JP2002066208A - 凝集沈澱装置 - Google Patents

凝集沈澱装置

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JP2002066208A
JP2002066208A JP2000266720A JP2000266720A JP2002066208A JP 2002066208 A JP2002066208 A JP 2002066208A JP 2000266720 A JP2000266720 A JP 2000266720A JP 2000266720 A JP2000266720 A JP 2000266720A JP 2002066208 A JP2002066208 A JP 2002066208A
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sedimentation
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coagulation
precipitation
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Toru Sekiya
透 関谷
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝集剤を用いた攪拌凝集のより最適化、凝集
剤の使用量の低減、処理水水質の向上が可能な凝集沈澱
装置を提供する。 【解決手段】 原水中の懸濁物質を凝集剤を用いて攪拌
によりフロックへと凝集させる攪拌凝集部と、該攪拌凝
集部の下流側に設けられ、凝集フロックを沈降分離する
沈澱部とを有する凝集沈澱装置において、沈澱部の入口
部又は攪拌凝集部と沈澱部との間に、凝集フロックの沈
降分離部を有するとともに攪拌手段を備えた予沈澱部を
設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原水中の懸濁物質
を凝集沈澱により汚泥と処理水とに分離する凝集沈澱装
置に関し、とくに、凝集剤を用いて懸濁物質を凝集フロ
ックへと成長させ沈澱を効率よく行わせるようにした凝
集沈澱装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、原水に凝集剤を添加し原水中
の懸濁物質を凝集させてフロックへと成長させ、成長し
た凝集フロックを沈降分離するようにした凝集沈澱装置
が知られている。従来の凝集沈澱装置は、たとえば図7
に示すように構成されている。図7に示す装置において
は、原水101が急速攪拌槽102に供給され、所定の
凝集剤103(たとえば、無機系の凝集剤)が添加され
て、攪拌機104による急速攪拌により原水中に凝集剤
103が混合され、凝集剤103を含む被処理水として
攪拌凝集部105に送られる。攪拌凝集部105は、た
とえば複数段の槽構成を有しており(図示例では3
段)、各段に設けられた攪拌機106による攪拌によ
り、原水中の懸濁物質が凝集剤を用いて凝集フロックへ
と成長される。凝集を促進したり、フロック成長過程で
凝集フロックが壊れにくいようにするためには、各段の
攪拌機106の攪拌強度を順次弱めることが効果的であ
ることも知られている。凝集フロックを含む被処理水
は、沈澱部107(沈澱槽)に導入され、ここで凝集フ
ロックが沈降分離され、処理水108と分離される。沈
澱部107としては、面積または容積の大きな単なる沈
澱槽に構成することも可能であるが、図示例では、入口
側の整流部109と、沈降分離を促進するための傾斜板
配置部110と、集泥機111と、排泥弁112および
汚泥引き抜きポンプ113とを有する構造に構成されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来の凝集沈澱装置には、以下のような問題を生じる
ことがある。攪拌凝集部105は、一般にトータルで3
0分程度の攪拌を行うことができるような滞留時間に設
計されていることが多いが、原水101が凝集しにくい
懸濁物質を含む水質のものである場合には、この攪拌時
間では凝集反応を十分に行わせることが難しい場合があ
る。そのような場合、十分な凝集反応速度を確保するた
めには、凝集剤の注入量を多くすることが必要になり、
凝集沈澱処理のランニングコストが増大するという問題
がある。
【0004】また、攪拌手段の構造によっては攪拌凝集
部105内で短絡流が生じたりすることがあるが、この
ような短絡流が生じた場合、あるいは、攪拌凝集部10
5での攪拌凝集が不十分である場合等には、未成長の細
かい凝集フロックが混在した状態で沈澱部107に流入
することがある。未成長の細かい凝集フロックは、沈澱
部107で沈降分離されにくいため、処理水108とと
もに流出してしまうことがあり、処理水8の水質が低下
するという問題を招く。
【0005】また、攪拌凝集部105で十分に大きな凝
集フロックまで成長させるためには、複数段の攪拌のう
ち初めの攪拌は比較的強い攪拌強度とし、凝集フロック
が成長するにしたがって、成長した凝集フロックが壊さ
れずにより大きなフロックへと成長するために、後段に
いくにつれて徐々に攪拌強度を弱めていくことが望まし
い。しかし、後段、とくに最終段の凝集攪拌部分におけ
る攪拌強度を弱めすぎると、そこで凝集フロックの沈降
分離が生じてしまい、その槽の下部に堆積して、槽の容
量を小さくして攪拌を不充分にしたり、沈澱堆積物の腐
敗の問題を生じたりする。従来の凝集沈澱装置では、攪
拌凝集部105は専ら攪拌凝集の機能のみを担い、凝集
フロックの沈降分離は専ら次の沈澱部107で行うとい
う、略完全に機能分離された構造になっているので、上
記のような攪拌凝集部での凝集フロックの沈澱には対応
が困難な構成となっている。したがって、現実には、攪
拌凝集部105で凝集フロックの沈降分離が生じないよ
うにするため、その攪拌強度の低減には限界があった。
すなわち、次の沈澱部107における沈降分離処理をよ
り好適に行うために、攪拌凝集部105での攪拌処理を
より最適な条件で行おうとしても、その最適化には限界
があった。
【0006】さらに、上記のように、攪拌凝集部105
で攪拌凝集のみを行い、沈澱部107で沈降分離を行
う、略完全に機能分離された従来の凝集沈澱装置におい
ては、濁度の高い原水等の処理の場合、沈澱部107で
沈降分離される汚泥の量も多くなるので、より頻繁かつ
大量に汚泥を引き抜かなければならず、沈澱部107の
負荷が大きくなるという問題が生じることもある。予め
定められた容量の沈澱部107に大きな処理負荷が加わ
る場合、その処理速度を落とさざるを得ない場合も生じ
る。
【0007】そこで本発明の課題は、従来の凝集沈澱装
置における上記のような種々の問題点に鑑み、攪拌凝集
部の下流側に沈澱部を有するという基本構成を変えるこ
となく、予沈澱部という新たな技術的概念を導入し、沈
澱部に入る前に攪拌凝集をより最適に行うことを可能に
するとともに沈澱部に入る前段階でも沈降分離を可能と
し、凝集剤の量を増大させることなく充分な大きさの凝
集フロックへの成長、システム全体としての汚泥処理の
容易化および沈澱部の処理負荷の軽減、さらには最終処
理水の水質向上を可能にする凝集沈澱装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の凝集沈澱装置は、原水中の懸濁物質を凝集
剤を用いて攪拌によりフロックへと凝集させる攪拌凝集
部と、該攪拌凝集部の下流側に設けられ、凝集フロック
を沈降分離する沈澱部とを有する凝集沈澱装置におい
て、沈澱部の入口部又は攪拌凝集部と沈澱部との間に、
凝集フロックの沈降分離部を有するとともに攪拌手段を
備えた予沈澱部を設けたことを特徴とするものからな
る。
【0009】上記予沈澱部の攪拌手段の攪拌強度として
は、攪拌凝集部における最終段の攪拌手段の攪拌強度以
下であることが好ましく、攪拌凝集部における最終段の
攪拌手段の攪拌強度よりも弱いことがより好ましい。こ
れによって、予沈澱部の前段までに成長した凝集フロッ
クを壊すことなく、予沈澱部においてさらに十分な大き
さの凝集フロックまで成長させることが可能になる。
【0010】また、予沈澱部の攪拌手段としては、その
回転方向または攪拌手段の軸方向が、攪拌凝集部におけ
る最終段の攪拌手段の回転方向または攪拌手段の軸方向
とは異なるものであることが好ましい。つまり、攪拌凝
集部における最終段の攪拌手段の回転方向とは逆回転方
向とするか、あるいは/および、攪拌凝集部における最
終段の攪拌手段の軸方向が上下方向または横方向である
場合には、予沈澱部の攪拌手段の軸方向を横方向または
上下方向とする。これによって、予沈澱部においては、
その前段での攪拌流れ方向とは変えることができ、前段
での流れを打ち消す整流効果を発揮させることが可能に
なる。その結果、予沈澱部における沈降分離を促進でき
るともに、予沈澱部において沈降分離しなかった凝集フ
ロックを壊すことなく沈澱部へと導入することが可能に
なる。
【0011】予沈澱部の沈降分離部に引き抜き手段を接
続しておけば、必要に応じて、あるいは実質的に連続的
に、該沈降分離部に沈降分離してきた凝集フロック(汚
泥)を適宜除くことができ、予沈澱部の容量を常時最適
な容量に維持できる。
【0012】予沈澱部の容量としては、この部分でより
緩い攪拌を行い、凝集フロックへの成長を促進するため
に、その直前に位置する攪拌凝集部の最終段部分の容積
よりも大きいことが好ましい。
【0013】上記のような本発明に係る凝集沈澱装置に
おいては、沈澱部の入口部又は攪拌凝集部と沈澱部との
間に、沈降分離部を有し攪拌手段を備えた予沈澱部が設
けられるので、この予沈澱部においてより十分な大きさ
の凝集フロックに成長されるとともに、この予沈澱部に
おいても沈降分離が許容され、沈降分離する凝集フロッ
クを、被処理水が沈澱部に導入される前に適宜除去する
ことが可能になる。予沈澱部において沈降分離が可能に
なるため、予沈澱部における攪拌強度を、従来不可能で
あった、凝集性能上より最適な弱い攪拌強度まで弱める
ことが可能になり、凝集剤の量を増加させることなく、
むしろ凝集剤量の減少を可能として、効率よくより大き
なフロックへの凝集が可能となる。また、弱い攪拌強度
とすることにより、成長した凝集フロックが壊れること
もなくなる。凝集フロックの一部はこの予沈澱部で沈降
分離されるので、沈澱部における沈降分離処理の負荷が
軽減されるとともに、一箇所から大量の汚泥を引き抜く
必要がなくなるから、システム全体としての汚泥処理が
容易化される。その結果、沈澱部での処理速度の向上、
さらには沈澱部からの処理水の水質向上が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の凝集沈澱装置の
望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明
する。図1は、本発明の一実施態様に係る凝集沈澱装置
を示している。図1に示す凝集沈澱装置1においては、
原水2が急速攪拌槽3に導入され、そこに凝集剤4が添
加されて攪拌機5により急速攪拌される。凝集剤4とし
ては、たとえば硫酸バンドやポリ塩化アルミニウムから
なる無機系の凝集剤が使用される。なお、原水によって
は無機系の凝集剤とともに有機系の高分子凝集剤を併用
する場合もある。
【0015】凝集剤4が攪拌混合された被処理水として
の原水2は、凝集剤4を用いて攪拌によりフロックへと
凝集させる攪拌凝集部6に導入される。本実施態様で
は、攪拌凝集部6は、3槽の攪拌凝集槽6a、6b、6
cに形成され、各攪拌凝集槽間および最終段の攪拌凝集
槽6cの下流側には、多孔板等からなる整流壁7が設け
られて、整流しながら順次下流側に被処理水を送ること
ができるようになっている。各攪拌凝集槽6a、6b、
6cには、それぞれ横型のパドル式攪拌機8が設けられ
ている。各攪拌機8は、下流側の攪拌機程攪拌強度が弱
くなるように設定されている。
【0016】攪拌凝集部6の下流側には、沈澱槽からな
る沈澱部9が設けられている。沈澱部9には、入口部9
aと、上記同様の整流壁または隔壁10と、沈降分離を
促進するための傾斜板配置部11が設けられており、凝
集フロックが沈降分離された処理水12が沈澱部9の下
流側上部から導出されるようになっている。沈澱部9内
の底部には、集泥機13が設けられており、集められた
汚泥が排泥弁14、汚泥引き抜きポンプ15を介して引
き抜かれるようになっている。本実施態様では、ここま
での構成は、図7に示した従来装置と実質的に同じであ
る。つまり、本実施態様は、既存の凝集沈澱装置に適用
可能な構成として示されている。
【0017】本実施態様では、沈澱部9の入口部9a
に、予沈澱部16が構成されている。この予沈澱部16
には、攪拌機17が設けられており、攪拌機17は、攪
拌凝集部6の最終段部分6cの攪拌機8が横型パドル式
の攪拌機であるのに対し、それとは軸方向が異なる縦型
のパドル式攪拌機に構成されている。また、この攪拌機
17の攪拌強度は、攪拌凝集部6における最終段の攪拌
機8の攪拌強度よりも弱く(たとえば、50〜70%程
度の攪拌強度に)設定されている。
【0018】予沈澱部16の下部は、沈澱部9の集泥部
と共通の部分として、凝集フロックの沈降分離部18に
構成されている。すなわち、本実施態様では、既存の沈
澱槽が実質的にそのまま利用され、その入口部9aに、
攪拌手段(攪拌機17)と沈降分離部18とを有する予
沈澱部16が構成されている。この予沈澱部16は、図
1に示す如く、攪拌凝集部6の最終段部分6cよりも大
きな容積(たとえば、1.5倍程度の容積)に形成され
ている。
【0019】上記実施態様に係る凝集沈澱装置1におい
ては、攪拌凝集部6において、原水中の懸濁物質が凝集
剤を用いて徐々に大きなフロックへと凝集されていき、
最終段の攪拌凝集部分6cで攪拌凝集された後に、被処
理水は予沈澱部16へと導入される。予沈澱部16で
は、最終段の攪拌凝集部分6cよりも大きな容積で、か
つ、より弱い攪拌強度で攪拌されてさらに凝集が促進さ
れるので、それまでに成長した凝集フロックが壊される
ことはなく、さらに大きな凝集フロックへと成長され
る。
【0020】また、予沈澱部16における攪拌の流れ方
向は、その直前の攪拌凝集部6の最終段における流れ方
向とは異なるので、最終段からの短絡流は生じにくくな
るとともに、流れが打ち消し合って整流効果が生じ、そ
れまでに成長した凝集フロックが一層壊れにくくなると
ともに、より大きな凝集フロックが円滑に成長していく
ことになる。
【0021】成長した凝集フロックの一部は、予沈澱部
16において沈降分離部18へと沈澱していく。残りの
凝集フロックは、被処理水とともに沈澱部9内に流入さ
れ、自重により、あるいは傾斜板配置部11の助けによ
り、沈降分離されて処理水12と分離される。前段の予
沈澱部16において予め凝集フロックの一部が沈降分離
されているので、沈澱部9本来の沈降分離処理の負荷は
大幅に軽減される。
【0022】沈澱部9の底部および沈降分離部18に集
められた凝集フロック、つまり汚泥は、共通の排泥弁1
4、汚泥引き抜きポンプ15を介して適宜引き抜かれ
る。
【0023】予沈澱部16には、沈降分離部18が設け
られており、沈降分離された汚泥は適宜引き抜きにより
除去されるので、予沈澱部16において凝集フロックが
沈澱しても、その沈澱凝集フロックが予沈澱部16の容
積を問題が生じる程度にまで減少させてしまうことはな
い。したがって、予沈澱部16の攪拌機17の攪拌強度
は、実質的に自由に弱めることが可能になり、従来装置
では不可能とされていた攪拌強度や攪拌速度にまで低減
することが可能になる。すなわち、懸濁物質をより大き
な凝集フロックへと成長させるという観点から、とくに
予沈澱部16における攪拌条件を制約なく最適な条件に
設定することが可能となる。その結果、原水中の懸濁物
質がより効果的に除去されることにより、最終的な処理
水12の水質の向上が可能となる。
【0024】また、排泥弁14や汚泥引き抜きポンプ1
5は共通になっているものの、沈澱部9における本来の
沈降分離に対し前段処理として予沈澱部16で一部の凝
集フロックが事前に沈降分離されるので、沈澱部9の処
理負荷が大幅に減少する。したがって、沈澱部9の処理
速度の限界も高められ、従来と同じ処理速度であれば、
処理水12の水質の一層の向上が可能となる。また、汚
泥処理が分散されるので、たとえば本実施態様では集泥
機13の処理量が減少することになるので、システム全
体としての汚泥処理が容易になる。
【0025】さらに、予沈澱部16を設けることによ
り、凝集剤を用いて懸濁物質を大きな凝集フロックへと
成長させる能力が大幅に向上するので、凝集剤の使用量
の低減も可能になる。ちなみに、同じ濁度の原水を同程
度の処理水にまで処理するのに、従来装置に比べ本発明
装置では約15〜30%の凝集剤使用量の低減が可能に
なる。逆に同じ凝集剤使用量であれば、より優れた水質
の処理水を得ることが可能であり、さらには、より高い
濁度の原水に対しても処理が可能になる。
【0026】さらにまた、攪拌凝集部6が従来装置と同
等の攪拌凝集時間であり、それだけでは不十分である場
合には、予沈澱部16による攪拌凝集により十分な攪拌
凝集反応時間が確保されるようになる。しかも、この予
沈澱部16における攪拌凝集は、前述の如く制限なく攪
拌強度を弱めることができるから、予沈澱部16を含め
た攪拌凝集可能部全体として、望ましい凝集フロックへ
の成長に至るまでの十分な攪拌凝集を達成できることに
なる。
【0027】図2は、本発明の別の実施態様に係る凝集
沈澱装置21を示しており、とくに新設装置に好適な態
様を示している。本実施態様では、図1に示したのと同
等の3槽構成の攪拌凝集部22と、図7に示したのと同
等の構成を有する沈澱部23との間に、予沈澱部24が
設けられている。予沈澱部24には縦型パドル式の攪拌
機25が設けられている。予沈澱部24の容積は、攪拌
凝集部22の最終段部分22cの容積よりも大きく設定
されており、その下部は、コーン形の沈降分離部26に
形成されている。沈降分離部26には、専用の排泥弁2
7と汚泥引き抜きポンプ28が接続されており、沈澱部
23における排泥弁29、汚泥引き抜きポンプ30とは
独立に作動可能となっている。その他の構成は図1に示
した構成に準じる。
【0028】本実施態様では、図7に示した沈澱部の機
能を全く損なうことなく、その前段処理として、新たに
予沈澱部24による機能を付加できる。予沈澱部24で
は、攪拌強度等に制限を受けることなく最適な攪拌凝集
機能を発揮でき、より大きな凝集フロックへの成長が可
能になると同時に、成長した凝集フロックの一部を沈降
分離させて、適宜引き抜くことが可能になる。より大き
な凝集フロックへの成長により、最終的な処理水水質の
向上が可能になり、予沈澱部24での汚泥引き抜きによ
り、沈澱部23での処理負荷が大幅に軽減され、沈澱部
23の処理能力の向上、さらには処理水水質の一層の向
上が可能になる。また、攪拌凝集機能の向上により、凝
集剤の使用量の低減も可能になる。その他の作用、効果
は図1に示した装置に準じる。
【0029】図3は、さらに別の実施態様に係る凝集沈
澱装置31の概略構成を示している。本実施態様では、
図1に示した装置に比べ、沈澱部32の入口部に構成さ
れた予沈澱部33に設けられる攪拌機34が、攪拌凝集
部35の最終段部分35cの攪拌機36と同等の横型パ
ドル式の攪拌機とされているが、その回転方向が逆転さ
れており(図3の矢印)、かつ、攪拌強度が弱められて
いる。このように、回転方向を単に逆転させるだけで
も、それまでの攪拌流れに対し打ち消すような流れ方向
での攪拌を行うことができ、整流効果を発揮させて凝集
フロックの成長を円滑に行うことが可能になり、凝集フ
ロックの一部が良好に沈降分離部37へと沈澱される。
その他の構成、作用、効果は図1に示した装置に準じ
る。
【0030】図4は、さらに別の実施態様に係る凝集沈
澱装置41の概略構成を示している。本実施態様では、
図1に示した装置に比べ、攪拌凝集部42が攪拌機を持
たない、各仕切壁43を利用した迂回流式の攪拌凝集部
に構成されている。この攪拌凝集部42の後段に、沈澱
部44の入口部において、縦型パドル式の攪拌機45と
沈降分離部46を備えた予沈澱部47が設けられてい
る。このような迂回流式の攪拌凝集部42の場合には、
迂回流における水頭差で攪拌強度を調整することができ
る。このように、攪拌凝集部の型式にかかわらず、本発
明に係る予沈澱部を設けることが可能である。その他の
構成、作用、効果は図1に示した装置に準じる。
【0031】図5および図6は、さらに別の実施態様に
係る凝集沈澱装置51の概略構成を示している。本実施
態様では、攪拌凝集部52が2段に構成され、各段に縦
型パドル式の攪拌機53が設けられている。攪拌凝集部
52の後段でかつ沈澱部54の入口部に、予沈澱部55
が構成され、予沈澱部55は、縦型パドル式の攪拌機5
6を備え、沈降分離部57を有している。各攪拌機5
3、56は、図6に示すように、回転方向が互いに逆方
向とされており、攪拌強度は下流側程順次弱まるように
設定されている。このように、攪拌凝集部52の段数等
には特に限定はない。そして、攪拌強度に加え各攪拌機
の回転方向を適切に設定することにより、凝集フロック
の円滑な成長、予沈澱部における良好な沈降分離が効率
よく達成される。その他の構成、作用、効果は図1に示
した装置に準じる。
【0032】なお、本発明に係る凝集沈澱装置は、凝集
剤を用いて凝集フロックを生成し凝集沈澱により汚泥と
処理水を分離するものであれば、あらゆる型式の凝集沈
澱装置に適用可能であり、上水道や一般産業用水処理分
野等に広く適用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の凝集沈澱
装置によれば、攪拌手段と沈降分離部を有する予沈澱部
を設けることにより、原水中の懸濁物質を凝集剤を用い
て凝集沈澱処理に好適な十分に大きな凝集フロックにま
で円滑に成長させることができ、処理水との分離効率を
高めて処理水の水質を向上することができるとともに、
凝集剤の使用量の低減をはかることができる。また、予
沈澱部における攪拌強度に制限がなくなり、予沈澱部を
含めた攪拌凝集処理全体として、十分な反応時間を確保
できるとともに、最適な条件を制約なく容易に設定でき
るようになる。
【0034】さらに、凝集フロックの沈降分離、さらに
は汚泥引き抜き操作の分散が可能になり、システム全体
としての汚泥処理の容易化をはかることができるととも
に、沈澱部の負荷を軽減して沈澱部の処理能力の向上を
はかることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る凝集沈澱装置の概略
縦断面図である。
【図2】本発明の別の実施態様に係る凝集沈澱装置の概
略縦断面図である。
【図3】本発明のさらに別の実施態様に係る凝集沈澱装
置の概略縦断面図である。
【図4】本発明のさらに別の実施態様に係る凝集沈澱装
置の概略縦断面図である。
【図5】本発明のさらに別の実施態様に係る凝集沈澱装
置の概略縦断面図である。
【図6】図5の装置の概略平面図である。
【図7】従来の凝集沈澱装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
1、21、31、41、51 凝集沈澱装置 2 原水 3 急速攪拌槽 4 凝集剤 5 攪拌機 6、22、35、42、52 攪拌凝集部 6a、6b 攪拌凝集槽 6c、22c、35c 最終段の攪拌凝集槽(最終段の
攪拌凝集部分) 7 整流壁 8、36、53 攪拌機 9、23、32、44、54 沈澱部 9a 沈澱部の入口部 10 整流壁または隔壁 11 傾斜板配置部 12 処理水 13 集泥機 14、29 排泥弁 15、30 汚泥引き抜きポンプ 16、24、33、47、55 予沈澱部 17、25、34、45、56 予沈澱部の攪拌機 18、26、37、46、57 沈降分離部 27 予沈澱部の排泥弁 28 予沈澱部の汚泥引き抜きポンプ 43 仕切壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水中の懸濁物質を凝集剤を用いて攪拌
    によりフロックへと凝集させる攪拌凝集部と、該攪拌凝
    集部の下流側に設けられ、凝集フロックを沈降分離する
    沈澱部とを有する凝集沈澱装置において、沈澱部の入口
    部又は攪拌凝集部と沈澱部との間に、凝集フロックの沈
    降分離部を有するとともに攪拌手段を備えた予沈澱部を
    設けたことを特徴とする凝集沈澱装置。
  2. 【請求項2】 前記予沈澱部の攪拌手段の攪拌強度が、
    攪拌凝集部における最終段の攪拌手段の攪拌強度以下で
    ある、請求項1の凝集沈澱装置。
  3. 【請求項3】 前記予沈澱部の攪拌手段の回転方向また
    は攪拌手段の軸方向が、攪拌凝集部における最終段の攪
    拌手段の回転方向または攪拌手段の軸方向とは異なる、
    請求項1または2の凝集沈澱装置。
  4. 【請求項4】 前記予沈澱部の沈降分離部に、沈降分離
    された凝集フロックを引き抜く手段が接続されている、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の凝集沈澱装置。
  5. 【請求項5】 前記予沈澱部の容積が、攪拌凝集部の最
    終段部分の容積よりも大きい、請求項1ないし4のいず
    れかに記載の凝集沈澱装置。
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