澱装置
2 凝集槽
2a 凝集槽の底部
3 沈澱槽
4 原水供給ライン
5 原水
6 無機凝集剤
7 高分子凝集剤
8 ミキサー
9 粒状物としての砂
10 モータ
11 攪拌機
11a 攪拌翼
12 越流ぜき
13 成長したフロック
14 処理水
15 傾斜板
16 引抜ライン
17 汚泥引抜ポンプ
18 分離器としてのサイクロン
19 汚泥
20 サンプリング装置
21 攪拌ゾーン
22 緩流凝集ゾーン
31 プロペラ式の攪拌翼
32 パドル式の攪拌翼
41 整流板

Claims (9)

  1. 原水中の懸濁物質を凝集剤と粒状物の添加および攪拌によりフロックとして凝集させる凝集槽と、凝集槽の越流ぜきを通して導入される被処理水中のフロックを沈澱させ処理水とフロックとに分離する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置において、凝集槽内における攪拌機の攪拌翼と越流ぜきとの間に、水の共廻り係数が0.7以下の緩流凝集ゾーンを形成するとともに、攪拌翼の上方に整流板を設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。
    (ここで、水の共廻り係数=水の水平方向回転数/攪拌翼回転数である。)
  2. 原水中の懸濁物質を凝集剤と粒状物の添加および攪拌によりフロックとして凝集させる凝集槽と、凝集槽の越流ぜきを通して導入される被処理水中のフロックを沈澱させ処理水とフロックとに分離する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置において、凝集槽内における攪拌機の攪拌翼と越流ぜきとの間に、上昇流速が30〜100m/hの緩流凝集ゾーンを形成するとともに、攪拌翼の上方に整流板を設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  3. 原水中の懸濁物質を凝集剤と粒状物の添加および攪拌によりフロックとして凝集させる凝集槽と、凝集槽の越流ぜきを通して導入される被処理水中のフロックを沈澱させ処理水とフロックとに分離する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置において、凝集槽内における攪拌機の攪拌翼と越流ぜきとの間に、水の共廻り係数が0.7以下で、かつ、上昇流速が30〜100m/hの緩流凝集ゾーンを形成するとともに、攪拌翼の上方に整流板を設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。
    (ここで、水の共廻り係数=水の水平方向回転数/攪拌翼回転数である。)
  4. 緩流凝集ゾーンが高さ0.5m以上形成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載の凝集沈澱装置。
  5. 攪拌翼がプロペラ式またはパドル式の攪拌翼に構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の凝集沈澱装置。
  6. 攪拌翼の回転数が30〜200rpmの範囲にある、請求項1ないし5のいずれかに記載の凝集沈澱装置。
  7. 粒状物が砂である、請求項1ないし6のいずれかに記載の凝集沈澱装置。
  8. 凝集剤が無機凝集剤と高分子凝集剤を含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の凝集沈澱装置。
  9. 沈澱槽に、沈澱されたフロックを引き抜くラインが接続され、該引抜ラインに、引き抜かれたフロックを汚泥と凝集槽に循環される粒状物とに分離する手段が設けられている、請求項1ないし8のいずれかに記載の凝集沈澱装置。
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