JP3852126B2 - シャ−プペンシル - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、軸筒内に鉛芯繰り出し機構を配置すると共に、軸筒の先端に芯保持管を配置したシャ−プペンシルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
筆記に連れ芯が短くなった場合、この芯は、鉛芯繰り出し機構である芯の把持を行なう三割チャック、ボ−ルチャックなどのチャックから開放される。チャックから開放された芯は、チャック先端からシャ−プペンシル(芯保護管)先端までの間に残ることになる。この残った芯(以下残芯という)は、芯戻り止め部材に軽く保持されているだけである。よって、この残芯部分で筆記を行うと芯が回転してしまい、筆記感が悪くなり、一般的には後続芯により押出し排出させたり、引き抜いたりして破棄してしまうものであった。さらに、芯戻り止め部材から外れた残芯であると、前述した現象は顕著にみられ、芯が自重により落下してしまう場合もあった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
そこで、この残芯を無くすか極力小にして芯を有効に活用するために、芯保護管に対する種々の提案がなされてきた。例えば、特開昭56−118898号や特開昭58−203099号に示される考案である。何れの考案も芯保護管の内面に突起を形成し、その突起を残芯に食い込ませることにより、残芯筆記時における回転を防止するものである。しかし、残芯の回転は防止できるものの、芯の表面に突起による傷を付けてしまい、細い芯の強度を著しく損ねてしまうものであり実用的ではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、軸筒内に鉛芯繰り出し機構を配置すると共に、軸筒の先端に芯保護管を配置したシャ−プペンシルにあって、この芯保護管の内側に筒状のゴム弾性部材からなる芯保持部材を配置すると共に、芯保持部材の前方に逃げ空間部を設け、これによって、前記芯保持部材を芯保護管に対して移動および/又は変形可能に挿着し、また、前記芯保護管における芯保持部材の前後にその芯保持部材の芯保護管からの脱落を防止する脱落防止手段を設けたことを第1の要旨とし、軸筒内に鉛芯繰り出し機構を配置すると共に、軸筒の先端に芯保護管を配置したシャ−プペンシルにあって、この芯保護管の内側に筒状のゴム弾性部材からなる芯保持部材を配置すると共に、芯保持部材の前方に逃げ空間部を設け、これによって、前記芯保持部材を芯保護管に対して移動および/又は変形可能に挿着し、また、前記芯保護管における芯保持部材の前後に固定リングを設けるか、或いは、前記芯保護管における芯保持部材の前方に絞り部、或いは、段部、或いは、縮径部を設けるか、或いは、芯保護管の中間部の外面に凹部を形成することによって内面に凸部を設け、さらに、前記芯保持部材の少なくとも芯挿通方向の端部内面に拡開部を形成するとともに、その拡開部を芯保持部材の中間部内面よりロ−ト状に形成したことを第2の要旨とするものである。
【0005】
【実施例】
参照符号1は、シャ−プペンシルの軸筒であり、該軸筒1内には、チャックリング2を前方部外周に外嵌したチャック3(図中は三つ割チャックを示したが、一般にボールチャックと称されるチャックであってもよい)が配置されている。また、軸筒1の前方には先部材4が螺着されているが、先部材4は軸筒1と一体であっても良い。更に、先部材4の先端には金属、合成樹脂などよりなる芯保護管5が圧入されているが、その芯保護管5は先部材4と一体であってもよい。
参照符号6は、軸筒1の前方に外嵌されているグリップ部材である。また、参照符号7は、チャック体3などの芯繰り出し機構を後方に付勢(図中上方)するコイルスプリングなどの弾撥部材である。
尚、残芯を極力少なくするために、チャック3をチャック前進の際、芯保護管5の後端直前に位置するように配設したが、チャック3と芯保護管5との間に一般的なシャ−プペンシルに設置されているような、芯の後退を阻止するための芯戻り止め部材を配置しても良い。
【0006】
以上の構成は、従来の一般的なシャ−プペンシルの構成と同じである。本発明の特徴は、芯保護管5の内側に芯Lを保持する芯保持部材8(残芯保持手段)を配置させた点にある。
【0007】
以下、詳細に説明する。
前記芯保護管5の内側には、その芯保護管5の内径と略同径か若干大きな外径を有し、挿通する芯の外径より若干小径の内径を有する筒状のゴム弾性体からなる芯保持部材8が配置されている。勿論、芯を回転しないようにするための設定でもあり、また、芯の外径のバラツキを考慮してのことでもある。ちなみに、呼び値が0.5(日本工業規格:JIS S 6013)の芯の芯保持部材5に対する保持力は、20gf〜100gf程度あればよいもので、残芯筆記時の回転は防止できるものである。よって、上記した材質からなる芯保持部材7の厚さや長さなどは、保持力が20gf〜100gf程度になるように形成されている。ここで、保持力とは、芯を芯保持部材に挿着し、その挿着状態より芯が芯の繰り出し方向に動いているときの抵抗力である。また、呼び値が0.5(日本工業規格:JIS S 6013)の芯のバラツキの範囲は、0.55mm〜0.58mmとされている。
また、芯保護管5の後方の内側には、芯保持部材8の後方への移動を防止する芯径と略同内径の固定リング9が圧入された状態で固定されている。そして、その固定リング9の後端内面には、芯Lが通過しやすいようにロ−ト状(ロ−ト部9a)に形成されている。この固定リング9によって芯Lの径方向の振れも防止している。
また、前記芯保持部材8の長手方向の長さYは、芯保持部材8の直径(外径)よりも長く形成されている。具体的には、芯保持部材の直径の少なくとも0.6倍以上の長さを有している。芯保持部材の直径よりも短いと、芯を芯保持部材に挿入した際、芯保持部材がその端面部から内側方向にめくれてしまったり、また、芯保持部材が倒れてしまったりする危険性があるからである。尚、長さYの最大長さは、前記チャック体3の最前進位置までであることは云うまでもないが、あまり長くすると、組立性も悪くなり生産性が悪くなる。また、芯の繰り出し性能的な試験結果から、芯の硬さ、芯の芯保持部材への圧入力などによっても多少変わるが、多くとも(長くても)芯保持部材の直径の3倍以下が好ましいようである。以下、組立の容易性、芯繰り出し性能の良好性の観点から試験した結果を表1に示す。尚、芯保持部材の直径に下記Xを積した値が試験した芯保持部材の長さYとなる。例えば、芯保持部材の直径が0.7mmで、下記Xを0.2とした場合には、0.7×0.2となり、長さY=0.14mmの芯保持部材を試験したことになる。
また、芯の直径(呼び値)が0.5mm(日本工業規格:JIS S 6013)のものを使用し試験をした。
【0008】
【表1】
X:芯保持部材の直径に積した数、※1:芯保持部材が倒れる、※2:芯保持材が倒れているため芯が出ない、※3:芯保持部材が座屈する、挿入できない
【0009】
次に、前記Xが1.0並びに2.0の芯保持部材で、芯保持力を変化させ、芯の繰り出し性能(A)、並びに、回転防止性能(B)を試験した。その結果を表2に示す。
【0010】
【表2】
△:良好なときと、不良なときとが混在 保持力の単位:gf
【0011】
一方、前記芯保護管5の前端部は、内側に向かって円弧状に絞られており(絞り部5a)、芯保持部材8の前方への移動(芯保護管5からの脱落)を防止している。尚、芯保護管5の先端が円弧状に絞られているため、筆記の際、芯保護管5の先端が筆記面に当接してもひっかかることもなく、また、芯Lの先端が見やすくもなり良好に筆記することができる。
前記芯保護管5の先端形状は、芯保護管5の内側を切削などにより直角に加工し、段部5bとして形成(図3参照)してもよく、また、絞り加工あるいは圧延加工、切削加工などにより縮径部5cとして形成(図4参照)してもよいものである。前者においては、芯保持部材7の前端部における固定が確実なものとなり、後者においては、縮径部5cによりさらに先端が見やすくなり良好な筆記が得られるものである。
【0012】
次に、筒状のゴム弾性体からなる芯保持部材8の材質について説明する。ゴムの材質は、種々あるが、芯が常に当接し摺動すること、また、芯にはワックスや油などの添加剤が含まれていることを考慮し、さらに、経時的な復元性の維持を望むと、ジメチル系、メチルビニル系、メチルフェニルビニル系、メチルフルオロアルキル系などのシリコ−ンゴムや、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴムや、これらに他の成分をブレンドしたもの、例えば、具体的には前記エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴムに液状ゴムなどをブレンドしたものや、スチレン系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系などの熱可塑性エラストマ−などが挙げられ、要は、弾性が高く、永久ひずみ特性の低いゴム状弾性体であれば適宜のものが採用できる。
【0013】
次に、芯保持部材8の芯保護管5への挿着方法について説明する。図1に示す例は、あらかじめ、芯保護管となるパイプと、芯保持部材となる筒状のゴム弾性体を適宜の長さに切断しておき、まず、芯保護管5の先端を絞った後、芯保持部材8を芯保護管5に挿入し、次いで、芯保護管5の後方から固定リング9を嵌入させ、最後に、芯保護管5を先部材4に圧入固定したものである。しかし、これに捕らわれることなく、例えば、あらかじめ、芯保護管となるパイプに芯保持部材となる筒状のゴム弾性体を挿入しておき、次いで、これを一緒に適宜の長さに切断し、最後に、芯保持部材8が挿着された芯保護管5を先部材4に圧入固定してもよい。尚、本例においては、芯保持部材を芯保護管の前方に配置したが、なるべく軽い保持力で芯の回転を防止できるようにしたためであり、中央部分に配置しても良い。
尚、芯保護管を先部材などと一体的に樹脂で成形した場合には、あらかじめ、芯保護管の前端内面に段部(図3に示すような)が形成されるよう成形し、成形後、芯保護管の後方から切断した芯保持部材を挿着しても良い。また、芯保護管の前端内面に段部を形成しない場合には、芯保持部材を挿着後、芯保護管の前端内面に前記固定リング9と同様な固定リングを圧入しても良い。
【0014】
図5に示す例は、固定リング9の上方に鍔部9bを形成すると共に、その鍔部9bの中心部に、前例のロ−ト部9aより大径のロ−ト部9cを形成したものである。大きなロ−ト部とすることにより、芯の固定パイプへの挿入が前例のものより更に向上する。また、残芯と後続する新芯との連結部に生じる芯ずれによる固定パイプへの挿入不良も防止される。
次に、この例における組立方法を説明する。あらかじめ適宜の長さに切断した芯保護管5の先端を絞った後、その芯保護管5に芯保持部材8を挿着する。次いで、その芯保護管5を先部材4に圧入固定する。最後に、固定リング9を先部材4の後方より挿入し、芯保護管5の後方に嵌入する。
【0015】
次に、第2実施例について説明する。前例の芯保持部材に加え、芯の挿通により芯保持部材が変形しようとした際、その変形を容易となすために逃げ空間部を設けた例である。
第1例を図6、図7に示す。前記図3の拡大図でもある。芯保護管5の後方の内側には、芯保持部材8の後方への移動を防止する芯径と略同内径で、また、前記芯保持部材8の内径より若干大径の内径を有する固定リング9が圧入固定されている。そして、その固定リング9の後端内面には、芯が通過しやすいようにロ−ト状(ロ−ト状部9a)に形成されている。そして、前記芯保持部材8の内径と固定リング9の内径の差によって生じる段差が、芯保持部材8の逃げ空間部10となっている。この逃げ空間部10は、芯保持部材8の前方にも形成されており、芯保護管5の先端の孔5aの内径を芯保持部材8の内径より若干大径にすることにより形成されている。符号11がその逃げ空間部である。
次に、作用について説明する。図6の状態より、芯が挿通されると、あらかじめ芯Lが芯保持部材8に対して圧接されるように設定されているので、芯径のバラツキにより芯径が大きいものにあっては、圧接力も大きくなる。このようなときに、芯保持部材8の膨れようとする体積部分が端部方向に移動し、その移動した部分が最終的に逃げ空間部10、11に変形し(図7参照)、バラツキの有無に関わらず圧接力が平準化される。よって、芯径のバラツキが大きいものにあってもスム−ズな繰り出しがなされる。
【0016】
第2例を図8に示す。前記第1例と異なる点は、芯保持部材8の前端と、芯保護管5の先端の孔5aとの間に、その先端の孔5aの内径よりも大きい内径を有する第2の固定リング12を配置したことにある。前方の逃げ空間部11を多く設けることにより、芯保持部材8の前方への変形をより容易にした例である。芯の繰り出す方向を考慮し、後方に比べ前方側の変形をより容易にしたのである。
次に、第3例を図9に示す。芯保持部材8の中間部に周状のあるいは等間隔の凹部13を形成するとともに、芯保護管5の中間部には、その凹部13と係合する凸部14を形成したものである。この係合作用により芯保持部材8が芯保護管5に対して固定され、又、芯保持部材8の前方への変形がより容易になる。つまり、芯保持部材8の前方部分の全てが逃げ空間部15となる
尚、本例において、前記芯保護管5の凸部14は、外側方向より治具を押し当て、芯保護管を回転させることにより形成している(一般的には、ロ−ル加工とも云われている)。部分的に形成するよりも、容易に形成でき、高さなどが正確に調整できるためである。
【0017】
第4例を図10に示す。前記第1例の変形例であり、芯保持部材8の両端内面に面取り加工を施し、この面取り加工を施した部分を逃げ空間部16とした例である。また、図11、図12に第5例を示すが、この例は、逃げ空間部を芯保持部材8の外周に形成したものである。詳しくは、芯保持部材8の外周縦方向に放射状に溝を形成し、その溝を逃げ空間部17としたものである。芯の挿通により、芯保持部材8の膨れは、径方向(逃げ空間部17)に移動する。芯保持部材となるパイプ部材を成形する際、この溝も形成されるようなダイス(金型)を使用すれば成形と同時に簡単にできるものである。
第6例を図13に示す。芯保護管5の内側と芯保持部材8の外側との間に空間部を形成し、この空間部を逃げ空間部18としたものである。前記第5例と、逃げ空間部を径方向にも設けたという点で類似している。
図14は、第7例を示すものであるが、芯保持部材8を成形する際、その芯保持部材8の内部に気泡ができるように成形したものである。そして、この気泡を逃げ空間部19としたものである。縦方向や径方向の規制を受けず、自由に変形できるものである。尚、前記気泡を有する芯保持部材の材質の例としては、ウレタンフォ−ムやフォ−ムラバ−、シリコンフォ−ム、ビニルフォ−ムなどが挙げられる。
第8例を図15に示し説明する。芯保持部材8を芯保護管5に固定することなく、比較的自由に移動できるようにした例である。そして、この移動できる空間部を逃げ空間部20としたものである。芯保持部材8の後方、前方に関わらず、また、自由な位置で変形できるものである。符号9は、芯保持部材8の後方からの脱落を防止する固定パイプである。
尚、前記図1にも示されているように、芯保護管5の先端を円弧状に絞ることによって、その円弧部分の内側部分を逃げ空間部21としても良い。
【0018】
次に、第3実施例について説明する。前記第1実施例及び/又は、第2実施例の芯保持部材に加え、その芯保持部材の芯挿通方向の内面端部に拡開部を形成し、芯Lが容易に芯保持部材に挿入するようにした例である。
第1例を図16に示す。芯保持部材8の芯挿通方向の端部内面には、ロ−ト状の拡開部22が形成されている。このロ−ト状の拡開部22は、芯の径よりも大径であって、切削などによって形成しても良いが、射出成形などで芯保持部材を成形時に同時に形成しても良い。
また、芯保持部材8の後方で前記芯保護管5の後方の内側には、芯保持部材8の後方への移動を阻止する芯径と略同内径か若干大径で、また、前記芯保持部材8の内径より若干大径の内径を有する固定リング9が圧入固定されている。そして、その固定リング9の後端内面には、芯が通過しやすいようにロ−ト状部9cが形成されている。前記図5に示されているような固定パイプと同様なものである。
符号23は、前記芯保持部材8と固定リング9との間に設けられた空間部であり、芯Lが芯保持部材6に挿通された際、芯保持部材6の膨れ上がりが変形できる逃げ空間部である。また、本例においては、前記拡開部22も逃げ空間部の役割も果たしている。
前記芯保護管5の前端内面には、内側段部24が形成されており、芯保持部材8の脱落を防止している。その内側段部24の後端面は、ロ−ト状に形成されており、この部分も芯保持部材8の膨れ上がりが移動し変形する逃げ空間部25となっている。
【0019】
次に、作用について説明する。芯Lがチャック3により前進せしめられると、固定リング9のロ−ト状部9cによって芯Lが正確な位置に導かれ、やがて、芯保持部材8の拡開部22へと導かれる。そして、拡開部22によっても芯Lは正確に位置決めされ、芯保持部材8にスム−ズに挿通される。
芯Lが芯保持部材8に挿通されると、あらかじめ芯Lが芯保持部材8に対して圧接されるように設定されているので、芯径のバラツキにより芯径が大きいものにあっては、圧接力も大きくなってしまい膨れ上がろうとする。しかし、このようなとき、芯保持部材8の端部が逃げ空間部23、25並びに、拡開部22の部分に移動変形し、バラツキの有無に関わらず圧接力が平準化される。よって、芯径のバラツキが大きいものにあってもスム−ズな繰り出しがなされる。
【0020】
第2例を図17に示す。前記第1例と異なる点は、芯保持部材にある。本例における芯保持部材26は、長い筒状のゴム弾性体(所謂、チュ−ブと云われているもの)から適宜長さに切断したものである。従って、その切断面は、芯保持部材26の長手方向に対して垂直になっている。しかし、切断したままの状態で芯保護管に挿着し使用すると、芯Lが芯保持部材26に挿通させる際、芯保持部材26の端部内面の角部に芯Lが接触してしまい芯Lの挿通が不完全なものとなってしまう。そこで、本例は、前例における固定リング9の先端内面に大径孔部27を形成し、その大径孔部27の前端面を前記芯保持部材26の後端に圧接することにより、その芯保持部材26の後端を広げ、拡開部28を形成したのである。そして、この拡開部28によって芯Lは正確に位置決めされ芯保持部材26に挿通されるのである。
符号29は、前記拡開部28が形成されるための芯保護管5の内面凹部でもあり、また、芯が挿着されたときの芯保持部材26の膨れ上がりが変形する逃げ空間部でもある。
【0021】
第3例を図18に示し説明する。本例も前記第2例と同様に、芯保持部材を、長い筒状のゴム弾性体(所謂、チュ−ブと云われているもの)から適宜長さに切断したものである。そして、相違する点としては、拡開部を形成する方法にある。本例においては、固定リング9の前端に、芯保持部材8の後方内側に挿入する挿入筒部30を形成したのである。この挿入筒部30により芯保持部材8の後端は、広げられ拡開部31が形成される。
尚、前記第2実施例における第2例、第3例において、各々の芯保持部材を図示の如く、射出成形により形成すれば、固定リングの先端の加工(ロ−ト部、挿入筒部)は必ずしも必要ないものである。また、第2例、第3例においては、芯保護管5の先端内面を芯保持部材26(8)の内径より大径とすることにより、その段差部分を逃げ空間部32ともしている。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、軸筒内に鉛芯繰り出し機構を配置すると共に、軸筒の先端に芯保護管を配置したシャ−プペンシルにあって、この芯保護管の内側に筒状のゴム弾性部材からなる芯保持部材を配置すると共に、芯保持部材の前方に逃げ空間部を設け、これによって、前記芯保持部材を芯保護管に対して移動および/又は変形可能に挿着し、また、前記芯保護管における芯保持部材の前後にその芯保持部材の芯保護管からの脱落を防止する脱落防止手段を設けたことを第1の要旨とし、軸筒内に鉛芯繰り出し機構を配置すると共に、軸筒の先端に芯保護管を配置したシャ−プペンシルにあって、この芯保護管の内側に筒状のゴム弾性部材からなる芯保持部材を配置すると共に、芯保持部材の前方に逃げ空間部を設け、これによって、前記芯保持部材を芯保護管に対して移動および/又は変形可能に挿着し、また、前記芯保護管における芯保持部材の前後に固定リングを設けるか、或いは、前記芯保護管における芯保持部材の前方に絞り部、或いは、段部、或いは、縮径部を設けるか、或いは、芯保護管の中間部の外面に凹部を形成することによって内面に凸部を設け、さらに、前記芯保持部材の少なくとも芯挿通方向の端部内面に拡開部を形成するとともに、その拡開部を芯保持部材の中間部内面よりロ−ト状に形成したことを第2の要旨としたので、残芯を有効に使用することができると共に、芯の強度を損ねることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す要部縦断面図。
【図2】 図1に相当し芯を挿着状態を示す要部縦断面図。
【図3】 本発明の芯保護管の他の例を示す要部縦断面図。
【図4】 本発明の芯保護管の更に他の例を示す要部縦断面図。
【図5】 本発明の固定リングの他の例を示す要部縦断面図。
【図6】 本発明の第2実施例を示す要部縦断面図。
【図7】 図6に相当し芯を挿着した状態を示す要部縦断面図。
【図8】 本発明の逃げ空間部の他の例を示す要部縦断面図。
【図9】 本発明の逃げ空間部の更に他の例を示す要部縦断面図。
【図10】 本発明の逃げ空間部の更に他の例を示す要部縦断面図。
【図11】 本発明の逃げ空間部の更に他の例を示す要部縦断面図。
【図12】 図11のA−A線断面図。
【図13】 本発明の逃げ空間部の更に他の例を示す要部縦断面図。
【図14】 本発明の逃げ空間部の更に他の例を示す要部縦断面図。
【図15】 本発明の逃げ空間部の更に他の例を示す要部縦断面図。
【図16】 本発明の3実施例を示す要部縦断面図。
【図17】 本発明の芯保持部材の他の例を示す要部縦断面図。
【図18】 本発明の芯保持部材の更に他の例を示す要部縦断面図。
【符号の説明】
1 軸筒
2 チャックリング
3 チャック体
4 先部材
5 芯保護管
5a 絞り部
5b 段部
5c 縮径部
6 グリップ部材
7 弾撥部材
8 芯保持部材
9 固定パイプ
9a ロ−ト部
9b 鍔部
9c ロ−ト部
10 逃げ空間部
11 逃げ空間部
12 固定リング
13 凹部
14 凸部
15 逃げ空間部
16 逃げ空間部
17 逃げ空間部
18 逃げ空間部
19 逃げ空間部
20 逃げ空間部
21 逃げ空間部
22 ロ−ト状の拡開部
23 逃げ空間部
24 内側段部
25 逃げ空間部
26 芯保持部材
27 大径孔部
28 拡開部
29 逃げ空間部
30 挿入筒部
31 拡開部
32 逃げ空間部
L 芯
Claims (2)
- 軸筒内に鉛芯繰り出し機構を配置すると共に、軸筒の先端に芯保護管を配置したシャ−プペンシルにあって、この芯保護管の内側に筒状のゴム弾性部材からなる芯保持部材を配置すると共に、芯保持部材の前方に逃げ空間部を設け、これによって、前記芯保持部材を芯保護管に対して移動および/又は変形可能に挿着し、また、前記芯保護管における芯保持部材の前後にその芯保持部材の芯保護管からの脱落を防止する脱落防止手段を設けたことを特徴とするシャ−プペンシル。
- 軸筒内に鉛芯繰り出し機構を配置すると共に、軸筒の先端に芯保護管を配置したシャ−プペンシルにあって、この芯保護管の内側に筒状のゴム弾性部材からなる芯保持部材を配置すると共に、芯保持部材の前方に逃げ空間部を設け、これによって、前記芯保持部材を芯保護管に対して移動および/又は変形可能に挿着し、また、前記芯保護管における芯保持部材の前後に固定リングを設けるか、或いは、前記芯保護管における芯保持部材の前方に絞り部、或いは、段部、或いは、縮径部を設けるか、或いは、芯保護管の中間部の外面に凹部を形成することによって内面に凸部を設け、さらに、前記芯保持部材の少なくとも芯挿通方向の端部内面に拡開部を形成するとともに、その拡開部を芯保持部材の中間部内面よりロ−ト状に形成したことを特徴とするシャ−プペンシル。
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