JP3866439B2 - 凝集沈澱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理水中の懸濁物(SS)を凝集沈澱させる装置に係わり、詳しくは、被処理水に砂を添加して高い沈降速度で効率的に凝集沈澱処理を行わせることができるSS除去のための凝集沈澱装置に関する。
【0002】
【従来技術】
微細な有機,無機等の懸濁物(SS)を除去する凝集沈澱装置として、被処理水中のSSを凝集させ更にフロック成長させることにより迅速に沈降・沈澱分離させる方法として、砂等の不溶性粒状物(以下「砂」で総称する)と凝集剤を被処理水に添加し、砂の懸濁状態下でSS凝集物の生成、フロックの成長を行わせる方法が例えば特許2634230号公報、特開平8−47606号公報により提案されている。
【0003】
この方法は、凝集沈澱法で沈降分離しようとするフロックの比重が一般に1.01〜1.02程度で沈降速度が小さいのに比べ、比重が例えば2.7程度という重い砂をフロックに含ませることで当該フロックに大きな沈降速度を与えることができるようにしたもので、例えば図7に示すように、懸濁物(SS)を含む原水(被処理水)に凝集剤(通常は無機凝集剤及び高分子凝集剤)と砂を添加し、急速攪拌しながら砂と懸濁物の結合した凝集物を形成させる急速攪拌槽41と、この急速攪拌槽41から移行した被処理水を緩速攪拌しながら小さな凝集物を大きなフロックに成長させる緩速攪拌槽42と、この緩速攪拌槽42から溢流方式で被処理水が移行されて、砂を含む沈降速度の大きなフロックを沈澱させると共に、傾斜板44などの整流手段を介して上部からフロックと分離された清澄な処理水を外部に排出する沈澱槽43とを備えるように構成された凝集沈澱装置により実施される。沈澱槽43で処理水から沈降分離されたフロック(汚泥)は、汚泥引抜ポンプ45で槽外に引抜かれてサイクロン46に送られ、結合している汚泥中のSSと砂を分離し、砂を急速攪拌槽41に添加する砂として再利用し、SSは適宜脱水処理等して廃棄処分される。
【0004】
以上の装置により、フロックの迅速な沈降分離と、従来法のおよそ十倍にあたる15〜150m/hの高い処理流速とを実現するようにされている。また被処理水に添加した砂は沈降分離されたフロックから分離して再利用することができるため、廃棄物の減容化や資材の有効利用の点からも有利である。
【0005】
ところで、凝集沈澱法で生成されるフロックは一律に大きさの等しいものが生成されるわけではないことは一般的によく知られており、同じ条件下でもフロックの粒度分布に一定の広がりがあるのが普通で、特に工業的規模の装置では様々な変動要因の影響を受けるために、生成フロックの沈降速度に大きな差が発生することは避けられない。
【0006】
例えば、粒径が1〜4mm程度と大きく、砂を巻き込んでいるフロックでは沈降速度が15〜1000m/hに達するものもあるが、他方において、粒径が100〜200μm程度と小さく、かつ砂と結合していないかあるいは少量の砂としか結合していないフロックは、多くの場合、沈降速度が0.5〜2m/h程度という極く小さい微フロックとなる。なおこのような微フロック生成の要因は、例えば有機性排水等の原水のSS成分の性質、原水流量の変動、原水水質の変動による凝集剤添加量の不適等が挙げられる。
【0007】
上記以外の凝集沈澱処理を行う装置としては、造粒法とスラッジブランケット法が知られている。
【0008】
造粒法は、図8に示すように、無機凝集剤を添加した原水を槽51の底部から上昇流で供給して、槽51内の旋回流が水平になるような攪拌翼(平板等)52を用いて造粒粒子のブランケットゾーン53を形成させ、ブランケットゾーン53の界面上部から汚泥抜き出し、その上部に清澄ゾーン54を形成させるものである。しかし、ブランケットゾーン53の内部において下部から上部にかけて濃度勾配を生じ、比較的重い粒子はブランケット下部に集まり、一方、比較的軽い粒子がブランケット上部に集まるため、高流速で被処理水を通水すると上部の軽い粒子が清澄ゾーン54に移行して処理水の水質悪化を招くという問題がある。
【0009】
また、槽内の上昇流速が増減変動するとブランケットゾーン53が膨張したり収縮したりして、ブランケットゾーン53の粒子濃度を一定に保つことができず、膨張時にはブランケット上部の粒子が清澄ゾーン54に移行して上記の場合と同様に処理水の水質悪化を招く問題となる。
【0010】
なおこれらは、スラッジブランケット法でも同様に問題となる。
【0011】
又更に造粒法では、槽内に旋回流が水平になるように攪拌翼52を旋回させるようにして用いるが、攪拌翼52を大きくすると軸付近と翼先端部の周速の差が大きくなり、槽内の乱れを招いてこれが処理水の水質の悪化を招く原因となるため、装置の大型化は単純にはできないという問題もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ブランケットゾーンを形成させて凝集沈澱処理を行う造粒法やスラッジブランケット法による場合は、比較的高速で被処理水を通水することができる利点はあるが、あまり高速の処理を行うようにするとブランケットゾーンの乱れを招いて処理水の水質悪化を招いてしまうという問題や、通水の流速変動によっても水質悪化を招き易く、更に装置の大型化が難しいなどの種々の問題があった。
【0013】
一方、砂等の不溶性粒状物と凝集剤を被処理水に添加し、砂の懸濁状態下でSS凝集物の生成、フロックの成長を行わせる上述の図7で説明した方法は、生成する凝集物の密度を大きくすることができて高速の通水が可能になるという利点が得られるが、フロックをできるだけ均質なものとすることが重要であり、このためにフロック形成槽内で上下流等の混合流を生じさせてフロックを均質に成長させ、生成したフロックを沈澱槽内で沈降させて清澄な処理水を得る必要があって、フロック形成槽、沈澱槽という多くの槽を設けるために設備設置面積が大きくなり、設置費用が嵩むという問題があった。
【0014】
本発明者は以上のような従来技術の下で、被処理水の流量(流速)変動の影響が小さく、かつ設備設置面積をできるだけ小さくすることができる凝集沈澱装置の開発を目的に鋭意検討を重ね、本発明をなすに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本願の特許請求の範囲の各請求項に記載した発明により達成される。
【0016】
本願請求項1の凝集沈澱装置の発明は、被処理水に砂及び凝集剤を添加し、砂が懸濁した状態下で被処理水中の懸濁物(SS)を凝集させて砂を含んだ凝結・凝集物であるフロックを生成させる凝集槽と、この凝集槽から移行されるフロックを上下方向の攪拌流で流動させながらフロック成長を行わせるフロック成長槽と、溢流壁によりこのフロック成長槽と区画されて該溢流壁を越えた移行水に含まれている砂を含む沈降速度の大きなフロックを沈降させて槽外に排出する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置であって、上記フロック成長槽は、上下方向の攪拌流によりフロックが攪拌流動するように槽内の上下方向の下部に形成されたフロック流動領域と、該攪拌流による上下方向のフロック攪拌流動が実質的に及ばないように該フロック流動領域の上部に形成された清澄領域とを有すると共に、該清澄領域の上部の自由水面に連係して処理水を排出する処理水出口を有するように設けられ、かつ上記フロック成長槽と沈澱槽を区画する溢流壁の上端は、フロック流動領域の上限よりも下側に位置させたことを特徴とする。
【0017】
上記において、凝集槽に添加される砂は、不溶性粒状物の代表的なものとして用いられるが、砂を用いることに限定されるものではなくこれと同等の比重,粒径を有する不溶性粒状物であれば代替して用いることも勿論できる。粒径としては10〜200μm程度のものが好ましく用いられ、また比重は2〜3程度(一般に砂の比重は2.7程度)のものが用いられる。凝集剤としては、通常はポリ塩化アルミニウム(PAC),塩化第二鉄,硫酸第二鉄等の無機凝集剤、及びアニオン性高分子凝集剤,両性高分子凝集剤等の高分子凝集剤が併用され、無機凝集剤は処理水中の懸濁物(SS)や砂を凝集させるために用いられ、高分子凝集剤は凝集物を大きなフロックに成長させるのに用いられる。
【0018】
この発明における上記無機凝集剤の添加は、請求項9の発明のように、凝集槽に被処理水(原水)を供給する原水供給配管の途中において添加するのが好ましく、該配管内でラインミキシングして原水中のSSの凝結・凝集を行わせるようにすることがよい。ラインミキシングのためには既知のミキシング手段を用いることができる。
【0019】
一方、高分子凝集剤は砂と共に凝集槽に添加される。この凝集槽において行われる攪拌は、比重が大きく沈降し易い砂を懸濁状態とするのに必要な程度の強さで行われ、旋回攪拌羽根,プロペラ型の撹拌器等を用いて上下方向の流動が生ずるように行われる。
【0020】
この凝集槽からフロック成長槽に砂を含んだ凝集物を移行させるには、好ましい実施態様では、凝集槽の側壁面の上端を乗り越えて移行する溢流形式が採用される。望ましくは、移行した凝集物を案内路等によりフロック成長槽内の攪拌流にスムースに合流させるようにするガイド壁等を設けることがよい。
【0021】
上記フロック成長槽はこの発明の特徴的構成の一つであり、上述のように、上下方向について実質的に三つの部分に区画される。すなわち、上下方向の攪拌流により凝集槽から移行された凝集物のフロックを大きく成長させるように槽下部に区画されたフロック流動領域と、このフロック流動領域の上部において、下部の上下方向の攪拌流の作用を実質的に受けない清澄領域と、この清澄領域の上部に設けられた処理水の出口とに区画される。この処理水の出口は一般的には溢流形式に設けられる。
【0022】
上記の上下方向について三つに区画される各部分の間には、仕切りを設ける必要は必ずしもなく、例えば、後述のようにフロック流動領域の水平断面積を清澄領域に向かって徐々にあるいは急拡大することで上昇流速に差をつけることで、フロックの流動領域をフロック成長槽の一定の高さ範囲内(一定高さ以下)とすることができる。好ましい実施態様においては、フロック流動領域で上下方向の攪拌流を与える攪拌手段の形式や攪拌のための羽根の回転速さ、槽の構造(水平断面径や槽高など)などの関係によって、上下方向にフロックを攪拌流動の作用が及ぶ高さ限界を設定することができ、その限界高さ以上の領域では槽下部よりも広い水平断面積の中で処理水が上昇する。そしてこの領域が清澄領域となる。清澄領域はその上下方向の寸法が大きい(高い)方が、また水平断面積の拡大率が大きい方が、微小なフロックの処理水中への流出を防ぐ上では好ましいが、槽高が高くなり、また槽断面積が大きくなるため、被処理水の通水流速にもよるが槽高は一般的には3〜8m程度、好ましくは4〜6m程度の範囲とすることがよい場合が多く、清澄領域の槽断面積は4〜64m2 程度、好ましくは16〜36m2 程度の範囲とすることがよい場合が多い。
【0023】
フロック成長槽に続いて設けられる沈澱槽は、その底部に沈澱したフロックとしての汚泥を、汚泥引抜きポンプで装置外に排出し、通常は、上記特許2634230号公報に記載されているようなサイクロン等の分離器に該汚泥を返送し、分離した砂は凝集槽への添加に再利用される。この場合の汚泥引抜きは連続的に行うことが好ましく、連続的に行うことによって汚泥引抜きポンプの稼働が円滑に行われるだけでなく、フロックが沈澱槽に移行する流れや清澄領域の処理水の上昇流の流れに大きな変動を与えずに、処理水質の安定化に有効となるからである。なお、フロック成長槽や沈澱槽という用語は、必ずしもこれらが外観構造的に独立した槽構造をもっていることに限定されるものではなく、フロックが上下方向に流動する領域とフロックが自然沈降して沈殿する領域が区画されているという機能面の違いを特定するものである。
【0024】
上記構成においてフロック成長槽と沈澱槽の間を区画する溢流壁の上端は、請求項8に示したように、フロック流動領域の高さの1/2〜4/5の範囲(一般的には2〜6m程度)、好ましくは6/10〜7/10の範囲に設けられるのがよい場合が多い。溢流壁の上端がフロック流動領域に対してあまり高い位置に設けられると、フロックの沈澱槽への移行がスムースに行われないので、一般的には4/5よりも低い位置、好ましくは7/10よりも低い位置とされる。反対に、溢流壁の上端がフロック流動領域に対してあまり低いと、フロック流動領域との仕切りがあいまいとなって攪拌流動が影響してフロックの沈整,沈降に乱れを招くので、一般的には1/2よりも高い位置、好ましくは6/10よりも高い位置とすることがよい。
【0025】
以上のような構成を有するこの発明の凝集沈澱装置によれば、上述した従来方式とは異なり、フロック成長槽から清澄な処理水を排出するようにしたので、沈澱槽において処理水を溢流排出する広い面積の水面が必要なく、したがって、沈澱槽自体を広い面積の槽として形成する必要がないので、広い底面で沈降フロックを掻き集める掻き寄せ機は不要とできる。また、フロック成長槽から沈澱槽に移行するのは、密度が高く沈降速度の速いフロックと若干の随伴水であり、沈澱槽を小さくできる。
【0026】
更にまたこれらのことから、フロック成長槽と沈澱槽を実質的に一つの槽構造のものとしながら、小さな設置面積の装置で大量の被処理水を処理することができる。
【0027】
また、フロック成長槽内のフロック流動領域では、上下方向の流動が生ずるプロペラ式等の攪拌手段を用いて攪拌することができ、流入する被処理水の流量の変動による処理水の悪化の影響が少ない装置を提供することができ、高流速での処理が実現できる。
【0028】
次に、上述請求項1記載の発明を更に改良した請求項2の発明について述べる。
【0029】
この請求項2の発明は、上記請求項1の発明に比べて装置の小型化をより一層可能としたものである。
【0030】
すなわち、請求項2の凝集沈澱装置は、被処理水に砂及び凝集剤を添加し、砂が懸濁した状態下で被処理水中の懸濁物(SS)を凝集させて砂を含んだ凝結・凝集物を生成させると共に、上下方向の攪拌流で流動させがらフロック成長を行わせるフロック生成・成長槽と、溢流壁によりこのフロック生成・成長槽と区画されて該溢流壁を越えた移行水に含まれている砂を含む沈降速度の大きなフロックを沈降させて槽外に排出する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置であって、上記フロック生成・成長槽は、上下方向の攪拌流によりフロックが攪拌流動するように槽内の上下方向の下部に形成されたフロック流動領域と、該攪拌流による上下方向のフロック攪拌流動が実質的に及ばないように該フロック流動領域の上部に形成された清澄領域とを有すると共に、該清澄領域の上部の自由水面に連係して処理水を排出する処理水出口を有するように設けられ、かつ上記フロック生成・成長槽と沈澱槽を区画する溢流壁の上端は、フロック流動領域の上限よりも下側に位置させたことを特徴とする。
【0031】
この請求項2の発明の構成のうち、請求項1と同じ部分は同様に構成することができるので、違いのある部分については以下説明する。
【0032】
この構成上の違いの代表的な一つは、請求項1の発明の凝集沈澱装置は、凝集槽とフロック成長槽とが二槽連続するように設けられている装置であるのに対し、請求項2の発明の凝集沈澱装置は、フロック生成・成長槽が実質的に一槽構造をなしている点にある。
【0033】
かかる構成の好ましい実施態様においては、フロック生成・成長槽への高分子凝集剤及び砂の添加の位置は、請求項10,11の発明のように、該槽に供給される被処理水の供給(流入)位置ないしそのその近傍とされる。なお、被処理水中の懸濁物(SS)を凝結させるための無機凝集剤の添加は、請求項10の発明のように、フロック生成・成長槽の前段に凝結槽を設けてこの槽に添加するか、あるいは、請求項11の発明のように、フロック生成・成長槽に被処理水を直接供給(流入)させる場合にその供給配管中に無機凝集剤を添加するいずれの構成も選択できる。
【0034】
凝結槽を前段に設けて該槽内で無機凝集剤とSSとの凝結反応を行わせる方式と、配管内に無機凝集剤を添加してラインミキシングによりSSとの凝結反応を行わせる方式の選択は、被処理水(原水)に含まれるSSの性質や量等に応じて凝結反応に適したものを採用できるが、後者のラインミキシング方式は、装置の小型化を実現できるのでより好ましい。
【0035】
この発明によれば、請求項1の発明の凝集沈澱槽と処理量,処理水水質において実質的に同等の処理能力を有する装置を、より一層小型の装置で実施可能とすることができる。
【0036】
請求項3の発明は、請求項1のフロック成長槽又は請求項2のフロック生成・成長槽は、フロック流動領域の水平断面積に比べて、その上部に位置する清澄領域の水平断面積を大きく設けることで、該清澄領域における被処理水の上昇流速を低減させて、フロック流動領域のフロック攪拌流動が清澄領域に実質的に及ばないようにしたことを特徴とする。
【0037】
上記のフロック流動領域の水平断面積(S1 )と清澄領域の水平断面積(S2 )の比(S2/S1)は大きい方がよく、好ましい実施態様では、S2/S1=1.1:1〜2:1程度、好ましくは1.2:1〜1.5:1程度とすることがよい。この比が1.1:1以下では、清澄領域に上昇するフロックの量が多くなり、また比較的大きな粒径のフロックまで上昇するので好ましくない。反対にこの比が2:1以上であると、清澄領域の水平断面積が大きくなって装置全体の大型化を招き、あるいはフロック流動領域の水平断面積が小さくなりすぎて通水量(処理水量)を大きくできない問題を招くので上記の範囲とされる。
【0038】
このように、フロックが上下方向に攪拌流動するフロック流動領域に比べて清澄領域の水平断面積を大きくするように設定した簡単な構成で、清澄領域から微フロックが上昇して外部に漏出することを十分に防ぐことができる。
【0039】
請求項4の発明は、上記請求項3の発明において、フロック成長槽又はフロック生成・成長槽(以下「フロック成長槽等」という場合は両者を含む)と、沈澱槽とが共通の自由水面を有すると共に、この自由水面に連係して処理水を排出する処理水出口を有する実質的に一つの槽構造をなすように設け、該一つの槽の内部を溢流壁で上記フロック成長槽等と沈澱槽を区画して、フロック流動領域の水平断面積に比べ上部に位置する清澄領域の水平断面積を大きくしたことを特徴とする。
【0040】
ここで上記した「実質的に一つの槽構造」というのは、実質的に一つの槽周壁(外壁)で囲まれた構造の槽内下部の一部が「フロックが上下方向に流動する領域」とされ、他が「フロックが自然沈降して沈殿する領域」とされていることを意味する。槽上部は、フロック流動領域の上部に位置してその影響を受ける部分と、フロック流動領域からは側方に外れてその影響を殆ど受けない部分とに分かれる。
この発明によれば、機械構造的には実質的に一つの槽内にフロック成長槽と沈澱槽の二つの槽(区画)部分を有するように形成でき、特に沈澱槽を水平断面積の狭い(小さい)槽とできるので、装置全体の設置面積を小さくすることができる。
【0041】
請求項5の発明は、上記請求項3の発明において、水中に設けた遮壁により上記沈澱槽の領域上部を覆うことで、フロック成長槽等の自由水面の面積をフロック流動領域の水平断面積よりも大きくしたことを特徴とする。
【0042】
この発明によれば、上記請求項4の発明のようにフロック成長槽等と沈澱槽が共通の自由水面をもつのではなく、沈澱槽領域の上部が水面下で遮蔽されるので、隔離性がより高く得られる。なお、上部が遮蔽された沈澱槽領域内の上部に圧力気体を作用させれば、この沈澱槽の上部に自由水面を形成できることは言うまでない。
【0043】
このように構成された発明によれば、上記請求項3の発明と同様の作用、すなわち、構造的には実質的に一つの槽内にフロック成長槽等と沈澱槽の二つの槽を形成でき、特に沈澱槽を水平断面積のより狭い槽とできるので装置全体の設置面積を小さくすることができることに加え、フロック成長槽と沈澱槽をより一層明確に区画できるので、フロック成長槽における上下方向の攪拌流動のための攪拌手段に対する設定が単純化あるいは容易化できるという利点が得られる。
【0044】
請求項6の発明は、上記請求項1の発明において、フロックの凝結・成長槽のフロック流動領域とその上部の清澄領域の間に、整流手段を設けたことを特徴とし、請求項7の発明は、上記請求項2の発明において、フロック生成・成長槽のフロック流動領域とその上部の清澄領域の間に、整流手段を設けたことを特徴とする。
【0045】
上記の整流手段としては、傾斜板,グレーチング(ます目状の板)等の適宜のものを用いることができるが、例えばハニカム状傾斜装置式のものが槽高を低くすることができるので好ましく採用される。
【0046】
これらの発明によれば、フロック成長槽等のフロック流動領域と清澄領域の間の整流手段により、微細なフロックの清澄領域への移行を良好に抑制することができて、処理水の水質向上に有効である。
【0047】
【発明の実施の形態】
実施形態1
図1は、本発明の凝集沈澱装置の構成概要一例を示した図であり、被処理原水(以下単に「原水」という)は、原水供給配管1から急速攪拌される凝集槽2に供給される。またこの原水供給配管1の途中には、無機凝集剤添加配管3が接続されて無機凝集剤が原水に添加されかつ不図示の攪拌手段によりラインミキシングするようになっている。4は凝集槽2に高分子凝集剤を供給するための高分子凝集剤添加配管であり、5は同じく凝集槽2に砂を供給するための砂添加配管である。なお、高分子凝集剤,砂の添加は、該凝集槽2内で懸濁物(SS)が砂を含んだ凝結物(微フロック)を生成するのに適した位置で行われるように選択される。
【0048】
201は凝集槽2に設けられた攪拌装置であり、攪拌羽根2011は、モータ2012によって、該凝集槽2に供給された砂が沈澱せずに懸濁状態に保たれる所定の攪拌速度で回転される。
【0049】
以上のように構成された凝集槽2において、この凝集槽2に供給された原水に含まれている懸濁物の大部分は、砂,無機凝集剤及び高分子凝集剤が添加された被処理水中で砂を含んだ凝集体(凝結物)となる。
【0050】
次にこの凝集体を含む被処理水は、案内路202を通って溢流式で緩速攪拌されるフロック成長槽6に移行される。上記案内路202は、本例では垂直の隔壁により、凝集槽2からは溢流式でフロックが送り込まれ、他方フロック成長槽6に対してはフロックの成長のために攪拌流動する流れに適切に合流できる位置に開口するようにして設けられる。なお、本例のフロック成長槽6は、次段の沈澱槽7と実質的に一体の一槽構造をなしているものであるが、これについては後述する。
【0051】
本例のこのフロック成長槽6には、プロペラ形の攪拌羽根6011を有する攪拌装置601が設けられていて、モータ6012によって、該凝集槽2から移行した被処理水中に含まれている凝集体に所定の攪拌速度で上下方向の攪拌流の作用を与えるように回転される。そして、この上下方向の攪拌流の流れに乗って所定の高さ範囲内(フロック流動領域:図1のAで示した領域)を凝集体が攪拌流動することにより、凝集体が吸合してフロックを成長させる。これにより粒径が大きくかつ沈降速度が大きなフロックとなる。上記のフロック流動領域は、本例ではフロック成長槽6の底部からその槽高の概ね3/4程度の高さ位置までフロックが流動するように、被処理水の通水速度、攪拌装置の回転速度等が選択されて設定される。
【0052】
そして上記のような攪拌流を生じさせることで、フロック成長槽6の上記フロック流動領域の上部には、実質的にほとんどのフロックが上昇しない領域(清澄領域:図1のBで示した領域)が形成されることになり、更にその上部には、周縁状に設けた樋構造の溢流トラフ602が処理水出口として設けられ、処理水が排水される。
【0053】
7は沈澱槽であり、フロック成長槽6との間の溢流壁8の上部を越えて被処理水が導入されるようになっていると共に、底部は逆円錐形に設けられて沈降・沈澱したフロック(汚泥)の逆円錐形頂部からの抜出しを容易とするように構成されている。すなわち、フロックを含むフロック成長槽6からの移行水がこの沈澱槽7に移行・導入されると、フロックは大きな沈降速度をもつ性質のものであるために迅速に槽底部に沈降する。そして底部に接続された汚泥引抜配管701を介して汚泥引抜ポンプ702によって引き抜かれる。なお本例では、上記汚泥引抜ポンプ702で引抜かれた汚泥は返送管703を介して分離器であるサイクロン501に送られ、汚泥から分離した砂は上述した砂添加配管5から凝集槽2に供給するというリサイクル方式を採用している。砂と分離された汚泥は、汚泥排出管502を通して系外に排出される。
【0054】
なお、上記溢流壁8の上端は、本例では、上述したフロック成長槽6内のフロック流動領域の概ね3/4程度の高さ位置となるように設定されていると共に、遮蔽壁9により該流動領域の攪拌流の影響が沈澱槽7内に影響しないように覆われている。すなわちこの遮蔽壁9は、フロック成長槽6の底部近傍から溢流壁8に沿って上方に垂直部902を立ち上げて形成することで、底部側からフロックを含む移行水を溢流壁8の上端を越えるように案内する通水路901を形成し、かつ溢流壁8の上端よりも上部の位置から、水面下で斜めに槽側壁に連続するように設けた斜壁部903により、沈澱槽7内を上記通水路901を介した連通を除いて遮断するようにしている。
【0055】
そして、溢流壁8に沿った立ち上がる垂直部902の上端から沈澱槽7の側壁に繋がる斜壁部903を設けることで、フロック成長槽6は、フロック流動領域Aから清澄領域Bに渡って水平断面積が徐々に大きくなる構成となり、これによって清澄領域Bでは、処理水の上昇流速度が減速され、微フロックが清澄領域に上昇・移行することが抑制される。したがって溢流トラフ602から処理水排出配管を通して直接リークする虞れは大幅に低減されることになり、高清澄な処理水を得ることができる。
【0056】
本例によれば、溢流壁8及び遮蔽壁9により区画されたフロック成長槽6と沈澱槽7は、実質的に一つの槽構造の槽内に設けられて小さな装置を構成することができ、しかもこのことによって、フロック成長槽6の清澄領域の水平断面積をフロック流動領域に比べて大きくするという構成を都合よく形成でき、設置面積の小さな装置で、水質に優れた処理水を得ことができるという利点がある。
【0057】
また、遮蔽壁9によりフロック流動領域の攪拌流の影響を沈澱槽7に及ばすことなく、円滑な汚泥引抜きを行なうことができる。
実施形態2
図2に示される本例は、上記の実施形態1に比べて、遮蔽壁9を省略し、フロック流動領域と清澄領域を区画するグレーチング型の整流板10を設けたことに特徴があり、その他の構造は実質的に実施形態1と同じである。したがって、同じ構成部分の主なものについては実施形態1と同じ符号を付して示し、説明は省略する。
【0058】
本例においては、溢流壁8がフロック成長槽と沈澱槽とを区画する作用をなすと共に、フロック流動領域に比べて清澄領域における水平断面積を急拡大させる作用をもなしている。なお、この溢流壁8の上端をフロックが越えるようにするためにフロック流動領域において比較的強い攪拌流を与えるが、整流板10を設けているので、微フロックの清澄領域への上昇・移行は十分に抑制される。
【0059】
この例の装置によれば、実施形態1と概ね同様の効果を得ることができる。すなわち、溢流壁8により区画されたフロック成長槽6と沈澱槽7は実質的に一つの槽構造の槽内に設けられて小さな装置を構成することができ、しかもこのことによって、フロック成長槽6の清澄領域の水平断面積をフロック流動領域に比べて大きくするという構成を都合よく形成でき、更に整流板10を設けているので、微フロックの清澄領域への上昇・移行をより一層抑制することができ、これらのことにより、設置面積の小さな装置で、水質に優れた処理水を得ることができる。
実施形態3
図3に示される本例は、上記の実施形態1の装置において、フロック流動領域と清澄領域を区画するため傾斜板形の整流板11を設けた点に特徴があり、その他の構造は実施形態1と同じである。したがって、同じ構成部分については実施形態1と同じ符号を付して示し、これらの説明は省略する。
【0060】
この例の装置によれば、実施形態1と2の優れた効果を同時に得ることができる。すなわち、溢流壁8及び遮蔽壁9により区画されたフロック成長槽6と沈澱槽7は、実質的に一つの槽構造の槽内に設けられて小さな装置を構成することができる。しかもこのことによって、フロック成長槽6の清澄領域の水平断面積をフロック流動領域に比べて大きくするという構成を都合よく形成できる。
【0061】
また、遮蔽壁9によりフロック流動領域の攪拌流の影響は沈澱槽7に及ばず円滑な汚泥引抜きを行なうことができる。
【0062】
更に整流板11を設けているので、微フロックの清澄領域への上昇・移行をより一層抑制することができ、これらのことにより設置面積の小さな装置で水質に優れた処理水を得ることができる。
実施形態4
図4は、実施形態1の凝集沈澱装置に比べて次の点で異なっているが、その他の点は同じである。
【0063】
すなわち、槽構成(凝集槽,フロック成長槽、及び沈澱槽を有するという槽構成)は同じであり、かつ遮蔽壁9を有する点においても構造は共通している。
【0064】
一方、フロック成長槽61の底部の構造は実施形態1のそれとは異なり、逆円錐台形状に周壁から底面に向かうコーン型に設けられ、これによりフロックが滞留するおそれのあるデッドゾーンをできるだけ少なくして流動性を促進させるようにしている。また、無機凝集剤を凝集槽2に添加し、高分子凝集剤を案内路202がフロック成長槽61に臨む位置において添加し、更に砂を該フロック成長槽61内の案内路202が開口した位置で添加するように変更した点において実施形態1とは異なっている。
【0065】
これらの実施形態1と異なる点について述べると、まず、フロック成長槽61の底部構造をコーン型とすることで、攪拌装置601で与えられるフロック成長槽61内の上下方向のフロック流動攪拌流だけでは直筒状の槽の下隅で生じ易いデッドゾーンを槽の構造によりなくすことができる利点がある。
【0066】
また本例においては、高分子凝集剤の添加位置と砂の添加位置を上記のように変更したことにより、無機凝集剤を添加して懸濁物の凝結物を生成させる凝集槽2と、この凝結物をフロックとして成長させるフロック成長槽61の作用を分けることができ、それぞれの作用に適した構造を採択できる利点が得られる。
実施形態5
図5に示される本例は、上記実施形態1(図1参照)とこれの変形例である実施形態4(図4参照)の関係と同様に、実施形態2(図2参照)の変形例である関係を説明する例を示し、構造的に同じ部材、構造部分については同じ符号を付してその説明は省略する。
【0067】
この例の装置によれば、実施形態2と実施形態4のそれぞれの効果を得ることができる。
【0068】
すなわち、フロック成長槽61の底部構造をコーン型とすることで、攪拌装置601で与えられるフロック成長槽61内の上下方向のフロック流動攪拌流だけでは直筒状の槽の下隅で生じ易いデッドゾーンを槽の構造によりなくすことができる。また、無機凝集剤,高分子凝集剤及び砂の添加位置を実施形態4と同様にすることにより、凝結物を生成させる凝集槽2での作用と、この凝結物をフロックとして成長させるフロック成長槽61での作用を分けてそれぞれに適した構造を採択できる。
実施形態6
図6は、本発明の別の凝集沈澱装置の構成概要一例を示したものであり、被処理水(原水)は、原水供給管1から緩速攪拌するフロック成長槽62に供給される。また無機凝集剤は原水供給管1の途中に接続された無機凝集剤供給配管3から原水に添加されて、ラインミキサーにより攪拌され原水中のSSと微フロックの凝結物を生成するようになっている。なお、本例では実施形態1〜5で示した凝集槽2が省略されているが、この凝集槽2は本発明の実施において必須のものではなく、原水供給管1の途中への無機凝集剤の添加とラインミキシングにより代替できるものであり、このような配管内での凝結物の生成と、凝集槽での急速攪拌による凝結物の生成をいずれにするかは、原水中に含まれるSSの量,性質や、処理水量、あるいは装置の設置面積などにより選択して採用することができる。
【0069】
4は高分子凝集剤を供給するための高分子凝集剤添加配管であり、本例では図に示すように原水供給管1の終端付近でこの原水供給管1に添加するように設けた例を示しているが、これはフロック成長槽62に添加するように設けることもできる。5はフロック成長槽62下部の原水供給位置近傍に砂を添加するための砂添加配管である。
【0070】
201はフロック成長槽62に設けられた撹拌装置であり、実施形態1と同様のものが用いられる。なお本例のフロック成長槽62は、実施形態3,4と同様に槽底部の構造がコーン型に設けられ、これによってフロックの流動性を高め、また槽下部下隅の流動が乏しいデッドゾーンをできるだけ形成しないように設けられている。
【0071】
7は沈澱槽であり、フロック成長槽62との間の溢流壁8の上部を越えて被処理水が溢流導入されるようになっていると共に、底部は逆円錐形に設けられて、沈澱・沈降したフロック(汚泥)の逆円錐形底部からの抜き出しを容易に行えるように設けられている。
【0072】
10は、フロック成長槽62と沈澱槽7のそれぞれの上部に渡って架設された整流板であり、フロック成長槽62の水平断面積に比べて、該フロック成長槽62と沈澱槽7を区画する溢流壁8(例えば槽高の3/4)の頂部より上の槽の水平断面積が大きいことにより、該フロック成長槽62下部のフロック流動領域の攪拌水流の影響が小さい清澄領域の上昇流を更に安定化させ、溢流トラフ602から排出される処理水中に微フロックが含まれる虞れをより一層少なくする効果がある。
【0073】
以上の構成を有する凝集沈澱装置によれば、原水(被処理水)に含まれている懸濁物(SS)の大部分は、無機凝集剤が添加された原水供給管1内でのラインミキシングにより凝結して微細なフロックとなり、次にこれを含む被処理水がフロック成長槽62に供給され、また同時に添加された高分子凝集剤及び砂と共に槽下部のフロック流動領域で攪拌流動されながら吸合されて大きなフロックに成長し、粒径が大きく沈降速度が大きいフロックとなり、清澄領域に上昇した処理水に含まれるフロックはその沈降性により下方に沈降し、これが沈澱槽7の上部に流れた場合には急速に沈殿して汚泥として抜出してサイクロン501に返送され、他方、処理水は整流板10を通って溢流トラフ602から排出されることになる。
【0074】
また、溢流壁8により区画されたフロック成長槽62と沈澱槽7は実質的に一つの槽構造の槽内に設けられて小さな装置を構成することができ、しかもこのことによって、フロック成長槽6の清澄領域の水平断面積をフロック流動領域に比べて大きくするという構成が都合よく形成される
【0075】
【発明の効果】
以上のべたように、本発明によれば、フロック成長槽から清澄な処理水を排出するようにしたので、沈澱槽において処理水を溢流排出する広い面積の水面が必要ないため、広い沈澱槽の底面で沈降フロックを掻き集める掻き寄せ機は不要で、沈澱槽を小さくできる。
【0076】
またこれらのことから、フロック成長槽と沈澱槽を実質的に一つの槽構造のものとしながら、小さな設置面積の装置で大量の被処理水を処理することができる。
【0077】
また、フロック成長槽内のフロック流動領域を、上下方向の流動が生ずるプロペラ式の攪拌手段を用いて攪拌することができ、流入する被処理水の流量の変動による処理水の悪化の影響が少ない装置を提供することができ、高流速での処理が実現できる。
【0078】
又、請求項2の発明によれば、フロック成長槽のフロック流動領域と清澄領域の間に整流手段を設けることで、微細なフロックが清澄領域に移行することをより一層抑制することができて、良好な水質の処理水を得ることができる。
【0079】
更に請求項5の発明によれば、フロック成長槽から沈澱槽に移行するフロックを含む移行水に対するフロック流動領域の攪拌流の悪影響を実質的になくすことができるので、沈降汚泥の排出を円滑に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の凝集沈澱装置の実施形態1の構成概要を示した図。
【図2】本発明の凝集沈澱装置の実施形態2の構成概要を示した図。
【図3】本発明の凝集沈澱装置の実施形態3の構成概要を示した図。
【図4】本発明の凝集沈澱装置の実施形態4の構成概要を示した図。
【図5】本発明の凝集沈澱装置の実施形態5の構成概要を示した図。
【図6】本発明の凝集沈澱装置の実施形態6の構成概要を示した図。
【図7】従来の凝集沈澱装置の一例の構成概要を示した図。
【図8】従来の凝集沈澱装置の他の例の構成概要を示した図。
【符号の説明】
1・・・原水供給配管
2・・・凝集槽
201・・・攪拌装置
2011・・・攪拌羽根
2012・・・モータ
202・・・案内路
3・・・無機凝集剤添加配管
4・・・高分子凝集剤添加配管
5・・・砂添加配管
501・・・サイクロン
502汚泥排出管
6・・・フロック成長槽
601・・・攪拌装置
6011・・・攪拌羽根
6012・・・モータ
602・・・溢流トラフ
7・・・沈澱槽
701・・・汚泥引抜配管
702・・・汚泥引抜ポンプ
703・・・返送管
8・・・溢流壁
9・・・遮蔽壁
901・・・通水路
902・・・垂直部
903・・・傾斜部
10,11・・・整流板
A・・・フロック流動領域
B・・・清澄領域。

Claims (11)

  1. 被処理水に砂及び凝集剤を添加し、砂が懸濁した状態下で被処理水中の懸濁物(SS)を凝集させて砂を含んだ凝結・凝集物であるフロックを生成させる凝集槽と、この凝集槽から移行されるフロックを上下方向の攪拌流で流動させながらフロック成長を行わせるフロック成長槽と、溢流壁によりこのフロック成長槽と区画されて該溢流壁を越えた移行水に含まれている砂を含む沈降速度の大きなフロックを沈降させて槽外に排出する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置であって、
    上記フロック成長槽は、上下方向の攪拌流によりフロックが攪拌流動するように槽内の上下方向の下部に形成されたフロック流動領域と、該攪拌流による上下方向のフロック攪拌流動が実質的に及ばないように該フロック流動領域の上部に形成された清澄領域とを有すると共に、該清澄領域の上部の自由水面に連係して処理水を排出する処理水出口を有するように設けられ、かつ上記フロック成長槽と沈澱槽を区画する溢流壁の上端は、フロック流動領域の上限よりも下側に位置させたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  2. 被処理水に砂及び凝集剤を添加し、砂が懸濁した状態下で被処理水中の懸濁物(SS)を凝集させて砂を含んだ凝結・凝集物を生成させると共に、上下方向の攪拌流で流動させがらフロック成長を行わせるフロック生成・成長槽と、溢流壁によりこのフロック凝集・成長槽と区画されて該溢流壁を越えた移行水に含まれている砂を含む沈降速度の大きなフロックを沈降させて槽外に排出する沈澱槽とを備えた凝集沈澱装置であって、
    上記フロック生成・成長槽は、上下方向の攪拌流によりフロックが攪拌流動するように槽内の上下方向の下部に形成されたフロック流動領域と、該攪拌流による上下方向のフロック攪拌流動が実質的に及ばないように該フロック流動領域の上部に形成された清澄領域とを有すると共に、該清澄領域の上部の自由水面に連係して処理水を排出する処理水出口を有するように設けられ、かつ上記フロック生成・成長槽と沈澱槽を区画する溢流壁の上端は、フロック流動領域の上限よりも下側に位置させたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  3. 請求項1のフロック成長槽又は請求項2のフロック生成・成長槽は、フロック流動領域の水平断面積に比べて清澄領域の水平断面積を大きくすることで清澄領域における被処理水の上昇流速を低減させて、フロック流動領域のフロック攪拌流動が清澄領域に実質的に及ばないようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の凝集沈澱装置。
  4. 請求項3において、フロック成長槽又はフロック生成・成長槽と、沈澱槽とは、共通の自由水面を有すると共に、この自由水面に連係して処理水を排出する処理水出口を有する実質的に一つの槽をなし、該一つの槽の内部を溢流壁により上記フロック成長槽又はフロック生成・成長槽と沈澱槽を区画することで、フロック流動領域の水平断面積に比べ上部に位置する清澄領域の水平断面積を大きくしたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  5. 請求項3において、水中に設けた遮壁により上記溢流壁の上端から沈澱槽の上部を覆うことで、フロック成長槽又はフロック生成・成長槽の自由水面の面積をフロック流動領域の水平断面積よりも大きくしたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  6. 請求項1、及び3ないし5のいずれかにおいて、フロック成長槽のフロック流動領域とその上部の清澄領域の間に、整流手段を設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  7. 請求項2ないし5のいずれかにおいて、フロック生成・成長槽のフロック流動領域とその上部の清澄領域の間に、整流手段を設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、溢流壁の上端を、フロック流動領域の高さの1/2〜4/5の範囲内に設定したことを特徴とする凝集沈澱装置。
  9. 請求項1において、被処理水中の懸濁物を凝結させるための無機凝集剤を添加する配管を、凝集槽に該被処理水を供給する供給配管の途中に接続すると共に、無機凝集剤添加位置の下流の該配管内に攪拌手段を内設し、かつ凝集槽には、凝結したフロックの成長に寄与する高分子凝集剤と砂を添加するように設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  10. 請求項2において、被処理水中の懸濁物を凝結させるための無機凝集剤を添加する凝結槽を、フロック生成・成長槽の前段に設けると共に、フロックの成長に寄与する高分子凝集剤と砂の添加位置は該凝結槽からフロック生成・成長槽への被処理水の移行位置ないしその近傍に設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  11. 請求項2において、被処理水中の懸濁物を凝結させるための無機凝集剤を添加する配管を、フロック生成・成長槽に該被処理水を供給する供給配管の途中に接続すると共に、無機凝集剤添加位置の下流の該配管内に攪拌手段を内設し、かつフロックの成長に寄与する高分子凝集剤と砂の添加位置を該フロック生成・成長槽の被処理水導入位置ないしその近傍に設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。
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